53
熊本県知能システム技術検討会(RIST) CAE 技術検討会活動成果報告書 (平成 20 年度) 平成 21 年 3 月

CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

熊本県知能システム技術検討会(RIST)

CAE 技術検討会活動成果報告書

(平成 20 年度)

平成 21 年 3月

Page 2: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

RIST/CAE 技術検討会は、RIST/ノンリニア有限要素法技術検討会(平成 10 年

~平成14年度)を母胎として結成され、平成15年4月から活動を開始しました。

本検討会の目的は、「新製品開発に不可欠の技術である有限要素法を主体とし

た CAE(Computer Aided Engineering;コンピュータ支援工学)解析技術の地域

企業への普及とその有効活用のために、CAE に関する最新情報を入手し、活用

事例、ノウハウを蓄積する。」ことです。

また、各年度の基本的な活動内容としては、下記の 4 項目を基本活動として

います。

① 最新情報入手のために、CAD/CAE の専門家を招いてディスカッションを行

う。

② 有限要素法のスキルアップのために、専門家の指導を受ける機会を設ける。

③ 有限要素法解析のノウハウを習得するために標準問題のケーススタディに

取り組む。

④ デジタルエンジニアリング技術のモノづくり支援への活用を進める九州デ

ィジタルエンジニアリング研究会(KDK)の活動と連携・協力し、活動の

幅を広げる。

本報告書は、上記に基づく CAE 技術検討会の平成 20 年度の活動内容をまと

めたものです。本書が会員各位の CAE 技術の更なる有効活用に資することがで

きれば幸いです。

なお、平成21年度からは新生RISTにおける技術検討会活動方針により、「FEM活用技術検討会」と名称を変更し継続して活動予定ですので、会員各位の検討

会への積極的なご参加を引き続きお願いいたします。

平成 21 年 3 月

RIST/CAE 技術検討会世話役

熊本県産業技術センター

生産技術部 土村 将範

Page 3: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

目 次 1 『SolidWorks&はじめての CAE セミナー』

(株)大塚商会 CAD プロモーション部解析プロモーション課 宮本 佳則 氏

…1

ミッドレンジ CAD に統合された構造解析、機構解析および熱流体解析の機能に関

して、実際の製造現場での事例紹介とチュートリアルによるソフトウェアの利用実習

を熊本県産業技術センターとの共催で実施した。 …12 2 『設計・製造現場における陽解法 FEM によるシミュレーション』

株式会社日本総研ソリューションズ 小川隆樹、麻寧緒 氏 まずはじめに、陽解法 FEM と陰解法 FEM の特徴を簡単に概説する。次に、溶接

変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

用事例を交えながら概説する。また、最近のトピックスも幾つか紹介する。 3 『マルチフィジックス解析ソフト COMSOL Multiphysics のご紹介と解析事

例』 …28

計測エンジニアリングシステム株式会社 第一技術部 三隅和幸 氏 COMSOL Multiphysics 最大の特徴は「マルチフィジックス(連成)解析に対する柔

軟性とソフトウエアのオープン性」です。マルチフィジックス機能はあらゆる物理現

象の組み合わせをサポートしており(無制限マルチフィジックス)、実工学現象の忠実

なモデル化および高精度計算ができ、業界で比類ない高機能性を誇っております。こ

れらの製品の解析事例と、最近のトピックスも幾つか紹介する。 …33 4 『ALDの導入と品質工学ALD』

山口大学 大学院 技術経営研究科 特命教授・ 株式会社 安川電機 品質保証部 部長 住本 正 氏

近年、製造加工業の分野では高品質・低コスト・短納期の製品製造を目指した DE(デジタル・エンジニアリング)化の波が世界的に広がっていますが、とくに先進企

業においてはシミュレーションなど解析技術を駆使することにより、上流における製

品の品質の作りこみ(フロントローディング)を行うことが本格化し始めています。

これを ALD と呼びます。この ALD という設計思想は企業の経営の仕組みにも変化

をもたらす可能性を有しています。最近の塑性構成式関連研究で中心的な役割を担っ

ている、金属材料のすべりを陽に考慮した結晶塑性論を導入した有限要素解析につい

て、拡張テイラーモデルを用いた手法とひずみ勾配を考慮した手法、およびそれらの

繰返し負荷への応用を紹介する。 …42 5 『デジタルエンジニアリングの基礎と展開』

熊本大学大学院 自然科学研究科 機械システム工学部門 坂本 英俊 氏 デジタルエンジニアリングに関する概要紹介と、実際の研究での CAE ソフトウェ

ア利用の例として、ガラス瓶の破壊解析及び弾丸の変形解析を紹介する。また、最近

のトピックスも幾つか紹介する。 6 『ノンリニア有限要素法検討会から CAE 技術検討会へ』 …47

崇城大学 工学部機械工学科 東町 高雄 氏 RIST におけるノンリニア有限要素法技術検討会及び CAE 技術検討会までの活動

全体の総括。また、虫歯の原因を特定する歯の噛み合わせの構造解析を紹介する。

Page 4: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
1
Page 5: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
2
Page 6: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
3
Page 7: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
4
Page 8: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
5
Page 9: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
6
Page 10: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
7
Page 11: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
8
Page 12: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
9
Page 13: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
10
Page 14: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活
tutimura
11
Page 15: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成 20 年度 第 2 回CAE技術検討会

『設計・製造現場における陽解法 FEM によるシミュレーション』

平成 20 年 8 月 8 日(金)

株式会社日本総研ソリューションズ 小川隆樹, 麻寧緒

本日の構成 1.はじめに

1.1. 陽解法 FEM コード LS-DYNA の生い立ち

1.2. 陽解法の特徴

2. 板成形

2.1. 成形解析・スプリングバック解析

2.2. スプリングバック対策

2.3. 延性破壊の評価

3. 鍛造解析

3.1. 成形性の評価

3.2. 金型寿命予測に向けた金型の応力解析

4. 溶接変形 熱弾塑性解析

5. その他のトピックス

5.1. 計算機クラスター

5.2. 大規模解析の事例

参考ウェブサイト URL エンジニアリング系のベンチマークプロジェクト「top crunch」

http://www.topcrunch.org

世界で最も強力なスーパー・コンピュータ 500 機を 選出「top500」

http://www.top500.org

地球シミュレータセンター/国内共同研究(大阪大学)/ `海洋研究開発機構と大阪大学の共同研究 `超高層建築物の耐震性

能評価のための地盤練成を考慮した 3 次元シミュレーションに関する共同研究’

http://www.jamstec.go.jp/esc/projects/domestic

参考資料 (1) 小川隆樹, 麻寧緒 渡辺裕子, 梅津康義, スプリングバックと金型見込みのシミュレーション, 第 58 回 塑性加工連合

講演会 講演論文集, (2007), 521.

