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IoTにおけるソフトウェアの重要性と今後の課題 Software から Soft Wealth 国立研究法人産業技術総合研究所 情報・人間工学領域 上席イノベーションコーディネータ 人工知能研究センター 連携チーム長 杉村領一 Roy Sugimura

ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

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IoTにおけるソフトウェアの重要性と今後の課題 Software から Soft Wealth へ

国立研究法人産業技術総合研究所 情報・人間工学領域 上席イノベーションコーディネータ

人工知能研究センター 連携チーム長 杉村領一

Roy Sugimura

Page 2: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

1980年:松下電器産業㈱【現パナソニック】入社 中央研究所配属(大阪)

1984年:新世代コンピュータ技術開発機構出向(ICOT)(東京)

1989年:松下電器産業 情報通信関西研究所 (大阪)

1999年:Panasonic OWL社長 (Scotland)

2001年:モバイルネットワーク研究所所長(川崎)

2003年:パナソニックモバイルコミュニケーションズ(株) (横浜) モバイル開発センター所長

2007年:ESTEEMO副社長 (川崎)

2009年:LiMo Foundation(財務担当) (Delaware USA & London UK)

2012年:株式会社NTTドコモ入社 (東京) マーケティング部 戦略アライアンス担当。

2013年2月: Tizen Association Chairman (~2015年3月)(SF, USA)

2013年7月:プロダクト部技術企画 翌年よりプロダクトイノベーション担当

2014年7月:プロダクト部2015年5月:FIDO Alliance, Chairman of D&S WG (~2016年3月)

2016年4月:国立研究法人産業技術総合研究所 人間・情報領域 上席イノベーションコーディネータ 人工知能研究センター連携T長

杉村 領一

ス ギ ム ラ リ ョ ウ イ チ

Roy Sugimura

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自由文、逐次変換 かな漢字変換

文章CAD

文章構造データ記述マークアップ言語+

インタプリタ(Browser)

SAX (並列ボトムアップ型トップダウン予測利用構文解析)

LAX (並列形態素解析)

Language Tool Box (Open Source 走り)

DUALS II, III Constraint Propagation,

Satisfaction, Type 0 Rule for Japanese Structure

コンパイラ方式 英⇔日機械翻訳システム

翻訳ルール、辞書 記述言語+ コンパイラ

Digital Audio Broadcasting

Eureka 147 HTML

BIB

SD-Card

BS-Digital Authoring

MHEG for DTV in UK

IPV6

MEMS

UWB

Agent

3G Phone on Linux PF

LIMO New OSS License

Tizen

1980 1990 2000 2004

日本語ワープロ

第5世代コンピュータ

ワークステーション 単体

ホスト・X端末接続

デジタル相互接続

2015

オープンソース

Copyright© 2015 NTT DOCOMO, INC. All Rights Reserved.

デジタルTV

MEI

MEI

ICOT

ICOT

ICOT

MEI

PEL

POWL

MRIT & PARL

MEI&PMC

P & DOCOMO

ルールベースAI

主な成果

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MOAP

LIPS

Qt

Maemo

Moblin

Android

iPhone

WindowsPhone7

RIM

Symbian Foundation設立

Google主導 Mobile Platform

Apple主導 Mobile Platform

Microsoft主導 Mobile Platform

Samsung 独自の プラットフォーム

2008/July

2010/Feb

2012/Jan

2007/Nov

2007/Jun

2010/Feb

2007/Jan

2008/Jun

NOKIA推進の GUIミドルSW、PC上で実績

NOKIA推進のLinux PF

Intel推進のLinux PF

Linux携帯電話 アプリ標準化

ビジネスユースで特に欧米市場で拡大

Nokia離脱

Nokia判断

2011/Mar Symbian Foundation解散

2011/Feb

Nokiaの参画

FirefoxOS

UbuntuTouch

TizenProject/ TizenAssociation 主導 Mobile Platform

激変する携帯PFの世界での戦歴

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はじめに

『Wealthを生み出すのは 知能(Intelligence)であり、そして、計算処理可能な知能は人工知能(Artificial Intelligence, AI) と呼ばれ、DATAとアルゴリズム{Sort, Tree-search, 定理証明, 畳み込みNN、深層学習、等}から構成される。

知を生み出す為には、知を生み出す源泉である特有アルゴリズムを扱える必要がある。

そして、データの入手と蓄積への、戦略的な施策が必要である。

これら、データ獲得戦略と、知的アルゴリズム戦略が、Wealthを生む。』

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知能

1. 富は、知能により得られる

2. 知能 = 自然知能 + 人工知能

自然知能

自然知能 人工知能

3. 人工知能 = データ + アルゴリズム

α

SoftWealth

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Soft Wealth:定義

SoftWealth = “Software” + “Data”+ α

“Software” ≠ 従来のSoftware

“Software” = “Data”を活かす新しいアルゴリズム(Data Analytics, AI Algorithm)

“Data” = 目的を持って観測し、取得される膨大な種類と数を持つ、計算機処理可能なデータ

• Data Analytics の専門家の数は、日米対比で恐らく数百倍はある。 • AI研究者の多くがOTT へ流れており、予算、人、について桁違いの差が拡がっている • “DATA” は数社による寡占的状態になりつつある。 7

