60
M o v o o i n g F o r w a rd a s O n e ΞχϡΞϧϨϙʔτ2011 20113 ظNTT DATA CORPORATION 2011

2011年3月期 Moving Forward as One - NTT Data

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Movoo ing Forwardas One

〒135-6033 東京都江東区豊洲三丁目3番3号 豊洲センタービルTEL : 03-5546-8202URL : http://www.nttdata.co.jp/

アニュアルレポート20112011年3月期

NT

T D

AT

A C

OR

PO

RA

TIO

N ア

ニュアルレポート

2011

Globalization

Our Strategy

グローバルマーケットオフショア開発拠点オフショア開発

拠点のある国グ拠

EMEA

China

APAC

Americas

グローバルトップ5を目指す

グローバル化

“Moving Forward as One”>> お客様を取り巻くビジネス環境は急速な変化を続け、国境を越えたグローバル競争の時代に突入しています。このような中、NTTデータグループは世界のグローバルIT企業の中でトップ5入りを目指し、様々な変革に取り組んでいます。これらの変革の柱となるのが、①グローバル化、②サービス化、③環境志向経営、の3つです。グローバル競争に勝ち残るべく急速に拡大しているNTTデータグループは、世界

全体で“One Team”として3つの柱に取り組むことで、グループシナジーを創出し、グローバルトップ5を目指します。

グローバル化するお客様へのサービス提供能力を強化し、お客様とともにさらなる飛躍を遂げるため、グローバル展開を加速しています。M&Aの推進により、北米や欧州に加え南米などへのカバレッジ拡大を行うと同時に、Global One Team化などによる事業

連携の推進、オフショアリソースのさらなる活用といったグループシナジーの創出により、グローバル体制を確立・強化しています。

57MOVING FORWARD AS ONE

本社〒135-6033

東京都江東区豊洲三丁目3番3号

Tel : 03-5546-8202

設立年月日1988年5月23日

資本金142,520百万円

事業年度4月1日から翌年3月31日まで

会計監査法人有限責任 あずさ監査法人

従業員数の推移

主な海外拠点NTT DATA INTERNATIONAL L.L.C.45 West 36th Street, 7th Fl., New York, NY 10018, U.S.A.Telephone: +1-212-588-8340

Keane International, Inc.100 City Square, Boston, MA 02129, U.S.A.Telephone: +1-617-241-9200

Intelligroup, Inc.5 Independence Way, Suite 220, Princeton, NJ 08540, U.S.A.Telephone: +1-646-810-7400

M.I.S.I. Co., Ltd.45 West 36th Street, 7th Fl., New York, NY 10018, U.S.A.Telephone: +1-212-355-5585

The Revere Group, Limited325 North LaSalle Street, Suite 325, Chicago, IL 60654, U.S.A.Telephone: +1-312-873-3400

NTT DATA Asia Pacific Pte. Ltd.20 Cecil Street Equity Plaza, Singapore 049705Telephone: +65-6536-1637

北京NTT DATA系統集成有限公司(注)2011年12月を目処に恩梯梯数据(中国)有限公司と合併し、新生「恩梯梯数据(中国)有限公司」となります。

中国北京市朝陽区曙光西里甲5号鳳凰置地広場A座写字楼8層Telephone: +86-10-8285-6466

NTT DATA (Thailand) Co., Ltd.7th Floor, 946 Dusit Thani Building, Rama 4 Road, Silom, Bangrak, Bangkok 10500, ThailandTelephone: +66-2636-2772

NTT DATA Malaysia Sdn. Bhd.No. 43000, Persiaran APEC 63000 Cyberjaya, Selangor Darul Ehsan, MalaysiaTelephone: +60-3-8318-7009

NTT DATA Vietnam Company LimitedRoom 401, V-Tower, 649 Kim Ma Str., Ba Dinh Dist., Hanoi, SR. VietnamTelephone: +84-4-3766-7973

Vertex Software Pvt. Ltd.AG Technology Park, Server Space, Off. ITI Road, Aundh, Pune - 411007, IndiaTelephone: +91-20-6604-1500

Extend Technologies Group Holdings Pty Ltd 5 Florence Street, Newstead, QLD 4006, AustraliaTelephone: +61-7-3308-9400

NTT DATA EUROPE GmbH & Co. KGImmermannstraße 40, 40210, Düsseldorf, GermanyTelephone: +49-211-16470-90

itelligence AGKönigsbreede 1, 33605 Bielefeld, GermanyTelephone: +49-521-9144-80

Cirquent GmbHZamdorfer Straße 120, 81677 München, GermanyTelephone: +49-89-9936-0

40,000

10,000

20,000

30,000

50,000(人)

連結ベース

(注)当社からの出向者を含めず、当社への出向者を含めて記載しています。

連単体ベース

(注)当

単単

2007 2008 2009 2010 2011

22,608 23,080 31,739

8,324 8,550 9,230

34,543

9,670

49,99110,139

0

NTTデータはインターネット上のホームページで情報を提供しています。

URLアドレスは 日本語 http://www.nttdata.co.jp/英語 http://www.nttdata.com/

このアニュアルレポートに掲載されているサービスおよび商品などは、(株)NTTデータあるいは、各社の登録商標または商標です。

Financial & Others

会社のデータ(2011年3月31日現在)

情報システムによる環境負荷低減

Green by IT

Environment

Ser vices

75% 65% 50%

30%

2011年3月期実績2008年3月期実績「3本の矢」のさらなる推進

5%

目標

40%

5%

S I

サービス

ソフトウェア

お客様の要望多様化への対応

中期目標: 2013年3月期までにお客様・社会のCO2排出量を年間150万トン削減

地球ソリューション。~ITで、地球環境の課題を解いていく

アクションプラン

ITを通して、お客様・社会全体のグリーン化に貢献します。

自社グループのグリーン化をすすめ、地球環境に貢献します。

社員一人ひとりが環境について考え、積極的に貢献します。

情報システムそのものの環境負荷低減

Green of IT

20%

10%

1MOVING FORWARD AS ONE

環境メッセージとして「地球ソリューション。」を掲げ、「Green of IT」と「Green by IT」の双方により自らの環境負荷低減はもとより、ITを通してお客様や社会の環境負荷を低減していく環境志向経営を推進しています。アクションプランの実施により、2013年3月期までに「お客様・社会のCO2排出量を年間150万トン削減」する目標を掲げています。

環境志向経営

情報システムの高度化・複雑化、低価格化の要望、納期短縮の要請などシステムインテグレーション(SI)ビジネスを取り巻く環境が変化する中、お客様の多様なニーズに対応するため、SI中心のビジネスモデルから、サービス、ソフトウェア事業を強化した事業構造への転換を進める「3本の矢」を推進しています。サービス事業については、すでに当初目標であった30%を達成しており、今後は40%を目標に取り組んでいます。

サービス化

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

2 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA?NTTデータとは 3

連結財務数値の推移 8

ANNUAL REPORT 2011CONTENTS

President’s Message社長メッセージ 10

Q&A:社長インタビュー 12

Special Feature特集:グローバル化の推進

Moving Forward as One 20

Financial & Others財務セクション 38

組織機構改革 54

主要な子会社および関連会社 55

投資家情報 56

会社のデータ 57

Review of Operationカンパニー別の営業概況 32

パブリック&フィナンシャルカンパニー 33

グローバルITサービスカンパニー 34

ソリューション&テクノロジーカンパニー 35

役員紹介 36

(注)このアニュアルレポートに記載のグラフや表における年度表記については、特に記載のない限り、「2011」は2011年3月期を示しています。

見通しに関する注意事項本アニュアルレポートには、NTTデータグループの将来についての計画や戦略、業績に関する予想および見通しの記述が含まれています。これらの記述は過去の事実ではなく、当社グループが現時点で把握可能な情報から判断した仮定および確信に基づく見込みです。また、経済動向、情報サービス産業における激しい競争、市場需要、税制や諸制度などに係るリスクや不確実性を際限なく含んでいます。したがって、これらの業績見通しのみに過度に依存されないようお願いいたします。実際の業績は当社グループの見込みと異なるかもしれないことをご承知おきください。

コーポレート・ガバナンス報告書http://www.nttdata.co.jp/corporate/ir/library/ga/index.html

CSR(企業の社会的責任)http://www.nttdata.co.jp/corporate/csr/index.html

NTTデータの技術力http://www.nttdata.co.jp/tech/index.html

有価証券報告書http://www.nttdata.co.jp/corporate/ir/library/asr/index.html

本アニュアルレポートより、ウェブサイトによる情報開示を充実しています。NTTデータグループのコーポレート・ガバナンス、CSR、研究開発、詳細な財務情報については、以下のサイトに掲載しています。

19811967

1985

1988

2008

1990

1992

198899

1991

19941993

00001999

20022001

20052020044

200706

20112010

2009

97

19951996

1998

2003

• 日本電信電話公社にデータ通信本部設置

• 超大型コンピュータDIPS-11モデル45開発

• 日本電信電話株式会社(NTT)発足• データ通信本部からデータ通信事業本部へ改組

• NTTデータ通信株式会社として、NTTより分社・独立

• システムインテグレータの登録認定

• 本社所在地を東京都江東区豊洲に移転

• 1993年度デミング賞実施賞受賞

• 東京証券取引所市場第二部上場

• 東京証券取引所市場第一部指定• 「ISO14001」認証取得

• 株式会社NTTデータに社名変更• 「ISO9001」認証取得

• 情報セキュリティ管理の国際規格「BS7799」の認証を国内で初取得

• 連結売上高1兆円を達成

• 創立20周年

• カンパニー制を導入

2200

11199111991

220022200

22200

• 伊Value Team S.p.A.を子会社化、南米市場への事業拡大の足掛かりを獲得するとともに、 南欧・地中海領域にカバレッジを拡大• Global One Team発足

• 米Keane International, Inc.を子会社化、NTTデータグループ連結社員数約50,000人に• 米Intelligroup, Inc.を子会社化

2220022201

3MOVING FORWARD AS ONE

What is NTT DATA?

NTTデータとは

グループビジョン、ブランドメッセージ「世界的視野とスケールで、ITを使って社会を変革する」というグループビジョンは、2005年に、「NTTデータグループが10年後に目指すべき姿」として、経営陣や社員が議論を重ねて策定したものです。

NTTデータの歩み1967年、日本電信電話公社の中に当社の前身であるデータ通信本部が発足しました。これを「第一の創業」とすると、NTTデータ通信(株)としてNTTから独立した1988年が「第二の創業」でした。また、創立20周年に当たる2008年の「第三の創業」を経て、現在は、お客様とともにITを通じて社会の変革を実現する「Global IT Innovator」への進化を遂げようとしています。

ブランドメッセージ「変える力を、ともに生み出す。NTT DATAグループ」には、お客様とともに変革を実現するパートナーでありたい、また、グループの総力を結集してお客様の変革のための新しい価値創造を行っていく、という強い決意を込めています。

当社の特徴

• 「ANSER」「CAFIS」など決済系ビジネスでの圧倒的な競争力• ASP、セキュリティ、データセンタ事業などをフルラインでサービス展開

• システム構築能力、IT戦略立案ノウハウに基づくシステムコンサルティング力

• 大規模システムで培った運用・保全ノウハウ• 全国220ヵ所以上のサポート拠点

• NTTグループの中立性による社会インフラシステム、 業界(標準)共同利用型システムの構築力• ナショナルプロジェクトなど超大規模システムの構築実績• メインコントラクターとして多数のベンダを統率できるプロジェクト管理能力• ハードウェアによらないマルチベンダでのシステム構築力• コンサルティングから運用・保全までフルラインでのサービス提供

• Accenture• CSC• IBM• Unisys

• Accenture• IBM• PwC

事業内容 主な類似企業

(決済系)• 類似なし

(クラウド)• Google• salesforce.com

戦略立案

システム企画

システム設計・建設

運用・保全

決済系ネットワーク

クラウドサービスなど

コンサルティング

システムサポート

システム

インテグレーション

4 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

事業領域お客様の個別ニーズに合わせてシステムを構築するシステムインテグレーション(SI)、インターネットなどのネットワークを基盤とした種々の情報提供・情報処理サービスの提供、お客様の経営課題を的確に捉えたコンサルティング、大規模システムでノウハウを培ったシステムサポートのほか、ITを活用した新しいビジネスモデルの提案など、幅広い領域でグループの総合力を活かしたトータルサービスを提供しています。

価値提供モデル

変革パートナーとして、様々なビジネスやサービスの連携までを視野に、広く、深く、構想を作り上げます。

高度なシステム構築力、活用力により、お客様の構想を具体化するためのソリューションを構築し、提供します。

お客様が常にソリューションを最大活用できるようにサポートし、変革の成果を高めます。

3D Value Cycle

「上流」Innovation Designing

「活用」Performance Driving

「つくり」Solution Developing

NTTデータグループはお客様の変革パートナーとして、「変革の構想と実現」を提供します。「変革の構想と実現」をどのように実現していくかを表現したものが「価値提供モデル」<3D Value Cycle>です。変革を構想するInnovation Designing、ソリューションを構築するSolution Developing、ソリューションの活用をサポートするPerformance Drivingの3つのDからなっています。

世界最大規模のミッションクリティカルクライアントサーバーシステム

(NTTドコモ iモードゲートウェイシステム)など

• 社会インフラシステム、 業界(標準)共同利用型 システムの構築• ハードウェアによらない マルチベンダ技術

• 業界横断的なビジネス展開から、 ITを活用した新しいビジネスモデルの創出• 積極的なR&D

中立性 先見性技術力・信頼性

社会基盤インフラ(中央府省向け大規模システム)

全国規模インフラ(全国銀行データ通信システム)

業界横断型インフラ(統合ATMネットワークシステム)など

公共料金・税金などの決済ネットワーク(マルチペイメントネットワーク)

総合決済ネットワーク(「ANSER」「CAFIS」)など

• ナショナルプロジェクトなどの 超大規模システム構築実績• 実績に培われた技術力• 業界内で群を抜く財務基盤

5MOVING FORWARD AS ONE

201120062005 2007 20102008 2009 2012

(CS評価値:点)

6.5

7.07.1

6.0 6.1

5.5

4.5

5.0おおむね期待している水準に達している

7.5

0.0

10.0

全く不満である

非常に満足している(評価目安)

6.1 6.26.26 2 6.3

6.7 6.87.0

7.3

7 1

2011目標値

NTTデータグループの強みNTTデータグループは、社会インフラなどの大規模システム構築に強みを発揮する、日本最大の専業システムインテグレータです。当社グループは、ITによる変革を通じてお客様に成功をもたらすことで、「お客様満足度No.1」を追求しています。

お客様からの評価毎年実施している「お客様満足度調査」では、2010年3月期に調査開始以来目標としていた満足度評価値7.0を達成し、さらに、2011年3月期は目標値の7.1を上回る7.3を達成するなど、お客様からの評価は継続的に向上しています。今後も、中長期を視野に入れた全社マーケティング機能の強化などを通じて、お客様満足度のさらなる向上を目指します。

日本

800

600

400

200

1,000単位:十億ドル

( )は世界合計に占める比率

出典: ガートナー「2011年1Q版セグメント別ITサービス市場規模予測」海老名 剛、2011年5月2日、暦年表示。(注) ガートナーのデータ(モデレートケース)を基に当社にてグラフを作成しています。

0

2010 2014

アジア・太平洋エリア(日本を除く)

2010 2014

中東・アフリカエリア

2010 2014

中・東欧エリア

2010 2014

世界合計

2010 2014

西欧エリア

2010 2014

中南米エリア

2010 2014

北米エリア

2010

112(14.3%)

232(29.5%)

11(1.5%)

14(1.5%)

261(27.7%)

15(1.9%)

18(1.9%)

63(8.1%)

91(9.6%) 29

(3.7%)45

(4.7%)

125(13.2%)

322(41.1%)

785944

391(41.4%)

2014

6 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

世界のITサービス市場規模世界のITサービス市場規模は2010年で約7,850億ドル(約69兆円)です。このうち、最も大きいのが北米市場で全体の約40%、次に、ヨーロッパ市場が約30%、日本は3番目で約14%、残りが新興国市場となっています。

世界のITサービスベンダランキングNTTデータグループは、世界のグローバルIT企業の中でトップ5入りを目指す、という目標を掲げています。2010年のランキングでは、当社グループは8位に位置しています。今後、グローバル化、サービス化、環境志向経営といった施策を加速させ、さらなる上位を目指します。

出典:Gartner “Market Share IT Services, 2010” 31 March 2011*1. 順位の(内書)内は、昨年の順位です。*2. 2010年のXeroxの売上には2010年2月8日に買収手続きを完了したと発表した米Affiliated Computer Servicesの売上を含む。*3. 2010年のNTT DATAの売上には2010年12月31日に買収が終了したKeaneの売上は含まれない。

ここに述べられたガートナーのレポート(以下「ガートナーのレポート」)は、ガートナーのシンジケート購読サービスの一部として顧客向けに発行されたデータ、リサーチ・オピニオンもしくは視点を表したものであり、事実を表現したものではありません。ガートナーの各レポートは、レポート発行時点における見解であり、この企業レポート発行時点のものではありません。また、ガートナーのレポートで述べられた意見は、事前の予告なしに変更されることがあります。

1( 1 ) IBM2( 2 ) Hewlett-Packard3( 3 ) Fujitsu4( 4 ) Accenture5( 5 ) Computer Sciences Corporation (CSC)6( 6 ) Lockheed Martin7( 27 ) Xerox*2

