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~編集後記~ 明けましておめでとうございます。今年もウィンターシーズンが始まり、スキー、スノーボード をする人達が、県内外から沢山来ていますね。私もスキーをやりますが、年と共に体力も無くなっ てきて、滑る事は楽しいのですが、怪我をしないようにと考えて滑る事が多くなりました。 のんびりと景色をゆっくりと眺めながら楽しく滑りたいと思います。 岩渕 智春 お店と車椅子と母 内川 峯子 私の母は、十数年前に脳梗塞を患いましたが、発見が早期だったこともあり、順調に回復してリハビリをして家 に戻ることができました。主治医からは、「脳梗塞の後遺症で、認知症が発症する可能性が高いです」との話があ りましたが、私達家族は、そんな日が来るのが一日でも遅いことを願ってやみませんでした。 家に戻ってからは、自営業を続けながら、デイケアへ通うようになりました。 私の母は、人とかかわるのが大好きで、踊り・ちぎり絵・書道・カラオケ・スナップ写真撮影 etc・・・多くの趣味を 持つ人でした。家業が、洋品店販売をしていることもあって、洋服のお直し(裾上げ・ウエストサイズ etc・・・)も、外 注に出さず家でやっていました。家族・友人が、一目置く出来栄え、今思えばあの繊細な手先が商売に役立って いたのだと思います。前向きな母は、デイケアに行くのが楽しみのようでした。「明日のメディア、何着ていこうかし ら♪」母の口癖でした。ベットの横に用意したリュックを横目でみながら・・・スタッフの方・お仲間に会えることに胸 膨らませているようでした。 父は、大正生まれの厳粛な人で、母はいつも気を遣い父の後を静かについて行く女性で、悲しいこと・つらい 事があっても、お店にお客様が見えると何もなかったように、「ニコニコ」と対応し、その姿は『大和撫子』そのも の・・・。母は、私の人生のお手本でした。 その後母は、幾度かの入退院を繰り返して、そのたびに医療関係者の方の手厚い治療を受けながら、リハビリ にも励みましたが、車椅子生活を免れることが出来ませんでした。そのことは今も悔やまれます。 車椅子生活での毎日の日課は、夕飯を食べる皆の部屋に、補助スロープを使い移動し、仏壇の前でご先祖様 に手を合わせ、テーブルのある所に車椅子をセットして皆で夕食を楽しみます。 あと、「七つの子」を歌うことです。私が「か~ら~す・・・♪」と歌い出すと、母が歌い出し、母が歌い続けてみん なが斉唱します。気持ちを言葉にするのが困難になっても、この歌だけは完璧でした。 平凡な毎日が続いたある日、車椅子でぐるぐるとお店の中を回り始め、最初はリハビリのつもりかと思っていた のですが、歩くことの出来ない母にとっては「徘徊」だったと思います。どこかに行ってしまう訳ではないので、そっ と見守っていました。部屋の隅で動けなくなっては、助けを求めていました。認知症の進行は介護サービスを使 い、大勢の方々と関わったからなのか、ゆっくりになっていたと思います。 最期の時が近くなった母は、神城医院へ。私は何日も泊まりそばに寄り添うことができ、8 月 14 日、最愛の母が 子供・孫・ひ孫家族皆が見守る中・・・天国へ旅立ちました。母は穏やかな顔で眠り、前日まで無意識に声を出し 続けていた母ではありませんでした。 『おばあちゃん 長い間お疲れ様でした。よく頑張りましたね。そして今までありがとう。大好きだよ』 母を大切にして下さった皆様・・・心より感謝しております。 第 33 回 1 社会医療法人 城西医療財団 http://www.shironishi.or.jp 神城 かみしろ 醫院(内科・心療内科・皮膚科・精神科) ‘S’ウェルネスクラブ神城(厚生労働省認定健康増進施設) 白馬 しろうま メディア(介護老人保健施設) かたくりの郷(認知症対応型共同生活介護) 〒399-9211 北アルプス訪問看護ステーション 長野県北安曇郡白馬村大字神城 22844 北アルプス訪問介護ステーション TEL 0261-75-7100(代) しろうま(居宅介護支援事業所) FAX 0261-75-7120 編集・発行 城西医療財団 白馬広報委員会 通所リハビリ(デイケア)デイルームの壁には、雪だるまをはじめ冬の飾りが登場しました。ご利用者も土 台の風船に毛糸を巻いたり、布にミシンがけをしたり、皆様の協力で季節を感じられる飾りができました。 今年も季節に合わせてどんな飾りが、作り出されていくのかとても楽しみですね。この広報誌「にっこりぃ」 も皆様と施設を繋ぐ架け橋になるように努めてまいります。

