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オープンプロセスを利用した IT調達改革のご紹介 Code for Japan 副理事 高木 祐介 2014/10/11 IT EXPO BUSAN 2014

オープンプロセスで変える調達改革

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韓国で開催された IT Expo 釜山にて、副理事の高木が発表したプレゼン資料(日本語版)です。

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Page 1: オープンプロセスで変える調達改革

オープンプロセスを利用した

IT調達改革のご紹介Code for Japan 副理事高木祐介

2014/10/11

IT EXPO BUSAN 2014

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自己紹介• 高木祐介(たかぎゆうすけ)

• 肩書

• Code for Japan(CFJ)副理事。株式会社自動処理代表取締役。

• オープンナレッジファウンデーションジャパン(OKFJ)技術顧問。

• オープンビジネスソフトウェア協会副理事。

• 略歴

• 2002年中堅SIerにて勤務の後、大手ヘッドハンティング会社にて情報システム部門の立ち上げ、新規事業構築などに携わる。2010年に株式会社自動処理設立。

• 日本政府向けに主にオープンガバメント政策関連コンテンツの開発に携わり、約40の官庁調達にプロジェクトマネージャとして関わる。

• 現在はCFJが調達サポートを行っている福島県浪江町のタブレット事業

の中で調達に係る仕様書や評価表の作成、評価のサポート、契約法務、開発プロジェクト支援を行っている。

• 1980年生まれ、33歳。香川県出身。

• Japanese Only Speak

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自分たちの街の課題をシビックテックで解決するコミュニティのハブ

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ともに考え、ともにつくる

工夫する、やり方を変える(イノベーション)

創発、プログラミング(ゼロから1を)

行政、民間企業、学者、個人(多様性)

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H25.10一般社団法人化

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Civic Techとは?地域社会の課題をテクノロジーで解決

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自分たちの街にいくら税金を支払っていて、どのように使われているかをわかりやすく見せたり

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住んでいる地域で活動している議員さんがどんなことをしているかをデータベース化したり

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市が公開している危険箇所(事故・犯罪に関する情報)を地図上にマッピングしたり

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そういったものはCivic Techのプロダクトです。

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Civic Techは、融合技術領域。

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オープンデータ位置情報

要素技術のひとつ

The Emergence of Civic Tech: Investments in a Growing Field from Knight Foundation

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Civic Hack「住民自治」社会課題解決が目的なので、「地域」が主役

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CODE for JAPAN は、各地のブリゲイドを支援するプラットフォーム

Code for ◯◯

・各地域のコミュニティ作り・自治体との連携・課題解決の実施

・ブランディング・各地のブリゲイドの活動を支援・成功事例の横展開・国やCODE for AMERICAとの橋渡し

Code for X(ブリゲイドコミュニティ)

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f

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他にも続々と

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連携組織

•P

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CFAの3つのプログラム

•コア事業:技術者・デザイナー自治体派遣

1.フェローシップ:

•コミュニティ開発:地域のICT技術者等コミュニティによる自治体の情報化支援活動

2.ブリゲード:消防団

•新規事業:シビックテック関連起業家支援

3.アクセラレーター:

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CODE for AMERICA

自治体

技術者、エンジニア

市民

街の課題を解決するサービスなど

開発、運用

利用

フェローシッププログラム

自治体内で課題解決を行う

アドバイザー

アドバイザー

フォローアップ地域のIT技術者を始めとするコミュニティ活動の実施

実施

参加

優秀なIT技術者やデザイナーを派遣し、自治体の課題解決を行う

優秀な技術者の派遣、サポート

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の事業

•フェローシップ事業

•ブリゲード支援事業

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行政、自治体と市民、開発者をつなぎ、地域課題を解決する場を提供する

市職員

デザイナー、技術者、起業家

市民

課題

データや知見の提供

意見やアイデア

知見の提供システム開発

が場を提供

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日本版フェローシッププログラム

•シビックテックを課題先進地福島浪江町から

•パイロットプログラムを開始

•浪江町から、タブレット配布事業の仕様策定等Code for Namieに関し、再委託

•(※復興庁委託)

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人材公募、選定

フェロー

行政課題をヒアリングし、それを解決する人材を公募、育成、サポートしながら、行政の内側から課題を解決します。

行政課題ヒアリング

自治体

メンターによるプロジェクトサポート、人材育成

課題に応じたワークショップ開催

※今回のパイロット事業では、復興庁職員として採用・派遣

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ここまでがCode for Japanの説明

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公官庁調達とは?

•政府、自治体が行う発注

• 行政が政策課題を解決する中で、政府自治体内部で解決できない課題を、

民間事業者に外注する行為

政府調達情報ポータル 経済産業省入札情報 浪江町入札情報

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公官庁のIT調達の課題①

• 専門性の高いIT調達担当がいない

• 1~3年で交代し、IT調達担当者ノウハウが蓄積されない。

• ソフトウェア見積もり、代替え可能な仕組みの把握が難しい。

→ノウハウ不足により対案が出せない為、

提案内容の良し悪しを検討する事が難しい。

また見積もりや調達内容(仕様書作成)

について、業者に作業を丸投げする

ような状況や、概要のみ記載した発注

が数多く発生し、ベンダーロックインが発生している。

• 中小企業参入が難しい

• 支払いが(基本的に)全額後払い

• 予算措置から入札までのリードタイムが1年

• 基本的に単年度契約の為、毎年競争にさらされる。

→大手企業しか参入が難しく、

入札で競合が発生しにくい

「情報システムに係る契約における競争性、予定価格の算定、各府省等の調達に関する情報の共有等の状況について」(平成23年11月報告、各府省等、随時報告)

