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Rev C5 JP, Page 1/ 22 Copyright © 2014 iC-Haus http://www.ichaus.com BiSSインターフェース プロトコル説明書 特徴 アプリケーション センサ/アクチュエータ インターフェイス アイソクロナス・リアルタイム対応データ送信 高速、シリアル、安全 双方向性 ポイント・ツー・ポイント( P2P )またはマルチ スレーブネットワーク コンパクトで低価格 オープン規格 既存 IP モジュール (インターネットプロトコル) を使用可能 ドライバコントローラー スマートセンサ 安全アクチュエータ ブロック図

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BiSSインターフェース プロトコル説明書

特徴 アプリケーション • センサ/アクチュエータ インターフェイス • アイソクロナス・リアルタイム対応データ送信 • 高速、シリアル、安全 • 双方向性 • ポイント・ツー・ポイント( P2P )またはマルチ

スレーブネットワーク • コンパクトで低価格 • オープン規格 • 既存 IP モジュール (インターネットプロトコル)

を使用可能

• ドライバコントローラー • スマートセンサ • 安全アクチュエータ

ブロック図

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BiSSインターフェース プロトコル説明書

概要

本説明書は、シリアル・インターフェース・プロトコルについて述べるものである。それは、アイソクロナス高速で安全なセンサデータの伝送、アクチュエータデータの実時間書き込み、スレーブレジスターの同時アクセスを可能とする。 P2P 構成においては、1つまたは複数のセンサを搭載した1台のデバイスがマスターで動作する。 MO(Master Output)ラインは使用されず、SLラインはスレーブから直接マスターに戻る。BiSS インターフェースはP2P構成においてSSIインターフェースとハードウェア的な互換性があり、2つの一方向性ラインのみを必要とする。 バス構成において、全デバイスは連結している。従って、各スレーブにはコネクタが2本ずつある。つまり、差動信号に与えられた割当によるBissインとBissアウトである。MAラインはマスターのクロックパルスを全スレーブに同時に与える。スレーブのインプット(SLI )を前のスレーブのアウトプット(SLO)に接続することにより、SLI 及びSLOラインはマスターと全スレーブを連結する(MO->SLIn,SLOn->SLIn-1,SLOn-1->SL)。 スレーブはいくつでもBiss Cモードインターフェースに接続可能である。こうしてこれらはアクチュエータとしてもセンサとしても機能し、いくつかのロジカル・チャネル経由でデータの同時伝送が可能となる。各スレーブはメモリーを有し、その構成に加えて ID(製造業社とデバイスID) や必要に応じプロファイルIDや電子データシート(EDS)も含んでいる。 データ伝送のためBiss Cモードプロトコルは多様な伝送レートを駆使し以下2種類のデータを使用している。 ◉シングル・サイクル・データ (SCD) は主要なデータで、各サイクルで新たに生成され送信されている。 センサデータとアクチュエータデータは明確に区別される。センサデータはスレーブからマス

ターへ送信され、アクチュエータデータはマスターからスレーブへ送信されている。 そのデータは、位置や加速度等の常に変化する値の送信や、ドライブの位置制御のために使用されている。 ◉コントロール・データ (CD) は(固定スタート・シーケンスとファイナル・クロックにおいて)1ビット/サイクルで送信されているが、全スレーブに1ビット/ディレクションしか使用していない。 それにより、スレーブレジスターの読み書きと選択中スレーブもしくは全スレーブへのコマンドの送信が可能となる。 個々のデータチャネルのパラメータは、ビット数や CRCフォーマットも含めてスレーブにより指定され、電子データシート(EDS)に蓄積される。これはスレーブID経由で指定されるファイルで、XMLフォーマットでコントローラーに蓄積される。若しくは、スレーブのメモリーに直接蓄積される。他の方法としては、伝送パラメータはスレーブ固有IDで指定されるアプリケーション固有プロファイルで得られる。コントローラーはレジスターアクセスによりプロファイル IDやスレーブのIDとEDSを読み込み、スレーブのパラメータに従ってマスターをプログラムする。 ” Full BiSS Master” によりいくつものスレーブとの接続が可能であるが、その使用に加え、” Custom BiSS Master” は限定されたデータチェネルパラメータで動作するので、1または2~3のスレーブとのみ動作可能である。このような選択肢により、小さな FPGA内のわずかなリソースや極小の RAMでBiSSマスターは実装可能となる。 「ファースト・スレーブ」とはマスターに最初に伝送するデータを有するスレーブを指す。そのアウトプットである SLOはリターンライン「SL」に直接繋がっている。「ラスト・スレーブ」のインプットSLI はマスターの MO ラインまたは P2P 構成の「0」に繋がっている。

