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1 ごあいさつ 九州電力株式会社 女子畑発電所は、明治の終わりに建設がはじまり、大 正時代から発電しているとても歴史のある発電所です。 九州電力では、この発電所とダムを、周辺の環境に配慮 しながら、大切に使ってきました。また、平成12年からは、 市民の皆さんにもお手伝いいただき、自然の森の再生を 目指した植樹も実施しています。 これまで長い間、大切に管理されてきたこの女子畑発 電所ダム周辺には、つい最近まで皆さんの周りでも見る ことができた豊かな自然環境が残っています。この女子 畑の自然環境の中で、植物や昆虫、野鳥の観察をしたり、 森の話を聞いたりして、自然を感じてください。そして、 皆さんの周りにもまだまだ自然が残っていること、私た ちは自然の中で生活していることを体感していただき、 自然環境を守り、大切にする行動に取り組む、きっかけ となれば幸いです。 皆さんの環境に優しい行動が、現在の温暖化をはじめ とする地球環境問題の解決につながることを願っています。 めい けん せつ れき しゅう へん みん つだ ぜん さい せい じっ かん さい ゆた のこ きん まわ みな かん きょう はい りょ こん ちゅう かん さつ やさ げん ざい おん だん ねが かい けつ

ごあいさつ - 九州電力 · の節から四方に枝を広げて多数の花 をつける。花は青紫色の細い鐘形でオ シベが長く突き出るのが特徴。よくツ

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1

ごあいさつ

九州電力株式会社

女子畑発電所は、明治の終わりに建設がはじまり、大

正時代から発電しているとても歴史のある発電所です。

九州電力では、この発電所とダムを、周辺の環境に配慮

しながら、大切に使ってきました。また、平成12年からは、

市民の皆さんにもお手伝いいただき、自然の森の再生を

目指した植樹も実施しています。

これまで長い間、大切に管理されてきたこの女子畑発

電所ダム周辺には、つい最近まで皆さんの周りでも見る

ことができた豊かな自然環境が残っています。この女子

畑の自然環境の中で、植物や昆虫、野鳥の観察をしたり、

森の話を聞いたりして、自然を感じてください。そして、

皆さんの周りにもまだまだ自然が残っていること、私た

ちは自然の中で生活していることを体感していただき、

自然環境を守り、大切にする行動に取り組む、きっかけ

となれば幸いです。

皆さんの環境に優しい行動が、現在の温暖化をはじめ

とする地球環境問題の解決につながることを願っています。

めい じ けん せつ

れき し

しゅうへん

し みん て つだ し ぜん さい せい

じっ し

かん り

さい

ゆた のこ

きん まわ

みな

かんきょう はい りょ

こんちゅう かん さつ

やさ げん ざい おん だん

ねがかい けつ

女子畑いこいの森

おな ご はた

2

3

ハチやヘビ、毛虫のほか、食べると有毒な植物、皮膚に触れるとかぶれる植物などがあります。見慣れないものには“近づかない”“やたらに触れない”ことが大切です。ガイドの指示に従って行動してください。

木の樹液に集まるスズメバチ 毒蛇として有名なマムシ

弱い人は木の下を通っただけでもかぶれるハゼノキ

青い実には毒があるウメ

自然界の危険生物

注意!

1C A U T I O N S

注意!

2C A U T I O N S

注意!

3C A U T I O N S

注意!

4C A U T I O N S

自然の動植物は、自分の身を守る方法を身につけていて、

時には私たちにとって、とても危険なものとなることがあります。

とはいっても、恐れることはありません。

自然を正しく理解して、自然とうまくつきあいましょう。

し ぜん

り かい

ほう ほう

おそ

わたくし けん

ゆう どく

み な

し したがじ

ひ ふ ふ

4

いくら注意していても危険なものに触れてしまうかもしれません。正しい服装で出かけましょう。

服 装

帽子日差しの強い日は日射病を防ぐ

運動靴か長靴はき慣れているもの、ぬれてもよい靴を選ぶ。ひもはキチンと結ぶように気をつける。

水とうななめがけをして両手を自由にしておく。

リュックサック荷物はリュックサックかナップサックに入れて、両手を自由に使えるようにする。

ふく そう

ぼう

ひ ざ

にっ しゃ びょう ふせ

ぐつ

むす

えら

植樹地

植樹地

第2調整池

植樹地

広場

筑後川

いばり坂公園

台小学校

とも

みず

なが

ちゃ いろ ほ

うえ

大部交差点

ステーキの友クレソン

水の上をスイスイオオアメンボ

白い花を白い花をいっぱいつけるヒメジョオン

白い花をいっぱいつけるヒメジョオン

胸に黒いネクタイシジュウカラ

キチキチキチと飛ぶショウリョウバッタ

茶色の穂のヒメガマ

長いしっぽをフリフリハクセキレイ

女 子 畑 いこいの森

むね

くろ

S P R I N G

SPRING

玖珠川

日田電力所

女子畑発電所

なか

あか くろ

はる

はな

みつ だい す

ほ はな

白い花をいっぱいつけるヒメジョオン

だんごの葉でおなじみサルトリイバラ

花の蜜が大好きメジロ

赤と黒おしゃれなベニシジミ

ヤブの中でホーホケキョウグイス

春は穂のような花コナラ

SPRING

T O P I C

植樹地

植樹地

第2調整池

植樹地

広場

筑後川

いばり坂公園

台小学校

大部交差点

女 子 畑 いこいの森

S U M M E R

SUMMER

もり ばんいち

この森で一番さわがしいガビチョウ

引っぱっても抜けないよ抜けないよコマツナギ

引っぱっても抜けないよコマツナギ

むし と めい じん

虫取り名人シオカラトンボ

タヌキのしっぽみたいな実がなる タヌキマメ

たか そら

さかな

高い空から魚をねらうミサゴ

はな

に花がタコのイボイボに似てる タコノアシ

実がカラスのように黒くなる

カラスノエンドウ

くろ

な と

キリキリコロロと鳴いて飛ぶカワラヒワ

玖珠川

日田電力所

女子畑発電所

ゆき はな

SUMMER

T O P I C

引っぱっても抜けないよコマツナギ

なデーデーポッポーと鳴く キジバト

雪のような花びらノリウツギ

そう げん

草原のとのさまトノサマバッタ

す はな

好きな花がたくさんキチョウ

あらわ め たの

とつぜん現れ眼を楽しませるアサギマダラ

き す

もり おう じゃ

コナラの木が好き森の王者カブトムシ

植樹地

植樹地

植樹地

首の長いアオサギ

食べられないよ食べられないよノブドウノブドウ食べられないよノブドウ

頭上注意 クリ

アラカシ

コンペイトウのような花ミゾソバ

水の中が大好きカンガレイ

ハチ注意

コナラ

のどの特効薬タンキリマメ

秋はゆでだこタコノアシ

クルミ割り人形が必要 オニグルミ

筑後川

いばり坂公園

台小学校

とっこう やく

魚とり名人ヤマセミ

ひつ よう

女 子 畑 いこいの森

大部交差点

玖珠川

日田電力所

女子畑発電所

食べられないよノブドウ

赤い実で鳥をよぶカラスウリ

木のてっぺんで歌うホオジロ

引っぱれば矢羽のように切れるヤハズソウ

ナラガシワ

キーコーキーと鳴くイカル

筑後川

いばり坂公園

台小学校

大部交差点

冬女子 畑 いこいの森

植樹地

赤い冬芽のロゼット葉赤い冬芽のロゼット葉アレチマツヨイグサ赤い冬芽のロゼット葉アレチマツヨイグサ

葉を落とした木枝が美しいコナラ林

胸をそらせて胸をそらせて正しい姿勢正しい姿勢ツグミ

胸をそらせて正しい姿勢ツグミ

魚を鵜呑みカワウ

冬のユーレイ?ツルヨシの冬穂

春を待つシロダモとアカガシの冬芽

植樹地

植樹地

クリとクヌギ木肌をくらべて見よう

う の

こ がら

玖珠川

日田電力所

女子畑発電所

モンツキ姿でピョコピョコおじぎジョウビタキ

体が黄色いのに私の名はアオジ

ふわふわ綿ぼうしに長いシッポがかわいいエナガ

赤い冬芽のロゼット葉アレチマツヨイグサ

ご用心,痛いトゲ持つカラスザンショウ

胸をそらせて正しい姿勢ツグミ

小柄な体のキツツキコゲラ

茶色の葉が落ちないヤマコウバシ

●葉のつき方

●葉のふちの形 ●葉

互生(ごせい)

