医療法人松田会 松田病院

January 20, 2014

2014 WINTER

（創刊号） 平成 26年 1月 20日発行

広報誌：エバーグリーン・ライフ創刊に寄せて

医療法人松田会 松田病院院長 松田恵三郎

新年明けましておめでとうございます。皆様に

おかれましては、お健やかにそして晴れやかに新

年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

さて、この度松田病院では、私共と皆様を結ぶ

広報誌「エバーグリーン・ライフ」を定期的に刊

行させて頂く運びとなりました。創

刊に当たり、当院職員より誌名を募

集致しました。多くの候補名の中よ

り推薦数が最も多かった「エバーグ

リーン・ライフ」を本誌の名前とさ

せて頂きました。

“エバーグリーン”とは、皆様ご存

知の通り、「常緑の」「不朽の」と

いう意味で、当誌の読者である地域

の皆様の生活・人生が、常緑樹の輝

きを保ちながら、ますます潤いのある、充実した

ものとなる事を祈念して命名されたものでござい

ます。

つい先日、私の外来を初めて訪れて下さった 6

0 代の男性の方から、開口一番「先生、看板に偽

りありだね。」と言われました。私は、何の事や

ら想像もつかず、「何処の看板に誤りがありまし

たか？」と聞いてしまいました。

その方が曰く当院外来に設置された自動受付機に

載せてある私の写真と、診察室の中で初めて対面

した私の顔・風采が大きく異なっていたため

「看板（写真）に偽りあり。」との発言に繋がっ

たとのことでした。このご指摘で、非常に重要な

事に気付かされました。そこで発覚したことは、

自動受付機に載せてある私の写真が、当院に電子

カルテが導入されてから今日に至るまでの約 10

年間、一度も更新されていなかったという事実で

した。その写真をイメージして私の診察に入って

来られた患者様は、白髪で深い、しわの増えた、

風采の上がらぬ現在の私の顔貌を見るなり、別人

と思ったのかも知れません。

私のみならず当院職員は、その

写真を毎日目にはしておりましたが

日常の中で慣れのために、全く気に

懸けずに過ごしていたのでした。私

共は、医療安全を謳い、安全のため

には完全を期する使命を負っており

ます。このようなことは、医療面で

は絶対に許されない事で、再度、緊

張感をもって処していく決意に繋が

ったというエピソードでございました。

当院の担当スタッフに「あの写真、何時交換す

るの？」と問うたところ、「そりゃ今でしょ！」

との返事が帰って参りました。

本事例は、常に新しい観点から、多面的に事象

を捉えていくことの重要性を示しております。そ

のような面からも、今後、当広報誌が、私共から

の一方的な発信とならないよう、皆様の忌憚の無

いご意見を頂戴しながら、地域の皆様と当院との

架け橋となりますよう、紙面を充実させて参りた

いと考えております。

Mission（基本理念）

松田会は、なによりも患者様の心のケアを大切にし、患者様が安心して尊厳ある人生を送ることが出来るよう、優れた医療・福祉サービ

スを提供する使命があると考えています。

医療法人松田会 松田病院

医療法人松田会 松田病院

January 20, 2014

思い起こせば、当院がこの地に松田外科整形外

科医院（初代院長：松田好史）との看板を掲げて

開業し早 32 年を経ようとしております。その後、

現在の松田病院（125 床・二代目院長：松田倫政）

に形を変え、今日に至っておりますが、当地域に

おいて皆様と一緒に歩んでこられたことに対し、

松田病院職員一同、心より感謝を申し上げる次第

でございます。

皆様もご存知の通り、日本は世界の先鞭を切っ

て超高齢社会へ突入しようとしております。当地

域も例外では無く、高齢化を避けて通る訳には参

りません。高齢社会を迎えるに当り、医療と福祉

の連携をさらに密にし、高齢の方々を地域で支え

る仕組みを作ることが急務であります。そのよう

な社会情勢を踏まえ、今後も医療法人松田会職員

は更なる研鑚を積み、医療・看護・介護レベルの

一層の向上に努めて参りたいと存じます。私達は

医療・福祉を通して地域の皆様に安心を提供し、

社会に貢献する事を自らの心に誓っております。

最後になりましたが、入院中の患者様の御家族

様におかれましては、お時間が許せば、是非、入

院病棟の方へ足をお運び下さい。患者様達は皆様