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図 1:BiSS フレーム(P2P 構成)

図 2:スレーブ3あり BiSS フレーム(バス構成)

動作解説

Biss C モードのバス・プロトコルにより全スレーブからマスターへのセンサデータ(SD) とマスターからスレーブへのアクチュエータデータ (AD) と個々または数個のスレーブへのコントロールデータ (CD) の同時伝送が可能となる。 BiSSフレーム Bissフレームのアイソクロナス伝送は 一般的に周期的なスキャン・システムに使用される。各サイクルはBissフレームの伝送で始まり、次のサイクルの始まりまでインターフェースは休止状態であり続ける( MA=MO=SLOx=“1”)。従って、1サイクルの継続時間は少なくともBissフレームの継続時間以上となり、任意に設定可能である。 Bissフレーム( 伝送フレーム)はMA クロックのレベル(Low/High)に伴いマスターにより開始する。 MA の最初の立ち上がりエッジは全スレーブの同期化に使用される。これにより、センサデータのアイソクロナス・スキャンとアクチュエータデータのアイソクロナス・アウトプットが可能となる。MAからの第2立ち上がりエッジで全スレーブは SLO ラインを「0」にし、それと共に”Ack”(アクノレッジ)信号を引き起こす。スタートビットが各スレーブの SLI インプットに到達するまで、Ack信号は0であり続ける( SLO=“0”) 。それから、スタートビットは各スレーブから1クロックパルス遅れてMA クロックと同期に伝達される。一方、 CDS ビットはスレーブにより伝達されるかコントロールフレームの規則通りに設定される。

Bissフレームのスタートビット後の第2ビットからストップビットまでデータ範囲は続き、センサデータをスレーブからマスターへ、アクチュエータデータをマスターからスレーブへと送信する。 Biss フレームは、Biss タイムアウトと共に終了する。それ以降マスターからMAへのクロックパルスは送信されなくなる。 Biss タイムアウト時のMAラインの反転状態は CDM( コ ントロール・データ・マスター)ビットの状態である。データ伝送の終わりにマスターは アウトプット MOを休止状態“1”に設定する。次にスレーブはタイムアウトの終結を検出すると同時に、SLI で受信されたこの“1”をアウトプット SLO に送信する。これにより全ての連結されたスレーブがタイムアウトを検出すると、SLラインのBissタイムアウトはマスターに伝達される。Bissタイムアウトが終結すると、全スレーブは休止状態に戻る。つまり、全てのラインは“1”に設定される。 P2P 構成において(図 1を参照)、スタートビットはラストスレーブにより生成される。 つまり、インプット SLI がフレーム開始時に既に「0」であるという事実から P2P 構成を検出する。同様にスレーブは先行者を待たずにBiss タイムアウトの終結を伝える。この場合、唯一のデバイスのアウトプット(SLO)がマスターの SLインプットに直接繋がる。

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図 3:処理時間要求(P2P 構成)

図 4:パラメータごとの処理時間(バス構成)

各BiSSフレームにおいて、1ビットのコントロールデータ(CD)がコマンドもしくはレジスター通信のために各方向に送られる。コントロールデータマスター(CDM)はBiSSのタイムアウトの逆の信号レベルとしてMAラインを通じて全スレーブに送られる。選択中のスレーブはCDS(コントロール・データ・スレーブ)ビットで反応し、常にスタートビット後の直後のビットで送られる。マスターはCDSビットとして0を送る(MO: CDS = 0)。連続BiSSフレームのコントロールデータビットは、コントロールフレームを形成するためにマスターとスレーブで組み合わされている(「制御通信」を参照)。これによりスレーブレジスターの読み書きや、選択中または全てのスレーブへのコマンド送信が可能となる。

要求ごとの処理時間 スレーブがセンサデータ出力前に追加の処理時間が必要な場合(例えば、A/D変換やメモリーアクセスのため)、スタートビットを遅らせることによりそれを要求できる。マスターは遅延スタートビットを検出して追加で要求されたMAクロックパルスを生成する。 P2P 構成であるデバイスが複数のスレーブからなっている場合、ラストスレーブを除く全スレーブは SLI で受信される先行データを一時的に保存する。そしてスレーブは自身のデータに続いて SLO に先行データを送る。処理時間が最長のスレーブは全体の処理時間を決定するので、ラストスレーブとして配置されることが好ましい。

パラメータごとの処理時間 バス構成において、マスターはMOへのスタートビットの出力を遅らせる。このために、マスターはバスの起動の間、接続されている全スレーブの最大の遅延時間に環境設定されている。

スレーブにより要求される処理時間が異なる場合、遅延は処理時間の最大値に設定されるべきである。指定する遅延時間はコントローラーにより現在のバスクロック設定を使用しクロックパルス数に変換・繰り上げされ、マスターレジスターに設定される。

