4
高い再現性と信頼性で、短期間の発がん性試験を実現 医薬品の安全性試験のための、 新しい遺伝子操作マウス [開発経緯] 1989年(財)実験動物中央研究所、野村達次所長の もとで、勝木元也博士らによって作出された。 (この研究の一部は文部省重点領域研究 「遺伝子導入動物」によるものである。) 1992年 実中研、CB6F1-Tg rasH2マウス(以下、ras H2マウス)の発がん性評価試験の実用化を 開始。 1997年 ICH4(S1B)にてマウス2年間発がん性試験 の代替法として決定。 1997年 日・米・欧の産官学50施設の国際共同研究 (ILSI/HESI)により、rasH2マウスの高い発 2000年 がん性評価の再現性と安定性が証明される。 2001年 日本クレア、rasH2マウスの本格的生産に 着手。 2003年 ILSI/HESIワークショップにて日・米・欧行政 当局より指針が出される。 ※国際命名規約による表記では、CByB6F1-Tg(HRAS)2Jic@Jclとなります。

新しい遺伝子操作マウ 医薬品の安全性試験のための、 · rasH2 マウスの発がん特性 26週間投与とその後の病理検査で発がん物質の確認が

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Page 1: 新しい遺伝子操作マウ 医薬品の安全性試験のための、 · rasH2 マウスの発がん特性 26週間投与とその後の病理検査で発がん物質の確認が

東京AD部 〒153-8533 東京都目黒区東山1-2-7 TEL.03-5704-7123 FAX. 03-3792-2368大阪AD部 〒564-0053 大阪府吹田市江の木町6-5 TEL.06-4861-7101 FAX. 06-4861-7108札幌出張所 〒063-0849 北海道札幌市西区八軒9条西10丁目4-28 TEL.011-631-2725 FAX. 011-644-9209仙台出張所 〒983-0047 宮城県仙台市宮城野区銀杏町14-12 TEL.022-295-9731 FAX. 022-293-6955

高い再現性と信頼性で、短期間の発がん性試験を実現

医薬品の安全性試験のための、新しい遺伝子操作マウス[開発経緯]

1989年 (財)実験動物中央研究所、野村達次所長の

もとで、勝木元也博士らによって作出された。

(この研究の一部は文部省重点領域研究

「遺伝子導入動物」によるものである。)

1992年 実中研、CB6F1-Tg rasH2マウス(以下、ras

H2マウス)の発がん性評価試験の実用化を

開始。

1997年 ICH4(S1B)にてマウス2年間発がん性試験

の代替法として決定。

1997年 日・米・欧の産官学50施設の国際共同研究

(ILSI/HESI)により、rasH2マウスの高い発2000年

がん性評価の再現性と安定性が証明される。

2001年 日本クレア、rasH2マウスの本格的生産に

着手。

2003年 ILSI/HESIワークショップにて日・米・欧行政

当局より指針が出される。

rasH2マウスの生産システム

生産システムは、原種(foundation)コロニー、増殖(expansion)コロニー、生産(production)コロニーの3段階で進められます。凍結胚によ

るバックアップも万全です。

CB6F1-Tg rasH2マウスの生産システム

BALB :�

B6 :�

B6-Tg rasC57BL/6J-Tg rasH2 C57BL/6J-Tg rasH2

C57BL/6J-Tg rasH2

C57BL/6J C57BL/6J

BALB/cByJBALB/cByJ

BALB/cByJ

CB6F1-Tg rasH2

Supply

Foundation�Vinyl Isolator

Expansion�Vinyl Isolator

Production�Barrier System

Individual�Genotyping

Transgene �Stability�Test

CB6F1-Tg rasH2�

CB6F1-nonTg rasH2Cryo preservation

B6-Tg ras

BALB :�

図6. CB6F1-Tg rasH2およびnon-Tgマウスの成長曲線 図7. CB6F1-Tg rasH2およびnon-Tgマウスの生存率

40�

30�

20�

10�

00     10     20     30     40     50

Body weight (g)

Age in weeks

42.0±4.7g(n=52)

