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~ LibreOffice導入と現在の状況~
July 11 .2015 Osaka
LibreOffice を組織に導入してわかったこと
関西 LibreOffice 勉強会
Koutarou Watanabe
こんな人が話します( Who am I )
渡辺 浩太郎( Koutarou Watanabe )
福岡市某団体:総務課雑用係
福岡市百道の西南学院大 OB (商・商)
2011 年 LibreOffice 導入時のメイン担当&マニュアル作成者兼苦情処理係(現在はシステム担当ではありません)
ご質問・頼み事・講演依頼等は直接本人まで!
今日はプライベート参加ですこのプレゼンは渡辺の個人的見解であり、所属団体の見解ではございません
LibreOffice を採用した理由
1.Ms-Office 運用で遭遇した諸問題の解決
2.専用ソフトによる業務効率アップ
3.保存・保管ファイル形式の標準化
4.オフィスソフト費用の圧縮
5.多様なプラットホームへの対応
6.必要とする機能を有していた
7.開発体制・コミュニティの充実
LibreOffice の運用状況
2011 年導入後~現在の状況PC 総台数: 415 (デスクトップ: 312 ノート型: 103 )
Ms-Office 導入数: 151 (36%)
ODF (オープンドキュメント)形式を標準指定新規保存ファイルの 8 割以上が ODF
他に専業用:約 40 台アリ
●通常業務用の標準オフィスソフトとして問題無く運用中
●MS ファイルのやり取りが多い PC には Office 2010もインストールしているので問題は出ていない
●苦情をたまに耳にするが、自分のPC スキル不足を棚に上げている場合がほとんど ・・・ Calc :セル内改行を知らない etc
LibreOffice を導入して分かったこと
1.Office ソフトには無関心
2.W クリックで開くソフトしか使わない
3.過去ファイルの焼き直しが 90%
4.PDF と CSVと XLS でほとんど事足りる
5.高スキルユーザーからの苦情は少ない(質問は多い)
6.低スキルユーザー程マニュアルを読まない
7.マクロはほぼ全て作り変え可能
クレームを考える
1.クレームを列記してみると?
①過去ファイルのレイアウト修正が必要になった
②罫線の描き方・幅が判りにくい
③印刷範囲の再設定が必要
④取引先からのファイルでレイアウトが壊れてしまう
⑤ファイル入稿先に LibreOffice が無い
⑥最新の Excel関数・機能が使えない
⑦市役所作成の Excelシートが動かない
クレームの原因は?
1.クレーム原因を考えてみる?
①要するに修正方法が判らない(そもそもオフィスソフトの利用
スキルが足りない)→スキル不足(知識不足)
②Excelと同じ感覚で罫線が引けない→馴れ
③印刷範囲の再設定が面倒→余計な手間
④大部分が神エクセル→思い込み
⑤ファイル入稿先に LibreOffice が無い→確認不足
⑥最新の Excel関数が使えない→粗探し
⑦バージョン指定のファイル送付→ソフト指定
クレーム・苦情分析
1.クレームをさらに分析してみると?
①自分のスキル不足をソフト変更にすり替えた苦情
②今までと同じ感覚で作業できない苦情
③余計な手間が増えたことによる苦情
④Ms-Office なら大丈夫なのに!という思い込み
⑤ODF では入稿できないという思い込み
⑥使いもしない関数を調べていたり・使ってもいない
機能の粗探しなど( LenB やフリガナ Pivotグラフ)
⑦Ms-office でなければダメなファイル運用
クレーム対応
1.クレームへの対処方法は?
①自分のスキル不足を再認識させる
②馴れてもらう
③様式等は事前に ODF に作り変えておく
④Ms-Office でも不可能である事を体験してもらう
⑤入稿先にも LibreOffice を導入してもらう
⑥何ができて・何ができないのか?の調査をこちらか
ら依頼して仲間になってもらう←これ大事!
⑦Ms-office で運用する
クレーム対応のまとめ
1.クレームへの対処は?
①スキル不足者は・どんなソフトでも苦情を言うもの
②馴れてもらう為にもファイル再作成を依頼する
③様式などは事前に ODF に作り変えておく
④Ms-Office でもできない機能を認識してもらう
⑤相手先にも LibreOffice を導入可能であることに
気づく
⑥ウルサ型は仲間になってもらう(味方に引き込む)
⑦Excel指定ファイルは Ms-office で運用する
うるさい相手は味方に引き込む
Office ソフト運用に詳しい人を事前にピックアッ
プし移行テスト等をお願いする
馴れてもらうだけでなく、事前テストや運用方法を相談しておくと、仲間として行動してもらえるようになる。
1次対応の窓口として活躍してもらえるので、運用側としては非常に頼りになる。
詳しい人は文句を言わない
●詳しい人は代案を導き出して自己解決する
自分のスキルは棚に上げ、Office ソフトのせいにする
詳しい人は苦情を言うことなく、自己解決していく。自己解決できないレベルのユーザーが問題になる
Windows以外を考える
多様なプラットホームへの対応
Windows 以外も考えておかないと・・・・
Mac を使いたい部署もある
Linuxで問題ない部署もある( Mate をテスト)
システム選択の自由度を高めるためにも
適材適所の OS配備を実現したい
Windows の七変化についていける
か?不安・・・
Office ソフトが理由で選択が制限されることは避けたい
こっそり Windows-AD を Samba4 に変更するテストもやってた
高互換と責任の所在について例えば、Excel2003 での利用が指定されたシートの利用について、シート作成者が担保するのはExcel 2003での利用に限定される。上記ファイルを高互換な別ソフトで利用した場合は想定外の利用となり、利用者本人の自己責任となる。ソフト指定された業務利用ファイルについて、高互換であるという理由で指定ソフト以外を使用することは避けたほうが良い。結果の責任が担保できないソフト運用は業務上実施すべきではない。
互換で代理運用できるのは完全互換だけであり、高互換ではオリジナルソフトとの並行運用が必要と考えた。
ファイルの責任の所在とは?
