2144 etwork - JPM · 業務全体のプロセスを通じて、広告主に「効ならない。もはや、製作物の納品で業務終了とはな喚起に直結しているかについて応えていかなければ場で確実に発信されているか、さらにどれほど購買現として的確に実現されているか、メッセージが売り

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1 2014.04 JPM Network

Page 2: 2144 etwork - JPM · 業務全体のプロセスを通じて、広告主に「効ならない。もはや、製作物の納品で業務終了とはな喚起に直結しているかについて応えていかなければ場で確実に発信されているか、さらにどれほど購買現として的確に実現されているか、メッセージが売り

石渡行人藤川和広三浦由有柏崎千佳三浦 卓山本晴佳

菅原絵美小坂田航一堤 悠渡邊慎悟吉田優里熊谷夏樹

スピン大日本印刷田原屋電通テックノムラデュオヒロモリ

ソロスDNPメディアクリエイト電通テック凸版印刷ノムラデュオ博報堂プロダクツ

黒葛原直子竹原悠介外村大介髙橋歩惟片原琢久矢笹本祐馬

関口真紀石田尚徳河野孝幸河本佳奈森地 毅鈴木真司

サントリーショッピングクラブソロス大日本印刷テイ・デイ・エス電通テック電通テック

千修ソロスDNPメディアクリエイト電通テックノムラデュオ博報堂プロダクツ

チームA 暮らし美人は 空気美人

小澤佑香里新倉直哉大久保智央恩地紗代子松本向平臼田 都

土屋直子照島大輔宮崎弘晶渡邉吏樹藤井由梨江西垣みずほ

寿精版印刷j.union大日本印刷電通テック 電通テック凸版印刷

サントリーショッピングクラブ大日本印刷株式会社電通テック電通テックヒロモリリンクス

1

2

3

4

5

6

7

8

2.64

2.21

2.04

3.11

2.46

2.72

2.292.46

3.00

2.69

2.82

2.25

2.61

2.982.43

3.05

チームB うがい、手洗い、ファブリーズ!

1

2

3

4

5

6

7

82.81

3.26

2.25

3.412.74

2.81

3.56

3.41

3.00

2.69

2.82

2.41

2.72

2.98

2.43

3.05

チームC キモチ上げる。オンナの武器。ワンプッシュでほめられ上手

1

2

3

4

5

6

7

8

2.41

2.70

2.112.56

2.33

2.72

3.333.04

3.00 2.69

2.82

2.25

2.59

2.98

2.43

3.05

チームD

1

2

3

4

5

6

7

82.77

2.50

2.15

2.96

2.38

2.72

3.04 2.54

3.00

2.69

2.82

2.25

2.69

2.98

2.43

3.05

チームE マイルーム、マイエアー。あ、あの朝の空気だ。

1

2

3

4

5

6

7

82.96

2.28

1.96

3.19

2.85

2.72

2.542.27

3.00

2.69

2.82

2.25

3.12

2.98

2.43

3.05

チームF

1

2

3

4

5

6

7

8

2.42

2.62

2.12

2.81

2.42

2.72

2.62 2.50

3.00

2.69

2.82

2.25

2.38

2.98

2.43

3.05

■各チームのプレゼンテーション内容■

〈レーダーチャートの見方〉

〈期待効果値測定〉各個人が自分のチーム以外の企画提案を評価基準点で評価します。評価点を合計し、平準化して指数を算出します。

*レーダーチャートは過去 10 回の指数の平均値と今期の各チームの指数を比較しています。

色線:今回の評価 グレー線:1~10 期の平均値

1.2.3.4.5.6.7.8.