全縁(ぜんえん)

鋸歯(きょし)

重鋸歯(じゅうきょし)

波状(なみじょう)

鈍鋸歯(どんきょし)

対生(たいせい)

輪生(りんせい)

束生(そくせい)

楕円形(だえんけい)

卵形(らんけい)

奇数羽状(きすううじょう)

偶数羽状(ぐうすううじょう)

披針形(ひしんけい)

倒披針形(とうひしんけい)

主脈(しゅみゃく)

側脈(そくみゃく)

蜜腺(みつせん)

葉柄(ようへい)

托葉(たくよう)

3出(さんしゅつ)

掌状(しょうじょう)

●葉の形 ●複葉の種類

●花●どんぐり

花柱の名残

花弁(かべん)

萼(がく)

苞(ほう)

柱頭(ちゅうとう)花柱(かちゅう)子房(しぼう)

葯(やく)花糸(かし)

花柄(かへい)

どんぐり

殻斗(かくと)

雌しべ

﹇葉

脈﹈

雄しべ

用語解説

0

5

10

15

7

8

90年近く一般の立ち入りが制限されてきたため、タコノアシほかユニークな希少種が生き残っている貴重なフィールドである。

ウリ科

キツネノマゴ科

林の縁や、やぶ地に生えるつる性の草

だが、熟した卵形の朱赤の実を見たこ

とがある人は多いだろう。葉の表面が

ビロード状で細毛があり、夏の夜に白

くレースのような飾りのついた美し

い花をつける。似た種に実が黄色くな

るキカラスウリがある。

花期 8~9月

草地や道ばたに普通に見られる。茎は

四角形で、花は茎の上部に穂のように

なり、その中に数個ずつ白や薄紅色の

小さな花を次々とつける。このブラシ

のような花房の形を小さな狐(孫狐)