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図 5:マスターによるライン遅延補正

ライン遅延補正 高いデータレートにおいては、MAラインはSLI-SLO チェーンと同じライントポロジーを持ち、同じラインドライバを備えている必要がある。結果的に、MAと SLI は同じ追加遅延を割り当てられ、同期化された状態を保つ。クロックパルスMAからファーストスレーブ(signal SL)の出力へのチェーンの総合遅延はマスターにより計測され、スレーブ信号スキャンに相当するシフトで補正が可能である。 更にライン遅延が1クロック以上の場合、MO

へのデータ出力は遅延される。その遅延の算出には、2つのMA立ち上がりエッジからスレーブレスポンスのAckビット(SL:”Ack”)の立ち下がりエッジまでが使用されるが、理想的には0である。 ラ イン 遅延補正により高速データ通信(10Mbit/s程度)が可能となる。ライン遅延補正はBiSSフレーム毎に処理され、劣化や温度によるドリフトも考慮される。

バスリセット スイッチオンもしくはエラーの後、マスターはデータ送信に優先して40μsの中断を維持しなければいけない。これによりBiSSタイムアウトが終了し、全スレーブのデータ送信準備ができていることが確実となる。 P2P環境ではラストスレーブは最初のMAパル

ス前には定められておらず、これによりSLラインが0であり続ける結果となる。マスターはMAにパルスを生成するか、もしくはSLを無視し最初のサイクルを始めなければならない。 より長い設定期間を要するスレーブはこの段階におけるレジスターアクセスを全て拒否する。

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図 6:データエリアとデータチャネル

センサ及びアクチュエータ・データの通信

データエリア データエリアはセンサデータをスレーブからマスターに、アクチュエータデータをマスターからスレーブに送信するために使われる。全データエリアはロジカルデータチャネルに分割される。それぞれのデータチャネルの位置と長さは各スレーブにそのパラメータで記述されている。スレーブはセンサ、アクチュエータデータの片方か双方のためにデータチャネルを1つか複数有することもあれば全く持たないこともある。 マスターは、各データチャネルの順序と接続スレーブの順序通りのパラメータでプログラムされなければならない。これにより、それらのビットを正しく指定することが可能となる。 有効なデータは、マスターにあるデータチャネルの正しい環境設定でのみ送信可能である。各データチャネルに含まれているチェックビットは送信エラー及びビットオフセットを検出するために使用される。 ファーストスレーブのデータは CDSビットの直後にマスターに到達する。その他のデータチャネルはスタート若しくはストップビットにより分割されずに続く。データエリアの長さは全データチャネルの長さの合計である。スレーブのナンバリングはデータ送信の順番に行われる。従って、SLI→SLOへの信号方向の逆順に番号を与えられる。

スレーブは、全SLOラインがBiSSのタイムアウトのスタート時に信号レベル0である時のみBiSSフレーム内にBiSSタイムアウトの信号を正しく伝える。マスターはそれぞれのパケット(スレーブのデータチャネル)の前に先頭の0を送るが、それはサイクル終了時にスレーブアウトプットにおけるストップビットとしてアクティブである。エラーが起こると、BiSSフレームは随時40μsのタイムアウトでキャンセルされる。 受信されたシングルサイクルアクチュエータデータはアクチュエータからマスターへ次のBiSSフレームとともに送り返される。センサデータチャネルの場合BiSS C-ModeマスターはMOアウトプットへ“0”を送る。 センサデータはBiSSフレームの最初の立ち上がりエッジと共に取得される。一方、アクチュエータデータはシフトレジスターからBiSSタイムアウトの終了と共にスレーブに採られる。マスターはアクチュエータデータの出力を制御し、それによりデータは最後のMAクロックパルスと共にスレーブのシフトレジスターに正しく含まれる。同期操作モードでは、アクチュエータデータを最初の立ち上がりクロックパルスエッジとともに出力することが好ましい。

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図 7:センサ及びアクチュエータデータの構成・送信

図 8:SCD データチャネル

シングルサイクルデータ用処理時間 SCDの処理時間は、全スレーブにおいて最初のMA立ち上がりエッジで同時に開始する。 従って、フレームの長さは全スレーブのうちの最長の処理時間によってのみ決まる。この時間のみがマスターには明らかとなる。パラメータでは、処理時間は時間単位として、またはMAクロックパルス数として表現される。SCDのための最大処理時間はtbusy_s(表2:「特徴表」を参照)。

データチャネル データチャネルは保証データ送信に使用される論理ユニットで、関連パラメータとデータ内容を記述する。各々のチャネルはセンサデータチャネル(slave=>master)若しくはアクチュエータデータチャネル(master=>slave)であり、高速な(SCD)データを含んでいる。 データチャネルは BiSS フレームのデータエリ