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コンピュータ・ソフトウェアの歴史 • ~1945年:ペンシルヴェニア大電気工学科(通称:ムーアスクール)にて、

エニアックを設計。「プログラム」するという言葉が使われだす。 • 1945年6月30日:エドバックに関する報告書のファーストドラフト by フォ

ン・ノイマン→ フォン・ノイマンアーキテクチャーの由来

• 1945年9月:エッカートとモークリーのメモ「命令と数値データは同じ記憶装置の中に記憶される」

• 1946年:Electronic Control Company 設立 by エッカート & モークリー • 1951年3月31日:レミントン・ランド エッカート=モークリー事業部が、ユ

ニバック第一号機を米国国政調査局へ引き渡し。プログラム内蔵式の大型コンピュータの発商用化。パンチカードに替わり、磁気テープを採用。

• 1952年5月:プログラム内蔵式コンピュータIBM701発表。 • 1953年初頭:IBM701 ロスアラモス核兵器研究所へ出荷 • 1953年4月:ユニバック五号機が、ローレンスリバモア研究所へ配置され

る。 • 1954年:レミントン・ランド ERA1103を国家航空指紋委員会へ出荷:磁気

コア採用。 • 1954年:GEがユニバックをビジネス利用に採用。民間企業としては最初 • 1964年:IBM360シリーズ発売

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https://www.google.co.jp/search?q=language+tree&client=ubuntu&hs=jRv&channel=fs&hl=ja&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwi8vI6rp8zOAhULl5QKHYfVArcQ_AUICCgB&biw=1229&bih=672#channel=fs&hl=ja&tbm=isch&q=Computer+language+tree&imgdii=gK2jr1d841uWJM%3A%3BgK2jr1d841uWJM%3A%3BV_uijsBBllaiYM%3A&imgrc=gK2jr1d841uWJM%3A

プログラミング言語の 歴史

Prolog

ー計算言語を中心とした エコシステムー

一度、エコシステムが立ち上がると 多くの資産が世界中で共有され、

変化の激しいIT業界であろうが、 簡単には、その存在は消えない

今ではあり得ませんが、1987年に私は John Backus と Stanford 大CSLIの研究 会で同席し、彼に「君の専門は何?」て 聞いたしまった事があります。彼は、 Denotational Semanticsだよ!と気楽に 答えてくれました。まさか、BNF のバッカス とは露知らず。

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ソフトウェアに対する様々な視点 - 私の経験から -

• ハード屋:ハードの物理性能のバラつきを最後に隠す付属物=ソフトウェアプログラム

• 組み込みソフト:ハード設計に最後に帳尻を合わせるべき、やたらと金のかかる、付属品=ソフトウェアプログラム – 反省点1:ハード仕様変更の嵐

• → ハードの不具合もソフトウェアの責任だ。何とかしろ! • → アプリなどのユーザ視点設計の欠落。

– 反省点2:重複開発の山 • → 大量丸投げ → 1 line / ¥10K ?

• 機能・性能・品質・納期さえ守ってくれれば、労賃の安いところで作れば済む物=ソフトウェアプログラム – 反省点:顧客に面した機能、性能の設計能力の空洞化

望むらくは、ハード設計を含めて、事業活動全体を ソフトウェア(プログラム+データ)として捉える視点が必要 11

Page 12: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Software - 最新の位置づけ(例)

• Software industries are eating tech industries.

• Open source is eating the software industries.

Jim Zemlin, the ED of Linux Foundation

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背景 2

この10年の変化

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背景: 三桁の飛躍 103

• 計算機チップセット性能

• ソフトウェアのサイズ

• データ転送速度

• データ流量の総量

• 人が文字を読む総時間

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初代CPU「4004」×340,000 = 最新CPU「Core i7-3960X」

http://gigazine.net/news/20111117_corei7-3960x/

計算機チップセット性能の飛躍

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• 組み込みソフトのソフトウェアクライシス

– 2004: 64MB/ROM, 64MB/RAM (世界初の高級OSLINUXに搭載され第三世代携帯電話)

– 2013: 64GB/ROM, 2GB/RAM • 携帯で、急激な機能・性能の伸長が発生。もはやパソコンと変わらないスペックへ。

2004 2013

1000倍の伸び

•ソフトウェアの爆発的増大と •メモリー容量の爆発的増大

三桁の増加 103

ソフトウェアサイズの飛躍

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1,600倍(64K→100M)/15年

1,600倍(64K→100M)/15年

2000年 1985年

(bps)

電話

ADSL (1.5M~)

CATV (30M~)

ISDN (64K)

PHS (64K) 1M

30M

100M

1G

3.5G携帯 (7.2M)

2010年~

4G携帯 (1G)

FTTH (1G)

WiMAX (40M)

3.9G携帯[LTE]

(100M)

移動通信

FTTH (100M)

固定通信

3G携帯 (384K)

通信速度

動画配信 音楽配信 音声 メール (テキスト)

画像 (写メール)