売り場全体への注目喚起力商品の特徴訴求力売り場内で、銘柄自体を際立たせる力「今が、お買い時」と購買決断させる力ブランドへの好意形成力価格妥当性への納得形成力機能性・品質性への信頼形成力エンタテイメント提供力

第13期PCD養成講座の課題商品は、

「部屋用エアゾール」市場商品。受講

生36名が6チームに分かれ、プロモー

ション・クリエイティブを実践し、プ

レゼンテーションを行った。

 

第13期プロモーショナル・クリエイ

ティブディレクター(PCD)養成講

座は、2月18日、25日、3月4日、11

日の、毎週火曜日、4日間、日本印刷

会館会議室で開催され、16社から36名

の受講生が参加した。

 

初日は、プロモーション・クリエイ

ティブの基礎を受講し、2日目より6

チームに分かれてグループ演習に取り

組んだ。

 

初対面の他社受講生と短時間で打ち

解けて、課題商品の実技演習に入った。

 

表現テーマの設定とキーワードの開

発、キービジュアル案の開発、店内プ

ロモーション施策の開発、プロモーシ

ョン・クリエイティブ提案書作成をこ

なして中間発表にこぎ着けたが、中間

発表では講師からの厳しい企画書の修

正や最初からやり直しの指摘もあっ

た。最終プレゼンテーションでは、全

チームとも直前まで熱心に企画内容を

つめた成果を見せて、力強く説得力あ

る提案が行われた。

 

プロモーショナル・クリエイティブ

ディレクター養成講座は、今回、副題

を「販促クリエイティブ力を創る」と

している。

 

講座内容は、まず①コンセプト開発

に必要な基礎知識を習得し、②ワーク

シートを使ってのコンセプト開発演

習、そして③「キーワード」と「キー

ビジュアル」への展開を考え、受講生

間でプレゼンテーションを行い、講師

の講評を受ける。

 

グループ演習では、プロモーション・

テーマと展開、概要を策定するが、あ

くまでも重点は、「キーワード」「キー

ビジュアル」の開発である。そして、

中間のプレゼンテーションを実施す

る。中間プレゼンテーションに対して

は講師より講評と修正指示がある。

 

そして最終のプロモーション・クリ

エイティブプレゼンテーションに臨む。

 

今期の最終プレゼンテーションを審

査し講評を行った講師は、駒込雅史

氏、木全時彦氏、黒須治氏、吉村寛子

氏。最後に坂井田稲之氏よりプロモー

ション・クリエイティブ評価シートを

使用した各チーム間の客観評価結果の

報告と講評で締め括られた。 上司を招いての最終プレゼンテーション 講師による講評

3 22014.04 JPM Network2014.04 JPM Network

Course

「販促クリエイティブ力を創る」講座

課題は「部屋用エアゾール」市場商品

13第

期PCD養成講座

報告

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PDCA

 

第3回目、第1部の講師は、DNPメディアク

リエイトの渡辺昌之氏(第1クロスメディア制作

本部デザイン制作部第2ルーム

ルーム長)。テー

マは、「内制化への手立て」。

部門で解決、会社で解決

 「内制化の背景には、外注コスト削減、企画制作

ノウハウの保持、個人情報保護、機密情報保持な

どがあります。そこで課題とすることは、「外注

コスト」VS「内制人件費」と、「内制比率」V

S「キャパシティ」です。

 

この背景にある問題は、部門で解決できること

から、会社として解決すべきことまで、あります。

まず、その整理が必要です。「部門で解決できる

問題」としてあるのが、「クリエイティブのクオリ

ティ」、「オペレーションスキル」、「対話力」、「制

作設計力」、「キャパシティ」…で、以下、「会社と

して解決できる問題」として「キャパシティ」、「労

 

2013年の広告費全体が微増(101・4%)

する中、POP広告費が106%の伸びを見せた

(電通調べ)。ネットで店頭に誘引し、売り場で購

買を完結させようとするブランドの戦い方が見え

てくる。プロモーション業界は、ブランドの売り

場競争力、つまり、売り場での見込み客への動機

づけ力への責任を強く意識しなければならない。

 

売り場で《多様な顧客に、多様な動機づけを行

い、ブランドの販売チャンスを拡大する》POP

サイネージ展開を行う場合、その「効果性」を高

める技術と知見を持つ必要がある。その「効果性」

をいかに広告主に提示できるかがポイントとなる。

 

