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花きの現状について

花きの現状について...(1)我が国の農業における花き生産の位置づけ(生産額ベース) 平成29年の花きの産出額は3,687億円で、農業産出額の4%を占めている。

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Page 1: 花きの現状について...(1)我が国の農業における花き生産の位置づけ(生産額ベース) 平成29年の花きの産出額は3,687億円で、農業産出額の4%を占めている。

花きの現状について

令 和 元 年 1 2 月

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目 次

1 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

(1)花きの定義 ----------------------------------- 1

(2)花きの特性 ---------------------------------- 2

2 花きの販売・流通・生産 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

(1)我が国の農業における花きの位置づけ --------------------------4

(2)花き生産の現状 ---------------------------------------------5

(3)花き生産の課題 -------------------------------------------- 10

(4)花きの流通 ------------------------------------------------ 12

3 花きの輸入・輸出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

(1)花きの輸入 ------------------------------------------------ 13

(2)花きの輸出 ------------------------------------------------- 17

4 花きの国際的評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24

5 花きの消費 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

【参考資料】

1 花きの振興に関する法律・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31

2 花き関係予算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34

3 次世代施設園芸の取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 37

4 都道府県別花き産出額 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40

お問い合わせ先:生産局 花き産業・施設園芸振興室(03-6738-6162)

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○ 「花きの振興に関する法律」の第2条において、「花き」とは、観賞の用に供される植物をいうと定義されている。具体的には、切り花類、鉢もの類、花木類、球根類、花壇用苗もの類、芝類、地被植物類をいう。

【花きの振興に関する法律】 (平成26年法律第百二号)(抜粋)(定義)第二条 この法律において「花き」とは、観賞の用に供される植物をいう。2 (略)

花き

【切り花類】キク、バラ、

カーネーション等切り花、ヤシの葉等切り葉、

サクラ等切り枝

【鉢もの類】シクラメン、ラン、

観葉植物、盆栽等

【花壇用苗もの類】パンジー、

ペチュニア等

【花木類】ツツジ等庭木に使われる木本性植物で緑化木を含む(鉢ものとして生産されているものを

除く)

【球根類】チューリップ、ユリ等

(食用に供されるもの除く)

【芝類】造園用等養成されているもの

【地被植物類】ササ、蔓類等地面や壁面

の被覆に供するもの

【林木】

スギ、ヒノキ、アカマツ、クロマツ、カラマツ等

「山野草」や「林木」について明確な規定はないが、観賞用に仕立てをして栽培されているものは花きとして取り扱うことが妥当

【山野草】野外に自生する草本、低木及び小低木の一部等

(1)花きの定義

Page 4: 花きの現状について...(1)我が国の農業における花き生産の位置づけ(生産額ベース) 平成29年の花きの産出額は3,687億円で、農業産出額の4%を占めている。

○ 食生活の範囲の中で選択される野菜・果物と異なり、花きは冠婚葬祭、贈答用、装飾等、様々な使われ方をしている。

○ 使われる用途、場面によって、種類、品種、色等が細かく異なる等、花きは、極めて嗜好性が高い品目。

○ このため、花きの振興対策を行うにあたっては、消費者等のニーズに応える産地づくりと品目の特徴に応じた生産から流通・販売の一体的な対策を講じていく必要。

産出額1位625億円

産出額3位214億円

産出額2位364億円キ ク ユ リ

お葬式 供花

輪ギク(白)

お祝い

鉄砲ユリ(白)オリエンタルユリ(ピンク、白等)

コチョウラン(白、ピンク)

産出額8位127億円

産出額5位169億円

産出額4位178億円バ ラ

花木類(鉢) 庭園用苗木

記念日

(ピンク等) (赤等)

ブライダル

あじさい、ポインセチア等

資料:平成29年 農林水産省「生産農業所得統計」、「花木等生産状況調査」

産出額6位155億円

切り枝

産出額7位146億円

トルコギキョウ

まちづくり

洋ラン(鉢)

いけばな ブライダル

(2)花きの特性

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<参考>花きの販売・流通・生産の主な流れ(平成29年)