サービス

相互作用

携帯サービスは、概ね固定の2年遅れで追従

携帯電話、固定回線とも通信速度は15年で約1,600倍まで向上。

携帯電話でもブロードバンド前提のサービスの提供が現実的に。

ピーク時速度は暫定値であり、算出方法などにより、今後、変更となる場合があります。

NOW

Cubic Growth 103

Qubic Leap 2 通信速度 Data Transfer Speed Leap

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情報の伝搬速度 • 縄文時代:500メートル/年

• 文字が使われていない

• 人・馬・伝書バト等による時代: 10キロ~100キロ:高価 • Analogue Symbol on Physical Media • 文字が物理的媒体に係れる

• 電信・テレックスの時代:1000キロ:一般人利用 でも効果

• Analogue Symbol on Electric Media • 文字が、コードへ変換され伝送される

• 電話の時代:全地球規模:一般利用 それでも高価

• Analogue Symbol to Digital Symbol on Electric Media • 文字、音声がコードへ変換され伝送される

• インターネットの時代:全地球規模:一般利用 安価

• Digital Symbol on Electric Media • 文字、音声、画像、動画、プログラム、価値そのものが

伝送される 19

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インターネット接続デバイス数の急増 データ量の急峻な増大

出典:http://www.huffingtonpost.jp/toru-saito/2014-smartphone_b_4616714.html

2014年 スマホは13億台 PC の3倍

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Page 21: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Copyright© 2015 NTT DOCOMO, INC. All Rights Reserved. 出典: http://www.beechamresearch.com/article.aspx?id=4

そして,全ては繋がり出す IoT デバイスは、携帯端末の数を簡単に上回り、 そして、多種多様なデバイスがつながる

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文字離れ?

• 一人が読む文字数は、1980年に比べ、2015年では、その量が3倍になっている。 – 出典:「インターネットの次に来るもの」ケビン・ケリー著

• 原因:

– SNS: Line, FB, Linkedin, E-News

– Mails:

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103の変化:まとめ

• 超多種、膨大な量のデータが、リアルタイムで、インターネット上を駆け巡る時代。

• 道具として、計算機による処理(High Performance Computing + Analytics Software including AI tools) を用いなければ、所望の結果を得にくい環境になって来ている。

• インターネット上を駆け巡るデータの内、グローバルに個人の動き全体を把握出来ているのは、少数の会社のみ。地図データについても、同様な状態になりつつある。 23

Page 24: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

IoT、Big Data どう有効に使うか?

- Data Analytics -

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大量のデータがある → 相関が分かる(場合もある)

• インフルエンザの流行予測:by Google

「検索キィワードの頻度上昇」×「インフルエンザ流行」 (協調フィルタリング in Data Mining Technologies)

• 体温計を買う人は、解熱剤を買う

• オムツを買う人は、ビールを買う

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多くの分析手法

• 説明・発見的データ分析 – 可視化 – アソシエーション分析 – クラスタリング

• レコード間距離、階層的クラスタリング、k平均法

• 予測的データ分析 – 分類・回帰・モデル選択・フィッティング – 統計的機械学習 – 時系列解析

• 指示的データ分析 – 最適化 – 実験計画

データサイエンティスト、アナリストの育成は、米国に大きく立ち遅れている グローバル規模でのデータ集積は、OTT以外は出来ていない。 26

Page 27: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

論理的な視点の必要性

• 演繹: where ∀x human(x)→ die(x) – human(b), then die(b)

• 帰納: human(a) → die(a), … , human(z)→ die(z) therefore ∀x human(x) → die (x)

• アブダクション – where∀ human(x) → die(x), die(a), then human(a) – But, ∀ dog(x) → die(x) ∧ die(a), then dog (a)

• 風邪薬が売れる地域(X) → インフルエンザが流行(X) ? • 風邪薬が特売された地域(X) → 風邪薬が売れる地域(X)

→ インフルエンザが流行(X) • Where 寝坊した(a) → 遅刻する(a) が繰り返される

遅刻する(a) then 寝坊した(a) (に違いない!) 実は、電車が止まって来れなかったのかも知れません。

論理的な視点が、社内教育で導入されている企業はどれくらいあるのか? データを利用する素地は、本当に育てられているのか? 27

Page 28: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

余りに鈍感になっていないか? • 票を金で買う選挙の実態(Analytics ) • 9/11 をイラクと強引に結び付けた実態

いまや西洋世界は〈右翼と左翼〉ではなく、〈狂気と正気〉に分断されている。民主主義や市場経済といった近代社会の礎が危うくなってきている。状況を打開するためには、〈啓蒙思想〉の再起動が必要だ――旧来の啓蒙思

想の行き詰まりを保守主義の再評価や認知科学・行動経済学などへの参照を通して反省し、理性と直感、知と情を束ねる新たな世界観を提示する。気鋭の哲学者の渾身の1冊。

イラク戦争を強行した“傲慢さ” 京都議定書を批准できなかった“愚かさ” 大衆心理を操作してしまう“危うさ”

人間の心にある「恐怖心」を巧みに操ることにより、理性を失った大国の民主主義は今、危機に瀕している。全世界の将来、地球環境の未来はわたしたちの決断と行動にかかっていることを強く訴え続けるアル・ゴア、渾身の話題作。(Amazon 書評より)