具体的には、動機づけの戦略意図がメッセージ表

現として的確に実現されているか、メッセージが売り

場で確実に発信されているか、さらにどれほど購買

喚起に直結しているかについて応えていかなければ

ならない。もはや、製作物の納品で業務終了とはな

らない。業務全体のプロセスを通じて、広告主に「効

果性」への確信を持ってもらうことが必要となって

きた。つまり、PDCA型の業務推進が求められる。

第1段階〈表現企画〉:「Network

11月号」を参照

務管理」(コンプライアンアス、ガバナンス、労働

時間)、「人材確保」(採用、定着)などが挙げら

れます。

 

これらを同時に、かつ全方位的に解決するのは

かなり難しいことです。では、どこに注力して鍛

えていけば、内制で受注を高められるのか。役割

を整理して考えてみましょう。

内制部隊の役割分担が変わった

 

内制部隊の役割分担として、これまでは、クリ

エイティブ(デザイン、コピー、撮影)と、オペ

レーション(DTP)があるとされてきました。

 

しかし現在、内制の質の変化が起こっています。

多メディア、新技術(WEB、電子書籍、アプリ(=

スマホ・タブレット)、動画、RGBワークフロー

など)への対応、制作設計業務の重要度のアップ、

従来のプリプレス業務の縮小です。

 

この変化によって、内制部隊の役割分担が変わ

 

まず、表現企画段階で「効果性」を高める検討

を行う。基本的な業務の方向づけのために、①多

様なターゲット層の優先順位づけ、②ターゲット

層別の買い方ストーリーの評価、③ターゲット層

別の動機づけマトリクスの評価を行い、表現の意

図を明確にする。

 

プランナー任せではなく、メンバー間での共有

化により広告主への説得力を強化する。 

第2段階〈表現制作〉:「Network

11月号」を参照

 

表現企画の意図が的確に動機づけメッセージ(キ

ーワードやビジュアル、絵コンテ)に反映されて

いるかどうかについて、事前評価を行う。

 

そのため、業務に関わるチームによる評価方法

を検討したい。例えば、「メッセージの購買誘導力」

の観点から、メッセージはターゲットにとって①

鮮度(気づき)があるか、②購買意欲を高める力

があるか、等を評価する。この評価基準を持つこ

とが大切である。

 

また、直接ターゲット層からの評価を検討する。

絵コンテやプレゼンスライドを準備し、面接調査

やグループインタビューによって、予めターゲッ

ト層の反応を確認しておくことは、実際の展開を

効果的に行う上で重要なヒントを与えてくれる。

第3段階〈実施段階〉:「Network3月号」を参照

 

実際の売り場展開として、企画の意図通りにタ

ーゲット層への動機づけが実現できているか、直

接ターゲット層の反応を把握する。以下のような

方法を検討してみたい。

りました。クリエイティブ(デザイン、コピー、

撮影)、オペレーション(DTP、コーディング、

CG、動画編集)、制作設計(クオリティ、スケ

ジュール、コスト)、そして技術開発が求められて

います。

内制化の向かうべき方法

  

では、どう内制化すべきか。クリエイティブ、

オペレーション、制作設計の、3つのフレームで

内制促進のための人材育成の〈向かうべき方向〉を

みます。

〈向かうべき方向〉クリエイティブ

①マーケティング・マインドを持つ(課題発見、解

 

決力=常に「なぜ」を考える)

②納得させるテーマづくりと仕上げ力を鍛える(「納

 

得」→「満足」→「感動」)

③圧倒的プレゼンテーション力を身につける (通

 

す技術)

④飽くなき探究心を絶やさない(ドッグイヤー:

 

気が付くと「あたりまえ」)

〈向かうべき方向〉オペレーション

①スキルシフトを進める(多メディア対応、意識

 

改革=本人の志向の確認は重要)

②高効率化を追求する(自動化(java

の習得)汎

 