内川 峯子 - shironishi.or.jp · そんな中、私の1番印象に残っている場面が、スキージャンプ団体戦です。雪の舞う悪天候の中、原田選手が涙

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Page 1: 内川 峯子 - shironishi.or.jp · そんな中、私の1番印象に残っている場面が、スキージャンプ団体戦です。雪の舞う悪天候の中、原田選手が涙

~編集後記~

明けましておめでとうございます。今年もウィンターシーズンが始まり、スキー、スノーボード をする人達が、県内外から沢山来ていますね。私もスキーをやりますが、年と共に体力も無くなっ てきて、滑る事は楽しいのですが、怪我をしないようにと考えて滑る事が多くなりました。 のんびりと景色をゆっくりと眺めながら楽しく滑りたいと思います。 岩渕 智春

お店と車椅子と母

内川 峯子 私の母は、十数年前に脳梗塞を患いましたが、発見が早期だったこともあり、順調に回復してリハビリをして家

に戻ることができました。主治医からは、「脳梗塞の後遺症で、認知症が発症する可能性が高いです」との話があ

りましたが、私達家族は、そんな日が来るのが一日でも遅いことを願ってやみませんでした。

家に戻ってからは、自営業を続けながら、デイケアへ通うようになりました。

私の母は、人とかかわるのが大好きで、踊り・ちぎり絵・書道・カラオケ・スナップ写真撮影 etc・・・多くの趣味を

持つ人でした。家業が、洋品店販売をしていることもあって、洋服のお直し(裾上げ・ウエストサイズ etc・・・)も、外

注に出さず家でやっていました。家族・友人が、一目置く出来栄え、今思えばあの繊細な手先が商売に役立って

いたのだと思います。前向きな母は、デイケアに行くのが楽しみのようでした。「明日のメディア、何着ていこうかし

ら♪」母の口癖でした。ベットの横に用意したリュックを横目でみながら・・・スタッフの方・お仲間に会えることに胸

膨らませているようでした。

父は、大正生まれの厳粛な人で、母はいつも気を遣い父の後を静かについて行く女性で、悲しいこと・つらい

事があっても、お店にお客様が見えると何もなかったように、「ニコニコ」と対応し、その姿は『大和撫子』そのも

の・・・。母は、私の人生のお手本でした。

その後母は、幾度かの入退院を繰り返して、そのたびに医療関係者の方の手厚い治療を受けながら、リハビリ

にも励みましたが、車椅子生活を免れることが出来ませんでした。そのことは今も悔やまれます。

車椅子生活での毎日の日課は、夕飯を食べる皆の部屋に、補助スロープを使い移動し、仏壇の前でご先祖様

に手を合わせ、テーブルのある所に車椅子をセットして皆で夕食を楽しみます。

あと、「七つの子」を歌うことです。私が「か~ら~す・・・♪」と歌い出すと、母が歌い出し、母が歌い続けてみん

なが斉唱します。気持ちを言葉にするのが困難になっても、この歌だけは完璧でした。

平凡な毎日が続いたある日、車椅子でぐるぐるとお店の中を回り始め、最初はリハビリのつもりかと思っていた

のですが、歩くことの出来ない母にとっては「徘徊」だったと思います。どこかに行ってしまう訳ではないので、そっ

と見守っていました。部屋の隅で動けなくなっては、助けを求めていました。認知症の進行は介護サービスを使

い、大勢の方々と関わったからなのか、ゆっくりになっていたと思います。

最期の時が近くなった母は、神城医院へ。私は何日も泊まりそばに寄り添うことができ、8 月 14 日、最愛の母が

子供・孫・ひ孫家族皆が見守る中・・・天国へ旅立ちました。母は穏やかな顔で眠り、前日まで無意識に声を出し

続けていた母ではありませんでした。

『おばあちゃん 長い間お疲れ様でした。よく頑張りましたね。そして今までありがとう。大好きだよ』

母を大切にして下さった皆様・・・心より感謝しております。

第 33 回

1

社会医療法人 城西医療財団 http://www.shironishi.or.jp

神城かみしろ

醫院(内科・心療内科・皮膚科・精神科) ‘S’ウェルネスクラブ神城(厚生労働省認定健康増進施設)