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Page 29: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Example: 摂氏から華氏への変換 – 演繹的システム構築

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public class C2F { public static void main(String[] args) {

java.util.Scanner sc = new java.util.Scanner(System.in); double c = sc.nextDouble(); double f = 1.8 * c + 32.0; System.out.println("F = " + f); sc.close();

} }

入力: C 出力: F ただし、FはCを華氏で表したもの

仕様

実装

F = 1.8 * C + 32 モデル

出典:PFN:丸山宏氏 機会学習利用促進勉強会資料より

Page 30: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

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訓練データ

帰納的システム構築法(機械学習)では…

出典:PFN:丸山宏氏 機会学習利用促進勉強会資料より

Page 31: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

機械学習で得られるもの = 学習済みモデル

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モデル(数式の形): y = A*x + B

パラメタの値: A = 1.82 B = 31.97

+

“学習済みモデル”

出典:PFN:丸山宏氏 機会学習利用促進勉強会資料より

Page 32: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

機械学習における、モデル選択の重要性

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過学習に陥らずに、適切なモデルを選ぶには?

この訓練データをよく再現するモ

デルは?

パラメタが多すぎると過学習に

出典:PFN:丸山宏氏 機会学習利用促進勉強会資料より

Page 33: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

大局:大きな流れ:Significant Trend

• Physical Media → Digital Media → Mass Digital Data → Mass/Variety Real-time Data – レコード → CD → Down Loadable → Stream – 本 → e-book (Kindle) → Pages – 月次計測(電力)→スマートメータ(Real-time) – 月次決済 → 即時決済 – 交通情報(ヘリ情報) → リアルタイム(実データ) – 各種センサデータ、監視カメラ映像、

• Mass to Personalize – 検索、Recommendation, Personalized recommendation – Precision Medicine

• Multi-national to Global – 国内エコシステム(i-mode) → グローバルエコシステム – 国内決済→ Multi-national 決済→ Global 決済

• Separate Functionality to Smooth Synergy – アプリ・データ連携 → Context 連携

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Page 34: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Significant Trend 2

• Sharing: 共有:

– Creative Commons: 新しい著作権

– Digg:ソーシャルニュースサイト

– StumbleUpon:BMS+SNS

– Reddit:Social News サイト

– Tumblr:メディアミックスブログサービス

• PF化:サービス創造・提供の場:エコシステム

– Software PF: Mobile, PC → Device Agnostics

• Apple(Mac, i-phone), Google (GMS,Chrome), Tizen

– Service PF: FB, Twitter, → Sharing apps 34

Page 35: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Significant Trend 3

• 所有→利用(アクセス):

– 記号消費へ:Baudrillard, Jean

例えば、

– Intel v.s. Qualcomm, ARM, etc.

– タクシー会社 v.s.

– フェイスブック v.s. メディア制作会社

– AirBnB v.s. 民宿・ホテル

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Page 36: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

人工知能

Artificial Intelligence (Augmented Intelligence)

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Page 37: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

AIで何が起きたか?

• AIが人を負かした「アルファ碁」「ワトソン」 – 過去、人工物:Artifacts が人間を負かせた例は多々ある。

古くは梃子、蒸気機関、電気、車、計算機。特に、珍しいわけでは無い。

– ただ、一旦、人間を凌駕する道具が出来てしまえば、これを使うべき状況で、使うか使わないかは、雲泥の差となる。

• そもそも、IoT で得られるデータ量は、質、量共に、人間が扱える量、複雑さをはるかに超えてる。AIでは、更に、今取れていないデータも、計算対象とする可能性を持っている

• IoTの時代、Big Data から得られる・得るべき知見を、MECE に分析・予測するには、Analytics に加え、AI の成果も使うのが、当たり前となって行く

37

Page 38: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Inception of Deep Learning Technology Trend

DNNにおいて、特長量設計の自動化 + 自己符号化(Auto-Encoding) 38

Page 40: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

人工知能を支える3つの技術要素 ~深層学習(ディープラーニング)を例に~

新しい学習 アルゴリズム

ハイパフォーマンス コンピューティング

大規模な データ

・近年の人工知能の進展には、コンピュータの性能向上と大規模な学習用データの蓄積が大きく寄与。

・現在、深層学習が実現できているのは、コンピュータの性能向上及び大規模な学習用データの蓄積によるところ大。(第二次ブームでは、ニューラルネットワークの実現にコンピュータの性能及び学習用データが不足。)

巨大ネットビジネスの発達と、センシング技術の発達で、常時膨大なデータが発生

深層学習(ディープラーニング)の発達により、新たに知能を実現する学習アルゴリズムが急速に発展

現在のハイエンドサーバ(数百万円)は、一昔前のスーパーコンピュータ(数十億円)並みの高性能

AIRC説明資料より

Page 41: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

41

機械学習 シミュレーション

知識・オントロジー

認識

モデリング

行動計画

実世界に埋め込まれる人工知能

センシング 行動

推論

実世界 実世界

データの獲得と認識 行動の実行と制御

AI x IoT AI x Robot

人工知能計算機 半導体技術

AIRC説明資料より

Page 42: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

AI技術の体系 -モデリング-

応用

アルゴリズム

人手 ⇒

データから

の学習

特徴抽出

(

重要な潜在変数を

どう抽出するか)