(2) 小川隆樹, 麻寧緒, 梅津康義, バウシンガー効果を考慮した延性破壊評価値の計算, 平成 20 年度 塑性加工春季講演

会 講演論文集, (2008), 73.

(3) 麻寧緒, 宮崎美季, 3次元鍛造シミュレーションによる材料成形性と金型応力の評価, 平成 20年度 塑性加工春季講演

会 講演論文集, (2008), 379.

(4) 麻寧緒, 梅津康義, 溶解法 FEM による溶接変形の熱弾塑性解析技法, 軽金属溶接, 46(2008), 142.

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 1 / 16

tutimura
12
Page 16: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

スプリングバックと金型見込みのシミュレーション

塑正 *小川 隆樹 (日本総研 Sol.) 塑正 麻 寧緒 (日本総研 Sol.)

塑賛 渡辺 祐子 (日本総研 Sol.) 塑正 梅津 康義 (日本総研 Sol.)

1. 緒言

近年, スプリングバックの高精度なシミュレーション

に向けて, 材料モデルの開発をはじめ数多くの取り組

みが行われている. また, シミュレーション結果を利用

した金型見込みなどスプリングバック対策にも多くの

取り組みが行われている 1). この両者は組み合わさる

ことでより効果的な金型設計指針となる.

本報告では, はじめに, Yoshida-Uemoriモデル 2) を用

いたスプリングバックシミュレーションと実験結果の

比較を行い, その妥当性を示す. 次に, スプリングバッ

クの要因分析手法とスプリングバックを金型に見込む

手法を提案し, その有効性を示す.

2. スプリングバックのシミュレーション

解析対象は, Fig.1に示す Underbody Cross Member3)

で, ドロー成形, トリミング後のスプリングバックの多

工程解析となる.

Fig.1 解析対象 (Underbody Cross Member)

FEM解析ソルバーは LS-DYNAを用い, 材料モデル

はYoshida-Uemoriモデルをサブルーチンとして組み込

み 4) 利用した. 材料は板厚 1.62mmの DP600を用いる.

機械的特性は Table1に示す. Yoshida-Uemoriモデルと

除荷ヤング率の塑性ひずみ依存性に関するパラメータ

は文献から機械的特性をもとに近い値を適用した. モ

デル化は 1/2対称とした.

Table 1 機械的特性0.2%耐力 引張強さ ヤング率 n値

403.8MPa 654.2MPa 210GPa 0.159

Fig.2にスプリングバック後の対称面での断面形状を

示す. 解析結果と実験結果を比較している. 縦壁部分

の壁反り, スプリングバック量が解析により精度よく予

測できていることが確認できる.

Fig.2 Y=0断面形状

3. スプリングバック対策

Fig.3に今回提案するスプリングバック対策の流れを

示す. スプリングバックの要因分析結果に基づく成形

条件の変更と, スプリングバックの金型への見込みで構

成される.

Fig.3 スプリングバック対策の流れ

3.1 スプリングバックの要因分析手法

スプリングバックは離型前の残留応力を初期応力と

した弾性回復と考えられる. ここで, 以下のようなその

初期応力の分解を考える.

ffresearch = αffM + βffT + γffC (1)

ffM =

0

@

σx−σxσy−σy

0τxy−τxy

00

1

A , ffT =

0

@

σxσy0

τxy

00

1

A , ffC =

0

@

00

σz0

τyzτzx

1

A (2)

ffT は板面方向成分を板厚方向に平均した応力, ffM は

板面方向成分の偏差応力, ffC は板厚方向成分である.

α, β, γ はそれぞれの応力成分のスケールファクターで

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 2 / 16

tutimura
13
Page 17: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

ある。

ffTはねじれ, ffMは反りの主因と考えられる. スケー

ルファクターを調整した ffresearch を初期応力とした解

析結果を整理することによりスプリングバックの要因

分析が可能である.

次に, 本手法の適用例を示す. Fig.4の左は ffM, 右は

ffT に初期応力を限定した解析の変位ベクトル図であ

る. また, Fig.5 に Y= 0, Y= −370 断面の形状を示す.

これらから, Y= 0対称境界面付近での壁反りは ffM, 開

きは ffT が影響していることがわかる. 一方, Y= −370

付近では ffT が主因のねじれにより開きが発生してい

ることがわかる.

Fig.4 変位ベクトル図

Fig.5 断面形状 (上:Y= 0, 下:Y= −370)

3.2 金型への見込み手法

FEMを用いて金型メッシュを変形する手法を提案す

る. 変形条件には式 (1) を初期応力とする解析で得ら

れる変位を用いる.

例えば, α, β, γ に −1を与えればスプリングフォワー

ド解析を用いた見込みになる. また, β に −1を与え, 他

は 0 とすることにより, ねじれ成分だけを見込むこと

も可能である.

Fig.6にスプリングフォワード解析を用いた場合の金

型見込み量分布図を示す. 直接変位条件を与えられな

いブランクホルダー部分が滑らかな形状を提示できて

いることがわかる. なお, 成形ができない負角が発生し

ないように変形スケールを調整した.

Fig.6 金型の見込み量分布図

次に, 本手法の有効性を検討する. 見込み前と後の

金型を用いたスプリングバック後の形状をそれぞれ製

品形状と比較した. Fig.7にその形状誤差の面積率を示

す. 形状誤差 1.0mm以内の領域は見込み前は 50%程度

しかなかったが見込み後の金型を利用することで 90%

以上に改善された. なお, 形状誤差評価の前には製品形

状との距離が評価形状の全点で最短になるように最小

二乗法を基本とした最適化処理により位置合わせを施

している.