アとマスターのメモリー(データ数及びチェックビット)でパラメータ化された長さを占める。電子データシートにおいて、各データチャネルは保証データ送信に必要なパラメータとデータ内容の記述を含むセクションがある。コントローラーはこれらのパラメータに従ってマスターでのデータチャネルの設定を行う。

データチャネルパラメータ 以下のパラメータがデータチャネルのために定義されている ・送信方向と種類 1.SCDS(シングルサイクルセンサデータ) 2.SCDA(シングルサイクルアクチュエータデータ) ・ビット数(1から64) ・処理時間(0µs~tbusy_sまたは0µs~tbusy_m) ・データ整列(左または右揃え) ・CRC多項式(0~8CRCビット) ・CRCスタートバリュー(0~8CRCビット) シングルサイクルデータ(SCD) SCDのデータチャネルは高速かつ周期的なセンサもしくはアクチュエータデータのために使用され、1周期の間に完全に伝えられる。SCDはアドレスを必要とせず、1~64ビットの設定可能な長さ及び0~8ビットのCRCチェッキングを持つ。

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図 9:データ値配列(上図は右寄せ、下図は左寄せ)

データ値 全データ値はMSB firstで送られる。データ値自体は、例えば測定値やエラーフラグ等のいくつかのビットグループから成り立つ。

データ値の構成と配列はスレーブの電子データシートで定義されている。図9は13ビットのデータ値で両方のバージョンを示し、マスターで16ビット幅で格納されている。

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無効値 データ値0はシングルサイクルデータのための不正確に設定されたデータチャネルの送信方向を検知するために無効な値としてとっておかなければならない。また、BiSSフレームの開始時点でアクチュエータデータチャネルに新しいデータが無い場合にも、マスターはデータ値0を送信する。通常、少なくとも1ビットのデータ値を”0”アクティブエラービットとして使うことによりデータ値”0”は有効データでは避けられている。 CRCチェック 各データチャネルはそのデータ値に加えて、CRC を使用し送信チェックが可能である。CRC チェックのプロパティはデータチャネルのパラメータ内に指定されている。CRC多項式は送信された CRC ビットも指しており、0~8 ビットが可能である。CRC チェックビットは常にMSBと共に先ず反転して送信される。

CRC計算の最初の値は通常0である。しかしマスターとスレーブがこの機能をサポートする場合、初期値が設定可能である。マスター設定やデータ交換に誤りがある場合、CRCチェックはCRC開始値の設定によりスレーブへの明確なデータ値の指定が可能となる。コントローラーはレジスターアクセスにより各データチャネルに対してスタート値を指定し、スレーブにこれを書き込む。相当するレジスターアドレスは電子データシートに明記されている。 他のチェック方法がデータチャネルを保護するために使用される場合、またはビット数の最大値がCRCチェックには不十分である場合、CRCチェックまたはパラメータ化CRC生成は停止される(CRC多項式=0)。次に、チェックビットは普通のデータビット以内(データチャネル毎に最大64ビット)で送信され、マスターのメモリーに保管される。チェックビットはソフトウェアでチェック可能となる。

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図 10:ID 指定例

制御通信

コントロールフレーム コントロールフレームにより、スレーブのレジスターへの読み書きの保護・確認と、選択中または全てのスレーブへのコマンド送信の保護・確認が可能となる。コントロールフレームは、センサまたはアクチュエータデータを生成、送信するBiSSフレームのカウントの結果として生じる。 レジスターへのアクセスまたはコマンドは常に最新のCDMビットのサイクルの終わりに(つまりスレーブでのBiSSタイムアウトの終了と共に)実行される。コントロールフレームは14個の”0”ビットの送信により、いつでもキャンセル可能である。コントロールフレームのスタートビットはCDMが0であり、且つ少なくとも14サイクルに先行されていなければならない。 ID指定でのスレーブアドレス アクチュエータ、センサデータの通信とは対照的に、制御通信は明確なアドレスを必要とする。

スレーブのアドレス(“ID”)はチェーンの並びに従って指定される。ID指定は、IDロックビット(IDL)の設定により各コントロールフレームの最初の8ビットの間に自動的に行われる。 ID指定は各コントロールフレームでマスターのスタートビット(CDM = “1”)の後に始まる。そのため、各スレーブは最初の未設定のCDSビット(SLI =”0”)を待ち、それを設定する(SLO=”1”)。 チェーンの周期的ネットワークでの並びに従いラストスレーブからのCDS ビットが最初に指定され、IDがスレーブ数の逆の並びに指定されることとなる。 図10の例は4つの機器のID指定を表しており、それぞれ1つのスレーブ(機器3と4)もしくは4つのスレーブ(機器1と2)を含んでいる。利用可能な8つのIDが10個のスレーブに不十分であるため、先頭のスレーブはIDを受け取っていないことを表すID8 = “1”で信号を伝える。

