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東京AD部 〒153-8533 東京都目黒区東山1-2-7 TEL.03-5704-7123 FAX. 03-3792-2368大阪AD部 〒564-0053 大阪府吹田市江の木町6-5 TEL.06-4861-7101 FAX. 06-4861-7108札幌出張所 〒063-0849 北海道札幌市西区八軒9条西10丁目4-28 TEL.011-631-2725 FAX. 011-644-9209仙台出張所 〒983-0047 宮城県仙台市宮城野区銀杏町14-12 TEL.022-295-9731 FAX. 022-293-6955
高い再現性と信頼性で、短期間の発がん性試験を実現
医薬品の安全性試験のための、新しい遺伝子操作マウス[開発経緯]
1989年 (財)実験動物中央研究所、野村達次所長の
もとで、勝木元也博士らによって作出された。
(この研究の一部は文部省重点領域研究
「遺伝子導入動物」によるものである。)
1992年 実中研、CB6F1-Tg rasH2マウス(以下、ras
H2マウス)の発がん性評価試験の実用化を
開始。
1997年 ICH4(S1B)にてマウス2年間発がん性試験
の代替法として決定。
1997年 日・米・欧の産官学50施設の国際共同研究
(ILSI/HESI)により、rasH2マウスの高い発2000年
がん性評価の再現性と安定性が証明される。
2001年 日本クレア、rasH2マウスの本格的生産に
着手。
2003年 ILSI/HESIワークショップにて日・米・欧行政
当局より指針が出される。
rasH2マウスの生産システム
生産システムは、原種(foundation)コロニー、増殖(expansion)コロニー、生産(production)コロニーの3段階で進められます。凍結胚によ
るバックアップも万全です。
CB6F1-Tg rasH2マウスの生産システム
BALB :�
B6 :�
B6-Tg rasC57BL/6J-Tg rasH2 C57BL/6J-Tg rasH2
C57BL/6J-Tg rasH2
C57BL/6J C57BL/6J
BALB/cByJBALB/cByJ
BALB/cByJ
CB6F1-Tg rasH2
Supply
Foundation�Vinyl Isolator
Expansion�Vinyl Isolator
Production�Barrier System
Individual�Genotyping
Transgene �Stability�Test
CB6F1-Tg rasH2�
CB6F1-nonTg rasH2Cryo preservation
B6-Tg ras
BALB :�
図6. CB6F1-Tg rasH2およびnon-Tgマウスの成長曲線 図7. CB6F1-Tg rasH2およびnon-Tgマウスの生存率
40�
30�
20�
10�
00 10 20 30 40 50
Body weight (g)
Age in weeks
42.0±4.7g(n=52)
31.8±3.0g(n=43)�
�30.4±2.2g(n=41)
25.7±2.1g(n=45)
non Tg ♂(n=53)�Tg ♂(n=49)�non Tg ♀(n=42)�Tg ♀(n=56)
100�
80�
60�
40�
20�
00 16 20 28 36 44 52 60 68 76
Survival rate (%)
Age in weeks
96.2%(51/53)
97.6%(41/42)
53.1%(26/49)�
�
32.1%(18/56)
non Tg ♂(n=53)�Tg ♂(n=49)�non Tg ♀(n=42)�Tg ♀(n=56)
(%)�
rasH2マウスの表現型
体重と生存率
rasH2マウスの体重は、non-Tgマウスと比較した場合に、オスで
約80%、メスで約90%です。しかし、各臓器の重量は、体重比
においては差は認められません。また生存率は、35週齢で95~
100%、77週齢ではオスが53%、メスが32%となっています。ほ
とんどの死亡原因は発生する腫瘍によるものです。なお、c-Ha-
ras遺伝子のホモ接合個体は致死性となります。(図6,7)
薬物代謝特性、血液/生化学特性
野生型との比較で、血液/生化学的性状に差はありません。薬
物代謝酵素活性のphenobarbitalおよびmethylcholoanthrene
による誘導では肝ミクロソーム、肝サイトゾールの酵素活性パター
ンに雌雄差や野生型との差は認められず、これらについて遺伝
子操作による影響はないことが確認されています。
~
URL http://www.CLEA-Japan.com
※国際命名規約による表記では、CByB6F1-Tg(HRAS)2Jic@Jclとなります。
2008.6
rasH2マウスの発がん特性
26週間投与とその後の病理検査で発がん物質の確認が
できます
ヒト由来のプロト型がん遺伝子「c-Ha-ras」を導入したrasH2マウス
は、生後34週齢まで腫瘍の自然発生は僅少であり、生後8週齢
までに被験物質を投与開始し、26週間の腫瘍の発生を評価す