の尻尾に見立てたようで、何ともユー

モラスな名である。

花期 8~10月

いっ ぱん

せいげん

きしょう

き ちょう

しゅ のこ

ふち

じゅく

じょう

かざ

らん けい しゅ

せい

くき

か ぼう きつね

うす べに いろ

まご ぎつね

しっ ぽ

女子畑いこいの森

草花の特徴

9

キク科

日当たりの良い湿地に生え、茎は直立

し高さ50cmぐらい。葉は細く直接

茎から出て、先端はやや丸い。花は茎

の上部に集まって咲き筒状で白色ま

たは薄紅紫色である。

ヒヨドリがよく鳴く秋に咲くという

のでこの名がついた。

花期 8~10月

キキョウ科

ゴマノハグサ科

山地、高原に生え直立する。茎の上部

の節から四方に枝を広げて多数の花

をつける。花は青紫色の細い鐘形でオ

シベが長く突き出るのが特徴。よくツ

リガネニンジンと混同されるが、ツリ

ガネニンジンは九州にはまれである。

花期 8~10月

日当たりのよい山の草地に生え、茎は

直立して枝を分け、短い毛が密にある。

葉には細いぎざぎざがあって、枝の上

部の葉の付け根ごとに一花をつける。

花は薄紅紫色のかわいらしい唇型花

である。名は葉まで美しいを浜で美し

い塩釜になぞらえたという。

花期 9~10月

・・・ ・・

くき

えだ

うす くちびる

はま

みつ

しお がま

ふし

かね

べにむらさきいろ

つ とく ちょう

こん どう

がた

しっ ち

せん

さ つつ じょう

たん

ちょく せつ

10

ベンケイソウ科

泥湿地、川岸に生えるが、湿地の減少

に伴いその数は激減している。上部の

葉の付け根と茎の先から花の軸が伸

びて、上側に小さな花をつける。これ

をタコの吸盤に見立ててこの名がある。

花期 8~10月

低山の林縁、草地に生え茎には黄褐色

の短毛があり伸びて他物に巻きつく。

葉は3葉で長い柄があり、花は黄色で、

豆のさやは平たい楕円形で短い白毛が

あり、秋には紅色に熟する。この豆の中

に黒い種2個があってこれを食べると

痰が切れるといわれるのでこの名がある。

花期 4~6月

マメ科

でい しっ

ともな げき げん

じく

きゅう ばん

りん えん おう

だ えん けい

じゅく

たね

たん

かっ しょく

ノブドウあちこちの山野で、ごく普通に見られる。

二股の巻きひげで物に巻きついて這

い登るつる性の草。実は白、紫、青色と

変わるが食べられない。野生のブドウ

で食べられるのはエビヅルかサンカ

クヅルでいずれも実は黒く熟すから、

すぐわかる。

花期 7~8月

ブドウ科ふ つう

ふた また ま

せい

日当たりのよい山野に生える木質の

つる性植物。茎は長く伸び、枝分かれ

する。葉は3枚で、花は完全に開くと

十字形で白く群がり、一つの花に多数

の実がつき、実の中の花柱は長い羽毛

状になる。名は、つる性で葉が牡丹に

似ることから。

花期 8~9月

キンポウゲ科

水辺に生えよく群生する。花は白や薄

紅色のものが粒状に集まり丸いかた

まりになってコンペイトウを思わせる。

名は溝に茂るソバの意味だが、葉を柄

のほうから逆に見ると牛の顔に見え

ることから「うしのひたい」の別名が

ある。

花期 7~10月

タデ科

もく

くき

せい の えだ

かん

むら

じょう

みず

べに いろ

べ ぐん せい うす

つぶ

みぞ しげ

ぎゃく

じょう

ぼ たん

ぜん

しつ

おなじみのガマの穂が出る植物で、種

類はガマ、コガマ、ヒメガマがあり、当

地にあるのはヒメガマである。穂には

雄花と雌花が1本の茎の頭部に付い

ており、ヒメガマは頂部の雄花とその

すぐ下の雌花との間が離れているの

で他と区別できる。

花期 6~8月

ガマ科ほ

るい

お ばな め ばな

はな

く べつ

いただき

しゅ

11

クルミ科

川沿いの湿気のある日向に生える高木。

葉は大型の羽状複葉で、裏面には毛が

密生し縁には細かいぎざぎざがある。

実は秋に熟し卵状円形で堅くて厚い

殻がある。食べられるが、現在クルミ

として市販されているのは外国産の

別種である。

花期 5~6月 実10月

ブナ科

山地に生える落葉高木で、通常シイタ

ケのほだ木として植栽される。花は春、

実は熟すとドングリとなる。ドングリ

は球形で他より大きい。葉は長い楕円

形で栗の葉とよく似ている。名は国木

の意味。

花期 4~5月 実10月

12

森としては、比較的若い木が多く、コナラの高木を中心に、雑木林で普通に見られる樹木で構成されている。

かわ ぞい ひ なたしっ け

う じょう ふく よう

みっ せい ふち

じゅく たまごじょう かた あつ

から

し はん

べっ

つうじょう

しょく

だ えん

くに ぎけい くり に

さい

しゅ

がい こく さん

げん ざい

り めん

ひ かく

ぞう

こう せい

き ばやし

てき

13

イガイガのある実は同じ仲間のドン

グリの一種で、葉はクヌギによく似て

いるが、裏面の色がクリは淡黄色でク

ヌギは緑色であることから区別できる。

広く栽培される落葉高木で材はシイ

タケの台木になる。名は黒実の意から

転じたもの。

花期 7~9月 実10月

日当たりのよい山野に普通に見られ、

クヌギ同様植栽される。樹皮は灰白色。

葉は細長く裏面は灰白色で先が尖る。

ドングリは長い楕円形である。高木と

なり当地の山野にも多く見られ、夏に

はカブトムシやクワガタが樹液を求

めて集まってくる。

花期 4~5月 実10月

日当たりのよい山地に生える落葉低木。

高さ2~3m、若枝や葉に毛があり、

2葉ある短枝の先に白い花を多数放

射状につけ、実は秋に赤く熟す。本種

の仲間は多く、特にガマズミはよく似

ているが、当地で見られるのは本種の

みである。

花期 4~5月 実9~10月

ブナ科

ブナ科

スイカズラ科

なか

り めん たん おう しょく

く べつ

さい ばい

くろ み

ふ つう

しょく さい

だ えん けい

じゅ ひ かい はく しょく

とが

じゅ

てい ぼく

わか えだ

たん し

ほん しゅ

ほう

しゃ じょう じゅく

もとえき

14

低山地の常緑林内に生える高木。葉は

楕円形で先が尖る。雄木と雌木が別々

にあり、花は葉の付け根から短い柄を

出し、薄紫色である。実は赤く楕円形で、

たくさんつけるので「七実の木」また

は実が長いので「長実の木」という説

がある。

花期 6月 実10月

山地の雑木林に生える落葉高木。樹皮

は硬く黒褐灰色。葉は先が広くなった

長い卵形で、裏面は毛が密生し灰白色

であり、コナラより幅が広い。花は春、

新葉とともに開花する。材質は堅く、

器具や杭に用いられる。当地には少な

く数本を見かける。

花期 4~5月 実10月

駒がつなげるほど茎が強いのでこの

名がある。上部は草のような感じだが、

木の仲間で、茎は横に這って立ち上がり、

林縁や土手に生える。やせ地でも育つ

ので造成斜面の崩壊防止に植栽(実生)

されることが多い。薄いピンクの花を

つける。

花期 7~8月

モチノキ科

ブナ科

マメ科こま くき

りん えん

ぞう せい しゃ めん ほう かい ぼう

うす

てい さん ち じょうりょく

お ぎ め ぎ

りん

つ え

うすむらさきいろ

せつ

ぞう き ばやし

かた こっ かっ

みっ せい

はば

ざい

き ぐ くい

しつ かた

かい

らん けい

しょく

15

日当たりのよい山地で多少陰湿な地

を好む落葉低木。高さ2~3m、卵状

楕円形の葉をつける。枝の先に大きな

円錐状に多数の花のかたまりをつけ、

花の色は白く、アジサイを思わせる。

名は樹皮の内側に粘液があり糊料と

したところから。

花期 7~9月

当地に一本だけある落葉高木。葉が卵

状の長い楕円形で、基部は左右で大き

く歪み、一風変わっている。花は薄黄

色で多くつき、軸の途中に舌の形をし

た苞葉と呼ばれる特別の葉をつける。

この葉がヘラノキの由来である。

花期 6~7月

ユキノシタ科

シナノキ科

いん しつ

てい

だ えん けい

えん すい じょう

じゅ ひ うち がわ ねん えき こ りょう

えだ

ぼく たまごじょう

き ぶ

うすゆが

じく

ほう よう よ とく べつ

と ちゅう した

低山地の林内に生える。枝、葉、花の軸

などに軟毛が密生するので、葉を触る

とビロードのような手触りがある。花

は薄紅色で夏、実は丸く秋に紫になり

美しい。同じ仲間のムラサキシキブは

庭に植栽されることが多い。

花期 6~8月

クマツヅラ科てい さん ち じく

なん

しょく さい

なか ま

もう みっ せい さわ

むらさき

タテハチョウ科

日本全土に分布。食草はイラクサ、ヤ

ブマオ、コアカソなど(イラクサ科)、

ケヤキ、ハルニレなど(ニレ科)、ホップ、

カナムグラ(クワ科)。平地~低山地の

林縁、路傍などによく見られる。敏速

に飛び、花や地面に翅をやすめる。成

虫(まれに幼虫)で越冬。

発生 5~11月(2~4回)

マダラチョウ科

食草はカモメヅル、キジョランなど(ガ

ガイモ科)。飛翔はきわめてゆるやか。

訪花性が強い。夏までは北上しながら

長距離移動し、秋には南方へ移動する。

蛹または幼虫で越冬。

発生 4~11月(3~4回)

16

以前はどこででも見られた里山の昆虫は、開発や造林等により、全国で姿を消しつつある。当地ではその昆虫たちが今なお姿を見せてくれる。

ぶん ぶ

てい さん

りん えん

ちゅう ちゅうよう

しょうひ

か せいほう

きょ り い どうちょう

さなぎ

とうえっ

はね せい

ろ ぼう びん そく

い ぜん

こんちゅう

ぞう りん すがた

17

タテハチョウ科

シジミチョウ科

シロチョウ科

食草はイヌビワ、オオイタビ、イチジ

クなど(クワ科)。渓谷沿いの林縁に見

られる。梢上に翅を開いてとまる。クリ、

ソバなど花にも集まる。近年、分布を

北に拡大しつつある。成虫で越冬。

発生 5月~10月(4~5回)

食草はフジ、クズ、ヤマフジ、クララな

ど(マメ科)。照葉樹林帯の林縁に多く

見られる。飛翔は敏速。訪花性は弱く、

吸汁、吸水性が強い。成虫で越冬。

発生 6~10月(2~3回)

食草はネム、クサフジ、ハギ類など(マ

メ科)、クロウメモドキなど(クロウメ

モドキ科)。明るい場所に多いが、生息

環境は広い。飛翔はやや活発。訪花性

とともに湿地吸水性も強い。成虫で越冬。

発生 6~11月、越冬後翌春4月まで(5~6回)

けい

はねこずえ

ぶん ぷ

かく だい

しょう よう

ひ しょう

きゅうじゅう

るい

かん きょう

しっ ち

びん そく ほう か せい

じゅ りん たい

せいちゅう えっ とう

こく りん えんぞ

タテハチョウ科

本州、四国、九州に分布。食草はアシボソ、

チヂミザサ、ススキ、エノコログサな

ど(イネ科)。暗く湿り気の多い木陰の

環境を好む。吸汁、吸水するが、訪花は

まれ。幼虫で越冬。

発生 4~10月(2~3回)

発生 6~11月(3~4回)

タテハチョウ科

食草はジュズダマ、ススキ、アワ、トウ

モロコシ、アブラススキなど(イネ科)。

低地の林間付近の草むらに見られる。

樹液、腐果などで吸汁し、訪花はまれ。

顕著な季節型(夏型・秋型)が現れる。

シジミチョウ科

食草はハギ類、クズ、カラスノエンドウ、

ツメクサなど(マメ科)。河原、耕作地

周辺の草地、牧草地などでふつうに見

られる。ゆるやかに飛び、各種の花に

よく集まる。幼虫で越冬。

発生 4~11月(4~5回)

18

てい ち ふ きん

じゅ えき ふ か

けん ちょ

しめ け こ かげ

この

か わら

しゅう へん ぼく そう

と かく しゅ

こう さく

かた あらわ

19

タテハチョウ科

テングチョウ科

タテハチョウ科

食草はスミレ、フトスミレ、パンジー

など(スミレ科)。低地~低山地の草原、

空き地、人家の庭にふつうに見られる。

♀の飛翔はゆるやか。訪花性が強いが、

♂は吸水もする。♀は毒チョウのカバ

マダラに擬態しているといわれる。幼

虫で越冬。

発生 4~11月(4~5回)

食草はエノキ、エゾエノキ(ニレ科)。

雑木林の周辺、渓流沿いなどを、軽快

に飛ぶ。訪花、吸水・吸汁する。成虫で

越冬。

発生 6~7月、8~10月(少数)(1~2回)