植木・盆栽 126億円切り花 9億円球根等 3億円

販 売 流 通 生 産

個人消費

花き等取扱小売 卸売市場

輸出

業務用需要

卸売業者

市場外取引

1.1兆円

国内消費

138億円

取扱金額3,621億円

仲卸業者・買参人

市場経由率76%

511億円

切り花:2,078億円鉢もの: 971億円苗もの: 308億円花木: 206億円など

3,687億円

24%

国内生産者販売農家 5.8万戸

注:調査時期や標本等の異なる調査結果を基に推計し、作成したもの。一部平成29年以外のものも含む。「輸入額」については、需給構造として、花き産出額と比較可能である切り花及び球根類についてのみ集計。「貸鉢用」「屋内緑化用」需要額は(株)大田花き花の生活研究所の協力を得て農林水産省が作成。

卸売市場数:109卸売業者数:153

【中央卸売市場売買参加者の業種別割合】一般小売店 87.6%スーパー業者 1.6%外食等納入業者 1.2%加工業者 0.6%地方市場等卸売業者 1.7%その他 7.4%

農林水産省 「平成30年度卸売市場データ集」

花・植木小売業事業所数 8,011年間販売額(億円) 2,819

【販売形態別構成比】店頭販売 89.0%訪問販売 0.9%通信・カタログ販売 1.0%インターネット販売 2.0%自動販売機 0.0%その他 7.1%

経済産業省 「平成28年経済センサス-活動調査」

8,220億円

2,786億円葬儀用 1,790億円婚礼用 368億円稽古用 422億円貸鉢用 146億円屋内緑化用 60億円

総務省「家計調査年報」「社会生活基

本調査」、経済産業省「特定サービス産業実態調査」等をもとに園芸作物課で推計

農林水産省「農林業センサス」(平成27年実績)、「生産農業所得統計」、「花木等生産状況調査」(平成29年実績)

輸入

財務省「貿易統計」(平成29年実績)財務省「貿易統計」(平成29年実績)

切り花:446億円球根類:65億円

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(1)我が国の農業における花き生産の位置づけ(生産額ベース)

○ 平成29年の花きの産出額は3,687億円で、農業産出額の4%を占めている。

○ 花きにおける産出額の内訳は、切り花類が6割、次いで鉢もの類が3割、花壇用苗もの類が1割。

<我が国の農業産出額(平成29年)> <花きの産出額の内訳(平成29年)>

資料:農林水産省「生産農業所得統計」、「花木等生産状況調査」

①いも類、豆類、麦類3,209億円(3%)

②その他 3,258億円 (4%)

資料:農林水産省「生産農業所得統計」、「花木等生産状況調査」

※花きについてのみ、「生産農業所得統計」の産出額に、「花木等生産状況調査」の産出額を追加しているため、花きを含めた各品目の産出額合計は、「生産農業所得統計」による農業産出額である9兆2,742億円とは一致しない。

畜産3兆2,522億円

(35%)

野菜2兆4,508億円

(26%)

米1兆7,357億円

(19%)

農業産出額9兆2,742億円(平成29年)

果実8,450億円

(9%)

花き3,687億円(4%)

①②

花木類206億円

(6%)

① ② ③

キク625億円

(17%)

ユリ214億円(6%)

バラ178億円(5%)

カーネーション111億円(3%)

トルコギキョウ127億円(3%)

その他切り花654億円

(18%)

洋ラン364億円

(10%)

その他鉢もの253億円

(7%)

①芝類 75億円(2%)②地被植物類 33億円(1%)③球根類 18億円(1%)

シクラメン74億円(2%)

観葉植物(鉢)125億(3%)

鉢もの類小計971億円(26%)

切り枝169億円(5%)

花木類(鉢)155億(4%)

花き産出額3,687億円

(平成29年)

切り花類小計2,078億円(56%)

花壇用苗もの類306億円(8%)

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産出額(全国に占めるシェア)

597

(16.2%)

250

(6.8%)

215

(5.8%)

201

(5.5%)

168

(4.6%)5

埼玉4

福岡3

7%

10%

10%

5%

18%

静岡

県内の農業産出額に

占める割合県名順位

千葉2

愛知1

0

10

20

30

40

50

60

70

0

10

20

30

40

50

60

70

S60 H2 H7 H10 H12 H17 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29

切り花類 鉢もの類 花壇用苗もの類

花木類 球根類 芝類

地被植物類 産出額

(2)花き生産の現状①(産出額・作付面積)

