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光学顕微鏡の歴史と理論と実際 カールツァイス㈱ 田中 06.Jan.CZF/TNK Carl Zeiss Microscopy

Carl ZeissMicroscopy - saga-u.ac.jp...(Zeissユーザーであるフリッツ・ゼルニケが1934年に考案した検鏡法で、1953年にノーベル物理学賞を受賞)

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光学顕微鏡の歴史と理論と実際カールツァイス㈱ 田中 亨

06.Jan.CZF/TNK

Carl Zeiss Microscopy

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光学顕微鏡の歴史光学顕微鏡の歴史

BC2400年 エジプトでガラスが作られる。

BC1400年 ガラスがレンズとして使われる。(虫眼鏡)

1300年   眼鏡レンズ発明

1600年   オランダのヤンセンが複式顕微鏡を発明(倍率3×~9×程度)

1600年代 ・マルピギーが毛細血管・赤血球発見

     ・ロバートフックが複式顕微鏡(倍率50×程度)でコルクを観察して小さな部屋 を発見して、      Cell(細胞)と言う名前を付ける。(1665年 ミクログラフィア出版)

     ・レーヴェンフックが単式顕微鏡(倍率50×から300×程度)を作成して、微生物、細菌、

      精子、人の赤血球等を発見

1800年代 近代顕微鏡(複式顕微鏡)の発達

1872年  Ernst Abbeの正弦条件論文発表

     (これにより、複式顕微鏡の性能が画期的に向上し、現在に続く)

1882/3年 コッホによる、結核菌/コレラ菌の発見(1905年ノーベル医学・生理学賞受賞)

1886年  アポクロマート発明  1893年 ケーラー照明法論文発表

     (限りなく顕微鏡の理論限界値に近づく)

1913年  蛍光顕微鏡発表  

1931年  ルスカ 電子顕微鏡開発 

1936年  ツェルニケ位相差顕微鏡発表(1953年ノーベル物理学賞受賞) 

1982年  レーザー顕微鏡発表

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顕微鏡に関係するノーベル賞の一部 顕微鏡を覗くことによって、何年か前には不可能と考えられていたような新たな発見が目の前に広がります。

 顕微鏡技術にはまだまだ将来があります。  貴方も明日のノベール賞受賞を夢見て!さあ顕微鏡の世界へ

   Robert Koch         ノーベル医学賞 - 1905コッホは現代細菌学の基礎を築いた人と考えられています。1880年、田舎で医者をしながら結核やコレラを引き起こす細菌を発見しました。

Richard Zsigmondy   ノーベル化学賞 - 1925ゲッチンゲン大学の教授として、ジーグモンディはコロイド化学の分野で先駆的な研究をしました。1903年に限外顕微鏡を、1918年と1922年に2種類の薄膜フィルターを発明しました。ジーデントップとジーグモンディの作成した限外顕微鏡で、顕微鏡の解像力以下の大きさの粒子が見えるようになりました。

Frits Zernike       ノーベル物理学賞 - 1953オランダの物理学者。1930年に反射回折格子を使って実験していたとき、各光線の位相位置が観測できることを発見し、この効果を顕微鏡に応用することを考えました。  この顕微鏡では染色することなく生きたままの細胞を観察できます。

Manfred Eigen       ノーベル化学賞 - 1967ゲッチンゲンのマックスプランク研究所の理事を務める分子生物学者で、急速に進行する化学、生化学過程の追跡法を開発しました。スウェーデン人の同僚ルドルフ・リーグラーの協力下、1993年に世界初の商業ベース蛍光相関分光計をつくりました。

Erwin Neher &  Bert Sakman      ノーベル医学賞 - 1991ザクマン教授と協同で、細胞間の情報交換メカニズムを発見しました。この研究にはパッチクランプ方式を使ったイオンチャンネルの電気生理学的実験が含まれます。 生きた試料用に、2人のマックスプランク研究所研究員がごく高いコントラスト、高解像度の画像を必要としていました。