ることでヒトに対する発がんリスクを予測できます。
rasH2マウスの発がん感受性は継世代的にも安定であり
再現性も優れています
ヒト発がん物質を投与し、26週間後の肺:腺腫、脾臓:血管
肉腫、前胃:乳頭腫の発生率を図1に示しました。Tg(rasH2)の
投与群で腫瘍の有意な増加が見られます。
rasH2マウスの発がん性試験において、同腹仔のnon-Tgマウス
を対照動物として使用した場合、導入遺伝子が発がん特異性に
関与したか否かがより明確になります。
幅広い発がん感受性
不特定多数の化合物に広い感受性を示す一代雑種(BALB/cByJと
C57BL/6JのF1)を遺伝的背景としています。また、発生腫瘍が
リンパ腫に偏らず、上皮性、非上皮性腫瘍ともに発生します。
導入遺伝子の発現
導入遺伝子の高い安定性
人工的プロモーターを含まない内因性プロモーター/エンハンサーを
持つヒトプロト型c-Ha-ras遺伝子の3コピーがタンデムに導入されて
おり、遺伝子の発現はすべての主要臓器で安定的に認められま
す。完全構造解析の結果、遺伝子の不安定化が起きないことが
確認されています。(図2)
rasH2マウスの品質試験
背景遺伝子の高い均質性
原種コロニーのバッククロスは、44世代以上を経過し、遺伝的に極
めて均質です。背景遺伝子については、C57BL/6JとBALB/cByJ
の遺伝マーカーを定期的に検査しています。
高精度の導入遺伝子検査
全ての種動物は Southern blotting法により導入遺伝子を検査
し、変異のないことを確認しています。また、供給動物につい
ても全て3週齢時に二重のPCR法によりTg/non-Tgの識別を
行っています。
高い再現性および安定性
発がん形質についても標準陽性対照物質(MNU)投与による
発がんモニタリングを行い、感受性に変化のないことを確認
しています。rasH2マウスは日本(日本クレア)および米国
(Taconic)において生産されておりますが、両コロニーで生産
された動物を用いた比較試験においてコロニー間の差は
見られず、その高い再現性および安定性が確認されています。
(図4,5)
安定した生産システムで、いつでもご要望にお応えできます
生産システムにおいては、導入遺伝子、背景遺伝子、個体のそれ
ぞれに高度な均質性の保持が可能です。この生産システムは、生
殖工学および発生工学の分野からの高度な技術集積により、
rasH2マウス生産のために確立された方法です。
わずか26週間投与で、発がん性試験が可能。安定性・再現性にも優れた「rasH2マウス」
図4. 腫瘍発生率の生産コロニー間比較
図2. rasH2マウスにおけるヒトc-Ha-ras遺伝子の発現
図3. Tg-rasH2マウスのENU誘発前胃腫瘍におけるヒトc-Ha-ras mRNAのreal-time RT-PCR
0
25
50
75
Taconicコロニー
日本クレアコロニー悪性リンパ腫
前胃: 乳頭腫
皮膚: 乳頭腫
肺: 腺腫
100
Tumor Incidence (%)
Tg non-Tg
FS Liver
FS Liver
Lung
Heart
Brain
T24/EJ
h-H-ras
GAPDH
1,800�
1,600�
1,400�
1,200�
1,000�
0.800�
0.600�
0.400�
0.200�
0.000�
-0.200�
-0.40020 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
Cycle
ΔRn
FS tumorControl�Tg FS
Non-Tg�FS
図1. 遺伝毒性発がん物質投与―典型例
図5. 生存率の生産コロニー間比較
0
25
50
肺:腺腫�
脾臓:血管肉腫�
前胃:乳頭腫�
*
##
**
投与群�rasH2
対照群�rasH2
投与群�nonTg
対照群�nonTg
(%)*: p< 0.05## or **: p < 0.01
Female
100�
80�
60�
40�
20�
00 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26
Age in weeks
Survival rate (%)
CLEA, Vehicle�
Taconic, Vehicle�
CLEA, MNU�
Taconic, MNU
100�
80�
60�
40�
20�
00 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26
Age in weeks
Survival rate (%)
Male
CLEA, Vehicle�
Taconic, Vehicle�
CLEA, MNU�
Taconic, MNU
rasH2マウスは、導入された発がん遺伝子の変異と過剰発現によって
がん化が促進されます。ethyl nitrosourea(ENU)とmethyl
nitrosourea(MNU)によって誘発された前胃腫瘍における導入遺伝
子の発現量をreal-time RT-PCRで定量した結果、c-Ha-rasの増大
が認められています。(図3)
rasH2マウスの発がん特性
26週間投与とその後の病理検査で発がん物質の確認が