知識表現

(

入出力の関係性を

どう表現するか)

特徴量の設計は人手を要する難しい課題 → 深層学習で多数の入力変数を そのまま処理できるように 画像特徴量:HLAC, SIFT, SURF 等

動画特徴量:CHLAC 等

人手の減少

データからの 学習量の増加

画像、動画 認識

1y

2y

jy

ky

1x

2x

ix

Mx

・・・

多層ニューラルネットワーク

深層ニューラル ネットワーク (特徴表現学習)

深層ベイジアンネット (解釈しやすい 特徴表現学習)

関数モデル

確率分布モデル

A C D

B

)(AP

)(BP ),|( BACP )|( CDP

ベイジアンネット

深層強化学習

データ(入力)

データ(出力)

アルゴリズム

(戦略、スキル等 メタレベルの学習)

If・・・, then・・・.

エキスパートシステム プロダクションシステム

パーセプトロン

(人間の脳を真似た パターン認識装置)

(人手でルールを記述)

1958 1980年代 2000 2010 2020

第一次AIブーム (探索)(ニューロ)

第二次AIブーム (知識・推論)(多層ニューロ)

第三次AIブーム (機械学習、ディープラーニング) 「実世界に埋め込まれる人工知能」へ

医療 (静止画、ゲノム、 エピゲノム等)

自動運転 (一般物体認識、 動画認識)

顔認識

文書分類 翻訳

ルールの記述・メンテは人手を要して大変 → 特徴量設計+機械学習でデータから獲得できるように

サポートベクトルマシン

行動予測

データ

AIRC説明資料より

Page 43: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

認識

行動 計画 制御

言語 理解

人工知能技術の進展

複雑な 実世界

医用画像診断支援 インフラ診断支援 衛星画像理解 セキュリティ サイバーセキュリティ

深層学習 (ディープ ラーニング)

特徴量の 抽出

簡単な 実世界

組み立てロボット 自律移動ロボット 自動運転車 農業ロボット 家事ロボット 社会システム最適化

対話システム 翻訳システム 科学研究支援 人間用教材 からの学習

手書き数字 認識

一般物体 認識

機械学習 データ から学習

手書きの プログラム ルール

おもちゃ の世界

チェス 将棋 囲碁

一般物体 操作

棒立て 自転車

機械的な 動き

①「AI×ものづくり」による人手不足解消と生産性向上、②研究開発・イノベーション促進、 ③新機能による新産業の創出など、今後のAIの社会実装への持続的な貢献が期待

実世界に埋め込まれる知能 積み木の世界の知能

意味解析 形態素解析 構文解析

3目並べ

ゲーム

技術 課題

より複雑な実世界 (人間に迫る)

顔認識

適用分野

柔軟物 操作

意味理解 (シンボル・グラ ウンディング)

約15年前 現在 約15年後?

43

AIRC説明資料より

Page 44: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

44 出典: 産業構造審議会分散戦略WG http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shojo/johokeizai/bunsan_senryaku_wg/pdf/006_02_00.pdf

Page 45: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

深層学習の新たな地平

生データ 深層学習 学習済データA

学習済データF

転移学習 学習済データAF

何週間も 何か月も

学習にかかる

新しい市場とエコシステム

新たなビジネスチャンス 45

Page 46: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

様々な情報を一元的に持つ地図の作成 (3D情報、社会参加情報、事故情報)

神戸市、昭島市、長崎で施設内・屋外の3Dデータを取得。

これまでの道路の3Dスキャンとは異なり、歩行者の安全性を配慮可能(段差など)な精度で取得。

インシデントデータなどを蓄積する予定。

地域情報、環境情報、事故情報を用いた高齢者支援のためのAI研究に用いるDBを作成。

46

神戸

AIRC説明資料より

Page 47: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

様々な情報を一元的に持つ地図の作成 (3D情報、社会参加情報、事故情報)

47 AIRC説明資料より

Page 48: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

3D 地図:

• AIRC:様々な情報を一元的に持つ地図の作成

• Google: Project TANGO

– Lenovo Device: September/2016

– 4つのカメラ

• 16メガピクセル (PDAF)の背面カメラ

• Tango用深度センサー

• Tango用モーション・トラッキング

• 8メガピクセルの前面カメラ

48

Page 49: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Project TANGO - 可能性とリスク -

• 屋内のナビが3Dで可能になったら何が良いの?