白馬しろうま

メディア(介護老人保健施設)

かたくりの郷(認知症対応型共同生活介護) 〒399-9211

北アルプス訪問看護ステーション 長野県北安曇郡白馬村大字神城 22844

北アルプス訪問介護ステーション TEL 0261-75-7100(代)

しろうま(居宅介護支援事業所) FAX 0261-75-7120

編集・発行 城西医療財団 白馬広報委員会

通所リハビリ(デイケア)デイルームの壁には、雪だるまをはじめ冬の飾りが登場しました。ご利用者も土

台の風船に毛糸を巻いたり、布にミシンがけをしたり、皆様の協力で季節を感じられる飾りができました。 今年も季節に合わせてどんな飾りが、作り出されていくのかとても楽しみですね。この広報誌「にっこりぃ」

も皆様と施設を繋ぐ架け橋になるように努めてまいります。

Page 2: 内川 峯子 - shironishi.or.jp · そんな中、私の1番印象に残っている場面が、スキージャンプ団体戦です。雪の舞う悪天候の中、原田選手が涙

スポーツの魅力

‘S’ウェルネスクラブ神城

健康運動指導士 吉野 慎也

今年は、4年に1度の国際スポーツ競技大会が2つも行われるスポーツの年です。

来月には、韓国平昌で開催される冬のオリンピック、6月にはロシアで開催されるサッカーワールドカップと、スポ

ーツ観戦の好きな私は、今からとても楽しみにしています。

冬のオリンピックと言えば、20年前もこの白馬を舞台にして各競技が行われました。各国代表選手が熱い戦いを

繰り広げ、多くの方が観光や応援に来られ街中は賑わい、皆さんも選手の応援、受け入れや会場のサポートなど、こ

のオリンピックに様々な形で関わり長野オリンピックを支えたのではないでしょうか?

この当時、私は長野を離れ学生寮に入り寮生活をしていました。せっかく長野の地元開催だったのですが、現地

で応援する事は1度も出来ませんでした。トップ選手を間近に見る事が出来なかったのですが、寮生と集まってテレ

ビから応援していました。

そんな中、私の1番印象に残っている場面が、スキージャンプ団体戦です。雪の舞う悪天候の中、原田選手が涙

ながら声を震わせ応援する姿や、日本のメダルがかかる大一番の船木選手のジャンプは、テレビを前に固唾をのん

で見守っていました。その期待に応えた船木選手のジャンプは見事成功し、日本の金メダルが確定し、選手達が抱

き合って喜んでいたシーンは、映像を通して喜びと共に感動したシーンでした。ドラマ的な展開、選手の涙、プレッシ

ャーに打ち勝った見事なこのジャンプは、応援する人を魅了し、皆さんの記憶にも残ったシーンではないでしょう

か?

スポーツの魅力は「興奮、歓喜、感動」を誰とでも一緒に共有でき、選手の必死な姿やプレーは会場のみならず、

テレビ前にいるもの同士、成功や勝利を共に祈る、「自然な一体感」を持つ事が出来るコミュニケーションツールにも

なると思います。

来月2月、韓国平昌で開催されるオリンピックでは、どんなドラマがうまれ、どんな感動的なシーンを届けてくれるの

でしょうか?今大会私の注目したい選手は、スピードスケート女子小平奈緒選手です。長野県出身という事もありま

すが、世界新記録を出し、更に更新できるか?最速女王が、メダル獲得を目指したチャレンジを、ぜひ観戦したいと

思っています。

スポーツを通じて広がる楽しみも、また良いのではないでしょうか?