8( 9 ) NTT DATA*3

9( 8 ) NEC10( 7 ) Capgemini

56,424

35,346

24,117

22,212

16,106

13,586

12,070

12,063

11,719

11,634

2.6%

0.3%

3.5%

6.1%

0.6%

3.7%

111.4%

8.6%

3.1%

-0.9%

(百万ドル)

2010 成長率(2009-2010)順位*1 ベンダ

2010年 世界のITサービスベンダランキング(売上高順)

Topics

出典: ガートナー「2011年1Q版産業別日本のITサービス市場規模予測」海老名 剛、2011年5月20日(注) ガートナーのデータを基に当社にてグラフを作成しています。*1. 政府・医療関連: 「政府官公庁/地方自治体」、「医療/福祉」、「教育」*2. 当社の顧客分野・サービス別売上高実績を以下の基準で合算したものの、売上高に占める割合 政府・医療系: 「中央府省関係」「地方自治体・地域ビジネス」「ヘルスケア」など 金融系: 「銀行」「協同組織金融機関」「保険・証券・クレジット」「決済サービス」など 民間・サービスなど: 「通信・放送・ユーティリティ」「製造」「流通・サービス」など その他: 上記以外

その他

政府・医療*1市場における当社シェア

25.2%

6.2%

22.3%

政府・医療系

民間・サービスなど *2

46.2%

金融系

*2

*2

*2

2010年ITサービス市場規模(モデレートケース)

9兆8,352億円

2011年3月期 当社連結売上高(国内分)

1兆603億円

ITサービス市場における産業別シェアITサービス市場におけるNTTデータのシェアITN

金融市場における当社シェア

21.3%

4.4%

15.9%

民間市場における当社シェア

61.5%23.4%

15.2%

7MOVING FORWARD AS ONE

日本のITサービス市場規模日本のITサービス市場規模は2010年で9兆8,352億円です。NTTデータグループのシェアはそれぞれ、政府・医療市場では15.9%、金融市場では21.3%、民間・サービス市場では、4.4%となっています。

NTTデータグループでは、被災地域の復興に向けた支援活動を行う「復興支援本部」を設置し、「ボランティア活動や募金を通じた復興支援」と「ITを活用した復興支援」を行っています。特に後者については、当社グループだからこそ実現できることに注力しており、復興支援に向けたソリューションのほか、防災・省エネに資するソリューションを提供しています。

東日本大震災への取組み

目的 タイプ ソリューション名復興支援に向けたソリューション 防災・省エネに資するソリューション

復興支援

防 災 災害情報共有システム

行 政 「eLsession」

医 療広域災害緊急医療情報システム

救急医療システム

G I S*「Geoffice」

衛星画像防災マップ

連絡網 子ども安全連絡網「FairCast」

目的 ソリューション名

防 災

省エネ

減災コミュニケーションシステム

震度情報ネットワークシステム

橋梁モニタリングシステム「BRIMOS」

「BizXaaS」

「Lindacloud」

「グリーンデータセンタ」

* GIS(Geographic Information System):地理情報システム

8 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

What is NTT DATA?

連結財務数値の推移

会計年度:売上高営業利益税金等調整前当期純利益当期純利益受注高設備投資額減価償却費等研究開発費フリー・キャッシュ・フロー

会計年度末:総資産自己資本有利子負債従業員数(人)

1株当たり情報:当期純利益現金配当

2003200220013月31日に終了した1年間

¥ 801,044

58,778

46,083

24,452

779,418

163,655

152,213

17,956

17,702

1,086,437

388,537

430,379

12,843

¥ 8,717

1,000

¥ 801,966

59,446

47,162

26,409

845,399

170,577

153,763

19,073

(1,775)

1,113,776

412,966

426,818

14,651

¥ 9,415

1,000

¥ 832,109

61,544

50,932

28,562

843,571

171,016

161,427

18,224

67,180

1,118,400

435,714

370,703

15,971

¥ 10,151

2,000

(注)このページに記載のグラフや表における年度表記については、「2011」は2011年3月期を示しています。

0

5,000

10,000

15,000(億円)

11,619

2007 2010 20112008 20090

1,000

500

1,500(億円)

2007 2010 2011

783

2008 2009

営業利益(左軸)営営業利益率(右軸)

0

3

6

9(%)

6.76.7

売上高 営業利益と営業利益率

0

5,000

10,000

15,000(億円)

9,884

2007 2010 20112008 2009

受注高

9MOVING FORWARD AS ONE

2004

¥ 846,705

59,725

44,440

26,956

750,795

148,922

169,133

15,349

44,044

1,065,549

458,846

317,013

17,389

¥ 9,578

2,000

201120102009200820072006

百万円

¥ 907,281

46,866

42,016

28,190

723,673

112,145

158,361

17,306

53,116

1,056,336

495,703

271,928

21,308

¥ 10,024

3,000

2005

¥ 854,153

39,288

32,144

20,110

658,161

110,820

164,532

16,542

60,711

1,038,571

473,981

295,341

18,720

¥ 7,139

2,000

¥ 1,044,918

90,250

85,769

50,637

967,901

139,564

152,862

11,307

83,304

1,087,346

534,916

246,330

22,608

¥ 18,052

5,000

¥ 1,074,405

95,911

51,492

30,454

1,012,278

176,826

159,263

10,749

39,653

1,193,827

548,133

241,204

23,080

¥ 10,857

5,000

¥ 1,139,092

98,546

91,431

48,360

1,035,242

180,068

166,681

10,090

(6,902)

1,275,091

566,308

304,735

31,739

¥ 17,240

6,000

¥ 1,142,940

81,689

71,789

35,662

1,181,549

162,570

161,981

11,389

83,667

1,279,256

584,537

272,299

34,543

¥ 12,713

6,000

¥ 1,161,962

78,306

68,471

37,313

988,484

139,069

158,566

10,742

(56,468)

1,468,617

601,601

404,292

49,991

¥ 13,302

6,000

10,000

(円)

13,302

2007 2010 20112008 20090

20,000

2011

13,302

0

2,000

6,000

10,000

4,000

8,000

0

10

30

20

40

6,000 6,000

(円)50(%)

2007 2012(予想)

2010 20112008 2009

1株当たり年間配当金(左軸)1連結配当性向(右軸)

45.143.2

1株当たり当期純利益

(%)(円)

1株当たり自己資本(左軸)1自己資本当期純利益率(右軸)

214,47414,474

6.3

2007 201120102008 20090

2

4

6

8

10

0

50,000

150,000

250,000

100,000

200,000

1株当たり自己資本と自己資本当期純利益率(ROE) 1株当たり年間配当金と連結配当性向

10 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

President’s Message

社長メッセージ

11MOVING FORWARD AS ONE

東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

私たちは、本年3月11日の地震発生直後から、お客様システムの復旧作業やサービスの

維持、あるいは被災地への物資支援などに取り組んできました。今後も被災地の早期復

旧・復興とともに、ITを活用した災害に強い社会の実現に向けて、NTTデータグループ

の総力をあげて取り組んでいきます。

2011年3月期(以下、当期)は、連結子会社の拡大などにより全体の売上高は1兆1,619

億円と、前期比で190億円の増収となったものの、国内の景気悪化の影響などを防ぎきる

ことができず、営業利益は783億円と前期比で33億円の減益となりました。

一方、当期は2010年3月期にスタートした中期経営の2年目に当たりますが、特にグローバル体

制の確立と2013年3月期における海外売上高目標3,000億円達成に向けて、大きく前進しました。

まず昨年7月に、米国を中心にSAPなどERP関連サービスを提供するIntelligroupを、

続いて昨年12月には、大規模かつ安定的な顧客基盤を有する米国のKeaneを子会社

化しました。両社を当社グループに迎え入れることで、米国における包括的なITサービス

の提供が可能になるとともに、両社の持つインドのオフショア拠点を活用した開発体制を敷

くことができるようになりました。

グローバル化の今後の課題は、急速に拡大している当社グループが一つになって、

グループシナジーを発揮していくことです。そのために、国内外のグループ会社が一つの

チームとなり、互いに協力しながらお客様に最善のサービスを提供する仕組み「Global

One Team」を、SAPなどのソリューションや業界を軸に構築しています。すでに本年1月

には「SAP Global One Team」、3月には「BI(Business Intelligence)Global One

Team」を発足させており、当社グループが持つリソースやノウハウを最大限に活用しなが

ら、お客様にワンストップでグローバルベストプラクティスを提供していきます。

また、事業構造の変革については、これまでのSIを中核としたビジネスモデルから、サー

ビス、ソフトウェア事業を含むバランスの取れた構造への転換を着実に進めています。企業

向けトータルクラウドサービス「BizXaaS」(ビズエクサース)を拡充しているほか、スマート

コミュニティ関連ビジネスを推進する組織として、スマートビジネス推進室を設置しました。

サービス化への流れを、大きな成長につなげるべく、さらに変革を加速していく所存です。

2012年3月期については、グローバル化とサービス化に環境志向経営を加えた3つを柱とし、

拡大したグループの力を一つに結集させて、グローバルトップ5に向けて前進してまいります。

NTTデータグループ一体となり、グローバルトップ5に向けて一気に加速していきます。

2011年7月 代表取締役社長

12 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

President’s Message

Q&A: 社長インタビュー

お客様の復旧・復興活動への注力や、電力供給の問題なども影響し、当面はIT投資の抑制傾向が続くものと見ています。当社グループにおいては、直接的な影響はそれほど大きくありませんでしたが、それよりも、今後

現れてくるであろう間接的な影響の方が大きいと考えています。具体的には、2012年3月期の売上高で400億円ほどの減少を見込んでいます。すでに一部のお客様から

サービス開始を延期したいとの声があることに加え、お客様の復旧・復興事業への注力などにより、結果的にお客様のIT投資が抑制されることを懸念しています。例えば2008年の金融危機の際には、ITサービス市場には半年ほど遅れて本格的な投資抑制の影響が出ました。さらに今回は電力供給の問題もあることから、IT投資の回復には時間がかかると考えています。また、営業利益についても、売上高減少に伴う売上総利益の減少のほか、オフィスを中心にした各種の

節電対策の実施などにより、合計70億円ほどのマイナスの影響があると見ています。一方で、BCP(事業継続計画)を目的とするクラウドサービスや分散型データセンタなど、事業継続/リスク

管理対応強化といった分野でのお客様要望は高まってきています。このようなお客様のご要望にきめ細かくお応えしていくことはもとより、ITを使って新たな価値を創造し、お客様

や社会に貢献するという当社グループの事業を通じ、復旧・復興に力を尽くしていきたいと考えています。

A東日本大震災が発生しましたが、震災の影響についてどのようにお考えですか?Q

グループの力を結集し、One NTT DATAで世界に挑みます。

13MOVING FORWARD AS ONE

ボランティア活動や募金を通じた復興支援とともに、当社グループの社会的責任として、「ITを活用した復興支援」にも力を入れていきます。当社グループでは、被災地域の復興に向けた支援活動を行う「復興支援本部」を設置し、社員の

自律的な活動をサポートする「ボランティア活動や募金を通じた復興支援」と、当社グループだからこそ実現できる「ITを活用した復興支援」を実施しています。特に後者については、すでに「災害情報共有システム」や「広域災害緊急医療情報システム」などを提供しているほか、被災地域の自治体の業務をクラウドサービスで支援する準備も進めています。また、防災や減災など、災害に強い社会づくりや、被災地域における産業の復興において、ITを活用した漁業

や農業など一次産業の高付加価値化などの支援を検討するだけでなく、例えば、医療特区の設置やスマートシティへの転換など、被災地域の本格的な復興に向けた都市計画などにもIT企業の立場から様 な々提案をしていきたいと考えています。

A

復興支援、防災・省エネソリューション

県および市町村が、復興に関わる様々な情報を集約・管理し、関係機関(県・市町村・国・ライフライン事業者など)にて情報共有するためのシステム被災地域および復興業務ノウハウを持つ全国の公共団体職員同士が、復興業務を進める上でのノウハウや有用な情報を共有する、公共団体職員専用のSNS(Social Networking Service)被災した都道府県を越えて、医療機関の稼働状況、災害派遣医療チームの活動状況の共有や、県民向けの医療情報の提供を行うシステム県内の救急医療に係わる医療機関の患者受入れに関する各種情報の共有と、救急医療に関して役立つ情報を県民向けに提供するシステム各地方公共団体が集約・管理する復興に関わる様々な情報を、地図上で可視化し公開することを可能とするデスクトップ型GIS*アプリケーション財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)と共同で、岩手県、宮城県、福島県の沿岸地域の衛星画像地図を整備し公開固定・携帯電話、電子メールやファクスなどのメディアを駆使して、全ての保護者や教職員に「正確・迅速・公平」な一斉連絡を提供する連絡網システム

目的 概要タイプ ソリューション名

復興支援

防 災 災害情報共有システム

行 政 「eLsession」

医 療広域災害緊急医療情報システム

救急医療システム

G I S*「Geoffice」

衛星画像防災マップ

連絡網 子ども安全連絡網「FairCast」

災害発生時における緊急情報伝達/安否確認を支援する、双方向型の無線通信システム

地震発生時における迅速かつ的確な初動体制の確立と応急対策のため、各地に設置された震度計から震度情報を即時に収集するシステム橋梁に設置した各種センサを用いて、リアルタイムかつ継続的に橋の状態を監視する橋梁モニタリングシステムエンタープライズ向けの総合クラウドサービス。クラウドを利用してサーバ機器の集約や設備設計の最適化を行うことで、CO2の排出量を削減することが可能。省電力・低排熱・静音設計を施し環境に配慮した自社製ハードウェアに、用途に応じたOSSなどのソフトをプリインストールした、NTTデータの垂直統合型アプライアンスサーバ「仮想化」「ファシリティ」「IT機器・装置」の三位一体の取組みによる環境負荷軽減と全体最適により、お客様の経営課題をエコロジーとエコノミーの観点で解決。「iDCサービス」「共通IT基盤サービス」「ハウジングサービス」「設計構築サービス」の4つのサービスで提供。

目的 概要ソリューション名

防 災

省エネ

減災コミュニケーションシステム

震度情報ネットワークシステム

橋梁モニタリングシステム「BRIMOS」

「BizXaaS」

「Lindacloud」

「グリーンデータセンタ」

* GIS(Geographic Information System):地理情報システム

復旧・復興に向けた具体的な取組みを聞かせてください。Q

14 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

増収は確保したものの、2期連続の営業減益という結果には満足していません。しかし、海外売上高では1,000億円の目標を達成し、さらにグループ会社の利益率が改善するなど、注力分野では着実な成果をあげることができました。

売上高については、パブリック&フィナンシャルカンパニー(P&F)で主に前期に完成したシステムの影響により減収となったものの、グローバルITサービスカンパニー(G-IT)とソリューション&テクノロジーカンパニー(S&T)における、主に連結子会社の拡大により、全体では対前期比で1.7%の増収となりました。一方で、営業利益は単独での不採算案件の影響などにより減益となりました。受注高については、G-ITとS&Tでは売上高と同様、連結子会社拡大により増加したものの、P&Fでは前期に

金融関連システムの大規模更改受注があったため、大きく減少しました。引き続き厳しい事業環境の中、増収は確保しつつも2期連続の営業減益という結果には満足していません。

総括すると、国内と海外で明暗が分かれた年といえます。国内売上高は国内市場の低迷もあり、対前期比で約120億円減少しました。その一方で、海外売上高はM&Aの推進などにより、予定通り1,000億円を達成しました。また、グループ会社の利益率については、システムエンジニアの稼働状況の「見える化」の推進によって改善

するなどの効果も現れています。海外事業の拡大やグループ会社の利益率改善など、注力分野で着実な成果が出てきていることに、今後の成長に向けた手ごたえを感じています。なお、直近の事業環境については、国内は引き続き厳しい市場環境に加え、東日本大震災の影響もあり、

大変厳しい年になると考えていますが、海外の事業環境は明るく、特にアメリカを中心に堅調な伸びを予想しています。

A2011年3月期の業績をどのように評価していますか?Q

前期比 予想比*

売上高前期比 + 190億円 (+ 1.7%)

予想比 + 19億円 (+ 0.2%)1兆1,619億円

受注高前期比 ▲ 1,930億円 (▲ 16.3%)

予想比 ▲ 115億円 (▲ 1.2%)9,884億円

営業利益前期比 ▲ 33億円 (▲ 4.1%)

予想比 + 33億円 (+ 4.4%)783億円

当期純利益前期比 + 16億円 (+ 4.6%)

予想比 + 8億円 (+ 2.2%)373億円

* 注:予想比は2010年11月に修正した業績予想との比較

2011年3月期決算のポイント

15MOVING FORWARD AS ONE

グローバル体制の確立、サービス事業の拡大、環境志向経営に取り組んでいきます。グローバル体制の確立については、地域ごとの再編によるグループシナジー拡大を縦軸とするとともに、ソリューションや業界ごとのノウハウやリソース統合によるグループシナジーの創出を横軸として、

グローバル化の推進と当社グループの成長を追求します。サービス事業については、例えば今回の東日本大震災によって、お客様のBCP(事業継続計画)につい

ての重要性が改めて認識されました。このようなお客様のニーズに対して、クラウドを活用したサービス提供などを推進していきます。また、電力供給の問題などでさらに注目されつつある環境分野においても、自ら環境に配慮した経営を