• レストラン: – 顧客はどの場所を予約したのか、どんな環境(テーブルセッティング、椅子、照明、景色、etc. )で食事

が出来るのかが、事前に確認できる。

– 店は導入しないと、客足が遠のく

– G は、誰が、どのレストランを見たのか、履歴を取れる

– G はその後、位置情報とマッチングして、本当に利用したかもわかる(g)

• 小売店、スーパー、量販店、デパート – 顧客は何処に何が配置されているか、事前に分かる。

– 店が毎日アップデートすれば、顧客は迷わず買い物ができる。

– 店は導入しないと、客足が遠のく

– G は、誰が、どのコーナーを見たのか、履歴が取れる

• ホテル・宿 – 顧客はどんな部屋か事前にチェックできて安心

• Reverse matching

– 例え、GPSが届かなくても、大規模施設内の何処に自分がいるか、写真を取れば分かる

• リスク

– Gが顧客の動きを、更に得る可能性 49

Page 50: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

大局:大きな流れ:Significant Trend

• Physical Media → Digital Media → Mass Digital Data → Mass/Variety Real-time Data – レコード → CD → Down Loadable → Stream – 本 → e-book (Kindle) → Pages – 月次計測(電力)→スマートメータ(Real-time) – 月次決済 → 即時決済 – 交通情報(ヘリ情報) → リアルタイム(実データ)

• Mass to Personalize – 検索、Recommendation, Personalized recommendation – Precision Medicine

• Multi-national to Global – 国内エコシステム(i-mode) → グローバルエコシステム – 国内決済→ Multi-national 決済→ Global 決済

• Separate Functionality to Smooth Synergy – アプリ・データ連携 → +Context 連携

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Page 51: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

顧客データ

• お客様を深く知りビジネスを有利に運ぶ為に測る

• アンケートから、行動履歴、消費履歴など多種多様

• 個人データの扱いについては、欧州で新たな動き

– European Act:施行 2018年

• 課題:OTT はグローバルにデータを取っているが、

他の企業は、量は多いがローカルなデータ取得に留まっている

– この傾向は、加速度的に増しており、近い将来ほとんどの個人データはOTTの覇権の元に置かれる可能性大

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Page 52: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Data Analyticsの頭痛

• そもそも、データが取られていない

• データが取られていても、抜け、間違い、など信頼性が低い

• 信頼性のあるデータがあっても、「何のための」データなのか考えられていない

• 何のためのデータなのか明確であっても、数が少ない

• 数多くの目的の明確なデータセットがあっても、分析する人間が育っていない

• 分析する人間は、現場でないと育ちにくい

• データが取られている現場が少ない上に、教育のできる人間が希少

AIRCでは、相互啓蒙等を目指したコンソーシアムを運営しています 52

Page 53: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

大局:大きな流れ:Significant Trend

• Physical Media → Digital Media → Mass Digital Data → Mass/Variety Real-time Data – レコード → CD → Down Loadable → Stream – 本 → e-book (Kindle) → Pages – 月次計測(電力)→スマートメータ(Real-time) – 月次決済 → 即時決済 – 交通情報(ヘリ情報) → リアルタイム(実データ)

• Mass to Personalize – 検索、Recommendation, Personalized recommendation – Precision Medicine

• Multi-national to Global – 国内エコシステム(i-mode) → グローバルエコシステム – 国内決済→ Multi-national 決済→ Global 決済

• Separate Functionality to Smooth Synergy – アプリ・データ連携 → +Context 連携

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Page 54: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

常にグローバルに考えざるを得ない時代 From Multinational to Global

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Page 55: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Community の力の増大

• Global Industry Eco-system の存在が競争力維持には必須の時代

• オープンソースは、Free だから利用するのではない。最も先進的かつ高品質だから、関係を持って利用し、コミュニティーへ貢献することが、正しい付き合い方になっている。

• ただし、Global Industry Eco-system は、それぞれに法的、技術的な特徴があり、十把一絡げの理解は危険。

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Page 56: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

IoT グローバル標準化競争

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Page 58: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

FIDO Alliance

• Board Members: Aetna, Alibaba Group, American Express, ARM, Bank of America, Bccard, CrucialTec, Daon, Egis, FEITIAN, Google, Infineon, ING, Intel, Lenovo, MasterCard, Microsoft, Nok Nok LABS, NTT DOCOMO, NXP, Oberthur Technologies, PayPal, Qualcomm, RSA, Samsung, Synaptics, USAA, VASCO, VISA, yubico

• 新しい生体認証の標準作り

IoT グローバル標準化競争

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Page 59: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Community is rising !

• “… organizations, in all the sectors, function best as communities of human beings, not collections of human resources.”

– From “Rebalancing Society: Radical Renewal Beyond Left, Right, and Centre”, Berrett-Koehler Pub, Henry Mintzberg, January 2015, pp.35

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Page 60: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

コミュニティー運営のツボ - 私自身の経験(Limo, Tizen, & FIDO) から -

• 互いに深い信頼関係で結ばれた、運営チームを作り、維持することに全力を注ぐこと。

• ボトムアップな活動を、常に運営チームが見届け、称賛して、元気付ける

• コミュニティーの人全てが、公平、透明なカルチャーによってコミュニティーへ貢献できるよう、励ます。

• 慈悲深き独裁者の存在理由を理解する文化を醸成する。

• 標準言語は英語:3拠点以上のテレコンは必須のコミュニケーションツール

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Page 61: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

大局:大きな流れ:Significant Trend

• Physical Media → Digital Media → Mass Digital Data → Mass/Variety Real-time Data – レコード → CD → Down Loadable → Stream – 本 → e-book (Kindle) → Pages – 月次計測(電力)→スマートメータ(Real-time) – 月次決済 → 即時決済 – 交通情報(ヘリ情報) → リアルタイム(実データ)