食草はゴボウ、アザミ、ヤグルマギク

など(キク科)、まれにオオバコ(オオ

バコ科)。畑地など開けた明るいとこ

ろに多い。敏速だが、地面によく翅を

やすめる。訪花性が強いが、吸汁、吸水

もする。世界共通種(汎世界種)として

有名。成虫(ときに蛹)で越冬。

発生 4~11月(4~5回)

てい ち てい さん

ひ しょう ほう か

きゅう すい どく

ちゅう えっ とう

ぞう

と きゅうじゅう せい ちゅう

き ばやし しゅう へん けい りゅう ぞ けい かい

たい よう

せい

びん

きょう つう しゅ はん

さなぎ

そく はね

シジミチョウ科

食草はアラカシ、アカガシ、ウラジロ

ガシ、クヌギ、カシワなど(ブナ科)。カ

シ類の樹林帯を好み、敏速に飛翔する

がすぐに止まる。湿地や花にも集まる。

成虫で越冬。

発生 5~11月(3~4回)

発生 3~11月(4~6回)

シジミチョウ科

食草はスイバ、ギシギシなど(タデ科)。

明るい草地や公園などにふつうに見

られる。飛翔はやや敏速。よく花に集

まる。幼虫で越冬。

シロチョウ科

食草はシロツメクサ、ミヤコグサ、ス

ズメノエンドウ、ダイズなどのマメ科。

耕作地周辺や空き地などの明るい環

境を好み、飛翔は敏速で花に集まる。

♀には黄色型(♂型)と白色型の2型

がある。幼虫で越冬。

発生 3~10月(5~6回)

20

るい じゅ りん たい この

しっ ち

こう

きょう

かた

さく しゅう へん かん

21

シジミチョウ科

シジミチョウ科

タテハチョウ科

本州、四国、九州、南西諸島に分布。食

草はカタバミ(カタバミ科)。食草を遠

くはなれず低くチラチラ飛ぶ。花にも

よく集まる。幼虫で越冬。

発生 3~12月(5~6回)

食草はフジ、クズ、ハギ類など(マメ科)

のほか、ミズキ科、バラ科、ブナ科、タ

デ科、ミツバウツギ科、ヒルガオ科、ミ

カン科など。やや高所をゆるやかにチ

ラチラ飛ぶ。花に集まり、湿地にも集

まる。蛹で越冬。

発生 3~10月(4~5回)

食草はサルトリイバラ、ホトトギス、

ヤマユリ、オニユリなど(ユリ科)。低

地~山地の雑木林周辺でよくみかける。

飛翔は敏速で、路傍にとまりときに樹

液にもくる。成虫で越冬。

発生 6~10月(3~5回)