CRCチェック 制御通信は送信チェックのためチェックサムも使用している。使われているCRC多項式は、 X4+X1+X0 である。 これを使用し 4つの CRC ビットが利用でき、反転して送信される。

計算はアドレス順番または常にスタートビットを除いたMSB firstのデータにより、開始値0で実行される。 注意:各コントロールフレームの前に少なくともCDM=”0”で14ビットが送信されていなければならない。

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図 11:コマンドフレーム(アドレス指定)

図 12:コマンドフレーム(ブロードキャスト)

コマンド コマンドは8つのスレーブに、どんな順番であっても同時送信が可能である。もしくはバスの全スレーブに同時送信が可能である。 コマンドフレームはスタートビットと、”0”であるコントロールセレクトビット(CTS)で始まる。マスターは後続のIDSビットで指定されるスレーブを選択する。ビット・バイ・ビットコーディングにより、最初の8つのIDはいかなる組み合わせも可能となる(例えば、IDS 0~7 = “1000 0100”はID“0”と”5”を表す)。そしてマスターは4つのコマンド(CMD = “00”/”01”/

”10”/”11”)のうち1つを送り、4ビットCRCの追加でアドレスシーケンスが完了する。スレーブのID指定はアドレス・シーケンスと同時にIDロックビットで実行される。アドレス指定された各スレーブは、相当するIDAビット(ID Acknowledge)を設定し、後続のスタートビット(17番目のビット)でコマンドの正しい受け取りを承認する。マスターまたはコントローラーはビットごとにIDAビットとIDSビットを比較し、EXビット(Execute,CDM=”1”)送信の結果によりコマンドを実行する。また、14個の”0”ビット送信で実行を中止する。

さらに、スレーブのアドレス指定をしなくても(つまり、IDSビットが一切指定されていなくても)全スレーブにコマンドを送ることも可能である(ブロードキャスト)。スレーブは、IDが与えられなくてもブロードキャストコマンド

を実行する事が可能である。BiSSフレームが二つのクロックパルスとタイムアウトに短絡されるのが、ブロードキャストコマンドの特徴である。

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従って、2つのコマンドビットと2つのアドレス指定オプションは結果的に8つのコマンドになる。そのコマンドのうちいくつかはBiSS Cモードのために特定され、各Biss Cモードスレーブにより解釈・実行される。 保持 (CMD = “00”,ブロードキャスト) ブロードキャストコマンド”00”は今後の拡張のために保持される 保持 (CMD = “01”,ブロードキャスト) ブロードキャストコマンド”01”は今後の拡張のために保持される バス連結のロード無効化 (CMD = “10”, ブロードキャスト) 全バス連結は”バイパス”に変換される。このコマンドはバス連結にのみ該当する。他の全スレーブはこれを無視する。 保持 (CMD = “11”,ブロードキャスト) ブロードキャストコマンド”11”は今後の拡張のために保持される 保持 (CMD = “00”,アドレス指定済み) アドレス指定済みコマンド”00”は今後の拡張のために保持される 保持 (CMD = “01,アドレス指定済み) アドレス指定済みコマンド”01”は今後の拡張のために保持される バス連結の活性化もしくは不活性化 (CMD = “10,アドレス指定済み) アドレス指定済みのバス連結は”バイパス”から”ラインオペレーション”へ切り替わる。このコマンドは他のスレーブのために自由に定義可能。 フリー (CMD = “11”アドレス指定済み) このコマンドは各スレーブで自由に定義可能。

コマンドはバス設定のために必要である。スレーブのデータチャネルパラメータは各EDSから一般のBissフレームで読み込まれる。 全てのバス連結はブロードキャストコマンド”10”でバイパスに切り替えられる。従って、ショートやオープンなどの誤りがある場合ファーストスレーブから検知され、分離される。バススレーブはバイパスからラインオペレーションに連続して個々に切り替えられ、次の接続時の反応のためにチェックされる。 フリーコマンドは、選択されたスレーブに対し同時に任意的な動作の実行に使われる(例えば、ロータリーエンコーダの0化)。2つ以上のコマンドが必要ならば、まず対応するスレーブの各レジスターアクセス経由でコマンドを選択し、それから同時実行に関わるスレーブにコマンドを送信するのが望ましい。 8つ以上のID 8つ以上のIDが必要な場合、スレーブは9つ目のビット(IDロック,IDL8)を設定する。それはコントローラーに、アドレス指定ができない追加スレーブがあることを伝える。 注意:マスターはIDロックビットを用いてIDがいくつ使われているかは検知できるが、スレーブへの指定はできない。