の励ましを必要としておりますし、また、皆様の

手の“ぬくもり”が患者様にとって一番の薬とな

るからでございます。

「病い」を患いたいと思う方はございませんが、

その「病い」が、家族の絆を強いものとした方々

を多く経験しております。そのような意味におき

まして、私共の病院が、皆様の幸せ作りの場とな

れば幸に存じます。

私共、医療法人松田会の職員は、病める人々に

“ぬくもり”を実感して頂ける医療・福祉の実践

を目指しております。

皆様方のご多幸とますますのご発展を心よりお

祈り申し上げ、エバーグリーン・ライフ創刊のご

挨拶とさせて頂きます。

新入職医師の紹介

佐藤克志（さとうかつし）

昭和 32 年 10 月 10 日生

出身地 宮城県（生まれ青森・育ちは栃木）

趣味 スポーツ（サッカー、バドミントン等）

メッセージ 1 月より松田病院、精神科外来を

新しく担当することになりました。カウンセリ

ングを主に学んできましたので、リエゾンはこ

れから励みます。不安障害、ストレス関連障

害、うつ病など興味を持って取り組んできまし

た。これからよろしくお願いいたします。

山田容子（やまだようこ）

昭和 46 年 11 月 11 日生

出身地 青森県八戸市

趣味 娘とミュージカルや映画を見ること

メッセージ 1 月から皮膚科医として、常勤で

お世話になります。勉強不足で至らない私です

が「POSITIVE」な姿勢で頑張ります！一緒に

楽しくお仕事しましょう。よろしくお願いいた

します。

January 20, 2014

医療法人松田会 松田病院

健康管理室【佐藤・池田】

明けましておめでとうございます。今年一年

楽しく健やかに過ごしていけたらと思います。

さて、今回は免疫力を高めるためのポイント

をいくつかご紹介いたします。毎年この時期に

なるとインフルエンザなどの感染症が猛威を振

るいます。免疫力を高めて、より健康な体づく

りを目指しましょう。

1． 質の良い睡眠をとる。

睡眠の乱れによって免疫力が低下するこ

とがわかっています。たとえ心労があっ

て眠れなくても体を横にして休めている

だけで免疫力は高まると言われています

。20 分くらいの昼寝も効果があります。

2． バランスの良い食事を心がける。

免疫力を大きく左右するのが食事であり

、バランス良く食事を摂ることがその基

本です。主にエネルギー源となる炭水化

物・たんぱく質・脂質と、体の機能維持

や調整・抵抗力をつけるビタミン・ミネ

ラル、さらに食物繊維もバランス良く摂

るようにしましょう。

3． 適度な運動をする。

免疫力を高めるには適度な運動が効果的で

す。体内にウイルスが侵入してきたときに

戦う免疫細胞（特に NK細胞）は運動する

ことによって活発に働くようになります。

4． 体温を下げない。

平均体温が 1℃下がると免疫力は約 37％

下がり、逆に平均体温が 1℃上がると免

疫力は 5～6倍も活性化すると言われて

います。

5． ストレスをためずによく笑う。

「笑い」（快・充足）が免疫力を活性化

させ、逆にストレス（不快・非充足）が

免疫力を低下させます。ストレスを感じ

たときはNK 細胞の活性が低下します。

適切な休養で体を休めること、趣味や友

人・家族との付き合いで自分を養うこと

でストレスを解消していきましょう。

6． 喫煙をひかえる、適度な飲酒を心がけ

る。

タバコの煙は直接肺に吸入されるため肺

に存在する免疫細胞や肺組織に影響があ

り、種々の癌のリスクも高まります。ア

ルコールやその代謝物については、免疫

毒とさえ言われています。

1 日の適量を守り、休肝日を設けながら

楽しみましょう。

昨年１２月２０日、毎年恒例になっているクリスマス会を開催いたしました。

シェフが作ったブラウニーと苺のショートケーキ、カロリー制限が必要な患者様には、栄養課のスタッフが心

を込めて作った色鮮やかなカップケーキを提供いたしました。皆さん美味しそうにお召し上がりいただきました。

その他にもゲームや、スタッフによるコーラスは伴奏なしのボイスパーカッションに挑戦。上級とは言えませんが

、手作り感満載のアットホームな会になりました。病棟では、クリスマス会の他に、節分、ひな祭り、夏祭り、ハ

ロウィンパーティーなど季節ごとの行事を行っています。季節の行事を通じて、患者様から、「看護師さんとの距

離が近くなって緊張が和らぎました」、「病院らしくないアットホームな雰囲気に手術の不安がなくなりました」