行いつつ、消費電力を抑制できる「グリーンデータセンタ」や省エネ型クラウドサーバなどの、環境に優しいITソリューションの拡販に取り組みます。

A中期経営は折り返しを過ぎましたが、今後はどのような取組みを進めていきますか?Q

16 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

統合再編

Japan ChinaAPACEMEAAmericas

(Global Headquarters)

Solution

Offshore/Global SSC

海外グループ会社: 133社(2011年3月31日時点)

5つの地域・ソリューションを軸に統合・再編

地域・ソリューションの重複を解消し、一体的かつ効率的な運営体制の構築を目指す。

50社

5社

5社34社

縦(地域)軸を強化し、横軸を最大限活用する

NTT DATAAmericas

NTT DATAEMEA

NTT DATAAPAC

NTT DATAChina

連携

an NTT DATA Company

NTT DATA

グローバルガバナンスの強化

順調に進捗しています。「グローバルトップ5」という目標に向けて、2つの課題に取り組んでいきます。2011年3月期には海外売上高1,000億円を達成するなど順調に進捗していますが、世界のITサービス企業における売上高上位5社に仲間入りする「グローバルトップ5」の目標実現に向けて、現在、取り

組むべき課題が2つあると考えています。1つ目の課題は、海外グループ企業を地域ごとに再編することです。現在は、例えばアメリカやイギリスなど

で各社の拠点の重複が生じている一方で、各社のブランドがバラバラのため、当社グループの力を十分に発揮できていません。このため、海外のグループ企業を、米州、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、APAC(アジア太平洋)、中国の4つの地域ごとに再編統合し、経営の効率化を図るとともに、各地域におけるグループシナジーの創出を目指します。2つ目の課題は、グローバルなレベルでソリューションの提供体制を統合することによって、これまで以上

のグループシナジーを生み出すことです。私たちはこの取組みを「Global One Team」と呼び、国内外のグループ企業とともに積極的に推進しています。今年の1月に発足したSAPや、3月に発足したBI(ビジネス・インテリジェンス)のGlobal One Teamがすでに始動しています。今後はテレコム業界や保険・金融業界など、お客様・業界ごとのノウハウを再編するGlobal One Teamなどにも、本格的に取り組みたいと考えています。なお、M&Aについても、カバレッジの一層の拡大、高度なノウハウやソリューションの獲得を目的に、引き

続き積極的に取り組んでいきます。当社グループと理念、ナレッジ、人財の3つを共有できる企業をグループに迎え入れ、その力を結集し、「One NTT DATA」として世界に挑みたいと考えています。

A「グローバル体制の確立」について、進捗状況と課題を教えてください。Q

17MOVING FORWARD AS ONE

サービス事業については、当初の予定よりも早く目標を達成しており、今後も一層の向上に取り組んでいきます。

「3本の矢」は、お客様の様 な々ニーズに的確に対応するため、請負型のSI(システムインテグレーション)中心のビジネスモデルから、サービス、ソフトウェア事業を強化し、事業構造の転換を進める取組みです。このうちサービス事業については、当初の予定よりも早い

スピードで成長しており、すでに当初目標の売上高構成比30%を達成しました。お客様は、必ずしも自前のシステムでなくても良いものについては、共通のサービスを安く使いたいと考える傾向が最近特に強まっています。サービス事業の成長は、こうしたお客様ニーズの変化を捉えることができた結果と考えており、今後はさらにサービス事業の比率を高め、売上高構成比40%を目標に取り組んでいきます。また、東日本大震災で自治体や医療機関のシステムが被災

したことをきっかけに、災害に強いクラウドサービスなどへのニーズがさらに高まっています。当社グループは、このようなお客様のニーズを的確に捉えるべく、グループを挙げて取り組んでいきます。

Aサービス事業の拡大を目指す、「3本の矢」の取組みについて、現在の進捗状況を教えてください。Q

サービス事業を拡大し、お客様の様々なニーズに

的確に対応75% 65% 50%

30%

2011年3月期実績2008年3月期実績

5%

目標

40%

5%

S I

サービス

ソフトウェア

お客様の要望多様化への対応

20%

10%

「3本の矢」のさらなる推進

18 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

社内の取組みはまだ緒についたばかりです。引き続き積極的に取り組んでいきます。環境志向経営には、ITによるグリーン化(Green by

IT)とITのグリーン化(Green of IT)の2つがあります。ITによるグリーン化とは、ITを活用した省エネルギー化で、例えば運送業をIT化したら無駄な運搬の回数が減ってガソリンの使用量が減ったとか、スマートシティのように、住宅や施設をITでコントロールすることによってCO2の排出量を減らす、といったものです。少しずつ増加してきているものの、我々が期待したほどの成長とはなっていません。むしろ、今後は節電対策として、例えば在宅勤務を増やすとか、分散ネットワークを作るなどの需要が出てくるのではないかと期待しています。もう一つのIT自身の省エネルギー化については、例えば消費電力を抑制できる「グリーンデータセンタ」や省エネ型クラウドサーバなど、具体的な製品や技術開発はかなり進んできました。ただ、本格的な導入・展開はこれからという状況であり、今後の拡大に期待しています。

A環境志向経営について、進捗状況と課題を教えてください。Q

高電圧直流給電

高効率ラック設計

仮想化技術

直流電源装置IT機器

AC DC DC

G

CPU

バッテリ

高効率空調設計

太陽光発電

省エネ技術を結集した製品群を積極的にお客様へ展開していく。

高効率排熱設計

省エネに向けた取組み

19MOVING FORWARD AS ONE

15,000

609 609 700 1,01511,390 11,390 11,429 11,619 12,000

2,0002,000

15,0003,000 3,000

12,000 12,000

目標公表時(2009年5月)

現状と見通し(億円) (億円)

2013年3月期(目標)

2009年3月期

2010年3月期

2011年3月期

2012年3月期(計画)

2013年3月期

(当初目標)

2009年3月期

10,78110,781 10,729 10,603 10,000

+2,400

+1,200

連結売上高

海外

国内

中期経営目標について

大震災の影響などもあり、2013年3月期までに1兆5,000億円の売上を達成するのは非常に困難な状況だと考えていますが、「グローバルトップ5」という目標そのものを変えるつもりはありません。売上高1兆5,000億円の目標について、国内、海外に分けて考えると、海外売上高については順調に

成長を続けていますが、一方、国内については、日本のITサービス市場がマイナス成長に陥るなど、IT投資環境は厳しさを増しています。それに加え、東日本大震災による事業への影響を踏まえると、目標の達成時期は見直さざるを得ないと考えています。ただし、グローバルトップ5という目標自体は降ろすつもりはありません。国内市場での成長には限界があり、

グローバルな企業でないと成長は望めません。グローバルプレーヤーになるために必要な売上高規模である1兆5,000億円という目標はどうしても達成しなければならないと考えており、かつ海外の売上高比率を当初の目標の20%以上にしていく必要があると考えています。

A中期経営目標の見直しについてお聞かせください。Q

今年は反転の年として、増収増益で皆様のご期待に応えていきます。また、当社グループの事業を通じた社会貢献にも取り組みます。東日本大震災の影響などにより、当社グループを取り巻く事業環境は大変厳しい状態が続いてい

ますが、2012年3月期は反転の年とすべく、グローバル体制の確立などの施策を推進し、増収増益を目指します。具体的には、売上高1兆2,000億円、営業利益800億円を見込んでいます。このうち海外売上高は、前年の1,000億円から2,000億円に倍増させます。国内売上高については、震災の影響を考慮し、前年比で600億円程度減収の1兆円になる見込みです。厳しい事業環境の中ではあるものの、増収増益は最低限達成したいと考えています。また、配当についても、連結配当性向30%程度を目安に安定的に実施してまいります。現在は、企業の社会的な役割が大変重要な時代になるとともに、ITが社会に貢献できる機会も増えてきて

います。当社グループの事業を通じた社会貢献にも、一層力を入れて取り組みたいと考えています。

A最後に株主・投資家の皆様へのメッセージをお願いします。Q

Moving Forward as One

Special Feature

特集: グロ-バル化の推進

20 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

2,000

(億円)

0

1,000

3,000

95

3,000

海外売上高の推移

183

609 700

2013(目標)

2009 2010

1,015

2011

2,000

2012(計画)

2006

55

2005

156

2007 2008

16.7%18.7%0.6% 海外売上高比率

3,000 億円(2013年3月期目標)

>> NTTデータグループは、中期経営の目標としてグローバルトップ5を掲げ、2013年3月期の海外売上高3,000億円の達成を目指しています。近年の激変する経営環境の中、当社グループは今後の成長戦略の中心となる施策として世界に向けて舵を切りました。これまでにM&Aによる事業基盤構築やグループ一体となったシナジー創出に向けた取組みなどを進めた結果、2011年3月期の海外売上高が1,000億円を超えるなど、目標に向けた進捗は順調です。本特集では、当社グループのグローバル戦略や今後の飛躍に向けた

具体的な施策をご紹介します。

21MOVING FORWARD AS ONE

22 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

グローバルIT市場への挑戦日本企業の海外進出は近年加速していますが、それに伴い、国内外シームレスなITサポートに対するお客様のニーズがますます高まっています。また、日本経済が成熟期を迎え、国内ITサービス市場の伸びが期待できない中、当社グループが飛躍的な成長を成し遂げるには、確固たる経営基盤を誇る日本国内に安住するのではなく、世界のITサービス市場の大部分を占め、当社にとって広大な未開地といえる海外市場への挑戦が必要不可欠です。このような環境認識の下、当社グループのグローバル市場への挑戦がスタートしました。

NTTデータのグローバル戦略当社グループは、グローバル環境下でお客様に最高のサービスを提供することのできる規模への成長として、グローバルトップ5を目標としています。過去において、当社は中央府省や金融機関向けに売上高の多くを依存していましたが、製造業や流通業などといった幅広いお客様向けビジネスの拡充に取り組んだ結果、近年においてはバランスの取れた顧客構造を実現しています。しかし、製造業を中心としたお客様のグローバル展開が勢いを増す中、海外におけるITサポート体制の構築が一層の

NTTデータグループは、グローバルトップ5を目標に、主にM&Aを通じて、海外拠点やリソースの拡充などを進めてきました。ここでは、当社グループがグローバル展開に取り組んだ背景や今後の戦略、そして、具体的な取組みなどをご紹介します。

事業拡大を目指すための新たな課題となりました。そこで、海外現地企業をパートナーに迎え、体制整備を加速する必要があると考え、積極的なM&Aによるグローバル展開に舵を切りました。2005年の米国Revereの子会社化を皮切りに、世界のITサービス市場の大部分を占める米国と欧州を中心に、数多くのM&Aを実施しています。現在では、M&Aの推進によるカバレッジの拡大に加え、子会

社化した企業群のグループシナジー創出に向けた施策に取り組んでいます。具体的には、各社の有する得意技やリソースを結集するGlobal One Team化、インドや中国などのリソースを活用したオフショア開発の促進やグローバルシェアードサービスセンタによる効率化、そして地域・ソリューションを軸とした統合・再編による一体的かつ効率的な運営体制の構築などに取り組んでいます。

拡充を続ける海外拠点これまでのM&Aにより、当社の海外ネットワークは急速に拡大しており、現在では世界34ヵ国、145都市、約24,000人体制を確立しています。今後もグローバル体制の拡充に全力で取り組み、お客様のグローバルなビジネスパートナーを目指してまいります。

Moving Forw一一丸となって、グローバルトップ5へ ~NNTTTTデデータのグローバル戦略~

2005 2006 2007

11月: The Revere Group, Limited アメリカ

12月: Vertex Software インド

2008

1月: itelligence AG ドイツ

10月: Cirquent GmbH ドイツ

凡例:社名 所在地

これまでの主なM&Aおよび資本提携戦略の実績

23MOVING FORWARD AS ONE

ward as One

34ヵ国145都市 約24,000人体制を確立

EMEA拠点数: 56都市社員数: 約6,000名

APAC拠点数: 34都市社員数: 約10,400名

Americas拠点数: 55都市社員数: 約7,500名

(2011年3月31日時点の当社グループの拠点・社員数に、Value Teamを加えた数値)

• 国内・国外におけるシームレスなサポート• 世界中のリソースを適材適所で活用• ベストプラクティス・新しい知見の獲得

(注) 1. EMEA: Europe(欧州)、Middle East(中東)、 Africa(アフリカ)の総称です。 2. APAC: 日本を除くアジア太平洋の総称です。  3. Americas: 北米南米を含めたアメリカの総称です。 

海外拠点の状況

0

15,000

25,000

10,000

5,000

20,000

(人)

201020052004 2006 20092007 2008 201120032002

20,983

海外グループ会社社員数の推移

0

50

150

100

(社)

20102002 20052003 2004 2006 20092007 2008 2011

133

海外グループ会社数の推移

2009 2010 2011 201299999999 11111111 00000000

9月: Extend Technologies Group オーストラリア

4月: Business Formula マレーシア

12月: Keane International, Inc. アメリカ

7月: Intelligroup, Inc. アメリカ

6月: Value Team S.p.A. イタリア

an NTT DATA Company

24 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

グローバルビジネス統括本部長が語る、戦略の現在と未来——

いかにして世界のマーケットで戦っていくか

Q. NTTデータグループのグローバル化の現状と課題について、どのようにお考えですか?

A. この6年間で大きく成長しましたが、「One NTT DATA」としてのビジネス展開が課題です。

当社グループにとってのグローバル化元年は、米国Revereと資本提携した2005年です。当時、海外売上高は100億円に満たない額でしたが、2011年3月期には約1,000億円と、この6年で大きく成長しました。しかし、当社グループのグローバル化は、まだ大きな可能

性を秘めた序章ともいえ、さらなる成長に向けて幾つかの課題があります。まず、日本国内では一定のプレゼンスを持つ「NTTデータ」のブランドは、海外市場ではほとんどネームバリューがありません。次に、近年のM&Aによりグループの一員となった、現地では一定の存在感がある各海外グループ会社も、ブランドが統一されておらず、お客様からは一つの「NTT DATA」だと認識されていません。さらに、世界的に事業を展開するお客様へのグローバル規模でのシステム構築実績がまだまだ不足しています。今後の課題は、グループが一体となった「One NTT DATA」の旗の下、世界規模でビジネスを展開するお客様の案件を勝ち取り、当社グループの英知を結集して最適なシステムを提供することに尽きます。

Q. 中期経営の目標である2013年3月期における海外売上高3,000億円をどのように達成されるのでしょうか?

A. オーガニックな成長、シナジーの創出、M&Aの推進が鍵。基本となるのは、現状のビジネスを各社が着実に成長させていくオーガニックな成長ですが、これをベースに各海外グループ会社が持つ得意分野を組み合わせ、お互いが協力、連携していくこと

Moving ForwGlobal One Team化を推進し、「グローバルトップ5」を目指す。

Special Interview執行役員 グローバルビジネス統括本部長西畑 一宏

25MOVING FORWARD AS ONE

で、ビジネスの幅を広げてシナジーを創出していきます。M&Aにも引き続き注力しますが、ここでも「One NTT DATA」としてお客様に選ばれ、お客様の心をつかんでいくといったグループ全体としての想いが共有でき、既存グループ会社との高いシナジーが期待できる企業を仲間に迎えていきます。これらの施策で海外売上高目標3,000億円の達成を目指します。

Q. 競合他社もグローバル戦略に取り組む中で、当社グループのグローバル戦略と他社との違いはどのような点でしょうか?

A. 自分たちのやり方を押しつけるのではなく、お互いの良いところを取り入れていくところです。

競争相手である欧米系やインド系のIT企業は、M&Aを実施後、親会社の人間が社長になります。つまり、「自分たちのやり方に相手を染める」のが、彼らのグローバル戦略の基本姿勢です。一方、私たちのグローバル戦略は、「ともに歩み、成長できるパートナー」と一緒にグローバル体制を確立していき、「One NTTDATA」になるという考え方です。デューデリジェンスでも、対象会社の幹部が一緒に当社グループの国際事業を伸ばせる人間かどうかを最も重視します。言わば、日本の良いところも、パートナーの良いところも取り入れて、新しい「NTT DATA WAY」を作っていくのが当社グループのグローバル戦略です。

Q. 地域別(北米、欧州、APACなど)の状況、取組みについて教えてください。

A. 北米と欧州では得意技を作り、APACではオーガニックとシナジーで伸ばしていきます。

現在の当社グループにおける海外売上高は約1,000億円です。この売上高は、北米市場においてはおよそ40~50位にランクされる規模感です。ヨーロッパでも同様です。つまり、私たちの競争相手である欧米のグローバルITサービス企業のお膝元では、まだ互角に戦えないのです。したがって、欧米においては、お客様から「これはNTTデータグループに頼みたい」と評価される得意技の領域をグループ各社が協力して作っていき、その領域で戦っていくのが成長のための戦略です。一方、今後大きな成長が見込まれる南米、中国、APACにつ

いては、既存拠点のオーガニックな成長と海外グループ会社とのシナジーで成長していくという戦略を描いています。特に、APACについては、当社のお客様である日系企業の進出が加速していることから、そのITサポートを着実に行い、高い成長を

遂げることを目指します。私たち日本人から見ると、APAC地域はまさにお膝元でもあり、各グループ会社との連携を密にしながら、市場を攻略することが重要だと考えています。

グローバルトッププレーヤーになるために必要な“Global One Team化”