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図 13:レジスターライトアクセス

図 14:レジスターリードアクセス

図 15:連続レジスター書き込み

レジスターコミュニケーション スレーブのレジスターへの読み書きのアクセスは、CTS制御選択ビット(CTS=”1”:レジスターアクセス)を持つコントロールフレームで実行される。 レジスターフレームはアドレッシングシーケンスで始まる。ここではマスターがスレーブID(3ビット)を送り、続いてレジスターアドレス(7ビット)と4ビットのCRCを送る。バイナリコーディングの結果、128レジスターのある8スレーブ (128バイト)がアドレス指定可能となる。スレーブによるID指定はアドレッシングシーケンスと同時に実行される(「ID指定」を参照)。

次の2つのCDMビット(具体的にはRとWビット)は、リードアクセス(RW=”10”)またはライトアクセス(RW=“01”)を選択する。何れのビットも他に知らせるために反転され、選択中スレーブから確認のためマスターへ返却される。それらはCRCの計算には使用されない。 ライトアクセス ライトアクセスで 2つのリード/ライトビットは RW=”01”である。これに続いてスタートビット、8つのデータビット、4ビット CRC、ストップビットが送られる。8つのデータビットは書き込み中に 4ビット CRC で保護され、送信されたレジスターデータは返却される。

トビット、12個の”0”ビット、ストップビットが送られる。レジスターデータは読み込み中に4ビットCRCで保護される。

リードアクセス リードアクセスの場合、2つのリード/ライトビットはRW=”10”である。これに続きスター

シーケンシャルレジスターアクセス 一度のアクセスでいくつかの連続的レジスターを読み書きすることは可能である。このために、マスターは最初のデータのストップビット直後に別のスタートビット(CDM=”1”)を送る。ライトアクセス中に、データバイト、4CRCチェックビット、ストップビットが続いて送られる。リードアクセス中に、ストップビットを含む13の”0”ビットのみが送られる。

スレーブはライトまたはリードアクセスの度に内部のレジスターアドレスが1ずつインクリメントされる(自動インクリメント)。最大64のレジスターが1回のアクセスによって連続して読み書き可能である。レジスターアドレス63(0x3F)または127(0x7F)を超える連続アクセスは不可能である。連続アクセスは、CDMでスタートビットがそれ以上続かない時に終わる。

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図 16:連続レジスター読み込み

図 17:非搭載レジスターへのアクセス(書き込み) a )最初のレジスター b)書き込み追加レジスター

図 18:遅延あり書き込みアクセス

図 19:遅延あり読み込みアクセス

非搭載レジスター BiSS Cモードスレーブのレジスターは「拒否」か「非搭載」の可能性がある。この場合、スレーブはCDS経由で返されたW-ビットを反転し、レジスターへのアクセスを拒否する。ライトアクセス中に、これはRW=”00”となり、リードアクセス中に、RW=”11”となる。

いくつかのレジスターが連続的に読み書きされ、続くレジスターが非搭載または自動インクリメントでのアドレス指定ができない場合、ストップビットはCDS経由で反転される(具体的には、”1”ビットとして返却される)。非搭載レジスターへのアクセスにより連続アクセスは終了する。

レジスターアクセスのための処理時間 レジスターの読み書き時にスレーブが追加処理時間を必要とする場合、スレーブはスタートビットを遅らせることによりこれを各バイトに要求できる。マスターはその処理時間中スタートビットを繰り返す。スタートビットがTbusy_r以内に送信されない場合、マスターのスタートビット繰り返し停止によりレジスターアクセスは無効としてキャンセルされる。

外部メモリがアドレス指定される場合、レジスターアクセスは処理時間を要する。 最新の送信済みレジスター後に処理時間が必要な場合(例えば、データセーブのため)、BiSS経由で信号は送られない。 しかし、スレーブは後続レジスターアクセスのスタートに要する処理時間を要求できる。レジスターアクセス中の最大処理時間はTbusy_r(表2「特徴表」の11を参照)。

注意: CDSビットはCDMビットの前にBissフレームで送信される。レジスターアクセス中、マスターはCDS経由で受信済みのスタートビットを直ちに確認し、同じBiSSフレーム内のCDMビットで返信する。

このビットは、処理時間が要求されている時またはMSBが送信される必要がある時には1で、その他の場合は0となる。 フレームの最後まで確認できない場合、CDMビットはCDSビットに依存して送信される(例えば、反転)。