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人間の目に関すること人間の目に関すること

‘百聞は一見に如かず’といわれるように、

百通りの話を聞くよりも、一回見ることの方が、

物事の理解がよく出来ます。

 また、人間の五感(視覚視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)の中で、

視覚から得られる情報は約8割にもおよぶと言われています。

科学的な考察や探求を行う為に、視覚を用いて様々な現象や、

形態の変化等を目で捕らえ、記録する必要がありますが、

視覚には限界があります。 物をよく観る為の条件として

1.大きさ 2.色 3.明るさ 4.対比 5.動き が有ります。

 例えば1.の大きさの場合

人間の目の分解能の限界は約0.2mmであり、

それ以下の物は分離して観ることが出来ません。

 また、2.の色の場合、人間の目による

可視光の波長範囲は約380nmから780nm位と

一般的には定義づけられていますが実際には

480nmから660nm位であり、さらに色によって

右グラフのように比視感度が違います。

人間の視覚だけでは追えない物を観察する為に顕微鏡があります。

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顕微鏡観察レベルのステップ顕微鏡観察レベルのステップ

応用取扱理解

(レーザーや 各種イメージング測光・分光FRET・FRAP一分子蛍光

等)

応用取扱理解

(レーザーや 各種イメージング測光・分光FRET・FRAP一分子蛍光

等)

応用原理理解

(各種検鏡法  光の反射・屈折   回折・干渉・

蛍光・偏光スペクトル

等)

応用原理理解

(各種検鏡法  光の反射・屈折   回折・干渉・

蛍光・偏光スペクトル

等)

基本取扱理解

(ケーラー照明開口絞りレンズ種類各種補正・手入れ方法

等)

基本取扱理解

(ケーラー照明開口絞りレンズ種類各種補正・手入れ方法

等)

基本構造理解

(照明装置コンデンサ対物レンズ接眼レンズ記録装置等)

基本構造理解

(照明装置コンデンサ対物レンズ接眼レンズ記録装置等)

スイッチを入れるだけ

で観察

スイッチを入れるだけ

で観察

初心者初心者 達 人達 人中級者中級者06.Jan.CZF/TNK Page 4

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顕微鏡の基本構造-顕微鏡の重要なパーツ名称顕微鏡の基本構造-顕微鏡の重要なパーツ名称

1.1.対物レンズ対物レンズ(種類、開口数、補正環の有無等)

 各種光学的な収差補正や平坦性の程度補正等の違いで、多種多用なレンズがあります。各種光学的な収差補正や平坦性の程度補正等の違いで、多種多用なレンズがあります。

 例えば 例えばZeissZeissではでは4040×は約×は約3030種類ありますので、使用目的に応じて選択しなければなりません種類ありますので、使用目的に応じて選択しなければなりません

一般的に開口数が大きいほど高性能で高価なレンズですが、全てのユーザに高開口数のレンズが一般的に開口数が大きいほど高性能で高価なレンズですが、全てのユーザに高開口数のレンズが

有用とは限りません。 (有用とは限りません。 ( 高価なレンズほど取扱に注意が必要です。)高価なレンズほど取扱に注意が必要です。)

対物レンズの名称による違い

プランアクロマート: 像の平坦性を持ち2色について       色補正している。

プランアポクロマート: 像の平坦性を持ち3色について        色補正している。

Cアポクロマート: LSM用の特殊レンズで6色について      色補正している。

対物レンズと標本の間の媒体

乾燥系 : 空気 n = 1 (手軽に使用できる)

油浸系 : オイル n = 1.515 (最高の明るさ・            解像度が得られる)

水浸系 : 水 n = 1.33 (カバーガラスと試料の間          に水があるような場合に最適)

開口数

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標本を照明するための光を集光する役目を持ち、透過光観察の場合このコンデ標本を照明するための光を集光する役目を持ち、透過光観察の場合このコンデ