しょ

ひく

ようちゅう えっ とう

とう ぶん ぷ

るい

しっ

さなぎ

ぞう

えき

しょう びん そく ろ ぼう じゅ

ち き ばやししゅう へん

てい

せい ちゅう

ヒタキ科

体は茶褐色でうすい眉斑があり、全国

の低地や藪に住み、冬には公園や庭の

垣根にも来る。秋から冬にかけてはチ

ャッチャッと舌打ちするように鳴き、

活動期はおなじみのホーホケキョと

さえずる。木には水平の姿勢でとまる。

時期 1年中 活動期3~6月

22

里山に住む野鳥が多いが、最近ガビチョウが増え、年中さえずりが聞こえている。冬にはダムや取水口の水鳥にも注目したい。

さい きん ふ

ちゃ かっ しょく

てい ち やぶ

した

し せい

かき ね

び はん

チメドリ科

もともと飼い鳥として移入されたのが、

野生化し、近年急激に分布を広げている。

全体がオリーブ褐色で目のまわりが

白く後方に伸びている。藪の中を好む

ので姿は見つけにくい。声は大きくキ

ョロキョコキーヤキーヤと複雑に鳴く。

中国南部原産。

時期 1年中

か どり

きゅう

かっしょく

の この

ずがた

ふく ざつ

げん さん

げき ぶん ぷ

い にゅう

ハト科

従来は山林に住む鳥であったのが、い

まや街の鳥と化してしまった感がある。

公園や街路樹などで繁殖するように

なった。全体が赤紫がかった灰褐色で、

背と翼にはうろこ模様がある。デデッ

ポーポーと低い声で、くり返し鳴く。

23

キツツキ科

アトリ科

ほぼスズメ大の一番小さいキツツキ。

褐色と白のまだらで、各地の平地から

低山の林に住み、細い枝にもよくとまり、

木をつつく音も小さい。ギィーときし

るように鳴き、秋冬には他の鳥と一つ

の群れの中に入って行動することが

多い。

時期 1年中

時期 1年中

全体がオリーブ褐色で、飛ぶと翼に黄

色の斑が目立ち、黄色の帯になって見

える。尾は凹型、くちばしは薄い桃色

で太く短い。平地や低山地、公園や街

路樹、電線でよく見られる。鳴き声は

飛びながらキリコロロ、さえずりはビ

ーンキリコロロ。

時期 1年中

かく

てい ざん えだ

かっ しょく

はん

ろ じゅ

てい さん ち がい

おう がた もも いろうす

おび

と つばさ

じゅう らい

まち

はん しょく

あかむらさき はい かっしょく

せ も

ひく

よう

時期 1年中

ヒヨドリ科

全体が暗い青灰色で、背は黒っぽい。

頬は褐色。飛ぶときは波型で樹上にと

まり、地上に降りることは少ない。市

街地で最も目立つ鳥で、ピィッピィー

ヨと大きな声で鳴くので、知らぬ人は

少ないはずである。雑食性で繁殖力も

強く近年数も増えている。

24

シジュウカラ科

全国に留鳥として住み、のどから腹へ

ネクタイをしたように黒い筋が通っ

ている。体の上面は青灰色、頭及び首

が黒く、白い頬が目立つ。普通ツツチ

ージュクジュクと鳴くが、さえずりは

ツッピーツツピーと明るい声で鳴く。

公園にはよく来る。

りゅうちょう はら

ずじ

あお はい いろ およ

ほお ふ つう

なみ

がい

ざっ

しょく せい はん しょくりょく

ち もっと

がた じゅ じょう

ホオジロ科

顔は白と黒のしま模様で、眉とのどと

頬が白く、眼から首にかけて黒い部分

がある。里山の低木林、林縁などに住み、

繁殖期には雄は樹の梢、TVアンテナ、

電線で胸を反らせて鳴く。声はチチッ

のほかチョッピーチチ、ピツツーチリリ。

時期 1年中

まゆ

てい ぼく りん りん えん

おす

むね

き こずえ

時期 1年中

25

モズ科

秋になるとキィキィキィと高鳴きを

するほか、他の小鳥の鳴きまねもする。

頭は茶色で尾をゆっくり回すように

動かす。眼には過眼線と呼ぶ黒い筋が

ある。捕らえた獲物の虫やトカゲ類を

小枝やとげに刺す「モズのはやにえ」

の習性がある。

時期 1年中 活動期8~12月

こ えだ さ

しゅう せい

え もの るい

か がん せん よ すじ

メジロ科

昔から人々に愛されてきた鳥で、目の

周囲の白いアイリングが特徴である。

上面はオリーブがかった緑色、胸から

わきは薄い紫褐色。のどは黄緑。チー

と甘えるような声やキリキリ、チュル

チュルと鳴く。主に里山で生活する。

時期 1年中

あい

しゅう い とく

むね

しうす かっ しょく

ちょう

あま

サギ科

日本のサギ類の中では最も大きく、翼

を広げると1.6mにもなる。体の上面

は青灰色、首は灰色で前側中央には数

本の黒い縦線がある。また繁殖期には

頭に飾り羽が出る。グワーとしわがれ

声で鳴く。サギ類は長い首を縮めて飛ぶ。

時期 1年中

もっと つばさ

あお はい いろ まえ がわ

たて

かざ

ちぢ と

せん はん しょく き

セイキレイ科

細く尾の長いスマートな体。背は黒い

青灰色で腹の部分は黄色。眼の上に白

い線がある。尾をよく振り、波形を描

いて飛ぶ。水辺や渓流を好むが、海岸

では見られない。チチッ、チチンと他

のセキレイより細く清んだ声で鳴く。

時期 1年中

26

はら

みず べ けい りゅう この

ふ えが

カイツブリ科

身近の川や池でおなじみの水鳥。体は

丸く翼は短い。くちばしは黒で付け根

のところに黄白色の斑があり黄色い

目とともによく目立つ。水に長く潜り

意外なところにぽっかり姿を現し、ユ

ーモラスである。鳴き声はキリリリと

かケレレレと大きな声。

時期 1年中

はん

すがた あらわ

もぐ

サギ科

全体白色のサギ。街及び周辺で見かけ

るのは、ほとんどこのサギと思ってよい。

くちばし、足が黒色、足指が黄色なので、

他のサギとすぐに区別できる。他のサ

ギと交じって集団繁殖する。鳴き声は

グァーとかグェーと鳴き浅瀬で魚を

捕る。

時期 1年中

まち

しゅう だん はん しょく

あさ

べつ

およ しゅう へん

時期 1年中

サギ科

全体が白で首の長い大型のサギ。夏は

くちばし、足が黒で目もとが緑青色。

冬はくちばしが黄色で目もとが黄色

っぽくなる。普通水田、湖沼畔、干潟な

どで生息するが、当地ではダム、取水

口周辺にいる。鳴き声はゴアーッとし

わがれた大きな声。

27

おお がた

ふ つう

しゅう へん

こ しょう はん ひ がた

時期 1年中

セキレ科

頭から背、尾、胸にかけて黒色で、額か

ら眉の白い線が目立つ。日本の特産種

で山地の渓流沿いに生息する。セキレ

イ類は長い尾を常に上下に振るのが

特徴。ジジッ、ジジンと小さく濁った

声で鳴き、波形に飛ぶ。

まゆ

るい

とく ちょう にご

つね ふ

けい りゅう ぞ

とく さん しゅ

お むね ひたい

セキレイ科

頭や背の黒はセグロセキレイより薄く、

翼は白で先端は黒。生息場所や習性は

他と同じ。眼に黒い線が入っているが、

少し変化した種(亜種)がときどき現

れるので注意してみるとおもしろい。

鳴き声は、チチッ、チチッとやや濁っ

た感じ。

時期 1年中

つばさ しゅう せい

へん あらわか しゅ しゅあ

せん たん

うす

カワセミ科

体の上面と胸は黒と白のまだら模様。

頭の羽毛は長く冠のようになる。カワ

セミの仲間で魚捕りがうまく、水の中

に飛び込んで捕らえる。山地の渓谷、

渓流、湖沼などで見られ、当地では取

水口周辺に現れる。鳴き声はキャラッ、

キャラッと鋭く鳴く。

時期 1年中

かんむり

こ けい こく

けい りゅう こ しょう

あらわ

するど

よう

28

ワシタカ科

トビぐらいの大きさ。首と翼の上面が

暗褐色で下面は白。目から首にかけて

太い暗褐色の線がある。魚を主食にす

るタカの仲間であり、魚を見つけると

足から水に突っ込み足で捕らえる。ウ

キョ、キョッキョッと早口の高い声で

鳴く。

時期 1年中

あん かっ しょく

なか ま

つ こ と

ガンカモ科

河や沼でよく見られるカモ。雄は頭が

緑色、胸は紫がかった暗褐色で白い首

輪がある。雄は全体が褐色で黒褐色の

斑紋がある。グェーグェッとしわがれ

声で鳴き、逆立ちして水底の草を食べる。

冬鳥として全国に渡来し、当地ではダ

ム内にいる。

時期 10~3月

かわ ぬま おす

むらさき くび

はん

さか みず

と らい

ぞこだ

もん

こっ かっ しょく

29

ヒタキ科

ヒタキ科

エナガ科

雄の頭部は灰黒褐色で、上面は茶褐色、

下面は胸が灰色で腹は白い。冬鳥とし

て渡来し越冬する。平地から低山の常

緑樹林を好み、神社や寺の林など薄暗

い林内で落葉をひっくり返して、その

中の餌をとる。キョッとかクワッ、ク

ワッと鳴く。

時期 10~3月

頭から上面は黒褐色で背、翼は淡褐色。

顔は薄茶の眉線が目立ち、胸には褐色

の斑紋があるが、これはいろいろなタ

イプがあり一様ではない。冬鳥で畑や

草原など開けた場所を好み、虫、ミミ

ズを食べる。鳴き声キキッ、クイック

イッ。

時期 10~3月

尾が長く、体は丸くて小さい。頭頂、顔、

下面は白色で眉のあたりは黒っぽい。

背の両側は赤紫色の部分があり尾は

黒色、かわいらしい姿で林の中を活発

に動く。ジュリリとかジュルルなどと

鳴き、コゲラやシジュウカラ類と混群

をつくる。

時期 1年中

おす はい こっ

はいむね いろ

と らい えっ とう てい ざん じょう

うす

はら

かっ

りょくじゅ りん この

えさ

しょく ちゃ かっ しょく

つばさ たん かっ

び せん

はん もん

しょく

お とう ちょう

まゆ

あかむらさき いろせ

るい こん ぐん

O N A G O H A T A I K O I N O M O R I D U K U R I

自然が破壊されると、いろいろな木々、下草などが存在する、安定した森になるまで200年~300年かかります。でも、その土地本来の主木の木々を中心に植樹すると、20年~30年で、自然の安定した森をつくることができます。

事前に十分な植生調査を行い、その土地本来の木が何であるかを見極めて植樹する木を決めます。

その土地本来の本物の木を植える

ふるさとの木によるふるさとの森づくり

その土地本来の木を何種類も混ぜて、しかも1m2に3本という非常につめた状態で植樹します。しかも、筋状に並べて植えるのではなく、ランダムに植えて、最初から自然に近い状態とします。

小さな苗を密植、混植します

植樹した苗木のまわりには、ワラをたくさん敷いて、雨による表土の流失や、下草の生長を防ぎます。また、ワラは腐ると栄養になります。

植えたあとはワラで優しく

植樹後3年間は、下草刈りなどの管理が必要ですが、苗木がある程度大きくなれば、後は間伐もせず、自然の管理にまかせます。20年~30年で立派な森の完成です。

後は自然の管理にまかせる

高木

亜高木

低木マント群落(草、つる植物)

九州の大部分は、本来シイ、タブ、カシ類を中心とする冬でも緑の常緑

広葉樹林(照葉樹林)に覆われていました。

この自然本来の森を再生するために、横浜国立大学名誉教授の宮脇昭

理学博士の指導に基づく"ふるさとの木によるふるさとの森づくり"を、

市民の皆さんと実施しています。

自然本来の森の再生を目指した

そん

しょく じゅ

は かい

ざい

あ こうぼく

ていぼく

ぐんらく

しょく

こん しょく

しゅ るい

ひ じょう

じょう たい すじ じょう

さい しょ

なえ

し りゅう

しつ ふせ

くさ えい よう

やさ

かん

ひつ よう てい ど

かん ばつ

ぱ かん せい

りっ

なえ みっ しょく

せいちょう さ

み きわ

31

こう よう

はか せ し どう もと

し みん みな じっ し

ぜん さい せい よこ はま めい よ きょう じゅ みや わき あきら

じゅ りん しょう よう おお

るい じょう りょく

平成12年からの4年間で、延べ5,300人の皆さんに参加いただいて、4

万8,000本の苗木を植樹しています。

平成12年に植樹した小さな苗木は、すでに背丈を越える大きさになっ

ています。

開会式での宮脇先生による植樹指導 みんなで植樹開始

この子たちが大きくなるころには立派な森になります 苗を植えた後はワラを敷きます

植樹終了 植樹から2年でこんなに大きくなりました

32

へい せい の さん

せ たけ こ

33

女子畑周辺に残る自然に近い森を調査して、植樹する樹木を決定。どんぐりの木であるシイ、カシ類を中心に23種類、森の周辺を彩る樹木として、九州電力で育てたツツジやサザンカなど4種類、合わせて27種類の木を植樹。