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1) バンクスイッチオーバーが使用されない場合、レジスターは搭載不要 2) レジスターは予期しない書き込みに対し保護される 3) データはビッグエンディアンとしてセーブされる(つまり最大のデータバイトが最小のアドレスで) 4) 使用されていないレジスター内容は”0”に設定

表 1:レジスター指定表

スレーブレジスター

レジスター指定 スレーブのアドレス領域はレジスターフレームにより128バイト以下と限定されている。しかしスレーブには、RAMに加えROM若しくはE2PROMメモリも通常存在する。スレーブのアドレス領域には、スレーブレジスターの動作設定に加え電子データシート(EDS)と必要に応じ他のデータも含まれる。

メモリへのアクセスを可能にするために、64バイトのバンク構成となる。バンクは、バンクスイッチオーバーと0~63のアドレスによりアクセスされる。アドレス64以降のレジスターはバンクスイッチオーバー無しで直接アクセス可能である。レジスター指定については表1を参照。

レジスターバンク スレーブによって、最大256の各バンクは追加の64レジスターもしくはメモリの64バイトを含む。結果的に、最大16キロバイト(256*64 = 16,384バイト)でメモリ領域はアドレス指定される。 バンク選択 バンク選択レジスターである64番地は最大256レジスターバンクを指定する。指定されるレジスターバンクはアドレス0から63によりアクセス可能となる。 EDS(電子データシート)バンク 動作設定に必要なメモリサイズはスレーブ固有なので、スレーブが65番地にEDSバンクレジスターの番号を指定し、その番号がEDSに使用されるメモリの始点を指す。EDSは、「BiSSインターフェイス ‒ EDSの定義」に説明されている。

プロファイルID BiSS-Cモードスレーブの交換性と互換性を簡易化するため、頻繁に必要となるデバイスタイプ用にプロファイルは定義されている。プロファイルの定義にはスレーブの全データチャネルパラメータ、データチャネルやレジスターの測定名やユニット等の追加情報も含まれる。電子データシートには、プロファイルで定義されたパラメータが保管されているセクションがある。各プロファイルは独自の16ビットのIDを持ち、これに基づきコントローラーはパラメータを指定できる。スレーブが定義済みプロファイルを使用しない場合、レジスター66,67は実装されないか、データ”0”が含まれている。プロファイルIDはiC-Hausによってのみ指定され、新プロファイルは [email protected]で申請可能。 スレーブレジスター この48バイトのコンテンツはスレーブ固有で、レジスターのために使用され、バンクスイッチオーバー無し(例:ステータスレジスター)で直接読み書きされなければならない。

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初期設定

デバイスと製造社ID 各バスデバイス(スレーブ)は製造社とデバイスIDからなる特有のIDをシステムに提供する。それはレジスターアドレス120~127(6バイトは構成用、2バイトは製造社用)で読み取られる。これにより、スレーブのコントローラー内のEDSの指定とコントローラーによるスレーブタイプの確認が可能となる。 製造社IDはBiSS Cモードに特に必要とされるスレーブ製造社のIDである。それはiCハウスの[email protected]により指定されている。 デバイスIDはスレーブ製造社によって特定される。デバイスIDは、各スレーブで製造社IDを含む特有のものであり、電子データシートをXMLファイルとして参照するのに使用される。 スレーブが異なったバージョン(例えば、異なるデータ長、異なるデータチャネル環境設定)で送られる場合、各バージョンは異なったデバイスIDを持つ。

バージョンの切り替えは、操作中(レジスターアクセスもしくはコマンドを伴う)に実行可能だが、デバイスIDの即急な切り替えを必要とする。自動BiSSタイムアウト非対応のスレーブについては、TMAはアドレス124番地のビット0…2で設定される。自動BiSSタイムアウト対応のスレーブは、このメモリーアドレスのROMで機能する。 シリアルナンバー 更に、スレーブ製造社によって指定されている最高32ビットのシリアルナンバーはレジスター領域に提供されている。それは製造社とデバイスIDを伴うグローバルに特有なデータを持つ。これは同じタイプのいくつかのスレーブにおいて相互交換やミスを明確に検知、指定するために特に重要である。 データ0と最大データ(全てのビットは“1”)は製造社ID、デバイスID、シリアルナンバーのためにとっておかれる。 スレーブがシリアルナンバーを指定されていない場合、そのIDは0にセットされる(0=”存在しない”)もしくはレジスターは実装されない。

BiSS Cモードによりスレーブ、マスター、バス環境設定において多数のセッティングが可能となる。これらの設定はBiSSシステムの初期化中にセットされる。 BiSS Cモードバス設定 バスはマスター側のソフトウェアで設定される。クロックパルス率1/TMAはハードウェアに従ってコントローラーにより決定される。バス設定中にクロックパルス率の最小サイクル時間と許可範囲が決定される。 バス起動の際、先ず全データチャネルは無効となる。それから全スレーブが順に検出され、そのデータチャネルパラメータが決定され、マスターがそれに従って設定される。エラーが起こった場合、バス設定は繰り返され、欠陥のあるスレーブは無視される。