ンサーの使い方が画質に大きな影響を与えます。ンサーの使い方が画質に大きな影響を与えます。 

顕微鏡の基本構造-顕微鏡の重要なパーツ名称顕微鏡の基本構造-顕微鏡の重要なパーツ名称

2.2.コンデンサコンデンサ (ハネノケ式、ターレット式、ユニバーサル式等)

4×の光束40×の光束

フロントレンズが入った状態

開口数 0.9

フロントレンズをハネノケた状態

開口数 0.3

コンデンサーの使い方を見れば、初心者かどうか?判ります。コンデンサーの使い方を見れば、初心者かどうか?判ります。

コンデンサの使い方を誤れば、ゴミの写り込み、照明むらの発生、解像力低下、周辺ぼけ等の現象が起きます。

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顕微鏡の基本構造-顕微鏡の重要なパーツ名称顕微鏡の基本構造-顕微鏡の重要なパーツ名称

3.3.視野絞り視野絞り (標本のどの範囲を照明するかを決定する絞り)

・ ・  観察視野以外の光を制限して、顕微鏡像のコントラストを減少させる原因になる観察視野以外の光を制限して、顕微鏡像のコントラストを減少させる原因になる

   迷光迷光((フレアフレア))を抑える役目を持ちます。を抑える役目を持ちます。

・・ ケーラー照明を行う際に、照明光軸の中心やコンデンサーの高さを調整する為にケーラー照明を行う際に、照明光軸の中心やコンデンサーの高さを調整する為に

   この多角形の絞り像であわせます。この多角形の絞り像であわせます。

絞った状態

開けた状態

各倍率毎に視野

ぎりぎりに調整する

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標本を照明する光の入射角を制御し、対物レンズの最大の分解能を発揮させる役目を持ちます。 標本を照明する光の入射角を制御し、対物レンズの最大の分解能を発揮させる役目を持ちます。 

顕微鏡の画質に大きな影響を及ぼす絞りです。   顕微鏡の画質に大きな影響を及ぼす絞りです。   

顕微鏡の基本構造-顕微鏡の重要なパーツ名称顕微鏡の基本構造-顕微鏡の重要なパーツ名称4.4.開口絞り開口絞り(顕微鏡像の分解能、コントラスト、明るさ、      

          焦点深度を変化させる)

絞りを開ける 絞りを閉める

分解能(解像力) 良くなる 悪くなる

コントラスト 弱い(ソフトな感じ) 強い(硬い感じ)

明るさ 明るい 暗い

焦点深度 浅い 深い

ピントを合わせるのと同じように毎回この絞りを調整して最適な

顕微鏡像が見えるようにして下さい

( 対物レンズの開口数に対して

80%程度の状態 が標準 )

達人はこの絞りを駆使します達人はこの絞りを駆使します

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ケーラー照明ケーラー照明                (ZEISS初期の共同研究者であるアウグスト・ケーラー教授が1893年に考案した照明法)

つねに標本上の観察される部分だけをもっとも効率良く照明する照明方法。 つねに標本上の観察される部分だけをもっとも効率良く照明する照明方法。 (( 透過光観察時の最重要事項透過光観察時の最重要事項 ))

① 対物レンズ10×か20×でコンデンサは明視野の位置にして、コンデンサの高さ調整ノブでコンデンサを標本の底面から1~3mm位離れる高さにあわせます。

② 視野絞りを絞り、視野絞りの輪郭がシャープに見えるようにコンデンサを上下移動させて高さをあわせます。

③ コンデンサのセンタリングノブで視野絞り像を中心に持ってきて、視野いっぱいよりもほんの少しだけ小さくなるくらいに視野絞りを開きます。

大まかな光束を捉える

絞りの輪郭を捉える

視野中心に持ってくる

視野ぎりぎりに開ける

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位相差検鏡法位相差検鏡法(Zeissユーザーである フリッツ・ゼルニケが1934年に考案した検鏡法で、1953年にノーベル物理学賞を受賞)