• Mass to Personalize – 検索、Recommendation, Personalized recommendation – Precision Medicine

• Multi-national to Global – 国内エコシステム(i-mode) → グローバルエコシステム – 国内決済→ Multi-national 決済→ Global 決済

• Separate Functionality to Smooth Synergy – アプリ・データ連携 → +Context 連携

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Page 62: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Context 連携

• PCの前に人が座っていなければ、自動的に画面を暗くする ことが出来る。

• 実世界に埋め込まれることで、解ける問題も多々ある。 – 「太郎の写真」

• 目の前に、写真家の太郎が居る – 太郎が撮った写真

• 太郎が映っている写真が話題になっている – 太郎の写っている写真

• 太郎の所有する写真について話し合っている – 太郎の所有している写真

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Page 63: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

IoT AI で我々の生活の何が変わるのか?

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Page 65: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

ものづくりの強さ ≠ 匠の文化

• 戦後のものづくり:安かろう、悪かろう

• デミング博士の来日

• デミング賞の設立

• QC, TQCの活動による、モノづくりの革新

– 科学的なモノづくり

• 計る取り組み

– 衆知を集めた全員経営:チームワーク

• 可視化:見える化

• 社員稼業:自主責任経営

何故か、匠をモノづくりの強さの原点に持ち上げる傾向があります 65

Page 67: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

手段と目的の混乱の歴史 経営意識矮小化の歴史

顧客

PDCA

ものづくり:工場

要素技術開発

実用化開発

商品開発

量産化開発(工場技術)

(事業場技術)

(開発研究所)

(大学・先端研究所)

心血の箱 (三木専務)

∑(商品,情報,サービス,流通

ブランド,等,全企業活動)+標準化

+OSS+ etc.= エコシステム

開発 製造 販売

②「ものづくり」が成功したため, 視野狭窄に陥った

ものづくりは目的では無く,手段!

①元来,PDCAは企業活動全て, 関連企業活動全てに科学的

手法(PDCA, etc.)は適用されるべき

③原点回帰へ

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Page 68: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

「ものづくり」再考 「現場・現物・現実」測る化、見える化

• 出典:http://www.industry40wood.com/home.html 68

Page 69: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

• 欧州某社ブランドのスマートフォン – 欧州: Apple, Samsung, 某社A

– ミドルレンジで同じ性能なら、某社Aが安いという商品を展開し、見事成功

• 方法: – それまでの、メーカ任せの商品設計とは一線を画し、

徹底したBOM情報の精査と、戦略の実施

– Buying Power のきめ細かな利用

– Global Industry 4.0 の先駆けと考えられる

• 結果、A社のシェアは、大きく上昇。Apple, Samsungに対して、交渉力を持った。

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Page 70: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

IoT 時代:ものづくりだけでは無い

• 科学的手法が、経営活動全般へ適応され、「データ」に基づく合理的な経営を進めざるを得なくなる – ものづくりを支えるインフラ – 経営者、社員の日常を支えるインフラ – マーケティング – PSI (Production, Sales, Inventory) – Etc.

データ、もしくは、学習済データが、経営の力として、グローバルに 流通し始める

データブローカ、知識ブローカの出現 データ・知識リテラシーの高さがビジネスの勝敗を決める 70

Page 71: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

一言、敢えて言うなら If I could say something radical

• 従業員が最高のパフォーマンスが出せるように見守る(測る)、支援する

– ホワイトカラーも例外では無くなる

• あらゆる活動が、観測、計測の対象となり得る

– 監視されているという脅威感よりも、

– 優しく助けてくれている、

– 本来やるべきことに集中させてくれている、より多くの成果が出せるよう支援されている、という安心感・高揚感を作ることが大切

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Page 72: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Baldrige Performance Excellence Program

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Page 73: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

経営品質協議会

何故か、測るが無いですが 73

Page 74: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

社会を測る - Smart City -

It has been suggested that a smart city (also community, business cluster, urban agglomeration or region) uses information technologies to: • Make more efficient use of physical infrastructure (roads, built

environment and other physical assets) through artificial intelligence and data analytics to support a strong and healthy economic, social, cultural development.[32]

• Engage effectively with local people in local governance and decision by use of open innovation processes and e-participation,[33] improving the collective intelligence of the city’s institutions through e-governance,[3] with emphasis placed on citizen participation and co-design.[34][35][36]

• Learn, adapt and innovate and thereby respond more effectively and promptly to changing circumstances by improving the intelligence of the city

出典: WikiPedia 74

Page 75: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

個人生活の側面 可能性:光と影

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Page 76: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

可能性:光 • 安全・安心:

– 見守り: • 行動・生理パターン分析→未病対策 • インシデント発生→通報

– サポート: • 服薬、行動支援 • 安全管理支援(鍵、火の元、等)

– テイラード • Personal inside earphone. • Precision Medicine

• 便利: – 生活空間自動調整:体調に合わせて温湿度管理 – 購買支援:良く買う物を、一番安いサイトから – Shared Car, Shared BBQ set, Shared XX