Fig.7 形状誤差の面積率

4. 結言

Yoshida-Uemoriモデルを用いたスプリングバックの

シミュレーションは実験結果と良く一致することが確

認できた. そして, 提案したスプリングバックの要因分

析手法と金型への見込み手法により効果的にスプリン

グバック対策が行えることがわかった.

参考文献

1) たとえば, K. Roll et al., NUMISHEET ’05, (2005),

295.

2) F. Yoshida et al., Int. J. Plasticity, 18(2002), 661.

3) Li Zhang et al., NUMISHEET ’05, (2005), 888.

4) 麻寧緒ほか, 平成 19年塑加春講論, (2007), 325.

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 3 / 16

tutimura
14
Page 18: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

バウシンガー効果を考慮した延性破壊評価値の計算

機塑正 *小川 隆樹 (日本総研 Sol.) 塑正 麻 寧緒 (日本総研 Sol.)

塑正 梅津 康義 (日本総研 Sol.)

1. 緒言

板成形をはじめとする塑性加工において, 被加工材

に生じる破壊の殆どは延性破壊である. その破断にい

たる主要過程は破面などの観察から微視的にはボイド

の生成と合体であることが報告されている 1). この考

えに基づいた延性破壊条件式が多く考案されており,

これまでにバルク材で多くの適用が見られている. 最

近では, 板材におけるその有効性が示されている 2).

本報告では, まずはじめに, 有限要素法計算にバウ

シンガー効果を考慮した移動硬化材料モデルである

Yoshida-Uemori モデル (以降, YU モデル) と延性破壊

条件式を適用 3),4) する板材の成形限界評価方法を提示

する. 次に, 基本的な成形である張出し成形と円筒深絞

り成形での計算を等方硬化モデル (以降, IHモデル)と

YU モデルで行い, バウシンガー効果による遷移軟化,

永久軟化の延性破壊評価値に及ぼす影響を確認する.

最後に, 実機に近い T字成形において同様の計算を行

い, その有効性を提示する.

2. 計算方法

2.1 Yoshida-Uemori モデル

大ひずみ繰返し塑性変形挙動を記述する構成式で,

バウシンガー効果と硬化休止現象を表現することがで

きる. 理論の枠組みは限界曲面の中を降伏曲面が移動

する二面モデルである 5). 本モデルの詳細はここでは

省略する. Fig.1は本計算で用いた材料の繰返し塑性変

Fig.1 Cyclic stress-strain responses.

形下における応力ひずみ曲線である. YU モデルが実

験結果と良く一致していることがわかる.

2.2 延性破壊条件式

延性破壊条件式の多くはボイドの生成に注目し, そ

の生成 · 合体をモデル化して数式化している. ここで

は, Cockcroft and Lathamにより提案された延性破壊条

件式を用いる. 最大垂直応力 σmax の変形履歴に沿う積

分値が材料定数 C1 に達したとき, その物体点で破壊が

始まると仮定 6) している. すなわち, 以下の式である.

C =

Z εf

0

σmaxdε = C1 (1)

εは相当ひずみ, εf は破壊の生じる相当ひずみである.

式 (1)の C1 は通常, 幾つかの破壊試験から決定する.

試験は測定誤差が生じやすく有効な値を得にくい問題

がある. ここで用いる式 (1) の積分項には材料定数を

含んでいない. そのため, 厳密に C1 が用意できなくて

も評価値 C を相対的に評価することで破壊の評価が可

能である.

なお, 本条件式は, 今回用いた材料と同一規格の材料

で幾つかの式と比較し実測値と定性的にも定量的にも

一致していると報告 7) されている.

3. 材料

厚さ t=1.2mm の 590MPa 級の高張力鋼板 JSC590Y

を用いる. Table 1に機械的特性を示す. 同一規格の材

料における材料定数 C1 が 640MPaとの報告 7) がある.

そこで, 評価値 C=640MPaを破壊判定の目安とする.

Table 1 Material parameters.

降伏応力 引張強さ ヤング率 n値

330.0MPa 612.2MPa 206.3GPa 0.193

4. 張出し成形

Fig.2 に解析モデルを示す. 面外の異方性を考慮し,

1/4対称モデルを用いる.

Fig.2 Conditions of hemispherical punch forming.

Fig.3 Computed result for hemispherical punch form-

ing.

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 4 / 16

tutimura
15
Page 19: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

Fig.3は IHモデルの最大評価値が 640MPaを超えた

パンチストローク 24.4mmにおける評価値の分布図で

ある. YUモデルにおける評価値の最大値が 607MPaに

対し IHモデルでは 640MPaである. 材料モデルによる

違いは 35MPa程度と小さい. これは, 材料に働く応力

は単調に働く引張り応力が殆どでバウシンガー効果の

影響は少ないと考えられる.

5. 円筒深絞り成形

Fig.4 に解析モデルを示す. 面外の異方性を考慮し,

1/4対称モデルを用いる.

Fig.4 Conditions of flat punch drawing.

Fig.5は IHモデルの最大評価値が 640MPaを超えた

Fig.5 Computed result for flat punch drawing.

パンチストローク 13.53mmにおける評価値の分布図で

ある. IH モデルにおける最大値が 642MPa に対し YU

モデルでは 412MPaである. YUモデルの値は 200MPa

以上小さくなっており, 張出し成形と比較するとその差

異は顕著である.

材料の多くの部分でダイ肩部での引張り曲げ, 曲げ

戻しの変形履歴を辿る. その過程で YUモデルでは IH

モデルと比べ応力が小さくなる. すなわち, 主応力が小

さくなることで評価値が小さくなると考えられる.

6. T字成形

Fig.6に工具, ブランク寸法を示す. Fig.7は限界パン

チストロークにおける実験結果 7)(左)と YUモデルで

の計算結果 (右)である. 破壊判定箇所は両者ともパン

チ肩部で一致する. 限界パンチストロークは実験では

17.8mm, YU モデルの計算では 16.15mm である. この

差異は計算に用いた材料が実験と完全に一致するもの

では無いことに起因するものと考えられる.

Fig.6 Dimensions of tools.

Fig.7 Breakage position.

Fig.8 Forming Limit Diagram.