Q. 各グループ会社との事業連携の考え方であるGlobal

One Team化の狙いとはどのようなものなのでしょうか?具体的な取組みと目標についても教えてください。

A. グループ各社が有するソリューションをはじめとした得意技やリソースごとにOne Teamを作ることで、グループ全体の力を結集します。

グローバルトップ5となるためには、先ほど申し上げた「OneNTT DATA」としてのグローバルなビジネス展開という課題をクリアしていかなければなりません。そのためには、各グループ会社が1つのチームとして戦っていく必要があります。現在推進しているGlobal One Team化とは、グループ全体で共通するお客様・業界やソリューションといったテーマごとに、会社や国境を跨ぐチームを作り、「One NTT DATA」として活動するものです。はじめに個別のお客様や業界に向けてのGlobal One Team

を紹介します。ドイツのCirquentは、以前、システム子会社としてBMWにシステムを納入していましたが、リソースの関係からドイツ国内のみの取引関係にとどまっていました。しかし、当社グループの一員となったことで、グループのリソースを最大限活用し、BMWの日本やアメリカの拠点に対してもシステムの提供が可能になりました。つまり、BMWというお客様のためのGlobal OneTeamを組めた訳で、これをBMW Global One Teamと呼んでいます。2番目は、世界規模で展開が可能なパッケージ・ソリューションごとにGlobal One Teamを作ることです。代表的な事例が、ERP分野において世界的なシェアのあるSAPへの取組みで、SAP Global OneTeamを2011年1月に立ち上げました。SAPの技術者数ランキングによると、当社グループ各社は、世界でそれぞれ20位~30位に位置していますが、SAP Global One Teamを組んだ当社グループ全体として集計すると、トップ10に入る順位になります。これはライバルであるグローバルITサービス企業と並べても見劣りしない体制で、営業の場面でもお客様への説得力が増すというメリットがあります。3番目は、キラーソリューションをGlobal One Teamとして全世

ward as One

26 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

Moving Forw

界に展開する活動です。当社グループ各社は、テレコムや決済をはじめとした実績のある強力なキラーアプリケーションを展開していますが、これを持ち寄り、他の会社でも拡販したいと考えています。文化や制度の異なる地域での販売実績を積み上げる中で切磋琢磨し、当社グループとしてのグローバルなキラーアプリケーションに育成したいと考えています。このように、お客様・業界、パッケージ・ソリューション、そして当

社独自のキラーソリューション、この3つの軸からGlobal OneTeamを推進していきます。

Q. システム開発手法についても、連携に取り組まれていくのでしょうか。

A. 中国とインドのオフショア開発リソースを使い分けながら、開発手法の標準化を進めていきます。

これまでの当社のシステム開発は、基本的に日本国内で行っており、一部の開発に中国のオフショア開発拠点を使っていました。一方、2011年3月期にグループに加わった米国のKeaneとIntelligroupは主な開発拠点がインドにあります。つまり、日本のシステム開発は中国のオフショア開発拠点へ、アメリカのシステム開発はインドの拠点へという流れがあるのですが、グループ各社が中国とインドの開発リソースを内容にあわせて使い分けるグローバルデリバリーの標準化を行おうと考えています。例えば、これからはヨーロッパのグループ会

社がインドの開発リソースを有効活用できるようにしていきたい。時差や文化の違いもあり、一筋縄ではいかない部分もありますが、全てはお客様のご満足のためにどのような開発リソースが有効かという観点から、新しい開発手法を開拓していきます。

Q. 海外グループ会社へのガバナンスの考え方、および統括機能の強化をはじめとした現在の取組みについて教えてください。

A. 各社のCEOとの信頼関係を大切にしながら、グループとしての経営の一体感を追求しています。

基礎となる統治機能として、各社のCEOが集まるGlobal CEOSummitを年1回(今年から年2回)開催しているほか、これを補完するための定例電話会議などを毎月開催しています。また、売上高50億円以上の全ての海外グループ会社の取締役に私が就任しており、売上高200億円以上の海外グループ会社については、当社の社長と副社長が入ったSteering Committeeを年2回開催しています。現在のガバナンスの基本姿勢は、こちらの考え方に染めるというよりも、お互いの経営の方向性を確認し合うものです。また、各社の年度計画はNTTデータが承認しているほか、各社のCEOの報酬については、報酬委員会で客観的に決定しています。彼らの給料は固定給よりも変動給が大きく、それがインセンティブとなる仕組みにもなっています。

グローバルTOP5を目指す

グループシナジーの創出

M&Aの推進

EMEA

China

APAC

北米や欧州に加え、南米などへのカバレッジ拡大Global One Team化などによる事業連携の推進

オフショアリソースのさらなる活用

Americas

グローバルマーケットオフショア開発拠点オフショア開発

拠点のある国グ拠

グローバル体制の確立に向けて

27MOVING FORWARD AS ONE

ward as One

真のグローバル化に必要となる施策をこれからも着実に実行していきます

Q. グローバル人財育成については、どのように取り組まれていきますか。

A. OJTを中心に据えながら、幹部候補層や課長層などを対象とした階層別研修プログラムを実施していきます。

幹部候補の階層については、GLP(グローバルリーダーシッププログラム)という、将来の経営を担う人財を集めた合宿を行っています。また、課長層でも同様のプログラムを始める予定です。OJTとしては、日本から海外に派遣する方法と、海外のリー

ダー層に日本に来てもらうという2つの方法で進めていきます。グローバル経営人財の育成は、10年程度の長いスパンで考

える必要があり、その間に3回は海外経験を積むべきであると言われます。最初は若い時に外国人の上司の下で働く。その次は課長ク

ラスで派遣され、上司も部下も同僚も外国人という環境の中で働く。3度目に、トップとして着任してようやく、良いマネジメントができるようになると言われており、当社グループの若手社員にも積極的にこのような経験を積ませるつもりです。もう1つの方法は、海外のリーダークラスを日本に呼び寄せ、周りを感化しながら組織のグローバル化を進める方法です。先日、

グループ各社の良いところを取り入れながら、Global One Teamを作っていきます。

私の統括する本部にドイツ人がSAP担当部長として着任しましたが、これに合わせて部内での資料は全部英語にすることにしました。当たり前のことではありますが、このような取組みによって、英語という共通言語を通した相互理解と協業が進んで、組織のグローバル化が加速することを期待しています。

Q. NTTグループ内でのグローバルパートナーシップ、特に、新たにNTTグループに入ったDimension Dataとの連携をどのように進めていかれますか?

A. 世界各地において様々な連携を進めていきます。ネットワーク構築を主な事業領域とするDimension Dataと当社グループとは事業領域に補完関係があることから積極的に連携していきます。現在、お互いにお客様を紹介するところから始めており、すでに具体的な成果が上がっていますが、今後はさらに連携を深め、共同で新規のご提案をしていくといった拡大戦略を話し合っています。また人事面でも、Keaneの取締役会にDimension DataのCEOにも加わってもらい、グローバル戦略についての活発な議論を期待しています。今後もNTTドコモ、NTTコミュニケーションズを含めたNTT

グループ全体として協力し、成長することを目指しています。

Q. 中期経営の目標達成後のグローバル戦略の将来像として、どのような姿をイメージしているのでしょうか。

A. 5年後、10年後に、得意技の領域におけるGlobal No.1を目指します。

単純に会社としての売上高でNo.1を目指すのではなく、当社グループならではの強みのある領域を開拓することが重要です。例えばAPAC地域ではNo.1というような地域の軸や、個別ソリューションという切り口でNo.1という得意技の領域をできれば10個作りたい。これを実現すれば、自ずと世界における「NTT DATA」のブランド力も向上し、お客様もこの領域はNTTデータグループに頼もうということになります。組織としてもNo.1を目指すことでチームが団結します。このように、当社グループ全体が同じ「One NTT DATA」のユニフォームを纏い、それぞれのGlobal No.1を目指すことで、グローバルトッププレーヤーとして世界に羽ばたいていきたいと考えています。

Keaneは、設立から46年の米国マサチューセッツ州のボストンに本社をおくITサービス企業です。当社は北米市場において一定規模のビジネスを手がけていますが、現在の延長線上で巨大なトップクラスのITサービス企業に追いつくことは非常に難しいと考えていました。このような状況の中で、当社が世界中のお客様に対するサービス提供能力を飛躍的に向上させるには、NTTデータグループとの連携が大きな推進力になると考えたのです。当社とNTTデータグループの顧客別売上高構成には類似する

部分があり、両社の戦略も親和性があるため、NTTデータグループの一員となることは最適な選択だったと考えています。一方、積極的にグローバル展開を図っているNTTデータにとっても、当社との連携はその目的達成に向けた原動力となるでしょう。具体的には、当社の売上高の90%はアメリカ、オーストラリア、イギリス向けですが、これらの市場はNTTデータが特に重視している地域です。私どもは業務システム市場や、通信インフラ管理サービス、NOC(Network Operation Center)サポートを得意分野としていますが、NTTデータのグローバルリソースとの連携や補完により、お客様により高次元のサービス提供が可能となります。この

ようなソリューションなどの連携に加え、お互いの顧客層を紹介しあうことで生まれるシナジーは無限の可能性を秘めています。このほか、潤沢なオフショア

リソースがNTTデータグループのグローバルな競争力強化に寄与すると考えています。当社はインドの4都市に7,000名、そしてカナダに400名以上のエンジニアを擁しており、グループ各社はこれまでにない規模でニアショア、オフショアリソースを活用できるようになります。世界の巨大ITサービス企業と互角に戦えるようになるという意味でも、この連携は双方にとって非常に大きなメリットがあると言えます。このようにNTTデータグループとKeaneの連携は素晴らしい

パートナーシップの誕生を意味しており、当社幹部や担当チームをはじめ、世界中にいる社員たちがNTTデータグループの一員になったことに喜びを感じています。当社はNTTデータグループの一員となることで、さらなる成長に向けた新たな一歩を踏み出したのです。

28 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

Moving Forw

社名: Keane International, Inc.設立: 1965年所在地: 米国マサチューセッツ州ボストン売上高: 853百万ドル (2010年12月期)従業員数: 約12,000人 (2010年12月現在)

M&Aの推進によるグローバルカバレッジの拡充米国ITサービス企業Keaneの子会社化NTTデータグループは、2010年12月、米国にてアプリケーション開発・保守サービスを中心に様 な々ITサービスを総合的かつグローバルに提供しているKeaneを子会社化しました。このM&Aは、世界のITサービス市場の約4割を占める北米地域における当社グループの事業拡大方針の一環として行ったものです。Keaneを通じて、北米での大規模かつ安定的な顧客基盤と高度な営業ノウハウ・熟練した営業要員を獲得すると同時に、米国における大規模な開発・保守事業を支えるグローバルオペレーションノウハウをグループに取り込むことができました。同社の持つ約7,000名に及ぶインドのオフショア開発要員など、当社グループのグローバル体制を一変させる豊富な経営資源を活用し、グローバル市場における競争力強化につなげていきます。

Keane CEOメッセージ:John McCain

「グループで一致団結し、世界の巨大ITサービス企業に挑む」

ググローバル体制の確立に向けて

Keaneの概要

29MOVING FORWARD AS ONE

ward as One

社名: Value Team S.p.A.設立: 2004年所在地: イタリア ミラノ売上高: 308百万ユーロ(2010年12月期)従業員数: 2,923人 (2011年4月末現在)

イタリアValue Team S.p.A.の子会社化NTTデータグループは、2011年6月、イタリアのValue Teamを子会社化しました。Value Teamはイタリアでテレコム分野、製造分野、金融分野(バンキング、保険)を中心としたITコンサルティング、システム開発などに強みを持ち、イタリア市場では第5位のマーケットシェアを誇るほか、成長著しいブラジル、トルコでの事業も積極的に展開しています。当社グループは本提携を通じ、イタリア、トルコなどの南欧・地

中海地域のカバレッジやリソースを獲得し、欧州地域でのお客様サポート体制の一層の強化を図るとともに、ブラジルを中心とした南米市場への橋頭堡とすることでさらなるカバレッジの拡大を実現していきます。

ググループシナジーの創出

Value Team S.p.A.の概要

itelligenceとIntelligroupの連携事例独子会社のitelligenceは、2010年7月にグループの一員となった米子会社のIntelligroupと連携し、安全機器や工業用消費財を販売している米Northern SafetyのSAP案件を受注しました。同社は、在庫管理およびeコマースシステムと連動させるためのシステム活用に多大な労力を必要としていました。これに対しitelligenceは、卸売業界向けのソリューションをベースに、お客様のニーズに即した提案を行いました。さらに、SAPの専門ノウハウとインド拠点を活用したオフショア開発の豊富な経験を有するIntelligroupが協業することで、費用対効果の高いSAPの導入およびウェブアプリケーションの開発を実現しました。上記のようなIntelligroupのグローバルデリバリーモデルの提供を含め、2010年度はグループ間連携の受注件数が飛躍的に増加しました。

連携の概要

当社は、インドに2ヵ所の大規模オフショア拠点を有しています。このオフショアリソースを使って品質と価格競争力を兼ね備えたシステム構築、導入サービスを提供できるのが当社の強みです。今回の事例は、itelligenceとの初めての連携案件となりましたが、当社の誇るノウハウをフルに活用し、お客様満足度の高いシステム導入を実現できたと自負しています。これからもNTTデータグループの幅広いお客様に高い競争力を持つサービスを提供していきます。

Intelligroup CEOメッセージ:Vikram Gulati

「価格競争力のあるサービスを武器にグローバル戦略の一翼を担う」

itelligence

Northern Safety

Intelligroup

発注

協力

連携を打診

ソリューション提案 グローバルデリバリーモデルの提供

an NTT DATA Company

30 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

Moving ForwNTTデータグループは、2005年以降、主にM&Aにより海外にグループ会社を増やしてきました。さらなる成長を実現するためには、この急速に拡大した海外グループ会社のネットワークを有効活用し、そのシナジーをいかに創出するかが課題となっています。Global One Team化とは、このシナジー創出に向けた施策の一つで、各社が有する得意技やリソースを結集し国境や会社をまたいだ連携の推進により、グループ一体としての事業展開やグローバルブランド力の強化を図る取組みです。その際、NTTデータのカルチャーやナレッジに合わせるのでなく、グループ企業同士の特徴や強みを活かす形でOne Team化し、連携を進めています。具体的には、グループ全体で共通するソリューションや顧客ご

とに、Global One Teamを発足させています。まずソリューションについては、2011年1月にSAP Global One Team、3月にBI(Business Intelligence)Global One Team、5月にはOracleGlobal One Teamが始動しました。今後はソリューションだけでなく、共通のお客様、テレコムなど業界ごとのGlobal One Teamや決済といった当社グループが保有するキラーソリューションに関するGlobal One Teamの設立も検討しています。

Global One Team、、始動

SAP Global One Team 2011年1月始動

2011年3月始動

準備中

2011年5月始動

BI*1 Global One Team

2011年5月始動Oracle Global One Team

パッケージ・ソリューション軸、キラーソリューション軸、お客様・業界軸で重点領域を追加選定

HR*2 Global One Team*3

*1. B I: Business Intelligence*2. HR: Human Resources*3. 当社グループにおけるグローバル人財育成、人財交流など。

Telecom Global One Team

EMEA China Japan APAC Americas

ベストプラクティスの共有・展開によりグローバルでのワンストップサービスを実現

Global One Team化の推進

オーストラリアのある大手工業部品メーカーは、各国に広がる拠点へのSAPの導入を検討していました。NTTデータグループの豪Extendは、SAPのシステム構築で多数の実績を持つitelli-genceのテンプレートを活用した提案で、この案件の新規受注に成功しました。Extendの提案では、お客様の初期導入コスト低減や導入実績、信頼性の高さが競合他社をリードし、受注の決め手となりました。このお客様はSAP社としてもグローバル初の新規顧客であり、当社グループとSAP社との信頼関係の強化にもつながりました。また、コンサルティング子会社であるQUNIEにおいても、複数

の日系企業に対するSAPシステムの海外への運用展開にあたり、itelligenceのテンプレートを利用した低コストかつ迅速なグローバルロールアウトのソリューションを提示し、受注に成功しています。いずれの事例も、Extend、QUNIEの営業力とitelligenceの

技術およびグローバル対応能力の連携が功を奏したものです。

itelligenceのSAPテンプレートは様 な々業界で高く評価されてきましたが、今後は国内外の当社グループ各社による拡販を通じて、グローバル展開をさらに進めていきたいと考えています。

独子会社itelligenceの誇るSAPテンプレートの世界展開Colum

n

SAPテンプレートの世界展開

itelligence

国内外のグループ各社

QUNIE

SAPテンプレート

の展開

SAPテンプレートの展開

テンプレートの展開を今後さらに拡大、連携促進

顧客への営業 拡販

顧客への営業

Extend

31MOVING FORWARD AS ONE

ward as OneSAP Global One Team

SAPビジネスの現状NTTデータグループでは、グローバル規模でのSAPサポート提供能力向上のため、SAP事業のカバレッジ拡大、リソース強化を図ってきました。この結果、量的な面では、M&Aなどを通じた日本やアメリカ、ヨーロッパなど主要国におけるSAPサポート拠点の整備が進んでいます。また、質的な面でもSAP PinnacleAwardsに代表される世界トップクラスのSAP関連表彰を複数のグループ企業が受賞するなどの評価を受けています。その一方で、さらなる拠点の拡充に加え、グループとしての事業連携やナレッジの共有が課題となっていました。