との嬉しいお言葉も頂戴しています。東２階病棟は、現在患者様が２８名入院されており、主に股関節疾患の手術

をされる患者様にご利用いただいております。スタッフは看護師２３名、看護助手２名が、医師、理学療法士、相

談員、管理栄養士、薬剤師、医事スタッフと連携をはかりながらチーム医療に取り組んでおります。病棟で大切に

していることは、『１０年後も、２０年後も患者様の心に残る温かいケア』です。退院された患者様が、「体が元

気になって新たな夢にチャレンジしています」「今まで出来なかったことが出来るようになって人生が変わりまし

た！」と元気なお顔を見せに病棟に来て下さることがとても嬉しく、私たちは何よりも嬉しい瞬間でもあります。

【東 2階病棟師長 伊藤】

January 20, 2014

医療法人松田会 松田病院

人工股関節の手術でいつも行っていることについて

東北股関節疾患センター 藤井玄二

はじめに

人工股関節は構造上、脱臼しないで動く範囲が

140 度位と健常な関節より 20 度も小さいので、

骨盤側のカップ（前方開角 40 度、外方開角 20

度、適切な高さ）と大腿骨側のステム（前捻 25

度、適切な深さ＝骨頭の位置）を計設通りに設置

することが重要です。しかし、殿部の厚い筋肉や

脂肪、傾いたり曲がったりする骨盤位置の変化の

ため、正しく設置するのは難しいです。独自に開

発したガイドや計測機器を使って計画に沿った手

術ができるよう工夫しています。

術前の計画

手術の計画は主に両股正面像と透視画像から行

います。また、CT 画像からカップが入る部分の

臼蓋前後径や、大腿骨頚部のねじれ（前捻）を計

測します。臼蓋径は平均 51mm で、大きさは体

格に比例しますので男性では

大きいカップが入ります。下

腿軸角（千葉）で補正した前

捻は平均 29 度ですが、10

度より小さかったり、50 度

より大きかったりすると通常

のステムでは手術技術だけで

調節することは難しくなりま

す。この場合はステムの前捻

が調整できるステム（モジュ

ラー）式を使います。

一枚の X 線画像だけでは

動作での骨盤の動きは予測できません。仰臥位、

坐位、立位の 3 枚の腰椎・骨盤の側面像からこれ

を調べます。通常骨盤の向きは、臥位と立位でほ

ぼ同じですが、坐位になると 25 度後傾し、股関

節の可動域が広がるように、得な方向に動きます 。

しかし、立った時に腰が曲がって骨盤が後ろに傾

く（後傾する）人では、カップの前方開角を減ら

して前に脱臼しにくいように調整します。

手術（手順の改良の積み上げ）

カップの設置は、骨盤に固定する 3 次元方向

（３D）ガイドを使い、仰臥位の骨盤に対して正

確に入れることができます。また、手術による下

肢の延長も計測できます。カップの下端の位置を

確認して作図通りの高さに入るように注意します

ステムの前捻は特殊な角度計を使って下腿の軸に

対して設置します。また同時に、ステムの挿入の

深さにも注意します。カップ下端が低かったり、

ステム挿入が浅いと下肢が予定より長くなってし

まいます。

手術には外科医だけでなく、麻酔科医、手術部

の看護師を含めたチームワーク全体の手順が重要

です。適切に低血圧麻酔で管理すると、手術は出

血なく迅速に進み、習熟した器械出しでは、欲し

い器具が欲しくなる前から用意され、更に加速し

ます。

手術手順の改良の積み重ねで、センターにおけ

る人工股関節の手術

は、2006 年には

85.7 分かかりまし

たが、

2007 年は 80.1 分

2008 年 79.0 分、

2009 年 74.3 分、

2010 年 67.8 分、

2011 年 66.0 分、

2012 年 61.9 分、

2013 年 61.0 分と

20 分以上短縮され

ました。

術後の評価

手術直後に手術室で撮影する正面 X 線画像

によりカップとステムの設置がわかります。この

二次元画像からカップの前方開角、外方開角、カ

ップ中心の位置、骨頭中心の位置などを計測しま

す。退院前には、これも放射線技師協力のもと単

January 20, 2014

医療法人松田会 松田病院

純 X 線画像のほか CT 画像なども撮影し、詳しく

評価します。

手術中にカップ外方開角 40 度、前方開角 20

度で設置したものは、X 線画像計測ではそれぞれ

37.8±4.9 度、20.9±6.1 度でした（いずれも