次に, Fig.8 に成形限界線図を示す. 図中の曲線は局

所くびれの発生条件 8)(SR 曲線) である. SR 曲線を超

えた点の中で円で囲んだ点が延性破壊評価値で破壊と

判定された要素である. SR曲線は延性破壊評価値での

評価に比べ幾分安全側の見積もりである.

7. 結言

YUモデル, 延性破壊条件式を用いた成形限界評価方

法を提示した. そして, 変形履歴と材料モデルの延性破

壊評価値に及ぼす影響を確認した.

本取組みに際し京都大学宅田裕彦教授から多くの情

報を提供して戴いた. ここに感謝の意を表す.

参考文献1) McClintok, F. A., J. Appl. Mech. 35-2(1968), 363.

2) H. Takuda, et. al., J. Mat. Proc. Tech., 95(1999),

116.

3) 麻寧緒, et. al., 第 56回塑加連講論, (2005), 175.

4) 麻寧緒, et. al., 平 16塑加春季講論, (2004), 321.

5) F. Yoshida, et. al., Int. J. Plasticity 18(2002), 661.

6) M. G. Cockcroft and D. J. Latham, J. Inst. Met.

Sci., 96 (1968), 33.

7) 宅田裕彦, et. al., 鉄と鋼, 91(2005), 553.

8) S. Storen and J. R. Rice, J. Mech. Phys. Solids,

23(1975), 421.

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 5 / 16

tutimura
16
Page 20: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

3次元鍛造シミュレーションによる材料成形性と金型応力の評価 Evaluation of formability and tool stress by 3D forging simulation

塑正 *麻 寧緒,宮崎 美季 ((株)日本総研ソリューションズ) Ninshu Ma and Miki Miyazaki (JRI Solutions, ltd.)

1 はじめに 近年,機械加工および熱加工などの生産加工分野におい

てFEMシミュレーション予測技術が多く利用されてい

る 1),2).特に塑性加工分野では,製品の工程設計や成形性

の評価に不可欠になってきている 3).鍛造部品の加工シミ

ュレーションについては、剛塑性または体積要素法のソフ

トウェアを用いて鍛造材料の割れ予測と金型磨耗予測を

行なった例が報告された 4),5).本稿では,動的陽解法 FEMソフトウェア LS-DYNA6)のリメッシュアルゴリズムを用

いて冷間鍛造加工の3次元解析を行った.本解析例では,

材料の成形性を評価するための延性破壊損傷値 7)を計算

し,さらに金型の寿命に影響を与える成形時の接触圧力お

よび金型の内部応力の予測解析も行った. 2 冷間鍛造解析モデルと解析条件 解析対象は冷間鍛造ギアであり,3 次元解析モデルの概

略と要素分割(ダイと材料)を Fig.1 に示す.加工材の外

径,内径および厚さはそれぞれ 54.6mm,30mm, 18mmである.解析では,Table 1 に示す材料物性値を用い,金

型と材料の摩擦係数を 0.1 と仮定した.

Punch

Die

Mat

Cylinder

Punch

Die

Mat

Cylinder

Fig.1 FEM model for gear forging

Table1 Material properties for simulation E(MPa) υ K(MPa) N 206000 0.3 930 0.15

Swift equation nY Kεσ =

成形性を評価するために,式 (1)と式 (2 )に示す

Cockcrfot-Latham 損傷積分値と Clift 損傷積分値をそれ

ぞれ計算できる LS-DYNA サブルーチンを開発し[7],延

性破壊の予測を試みた.なお,式(1)については,従来

最大主応力を用いて延性破壊損傷値を計算するかわり,著

者が,引張り最大主応力のみを用いるように修正した.

∫ ⋅= pdD εσ )0,max( 11 (1)

∫ ⋅= pdD εσ2 (2)

Fig.1 の 3 次元ギア鍛造モデルに対して,加工方向から

見た外形図が Fig.2 になる.芯金型の直径が 30mm,ダ

イの内径は 55mm である.解析では,芯金型ずれや材料

ずれおよび金型の変形が成形結果に及ぼす影響を調査す

るため,Fig.2 に示す4ケースの解析条件(A:理想成形条

件, B:材料の位置ずれ 0.5mm,C:芯金型の位置ずれ

1.0mm,C:弾性金型)をそれぞれ用いた.

1.0

0.5

(C) Tool eccentricity

(A) Ideal condition (B) Work eccentricity

φ55φ30

(D) Deformable tool

1.01.0

0.50.5

(C) Tool eccentricity

(A) Ideal condition (B) Work eccentricity

φ55φ30

φ55φ30

φ55φ30

(D) Deformable tool Fig.2 Simulation conditions

3 理想鍛造条件Aのシミュレーション結果 冷間鍛造加工によるギヤ形状と相当塑性ひずみ分布を

Fig.3 に示す.解析結果によると,塑性ひずみの最大値が

200%を超えており,加工後の歯先と歯元に大きな変形が

発生した.

2.01.81.61.41.21.00.80.60.40.20.0

plastic strain

2.01.81.61.41.21.00.80.60.40.20.0

plastic strain

Fig.3 Equivalent plastic strain

Cockcroft 延性破壊損傷値 D1 と Clift 延性破壊損傷値

D2 の分布をそれぞれ Fig.4, Fig.5 に示す.Cockcroft 延性

破壊損傷値D1は,歯元で著しく大きい.一方,Clift 延

性破壊損傷値は,歯元と歯先の両方に大きい結果となって

いる.なお,割れ発生を予測するためには,材料の延性破

壊限界値を実験で測定する必要がある.

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 6 / 16

tutimura
17
Page 21: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

Fig.4 Cockcroft damage value (MPa)

16001400120010008006004002000.00

Clift damage16001400120010008006004002000.00

Clift damage

Fig.5 Clift damage value (MPa)

4 材料ずれ 0.5mm(B)のシミュレーション結果 材料が 0.5mm 程度にずれた条件(B)でシミュレーシ

ョンによるギアの加工形状および Clift 延性損傷値の分布

を Fig.6 に示す.理想条件(A)での解析結果と比較して大

きな差は見られなかった.