平成 20 年度から 22 年度までの間における各府省の情報システムの契約について• 随意契約の平均落札率は 98.6 %• 競争契約の半数以上が1者応札で、平均落札率は 96.0 %

• 2者以上の応札者がある場合は平均落札率70.1%

※落札率=予定価格に対する落札額の割合。

→競争がない為、ほぼ予定価格で購入しているケースが多く存在する。競争が効かない事で25%ほどサービスを高く購入している可能性がある。

発注側に対案を出せる人員が必要

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公官庁のIT調達の現状①

•大手企業による省庁の分割・独占。大手10グループで全体のシェアの8割を占める。※経済産業研究所『政府調達制度とITシステム“ITゼネコン”を育てたのは誰か(H13年)』

http://www.rieti.go.jp/jp/events/03020501/pdf/kishimoto_p.pdf

•情報システムに係る政府調達市場規模はIT市場全体の約15%の約9,988億円(H26年度)≒ 概算で約1500億円のコスト削減の可能性あり

※IT戦略本部「高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算」(平成26年度分)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/others/yosan/26siryou_1.html

※IDC Japan国内製品別IT市場予測を発表

http://www.idcjapan.co.jp/Press/Current/20140808Apr.html

Aグループ, 34%

Bグループ, 10%Cグループ,

9%

Dグループ, 6%

その他6グルー

プ, 20%

10グループ以

外, 21%

オープンで競争の効く調達を実施すべき。

情報システムに係る政府調達シェア

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公官庁のIT調達の課題と現状②• 利用率が低いケースがある

• 河北新報 東北のニュース/避難者に配布のタブレット端末、高齢者敬遠 飯舘村

• 約1億2000万円をかけて全世帯に計約2300台を配った。同年12月の1カ月間に約730台は1度も使われなかった。使用実績のある1570台の中でも日

常的に使われているのは約800台(約34.7%)にとどまる。

• 「自動車保有関係手続のワンストップサービスの利用が低調となっているため、サービスの運用方法等の改善を図るよう意見を表示したもの」(平成19年度、国土交通省等、意見表示、背景金額約52億7,200万円(国土交通省負担分))

• 17年から20年までの新車の新規登録件数約350万件中、約2万3,000件(利用率 0.67 %)そのうち、個人の利用件数は計 59 件 利用者目線のサービス

を実施すべき。

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調達サポートプログラムについて

アイデアソン ハッカソン とりまとめ 調達事前調査ヒアリング

現在浪江町で事業実施中

開発

支援

↓イマココ!

利用者目線のサービス構築 専門家の知見の提供

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福島第一原発

浪江町

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全町民避難 帰町は3年以上先

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21,000人の町民の約1/3が県外避難

避難の状況

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町民参加型のアジャイル開発

町民が本当に必要とするもの、使いたいと思うものを作りたい。

各世帯にタブレット端末を配布することを決定

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これまでの取り組み

①専門家による町民ヒアリング(4月、5月)

②職員・復興支援員のアイデアワークショップ(5月)

③町民協働のアイデアワークショップ7回(5、6月)

④町民による試作品評価イベント3回(6月)

仕様書の作成と事業者の選定(7、8月)44

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これまでの取り組み

①専門家による町民ヒアリング(4月、5月)

②職員・復興支援員のアイデアワークショップ(5月)

③町民協働のアイデアワークショップ7回(5、6月)

④町民による試作品評価イベント3回(6月)

仕様書の作成と事業者の選定(7、8月)45

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県内県外で10世帯にインタビュー

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ペルソナ作成

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ハッカソンでの作成したプロトタイプ14アプリ

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これまでの取り組み

①専門家による町民ヒアリング(4月、5月)

②職員・復興支援員のアイデアワークショップ(5月)

③町民協働のアイデアワークショップ7回(5、6月)

④町民による試作品評価イベント3回(6月)

仕様書の作成と事業者の選定(7、8月)51

フェロー参画開始

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フェローシップの役割

•町の職員として開発プロジェクトをマネジメント

• Code for Japanや全国のコミュニティと連携して課題解決を目指す

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復興庁採用市町村応援職員(期間職員)

Wantedlyで公募

連携・サポート

常駐スキル提供

浪江町フェローシップのしくみCode for Japanによって選抜されたエンジニアを派遣期間は、1年間

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中立的な専門家と作り上げた仕様書

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プレゼンをYouTubeで公開

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採点理由を各社詳細まで公表

http://www.town.namie.fukushima.jp/soshiki/1/8028.html

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調達プロセスの公開

•離れて暮す町民にもオープンに

•事業者の納得感

• IT業界のレベルUP

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調達評価について

•評価・調達の際に重要だったポイント• 初年度費用と翌年度費用について• 想定開発期間と稼働時間について• 代替え可能な廉価サービスについて・・・などなど

•問題があった提案について• 仕様を満たしていない• 体制図に入っているのに、稼働時間が確保されていない• 提案してあるのに見積もりに入っていない。

・・・などなど

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現時点での成果報告

• ヒアリングからのペルソナ作成• アイデアソンにて、事業アイデアを募集

• 参加者420名 アイデア770アイデア

• ハッカソンにてプロトタイプを作成• 14アプリ開発

• アイデアソンハッカソンの優秀アイデアから調達仕様書を作成• 主要6機能を中心に仕様書を作成• 調達を実施

• 調達実施• 入札参加者7者 → 富士通が落札

• 契約実施

• 開発開始 ← イマココ

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ご清聴ありがとうございました。