operativedefinition 値）。ステムの前捻 25 度

で手術したものは CT 計測で 25.5±6.9 度でし

た。平均値ではぴったり設置されていますが、個

々に見ると離れ値を示すことがあるので、その理

由を検討し、次の手術の教訓とします。

終わりに

このように計画・実行・評価して、安定した良

い手術になるよう手順の改良に日々勤めています 。

今回は述べませんが、事務担当による手術日程の

調整と入退院管理、看護スタッフによる術前の身

体的な評価と術後の治療・合併症予防、理学療法

による筋力・可動域訓練は、継続して安全な手術

を行う上で手術そのものと同様に重要です。

図の説明

左は、通常のタイプのステム

中は、頚部の部品化に伴い、ここで前捻・内外反・脚長の補正ができます

右は、前捻を 360 度調整できるステム

January 20, 2014

医療法人松田会 松田病院

2013 年 12 月 19 日松田病院の一階ロビーにて

第六回目となるクリスマスコンサートを開催致しま

した。松田会を日ごろよりご利用していただいてい

る皆様への感謝の気持ちをお届けし、癒しのひと時

を感じていただくようにとの目的で企画致しました 。

今回は、毎回おなじみの松田病院スタッフだけで

なく川崎町にある松田会グループのアルパイン川崎

の音楽隊はじめ、松田病院吹奏楽部の参加協力をい

ただくことができました。

プログラムは二部構成になっており、第一部では

総合相談室のメンバーによる歌「ハッピークリスマ

ス」第二部では我妻恵医師のファゴット、その他フ

ルート、クラリネット、テナーサックス、バイオリ

ンの演奏で、曲目はクリスマスでおなじみの「ジン

グルベル」「きよしこの夜」「夜明けのスキャット

」などの全５曲演奏致しました。練習期間中は全員

揃って練習することが難しかったのですが、それぞ

れ個人練習に励み一生懸命に取り組んで参りました 。

本番当日演奏者それぞれ心を一つに一番ベストな演

奏をすることができました。

会場にはたくさん

の外来、入院、通所

入所のご利用者様に

ご来場いただき、一

緒に歌ったり、初め

て聴く楽器の音色に

聞き入っていたりと

ゆったりとした楽しい時間となりました。来場して

いただいたご利用者様からは、「生の演奏を聴くの

が初めてで感無量でした。」「音楽を聴いて心を癒

されて元気をもらえました。」「定期的にまた開催

してほしい。」といった嬉しいお声をたくさんいた

だくことができ、皆様笑顔でお帰りになりました。

私たちも、コンサートを通じて多くの皆様に出会い

喜んで頂き、少しでも「ありがとう」の気持ちが伝

わり、今年も一足早いクリスマスを感じていただけ

た事を嬉しく思います。

また来年もご利用者様に期待以上の喜びをお届け

できたらと思っております。 【総合案内 高橋】

編集後記

松田病院広報誌「エバーグリーン・ライフ」いかがでしたでしょうか。慣れない作業で作成しましたが、各部署職員の協力もあり皆様にお届けすることができました。

お読みになった感想などございましたらお気軽にご意見をお寄せいただければと思います。

《材料》（4 人分）

米 1 カップ

もち米 1 カップ

水 2 カップ

牛ひき肉 100g

ごぼう 1/2 本

しょうが 少々

砂糖 大さじ 1

しょうゆ 大さじ 1

酒 大さじ 1

みりん 大さじ 1/2

水 100cc

万能ねぎ 少々

《作り方》

【1】 米ともち米を合わせて洗い、炊いておく。

【2】 ごぼうはささがきにし、生姜はすりおろす。

【3】 調味料と水を煮立たせ、生姜・ひき肉・ごぼうを入

れ、あめ色になり汁が少し残るくらいまで煮詰め

る。

【4】 鍋にごぼうと水 1/2 カップを入れ、ふたをして中

火でやわらかくなるまで蒸し煮にする。椎茸、牛

肉、みりん、しょうゆを加え、炒りつけながら強火

で汁気がほぼなくなるまで煮つめる。

【5】 炊き上がったごはんに【4】 を加えてざっくりと混

ぜ、小口切りの万能ねぎをのせる。

当院管理栄養士の

とっておきレシピ

医療法人松田会 松田病院

January 20, 2014

発行 医療法人松田会 松田病院（編集：広報委員会）

仙台市泉区実沢字立田屋敷 17-1 ℡022-378-5666

website http://www.matsuda-hp.com

外来予定表 診療時間 8：30-11：30/14:00-18:00