用化=日常のデータ作りから「構造化」を意識

 

する)

③構造化の考え方に慣れる(論理的思考)

①買い物体験レポート 

ターゲット層に実際に商

品を購買してもらい、売り場での情報接触、比

較検討ブランド、購入ブランド、ブランド決定

理由などをレポートしてもらう方法。

②買い物観察調査&インタビュー 

売り場でター

ゲット層の購買行動を観察・記録し、購入後に

インタビュー調査を行う。

③買い物プロトコル調査 

ターゲット層に売り場

での実際の買い物を通して、気が付いたこと、

思ったことなどを喋りながら(録音・モニター)

行動してもらい、購買後にインタビューする方法。

 

また、実施店舗からの入手が可能であれば、販

売データ(POSデータ、ID付きPOSデータ)

から、POPサイネージの購買インパクトを把握

する方法も検討したい。さらに、実施店舗が来店

客の反応をどのように見ているか、施策をどう評

価しているかを聴取することも有用な情報となる。

 

POPサイネージ展開の「効果性」を高めるた

めに、企画、制作、実施の各段階において、企画

意図と動機づけメッセージとの整合性を図ること、

直接ターゲット層の反応を評価することが重要と

なる。そのため、売り場に強い、買い物行動に強

い調査機関との連携も必要となってくる。売り場

の競争力に責任を持つプロモーション企業にとっ

て、新たな取り組み課題となるかもしれない。

5 42014.04 JPM Network2014.04 JPM Network

 

前号に続き、「『仕事を創る人』をつくる」講座、

その第3回目の講義のポイントをご紹介する。

渡辺昌之氏

第 

プロモーション・マネジメント研究会

「『仕事を創る人』をつくる」講座〈第3回目〉

「内制化への手立て」と「創るということ」

Course

「内制化への手立て」

渡辺

昌之

(DNPメディアクリエイト)

12 製作物の納品から、「効果性」の納品へと、

仕事を変える

Promotion Method

POPサイネージ⑤売り場展開における効果把握に関するガイドライン

売り場競争力への責任が

大きくなっている?

POPサイネージは「効果性」が決め手

PDCA、効果把握の3段階活用

効果性を高める協働体制づくり

〈サイン委員会〉(つづく)

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〈向かうべき方向〉制作設計

①役割の担い手を明確にする(シナリオを描く重

 

要な役目)

*内制部門とは限らない

②企画と制作、両分野への理解を深める(仕組み

 

を知らなければ、設計はできない)

③クロスメディアを念頭に置く(「メディア」・「ツ

ール」ありきに陥らない=つまり、ここでもマ

ーケティング・マインドが必要。むしろ「設計」

だからこその役目)

何を内制化すべきか

 

では、どこに最も注力すべきか。「クリエイティ

ブ」こそ、鍛えるべき。

○「仕事を取る」決め手は「クリエイティブ」

・得意先の求める価値を直接的に表現できるから

・メディアやツールが変わっても、基本は変わらな

いから

・会社の規模や組織体系によらない勝負ができる

から

○鍛えるべきポイント

・マーケティング・マインド

・テーマづくりと仕上げ力

・圧倒的プレゼン力

・飽くなき探究心

 

この、「クリエイティブを鍛える」ためには、「対

話力」をつけなければなりません。「対話力」とは、

「聞き取れるか」、そして「伝えきれるか」が基本

です。これが、売れる「価値」づくりには必須の

要素だからです。

 「対話力」を養うためには、例えば「ロジカル・

コミュニケーション講座」などを行うのもいいと

思います。

 

そして、「対話力」とともに鍛え上げた「クリ

エイティブ力」を発揮するために、最も必要な観

めに、「外部から常に刺激を受け」、「創造し続け

る集団になること」を目指します。マーケティン

グとアートという異なる視点から宣伝制作につい

て議論する対話会や、先達のテレビ広告作品に関

する研究発表会といったプログラムを通し、多く

の情報に触れることで「気づき」が得られ、それ

らをいかに紡ぎ、「ストーリー」として組み立て、

「デザイン」の力により、どのように資生堂の美

のカタチとしていくのかについて学んでいきま

す。』というものです。

 