16001400120010008006004002000.00

Cliftdamage0.5mm

16001400120010008006004002000.00

Cliftdamage

16001400120010008006004002000.00

Cliftdamage0.5mm

Fig.6 Computed Clift damage value (MPa)

5 芯型ずれ 1.0mm(C)のシミュレーション結果 芯型が 1.0mm にずれた条件(C)で解析によるギアの

加工形状と Clift 延性損傷値の分布を Fig.7 に示す.Fig.5に示す理想条件での解析結果と比較して,ギアの右上A部

でバリが発生し,ギア左下B部で形状不良も生じてしまう.

なお,延性損傷値に大きな変化は見られなかった. 1.0mm A

B

16001400120010008006004002000.00

Cliftdamage

1.0mm A

B

16001400120010008006004002000.00

Cliftdamage

1.0mm A

B

16001400120010008006004002000.00

Cliftdamage

Fig.7 Computed Clift damage value (MPa)

6 変形金型(D)のシミュレーション結果 金型を弾性体として3次元鍛造解析で得られた最大主応

力の分布を Fig.8 に示す.ダイの歯元に大きな応力が発生

している.金型寿命に影響を与える成形時の接触圧力と摩

擦せん断応力の分布を Fig.9 に示す.

Fig.8 Max principle stress produced in die

Contactpressure

10009008007006005004003002001000.00

Contactpressure

10009008007006005004003002001000.00

5004003002001000.00

Contactshear stress

5004003002001000.00

Contactshear stress

Fig.9 Contact pressure and shear stress

7 まとめ 1) ギア冷間鍛造の3次元解析を行い,材料のずれや芯型

のずれが加工形状に及ぼす影響を調査した. 2) Cockcrfot-Latham 損傷積分値と Clift 損傷積分値が

計算できるように LS-DYNA サブルーチンを開発し,

延性損傷値による割れやすい箇所の予測を試みた. 3) 金型寿命に影響を与える成形時の接触圧力,摩擦応力

及び内部応力を計算し,応力集中箇所の予測を試みた. 参考文献

1) 小阪田宏造ら: 分かりやすい鍛造加工,日刊工業新聞社

2) 上田幸雄,村川英一,麻寧緒:技術者のための「溶接変形・

残留応力」攻略マニュアル,産報出版

3) 麻寧緒,杉友宣彦:板成形の動的陽解法シミュレーション,

塑性と加工,47 巻 540 号,2006-1, p29-34

4) 藤原正尚ら:金属組織の異方性および応力場の影響を考慮可

能な延性破壊評価試験法の確立,第 58 回塑性加工連合講演会

(2007,10), p283-284

5) 宮脇和久ら:熱間鍛造における型寿命予測技術の開発,平成

19 年度塑性加工春季講演会 (2007,5), p133-134

6) LSTC: LS-DYNA User Manual, Sept., 2007

7) 麻寧緒,梅津康義:LS-DYNA ユーザサブルーチンによる延性破

壊条件式の取込みと計算例,平成 16 年度塑性加工春季講演会,

(2004,5),p321-322

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 7 / 16

tutimura
18
Page 22: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 8 / 16

tutimura
19
Page 23: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 9 / 16

tutimura
20
Page 24: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 10 / 16

tutimura
12
tutimura
21
Page 25: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 11 / 16

tutimura
22
Page 26: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 12 / 16

tutimura
23
Page 27: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 13 / 16

tutimura
24
Page 28: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 14 / 16

tutimura
25
Page 29: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 15 / 16

tutimura
26
Page 30: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

平成20年度 第2回CAE技術検討会 資料 16 / 16

tutimura
27
Page 31: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

(( ))

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

PDE

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

PDE

tutimura
28
Page 32: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

CAE

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

COMSOL Multiphysics

COMSOL Multiphysics

COMSOL

Reaction Engineering Lab

Signals & Systems Lab

Optimization Lab

RF AC/DCCAD

MEMS

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

tutimura
29
Page 33: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

tutimura
30
Page 34: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

tutimura
31
Page 35: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved. Copyright© Keisoku Engineering System Co., Ltd. All rights reserved.

tutimura
32
Page 36: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

1

メカトロニクスの品質工学とALD

熊本大学 客員教授

2007・11・

安川電機 住本 

1章 ALDの現状と課題

2章 CAE概論

3章 品質工学概論

4章 タグチメソッドによるロボット位置決め整定時間のシミュレーション

ALD って 知ってますか?

ものづくり の技術と戦略と戦術

CAD:Computer Aided Design

CAE:Computer Aided EngineeringALD:Analysis Leads Design

世界の3大失敗  って、知ってます?

アメリカで1940年に建設された全長約1kmの吊り橋が、風速19m/sの風で大きく揺れ、ついに崩壊してしまいました。 横風による橋桁の自励振動(ねじれ剛性不足で周期的外力により共振)、風下側に発生する見えない渦(カルマン渦:下図)の影響によるものでした。 映像(mpg)が残っていることもあり、流体力学としての解析結果と共に、広く知られるようになりました。 明石大橋では、80m/sの風速にも耐える設計として活かされています

◆ 過去に作った全ての橋に対策(桁を箱構造に改造)

   ・・・米国政府は、リコール相当の対応を実施◆ 世界に技術情報(原因と対策)を発信   ・・・再発防止として、情報提供・共有を実施

1.タコマ橋

第二次世界大戦当時、輸送船を多量に生産するため、それまでのリベット接合方式から溶接による接合へ変更しました。 しかし、冷たい海を航行した船が次々と沈没しました。 それまで知られていなかった鉄の「低温脆性(ていおんぜいせい)」と、溶接時に水素が入り込む「水素脆性」の2つの原因により接続部が、もろくなったためでした。 更に、貨物室が効率良く使えるように立方体形状の部屋にし、構造体が四角いもの(コーナーの面取り/R加工の不採用)へと変更されたため「応力集中」で、割れやすくなったことも影響しました。 この情報は、終戦後に鉄の大型構造物で起こりやすいトラブルとして世界中に情報発信され、その後の大型構造物を作る技術の確立に大きな役割を果たしました

リバティー船世界で最初の定期運行ジェット旅客機は、イギリスにより開発されました。 しかし就航後2年ほど経過した旅客機が立て続けに墜落し、当時のチャーチル首相が英国中央銀行の金庫が空っぽになるほどの資金を投入してでも原因を究明せよとの英断を下し、大掛かりな調査が始まりました。 本物のジェット旅客機を巨大プールに沈め、水圧を利用した加速試験が実施されました。 遂にそれまで知られていなかった金属の「疲労破壊」が原因で、「応力集中」した窓のコーナー部からクラックが発生、飛行中にクラックが一気に拡大することで空中分解に至ったことを突き止めました。 この原因や技術内容もまた、(開発競争をしていたコンペチタも含め)一般公開され、設計や保守・点検で適切な対策が打たれるようになりました。 従って、右図のようなハート型の窓を持つジェット機は、ポスターの世界でしか見ることが出来ません。 (但し、このような課題を知った上で新たな技術で克服すること(特許)は、会社の競争力を高めることでもあり、チャレンジを止める理由にはなりません。) 

3.コメット機

tutimura
33
Page 37: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

2

なぜ設計プロセスが重要か?