○ 切り花類の輸入増加、栽培農家の減少等を背景に、花きの作付面積は平成7年、産出額は、平成10年をピークに全品目を通じて減少傾向。近年は漸減傾向で推移。

○ 花きの主要産地は、愛知県、千葉県、福岡県。愛知県にあっては、花きが農業産出額全体の2割を占め、重要な農業分野に位置づけられている。

<花きの県別産出額(平成29年)>単位:億円

資料:農林水産省「生産農業所得統計」、「花木等生産状況調査」

※「生産農業所得統計」の産出額に、「花木等生産状況調査」の産出額も追加している。

<花きの産出額・作付面積の推移>

資料:統計部「生産農業所得統計」、「耕地及び作付け面積統計」、「花き生産出荷統計」生産局「花き類の生産状況等調査」、「花木等生産状況調査」

注:花木類については、平成19年までは生産額、平成20年以降は出荷額。作付面積は、切り花類、鉢もの類及び花壇用苗もの類の露地、施設面積の合計

63百億円

37百億円

27千ha

(千ha) (百億円)

48千ha

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(2)花きの生産の現状②(生産者構成)

○ 花きの販売農家数は減少傾向にあるものの、生産者の年代構成を見ると、45歳未満の若い農業者の割合が稲作と比較して約2倍と高く、若い世代が活躍。

○ 園芸作物は魅力ある分野となっており、新規就農者の85%が、野菜・果樹・花きを中心作物として選択。

<花き販売農家数の推移>

<水稲と花きの生産者年代構成の比較>88 81

6758

0

20

40

60

80

100

H12 H17 H22 H27

(千戸)

資料:農林水産省「農林業センサス」

3%

3%

3%

12%

9%

22%

85%

63%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

稲作

花き・花木

15-29 30-44 45-59 60-

60歳未満 60歳以上

45歳未満

年代区分

資料:農林水産省「2015年世界農林業センサス」、農林業経営体調査報告書 販売農家のうち、主業農家に関する統計年齢別農業就業人口(自営農業に主として従事した世帯員数)のうち単一経営農家の世帯員数

<新規就農者の品目別割合(平成28年度)>

資料:全国新規就農相談センター「新規就農者(新規参入者)の就農実態に関する調査結果(平成28年度)」

水稲・麦・雑穀類・豆類9%

野菜66%

果樹15%

①②

①畜産 3%②その他 2%

花き4%

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(2)花きの生産の現状③(需給構造(金額ベース))

○ 花きの国内供給のうち、国内生産(金額ベース)は約9割で、輸入は約1割。

○ 国内生産のうち約6割は切り花類で、鉢もの類、花壇用苗もの類が続く。

○ 輸入のうち約9割は切り花類で、残りは球根類となっている。

<花きの需給構造(平成29年)>

資料:農林水産省「生産農業所得統計」、「花木等生産状況調査」、財務省「貿易統計」

地被植物類 33億円【1%】

球根類 18億円【0.5%】球根類 65億円

【13%】

花壇用苗もの類306億円【8%】

花木類206億円【6%】

切り花類446億円【87%】

輸入 511億円【12%】

切り花類 2,078億円【56%】 鉢もの類971億円【26%】

芝類 75億円【2%】

国内生産 3,687億円【88%】

※需給構造の比較のため、輸入額は切り花類(加工品を除く)、切り葉(生鮮)及び球根類の金額のみ計上

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カーネー

ション

3.7億本

【27%】

キク

3.4億本

【25%】

ラン類

1.3億本【10%】

0.6億本

バラ【5%】

その他

4.5億本

【33%】

キク

15.0億本【41%】

バラ

2.5億本

【7%】

カーネーション

2.4億本 【6%】

その他

17.1億本【46%】

(3)花きの生産の現状③(需給構造(数量ベース))

○ 切り花の輸入割合(数量ベース)は26%となっており、特にカーネーション、バラ、キク類の輸入割合が高い。輸入の主な相手国はコロンビア、マレーシア、中国、ケニア等。

○ 球根の輸入割合(数量ベース)は約80%で、大半はオランダからの輸入となっている。

<球根の需給構造(平成29年)>

<切り花の需給構造(平成29年)>

資料:農林水産省「花き生産出荷統計」、「植物検疫統計」

国内出荷量 37.0億本【73%】

国内出荷量0.9億球【21%】

輸入量3.4億球 【79%】

その他 0.1億球【4%】

ニュージーランド 0.2億球【6%】

鹿児島県 0.2億球【26%】

新潟県 0.2億球【18%】

富山県 0.2億球【18%】

その他0.4億球【39%】

フランス 0.1億球【3%】

資料:農林水産省「花き生産出荷統計」、「植物検疫統計」

輸入量13.4億本【27%】

オランダ2.9億球 【87%】

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(2)花きの生産の現状④(技術開発・育種・品種開発)