できます
ヒト由来のプロト型がん遺伝子「c-Ha-ras」を導入したrasH2マウス
は、生後34週齢まで腫瘍の自然発生は僅少であり、生後8週齢
までに被験物質を投与開始し、26週間の腫瘍の発生を評価す
ることでヒトに対する発がんリスクを予測できます。
rasH2マウスの発がん感受性は継世代的にも安定であり
再現性も優れています
ヒト発がん物質を投与し、26週間後の肺:腺腫、脾臓:血管
肉腫、前胃:乳頭腫の発生率を図1に示しました。Tg(rasH2)の
投与群で腫瘍の有意な増加が見られます。
rasH2マウスの発がん性試験において、同腹仔のnon-Tgマウス
を対照動物として使用した場合、導入遺伝子が発がん特異性に
関与したか否かがより明確になります。
幅広い発がん感受性
不特定多数の化合物に広い感受性を示す一代雑種(BALB/cByJと
C57BL/6JのF1)を遺伝的背景としています。また、発生腫瘍が
リンパ腫に偏らず、上皮性、非上皮性腫瘍ともに発生します。
導入遺伝子の発現
導入遺伝子の高い安定性
人工的プロモーターを含まない内因性プロモーター/エンハンサーを
持つヒトプロト型c-Ha-ras遺伝子の3コピーがタンデムに導入されて
おり、遺伝子の発現はすべての主要臓器で安定的に認められま
す。完全構造解析の結果、遺伝子の不安定化が起きないことが
確認されています。(図2)
rasH2マウスの品質試験
背景遺伝子の高い均質性
原種コロニーのバッククロスは、44世代以上を経過し、遺伝的に極
めて均質です。背景遺伝子については、C57BL/6JとBALB/cByJ
の遺伝マーカーを定期的に検査しています。
高精度の導入遺伝子検査
全ての種動物は Southern blotting法により導入遺伝子を検査
し、変異のないことを確認しています。また、供給動物につい
ても全て3週齢時に二重のPCR法によりTg/non-Tgの識別を
行っています。
高い再現性および安定性
発がん形質についても標準陽性対照物質(MNU)投与による
発がんモニタリングを行い、感受性に変化のないことを確認
しています。rasH2マウスは日本(日本クレア)および米国
(Taconic)において生産されておりますが、両コロニーで生産
された動物を用いた比較試験においてコロニー間の差は
見られず、その高い再現性および安定性が確認されています。
(図4,5)
安定した生産システムで、いつでもご要望にお応えできます
生産システムにおいては、導入遺伝子、背景遺伝子、個体のそれ
ぞれに高度な均質性の保持が可能です。この生産システムは、生
殖工学および発生工学の分野からの高度な技術集積により、
rasH2マウス生産のために確立された方法です。
わずか26週間投与で、発がん性試験が可能。安定性・再現性にも優れた「rasH2マウス」
図4. 腫瘍発生率の生産コロニー間比較
図2. rasH2マウスにおけるヒトc-Ha-ras遺伝子の発現
図3. Tg-rasH2マウスのENU誘発前胃腫瘍におけるヒトc-Ha-ras mRNAのreal-time RT-PCR
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Taconicコロニー
日本クレアコロニー悪性リンパ腫
前胃: 乳頭腫
皮膚: 乳頭腫
肺: 腺腫
100
Tumor Incidence (%)
Tg non-Tg
FS Liver
FS Liver
Lung
Heart
Brain
T24/EJ
h-H-ras
GAPDH
1,800�
1,600�
1,400�
1,200�
1,000�
0.800�
0.600�
0.400�
0.200�
0.000�
-0.200�
-0.40020 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
Cycle
ΔRn
FS tumorControl�Tg FS
Non-Tg�FS
図1. 遺伝毒性発がん物質投与―典型例
図5. 生存率の生産コロニー間比較
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肺:腺腫�
脾臓:血管肉腫�
前胃:乳頭腫�
*
##
**
投与群�rasH2
対照群�rasH2
投与群�nonTg
対照群�nonTg
(%)*: p< 0.05## or **: p < 0.01
Female
100�
80�
60�
40�
20�
00 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26
Age in weeks
Survival rate (%)
CLEA, Vehicle�
Taconic, Vehicle�
CLEA, MNU�
Taconic, MNU
100�
80�
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00 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26
Age in weeks
Survival rate (%)
Male
CLEA, Vehicle�
Taconic, Vehicle�
