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122 126 どう みょう おう りゅう ぞう 指 定  市有形文化財  平成20年6月13日 所在地  春   日 所有者  蓮 華 寺 ぼく しょ めい から本像は蓮華寺の護摩堂の本尊として制作されたことがわかる。 じょう 5年(1349)7月10日に、運 うん けい の筋を引く幸 こう しょう (康 やす かつ )流の仏師がこの銘文を記し たようであるが、本人の名前は墨書銘からは確認できない。 特徴的なのは、着衣の先端部を波 なみ がた にあらわすなどいわゆる「唐様の仏像」とも呼べる ような工夫がみられるところである。こうした特徴からも、本像の製作年代は貞和5年 (1349)と判断される。 かん じん の趣意は、天 てん ちょう きゅう などとともに源 みなもと のあ そん なが ふさ なる人物の諸 もろ もろ の福徳を祈願するため であった。長房とは佐久伴野庄の地頭であった伴 とも なが ふさ (出 さぶ ろう ?~1352)のことか。 勧進の指揮を執ったのは弁 べん かい なる僧である。弁海については蓮華寺歴代住持の中に見当 たらず不詳である。 像高:75Ú 全高:約140Ú(台座・光背含む) 最大全幅:約48Ú 品質:木 もく ぞう ちょう がん さい しき 。材はカツラとみられる針葉樹材を用いる。 付属品:宝 ほう けん 、羂 けん さく 、台 だい 、光 こう はい

126 不動明王立像 - Saku122 126 不 ふ 動 どう 明 みょう 王 おう 立 りゅう 像 ぞう 指 定 市有形文化財 平成20年6月13日 所在地 春 日 所有者

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Page 1: 126 不動明王立像 - Saku122 126 不 ふ 動 どう 明 みょう 王 おう 立 りゅう 像 ぞう 指 定 市有形文化財 平成20年6月13日 所在地 春 日 所有者

122

126 不ふ

動どう

明みょう

王おう

立りゅう

像ぞう

指 定  市有形文化財  平成20年6月13日所在地  春   日所有者  蓮 華 寺

墨ぼく

書しょ

銘めい

から本像は蓮華寺の護摩堂の本尊として制作されたことがわかる。貞じょう

和わ

5年(1349)7月10日に、運うん

慶けい

の筋を引く幸こう

勝しょう

(康やす

勝かつ

)流の仏師がこの銘文を記したようであるが、本人の名前は墨書銘からは確認できない。特徴的なのは、着衣の先端部を波

なみ

形がた

にあらわすなどいわゆる「唐様の仏像」とも呼べるような工夫がみられるところである。こうした特徴からも、本像の製作年代は貞和5年(1349)と判断される。勧かん

進じん

の趣意は、天てん

長ちょう

地ち

久きゅう

などとともに源みなもと

朝のあ

臣そん

長なが

房ふさ

なる人物の諸もろ

々もろ

の福徳を祈願するためであった。長房とは佐久伴野庄の地頭であった伴

とも

野の

長なが

房ふさ

(出で

羽わ

弥や

三さぶ

郎ろう

?~1352)のことか。勧進の指揮を執ったのは弁

べん

海かい

なる僧である。弁海については蓮華寺歴代住持の中に見当たらず不詳である。

像高:75� 全高:約140�(台座・光背含む) 最大全幅:約48�品質:木

もく

造ぞう

彫ちょう

眼がん

彩さい

色しき

。材はカツラとみられる針葉樹材を用いる。付属品:宝

ほう

剣けん

、羂けん

索さく

、台だい

座ざ

、光こう

背はい