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10 技術・家庭科 家庭分野 わたしたちの生活とエネルギー わたしたちは毎日のくらしで 多くのエネルギーを消費し、二 酸化炭素を排出している。 家庭から排出される二酸化炭 素の量は、 1 日で14.4kg-CO 2 である。これは 1 本の杉の木が 1 年間に取り込むことができる 二酸化炭素の量に相当する。 便利で快適な生活は、大量生 産・大量消費・大量廃棄型の社 会でもある。 家庭から出るごみの量は 1 当たり 1 日およそ 1kg である。 その中身には、本来なら不要 なもの、再利用できるもの、リ サイクルできるものも多い。 わたしたち人間社会の活動 は、自然環境や生態系へ大きな 影響を及ぼしている。 世界全体では地球温暖化をは じめとした地球環境問題、身近 な環境では土壌汚染や大気汚染、 河川・海の汚染などが問題とな り、自然界に住む生物にも影響 をあたえている。 家庭の二酸化炭素排出量を減らそう ごみを減らそう 自然環境を守ろう *世帯当たりの二酸化炭素排出量5,270kg-CO2 365 日で割った数値。 植物は光合成により二酸化炭素を 吸収し酸素を出す 雨は植物を育てる 水蒸気が雲になって 雨を降らせる 動物のふんは 微生物などが分解して 植物の栄養分になる 栄養が豊かな土地は 作物を育てる 雨水は地下水や川となり 海へ流れる きれいな川、海は 魚が集まる CO2 CO2 O2 O2 自動車、工場などからCO2大気汚染物質が排出される 家庭や社会から 廃棄物が排出される 1 照明・家電製品などには、電気を使用し、他の 用途に含まれないものが含まれる。 例:照明、冷蔵庫、掃除機、テレビなど。 ※家庭からのCO2排出量は、インベントリの家庭部門、 運輸(旅客)部門の自家用乗用車(家計寄与分)、廃棄 物(一般廃棄物)処理からの排出量、および水道から の排出量を足し合わせたものである。 ※一般廃棄物は非バイオマス起源(プラスチック等)の 焼却によるCO2及び廃棄物処理施設で使用するエネ ルギー起源CO2のうち、生活系ごみ由来分を推計し たものである。 ※四捨五入のため、合計が100%にならない場合があ る。 (出所)日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット家庭原単位マトリックスをもとに、 国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィスが作成 暖房 13.3% 冷房 2.3% 給湯 13.4% キッチン 4.7% 照明・家電製品など 1 37.5% 自動車 23.4% ゴミ 3.1% 水道 2.3% 5,274kg-CO2 (世帯当たり/年) 家庭からの二酸化炭素排出量 2012年度) 3R に、以下の言葉を加え、5R6R などとよぶ場合もある。 リフューズ Refuse【拒否】・・・ いらないものは買わない、もらわない リペア Repair【修理】・・・・・・・・ 修理しながら長く使い続ける リフォーム Reform【改良】・・・ 服などを作り直す  リデュース Reduce【発生抑制】 ごみそのものを減らす リサイクル Recycle【再生利用】 分別回収に出し、再び 資源として利用する リユース Reuse【再使用】 何回も繰り返し使う 3R

3R - 経済産業省・資源エネルギー庁 · 10 家庭分野 二わたしたちの生活とエネルギー 技術・家庭科 家庭分野 わたしたちの生活とエネルギー

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家庭分野

わたしたちの生活とエネルギー

技術・家庭科家庭分野 わたしたちの生活とエネルギー

 わたしたちは毎日のくらしで多くのエネルギーを消費し、二酸化炭素を排出している。 家庭から排出される二酸化炭素の量は、1日で14.4kg-CO2

である。これは1本の杉の木が1年間に取り込むことができる二酸化炭素の量に相当する。

 便利で快適な生活は、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会でもある。 家庭から出るごみの量は1人当たり1日およそ1kgである。 その中身には、本来なら不要なもの、再利用できるもの、リサイクルできるものも多い。

  わたしたち人間社会の活動は、自然環境や生態系へ大きな影響を及ぼしている。 世界全体では地球温暖化をはじめとした地球環境問題、身近な環境では土壌汚染や大気汚染、河川・海の汚染などが問題となり、自然界に住む生物にも影響をあたえている。