また資生堂では、定期的にOBの方などを招い

てお話を聞きます。その名称は「伝承塾」と言っ

ていますが、組織の中に暗黙知(形式値)として

の価値の共有化を図るため、いろいろな講座を設

けています。そこでは主に「美と知のミーム」と

いうテーマでお話をいただいています。「ミーム」

とは、「資生堂の文化遺伝子」です。

 

そのひとつの表れとして、宣伝部入社1年目は

全員、「資生堂書体」を毎日書き、「ミーム」を身

に沁みこませるというようなことをやっています。

しかし一方で、どの時代も常に社内クリエイター

たちは「反資生堂スタイル」を追求し、結果的に

それを飲み込んだものが「資生堂スタイル」とし

て伝承されています。

本物のブランドの8つの条件

また、資生堂には、「本物のブランドの8つの条

件」というのもあります。

①会社やブランドについて歴史や物語がある

②研究と技術の蓄積がある

③高品質で、それにふさわしい価格設定であること

④人から人へ手渡しされるものであること

⑤ブランドのポジショニングを高めるためにマー

 

ケティングに厳しい自己規制を行っていること

点は、「己の強みは何か、どこかを知り、勝つべき

場所で戦う!」ということです。これが、内制化

をすすめていくときのポイントとなります。」

 

第3回目、第2部の講師は、資生堂

流通開発

部店頭施策室

店頭開発グループ参事の天野衣恵

氏。テーマは、「創るということ~その内制化に

ついて」。

「創りだす」ということ

 「『創る』とは何か。商品やブランドの、価値や

イメージを創る場合、資生堂では「常に人の心を

動かす、世の中の空気を動かすコトガラを作りな

さい」と言われています。

 

今回、あらためて「創り出す」ということを考

えてみる機会になりました。それは、「それまで

になかった事柄や価値を初めてつくりだすこと」。

そして『創出』は2つのソウゾウから成り立って

いることに気づかされました。

 

一つは、「想像する」こと。「異質な情報を組み

合わせ、新しい世界観やストーリー、シーンを頭

⑥創業者あるいは経営者の人間性が見えること

⑦伝統を大切にしながらも、絶えざる革新を行う

 

バイタリティがあること

⑧世界的であること

 

資生堂(宣伝部)の中でよく交される言葉は

…「時代、社会に対して向き合っているか。女性

たち(お客さま)のインサイトをついているか。

グローバルな視点を持っているか――左右されな

い価値。

オリジナリティを持っているか――絶

対価値。」です。

 

ここでまとめますと、資生堂の場合、『創る』

ことの内制化とは、インハウスクリエイター(イ

ンハウスデザイナー)として、共有の価値・文化

遺伝子(=資生堂ミーム)を持ち、互いにそれを

厳しく醸成しつつ(伝承と革新)、制作活動を続

けることによって実現している、ということにな

ります。

資生堂の内制スタイル

 (このあと、事例として、主なブランドごとに、

その内制化の実際を紹介し…)

 

マーケティングの様々な、複雑な要望・物事を

整理して方向性を決定し、クリエイティブコンセ

プトを設定し、具体的な表現へ落とし込んでいく

という作業をすべて行っているのが、資生堂の内

制のスタイルになっています。

 

資生堂は、いわゆる『創る人』が組織内に100

名規模で存在する会社です。そこで創り出された

クリエイションがすべて、それまでになかった事

柄や価値を、初めて創り出せているかは疑問で

す。しかし、少なくとも、日々それを意識しなが

ら“生みの苦しみ”の中で葛藤を繰り返し、また

社内において“内制化”している意味も日々問わ

れながらも、一つ一つを創り出し続けています。」

の中に描くこと」。もう一つは、「創造する」こと。

「今までにない新しい価値を生み出すこと。頭の

中のイメージを具体的な形に定着させること」。

 