個々人を、王様のように支える 76

Page 77: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

可能性:影 検索サービス 潜在リスク

ホームページ Google 乗っ取り、改竄被害

個人プロフィール Facebook, Line 乗っ取り、名誉棄損

販売情報 Amazon, Rakuten, 乗っ取り、金銭被害

オークション情報 Yahoo 乗っ取り、金銭被害

個人の位置情報 今どこサーチ(DOCOMO) 空き巣被害、詐欺被害

個人の財務情報 (今のところ、検索不可) なりすまし財務被害

個人の健康情報 (今のところ、検索不可) 脅迫メイル、押し売り

家電の情報 空き巣被害

移動体の情報 Flight Radar , Google MAP テロ被害

農作物の情報

アル・ゴア氏著作 Assault on Reason によると、全米の白人男性の7割について 一人当たり、3000以上の個人情報が米国では売り買いされている。

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Page 78: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

集中か分散か? EU では2018年以降は、個人データの利用について、一旦、個人へ

どのようなデータを持っているかを通知し、利用許可を得る必要がある

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Page 79: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

振り返り+α 個人 仕事

Mass/Variety Real-time Data Filtering の重要性が高まる

リアルデータに基づく分析(Analytics) と判断が必須

Mass to Personalize JIT Personalized Service タレントに応じた細かな施策 Personal marketing 施策

Multi-national to Global 情報消費のボーダーレス化

オペレーションボーダーレス化

Separate Functionality to Smooth Synergy

Closed Data→ Open Data Closed Data→ Shared Data

新しい組み合わせ=新ビジネス

独占 to Sharing 本来の価値観への目覚めと、共創による価値最大化

事業価値の先鋭化とパートナーを前提とした経営

Platform & Eco-system Prosumer エコシステムを創る、利用する

所有 to 利用Access 本来の価値観への目覚めと、不要コストの排除

事業価値の先鋭化と持たない経営 79

Page 80: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

実は、全ての変化はBig Data 化 が引き起こしています

Big Data化との関係

Mass to Personalize より詳細な個人のデータを取れるようになる。これに基づいてAnalytics や AI を用いて、設計を行える

Multi-national to Global データの到達スピード、量、質に、国内・海外の差が全く無くなる

Separate Functionality to Smooth Synergy

詳細・膨大なデータから、Data Analytics やAIを用いて、新しい組み合わせや価値を作り、発見できる

独占 to Sharing そもそも、何故独占する必要があったのか? 必要なものを独占せずに詳細・膨大なデータからData Analytics やAIを使って見つけられる。分かち合える

Platform & Eco-system データに基づいて、業界そのものを設計し(Design & Simulate)、育てて行けるようになり、その精度も上がる

所有 to 利用Access そもそも、所有する必要があったのか?必要なものを、所有せずとも、詳細・膨大なデータからData Analytics やAIを使って見つけられるようになる

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Page 81: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

エコシステムで一言

• FF 携帯を$25 で売るという発表があった時、知人のRW は、独自の情報網から、数日でBOMやNREコストなどを読み、1000万台以上出ないと採算が取れないはずだと分析していた。

• 3年後、彼の予言は的中。FF携帯は中止された。

• と言うような予測が、これからは、誰にでも瞬時に出来てしまうようになるのではと思います

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Page 82: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

データを握るものが、 使いこなすものが、

勝者となる

Software + DATA ≒ Softwealth?

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Page 84: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

Growth of a Tree

科学技術 人類の共有智

人類の「共有」智は存在していない

道具的理性の影

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Page 85: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

人・集団としての人の認知機能 - 結局、企業は人 -

• 行動経済学、認知科学を中心に、多くの認知的なバイアス・ヒューリスティクスが、統計的に有意な形で確認され、知見が蓄積されている。

• これらの傾向は、今まで、企業理念などの教育において教えられることが多かった。

– 成功したら運が良かった、失敗したら自分のせいやと反省せなあかん(松下幸之助):self-serving bias, Dunning-kruger effect

• 人・集団についての認知的な傾向についての客観的な知恵について、気付きを支援することも今後は必要。

• ちなみに、Bias/Heuristics だけでも、100以上のカテゴリーが議論されている

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Page 86: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

例えば、

ほんの一例 心的傾向

良く報告に来る部下の評価は上がりやすい

Familiarity Heuristics

部下は上司命令の理由として、上司の置かれた環境よりも上司のパーソナリティを理由として考えやすい

Actor Observer Bias

好みの状況、対象に対して、リスクを低めに見、ベネフィットを高めに見る傾向

Affect heuristics (Bias)

判断の際に、ある特定の部分情報や特徴に過度に依存、影響を受ける傾向

Anchoring

ちなみに、GOOGLEでは、心的バイアスを見つけるのに役立つ訓練として マインドフルネスを社として進めているらしい

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Page 87: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

個人的仮説

“Software” + “DATA”

+ ‘Self-knowledge’

=

SoftWealth

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Page 88: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

• 賢者は、話すべきことがあるから口を開く。愚者は、話さずにはいられないから口を開く。

プラトン

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Page 89: ソフトウェアとAIの進化が示唆するもの Final Final revised Final

ご清聴ありがとうございました

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