5%

50%

15%

30%

5%5%

20%

70%

実際の製品コスト

時間・コスト・品質への影響力

設計

材料

人件費

間接費

最新のデジタル・インフラストラクチャを駆使した

自動化・統合化・最適化による設計プロセスの改革推進

tutimura
34
Page 38: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

3

GEの主力エンジンGE90 (ボーイングB777に搭載)

tutimura
35
Page 39: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

4

21世紀のものづくり技術

• (品質工学)+(CAE)

• 地球に優しい 製品 企業

• 製品のライフサイクル

•  (CAE)+(PLM)

• 企業の倫理は、

• (新製品・新技術開発)から地球環境・PL環境

今なぜ またCAEなのか?

1980年代 CAE自体が研究テーマ

1990年代 新製品開発ダントツ性能

•         コストダウン

•         開発期間短縮

2000年代 品質・信頼性が企業の生命線        環境適合

CAEのトライアングルフロー

システム設計・構造 ・材料・機構(境界条件)

システムモデル・3Dモデル・FEMモデル

最適モデル最適設計ロバスト設計

シミュレーション

システム検証

システムモディファイ効果の確認

・パラメータのL直交表シミュレーションー>主因解析・主因の感度解析による寄与率・許容差設計・外乱設計

実験 理論モデリングシステム同定

1988年 (共立出版 ISID監修)CAE新製品開発

・設計支援コンピュータツール

tutimura
36
Page 40: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

1

戦争学的プロジェクトマネジメント論

戦争論(戦いは、正義か?)

A社

B社

競争原理

支配階層

技術 とは?

技能 とは?

ものづくり の技術と戦略と戦術

1.技術とは?

2.戦略 と 戦術

3.戦争学 と PM

(ISIDTS社より)

NHK NHK 功名が辻功名が辻

戦国時代に勝ち抜く

“知恵” と “愛”

ビジネスに勝ち抜く

“戦略” と “信念”

 戦争学 松村 励(文藝春秋)

  にみる 術 と 略

勝利を得るために、さまざまな工夫を凝らし、新技術を開発してきた。

ロンドン大学 スタンフォード大学には、戦争学部がある。  (講座には、国際法・戦略論・戦術論・兵器学)

・戦術なくして、戦略ナシ=得意技がなければ、戦術はなく、戦術がなければ、戦略どころではない。

・技術とは、物事をたくみに行うわざ(広辞苑)=得意技(固有技)による戦術と解することができる。

・技能とは、技術を有する個人の能力 技芸を行う腕前(一種 芸術的な華麗な腕前の美しさがある)

常識

合理

実験的(現場) 理論的(指揮・管理)

戦術(技)

情報

TOOL(武器)

戦略(企て)

PM

tutimura
37
Page 41: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

2

戦術(技)

情報

TOOL(武器)

戦略(企て)

PM

川中島合戦川中島合戦(1564年)(1564年)

戦国史にみる 戦術・戦略川中島合戦(1564年)川中島合戦(1564年)武田信玄&上杉謙信武田信玄&上杉謙信

戦術戦・一騎打ち

川中島(信濃川) の戦い -越後の上杉謙信 --甲斐の武田信玄 

1553年から、1564年間  一騎打ちの 技術戦 史上最高の好敵手

・上杉謙信(戦術士ー天才型タイプ)=戦略を決めるのに、

誰にも相談しない。毘沙門堂に行者のように 

立てこもり思案

・武田信玄 風林火山(古代中国の軍略家 孫氏の言葉)

(戦略士ー管理職タイプ)=軍略・戦略を 

常に武将の意見を聞いて決めた    検討結果は、兵隊に演習させた

ものづくり の 技能・技術 (匠の技)

戦術(技)

情報(経験則)

TOOL(武器)

戦略(企て)

PM

長篠合戦(1575年)織田信長&武田勝頼

川中島合戦(1564年)川中島合戦(1564年)武田信玄&上杉謙信武田信玄&上杉謙信

戦国史にみる 戦術・戦略長篠合戦(1575年)織田信長&武田勝頼

武器・戦略戦3000挺・3段構え新戦法に武田最強騎馬軍団は壊滅する

武田軍 1万4000 織田軍 3万8000

デジタルエンジニアリングのツール(武器)

戦術(技)

情報(経験則)

TOOL(武器)

戦略(企て)

PM

小田原合戦 一夜城攻囲豊臣秀吉&北条氏政天下統一(1590年)

長篠合戦(1575年)織田信長&武田勝頼

川中島合戦(1564年)川中島合戦(1564年)武田信玄&上杉謙信武田信玄&上杉謙信

戦国史にみる 戦術・戦略小田原合戦 一夜城攻囲豊臣秀吉&北条氏政天下統一(1590年)

石垣山(一夜城) と 小田原城  兵力30万の完全包囲 と 3万の籠城

一夜城(80日で竣工)にて、戦意喪失し開城

デジタルエンジニアリングの手法(戦略)

tutimura
38
Page 42: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

3

戦術(技)

情報

TOOL(武器)

戦略(企て)

長篠合戦(1575年)織田信長&武田勝頼

川中島合戦(1564年)川中島合戦(1564年)武田信玄&上杉謙信武田信玄&上杉謙信

PM

戦国史にみる 戦術・戦略

小田原合戦 一夜城攻囲豊臣秀吉&北条氏政天下統一(1590年)

兵法の道二天一流

刃渡り2尺3寸(約70cm)程度が定寸

江戸幕府の規制

両手で扱う刀剣の中では最も軽量な部類に入る。

数千層にも及ぶ均質で強靭な鋼鍛錬

宮本武蔵 と 佐々木小次郎 巌流島 の決闘(1612年) 小次郎18歳?