ミズキ科

ブナ科

日本特産で山地の林内に生える雌雄

異株の常緑の低木。庭木としてもよく

使われる。枝が青いのでこの名がある。

赤褐色の小さな花が咲き、冬には楕円

形で長さ2cm程度の真っ赤な実をた

くさんつける。

花期 3~5月

山地に生える常緑の高木で、高さは20~25mになる。材に赤みがあるのでこの名がある。樹皮は緑灰黒色で、大木になるとかさぶた状にはがれる。葉は長楕円形で、長さ7~13cm、先は長く伸び、全縁で3cmほどの長い葉柄がある。どんぐりは2年目に熟し、長さ2cmほどのまるまるとしたものが多い。

花期 5~6月 実10~11月

しゅう へん

しょく じゅ じゅ もく

しゅ るい いろど

し ぜん ちょう さ

とく さん

い しゅ じょうりょく てい

えだ

せき かっしょく さ だ えん

けい てい ど み

ぼく

し ゆう

ざい

じゅ

じょう

じゅく

ぜん えん

ひ りょっ かい こく しょく

□□ ○月~○月

34

ブナ科

山野に生える常緑の高木で、高さは15

~20mになる。葉は楕円形で、上半分

に大型の鋸歯がある。葉がやや大きく

鋸歯が粗いのでこの名がある。似たも

のにシラカシがあるが、葉裏に毛がある

のが特徴。どんぐりは長さ2cmほどの

楕円形で年内に熟す。

花期 4~5月 実11月

花期 4~5月

カバノキ科

山地に生える落葉の高木で、高さは

15mほどになる。若葉は赤色で、また

秋には赤く紅葉もするのでこの名が

ある。葉は卵形で長さ5cmほど、縁に

は不ぞろいな重鋸歯がある。雄花は前

年枝に垂れ下がり、雌花は本年枝の先

につく。

ブナ科

山野に生える常緑の高木で、高さは

30mにもなる。神社の境内にもよく植

えられている。葉には鋸歯があり、裏

面には黄褐色の毛が密生しているの

が特徴。どんぐりは長さ1cm程度の

卵形で年内に熟す。

花期 4~5月 実11月

こう よう

らん

けい ふち

じゅう きょ し お ばな

た め ばな

おお がた

あら に

は うら

とく ちょう

けい

おう かっ しょく みっ せい

だい

35

カエデ科

ブナ科

エゴノキ科

山地に生え、紅葉を代表する木。落葉

の高木で、高さは10~25mになる。イ

ロハカエデともいい、モミジは紅葉し

た状態、カエデはカエルの手に葉の形

が似ていることによる。また、イロハ

は葉を「イロハニホヘト」と数えるこ

とによる。

花期 4~5月

山地に生える常緑の高木で、高さは

20m程度になる。葉の裏面が白いので

この名がある。葉は披針形で縁には鋭

い鋸歯がある。どんぐりは2年目に熟し、

長さ1.5cm程度の卵形。

花期 4~5月 実10月

雑木林や渓谷沿いに生える落葉の小

高木で、高さは7~15mになる。10月

ごろ熟す青い実の皮に有毒のサポニ

ンを含み、口にするとえぐい味がする

ためこの名がある。小枝の先にびっし

りと白色の花をぶら下げる。

花期 5~6月

こう よう

じょう たい

じょう りょく

てい ど り めん

ひ しん けい

きょ し じゅく

らん けい

ふち するど

ぞう き ばやし けい こく

ゆう どく

ふく

こ えだ

クスノキ科

山野に生える常緑の高木で、高さは

10~15mになる。雌雄異株。葉の裏が

白いタブノキという意味で、この名が

ある。枝先に黄褐色の小さな花が群生

する。実は長さ1.5cm程度の楕円形で、

翌年の花が咲くころ、赤く熟すため、

花と実が同時期に見られる。

花期 10月

花期 4~5月 実10月

ブナ科

山地に生える常緑の高木で、高さは

20m程度になる。樹皮は灰黒色だが、

材がカシの中では、白いのでこの名が

ある。アラカシに似ているが、葉裏が

アラカシより緑っぽく、緑白色。どん

ぐりは年内に熟し、長さ1.5cm程度の

卵形。

ブナ科

山地に生える常緑の高木で、高さは

20~30mになる。どんぐりは長さ2

cm程度の円錐状の卵形で翌年の秋に

熟す。どんぐりは椎の実と呼ばれて、

食用にされてきた。似たものにどんぐ

りに丸みがあるツブラジイがあり、合

わせてシイノキとも呼ばれる。

花期 5~6月 実10~11月

36

じゅ

ざい

は うら

ひ かい こく しょく

おう かっしょく

み だ えん

よく ねん

けい

ぐん せい

ゆう い しゅ

しい

えん すい じょう

37

クスノキ科

モクセイ科

ツバキ科

沿海地に多い常緑の高木で、高さ20m

~30mの大木に育つ。名前は韓国の独

木舟(t'on-bai)を作った木という意味で、

タブノキとなったという説がある。葉は

長楕円形で、表面には光沢があり、裏面

は灰白色。枝先に黄緑色の小さな花を

つけ、実は1cmで、黒紫色に熟す。

花期 5~6月 実8~9月

山地に生える常緑の低木で、高さは2

~4m。実は1cmほどの楕円形で、11

月ごろに紫黒色に熟す。この実がネズ

ミの糞に似ており、枝葉が、モチノキ

に似ているためこの名がある。葉は卵

形で厚く光沢があり、長さ5~10cm、

全縁で対生する。

花期 6月 実11月

山地に生える常緑の小高木で、高さは

4~8m。サカキに似て、全体に小形な

ので、姫サカキが訛ってヒサカキになった

などの説がある。葉は厚く光沢がある4

cm程度の楕円形で鋸歯がある。雌雄異株。

実は5mm程度の球形で、紫色から黒く

熟す。

花期 3~4月 実11~12月

えん かい ち じょうりょく

かん こく

き ぶね

せつ

だ えん けい こう

かい

み こく し しょく じゅく

はくしょく えだ さき

たく り めん

まる

てい

ふん

らん

けい あつ

ぜん えん

に し よう

ぼく

ひめ なま

てい ど きょ し し

むらさきいろ

ゆう い しゅ

ツバキ科

山地に生える常緑の高木で、高さは

10~15m。照葉樹林を代表する木の

一つ。葉が厚い「厚葉木」または葉につ

やがある「艶葉木」が名前の由来。冬に

5~7cmほどの赤い花を枝先につける。

実から取れるツバキ油は、高級油として、

髪油などに使用される。

花期 12月

花期 6~7月

ニシキギ科

山地に生える常緑の小高木で、高さは、

3~6m。生け垣としてもよく用いら

れている。葉は厚く表面は光沢があり、

楕円形で、長さ3~8cm。緑白色の小

さな花をつける。実は赤く球形で7

mm程度、4室に分かれる。

クスノキ科

山地に生える常緑の高木で、高さは

15mほどになる。ヤブに生えるニッケ

イという意味。葉は長細い楕円形で光

沢があり、葉裏は灰白色で3脈が目立つ。

黄緑色の小さな花をつけ、実は長さ

1.5cmの楕円形で、緑色から黒く熟す。

花期 6~7月

38

がき

しょう よう じゅ

あつ は き

つや は

かみ あぶら

りん

みゃく

39

バラ科

ミズキ科

ユズリハ科

山地に生える落葉の高木で、高さは

10~20mになる。山に生えるサクラ

という意味であるが、昔から花見の対

象とされた。花が咲くのと葉が開くの

が同時期で、果肉は苦い。

花期 4月 実5~6月

山地に生える落葉高木で、高さは10m

ほどになる。白い花弁に見えるのは、

花を保護するために発達した総苞片

と呼ばれる部分で、これを頭巾に、つ

ぼみを坊主頭に見立てて山法師とし

たものである。実は1cmほどの暗赤色

の球形に熟し、食べられる。

花期 6~7月 実9~10月