SAPビジネスのグローバルな連携体制を確立このような状況の中で、グローバル規模でのSAPビジネスを推進するため、国内外のグループ会社の持つSAP事業のリソースを最大限に活用し、お客様にワンストップでグローバルベストプラクティスを提供するためSAP Global One Teamを始動しました。この取組みは、世界中どこにおいても最善のサービスを競争力ある価格で提供するためグループ会社同士が1つのチームとなり、互いに協力しながら事業展開を進めるというGlobal OneTeamの先駆となるものです。具体的には、SAP Global One Teamを構成するグループ各

社の強みを存分に発揮するためグローバルレベルのタスクフォースを立ち上げており、ソリューションや業務ノウハウの展開、関連要員の連携やプロジェクトマネジメント方法の標準化などの連携を進めています。これらの取組みによりマーケティング・アプローチおよびデリバリーモデルなどを統一することを目標とするほか、プロダクト/ソリューションチームとしてもOne Teamとなることでお客様に新たな付加価値を提供していきます。

世界中のグループ各社が持つコアコンピタンスをNTTデータグループ統一の高品質なサービスとして提供できる体制を確立

SAP Global One TeamA

an NTT DATA Company

SAPサービスに従事する社員数

欧州

2,000アジア太平洋

1,500日本

800アメリカ

700

拠点のある国拠拠プロジェクト経験のある国ププ

(2011年2月現在、社員数は概数)

SAP Global One Team の体制

32 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & OthersReview of Operation

Public & Financial IT Services Company

パブリック&フィナンシャルカンパニー

ミッション

• 新しい社会システムの創出

• 開発シナジーの発揮

• 地域ビジネスの活性化

ビジネス領域 カンパニーの概要

国内外の公共機関や金融機関向けビジネスを主な事業ドメインとするカンパニーです。中央府省や海外公共機関、地方自治体などの行政部門をはじめ、病院などのヘルスケア分野、銀行、保険、証券、クレジットなど、金融業界のあらゆる業態に対し、社会的な基盤を担う高付加価値なITサービスを幅広く提供しています。また、個別のお客様向けに開発したシステムの提供に加え、業界横断型の大規模決済ネットワークシステムや金融機関向けの共同利用型システムなども提供するNTTデータグループの屋台骨とも言えるカンパニーです。

Global IT Services Company

グローバルITサービスカンパニー

ミッション

• グローバルシステムの構築

• 営業シナジーの発揮

• 飛躍的な成長

製造業、流通・サービス業、通信・放送・ユーティリティなどの幅広い業種のお客様に対し、事業活動を支える高付加価値なITサービスを提供するカンパニーです。当カンパニーでは国内外グループ会社の連携によりグローバルデリバリーモデルを確立し、短納期・高品質・低コストを実現する各種ソリューションを提供しています。また、世界中の拠点を活かし、海外事業展開を加速するお客様に対する ITサポート能力を高めていきます。今後、飛躍的な成長を遂げ、グループ全体の成長を牽引することを目指す当社の成長エンジンです。

Solutions & Technologies Company

ソリューション&テクノロジーカンパニー

ミッション

• 3本の矢のエンジンとしての役割

• 世界に通用するテクノロジーの確立

プラットフォーム、ソリューション、サービスという3つの観点から、先進的なITサービスを支える基盤・ソリューションを提供するカンパニーです。直接お客様にサービスを提供しているほか、パブリック&フィナンシャルカンパニーとグローバルITサービスカンパニーを経由して、多くのお客様にソリューションやサービスを提供しています。当カンパニーは、サービスとソフトウェアビジネスの拡大を目指す「3本の矢」のエンジンとして位置付けており、近年は特に、クラウドコンピューティング関連サービスに注力しています。

行 政

医 療

金 融

決 済

製 造

流通・サービス

通信・放送・ユーティリティ

プラットフォーム

サービス

ソリューション

Review of Operation

カンパニー別の営業概況

各カンパニーの業績見通しのグラフに関する注意事項:受注高は外部顧客向けの値です。売上高、セグメント利益は内部取引を含みます。セグメント利益は税金等調整前当期純利益に相当します。金融費用と一部の全社費用はカンパニー値に反映していません。

33MOVING FORWARD AS ONE

当社は病院、診療所、薬局などの間で医療情報を連携する基盤「医療情報連携プラットフォーム」を構築、検証しました。2012年3月期に当社が手がける地域医療連携ネットワークにこれを活用しています。

Case Study:「医療情報連携プラットフォーム」の稼動開始

中核医療機関 医療機関

診療所

訪問介護事業所

家族/患者

医療機関

訪問看護ステーション

原本性保証

データリポジトリ

「医療情報連携プラットフォーム」

医療機関向け統合化エンジン

地域医療連携ネットワークシステム

ログ管理データベース

フォーマット変換

標準化(HL7など)

メッセージ管理マッピング

ID統合 医療ポータルアクセス管理

診療情報(XML、HL7、その他)

オンデマンドVPN

画像情報(DICOM、その他)

2011年3月期のレビュー主な取組みとしては、地方銀行・第二地方銀行向けに共同利用型で提供している「地銀共同センター」において、(株)秋田銀行および(株)四国銀行へのサービスを開始したほか、(株)大分銀行の参加が決定しました。これにより利用銀行数は11行、参加銀行数は15行に拡大しました。「STELLA CUBE」においても、(株)仙台銀行の参加が決定し、利用予定行は7行に拡大しました。また、伊藤忠商事(株)と共同で、インドネシア測量地図庁から国土空間データ共有システム構築事業を受託しました。業績については、当期に完成した大型案件の影響などはあ

るものの、景気悪化や競争激化、および不採算案件の影響などにより売上高およびセグメント利益ともに減少しました。この結果、売上高は7,479億円(前期比2.8%減)、セグメント

利益は667億円(同2.7%減)となりました。

事業環境と今後の見通し政府などで東日本大震災の復旧・復興を目的とした対応が優先され、IT投資は抑制される見込みです。金融機関においても、震災被害への対応や、今後の景気悪化の懸念により、IT投資が減少する可能性があります。ヘルスケアに関しても後期高齢者医療制度に代わる新制度の法案提出が遅れており、IT投資時期も遅れることが想定されます。2012年3月期の業績については、協同組織金融機関など向け

統合ITソリューションなどの減少および国内ビジネスにおける震災影響などがあるものの、連結子会社の拡大などによる保険・証券・クレジットおよび海外公共機関向けのビジネスの増加などにより、売上高7,770億円と前期比290億円の増収を予想しています。一方、セグメント利益については、不採算案件の減少および連結子会社の拡大などによる利益増はあるものの、統合ITソリューションの減少に伴う原価率の悪化および震災影響などにより、590億円と前期比で77億円の減益を予想しています。

パブリック&フィナンシャルカンパニーPublic & Financial IT Services Company

■ 受注高

0 400 800200 600 1,000

595.0

■ 売上高

0 400 800200 600 1,000

777.0

■ セグメント利益

0 40 8020 60 100

59.0

586.6

747.9

66.7

(単位:十億円)

(単位:十億円)

(単位:十億円)

[+1.4%]

[+3.9%]

[-11.7%]

2012年3月期(予想)

2011年3月期(実績)

2012年3月期(予想)

2011年3月期(実績)

2012年3月期(予想)

2011年3月期(実績)

パブリック&フィナンシャルカンパニーの業績見通し

34 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

2011年3月期のレビュー主な取組みとしては、国際標準の取引機能と世界水準の注文処理性能を備えた(株)大阪証券取引所の新デリバティブ売買システム「J-GATE」を開発、稼動開始しました。また、省電力・低排熱の独自ハードウェアに用途に応じたソフトウェアを組み合わせた垂直統合型アプライアンスサーバ「Lindacloud」(リンダクラウド)や、柔軟・高品質かつ低コストで運用・保守サービスを提供するAMOサービス「TISAFYS」(ティサフィス)など、短納期・高品質・低コストを実現する各種ソリューションの提供を開始しました。業績については、単独におけるテレコム・ユーティリティ関連

などの規模拡大および連結子会社の拡大影響などにより売上高が増加したものの、不採算案件の影響や、関連会社再編に伴う関係会社整理損の発生などによりセグメント利益は減少しました。この結果、売上高は3,727億円(前期比10.1%増)、セグメント

損失は20億円となりました。

事業環境と今後の見通し国内では、東日本大震災により製造、流通・サービス、テレコムなど幅広い業種において、企業活動の停滞や復旧事業への注力、優先事業の見直し・自粛の動きが見られ、IT投資へのマイナスの影響が懸念されます。特に製造業では、案件の新規・既存問わずITコスト削減への強い要請は継続しています。一方、グローバル市場では、米国の堅調な景気動向や、新興国のインフラ投資などにより、IT投資は増加の見込みです。2012年3月期の業績については、国内ビジネスにおける震災

影響などがあるものの、グローバル戦略の推進などによる連結子会社の拡大などにより、売上高3,810億円と前期比82億円の増収を予想しています。セグメント利益については、前期に発生した一過性費用の減少に加え、不採算案件の減少などによる原価率改善および連結子会社の拡大などにより、120億円と前期比140億円の増益を予想しています。

グローバルITサービスカンパニーGlobal IT Services Company

カスタムアプリケーションの運用・保守を手がけるアウトソーシング(AMO*)サービス。既存資産の見える化、運用プロセスの最適化、グローバルリソースの活用により、コスト削減とサービスレベル向上を実現します。

Case Study:AMOサービス「TISAFYS」の取組み

「TISAFYS」のサービスメニュー

サービス提供オフショア連携

「TISAFYS」が提供するメリット

移行フェーズ 提供フェーズ

アプリケーション運用サービス

トランジションサービス

マネジメントサービス

アプリケーション保守・開発サービス

NTTデータオンサイトチーム お客様

お客様拠点

オフショア運用・保守拠点を活用したサービス提供スキーム

* Application Management Outsourcingの略。アプリケーションの運用・保守業務のアウトソーシングサービス。

NTTデータグループオフショア拠点

運用・保守コスト削減 ビジネスニーズへの対応スピード向上 IT要員不足の解消

■ 受注高

0 200 400100 300 500

200 400100 300 500

368.0

(単位:十億円)

■ 売上高

0

381.0

(単位:十億円)

■ セグメント利益

-5 0 15105

(単位:十億円)

12.0

364.9

372.7

-2.0

[+0.8%]

[+2.2%]

[ —%]

2012年3月期(予想)

2011年3月期(実績)

2012年3月期(予想)

2011年3月期(実績)

2012年3月期(予想)

2011年3月期(実績)

グローバルITサービスカンパニーの業績見通し

35MOVING FORWARD AS ONE

2011年3月期のレビュー主な取組みとして、インフラからアプリケーションまで、クラウドソリューションを総合的に提供するクラウドサービス「BizXaaS」(ビズエクサース)において、「BizXaaSプラットフォームサービス」と「BizXaaS構築・運用サービス」からなる全サービスメニューを提供開始し、順次ラインアップを追加しました。また、(株)日経BP主催の「第1回クラウドランキング」(日経コンピュータ平成22年9月29日号掲載)、「第2回クラウドランキング」(日経コンピュータ平成23年3月3日号掲載)において、“ベストブランド賞”を受賞しました。業績については、連結子会社の拡大影響や、単独および

既存子会社における原価率の改善などにより売上高およびセグメント利益ともに増加しました。この結果、売上高は1,630億円(前期比6.0%増)、セグメント

利益は98億円(同58.6%増)となりました。

事業環境と今後の見通し金融機関向けのネットワーク需要が堅調でしたが、東日本大震災による影響で今後のIT投資は抑制傾向となることが見込まれています。一方、甚大な震災被害によって防災や省エネ対策の重要性が再認識される中、情報やシステムのリスク分散の観点から、クラウドやデータセンタに関するニーズが増加傾向にあります。特に、BCP(事業継続計画)の観点から、免震・耐震構造で自家発電設備や障害復旧環境を有するデータセンタへの問い合わせが増加しています。こうした中で、2012年3月期の業績については、データセンタなどのニーズ拡大などを見込み、売上高1,660億円と前期比29億円の増収を予想しています。一方、セグメント利益については、売上増に伴う利益増はあるものの、前期に計上した一過性収益の減少などにより90億円と前期比8億円の減益を予想しています。

ソリューション&テクノロジーカンパニーSolutions & Technologies Company

「BizXaaS」マイグレーションサービスに「COBOLクラウド」メニューを追加しました。これは、COBOLの実行環境をクラウド環境で提供し、初期コストを抑え、より短期間でお客様IT資産のダウンサイジングを実現するサービスです。

Case Study:レガシーマイグレーションをクラウドで実現するサービスを開始

システムアーキテクチャの変更に伴い、レガシー製品機能の代替機能開発、業務プログラムの大幅な修正が必要。

その結果、開発コストと移行期間が増大し、最終的にお客様IT資産も肥大化。

移行前システム(レガシーシステム)従来のダウンサイジング

① レガシー製品機能相当をクラウドサービスとして提供するため、 開発コストの低減、開発期間の短縮が可能。

② 業務プログラムの修正を局所化することで 移植リスク、試験コストを抑制。

③ COBOLクラウド環境へのお客様IT資産の移植を トータルでサポートし、ダウンサイジングを実現。

システムア キテクチャの

お客様IT資産(既存流用) お客様IT資産

レガシー製品

お客様IT資産(既存流用)

お客様IT資産(新規開発)

オープン製品

BizXaaS COBOLクラウドを用いたダウンサイジング

COBOLクラウド

変換・移行

従来方式の課題

① レガシ 製品機能相当をクラウドサ

当社COBOLクラウドのポイント

肥大化

個別システム開発

マイグレーションサービス

(単位:十億円)

(単位:十億円)

(単位:十億円)

■ 受注高

0 20 4010 30 50

36.0

■ 売上高

0 50 150100 200

166.0

■ セグメント利益

0 10 20

9.0

35.6

163.0

9.8

[+1.0%]

[+1.8%]

[-8.8%]

2012年3月期(予想)

2011年3月期(実績)

2012年3月期(予想)

2011年3月期(実績)

2012年3月期(予想)

2011年3月期(実績)

ソリューション&テクノロジーカンパニーの業績見通し

36 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

代表取締役社長

山下  徹

代表取締役副社長執行役員

榎本  隆コーポレート部門担当/財務統括担当(CFO)/リスク管理統括担当(CRO)/コーポレート・ガバナンス担当/CSR担当/国際事業統括担当

代表取締役副社長執行役員

岩本 敏男営業統括担当/技術統括担当(CTO)/情報戦略担当(CIO)/セキュリティ戦略担当(CISO)/システム品質保証担当/知的財産戦略担当

取締役常務執行役員

栗島 聡ソリューション&テクノロジーカンパニー長/ビジネスソリューション事業本部長

山田 英司パブリック&フィナンシャルカンパニー長/第一金融事業本部長

萩野 善教グローバルITサービスカンパニー長

取締役執行役員

椎名 雅典グループ経営企画本部長

寒河江 弘信財務部長/人事部長

取締役

中山 俊樹

常勤監査役

門 康裕

宮 元胤

新保  智

監査役

小島 武雄

(注)1. 中山俊樹は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。2. 門 康裕、宮 元胤、新保智の3名は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。

取締役および監査役(2011年7月1日現在)

山下 徹 岩本 敏男榎本 隆

Review of Operation

役 員 紹 介

37MOVING FORWARD AS ONE

代表取締役社長

山下  徹

代表取締役副社長執行役員

榎本  隆コーポレート部門担当/財務統括担当(CFO)/リスク管理統括担当(CRO)/コーポレート・ガバナンス担当/CSR担当/国際事業統括担当

岩本 敏男営業統括担当/技術統括担当(CTO)/情報戦略担当(CIO)/セキュリティ戦略担当(CISO)/システム品質保証担当/知的財産戦略担当

取締役常務執行役員

栗島  聡ソリューション&テクノロジーカンパニー長/ビジネスソリューション事業本部長

山田 英司パブリック&フィナンシャルカンパニー長/第一金融事業本部長

萩野 善教グローバルITサービスカンパニー長

取締役執行役員

椎名 雅典グループ経営企画本部長

寒河江 弘信財務部長/人事部長

常務執行役員

須田 和博内部監査担当

執行役員

十河 政史総務部長

川島 祐治リージョナルビジネス事業本部長

中村 充孝NTTデータヨーロッパ 代表取締役社長

西畑 一宏グローバルビジネス統括本部長

本間 洋流通・サービス事業本部長

荒井 功製造ビジネス事業本部長

遠藤 宏基盤システム事業本部長

植木 英次第二金融事業本部長

大西 重之ライフサポート事業本部長

風間 雄一第一法人システム事業本部長/第一法人システム事業本部第一モバイルビジネス事業部長

岩井 利夫公共システム事業本部長

石川 勝雅第四金融事業本部長

都築 秀範第二法人システム事業本部長/第二法人システム事業本部第一ソリューション事業部長

柴崎 正人第三金融事業本部長

執行役員(2011年7月1日現在)

Financial & OthersFinancial Section連結財務6年間のサマリー 39

経営陣による業績の評価および分析 40

連結貸借対照表 48

連結損益及び包括利益計算書 50

連結株主資本等変動計算書 51

連結キャッシュ・フロー計算書 53

FINANCIAL & OTHERSCONTENTS

Other Information組織機構改革 54

主要な子会社および関連会社 55

投資家情報 56

会社のデータ 57

(注)本アニュアルレポートには、NTTデータグループの将来についての計画や戦略、業績に関する予想および見通しの記述が含まれています。これらの記述は過去の事実ではなく、当社グループが現時点で把握可能な情報から判断した仮定および確信に基づく見込みです。また、経済動向、情報サービス産業における激しい競争、市場需要、税制や諸制度などに係るリスクや不確実性を際限なく含んでいます。したがって、これらの業績見通しのみに過度に依存されないようお願いいたします。実際の業績は当社グループの見込みと異なるかもしれないことをご承知おきください。また、このアニュアルレポートに記載のグラフや表における年度表記については、特に記載のない限り、「2011」は2011年3月期を示しています。