光が物質の中を透過するときに、屈折率の差による散乱を起こし光が物質の中を透過するときに、屈折率の差による散乱を起こし

て位相のずれが生じる光学的な効果を利用した結果、無色透明なて位相のずれが生じる光学的な効果を利用した結果、無色透明な

生細胞等の可視化が可能になった。生細胞等の可視化が可能になった。

位相リングが入った対物レンズを用い、 コンデンサの中の開口絞りの代わりに位相リング絞り(Ph1.2.3と大きさが違う)で対物レンズの表記に合った位相リング絞りを光路中に入れます。

左下写真の芯出し望遠鏡等を使用して、白いリングと黒いリングが重なり合うようにコンデンサー中のリング絞りのセンタリングを行います。

位相リング絞り(白)

位相リング絞り(灰色)

標本重なって最適な状態

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リングのサイズと位置を合わせるのがポイント!

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微分干渉(微分干渉(DICDIC))検鏡法検鏡法

偏光検鏡法を応用した検鏡法で、標本内の光路差に影をつけ偏光検鏡法を応用した検鏡法で、標本内の光路差に影をつけ

てレリーフ像のように可視化するもので、位相差像のようにてレリーフ像のように可視化するもので、位相差像のように

ハローによって解像度が妨げられることがなく、分解能が高ハローによって解像度が妨げられることがなく、分解能が高

く被写界深度が浅い為、無染色で厚い標本の微小部分の観察く被写界深度が浅い為、無染色で厚い標本の微小部分の観察

も可能です。も可能です。

① ポラライザ(偏光子)② DICプリズム ③ DICスライド ④ アナライザ(検光子)*減光の効果をもつので、   必ず蛍光観察時には外すこと。

①ポラライザ

②DICプリズム

③DICスライド

④アナライザ

標本

下記の4つのパーツが右図のように光路中下記の4つのパーツが右図のように光路中に入っている必要があります。に入っている必要があります。

偏光を応用するので、偏光性を乱すプラスチックディシュ等では観察できません。(倒立型顕微鏡で培養細胞を観察する際には、ボトムカルチャーディシュを使用します。)

DIC像を完璧に出すためには、ケーラー照明、開口絞りの調整、DICスライドのネジでの微調整が不可欠です。

①&④

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蛍蛍 光光 検検 鏡鏡 法法GFP等の出現で、生細胞内で作られた特定の蛋白を可視化できるようになり、FRET,FLIP,PA-GFP,Kaede,Yellow Cameleon等さまざまな手法が生まれている。

特殊な試薬によって蛍光染色された分子は、特定の特殊な試薬によって蛍光染色された分子は、特定の

光を吸収し、再び光を放出します。 この放出され光を吸収し、再び光を放出します。 この放出される光は、励起光に対して約る光は、励起光に対して約2020nmnm~~50nm50nm程程長い波長を長い波長を持っていて、その放出された光が蛍光です。持っていて、その放出された光が蛍光です。

励起光

蛍 光良い蛍光像を得るための必須要素良い蛍光像を得るための必須要素

① 高い分光特性をもつ蛍光フィルタ類② 使用波長に適した透過特性をもつ光学系③ 開口数の高い対物レンズ(出来れば油浸・液浸系)

狭帯域バンドパスフィルター(BP)

広帯域バンドパスフィルター(BP)

ロング゙パスフィルター(LP)ショートパスフィルター(SP)

各種蛍光フィルタの波長特性

光源ランプHBO

A.励起フィルタC.吸収フィルタ

B.ダイクロイック

ミラー

2.励起光(青色)

3.蛍光(緑色)

1.水銀白色光

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細胞

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デジタルカメラでの顕微鏡写真撮影デジタルカメラでの顕微鏡写真撮影

デジタルカメラでの撮影は、従来の銀デジタルカメラでの撮影は、従来の銀塩写真に比べて、その場で撮影結果が塩写真に比べて、その場で撮影結果が判る等のメリットがありますが幾つか判る等のメリットがありますが幾つかのポイントがあります。のポイントがあります。