31.8±3.0g(n=43)�

�30.4±2.2g(n=41)

25.7±2.1g(n=45)

non Tg ♂(n=53)�Tg ♂(n=49)�non Tg ♀(n=42)�Tg ♀(n=56)

100�

80�

60�

40�

20�

00  16 20 28 36 44 52 60 68 76

Survival rate (%)

Age in weeks

96.2%(51/53)

97.6%(41/42)

53.1%(26/49)�

32.1%(18/56)

non Tg ♂(n=53)�Tg ♂(n=49)�non Tg ♀(n=42)�Tg ♀(n=56)

(%)�

rasH2マウスの表現型

体重と生存率

rasH2マウスの体重は、non-Tgマウスと比較した場合に、オスで

約80%、メスで約90%です。しかし、各臓器の重量は、体重比

においては差は認められません。また生存率は、35週齢で95~

100%、77週齢ではオスが53%、メスが32%となっています。ほ

とんどの死亡原因は発生する腫瘍によるものです。なお、c-Ha-

ras遺伝子のホモ接合個体は致死性となります。(図6,7)

薬物代謝特性、血液/生化学特性

野生型との比較で、血液/生化学的性状に差はありません。薬

物代謝酵素活性のphenobarbitalおよびmethylcholoanthrene

による誘導では肝ミクロソーム、肝サイトゾールの酵素活性パター

ンに雌雄差や野生型との差は認められず、これらについて遺伝

子操作による影響はないことが確認されています。

URL http://www.CLEA-Japan.com

※国際命名規約による表記では、CByB6F1-Tg(HRAS)2Jic@Jclとなります。

2008.6

Page 2: 新しい遺伝子操作マウ 医薬品の安全性試験のための、 · rasH2 マウスの発がん特性 26週間投与とその後の病理検査で発がん物質の確認が

rasH2マウスの発がん特性

26週間投与とその後の病理検査で発がん物質の確認が

できます

ヒト由来のプロト型がん遺伝子「c-Ha-ras」を導入したrasH2マウス

は、生後34週齢まで腫瘍の自然発生は僅少であり、生後8週齢

までに被験物質を投与開始し、26週間の腫瘍の発生を評価す

ることでヒトに対する発がんリスクを予測できます。

rasH2マウスの発がん感受性は継世代的にも安定であり

再現性も優れています

ヒト発がん物質を投与し、26週間後の肺:腺腫、脾臓:血管

肉腫、前胃:乳頭腫の発生率を図1に示しました。Tg(rasH2)の

投与群で腫瘍の有意な増加が見られます。

rasH2マウスの発がん性試験において、同腹仔のnon-Tgマウス

を対照動物として使用した場合、導入遺伝子が発がん特異性に

関与したか否かがより明確になります。

幅広い発がん感受性

不特定多数の化合物に広い感受性を示す一代雑種(BALB/cByJと

C57BL/6JのF1)を遺伝的背景としています。また、発生腫瘍が

リンパ腫に偏らず、上皮性、非上皮性腫瘍ともに発生します。

導入遺伝子の発現

導入遺伝子の高い安定性

人工的プロモーターを含まない内因性プロモーター/エンハンサーを

持つヒトプロト型c-Ha-ras遺伝子の3コピーがタンデムに導入されて

おり、遺伝子の発現はすべての主要臓器で安定的に認められま

す。完全構造解析の結果、遺伝子の不安定化が起きないことが

確認されています。(図2)

rasH2マウスの品質試験

背景遺伝子の高い均質性

原種コロニーのバッククロスは、44世代以上を経過し、遺伝的に極

めて均質です。背景遺伝子については、C57BL/6JとBALB/cByJ

の遺伝マーカーを定期的に検査しています。

高精度の導入遺伝子検査

全ての種動物は Southern blotting法により導入遺伝子を検査

し、変異のないことを確認しています。また、供給動物につい

ても全て3週齢時に二重のPCR法によりTg/non-Tgの識別を

行っています。

高い再現性および安定性

発がん形質についても標準陽性対照物質(MNU)投与による

発がんモニタリングを行い、感受性に変化のないことを確認

しています。rasH2マウスは日本(日本クレア)および米国

(Taconic)において生産されておりますが、両コロニーで生産

された動物を用いた比較試験においてコロニー間の差は

見られず、その高い再現性および安定性が確認されています。

(図4,5)