更に、バス起動中に以下の動作が行われる。 ・各スレーブの最小BiSSタイムアウトが必要な場合、決定・設定される ・最小、最大MAクロックパルスが決定される(マスター、スレーブ、トポロジーにより) ・CRC開始値はマスターとスレーブで設定される ・パラメータ毎の処理時間はマスターで設定される ・最小サイクル時間が決定され(データ領域のビット数、処理時間、MAクロックパルス率、設定されたBiSSタイムアウトから)、マスターで確認・設定される 追加確認として、コントローラーは各スレーブの予測されるスレーブIDとシリアルナンバーを保存し、それぞれのバス設定中に現在の決定された位置とそれらを比較することができる。

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図 20:バス設定の順序

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システムデザイン

特徴

BiSS Cモードシステム設計の際、BiSSフレームの時間が可変であるということに注意すべきである。BiSSタイムアウトが最大であってもBiSSフレームの開始がジッターフリーであるように、周期時間は十分長く選択される。 スレーブは要求による処理時間で送信時にジッターを生じさせる。 BiSS Cモードマスター 要求が厳密に定義されている場合、機能制限ありのユーザー特定カスタムBiSS Cモードマスターが使用される。一方、スレーブ数が限定されず操作可能なマスターは、以下の最小限の要求を満たしていなければならない。それらはフルBiSS Cモードマスターと呼ばれる。 ・少なくとも16の異なったデータチャネルがプログラム可能である ・データ値用、少なくとも16*8 = 128メモリのバイト(AD/SD) ・設定可能な0~8ビットCRC、可変多項式、データチャネル毎のスタート値 ・短縮化されたBiSSフレームの送信 ・P2P対応もしくは一対複数での操作 ・80kHz以上のプログラム可能なMAクロック周波数 ・BiSSフレームを一定周期で開始する、プログラム可能な周期時間

・BiSSフレーム毎のステータス:フレーム完了、エラーコード ・データチャネル毎のステータス:受信完了データチャネルと有効データ(CRC) ・レジスター通信用ステータス:レジスターは存在しない、レジスター有効値(CRC)、全9 IDAビット ・最低16レジスター経由の連続レジスターアクセス BiSS Cモードスレーブ BiSS Cモードタイムアウトは、スイッチオン後スレーブ内で12.5~40μsに設定されるべきである。これによりコントローラーによる自動検知が保証される。低いビットレート動作中には、12.5μs以下のタイムアウトにより有効なBiSSフレーム送信が不可能となる。この状態はオープンサーキットからマスターによって判別不可能となる。自動ビットレート検知は搭載可能である。スイッチオン中に短い方のタイムアウトを使うスレーブはカスタムBiSS Cモードスレーブと呼ばれる。データチャネルを定義する際に、追加信号またはエラービットは右揃えデータ配列の左に配置され、バイト境界線に値の配列を維持するためには左揃えデータ配列の右に配置されるべきである。デバイスが複数のデータチャネルを使用する時、各データチャネルはロジカルスレーブに指定される。その利点は、どのデータチャネルも独自のプロファイルIDを持ち、それぞれにアクティブ化されることである。

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1)最大クロックパルスレートは送信手段(BiSSインターフェース-フィジカルレイヤーを参照)及び各々の機器に依存する。最大クロックパルスレートは他のパラメーターと共にEDSに保存される。 2)最小コラムはレジスターアクセス経由プログラミング後及び自動ビットレート検知後、若しくはカスタムBiSS-Cモードスレーブの場合に無効となる。縮小タイムアウトはより低いクロックパルスレートでのBiSS通信を妨害する可能性がある。エラーは一般的な通信エラーとしてのみ検知される

表 2:特徴表 グラフと色

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表 3:色彩表

用語と短縮語

グラフと色 伝送がタイムエリアに表示されると、角度付きエッジは電圧の限られた上昇率と、傾斜部分の信号状態が不明である事を表す。BiSSフレームはタイムエリアで送信され、MA信号でクロックされる。

制御通信はそれぞれ1周期毎(1BiSSフレーム毎)に1ビットで送信される。制御フレームは周期でクロックされ、直線エッジはビットの論理状態を表す。 下表の色はグラフの明確化のために使用されている。

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表 4:用語表

表 5:短縮語表

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注意:本説明書は英語版の説明書( http://www.ichaus.de/product/BiSS%20Interface)を元に翻訳したものです。疑問やご不明な点がございましたら、オリジナル説明書をご参

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