武器 の戦略 と 戦術

小次郎の長刀(三尺余り90cm 重さは約3kg)武蔵は、木刀 (100cm 約0.5kg)を武蔵は使った

戦略(企て)

情報

TOOL(武器)

武蔵は、あえて10cm長い木刀を武器に

武蔵は、海峡の潮流・地形を調べた決闘の時刻をなんと2時間も遅れた ד小次郎 敗れたり の心理戦  ×

午前は西への流れ。これは武蔵が巌流島に向かった方向に一致。つまり武蔵は故意に遅刻したことになるのです。

破壊力バツグンの櫂の刀に、攻撃と防御両方を兼ね備えた二刀流…武蔵は勝つためには手段を選ばない合理主義者だった!

戦略 の 武蔵

小次郎は、真剣勝負を挑んだ

いづれも“技”は、天下一品

小次郎は、当然 武蔵は二刀と思っただろう ×

戦術(技)の小次郎戦術(技)

情報

TOOL(武器)

戦略(企て)

PM

テレビ番組にみる 戦術・戦略

その時歴史が動いた武器ー戦略

プロフェッショナル技術ー戦術

24シーズン情報ー戦略

囲碁定石理論ー戦略

戦術(技)

情報

TOOL(武器)

戦略(企て)

システムの原則ユニーク差の原則ユニーク差の原則

PM

“ブレイクスルー思考“にみる 戦術・戦略

・目的展開の原則目的・適・情報収集の原則

参画・巻き込みの原則

継続変革の原則

システムの原則

ゼネラルモーターズ(GM)、ポルシェと渡り歩き、世界の名だたる名車のデザインを手がけてきた奥山。

現在は、イタリアの名門デザインスタジオ、ピニンファリーナ社に籍を置いている。世界中のメーカーから新車のデザインの依頼が殺到する「世界最高峰」のもの作りの現場だ。

脳科学者、茂木健一郎さ

デザイン=機能 の 遊び(究極のバランス)

ポルシェの開発では100人のデザイナーを統率した

プロフェッショナル

tutimura
39
Page 43: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

4

情報戦略意思決定

チームワーク

3、4歳の時、碁石をやればすぐに泣き止み

20歳で第14世本因坊跡目

21歳で御城碁に初出仕しましたが、この時から13年間御城碁において19連勝で負けることがありませんでした

本因坊秀策顕彰碑(尾道市因島外浦町)

顕彰碑は碁盤型の台座に建っており、お参りすれば半目強くなるとの

「プロジェクトマネジメントとは?」「プロジェクトマネジメントとは?」

1969/7 ニール・A・アームストロング機長の第一声

「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、

人類にとっては偉大な一歩である」

輝かしい成功

 Agenda

1.1. プロジェクトマネジメントとは?プロジェクトマネジメントとは?

2. IT開発におけるプロジェクトマネジメントのトレンド2. IT開発におけるプロジェクトマネジメントのトレンド

3. IT開発プロジェクトの状況3. IT開発プロジェクトの状況

4. 失敗プロジェクトの主要問題4. 失敗プロジェクトの主要問題

5. 当社の状況と課題への取組み5. 当社の状況と課題への取組み

プロジェクトの目標を達成するために、資源をやりくりし、

  ・「納期までに!」

  ・「予算内で!」

  ・「目的と品質と手順を満たして!」

 完成させること。

1. プロジェクトマネジメントとは?

輝かしい失敗

1970/4 アポロ13号が月に向けて打ち上げられた ...

アポロ13号に不測の事態が起こったとき、

  “ヒューストン・・・トラブル発生!”

最高の頭脳をもったNASA科学者達がとった行動は?

当初目標:

 月面での作業、無事帰還。

不測事態:不測事態:

 打ち上げ4日目に酸素タンクの爆発事故

を起こし、月着陸はおろか地球への生還も危ぶまれる事態

学ぶこと:学ぶこと:

ある問題に直面したときの組織としての対ある問題に直面したときの組織としての対処の仕方、マネジメント処の仕方、マネジメント

対策:対策:

必要な全てを計画し、実行し、成し遂げた。(最悪のトラブルを絶望的な制約条件の中で解決した。)

目標変更:

 死力を尽くして13号を地球に帰還させる

(アポロ計画に関わった人間の大多数が、最も誇りに思っているのは11号より13号である)

tutimura
40
Page 44: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

5

台風の発生と進路(2004年)

33

2210)( xaxaxaaxfy +++==近似曲線

台風の進路を予

複数のデータから近似曲線を計算する。

  プロジェクトマネジャの仕事は?

プロジェクトマネジメントでは、「知識」、「スキル」、「ツール・技法」を用いて、

  ・目標設定     (品質・納期・コスト・リソース)

  ・目標分析     (実現の可能性などを検討)

  ・計画設定     (作業・組織・外注・予算・スケジュール・リスク)

  ・コントロール   (作業・コスト・スケジュール・リソース・体制・士気)

  ・結果分析評価  (結果・報告・分析・効果・効率)

を効率的にコントロールすることが重要である。

プロジェクトマネジメントでは、「知識」、「スキル」、「ツール・技法」を用いて、

  ・目標設定     (品質・納期・コスト・リソース)

  ・目標分析     (実現の可能性などを検討)

  ・計画設定     (作業・組織・外注・予算・スケジュール・リスク)

  ・コントロール   (作業・コスト・スケジュール・リソース・体制・士気)

  ・結果分析評価  (結果・報告・分析・効果・効率)

を効率的にコントロールすることが重要である。

知識     : プロジェクトマネジメント知識体系ガイド  PMBOK                  (A Guide to the Project Management Body Of Knowledge)

スキル    : 経験、ノウハウ

ツール・技法: EVM、CCPM、・・・・

KDK活動趣旨と役割

・産学官の情報交換の場・デジタルエンジニアリング技術の向上・21世紀型ものづくり支援への活用 (http://k-d-k.hp.infoseek.co.jp/kdk.html)

戦術(技)

情報

TOOL(武器)

戦略(企て)(2)最適化設計(土村)(3)南九州地区(南)

(4)実問題適用・解決法(萩原)(7)FEM塾(萩原)

(5)サービス(葉山)(6)パーッケジ型PLM(安藤)

tutimura
41
Page 45: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

1

 デジタルエンジニアリングの

 基礎と展開

CAE技術検討会 H21年3月13日

熊本大学大学院自然科学研究科

        坂本 英俊

   内  容

1.デジタルエンジニアリングの基礎

2.シミュレーションとは?