①① 画像内の濃度情報を出来る限り幅広く取り込む。画像内の濃度情報を出来る限り幅広く取り込む。【暗部を潰したり、明部をサチらせたりしない】(照明光量の適切な調整またはカメラの感度調  整等を行い、ヒストグラム等で確認する)

②② 出来る限りディライトで撮影をおこなう事 出来る限りディライトで撮影をおこなう事 (照明光を適切な色温度になるランプ電圧にして ブルーフィルターを入れ、白色光にする。)

デジタルカメラ

③③ 取得した画像の最終的な仕上げやプリントを取得した画像の最終的な仕上げやプリントを

   正確に行うために、正確に行うために、PhotshopPhotshop等の等のソフトウエソフトウエ

   アの基本操作を習熟する。アの基本操作を習熟する。

ソフトウエア

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その他、知っておくと便利なこと

カバーグラス等についてカバーグラス等について

①① 高倍率観察時のカバーガラス厚について高倍率観察時のカバーガラス厚について  ( 対物レンズの開口数が0.4以下ではさほど影響はありませんが、    開口数 0.8以上の場合には、考慮する必要があります。)基本的に顕微鏡で観察をする場合には、カバーガラスは厚さが0.17mmの物を使用してください。(松浪硝子製カバーガラスの場合 No.1S〈0.15~0.18mm〉が最適です。)倍率が高くなるほど、また開口数が大きくなるほどカバーガラスの厚さのばらつきが、画質に悪い影響を与えます。  その為に高開口数の対物レンズ゙の一部には、カバーガラスの厚さのばらつきを補正するための補正環が付いていますので、そのようなレンズをお使いの方は補正環の位置にご注意を!  補正環の位置がずれていると、30万円のレンズも3万円のレンズと同じような像になります。  

②② 倒立型顕微鏡での、培養細胞等の高倍率観察倒立型顕微鏡での、培養細胞等の高倍率観察

最近、LSM等を用いて培養細胞で細胞内蛋白等を蛍光染色して観察するケースがよくあります。その際には通常のプラスチックシャーレではなく、シャーレ底部の観察部のみをカバーガラス材にしたガラスボトムディシュを使用することにより、あらゆる検鏡法が可能になります。(松浪硝子の場合商品コード D111300 35mmφディッシュ No.1Sガラス14mmφホール)

補正環補正環

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① 目で見えるような汚れや埃が付いていない顕微鏡・標本を用いる。  顕微鏡を汚さないために、使用した後は油浸オイル等を綺麗に拭き  取って電源を切ってダストカバー等を掛ける。

① 目で見えるような汚れや埃が付いていない顕微鏡・標本を用いる。  顕微鏡を汚さないために、使用した後は油浸オイル等を綺麗に拭き  取って電源を切ってダストカバー等を掛ける。

② 目的に応じた最適なレンズ、フィルター等を使用する。② 目的に応じた最適なレンズ、フィルター等を使用する。

③ 開口絞りと視野絞りの役割を正しく理解して、有効に使いこなす。③ 開口絞りと視野絞りの役割を正しく理解して、有効に使いこなす。

④ 透過光観察時は、必ずケーラー照明を行う。④ 透過光観察時は、必ずケーラー照明を行う。

⑥ 顕微鏡画像形成に影響を与えるカバーガラス等にも注意をはらう。⑥ 顕微鏡画像形成に影響を与えるカバーガラス等にも注意をはらう。

⑤ 各種検鏡法に必要な知識を持って、必要なパーツを正しく光路中に  入れる。(微分干渉時のポラライザー・プリズム等)

⑤ 各種検鏡法に必要な知識を持って、必要なパーツを正しく光路中に  入れる。(微分干渉時のポラライザー・プリズム等)

⑦ 画像が見えなかったり、欠けて見えるときには、冷静にランプハウスから順に光路を追って原因を調べる。【光路切換レバーや、遮光板等に注意!】

⑦ 画像が見えなかったり、欠けて見えるときには、冷静にランプハウスから順に光路を追って原因を調べる。【光路切換レバーや、遮光板等に注意!】

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