2

第 10 回 白馬メディアシンポジウム 報告

皆様のご協力により第 10 回シンポジウムを開催する事が出来ました。「‘白

馬メディアが地域のために出来る事’と題して、理想の老後を考えながら白馬

に移り住んだ人達が、高齢化して、今後どうなって行くか、生活の場として、

人と人とが繋がりあうコミュニティが、どうあるべきかを問い直したい」とい

う課題は、今後に繋げる事が出来たと思います。参加者の方々の発言が私の心

に響きました。 このシンポジウムが、地域のケアの明日に繋がって行くことを願ってやみま

せん。これからも宜しくお願い申し上げます。 居宅介護支援事業所 しろうま 古郡 公喜

相手を知ろうとする気持ちの大切さ

食事療養部

管理栄養士 田中 裕美

私は数年前、手話に興味をもち、勉強をした事があります。私が、なぜ手話に興味を持ったのか、それは学生時

代に経験したある事がきっかけでした。

私は学生の頃、レストランでウエイトレスのアルバイトをしていました。そこには、毎月1~2回程、6~7人でお互い

に身ぶり手ぶりでコミュニケーションをとっているお客様がみえました。聴覚に障害がある方達でした。私は、どう接し

ていいのか分からず、近づく事もできませんでした。自分から“壁”を作ってしまったのです。その時は、慣れている

社員の方がスッと対応してくれましたが、当時の私は、それから何度、そのお客様方が来店されても、自分からはコミ

ュニケーションをとる努力もせず、その方達を知ろうともしませんでした。それから何年もたったある日、たまたまテレ

ビの手話講座を目にし、当時の記憶がよみがえってきました。なぜ、あの時、壁を作ってしまったのか・・いつの間に

か、そんな後悔が、私の心の片隅にあったのかもしれません。それから、私は手話講座の番組を見たり、本を買った

りしながら自分なりに手話を勉強してみました。

ある時、手話サークルが近くである事を知り、初めてサークルに出掛けた時のことです。階段で一人の女性に会

い、声をかけてみました。その人は、サークルの方で聴覚に障害のある方でした。私は、その時、何も迷わず自分な

りに手話を使って、「手話の勉強をしたいのですが、手話サークルはこちらでいいですか?」と尋ねてみました。その

方は、笑顔で答えてくださいました。その時の私には、昔、感じた“壁”はありませんでした。それと同時に、心のどこ

かに引っかかっていたものがスッと消え、暖かい気持ちになったのがわかりました。

人と人とのつながりは、相手を知ろうとする気持ちが大切だという事を知った出来事でした。

竹田 登茂子 様

西澤 良典 様

竹田 保二 様

相澤 稔 様

丸山 敏郎 様

倉科 浩明 様

内川 守代 様

平林 穆親 様

平林 克子 様

髙橋 賢一 様

江津 繁伸 様

松本 英子 様

田邉 すずか 様

中村 郷子 様

柴田 みや子 様

鎌倉 重子 様

清水 美恵子 様

柳沢 亜也子 様

松沢 正猛 様

西脇 一熙 様

三橋 真由美 様

有馬 百合子 様

倉科 光男 様

中願寺 嘉津恵 様

諸角 寛治 様

㈱明口電設 様

八方尾根開発㈱ 様

(有)池田建設 様

白馬町ひまわりの会 様

山の音楽家 様

白馬八方太鼓保存会 様

白馬中学校 様

白馬北小学校 様

白馬南小学校 様

白馬幼稚園 様

新田そばの会 様

白馬村あーす隊 様

白扇会 様

翠美会 様

白馬民踊同好会 様

飯森踊りの会 様

白馬清芙美会 様

ケアサポートこごみ 様

飯田区

飯森区

白嶺 様

白馬村 様

小谷村 様

匿名希望 様

奥田 藤 様 ご家族

横川 知恵子 様 ご家族

平林 勝子 様 ご家族

内川 文造 様 ご家族

丸山 貞光 様 ご家族

猪股 榮 様 ご家族

宮嶋 澄子 様 ご家族

松倉 範子 様 ご家族

篠﨑 照 様 ご家族

篠﨑 菊代 様 ご家族

金子 ウタ 様 ご家族

亀谷 淑子 様 ご家族

塩嶋 良子 様 ご家族

Smile 講座サポートスタッフ 様

イブプラザ 様

ベルクトール丸北 様

ラフターヨガクラブ 様

まめった講座サポートスタッフ 様

白馬草月流生け花の会 様

カラオケ教室ゆうゆう倶楽部 様

白馬観光開発㈱ 様

ワタキューセイモア㈱ 様 白馬村索道事業者協議会 様

白馬五竜・47索道協議会 様

宮澤 ます子 様

大西 佐智子 様

山田 翠慧 様

下川 愛見 様

高田 和典 様

横沢 孝子 様

塩澤 範子 様

根岸 望 様

佐藤 明美 様

田中 要 様

森本 和 様

吉沢 様

鷲澤 智子 様

井上 あや子 様

宇田 義一 様

なにわ 様

リンドン 様

歌とお話の仲間達 様

松澤 鶴江 様 ご家族

松澤 たかよ 様 ご家族

中村 利子 様 ご家族

大日方 千歳 様 ご家族

深澤 福次 様 ご家族

小林 穂高 様 ご家族

中村 忠寿 様 ご家族