これらが、事柄や価値を改めて創り出す、「創

る」ということなのだと考えました。

 

もう少し掘り下げてみると、「イメージの世界

からリアルな世界へ視覚化・言葉化する」ことと、

逆に、「リアルな世界からイメージの世界へ誘導

する」という、この「行ったり来たりする」とい

う作業を繰り返すことが、世の中に新しいことを

創り出していくということになると思います。

 

実際には、まず、「創出のためにはコンセプト

を創る」「HOWよりもWHATから」というこ

と。そして、良いコンセプトとは、戦略性がある、

革新性がある、価値観がある、個性がある、共感

性がある、統合性がある、「想い」がある、持続

性がある、世界観がある、ということが必要なの

だと学んできました。

伝承される「資生堂スタイル」

 

資生堂には、「エコール資生堂」という、学ぶ

仕組みが企業の中にあります。ここには、「資生

堂『共育』宣言」というのがあり、それは、想い

が育て、人が育てた資生堂 

魅力ある人があふれ

る会社へ、「美意識」「自立性」「変革力」を高め

る 

共に育ち・育て合う環境づくりをとしています。

 

この学校には、それぞれの学部があり、宣伝制

作部は「宣伝制作学部」に所属しています。

 

学部長は現在、宣伝制作部の担当役員で、『我々

学部のミッションは、「クリエイションパワーを

最大化し、世界のお客さまの感動を呼ぶ創造活動

を通じ、経営へ貢献する」ことです。その実現に

向け、「気づき」「ストーリー」「デザイン」とい

う3つのファクターに注目し、それらの強化のた

7 62014.04 JPM Network2014.04 JPM Network

第 

プロモーション・マネジメント研究会

第 

プロモーション・マネジメント研究会

12

Course

天野衣恵氏

「創るということ~

その内制化について」

天野

衣恵

氏(資生堂)

聞く・考える・創るクリエイティブ会員勉強会開催される

 「クリエイティブ会員勉強会」が、2月26

日(水)に行われた。

 

第一部として、第43回日本プロモーショ

ナル・マーケティング協会展・経済産業大

臣賞受賞のソニーマーケティング「ヘッド

ホン大型試聴展示台」と、金賞受賞作品の

ロクシタンジャポン「AGミストディスプ

レイ」の、企画開発意図、経緯、課題とし

たことなどが、開発・企画制作担当者から

披露された。

 

第二部として、㈱HAKUHOUDO 

DESING代表取締役社長、アートディ

レクターの永井一史氏による特別講演が行

われ、永井氏は、「思いをかたちにする」

を演題に、デザインとは、構想のデザイン、

形のデザインなどについて話し、「思いを

かたちにする力は、もっと活かせる」と語

り、デザインと社会との関係など、クリエ

イティブのヒントが聞ける貴重な講演が行

われた。

 

勉強会の後は、「懇親会・名刺交換会」

として、情報交換・交流の場が設けられた。

「思いをかたちにする」を語った永井一史氏

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■発行人/堀 宏明■広報・JPM Network編集委員会/小林伸行■発行所/一般社団法人 日本プロモーショナル・マーケティング協会

〒104-0041 東京都中央区新富1-16 - 8 日本印刷会館7FTel:03-3523-2505 FAX:03-3523-2508HP: http://www.jpm-inc.jp

2014 4月号 Vol.34

霞富士を遥かに望み、心を和ませる静岡県・日本平の桜。

「こんな仕事を顕彰します」と、点検ポイントを記しているポスター

(秀)