山地に生える常緑の高木で、高さは、

10mほどになる。葉は枝先に車状に集

まって互生しており、細長い楕円形で、

長さ20cmと大きい。若葉がいっせい

に開くと、古葉が席を譲るかのように

落葉することからこの名がある。

花期 5~6月

このほかクヌギ(p.12)、コナラ(p.13)ナナミノキ(p.14)も植樹しています。

たい

しょう

か にく

か べん

よ ず きん

ぼう ず

じゅく

あたま やま ぼう し

はっ たつ そう ほう へん

じょう りょく

えだ さき くるま

ご せい だ

せき ゆず

えん けい

じょう

O N A G O H A T A H A T S U D E N S H O

41

■女子畑水力発電所全景

■女子畑発電所

女子畑

発電所

運転開始

出力

方式

水系名

大正2年12月

29,500kW

水路式

筑後川

女子畑発電所は、大正2年、当時の九州の

4大電力会社の一つであった九州水力電気(株)

によってつくられ、大正3年からは、八幡製

鉄への電力供給を開始、電灯だけでなく、九

州の産業の興隆を支えてきました。昭和26

年の九州電力(株)設立後は、当社の発電所

として、電力を供給し続けています。

調整池ダム

歴史的価値があります発電所建屋に残る明治後期から大正期の重厚な石造遺跡や第二調整池ダムの昭和初期のコンクリート遺跡など、近代遺跡としての価値があります。

河川環境にも配慮しています発電にすべての水を使うのではなく、取水ダム下流の河川環境保全のため、維持流量(水生生物、河川景観などに必要な水量)をダムから常に放流しています。

や はた せい

てつ きょうきゅう でん とう

さん ぎょう こう りゅう ささ

せつ りつ

つづ

れき し か か せん かん きょう はい りょち

たて

じ りゅうりょう けい

つね

かん ひつよう

ぜん い

じゅうこう せき ぞう い せき

42

2号発電機女子畑発電所

高いところから落ちる水の力で水車を回し、さらに水

車につながった発電機が回って電気をつくります。また、

揚水式発電には上・下の2つのダムがあります。夜、電気

の力で下ダムから上ダムに水を運び、電気が多く使わ

れる昼に水の力を利用して電気をつくります。

女子畑発電所1号水車

水力 発電

発 電 の し く み

発電機ポンプ水車

上ダム

下ダム

昼の水の流れ

揚水(夜の水の流れ)

水圧鉄管

排砂路

●揚水発電のしくみ

●一般水力(水路式)発電のしくみ

(昼は発電機、夜はポンプとして使います)

取水ダム発電所

はつ でん

よう すい

り よう

43

石油や石炭、天然ガスなどを燃やした熱で高温の蒸気

をつくります。その力でタービン(羽根車)を回して発

電機を動かします。特別な装置で、燃料を燃やすとき

に出るすすや灰を外に出さないようにしています。

ガスタービンと蒸気タービンを

組み合わせた複合発電方式。従

来の火力発電に比べ熱効率が高

く燃料を節約することができます。

また、燃料のLNG(液化天然ガス)

は石油や石炭に比べるとCO2の

発生量も少なくてすみます。

水の流れ

けむりの流れ

蒸気の流れ

ボイラー

タービン煙突

発電機水蒸気

海へ

海水

けむりをきれいにする設備

●火力発電のしくみ

燃料

発 電 の し く み

ファン

火力 発電

●LNGコンバインドサイクル(複合発電方式)のしくみ

エネルギーを有効に使い環境に優しいコンバインドサイクル発電

発電機

蒸気タービン

空気

空気圧縮機

復水機

給水ポンプ

ガスタービン

排熱回収ボイラ

煙突

LNG

燃焼器

てん ねん

でん き とく

はい

ゆう こう

やさ

かん きょう

くららい ねつ こう

せつ やく

えき

はっ せい りょう

ふく じゅうごう

りつ

べつ そう ち ねん りょう

も ねつ じょう き

はつ

脱硝装置

火力発電・原子力発電・地熱発電のしくみは同じ?

この3つの発電は、蒸気の力でタービン(羽根車)を回して電気をつくるところは同じです。それぞれの発電方式によって、蒸気をつくるためのエネルギー源が違います。

ちげん ちが

ねつ

44

エネルギー源は、

ウランが核分裂するときの熱です。

少ないウランからたくさんの電気を

つくることができます。

タービン

発電機

水の流れ

水の流れ

原子炉海へ

海水

蒸気の流れ

●原子力発電のしくみ

蒸気発生器

燃料

マグマ

ファンファン

排水路

タービン

発電機

熱水を地下へもどす井戸 水槽

冷却塔

地下の蒸気を取り出す井戸

蒸気・熱水の流れ

ここで蒸気と熱水を分ける

熱水

蒸気の流れ

温水

●地熱発電のしくみ

地下水

700mから2,000m程度の深い井戸を掘り、マグマの熱

で熱くなった地下水を汲み上げて、その蒸気の力でタ

ービンを回して電気をつくります。

原子力 発電

地熱 発電

かく ぶん れつ

てい ど い ど ほ

45

太陽光や風力などの自然の力を利用した発電や燃料電池などは、CO2を出

さない環境に優しい発電として、現在研究が進んでいます。

発 電 の し く み

新エネルギーの開発

太陽光 発電

風力 発電

燃料 電池

光線

太陽光パネル

風車発電機

水素

水素 酸素

+ 酸素

水蒸気熱 電気

太陽の光のエネルギーを電気に変えます。

風の力で風車を回して電気をつくります。

水素と酸素の化学反応で電気をつくります。

し ぜん

かん きょう やさ げん ざい

り よう ねんりょう

すい そ

はん のう

さん そ

46

新エネルギーで電気をつくるための努力が続けられていますが、

2010年度になっても日本全体の電気の1%弱しかつくれないと

予想されています。

当社では、新エネルギーの研

究を進めるとともに、増加す

る電力需要に対応できるよ

う取り組みを進めています。

エネルギー源の確保や地球

環境問題への対応、経済性な

どさまざまな電源の特性を

考慮した上で、原子力を中心

とした電源によるバランス

良い発電を目指しています。

■エネルギーの特性環境への影響

水力 小 ○発電時に二酸化炭素を出さない○日本でつくるエネルギー

特 性

原子力 小 ○燃料の調達が安定している○発電時に二酸化炭素を出さない

太陽光 小

○エネルギー源が無尽蔵○発電時に二酸化炭素を出さない●雨や曇りの日、夜は発電できない●多くの電気をつくるには広大な土地が必要

風力 小

○エネルギー源が無尽蔵○発電時に二酸化炭素を出さない●風が強すぎても弱すぎても電気をつくれない●多くの電気をつくるには広大な土地が必要

燃料電池 小○発電時に二酸化炭素を出さない○エネルギー効率が高い●発電装置の寿命が短い

石炭

石油

LNG(液化天然ガス)

○燃料の調達が安定している(海外炭)●二酸化炭素や酸性雨の原因となる物質が発生する

○二酸化炭素の出る量が少ない

大 ○燃料の調達が簡単●二酸化炭素や酸性雨の原因となる物質が発生する

ど りょく

ぞう か

じゅ よう

げん かく ほ

けい ざい せい

とく せいでん げん

こう りょ

たい おう

つづ

0

200

400

600

800

1,000(注)グラフの数字は構成比(%)

●発電電力量及び構成比(他社受電分を含む)(億kWh)

(年度)〔実 績〕 〔実 績〕 〔計 画〕

2616H6

723

3845

42

7

(%)