◆家庭の二酸化炭素排出量を減らそう

◆ごみを減らそう

◆自然環境を守ろう

*世帯当たりの二酸化炭素排出量5,270kg-CO2を 365日で割った数値。

植物は光合成により二酸化炭素を吸収し酸素を出す

雨は植物を育てる

水蒸気が雲になって雨を降らせる

動物のふんは微生物などが分解して植物の栄養分になる

栄養が豊かな土地は作物を育てる

雨水は地下水や川となり海へ流れる

きれいな川、海は魚が集まる

CO2

O2

CO2

O2

O2

O2

➡ ➡

自動車、工場などからCO2や大気汚染物質が排出される

家庭や社会から廃棄物が排出される

※1  照明・家電製品などには、電気を使用し、他の   用途に含まれないものが含まれる。   例:照明、冷蔵庫、掃除機、テレビなど。※家庭からのCO2排出量は、インベントリの家庭部門、 運輸(旅客)部門の自家用乗用車(家計寄与分)、廃棄 物(一般廃棄物)処理からの排出量、および水道から の排出量を足し合わせたものである。※一般廃棄物は非バイオマス起源(プラスチック等)の 焼却によるCO2及び廃棄物処理施設で使用するエネ ルギー起源CO2のうち、生活系ごみ由来分を推計し たものである。※四捨五入のため、合計が100%にならない場合があ る。

(出所)日本エネルギー経済研究所 計量分析ユニット家庭原単位マトリックスをもとに、国立環境研究所温室効果ガスインベントリオフィスが作成

暖房13.3% 冷房

2.3%

給湯13.4%

キッチン4.7%

照明・家電製品など※1

37.5%

自動車23.4%

ゴミ 3.1%水道 2.3%

約5,274kg-CO2

(世帯当たり/年)

●家庭からの二酸化炭素排出量(2012年度)

3Rに、以下の言葉を加え、5R、6Rなどとよぶ場合もある。リフューズ(Refuse)【拒否】・・・いらないものは買わない、もらわないリペア(Repair)【修理】・・・・・・・・修理しながら長く使い続けるリフォーム(Reform)【改良】・・・服などを作り直す 

リユース(Reuse)【再使用】

何回も繰り返し使う

リデュース(Reduce)【発生抑制】

ごみそのものを減らす

リサイクル(Recycle)【再生利用】

分別回収に出し、再び資源として利用する

リユース(Reuse)【再使用】

何回も繰り返し使う

3R

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家庭分野

わたしたちの生活とエネルギー

関連するページ

「グリーンコンシューマー」の視点で、商品やサービスを購入しよう。

実践しよう

○食糧自給率とフード・マイレージ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.4○家庭で使われているエネルギー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.8○地球環境問題とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.24~25○発電方法別の二酸化炭素排出量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.33○ものづくりとエネルギー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P.38

◎家庭分野: ・わたしたちの消費生活と環境

◎その他の教科: ・理科3年…自然と人間(持続可能な社会をめざして) ・技術分野…材料と加工に関する技術

☆人がいない場所の電気は消そう

☆エアコンの温度はこまめに 設定しよう

☆近くに出かけるときは歩いて 行くか、自転車で行こう

☆シャワーや水道の水を 出しっぱなしにしないようにしよう

☆省エネタイプの製品を選ぼう

わたしたちにできる低炭素スタイル

☆買う前に本当に必要か考えよう

☆買い物に行くときは マイバッグを持って行こう

☆飲み物はマイボトルを用意しよう

☆ごみを出さない工夫をしよう

☆ごみは分別して出そう

☆リサイクル商品を選ぼう

わたしたちにできる循環スタイル

☆地元で採れた旬のものを食べよう

☆自然や生きものにふれ、 大切にしよう

☆自然保護活動などに参加しよう

☆環境負荷の低い商品を選ぼう

わたしたちにできる自然共生スタイル

 わたしたちの毎日の生活は、必要以上にエネルギーや資源を消費しており、環境問題が深刻化している。そのため、問題の解決を図りつつ、将来

にわたって経済成長を持続し、環境と調和のとれた「持続可能な社会」を作っていくのが課題となっている。

◆持続可能な社会をめざして

 「深刻化する環境問題」、「浪費による資源の枯渇」、「自然環境・生態系の危機」に対しては、「低炭素社会」、「循環型社会」、「自然共生社会」の実現がそれぞれ求められている。 また、これらの社会をめざすことが、持続可能な社会に近づく第一歩である。

深刻化する環境問題 浪費による資源の枯渇 自然環境・生態系の危機

自然共生社会自然の恵みを未来に受けついでいく

循環型社会3R活動で資源を循環させる

低炭素社会温室効果ガスの排出を大幅に減らす

持続可能な社会

環境にやさしいライフスタイルを実践する消費者のことをグリーンコンシューマーという。