安定した生産システムで、いつでもご要望にお応えできます

生産システムにおいては、導入遺伝子、背景遺伝子、個体のそれ

ぞれに高度な均質性の保持が可能です。この生産システムは、生

殖工学および発生工学の分野からの高度な技術集積により、

rasH2マウス生産のために確立された方法です。

わずか26週間投与で、発がん性試験が可能。安定性・再現性にも優れた「rasH2マウス」

図4. 腫瘍発生率の生産コロニー間比較

図2. rasH2マウスにおけるヒトc-Ha-ras遺伝子の発現

図3. Tg-rasH2マウスのENU誘発前胃腫瘍におけるヒトc-Ha-ras mRNAのreal-time RT-PCR

0

25

50

75

Taconicコロニー

日本クレアコロニー悪性リンパ腫

前胃: 乳頭腫

皮膚: 乳頭腫

肺: 腺腫

100

Tumor Incidence (%)

Tg non-Tg

FS Liver

FS Liver

Lung

Heart

Brain

T24/EJ

h-H-ras

GAPDH

1,800�

1,600�

1,400�

1,200�

1,000�

0.800�

0.600�

0.400�

0.200�

0.000�

-0.200�

-0.40020 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40

Cycle

ΔRn

FS tumorControl�Tg FS

Non-Tg�FS

図1. 遺伝毒性発がん物質投与―典型例

図5. 生存率の生産コロニー間比較

0

25

50

肺:腺腫�

脾臓:血管肉腫�

前胃:乳頭腫�

*

##

**

投与群�rasH2

対照群�rasH2

投与群�nonTg

対照群�nonTg

(%)*: p< 0.05## or **: p < 0.01

Female

100�

80�

60�

40�

20�

00 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

Age in weeks

Survival rate (%)

CLEA, Vehicle�

Taconic, Vehicle�

CLEA, MNU�

Taconic, MNU

100�

80�

60�

40�

20�

00 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

Age in weeks

Survival rate (%)

Male

CLEA, Vehicle�

Taconic, Vehicle�

CLEA, MNU�

Taconic, MNU

rasH2マウスは、導入された発がん遺伝子の変異と過剰発現によって

がん化が促進されます。ethyl nitrosourea(ENU)とmethyl

nitrosourea(MNU)によって誘発された前胃腫瘍における導入遺伝

子の発現量をreal-time RT-PCRで定量した結果、c-Ha-rasの増大

が認められています。(図3)

Page 3: 新しい遺伝子操作マウ 医薬品の安全性試験のための、 · rasH2 マウスの発がん特性 26週間投与とその後の病理検査で発がん物質の確認が

rasH2マウスの発がん特性

26週間投与とその後の病理検査で発がん物質の確認が

できます

ヒト由来のプロト型がん遺伝子「c-Ha-ras」を導入したrasH2マウス

は、生後34週齢まで腫瘍の自然発生は僅少であり、生後8週齢

までに被験物質を投与開始し、26週間の腫瘍の発生を評価す

ることでヒトに対する発がんリスクを予測できます。

rasH2マウスの発がん感受性は継世代的にも安定であり

再現性も優れています

ヒト発がん物質を投与し、26週間後の肺:腺腫、脾臓:血管

肉腫、前胃:乳頭腫の発生率を図1に示しました。Tg(rasH2)の

投与群で腫瘍の有意な増加が見られます。

rasH2マウスの発がん性試験において、同腹仔のnon-Tgマウス

を対照動物として使用した場合、導入遺伝子が発がん特異性に

関与したか否かがより明確になります。

幅広い発がん感受性

不特定多数の化合物に広い感受性を示す一代雑種(BALB/cByJと

C57BL/6JのF1)を遺伝的背景としています。また、発生腫瘍が

リンパ腫に偏らず、上皮性、非上皮性腫瘍ともに発生します。

導入遺伝子の発現

導入遺伝子の高い安定性

人工的プロモーターを含まない内因性プロモーター/エンハンサーを

持つヒトプロト型c-Ha-ras遺伝子の3コピーがタンデムに導入されて

おり、遺伝子の発現はすべての主要臓器で安定的に認められま

す。完全構造解析の結果、遺伝子の不安定化が起きないことが

確認されています。(図2)