CLEA, MNU�
Taconic, MNU
rasH2マウスは、導入された発がん遺伝子の変異と過剰発現によって
がん化が促進されます。ethyl nitrosourea(ENU)とmethyl
nitrosourea(MNU)によって誘発された前胃腫瘍における導入遺伝
子の発現量をreal-time RT-PCRで定量した結果、c-Ha-rasの増大
が認められています。(図3)
東京AD部 〒153-8533 東京都目黒区東山1-2-7 TEL.03-5704-7123 FAX. 03-3792-2368大阪AD部 〒564-0053 大阪府吹田市江の木町6-5 TEL.06-4861-7101 FAX. 06-4861-7108札幌出張所 〒063-0849 北海道札幌市西区八軒9条西10丁目4-28 TEL.011-631-2725 FAX. 011-644-9209仙台出張所 〒983-0047 宮城県仙台市宮城野区銀杏町14-12 TEL.022-295-9731 FAX. 022-293-6955
高い再現性と信頼性で、短期間の発がん性試験を実現
医薬品の安全性試験のための、新しい遺伝子操作マウス[開発経緯]
1989年 (財)実験動物中央研究所、野村達次所長の
もとで、勝木元也博士らによって作出された。
(この研究の一部は文部省重点領域研究
「遺伝子導入動物」によるものである。)
1992年 実中研、CB6F1-Tg rasH2マウス(以下、ras
H2マウス)の発がん性評価試験の実用化を
開始。
1997年 ICH4(S1B)にてマウス2年間発がん性試験
の代替法として決定。
1997年 日・米・欧の産官学50施設の国際共同研究
(ILSI/HESI)により、rasH2マウスの高い発2000年
がん性評価の再現性と安定性が証明される。
2001年 日本クレア、rasH2マウスの本格的生産に
着手。
2003年 ILSI/HESIワークショップにて日・米・欧行政
当局より指針が出される。
rasH2マウスの生産システム
生産システムは、原種(foundation)コロニー、増殖(expansion)コロニー、生産(production)コロニーの3段階で進められます。凍結胚によ
るバックアップも万全です。
CB6F1-Tg rasH2マウスの生産システム
BALB :�
B6 :�
B6-Tg rasC57BL/6J-Tg rasH2 C57BL/6J-Tg rasH2
C57BL/6J-Tg rasH2
C57BL/6J C57BL/6J
BALB/cByJBALB/cByJ
BALB/cByJ
CB6F1-Tg rasH2
Supply
Foundation�Vinyl Isolator
Expansion�Vinyl Isolator
Production�Barrier System
Individual�Genotyping
Transgene �Stability�Test
CB6F1-Tg rasH2�
CB6F1-nonTg rasH2Cryo preservation
B6-Tg ras
BALB :�
図6. CB6F1-Tg rasH2およびnon-Tgマウスの成長曲線 図7. CB6F1-Tg rasH2およびnon-Tgマウスの生存率
40�
30�
20�
10�
00 10 20 30 40 50
Body weight (g)
Age in weeks
42.0±4.7g(n=52)
31.8±3.0g(n=43)�
�30.4±2.2g(n=41)
25.7±2.1g(n=45)
non Tg ♂(n=53)�Tg ♂(n=49)�non Tg ♀(n=42)�Tg ♀(n=56)
100�
80�
60�
40�
20�
00 16 20 28 36 44 52 60 68 76
Survival rate (%)
Age in weeks
96.2%(51/53)
97.6%(41/42)
53.1%(26/49)�
�
32.1%(18/56)
non Tg ♂(n=53)�Tg ♂(n=49)�non Tg ♀(n=42)�Tg ♀(n=56)
(%)�
rasH2マウスの表現型
体重と生存率
rasH2マウスの体重は、non-Tgマウスと比較した場合に、オスで
約80%、メスで約90%です。しかし、各臓器の重量は、体重比
においては差は認められません。また生存率は、35週齢で95~
100%、77週齢ではオスが53%、メスが32%となっています。ほ
とんどの死亡原因は発生する腫瘍によるものです。なお、c-Ha-
ras遺伝子のホモ接合個体は致死性となります。(図6,7)
薬物代謝特性、血液/生化学特性
野生型との比較で、血液/生化学的性状に差はありません。薬
物代謝酵素活性のphenobarbitalおよびmethylcholoanthrene
による誘導では肝ミクロソーム、肝サイトゾールの酵素活性パター
ンに雌雄差や野生型との差は認められず、これらについて遺伝
子操作による影響はないことが確認されています。
~
URL http://www.CLEA-Japan.com
※国際命名規約による表記では、CByB6F1-Tg(HRAS)2Jic@Jclとなります。
2008.6