○ 花きについては、民間会社や生産者自らが行う育種が盛ん。

○ 今後は、多様な育種素材を保有する民間会社・個人育種家と、耐病性や日持ちの良さ等の優れた遺伝資源を保有する研究者が連携し、新品種の育成を加速化。

【日持ち性向上技術の開発事例】

<品質保持剤の利用>

・ 生産、流通、小売、消費者の各段階での品質保持剤の適切な利用により日持ち日数が3割程度延長

<日持ちの良い品種の開発>

・ 通常品種に比べ日持ち日数が約3倍のカーネーションの新品種「ミラクルルージュ」、「ミラクルシンフォニー」の開発

平成23年度花き日持ち保証販売実証事業、農研機構野菜花き研究部門作成研究成果

6日 18日

「ミラクルルージュ」(中央)は18日間花が持つ

【民間会社による新品種育成の事例】

・ サントリーグループでは世界初の「青いカーネーション」を誕生させ、「ムーンダスト」として販売、2004年には「青いバラ」 の開発に成功、「blue rose APPLAUSE(アプローズ)」として販売。 2006年4月から「青いユリ」の研究に着手、「青いユリ」の開発に成功し、商品化に向け検討。

【研究機関と民間会社による新品種育成の事例】

・ 農研機構はサントリーグループと共同で2017年に遺伝子

組換え技術を用いた「青いキク」の開発に成功。国内での栽培・販売に向けて生物多様性影響リスクを低減するための研究開発を進めている。

野生型(桃色)

2013年開発(紫色)

2017年開発(青色)

元品種青みを帯びた

ユリ

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(3)花きの生産における課題(エネルギー問題①)

○ 近年、燃油価格は乱高下を繰り返しており、経営費に占める燃料費の割合が大きい施設園芸の経営を圧迫。

○ 燃油価格の高騰に影響を受けにくい経営構造への転換が必要であり、早急な対応が必要。

< 近の燃油価格(加温期間の平均価格)>

品 目1000㎡あたりの使用量(ℓ)

電照ギク 7,500 バラ 13,500

トルコギキョウ 10,963 コチョウラン(鉢もの) 9,000

<A重油とそれ以外の燃料の価格の比較>

<花きの生産における燃油の使用量>

単位発熱量 価 格1,000kcal

あたりの価格

発電用一般炭 6,354kcal/kg 10.0円/kg 1.6 円

チップ(製紙用) 2,530kcal/kg 15.5円/kg 6.1円

ペレット 4,000kcal/kg 40.0円/kg 10.0円

A 重 油 9,341kcal/㍑ 95.9円/㍑ 10.2円

灯 油 8,767kcal/㍑ 111.8円/㍑ 12.8円

資料:「宮崎県農業経営管理指針」

資料:林野庁作成注:一般炭は関係者からの聞き取り。チップは、農林水産省「木材価格」(パルプ向け)の H26.4月のチップ工場

渡し価格に運賃3,000円/tを加えたもので、単位発熱量と価格は含水率(Wet.40%)を想定。A重油は石油情報センターのH26.3月の産業用小型ローリー搬入価格。灯油は、石油情報センターのH26.4月の民生用配達価格。ペレットは、主に製材所残材を原料とし、ペレット工場近隣に配達する場合の現状価格を40円/kgとして推計。

注:施設園芸の加温期間(11月~4月)におけるA重油の平均価格

農 業

ピーマン 26%

ばら 31%

マンゴー 44%

茶(加工) 27%

漁 業 いか釣(沿岸) 26%

他産業タクシー 8%

トラック 5%農業:平成27年 個別経営の営農類型別経営統計から燃料費の割合を推計。

マンゴーについては産地聞き取り。漁業:平成27年漁業経営調査報告による。他産業:タクシー、トラックについては自動車運送事業経営指標による。

平成24年度補正から対策実施

資料:「農業物価統計」

<農業経営費に占める燃料費の割合>

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(3)花きの生産における課題(エネルギー問題②)