38 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

連結財務諸表注記 ①

独立監査人の監査報告書 ①

個別財務6年間のサマリー ②

貸借対照表 ①

損益計算書 ①

株主資本等変動計算書 ①

本アニュアルレポートより、ウェブサイトによる情報開示を充実しています。これまで掲載していた財務情報のうち、一部の情報についてはホームページ掲載としています。詳細は以下よりご確認ください。

① 有価証券報告書http://www.nttdata.co.jp/corporate/ir/library/asr/index.html

② 財務データ集(経年推移)http://www.nttdata.co.jp/corporate/ir/library/fb/index.html

39MOVING FORWARD AS ONE

会計年度:売上高パブリック&フィナンシャルグローバルITサービスソリューション&テクノロジーその他(調整)システムインテグレーション事業ネットワークシステムサービス事業その他の事業消去又は全社

売上原価売上総利益販売費及び一般管理費営業利益税金等調整前当期純利益当期純利益受注高設備投資額減価償却費等研究開発費フリー・キャッシュ・フローEBITDA

会計年度末:有形固定資産:取得価額(控除:減価償却累計額)長期債務負債合計自己資本総資産従業員数(人)

1株当たり情報:当期純利益潜在株式調整後当期純利益純資産

その他の情報:売上高営業利益率(%)売上高当期純利益率(%)自己資本当期純利益率(%)総資産当期純利益率(%)EBITDAマージン(%)自己資本比率(%)

¥ 907,281————

720,078 62,157

210,797 (85,752)

682,224 225,056 178,189

46,866 42,016 28,190

723,673 112,145 158,361

17,306 53,116

200,170

820,609 (513,193)199,228 550,726 495,703

1,056,336 21,308

¥ 10,024 —

176,695

5.23.15.82.7

22.146.9

¥ 1,044,918————

830,776 69,083

236,563 (91,505)

786,327 258,590 168,340

90,250 85,769 50,637

967,901 139,564 152,862

11,307 83,304

234,517

886,663 (547,048)184,368 540,745 534,916

1,087,346 22,608

¥ 18,052 —

190,701

8.64.89.84.7

22.449.2

¥ 1,074,405————

834,972 75,503

269,400 (105,470)813,343 261,061 165,149

95,911 51,492 30,454

1,012,278 176,826 159,263

10,749 39,653

246,286

966,740 (589,930)141,571 630,847 548,133

1,193,827 23,080

¥ 10,857 —

195,413

8.92.85.62.7

22.945.9

¥ 1,139,092 ————

889,087 78,274

266,219 (94,489)

861,942 277,150 178,603

98,546 91,431 48,360

1,035,242 180,068 166,681

10,090 (6,902)

256,526

983,539 (598,702)280,267 683,087 566,308

1,275,091 31,739

¥ 17,240 17,227

201,892

8.74.28.73.9

22.544.4

¥ 1,142,940769,482338,702153,870(119,114)879,175

83,165276,333(95,733)

870,589272,351190,662

81,68971,78935,662

1,181,549162,570161,981

11,38983,667

234,888

977,548(599,918)227,288664,089584,537

1,279,25634,543

¥ 12,713—

208,391

7.13.16.22.8

20.645.7

¥ 1,161,962 747,903 372,791 163,064

(121,796) ————

882,329 279,632 201,326

78,306 68,471 37,313

988,484 139,069 158,566

10,742 (56,468)

229,352

953,899(604,874)379,479 838,299 601,601

1,468,617 49,991

¥ 13,302 —

214,474

6.7 3.2 6.3 2.7

19.7 41.0

20112009 2010200820072006

百万円

(注)1. EBITDA=営業利益+減価償却費+固定資産除却損2. EBITDAマージン=EBITDA÷売上高3. 2011年3月期より、セグメント情報の開示内容をマネジメントアプローチに基づく開示に変更しています。また、これに準拠して作成した前年度のセグメント情報をあわせて掲載しています。

Financial & Others

連結財務6年間のサマリー株式会社エヌ・ティ・ティ・データおよび連結子会社3月31日に終了した1年間

40 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

2011年3月期の経営環境2011年3月期(当期)における我が国の経済は、企業収益の改善、設備投資の持ち直しなどを背景に緩やかに回復しつつありましたが、年度後半以降は、輸出の伸び悩み・生産の減少など改善の動きに一服感がみられました。また、景気の先行きについても、緩やかに回復していくものとみられていましたが、東日本大震災によって、当面、生産活動の低下が懸念されます。情報サービス産業においては、アウトソーシングやクラウド

サービスへの需要など、一部に回復の兆しが見られるものの、新規システム構築の抑制や保守・運用コストの削減など、全般的にはIT投資の抑制傾向が続いています。また、東日本大震災、およびそれに起因する電力供給の問題などが、今後日本経済全体に大きな影響を及ぼし、IT投資がさらに抑制されることが懸念されます。

経営施策の取組み状況このような状況のもと、NTTデータグループは、「質を伴う量の拡大」を図り、持続的な事業の発展および企業価値の拡大を実現するべく、中期経営の主な取組みとして「サービス提供能力の強化」、「グループ事業の拡大・強化」、「環境志向経営の推進」に取り組み、「変革の先進企業」として「お客様満足度No.1」を追求しました。

• サービス提供能力の強化・当社におけるプロジェクトマネジメント手法の高度化・グローバル化を実現するため、当社グループの強みであるシステム開発のプロジェクトマネジメント力を一層強化するとともに、より先進的な手法を研究開発・普及展開する専門組織として「プロジェクトマネジメント・イノベーションセンタ」を設置しました。・システム開発における生産性向上と工数削減を目指し、設計書やソフトウェアの先進的な検証・テストサービスなどの提供とそれを実現するための研究開発に取り組む専門組織として「プロアクティブ・テスティングCOE」を設置しました。

• グループ事業の拡大・強化・お客様の競争環境のグローバル化への対応能力を強化し、当社グループにおける海外戦略をさらに推進するため、以下のとおり海外拠点を拡大しました。

・大規模かつ安定的な顧客基盤と高度な営業ノウハウおよび大規模な開発・保守事業を支えるグローバルオペレーションノウハウなどを有する米国ITサービス企業Ke a n eInternational, Inc.の経営権を取得しました。

・SAPおよびOracleの専門的ノウハウやグローバルオペレーションのノウハウを持つIntelligroup, Inc.の経営権を取得しました。

・グローバル規模でのSAPビジネスを推進するため、当社グループ会社の持つSAP事業のリソースを最大限に活用し、ワンストップでグローバルベストプラクティスを提供するためのグループ内の連携体制「SAP Global One Team」を発足しました。

• 環境志向経営の推進・当社グループにおけるスマートコミュニティや次世代社会インフラに関するビジネスの戦略策定、企画推進を行う組織として、「スマートビジネス推進室」を設置しました。

・集合住宅の共用設備として電気自動車(EV)充電設備を導入する際に不可欠である利用者認証、利用量集計、課金などの管理機能を含めた充電インフラの仕組みを、クラウド型サービスにて提供開始しました。

連結の範囲NTTデータは、子会社215社全てを連結しています。なお、新たな出資および設立に伴い、当期より新規に69社を連結子会社に含めています。主要な新規連結子会社は、次のとおりです。・Keane International, Inc.・ Intelligroup, Inc.また、子会社の合併、譲渡および清算により、15社を連結子会社から除外しています。なお、これまでの主なM&Aおよび資本提携戦略の実績に

ついては、47ページをご覧ください。

連結受注高連単差額連結売上高連単差額

20112010

967.9

190.4

1,044.9

188.6

1,012.3

224.8

1,074.4

214.6

1,035.2

285.2

1,139.0

286.5

1,181.5

303.7

1,142.9

321.2

988.4

345.6

1,161.9

341.8

200920082007

(十億円)連結子会社の業績貢献

Financial & Others

経営陣による業績の評価および分析

41MOVING FORWARD AS ONE

2011年3月期の業績などの概況• 受注高、受注残高の状況当期の受注高は、前期に金融関連システムの大規模更改受注があったことにより、988,484百万円と前期比193,065百万円、16.3%の減少となりました。当期末の受注残高は、前期比0.8%、9,554百万円減少して1,156,580百万円となりました。

• 売上高の状況当期の売上高は、連結子会社の拡大などにより、1,161,962百万円と前期比19,021百万円、1.7%の増加となりました。

• 営業利益の状況売上原価は、連結子会社の拡大や不採算案件の増加などにより、882,329百万円と前期比11,740百万円、1.3%の増加となりました。なお、売上高原価率は、上記影響はあるものの、既存子会社の改善などもあり、76.2%から75.9%と0.3ポイントの改善となりました。販売費及び一般管理費は、既存子会社などにおける削減効

果はあるものの、連結子会社の拡大などにより、201,326百万円と前期比10,663百万円、5.6%の増加となりました。以上の結果、営業利益は78,306百万円と前期比3,382百万円、

4.1%の減少となりました。

• 経常利益の状況(50ページをご覧ください)営業外収益は、負ののれん償却額の計上などにより、7,293百万円と前期比3,281百万円、81.8%の増加となりました。営業外費用は、前期に固定資産売却損を計上したことなどにより、

0

800

400

1,200(十億円)

2007 2008 2009 2010

967.9 1,012.2 1,035.2 1,181.5

1,050.6 1,066.4 1,049.4 1,166.1

受注高受 受注残高受

2011

988.41,156.5

2007

1,044.9

2008 2009 2010

1,074.4 1,139.0 1,142.9

2011

1,161.9

0

800

400

1,200(十億円)

受注高と受注残高 売上高

9,820百万円と前期比158百万円、1.6%の減少となりました。以上の結果、経常利益は75,779百万円と前期比57百万円、0.1%の増加となりました。

• 当期純利益の状況特別損失は、投資有価証券評価損、関係会社整理損およびのれんの減損などの計上により、7,308百万円となりました。法人税、住民税及び事業税、および法人税等調整額の合計は、29,940百万円と前期比5,571百万円、15.7%の減少となりました。以上の結果、当期純利益は37,313百万円と前期比1,651百万円、4.6%の増加となりました。

なお、セグメント別売上高および利益の状況については、カンパニー別の営業概況(32ページ)をご覧ください。

また、各セグメントでは、当社グループが設備資産(ソフトウェア含む)を保有して顧客に役務提供などのサービスを行う「統合ITソリューション」、顧客からの受注により開発するシステム・ソフトウェアの販売、情報機器などの販売を行う「システム・ソフトウェア開発」、システム・ソフトウェア開発以外の請負契約や役務提供サービスを行う「コンサルティング・サポート」、およびその他のサービスを提供しています。

2007 2008 2009 20100

80

60

40

20

0

8

6

4

2

100(十億円)

10(%)

90.2 95.9 98.5 81.6

8.6 8.9 8.7 7.1

営業利益営 営業利益率営

2011

78.36.7

4

2007 2008 2009 20100

40

30

20

10

0

3

2

1

50(十億円)

5(%)

50.6 30.4 48.3 35.6

4.8 2.8 4.2 3.1

2011

37.33.2

当期純利益当 売上高当期純利益率売

営業利益と営業利益率 当期純利益と売上高当期純利益率

外部顧客への売上高

合計その他

441,763 328,713 338,179 53,305 1,161,962

コンサルティング・サポート

システム・ソフトウェア開発

統合ITソリューション区分

(百万円)製品およびサービスに関する情報

42 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

• 利益還元方針および配当当社は、新規事業などへの投資および効率的な事業運営などによる持続的な成長を通じて、企業価値の中長期的な増大を図るとともに、適正な利益配分を行うことを基本方針としています。配当につきましては、連結ベースにおける業績動向、財務状

況などを総合的に勘案することを基本に、連結配当性向30%程度を目安に安定的に実施していきたいと考えています。当期の内部留保資金については、今後の継続的かつ安定的

な成長の維持のため、新規事業への投資、技術開発および設備投資などに充当していきます。当期の利益配分については、中間配当金として、1株当たり

3,000円を実施しましたが、期末における配当金は1株当たり3,000円とし、年間配当金を1株当たり6,000円としました。

流動性と資金の源泉• 財政に関する方針NTTデータの財政に関する方針は、システムインテグレーション事業における継続的な投資や、国内外におけるM&A戦略の推進のために行われる積極的な投資活動のための資金を円滑に供給することにあります。事業モデルとして資金需要が旺盛な当社にとって、健全な財務体質の維持は非常に重要です。一定の負債比率を意識しつつ、営業キャッシュ・フローを安定的に創出し、調達余力を保持することにより、投資機会に対する機動的かつ柔軟な資金調達を可能にしています。

当社は、低利かつ安定的な資金調達に資するため、国内の2つの格付機関から長期債とコマーシャル・ペーパー(CP)の格付けを取得しています。CPの発行枠は150,000百万円保有しており、現金及び現金同等物の代替となる資金流動性を十分確保しています。

• 総資産総資産は、連結子会社の拡大に伴うのれんの増加などにより、1,468,617百万円と前期比189,360百万円、14.8%の増加となりました。

• 負債負債は、社債の発行および長期借入金の増加などにより、838,299百万円と前期比174,210百万円、26.2%の増加となりました。

• 純資産純資産は、当期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、630,317百万円と前期比15,150百万円、2.5%の増加となりました。

• キャッシュ・フロー当社グループでは、資金効率を一層高めるため、グループキャッシュマネジメントシステムを導入しており、当期末時点で、その対象は国内の子会社64社となっています。

2007 2008 2009 20100

20,000

15,000

10,000

5,000

0

40

30

20

10

25,000(円)

50(%)

18,052 10,857 17,240 12,713

27.7 46.1 34.8 47.2

2011

13,30245.1

1株当たり当期純利益1 連結配当性向連

2007 2008 2009 2010

1,087.3 1,193.8 1,275.0 1,279.2

367.2 418.1 448.4 455.6

2011

1,468.6540.3

0

500

1,500

1,000

(十億円)

総資産総 流動資産流

1株当たり当期純利益と連結配当性向

総資産と流動資産

2007

190,701

2008 2009 2010

195,413 201,892 208,391

2011

214,474

0

150,000

100,000

50,000

250,000

200,000

(円)

2007 2008 2009 2010

83.3 39.6 (6.9) 83.6

112.7 112.9 131.8 152.1

2011

(56.4)198.6

-100

100

0

200(十億円)

フリー・キャッシュ・フローフリ 現金及び現金同等物の期末残高現金

1株当たり純資産 フリー・キャッシュ・フローと現金及び現金同等物の期末残高

43MOVING FORWARD AS ONE

グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金は当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っています。当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ46,486百万円増加し、198,606百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因

は、次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、229,077百万円で、前期比28,683百万円減少しました。これは主に、たな卸資産の減少など、運転資本が改善したことによる収入が前期は大きかったためです。投資活動によるキャッシュ・フローは、285,545百万円で、前期

比111,452百万円増加しました。これは主に、連結子会社の取得による支出が増加したことなどによるものです。以上の結果、当期のフリー・キャッシュ・フローは56,468百万円

の支出となり、前連結会計年度に比べ140,135百万円減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、104,885百万円の収入

となり、前期比168,641百万円増加しました。これは主に、社債の発行による収入および長期借入れによる収入が大きかったことなどによるものです。

2007 2008 2009 2010

234.8

0

200

100

0

20

10

300(十億円)

30(%)

234.5 246.2 256.5

22.4 22.9 22.5 20.6

2011

229.319.7

EBITDAE EBITDAマージンE

2007 2008 2009 2010

272.2

0

300

200

100

0

30

20

10

400(十億円)

40(%)

246.3 241.2 304.7

31.5 30.6 35.0 31.8

2011

404.240.2

有利子負債有 負債比率負

EBITDAとEBITDAマージン 有利子負債と負債比率

各種経営指標• EBITDA、EBITDAマージンEBITDAは、営業利益および減価償却費の減少などにより、前期比2.4%、5,536百万円減少して229,352百万円となりました。EBITDAマージンは、前期比0.9ポイント減少の19.7%となりました。

• 負債比率有利子負債は、前期比48.5%、131,992百万円増加して404,292百万円となりました。その結果、負債比率は、前期比8.4ポイント増加の40.2%となりました。

• ROE、ROA

自己資本当期純利益率(ROE)は、前期比0.1ポイント上昇して6.3%となりました。総資産当期純利益率(ROA)は、前期比0.1ポイント低下して2.7%となりました。

2007 2008 2009 20100

500

400

300

200

100

0

10

8

6

4

2

600(十億円)

12(%)

584.5534.9 548.1 566.3

9.8 5.6 8.7 6.2

自己資本自 ROER

2011

601.66.3

4

2007 2008 2009 20100

1,000

500

0

2

1,500(十億円)

6(%)

1,279.21,087.3 1,193.8 1,257.0

4.7 2.7 3.9 2.8

2011

1,468.62.7

総資産総 ROAR

自己資本とROE 総資産とROA

44 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

設備投資額設備投資額は、139,069百万円であり、そのうちパブリック&フィナンシャルに関する投資額は112,618百万円、グローバルITサービスに関する投資額は9,141百万円、ソリューション&テクノロジーに関する投資額は16,067百万円となりました。また、当社における総務部門などの管理部門などに係る投資額1,242百万円は、各セグメントに配賦不能であるため、その他に区分しています。