Ms-Office Ms-Office
OpenOfficeLibreOffice互換Office
LibreOffice LibreOffice
Ms-OfficeOpenOffice互換Office
ファイル作者は利用指定したソフト以外での動作について関知しない。※厳密にはソフトのバージョンも関係します
※自己責任
※自己責任
導入時に注意してほしい点は?
互換性が高い=仕事が可能?
高互換であれば仕事ができると思っていないか?
責任の所在の明確化が最重要ポイント
Office ソフト2本立て運用による互換問題クリアがお勧め!
責任問題への対処法として
高互換と完全互換は全然違う!
重要です!
Office ソフト2本立て運用って一体何?
一台の PC でオフィスソフトを 2 本運用する形態
Ms-Office利用を指定したファイルは Ms-Office
ODF 形式ファイルは LibreOffice
利用するファイルによってオフィスソフトを使い分ける
PC のデフォルト仕様は LibreOfficeだけ( Ms-Office は追加インストール)
LibreOffice への要件からMs-Office との互換性を除外できる
現在の状態
OS:Windows-7 Windows-8Operation System:
標準 Office層
業務アプリ層
Ms-Office20XX Ms-Office365
Adobe_Flash Adobe_Reader 専用業務アプリ
Office の役割は事務ツール
2 本立て後の状態
OS:Windows-7 Windows-8
Ms-Office20XX ・ Ms-Office365
Adobe_Flash Adobe_Reader
Operation System:
標準 Office層
業務アプリ層
事務ツールを2 本立てに!
LibreOffice
専用業務アプリ
※Ms-Office は Ms 形式ファイルを扱う業務アプリとして運用します
導入への 5 ステップ
PDF と CSV運用が安定した後、ODF変換を開始する点がポイント!
1.まず最初に PDF と CSVでの運用を
2.Ms-Office が必要な PC を炙り出す
3.LibreOffice をデフォルトに
4.パイロット導入で味方を増やす
5.マニュアル準備と参照への誘導
ファイル形式を意識させる為にも重要です
基本となるPC設置ルールを
決めます
1:変換マニュアル2:事務処理マニュアル
一次発信者・企業
四次発信者・企業
三次発信者・企業
発信主体
受・発信多い
受・発信多い
受信主体
ファイル
強制力
強
弱
【ファイル流通ピラミッド】
相互流通ファイル
内部循環ファイル
ファイル受渡し発生ポイント
MS 形式でのやり取りが発生するポイント
~ Ms-Office配備ポイント~
二次発信者・企業
現在の課題、今後の展望
業務ツールとして安定性の確保を、どのような形で保証するのか?!が課題
日本語フリーフォントの種類が少ない(特に楷書体)
縦書きへの対応はどうしても弱い
スムーズなバージョンアップ手段を模索中
バージョンアップ時に業務ファイルでの動作保証
を誰がいつどのように行うべきか?
よくある質問
Ms-Office との互換性は高いですか?VBAマクロは動作しますか?操作研修会などを実施しましたか?企業・法人導入に一番必要なことは?
SI 業者への依頼は?メーカーサポートが無くて大丈夫?どんなクレームが来ましたか?
OSC や勉強会などで!
トップダウンと言うよりも・・・トップが背中を推す姿勢
●どこまで互換できれば良いのか?は個々で違う● 『崩れた・崩れない』 から、ここまでできれば 『仕事ができる?・できない?』 を判断の一つとしてみては?
LibreOffice のココが「いいね!」
ライセンス管理が不要
自宅でも職場でも同じソフトが利用できる
同一ソフト・同一バージョンに統一できる
有償バージョンアップという連鎖からの脱却
躊躇なくアップデートを実施できる
全員が Drawと Impress を利用できる
ファイル配布時にソフトの有無を考えなくて良い(あの人パワポあったっけ?・ Visio ・ Access あるかな?)
運用して思う
イチ押し!
習うより慣れろ!
稟議不要!
マニュアルも1つで OK !
不正使用リスクも回避!
LibreOffice のココが「ちょっとね!」
バージョンアップ時は念入りなテストが必須
Base は未だ不安定(用途を絞った活用がマル ! )
縦書き機能はどうしても・・・
全体的に情報不足(処理方法~マクロや Tips まで)
運用して思う
特に Base は動作確認テスト必須!
みんなで情報を出しあおう!
縦書きが必須のモノは要テストです!
Base+HSQLDB
データ集積するならFireBird/MySQL/PostgreSQL