rasH2マウスの品質試験

背景遺伝子の高い均質性

原種コロニーのバッククロスは、44世代以上を経過し、遺伝的に極

めて均質です。背景遺伝子については、C57BL/6JとBALB/cByJ

の遺伝マーカーを定期的に検査しています。

高精度の導入遺伝子検査

全ての種動物は Southern blotting法により導入遺伝子を検査

し、変異のないことを確認しています。また、供給動物につい

ても全て3週齢時に二重のPCR法によりTg/non-Tgの識別を

行っています。

高い再現性および安定性

発がん形質についても標準陽性対照物質(MNU)投与による

発がんモニタリングを行い、感受性に変化のないことを確認

しています。rasH2マウスは日本(日本クレア)および米国

(Taconic)において生産されておりますが、両コロニーで生産

された動物を用いた比較試験においてコロニー間の差は

見られず、その高い再現性および安定性が確認されています。

(図4,5)

安定した生産システムで、いつでもご要望にお応えできます

生産システムにおいては、導入遺伝子、背景遺伝子、個体のそれ

ぞれに高度な均質性の保持が可能です。この生産システムは、生

殖工学および発生工学の分野からの高度な技術集積により、

rasH2マウス生産のために確立された方法です。

わずか26週間投与で、発がん性試験が可能。安定性・再現性にも優れた「rasH2マウス」

図4. 腫瘍発生率の生産コロニー間比較

図2. rasH2マウスにおけるヒトc-Ha-ras遺伝子の発現

図3. Tg-rasH2マウスのENU誘発前胃腫瘍におけるヒトc-Ha-ras mRNAのreal-time RT-PCR

0

25

50

75

Taconicコロニー

日本クレアコロニー悪性リンパ腫

前胃: 乳頭腫

皮膚: 乳頭腫

肺: 腺腫

100

Tumor Incidence (%)

Tg non-Tg

FS Liver

FS Liver

Lung

Heart

Brain

T24/EJ

h-H-ras

GAPDH

1,800�

1,600�

1,400�

1,200�

1,000�

0.800�

0.600�

0.400�

0.200�

0.000�

-0.200�

-0.40020 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40

Cycle

ΔRn

FS tumorControl�Tg FS

Non-Tg�FS

図1. 遺伝毒性発がん物質投与―典型例

図5. 生存率の生産コロニー間比較

0

25

50

肺:腺腫�

脾臓:血管肉腫�

前胃:乳頭腫�

*

##

**

投与群�rasH2

対照群�rasH2

投与群�nonTg

対照群�nonTg

(%)*: p< 0.05## or **: p < 0.01

Female

100�

80�

60�

40�

20�

00 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

Age in weeks

Survival rate (%)

CLEA, Vehicle�

Taconic, Vehicle�

CLEA, MNU�

Taconic, MNU

100�

80�

60�

40�

20�

00 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26

Age in weeks

Survival rate (%)

Male

CLEA, Vehicle�

Taconic, Vehicle�

CLEA, MNU�

Taconic, MNU

rasH2マウスは、導入された発がん遺伝子の変異と過剰発現によって

がん化が促進されます。ethyl nitrosourea(ENU)とmethyl

nitrosourea(MNU)によって誘発された前胃腫瘍における導入遺伝

子の発現量をreal-time RT-PCRで定量した結果、c-Ha-rasの増大

が認められています。(図3)