研究開発費当期におけるNTTデータグループの研究開発については、中期経営の基本方針である「お客様満足度No.1の追求」を目指し、「ソフトウェア工学」・「ビジネスインテリジェンス」・「インテグレーションアーキテクチャ」それぞれの分野での取組みを進めました。さらに、日本電信電話(株)(NTT)との研究開発連携により、

基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。以上の結果、当期の研究開発費は10,742百万円となりました。

なお、研究開発の成果は、パブリック&フィナンシャル、グローバルITサービスおよびソリューション&テクノロジーに共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。

取締役(社外取締役を除く)

監査役(社外監査役を除く)

合計

支給人数

6名

1名

7名

総額役員賞与月額報酬

267百万円

30百万円

297百万円

51百万円

51百万円

216百万円

30百万円

246百万円

取締役および監査役の報酬などの総額

(注)1. 取締役および監査役の報酬額については、2006年6月22日開催の第18回定時株主総会において、取締役の報酬額を年額5億8,000万円以内、監査役の報酬額を年額1億5,000万円以内と決議いただいています。

2. 上記のほか、使用人兼務取締役1名に対する使用人分賞与3百万円があります。

社外役員の報酬などの総額

月額報酬支給人数

役員区分

3名 90百万円

社外役員の報酬などの総額

2007 2008 2009 2010

162.5

161.9

139.5 176.8 180.0

152.8 159.2 166.6

0

150

100

50

200(十億円)

設備投資設 減価償却費等減

2011

139.0158.5

2007 2008 2009 2010

11.3 10.7 10.0 11.3

2011

10.7

0

10

5

15(十億円)

設備投資と減価償却費等 研究開発費

報酬• 役員報酬取締役の報酬などに関する事項については、取締役会にて決定しています。取締役の報酬については、月額報酬と賞与から構成しています。月額報酬は役位ごとの役割の大きさや責任範囲に基づき、支給することとしています。賞与は、当期の会社業績などを勘案し支給することとしています。また、中長期の業績を反映させる観点から、月額報酬の一

定額以上を拠出し、役員持株会を通じて自社株式を購入することとし、購入した株式は在任期間中、その全てを保有することとしています。監査役の報酬については、監査役の協議にて決定しており、

高い独立性の確保の観点から、業績との連動は行わず、月額報酬のみを支給することとしています。

45MOVING FORWARD AS ONE

• 監査報酬当社および子会社が、有限責任 あずさ監査法人およびその関連法人と締結した契約に基づく報酬は次のとおりです。

当社

連結子会社

合計

非監査業務に基づく報酬

監査証明業務に基づく報酬区分

375百万円

185百万円

561百万円

86百万円

86百万円

監査公認会計士などに対する報酬の内容

当社の在外連結子会社の一部については、有限責任 あずさ監査法人が提携するKPMGのメンバーファームの財務諸表監査を受けており、監査報酬額は100百万円です。なお、当社が有限責任 あずさ監査法人に対して報酬を支払っている非監査業務の内容は、国際財務報告基準に関する指導・助言教務、監査基準委員会報告書第18号(委託業務に係る内部統制の有効性の評価)に基づく内部統制の整備および運用状況の検証業務などです。

2012年3月期の見通し• 経済環境と業績見通し企業のIT投資は全体的に抑制傾向にあり、東日本大震災の影響などにより今後IT投資がさらに抑制されることが懸念されていますが、NTTデータグループの2012年3月期の業績は、震災影響などにより国内売上高が減少するものの、グローバル戦略の推進による海外売上高の増を中心とした連結子会社の拡大などにより、売上高は1,200,000百万円と当期に対して増収を予想しています。営業利益は、震災影響などがあるものの、連結子会社の拡

大などによる利益増に加え、原価率改善施策への取組みおよび販管費の効率的使用を推進することなどにより、80,000百万円と当期に対して増益を予想しています。

• 設備投資の見通し2012年3月期は、金融系大規模システムなどの減少により、135,000百万円と当期に対して4,000百万円の減少を予想しています。

• 配当の見通し2012年3月期は、連結ベースにおける業績動向、財務状況、配当性向などを総合的に勘案し、1株当たり年間配当金は、当期と同額の6,000円を予定したいと考えています。

想定されるリスクとその対応NTTデータグループの経営成績および財務状況など(株価などを含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在における判断によるものです。

• 価格低下圧力に関するリスク景況感や企業収益の悪化などによるお客様のIT投資抑制傾向は、コストへの要求やIT投資効果への評価の厳格化となって、当社グループの扱うシステムやサービスの販売価格低下につながり、当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

• 競争激化に関するリスク当社グループの主要な事業領域は、情報サービス産業の中で有力な成長分野であると目されており、ハードウェアベンダなどがビジネスの主軸に移してきています。また、急成長するインドや中国といった新興国の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあります。これからのマーケットの成長には先行き不透明な部分があり、競合会社の積極参入による競争激化が当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

• 海外事業に関するリスク当社グループは事業戦略の一環として海外市場での事業拡大を進めており、海外事業の当社グループにおける存在感は拡大しつつあります。当社グループの海外事業は、グローバル経済や為替などの経済動向、投資や競争などに関する法的規制、商習慣の相違、労使関係、国際政治といった政治的・社会的変動など、様 な々要因の影響下にあり、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

• システム障害リスク当社グループが提供するシステムやサービスには、社会的なインフラとなっているものもあります。これらにおいて障害が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払いなどにより、当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

46 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

• 技術革新に関するリスク当社グループが属する情報サービス産業では、不連続な技術環境の変化が生じることがあります。当社グループでは、先端技術や基盤技術などの多様な技術動向の調査・研究開発に努めていますが、予想を超える革新的な技術の進展への対応が遅れた場合、当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

• 知的財産権に関するリスク当社グループが事業を遂行する上で必要となる知的財産権などの権利につき、当該権利の保有者よりライセンスなどを受けられず、その結果、特定の技術、商品、またはサービスを提供できなくなる可能性があります。また、当社グループの事業が他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求を受ける可能性があります。いずれの場合も当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

• 親会社の影響力当社の親会社であるNTTは、当期末現在、当社の議決権の54.2%を保有している大株主です。当社はNTTおよびその他の子会社から独立して業務を営んでいますが、重要な問題については、NTTとの協議、もしくはNTTに対する報告を行っています。このような影響力を背景に、NTTは、自らの利益にとって最善であるが、その他の株主の利益とはならないかもしれない行動をとる可能性があります。

• 大規模災害などに関するリスク当社グループが提供するシステムやサービスには、社会的なインフラとなっているものもあることから、行政のガイドラインに準拠した事業継続のための体制整備や防災訓練を実施しています。しかしながら、大規模な災害や重大な伝染病が発生した場合には、事業所およびそれらのシステム並びに従業員の多くが被害を受ける可能性があり、その結果として、当社グループの社会的信用やブランドイメージが低下するおそれがあるほか、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされるなど、当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

• システム構築リスク当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション事業では、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客様に提供するという完成責任を負っています。当初想定していた見積りからの乖離や、開発段階におけるプロジェクト管理などの問題が発生した場合、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害の発生などにより、当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

• 情報セキュリティに関するリスク当社グループは業務遂行の一環として、個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。これらの情報について紛失、漏洩などが発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払いなどにより、当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

• コンプライアンスに関するリスク当社グループは企業倫理の確立による健全な事業活動を基本方針とする「NTTデータグループ倫理綱領」を制定し、コンプライアンス推進体制を構築するとともに、役員・社員への教育啓発活動を随時実施し、企業倫理の向上および法令遵守の強化に努めています。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全に回避できない可能性があり、法令などに抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払いなどにより、当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

• 人材確保に関するリスク当社グループの成長と利益は、専門性に基づいて顧客に価値を提供する優秀な人材の確保・育成に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合、当社グループの経営成績および財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

47MOVING FORWARD AS ONE

主なM&Aおよび資本提携戦略の実績

情報子会社

食品・バイオ

素材

住宅・樹脂加工・LSP

旅行

石油・金属

組込みソフトウェア組立加工・自動車業界向け生産管理

ITサービス会社自動車・エレクトロニクス・CAD/CAM・PDM・ERP

金融(外為決済)

SAPなど

金融(資金証券)

オフショアなど人事パッケージソリューション・ERPなど

テレコムなど

金融(リテール営業支援)

地方自治体など

金融(保険分野)

コンサルティング会社

流通・外食

コンサルティング

グローバル

ERPなど

日系現地法人対応など

オフショア

SAPなど

欧州現地大企業など

SAPなど

SAPなど

金融(クレジットカード業務)

金融(保険分野)

SAPなど

米州現地大企業など

12.4

4.5

7.3

2.9

12.3

16.5

5.8

10.2

16.0

29.6

3.3

1.8

1.2

10.5

1.2

2.0

2.4

4.8

6.1

0.1

1.3

31.6

23.7

2.8

0.3

0.2

0.28.7

(9ヵ月分)19.8

(3ヵ月分)

13.6

4.5

7.5

4.9

12.7

14.1

6.2

9.5

16.0

31.0

3.4

2.2

1.5

11.6

1.3

2.6

2.8

2.7

5.0

6.3

0.2

1.8

33.8

24.7

3.3

0.4

0.4

0.5

13.7

82.9

80.1

70.0

60.0

51.0

60.0

60.0

72.5

100.0

70.0

50.0

51.0

100.0

83.0

50.8

100.0

58.3

85.9

100.0

100.0

89.2

51.0

67.6

77.7

72.9

51.0

60.0

66.6

79.6

100.0

100.0

(株)NTTデータウェーブ

(株)NTTデータビジネスブレインズ

(株)NTTデータセキスイシステムズ

(株)NTTデータテラノス

(株)NTTデータCCS

(株)NTTデータMSE

(株)NTTデータソルフィス

(株)NTTデータエンジニアリングシステムズ

NTTデータジェトロニクス(株)

(株)JSOL

(株)エックスネット

(株)ビー・エヌ・アイ・システムズ(単体)

アイテックス(株)

(株)エヌジェーケー

(株)NTTデータエービック

(株)NTTデータエム・シー・エス

(株)エマーズ

(株)NTTデータスミス

(株)クニエ

The Revere Group, Ltd.

深 NTTデータイーストネット

Vertex Software Pvt. Ltd.

itelligence AG

Cirquent GmbH

Extend Technologies Group Holdings Pty Ltd

Business Formula (M) Sdn Bhd

上海NTTデータシナジーソフトウェア

Apex Systems Pte. Ltd.

Intelligroup, Inc.

Keane International, Inc.

日本たばこ産業

日本板硝子

積水化学工業

近畿日本ツーリスト

JXホールディングスパナソニックモバイルコミュニケーションズセイコーインスツル/パイオニア

Getronics

日本総合研究所

NTTコミュニケーションズ

BMW

(十億円)

子会社の売上高2011 2012

(計画)対象分野 提携先(パートナー) 子会社名 出資比率(%) 譲受・設立年月

(注)1. 子会社の業績(売上高)は、各社の個別財務諸表の計上額(各社の子会社も含む)です。2. 海外子会社売上高(計画)における為替レートは、期初計画策定時のレートを適用しています。3.(株)NTTデータソルフィスは、2009年7月に(株)NTTデータアイテックおよび(株)NTTデータサイエンスを統合して設立した会社です。4.(株)クニエは、2009年7月に(株)NTTデータビジネスコンサルティングおよびザカティーコンサルティング(株)を統合して設立した会社です。

2002年 8月

2003年 9月

2005年 1月

2006年10月

2008年 4月

2008年10月

2009年 7月

2006年 3月

2007年 5月

2009年 1月

2009年 3月

2009年 7月

2009年 8月

2010年 2月

2010年 2月

2010年 4月

2011年 4月

2005年 7月

2009年 7月

2005年11月

2007年 7月

2007年12月

2008年 1月

2008年10月

2009年 9月

2010年 4月

2010年 4月

2010年 6月

2010年 7月

2010年12月

48 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

資産の部流動資産現金及び預金受取手形及び売掛金有価証券たな卸資産繰延税金資産その他貸倒引当金流動資産合計

固定資産有形固定資産データ通信設備減価償却累計額データ通信設備(純額)建物及び構築物減価償却累計額建物及び構築物(純額)機械装置及び運搬具減価償却累計額機械装置及び運搬具(純額)工具、器具及び備品減価償却累計額工具、器具及び備品(純額)土地リース資産減価償却累計額リース資産(純額)建設仮勘定有形固定資産合計無形固定資産ソフトウエアソフトウエア仮勘定のれんリース資産その他無形固定資産合計投資その他の資産投資有価証券繰延税金資産その他貸倒引当金投資その他の資産合計固定資産合計資産合計

¥ 118,708

223,084

30,961

26,140

15,096

42,592

(950)

455,632

447,334

(300,859)

146,474

272,166

(169,325)

102,840

58,421

(42,269)

16,151

48,222

(33,025)

15,197

50,708

62,215

(54,438)

7,777

38,480

377,629

237,764

55,041

29,945

1,123

7,860

331,735

27,271

50,591

36,909

(514)

114,258

823,623

¥ 1,279,256

¥ 168,558

240,870

32,000

28,643

15,247

56,010

(961)

540,368

447,372

(319,813)

127,559

277,153

(175,001)

102,152

60,241

(43,851)

16,389

49,320

(34,583)

14,736

50,807

36,470

(31,624)

4,845

32,533

349,024

218,510

74,062

117,907

576

49,861

460,918

29,222

54,392

35,298

(608)

118,305

928,248

¥ 1,468,617

20112010

百万円

Financial & Others

連結貸借対照表株式会社エヌ・ティ・ティ・データおよび連結子会社2010年および2011年3月31日現在

49MOVING FORWARD AS ONE

負債の部流動負債買掛金短期借入金1年内返済予定の長期借入金1年内償還予定の社債リース債務未払金未払法人税等前受金受注損失引当金資産除去債務その他流動負債合計固定負債社債長期借入金リース債務繰延税金負債退職給付引当金役員退職慰労引当金資産除去債務その他固定負債合計負債合計純資産の部株主資本資本金資本剰余金利益剰余金株主資本合計その他の包括利益累計額その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定その他その他の包括利益累計額合計少数株主持分純資産合計負債純資産合計

¥ 92,491

17,599

18,243

30,164

8,597

16,951

18,261

94,881

5,675

43,071

345,937

179,959

26,332

8,274

89,850

1,013

12,721

318,152

664,089

142,520

139,300

317,594

599,414

(80)

(8,285)

(6,511)

(14,877)

30,629

615,167

¥ 1,279,256

¥ 81,107

9,107

23,844

30,264

4,758

17,847

21,233

120,284

3,912

320

49,994

362,676

250,104

90,970

5,420

16,270

95,147

997

1,437

15,275

475,623

838,299

142,520

139,300

338,550

620,370

(67)

234

(13,144)

(5,790)

(18,768)

28,716

630,317

¥ 1,468,617

20112010

百万円

50 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

売上高売上原価売上総利益販売費及び一般管理費営業利益営業外収益受取利息受取配当金負ののれん償却額持分法による投資利益損害賠償金その他営業外収益合計営業外費用支払利息固定資産除却損その他営業外費用合計経常利益特別利益負債評価差益特別利益合計特別損失投資有価証券評価損関係会社整理損のれん減損損失資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額災害による損失特別退職金特別損失合計税金等調整前当期純利益法人税、住民税及び事業税法人税等調整額法人税等合計少数株主損益調整前当期純利益少数株主利益又は少数株主損失当期純利益少数株主利益又は少数株主損失少数株主損益調整前当期純利益その他の包括利益その他有価証券評価差額金繰延ヘッジ損益為替換算調整勘定持分法適用会社に対する持分相当額その他その他の包括利益合計包括利益(内訳)親会社株主に係る包括利益少数株主に係る包括利益

¥ 1,142,940 870,589 272,351 190,662

81,689

482 526

—81

426 2,494 4,011

4,649 1,290 4,039 9,978

75,722

1,354 1,354

——

3,276 ——

2,010 5,287

71,789 28,541

6,969 35,511

—615

35,662 ——

———————

——

¥ 1,161,962 882,329 279,632 201,326

78,306

655 906

2,302 215

—3,213 7,293

5,465 1,421 2,932 9,820

75,779

——

2,050 1,998 1,825

985 449

—7,308

68,471 32,032 (2,092)29,940 38,531

1,217 37,313

1,217 38,531

17 234

(5,599)(16)