●GPA推進活動の牽引役

 「勝因は、周到なプロセスにあっ

た。」をスローガンに、第1回「G

PAアォード」の企画部門応募

が、3月17日から始まった。「G

PAアォード」はPOP部門と企

画部門で構成されており、POP

部門の応募は6月16日から始まる。

 「GPAアォード」では、応募

各社に「GPA主査」の設置を

お願いしている。それは、「G

PAアォード」の実施目的が、

「Goodwill Prom

otion Alliance

(効果性だけでなく、社会性をも

配慮する販促活動)」の普及にあ

り、その牽引役を「GPA主査」

が担うからだ。

●「新制度」のスタート

 「GPA」の主旨は、「効果性は

もとより、社会性配慮のある販促

活動の普及」にある。具体的に

は、プロモーションの企画制作と

実施の「プロセス」での、①「効

果性」と②「社会価値性」、そし

て③「遵法性」を高めるための、

周到かつ有効な作業の普及である。

 

したがって「GPAアォード」

では、プロモーションの企画から

実施に至る、およそ20の場面にお

ける、「効果・社会価値・遵法」

を高める作業プロセスが審査対象

となる。

 「仕上がり」だけなく、仕上がり

に至る、言わば縁の下の「プロセ

ス」を審査対象としている。一般

には目立ちにくいが、成功を陰で

支える「周到なプロセス」を顕彰

する「アォード」である。

 「GPAアォード」の応募開始

は、効果性と社会価値性のバラン

スのとれた販促活動を推進する

「新制度」のスタートでもある。

●「プロセス点検表」の提出

 「GPAアォード」は、「仕上げ」

を支える企画と実施の「プロセス

の適切さ」を競い合う。

 

それゆえ、「GPAアォード」

の応募に際しては、立案・実施し

たプロモーションが、「効果・社

会価値・遵法」を担保するために、

いかなる作業を行ったかを、「プ

ロセス点検表」の記載項目に即し

記入し、応募する。審査は、この

「プロセス点検表」に基づいて行

表紙(文/AD・イラスト)         多田亮三/髙橋 稔 1第 13 期 PCD 養成講座〈報告〉 2 POP サイネージ⑤ 「製作物の納品から、『効果性』の 納品へと、仕事を変える」 4

「『仕事を創る人』をつくる」講座 (第3回)抄録 5

「GPA アォード」応募開始、他 8

C O N T E N T S

編 集 後 記

われる。「GPAアォード」では、

「プロセス点検表」がポイントと

なる。

●「GPA主査」が推進する

 

以上の活動を、各会員社内で推

進するのが、「GPA主査」だ。

「GPA主査」は、「GPAアォー

ドの応募(窓口)責任者」とし

て、応募を促進する。また、重要

な応募提出書類である「プロセス

点検表」(企画制作担当者が記入)

の記載指導、そして何よりも、会

社を代表して記載内容の「実施確

認」の責任を負う。さらに、「効

果・社会価値・遵法」に基づく「プ

ロモーション・プロセス・マネジ

メント」を働きかけ、その実施監

査も行い、「GPA活動」の社内

浸透を果たす。

 

なお、「GPAアォード」の優

秀作品・企画(金賞・銀賞)は、

秋に行われる「JPM協会展」(今

年は10月8日~10日開催)におい

て発表・展示される。

ご 案 内 平成26年4月1日からの消費税率引き上げに当たり、経済産業省より関係団体に周知協力の要請がありました。 内容は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保に向けた「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」、および「消費税転嫁対策強化月間(3〜4月)実施」についてです。 これに関する詳細が、下記URLに掲載されておりますので、ご確認いただきますようお願いいたします。http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/shouhizeitenkataisaku.htmhttp://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2014/140313shitaukeGL.htmhttp://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2014/140312shouhizei.htm

 首都圏での桜の開花より10日ほど早く、3月17日から「GPAアォード」企画部門の応募が始まりました。スローガンを「勝因は、周到なプロセスにあった。」としていますように、「GPAアォード」は、プロモーションの企画制作段階で、「効果性」「社会価値性」「遵法性」をいかに高めたかを評価するものです。JPM 協会のHPに、応募必要書類をアップロードしています。お読みいただき、「点検表」を記入し、専用メールアドレス〈[email protected]〉にて応募してください。

82014.04 JPM Network

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「GPAアォード」応募開始!

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新制度スタート