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東京AD部 〒153-8533 東京都目黒区東山1-2-7 TEL.03-5704-7123 FAX. 03-3792-2368大阪AD部 〒564-0053 大阪府吹田市江の木町6-5 TEL.06-4861-7101 FAX. 06-4861-7108札幌出張所 〒063-0849 北海道札幌市西区八軒9条西10丁目4-28 TEL.011-631-2725 FAX. 011-644-9209仙台出張所 〒983-0047 宮城県仙台市宮城野区銀杏町14-12 TEL.022-295-9731 FAX. 022-293-6955

高い再現性と信頼性で、短期間の発がん性試験を実現

医薬品の安全性試験のための、新しい遺伝子操作マウス[開発経緯]

1989年 (財)実験動物中央研究所、野村達次所長の

もとで、勝木元也博士らによって作出された。

(この研究の一部は文部省重点領域研究

「遺伝子導入動物」によるものである。)

1992年 実中研、CB6F1-Tg rasH2マウス(以下、ras

H2マウス)の発がん性評価試験の実用化を

開始。

1997年 ICH4(S1B)にてマウス2年間発がん性試験

の代替法として決定。

1997年 日・米・欧の産官学50施設の国際共同研究

(ILSI/HESI)により、rasH2マウスの高い発2000年

がん性評価の再現性と安定性が証明される。

2001年 日本クレア、rasH2マウスの本格的生産に

着手。

2003年 ILSI/HESIワークショップにて日・米・欧行政

当局より指針が出される。

rasH2マウスの生産システム

生産システムは、原種(foundation)コロニー、増殖(expansion)コロニー、生産(production)コロニーの3段階で進められます。凍結胚によ

るバックアップも万全です。

CB6F1-Tg rasH2マウスの生産システム

BALB :�

B6 :�

B6-Tg rasC57BL/6J-Tg rasH2 C57BL/6J-Tg rasH2

C57BL/6J-Tg rasH2

C57BL/6J C57BL/6J

BALB/cByJBALB/cByJ

BALB/cByJ

CB6F1-Tg rasH2

Supply

Foundation�Vinyl Isolator

Expansion�Vinyl Isolator

Production�Barrier System

Individual�Genotyping

Transgene �Stability�Test

CB6F1-Tg rasH2�

CB6F1-nonTg rasH2Cryo preservation

B6-Tg ras

BALB :�

図6. CB6F1-Tg rasH2およびnon-Tgマウスの成長曲線 図7. CB6F1-Tg rasH2およびnon-Tgマウスの生存率

40�

30�

20�

10�

00     10     20     30     40     50

Body weight (g)

Age in weeks

42.0±4.7g(n=52)

31.8±3.0g(n=43)�

�30.4±2.2g(n=41)

25.7±2.1g(n=45)

non Tg ♂(n=53)�Tg ♂(n=49)�non Tg ♀(n=42)�Tg ♀(n=56)

100�

80�

60�

40�

20�

00  16 20 28 36 44 52 60 68 76

Survival rate (%)

Age in weeks

96.2%(51/53)

97.6%(41/42)

53.1%(26/49)�

32.1%(18/56)

non Tg ♂(n=53)�Tg ♂(n=49)�non Tg ♀(n=42)�Tg ♀(n=56)

(%)�

rasH2マウスの表現型

体重と生存率

rasH2マウスの体重は、non-Tgマウスと比較した場合に、オスで

約80%、メスで約90%です。しかし、各臓器の重量は、体重比

においては差は認められません。また生存率は、35週齢で95~

100%、77週齢ではオスが53%、メスが32%となっています。ほ

とんどの死亡原因は発生する腫瘍によるものです。なお、c-Ha-

ras遺伝子のホモ接合個体は致死性となります。(図6,7)

薬物代謝特性、血液/生化学特性

野生型との比較で、血液/生化学的性状に差はありません。薬

物代謝酵素活性のphenobarbitalおよびmethylcholoanthrene

による誘導では肝ミクロソーム、肝サイトゾールの酵素活性パター

ンに雌雄差や野生型との差は認められず、これらについて遺伝

子操作による影響はないことが確認されています。

URL http://www.CLEA-Japan.com

※国際命名規約による表記では、CByB6F1-Tg(HRAS)2Jic@Jclとなります。

2008.6