720 (4,642)33,888

33,421 466

20112010

百万円

Financial & Others

連結損益及び包括利益計算書株式会社エヌ・ティ・ティ・データおよび連結子会社2010年および2011年3月31日に終了した連結会計年度

51MOVING FORWARD AS ONE

Financial & Others

連結株主資本等変動計算書株式会社エヌ・ティ・ティ・データおよび連結子会社2010年および2011年3月31日に終了した連結会計年度

株主資本資本金前期末残高当期変動額当期変動額合計

当期末残高資本剰余金前期末残高当期変動額当期変動額合計

当期末残高利益剰余金前期末残高当期変動額剰余金の配当当期純利益連結範囲の変動持分法の適用範囲の変動当期変動額合計

当期末残高株主資本合計前期末残高当期変動額剰余金の配当当期純利益連結範囲の変動持分法の適用範囲の変動当期変動額合計

当期末残高その他の包括利益累計額その他有価証券評価差額金前期末残高当期変動額株主資本以外の項目の当期変動額(純額)当期変動額合計

当期末残高繰延ヘッジ損益前期末残高当期変動額株主資本以外の項目の当期変動額(純額)当期変動額合計

当期末残高為替換算調整勘定前期末残高当期変動額株主資本以外の項目の当期変動額(純額)当期変動額合計

当期末残高その他前期末残高当期変動額株主資本以外の項目の当期変動額(純額)当期変動額合計

当期末残高その他の包括利益累計額合計前期末残高当期変動額株主資本以外の項目の当期変動額(純額)当期変動額合計

当期末残高

¥ 142,520

—142,520

139,300

—139,300

298,752

(16,830)35,662

—9

18,841317,594

580,572

(16,830)35,662

—9

18,841599,414

(208)

128128(80)

6

(6)(6)—

(9,216)

930930

(8,285)

(4,845)

(1,665)(1,665)(6,511)

(14,264)

(613)(613)

(14,877)

¥ 142,520

—142,520

139,300

—139,300

317,594

(16,830)37,313

474(2)

20,955338,550

599,414

(16,830)37,313

474(2)

20,955620,370

(80)

1212

(67)

234234234

(8,285)

(4,859)(4,859)

(13,144)

(6,511)

720720

(5,790)

(14,877)

(3,891)(3,891)

(18,768)

20112010

百万円

52 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

少数株主持分前期末残高当期変動額株主資本以外の項目の当期変動額(純額)当期変動額合計

当期末残高純資産合計前期末残高当期変動額剰余金の配当当期純利益連結範囲の変動持分法の適用範囲の変動株主資本以外の項目の当期変動額(純額)当期変動額合計

当期末残高

25,695

4,9344,934

30,629

592,004

(16,830)35,662

—9

4,32123,162

615,167

30,629

(1,913)(1,913)28,716

615,167

(16,830)37,313

474(2)

(5,804)15,150

630,317

20112010

百万円

53MOVING FORWARD AS ONE

Financial & Others

連結キャッシュ・フロー計算書株式会社エヌ・ティ・ティ・データおよび連結子会社2010年および2011年3月31日に終了した連結会計年度

営業活動によるキャッシュ・フロー税金等調整前当期純利益減価償却費固定資産除却損退職給付引当金の増減額投資有価証券売却損益投資有価証券評価損益支払利息関係会社整理損特別退職金売上債権の増減額たな卸資産の増減額仕入債務の増減額未払消費税等の増減額その他小計利息及び配当金の受取額利息の支払額法人税等の支払額又は還付額営業活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フロー有形固定資産の取得による支出無形固定資産の取得による支出固定資産の売却による収入投資有価証券の取得による支出投資有価証券の売却による収入連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出定期預金の純増減額事業譲受による支出子会社株式の取得による支出その他投資活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フロー社債の発行による収入社債の償還による支出長期借入れによる収入長期借入金の返済による支出コマーシャル・ペーパーの純増減額短期借入金の純増減額リース債務の返済による支出配当金の支払額少数株主への配当金の支払額少数株主からの払込みによる収入その他財務活動によるキャッシュ・フロー

現金及び現金同等物に係る換算差額現金及び現金同等物の増減額現金及び現金同等物の期首残高現金及び現金同等物の期末残高

¥ 71,789154,500

7,4817,239

(32)241

4,649—

2,0101,159

21,333(7,870)1,961

44,047308,509

1,008(4,656)

(47,100)257,760

(78,902)(84,401)

851(4,984)

500(3,457)3,514

—(1,839)

—(2,842)(2,530)

(174,093)

—(3,012)2,375(8,642)

(25,000)187

(12,127)(16,823)

(747)—34

(63,756)386

20,297131,822152,120

¥ 68,471152,257

6,3094,754

(385)2,0505,4651,998

—(1,562)2,774

(7,580)(613)

28,086262,026

1,558(5,326)

(29,180)229,077

(65,958)(79,443)

462(3,318)

937(132,253)

114(598)

(3,920)(819)

(1,759)1,012

(285,545)

99,684(30,300)88,514

(18,477)—

(8,604)(8,076)

(16,832)(1,373)

421(70)

104,885(1,930)

46,486152,120198,606

20112010

百万円

54 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

1. グローバル統括組織の設置拡大する海外事業の一体的かつ効率的な運営体制を構築するため、グローバルITサービスカンパニー内の国際事業本部を、カンパニーを横断する全社組織として再編し、「グローバルビジネス統括本部」としました。「グローバルビジネス統括本部」は、カンパニーを超えた視点で以下の役割を担います。

•グローバル戦略策定、海外グループ会社のガバナンス強化•米州・EMEA*・APAC・中国の4つの地域を軸とした地域統括機能の強化と、再編を含めた拠点やソリューションなどの機能配置の最適化の促進

•営業、開発、ソリューション、テクノロジーについてカンパニーと海外グループ会社との連携を促進し、“One NTTDATA”

実現に向けたグループ全体でのシナジーを創出* EMEA…Europe(欧州)、Middle East(中東)、Africa(アフリカ)

2. グローバルITサービスカンパニーの組織改革堅実なプロジェクト推進と競争優位性のあるビジネス展開をより発展・促進するため、グローバルITサービスカンパニー内の法人システム事業本部を2つの本部に分割・再編し、「第一法人システム事業本部」、「第二法人システム事業本部」としました。

お客様

社長社

経営会議

グローバルITサービスカンパニー

パブリック&フィナンシャルカンパニー

ソリューション&テクノロジーカンパニー

ビジネスユニット・グループ会社

第ニ法人システム

事業本部

第一法人システム

事業本部

流通・サービス事業本部

製造ビジネス事業本部

基盤システム事業本部

グローバルビジネス統括本部

リージョナルビジネス

事業本部

環境経営推進室

IR・ファイナンス室

財務部

人事部

総務部

知的財産室

購買部

技術開発本部

ITマネジメント室

品質保証部

広報部

グループ経営企画本部

監査部

法人コンサルティング&

マーケティング本部

ビジネスソリューション

事業本部

社長取締役会 監査役 監査役会

監査役室

公共システム事業本部

第四金融事業本部

ライフサポート事業本部

第三金融事業本部

第ニ金融事業本部

第一金融事業本部

組織機構図 (2011年7月1日現在)

Financial & Others

組織機構改革

「第一法人システム事業本部」は、主にテレコム、ユーティリティなどの主力領域に対して一層の高付加価値を提供することを目的とし、「第二法人システム事業本部」は、テレコム領域のノウハウを集約するとともに、今後の成長が見込める新規領域においてグローバルソリューションを提供することを目的とします。

3. パブリック&フィナンシャルカンパニーの組織改革保険・医療分野のさらなる事業拡大に向けた体制強化を図るために、パブリック&フィナンシャルカンパニーの組織機構の一部を再編し、保険・医療ビジネス事業本部と第二公共システム事業本部から構成される「ライフサポート事業本部」を新たに設置しました。「ライフサポート事業本部」は、民間分野から公共分野にまたがる保険・医療ビジネス領域のノウハウを集約し、今後さらに成長が見込まれるマーケットに対してより一層の高付加価値を提供することを目指します。また、これまで第二公共システム事業本部が所掌していた、

防衛関連ビジネス分野、および環境関連ビジネス分野については、新たに第一公共システム事業本部の所掌とし、あわせて事業本部の名称を「公共システム事業本部」に変更しました。

55MOVING FORWARD AS ONE

2011年3月31日現在において、NTTデータは子会社215社および関連会社20社を有しています。下記の表では、主要な連結子会社および関連会社に関する情報を記載しています。

連結子会社

エヌ・ティ・ティ・データ・システム技術株式会社

株式会社NTTデータ・アイ

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ関西

株式会社NTTデータSMS

エヌ・ティ・ティ・データ・カスタマサービス株式会社

エヌ・ティ・ティ・データ先端技術株式会社*1

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート*2

NTT DATA INTERNATIONAL L.L.C.*1*3

株式会社NTTデータ・フィナンシャルコア

エヌ・ティ・ティ・データ・フォース株式会社

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・ウェーブ

日本カードプロセシング株式会社

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・フロンティア

エヌ・ティ・ティ・データ・ソフィア株式会社

株式会社NTTデータ・ビジネス・システムズ*5

エヌ・ティ・ティ・データ・ジェトロニクス株式会社

NTT DATA EUROPE GmbH & Co. KG*3

itelligence AG

株式会社エヌ・ティ・ティ・データCCS

Cirquent GmbH

株式会社NTTデータMSE

株式会社JSOL

株式会社エックスネット*2

株式会社エヌジェーケー*2

Intelligroup, Inc.*1*3*4

Keane International, Inc.*1*3*4

Keane, Inc.*1*3*4

その他189社*5

持分法適用関連会社

全20社

97.1

100.0

100.0

100.0

100.0

100.0

52.1

100.0

100.0

100.0

80.1

71.5

56.9

95.0

100.0

70.0

100.0 (5.0)

77.7 (77.7)

60.0

74.4 (74.4)

60.0

50.0

51.0

50.8

100.0 (100.0)

100.0

100.0 (100.0)

200

100

400

100

2,000

100

516

276,867

100

285

100

2,675

280

80

100

831

286,261

46,048

330

98,877

200

5,000

783

4,222

199,203

1,170,700

1,620,650

千米ドル

千ユーロ

千ユーロ

千ユーロ

千米ドル

千米ドル

千米ドル

会社名 資本金(百万円) 議決権所有割合(%) 主な事業内容

システム設計・開発

システム設計・開発

システム設計・開発・販売

システム運用

システム運用・保守

システム設計・開発

パッケージソフト販売

北米事業子会社の統括

システム設計・開発

システム設計・開発

システム設計・開発

クレジットカード業務に係る各種サービス

システム設計・開発

システム設計・開発

システム設計・開発・販売

システム設計・開発

欧州事業子会社の統括

コンサルティングシステム設計・開発

システム設計・開発

コンサルティングシステム設計・開発

システム設計・開発

システム設計・開発

システム販売

システム設計・開発

コンサルティングシステム設計・開発

コンサルティングシステム設計・開発

コンサルティングシステム設計・開発

(注)1. *1の会社は、当期から重要な子会社となった会社です。2. *2の会社は、有価証券報告書を提出しています。3. *3の会社は、当社の特定子会社です。4. *4の会社は、当期に当社又は当社の子会社が株式を取得した会社です。5. *5 株式会社NTTデータ・ビジネス・システムズは、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・クイックが、2011年4月1日に株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・システムズを吸収合併するとともに、同日付で商号変更した会社です。上記のその他189社には、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・システムズと株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・クイックを含め、株式会社NTTデータ・ビジネス・システムズを含めていません。

6. 議決権所有割合の(内数)は、間接所有です。

Financial & Others

主要な子会社および関連会社

20,000

15,000

(注)日経平均株価は、東京証券取引所市場第一部上場225社の単純平均株価です。

NTTデータ株価終値

日経平均株価終値

800

0

400

10,000

5,000

600

200

1,000(千円)

25,000(円)

2007/4 2008/4 2009/4 2010/40

2011/3

56 NTT DATA CORPORATION ANNUAL REPORT 2011

What is NTT DATA? President’s Message Special Feature Review of Operation Financial & Others

大株主 株式の所有者別分布状況

日本電信電話株式会社

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)

JPモルガン証券株式会社

THE BANK OF NEW YORK, TREATY JASDEC ACCOUNT(常任代理人 株式会社三菱東京UFJ銀行)

資産管理サービス信託銀行株式会社(証券投資信託口)

SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT - TREATY CLIENTS(常任代理人 香港上海銀行東京支店)

NTTデータ社員持株会

STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505225(常任代理人 株式会社みずほコーポレート銀行決済営業部)STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 株式会社みずほコーポレート銀行決済営業部)

54.18

4.30

3.92

1.41

1.23

0.92

0.91

0.86

0.53

0.52

発行済株式総数に対する所有株式数の割合(%)

株主名(上位10名) 所有株式数(株)

1,520,010

120,703

109,897

39,539

34,460

25,881

25,395

24,053

14,824

14,677

発行済株式数等および株主数

(1)会社が発行する株式の総数

(2)発行済株式の総数

(3)株主数

株価チャート

11,220,000株

2,805,000株

115,304名

個人・その他11.64%

金融機関14.58%

その他の法人54.79%

証券会社2.59%

外国法人など16.40%

所有株式数の割合

Financial & Others

投資家情報(2011年3月31日現在)

Globalization

Our Strategy

グローバルマーケットオフショア開発拠点オフショア開発

拠点のある国グ拠

EMEA

China

APAC

Americas

グローバルトップ5を目指す

グローバル化

“Moving Forward as One”>> お客様を取り巻くビジネス環境は急速な変化を続け、国境を越えたグローバル競争の時代に突入しています。このような中、NTTデータグループは世界のグローバルIT企業の中でトップ5入りを目指し、様々な変革に取り組んでいます。これらの変革の柱となるのが、①グローバル化、②サービス化、③環境志向経営、の3つです。グローバル競争に勝ち残るべく急速に拡大しているNTTデータグループは、世界

全体で“One Team”として3つの柱に取り組むことで、グループシナジーを創出し、グローバルトップ5を目指します。

グローバル化するお客様へのサービス提供能力を強化し、お客様とともにさらなる飛躍を遂げるため、グローバル展開を加速しています。M&Aの推進により、北米や欧州に加え南米などへのカバレッジ拡大を行うと同時に、Global One Team化などによる事業

連携の推進、オフショアリソースのさらなる活用といったグループシナジーの創出により、グローバル体制を確立・強化しています。

57MOVING FORWARD AS ONE

本社〒135-6033

東京都江東区豊洲三丁目3番3号

Tel : 03-5546-8202

設立年月日1988年5月23日

資本金142,520百万円

事業年度4月1日から翌年3月31日まで

会計監査法人有限責任 あずさ監査法人

従業員数の推移

主な海外拠点NTT DATA INTERNATIONAL L.L.C.45 West 36th Street, 7th Fl., New York, NY 10018, U.S.A.Telephone: +1-212-588-8340

Keane International, Inc.100 City Square, Boston, MA 02129, U.S.A.Telephone: +1-617-241-9200

Intelligroup, Inc.5 Independence Way, Suite 220, Princeton, NJ 08540, U.S.A.Telephone: +1-646-810-7400

M.I.S.I. Co., Ltd.45 West 36th Street, 7th Fl., New York, NY 10018, U.S.A.Telephone: +1-212-355-5585

The Revere Group, Limited325 North LaSalle Street, Suite 325, Chicago, IL 60654, U.S.A.Telephone: +1-312-873-3400

NTT DATA Asia Pacific Pte. Ltd.20 Cecil Street Equity Plaza, Singapore 049705Telephone: +65-6536-1637

北京NTT DATA系統集成有限公司(注)2011年12月を目処に恩梯梯数据(中国)有限公司と合併し、新生「恩梯梯数据(中国)有限公司」となります。

中国北京市朝陽区曙光西里甲5号鳳凰置地広場A座写字楼8層Telephone: +86-10-8285-6466

NTT DATA (Thailand) Co., Ltd.7th Floor, 946 Dusit Thani Building, Rama 4 Road, Silom, Bangrak, Bangkok 10500, ThailandTelephone: +66-2636-2772

NTT DATA Malaysia Sdn. Bhd.No. 43000, Persiaran APEC 63000 Cyberjaya, Selangor Darul Ehsan, MalaysiaTelephone: +60-3-8318-7009

NTT DATA Vietnam Company LimitedRoom 401, V-Tower, 649 Kim Ma Str., Ba Dinh Dist., Hanoi, SR. VietnamTelephone: +84-4-3766-7973

Vertex Software Pvt. Ltd.AG Technology Park, Server Space, Off. ITI Road, Aundh, Pune - 411007, IndiaTelephone: +91-20-6604-1500

Extend Technologies Group Holdings Pty Ltd 5 Florence Street, Newstead, QLD 4006, AustraliaTelephone: +61-7-3308-9400

NTT DATA EUROPE GmbH & Co. KGImmermannstraße 40, 40210, Düsseldorf, GermanyTelephone: +49-211-16470-90

itelligence AGKönigsbreede 1, 33605 Bielefeld, GermanyTelephone: +49-521-9144-80

Cirquent GmbHZamdorfer Straße 120, 81677 München, GermanyTelephone: +49-89-9936-0

40,000

10,000

20,000

30,000

50,000(人)

連結ベース

(注)当社からの出向者を含めず、当社への出向者を含めて記載しています。

連単体ベース

(注)当

単単

2007 2008 2009 2010 2011

22,608 23,080 31,739

8,324 8,550 9,230

34,543

9,670

49,99110,139

0

NTTデータはインターネット上のホームページで情報を提供しています。

URLアドレスは 日本語 http://www.nttdata.co.jp/英語 http://www.nttdata.com/

このアニュアルレポートに掲載されているサービスおよび商品などは、(株)NTTデータあるいは、各社の登録商標または商標です。

Financial & Others

会社のデータ(2011年3月31日現在)

Movoo ing Forwardas One

〒135-6033 東京都江東区豊洲三丁目3番3号 豊洲センタービルTEL : 03-5546-8202URL : http://www.nttdata.co.jp/

アニュアルレポート20112011年3月期

NT

T D

AT

A C

OR

PO

RA

TIO

N ア

ニュアルレポート

2011