85

17

22

17

891968

1 22

23

19

6 11

22

17

5

原子力 水力 地熱 石炭

LNG 石油等 新エネルギー

47

ゆったりと流れる三隈川

天領日田資料館

至大分・別府

JR久大本線

九州横断自動車道

豊後三芳駅

光岡駅

日田I.C

女子畑発電所

至耶馬溪小鹿田の里

豆田町

隈 町

至大分・別府

鏡坂展望台

三隈川

至久留米

至久留米

●天領日田資料館天領日田資料館廣瀬資料館廣瀬資料館

日本丸館日本丸館

日田駅日田駅日田駅

玉川バイパス

日田祇園山鉾会館日田祇園山鉾会館

212

210

386 咸宜園咸宜園

草野本家草野本家

亀山公園

花月川

ちょっ

女子畑からとひと

あし

女子畑発電所のすぐ北に位置する日田。

江戸時代、天領として

独自の文化が華開いた日田には、

今も町のそこここに

歴史と文化が息づいています。

てんりょうは

どく

れき

し じ

48

日田祇園山鉾会館

日本丸館の大広間

のんびりした町並み

川沿いの散歩も楽しめる

天領日田資料館廣瀬資料館

日本丸館

日田駅

日田祇園山鉾会館

咸宜園

草野本家

豆田町 天領・日田の歴史を伝える 隈 町 懐かしさが心地いい町

日田の豆田町

には、江戸時代の

碁盤目状の町割

りが、ほとんどそ

のまま残っており、

江戸時代の古地図をそのまま持って歩け

る町と言われます。

並び立つ建物は江戸から明治、大正に

かけて建てられたものが多く、最近の新

しい建物も全体との調和をはかっており、

歩いているとタイムスリップしたような

感覚にさえおそわれます。

「草野本家」「廣瀬資料館」は、ともに幕

府の公金を扱うことで栄えた旧家の建物

を公開しており、当時の生活用具や日田

の歴史を伝える貴重な古文書などが展示

されています。また、薬種の道具などの資

料館として公開されている漢方薬の老舗「日

本丸館」や、町人文化をテーマにした「天

領日田資料館」など、さまざまな

資料館があります。日田名物

の日田杉の下駄や老舗の

お菓子屋さんなども軒を

連ねており、のんびりゆ

ったり歩いてみたい

町です。

豆田町よりさらに古い歴史を誇る隈町。

三隈川に面したこの町は、江戸時代以前

から水運で栄えてきました。今は、昔懐か

しい雰囲気の商店街といった風情です。

かつて銀行だったレトロな建物を押し花

美術館にした「黎明館」や夏の日田祇園祭

の豪華絢爛な山鉾を目の当たりにできる「日

田祇園山鉾会館」など、見どころも十分。

日田の豪商は文化人が訪れると家に泊め

援助したため、彼らがお礼に残した書画

が多く残っています。隈町の商店や旅館

など十数軒が、家々に残る“お宝”を店先

に展示する「隈町ぶらり散歩展」も開催。

気軽に立ち寄れば、今も昔も変わらない

日田のもてなしの心が伝わって

きます。

まめ

ご ばん め

のこ

なら たて

かん

くさ の ほん け ひろ せ し りょうかん ばく

きゅうさかあつかふ

れき し き ちょう こ もん じょ

やく

ほん がん かん

げずぎ

つら

し のき

しゅ

しに せ に

てん じ

かく

さい きん

もの

じょう まち わ

だ まち ほこ

ふん い き

び じゅつ

ごう か けん らん やまぼこ ま

かん れい めい かん

ふ ぜい

くま まち

ごうしょう

えん じょ

けん

てん じ

たから

さん

よ か

つた

ぽ かい さい

おとず と

杉河内駅

豊後中川駅玖珠町

天瀬町

天瀬高塚I.C至玖珠I.C至湯布院I.C

至日田I.C至太宰府I.C

至日田

至小国

至小国

女子畑貯水池

湯ノ釣温泉

天ヶ瀬温泉

大分自動車道

49

212

210

ローズガーデンクラインガルデン

高塚愛宕地蔵尊

フラワーパークあまがせ

天ヶ瀬駅

ちょっ

女子畑からとひと

あし

女子畑発電所のある天瀬は

豊かな温泉と自然に恵まれた静かな町です。

温泉でゆったりくつろいだり、

町の特産の美しいバラの花に目だけでなく舌も楽しませたりと、

いろいろな楽しみが広がります。

あまが

ゆた

おん

せん

とく

さん

した

ぜん

めぐ

しず

50

川沿いの温泉

高塚愛宕地蔵尊

バラいっぱいの町ゆったり、のんびり川沿いの温泉女子畑発電所から玖珠川沿いに行くと、

別府や湯布院と並ぶ豊後三大温泉の一つ

天ヶ瀬温泉に着きます。JR天ヶ瀬温泉

駅を中心に、川の両岸に旅館やホテルが

立ち並ぶ温泉街からは湯煙が立ち上っ

ています。趣向を凝らした各宿のお風呂

を何か所も楽しむなら、温泉パスポート

で3か所の温泉を楽しめます。有効期間

は1年間ですから、何度も来たくなりそ

うです。

玖珠川沿いには、「駅前温泉」「益次郎温泉」

「薬師湯」「神田湯」「鶴舞の湯」と源泉の異

なる共同露天風呂が並んでいます。こち

らの入浴料は、100円から200円の寸志

を備え付けの料金箱に入れればいいという、

なんとものどかなシステムです。川に開

けた眺望を楽しみなが

らの入浴はまた格別です。

温泉熱を利用したバラの栽培

が盛んなこの町ではあちこちで、

バラと出会えます。五馬高原の

ローズガーデンでは、約130

品種の色とりどりのバラを

見ることができます。

また、天瀬の特産品、バ

ラの花びらが入ったバ

ラジャム、ばらアイスは、

この町ならではのおいしさです。

そして、天瀬に来たら必ず行きたいのが、

高塚愛宕地蔵尊です。高塚愛宕地蔵尊は、

奈良時代に巡礼中の高僧行基が筑後に下

った帰りにこの地に寄り、彫った地蔵を

まつったのがおこりと伝えられています。

もともと、乳の出を良くする神様として

知られていましたが、今では、諸願成就に

ご利益があると評判で、毎年多くの参拝

客を集め、鐘の音が絶えることはありま

せん。

べっ ぷ

なら がい ゆ けむり

ゆ ふ いん ぶん ご

す がわ ぞ ねつ

いつ ま

やく

ひん しゅ

かなら

たか つか あ たご じ ぞう

じゅん

よ じ ぞう

ちち

じょう

さん ぱい

かね た

じゅ

り やく ひょう ばん

しょ がん

れい ぎょう き ちく ご

そん

さか

さい ばい

しゅ こう こ かく やど

ゆう こう

ます じ

やく じん

きょう

にゅう

そな りょうきん

ちょうぼう

かく べつ

どう

よく

りょう すん し

てん

でん つる まい げん せん ことし

ろう

ふ ろ

天瀬産のゼリーも人気

あまがせバラジャム

女子畑いこいの森までの交通

大分自動車道日田ICから国道212号線経由で15分

日田駅

筑後川

←鳥栖

←久留米

←久留米市街

JR久大本線

ローソン

ローソン

大分→

大分→

湯布院→大分市街

大分自動車道日田I.C

清岸寺入口交差点

石井町交差点

鏡坂交差点

小ヶ瀬交差点

大部交差点

いばり坂公園

サッポロビール工場

女子畑簡易郵便局

台小学校

女子畑いこいの森

元町交差点

51

女子畑いこいの森フィールドガイド平成14年11月発行

編集発行九州電力株式会社 環境部〒810-8720 福岡市中央区渡辺通

二丁目1番82号TEL(092)761-3031URL http://www.kyuden.co.jp/

協力植物写真 那須 政治植物イラスト 井上 容實野鳥写真 瀬井 俊和昆虫・植物写真 福田 治

制作・印刷秀巧社印刷株式会社

(敬称略)