○ 施設園芸等の経営費に占める燃料費の割合は極めて高く、また、燃油価格は、為替や国際的な商品市況の影響により、乱高下を繰り返しており、今後の価格の見通しを立てることが困難な生産資材。

○ そのため、これまで省エネルギー化に取り組んできた施設園芸等産地においても、より燃油価格の高騰に影響を受けにくい経営への転換を進める必要。

○ 経営の転換に取り組む産地に対しては、燃油価格が一定基準を上回った場合に補てん金を交付するセーフティネットの構築を支援。

燃油価格高騰の影響を受けにくい経営に転換

【新たに対策に取り組む施設園芸等産地】

・「省エネ設備の導入等による10a当たりの燃油使用量を15%以上削減」

平成24年度以降、 固定してきた発動基準価格を、直近年のデータを用いて更新。

【変更2】急騰特例措置の新設

【変更1】 セーフティネット発動基準価格

【変更3】 加入要件

【見直しのポイント】

当該月の燃油価格が対前年加温期間平均価格より20%以上高騰した場合、基準価格との差額分を補てん。

【引き続き対策に取り組む施設園芸等産地】(以下のいずれか一つ)

・「省エネ設備の導入等による10a当たりの燃油使用量をさらに15%以上削減」

・「栽培技術等の改善により、生産物1トン当たりの燃油使用量を15%以上削減」

・「民間の金融商品や備蓄タンク等を活用して燃油コストの変動を抑制」

様々な角度から経営の転換を深堀り

A重油価格

セーフティネット発動基準価格(基準価格×115%)

基準価格(過去のA重油価格の7中5平均)

セーフティネットの発動セーフティネットの発動

国と生産者が1:1で積み立てた資金から発動基準価格との差額を補填

セーフティネット構築を支援(補助率:1/2)

【燃油価格高騰対策の基本的な仕組み】

○ 省エネルギー推進計画を策定し、燃油使用量の15%以上削減に取り組む施設園芸等産地に対して、省エネの取り組みだけではカバーできない燃油価格高騰の影響を緩和するセーフティネットにより経営の安定を図る。

燃油価格高騰の影響を受けにくい経営に転換

施設園芸の産地において省エネルギー推進計画を策定

燃油使用量

省エネ推進計画を実践することで、燃油使用量を15%以上削減

計画策定時 1年目 2年目 3年目

支援

○ 燃油使用量削減目標(▲15%以上)と目標達成に向けた取組手段を設定。

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0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

H7 H17 H22 H27 H28 H29

野菜 果実 花き

45.1

32.2

16.5

8.6

4.6

4.2

9.1

6.8

24.7

48.1

青果物

花き

生産者受取価格 集出荷経費 卸売手数料 仲卸経費 小売経費

○ 国産花きの流通は、品目・品種が非常に多いこと、小売構造が零細であることにより、卸売市場経由率が約8割と高い。

○ 花き中央卸売市場における、せりによる取引の割合(金額ベース)は約3割。野菜・果実に比べて高いものの、平成7年の約8割から一貫して低下。

○ 花きの小売価格に占める小売経費は約5割を占めるが、これは花束への加工、商品ロスが多いことなどによるもの。

資料:農林水産省食料産業局「卸売市場データ集」

<青果物及び花きの小売価格の構成比(試算)の比較>

<中央卸売市場におけるせりの割合(金額ベース)>

<農水産物の卸売市場経由率(%)>

資料:農林水産省食料産業局「卸売市場データ集」

(%)

単位:%生産者受取価格 集出荷経費 卸売手数料 小売経費

花き流通の現状

資料:(花き)「平成21年度 花き産業の流通コストに関する調査」(農林水産省委託事業)※1 小売業者が仲卸業者から仕入れた場合の試算。※2 生産者選別荷造労働費は、生産者受取価格に含め、集出荷経費に含めない。

(青果物)「平成26年度 食品流通段階別価格形成調査」

仲卸経費

H7 H12 H17 H22 H27 H2874.0 70.4 64.5 62.4 57.5 56.7

野菜 80.5 78.4 75.2 73.0 67.4 67.2果実 63.4 57.6 48.3 45.0 39.4 37.7

67.6 66.2 61.3 56.0 52.1 52.081.9 79.1 82.8 83.4 76.9 75.6

青 果

水産物花 き

品目/年度