3.デジタルエンジニアリングの問題点1.デジタルエンジニアリングの基礎

デジタルエンジニアリングとは? 情報化・仮想生産情報化・仮想生産

  生産 : 生産知識 <--> 人

仮想生産←情報化

デジタルエンジニアリングのキーワード

生産知識の情報化技術

1.CAD/CAMにおけるプロダクトモデリング・技術知識表現法

2.工場運用シミュレータによる生産資産の表現法

3.種々の解析プログラム・エンジニアリングデータベース・データベースの統合

4.オブジェクト指向方式による情報表現・解放構成のシステム構成法

情報化の利点

生成 処理 変更 蓄積

運搬 伝承 再利用

tutimura
42
Page 46: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

2

製品の一元管理

シミュレーションによる機能評価 コンピュータシミュレーションの分類

人 間

自 然コンピュータ

生産設計

最適設計 経済設計

人間

コンピュータ

tutimura
43
Page 47: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

3

コンピュータ・シミュレーションで        何が分かるか?

シミュレーションとは?

機械現象

本質的な特性抽出(理想化)

物理モデル

  ・力学的モデル

数式モデル

・材料力学

・熱力学

・流体力学

・機械力学

機械 設計

   開発 への適用解析

シミュレーションに必要な数学の知識

①微分・偏微分(2階まで)

②積分.重積分:重積分は簡略化・

           グリーンの定理

③ベクトル・テンソル演算

④行列演算

⑤テーラー展開

⑥フーリエ級数・空間

シミュレーションに必要な物理の知識

①運動方程式

②運動エネルギー

③力の釣り合い

④ポテンシャルエネルギー

解析モデルの構築と解析結果の理解

      (構造解析)

①線形解析

   ・・・材料線形・構造線形

②非線形解析

   ・・・材料非線形・構造非線形

③定常解析

   ・・・速度・加速度の項がない(時間に依存しない)

④非定常解析

解析モデルの構築と解析結果の理解

    (ポテンシャル場解析)

①線形解析

   ・・・材料線形

②非線形解析

   ・・・材料非線形

③定常解析

   ・・・速度・加速度の項がない(時間に依存しない)

④非定常解析

tutimura
44
Page 48: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

4

      解析結果と実験

◆実験or解析 どちらが正しいか?

◆どこまで合えば正しいか?

◆解析は設計の補助or本質?

◆最適化は可能か?

◆解析結果を予見できたか?

解析結果と実験結果は必ずしも合う必要はない

①有限要素として定義する領域

②すべての部分をモデル化する必要があるか?

   (解析に影響を与えない領域は無視)

③対称条件

④解析結果を予測してモデル化 

モデル化

設計・製造データのデジタル化の問題点

 理 論

 数値シミュレーション

 実 験

仮想試作

仮想実験

試作

実験・検証手法の研究

物理・科学の法則

数値モデル・近似 実験モデル

知識DB

確認実験

検証・評価の流れ

設計・製造データのデジタル化の問題点

(1)脆弱なCADデータの交換インフラ

・・・トランスレータの開発

(2)型設計や工程設計支援ソフトウェアの不足

 ・・加工領域,加工順序,工具選択,工具の姿勢など

(3)CAMソフトウェアの高速化

  ・・・加工の単なる監視  加工のコントロール

(4)CAM処理技術のコンポーネント化

  ・・・XML(Extensible Markup Language)    形状モデリング,工程設計用幾何学判定,工具経路算出,

    幾何処理プログラム(曲面,オフセット)ユニットなど

CADの課題

3次元ソリッドCAD

[Pro-Engineer]:パラメトリック機能 PTC社 

[CATIA]:航空業界標準 Dassault System

I-DEAS]:自動車大手 SDRC社  EDS社(GM)

①トリム処理が困難

②フィレット処理が困難

③データ量が多い

②「B-Spline」,「NURBS]

を形状生成に利用

①設計初期に利用できない

欠点

tutimura
45
Page 49: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

5

CADインターフェースと対応要素.ソルバー

◆CADインターフェース

  ーCATIA

  ーPARASOLID,IGES

◆要素

  ーソリッド・・2次テトラ,6面体

  ーシェル・・3角形,4角形

◆ソルバーとのインターフェース

  ーANSYS,NASTRAN,MARC,COSMOS,LS_DYNA

解析技術の課題

1.解析時間

    並列計算    PCクラスタ処理

2.解析精度

   モデル化,メッシュ形状,非線形問題

3.解析技術者の育成

   解析結果の評価

モデリング評価技術

1.基礎力学(材力・熱・流体・電磁気)&数学と計算力学

2.Design by Rule Design by Analysis

3.計算のQuality

    誤差評価/自動微分/感度解析

4.標準化

    Softwarの検定

    技術者の教育と検定

5.解析結果の評価技術

    検証試験の標準化

tutimura
46
Page 50: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

1 2

3 4

5 6

tutimura
47
Page 51: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

7 8

9 10

11

)/( 2cmkgfE

Enamel 600,000 0.3

Dentin 140,000 0.3Tooth

Pulp 100 0.45

Periodontal membrane 3,500 0.33

Cancellous bone 5,000 0.3

Alveolar boneCortical bone 137,000 0.3

12

tutimura
48
Page 52: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

13 14

15 16

kgf

kgf

17 18

tutimura
49
Page 53: CAE技術検討会活動成果報告書 (平成20年度) - RIST · 2015. 3. 25. · 次に、溶接 変形の熱弾塑性解析や、板成形、鍛造解析など、各種解析技法について解析事例、活

19

20kgf188,153

32,989

20

21 22

4

5

tutimura
50