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1 伊丹市福祉対策審議会 第2回障がい者部会 議事録 平成 29 年8月2日(水) 午前 10 時 00 分~午後 12 時 10 分 市役所議会棟3階 第2委員会室 (委 員) 松端委員、原田委員、篠原委員、阪上委員、岸委員 中村委員、岡田委員、四本委員、松原会長 氏田委員、藤原委員、迫田委員 健康福祉部 坂本部長、健康福祉部地域福祉室 井手口室長 こども未来部こども室 須磨室長、子育て支援課 友澤課長、障害福祉課 橋本課長、 (1)第1回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議の報告について 資料1-1 (2)伊丹市手をつなぐ育成会からのヒアリングについて 資料1-2 (3)「地域移行・地域定着支援の充実」(原案) 資料1-3 (4)第2回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議の報告について 資料2-1 (5)「就労支援の推進」(原案) 資料2-2 (6)伊丹市障害福祉計画策定のためのアンケート調査結果の報告について資料3 (7)その他 平成 29 年度 伊丹市福祉対策審議会 第2回障がい者部会次第 部会委員名簿 資料1-1 第1回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議報告書 資料1-2 伊丹市手をつなぐ育成会からのヒアリング 資料1-3 「地域移行支援・地域定着支援の充実」(原案) 資料2-1 第2回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議報告書 資料3 伊丹市障害福祉計画(第5期)策定のためのアンケート調査結果報告書

伊丹市福祉対策審議会...1 伊丹市福祉対策審議会 第2回障がい者部会 議事録 開 催 日 時 平成29年8月2日(水) 午前10時00分~午後12時10分

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1

伊丹市福祉対策審議会 第2回障がい者部会

議事録

開 催 日 時 平成 29年8月2日(水) 午前 10時 00分~午後 12時 10分

開 催 場 所 市役所議会棟3階 第2委員会室

出 席 者

(委 員)

松端委員、原田委員、篠原委員、阪上委員、岸委員

中村委員、岡田委員、四本委員、松原会長

欠 席 者 氏田委員、藤原委員、迫田委員

事 務 局

健康福祉部 坂本部長、健康福祉部地域福祉室 井手口室長

こども未来部こども室 須磨室長、子育て支援課 友澤課長、障害福祉課 橋本課長、

議 事

(1)第1回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議の報告について 資料1-1

(2)伊丹市手をつなぐ育成会からのヒアリングについて 資料1-2

(3)「地域移行・地域定着支援の充実」(原案) 資料1-3

(4)第2回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議の報告について 資料2-1

(5)「就労支援の推進」(原案) 資料2-2

(6)伊丹市障害福祉計画策定のためのアンケート調査結果の報告について資料3

(7)その他

資 料

平成 29年度 伊丹市福祉対策審議会 第2回障がい者部会次第

部会委員名簿

資料1-1 第1回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議報告書

資料1-2 伊丹市手をつなぐ育成会からのヒアリング

資料1-3 「地域移行支援・地域定着支援の充実」(原案)

資料2-1 第2回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議報告書

資料3 伊丹市障害福祉計画(第5期)策定のためのアンケート調査結果報告書

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議 事 の 経 過

発 言 者 発 言 内 容

事務局 伊丹市福祉対策審議会平成 29 年度第2回障がい者部会を開催いたします。皆さ

ま方におかれましては、本日は大変お忙しい中、ご出席をたまわりまことにありが

とうございます。初めに本日お配りしております配付資料の確認をお願いします。

資料確認

1.部会長あいさつ

部会長 皆さん、おはようございます。今日はワーキングの報告とアンケート調査結果報

告書が出ていますので、アンケートの報告をいただきながら皆さんと一緒に議論で

きたらなと思います。どうぞよろしくお願いします。

事務局 それでは、本日の委員の出席状況及び本会議の傍聴者について事務局より報告い

たします。

まず本部会には障がい者部会委員のほか、福祉対策審議会の会長、副会長の出席

を任意に認めており、本日は会長にご出席をいただいております。よろしくお願い

します。

部会委員の出席状況ですが、部会委員総数 12 名中出席が8名、欠席が4名とな

っております。伊丹市福祉対策審議会規則第5条第2項の規定に準じ、本会議が成

立していることをご報告申し上げます。

併せまして伊丹市審議会等の会議の公開に関する指針第3条の規定のとおり原

則となっております。伊丹市福祉対策審議会の傍聴要領におきましては、この指針

に基づいた規定となっております。本日の傍聴者は3名です。以上です。

部会長 それでは始めたいと思います。まず、議事録署名人ということで篠原委員と岡田

委員にお願いしたいと思いますがよろしいでしょうか。よろしくお願いします。

ではお手元の次第にしたがって進めたいと思います。まず一つ目、第1回ワーキ

ング会議の報告についてということでお願いします。

事務局 議事(1)第1回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議の報告について

部会長 第1回のワーキング会議の報告ということで、3名の方に話題提供をいただいた

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ということです。それを踏まえて医療ニーズの高い方への短期入所の支援、一般に

問題行動があると言われる方をいかに支えるかという支援ネットワークの構築の

話、それから精神科病棟に長期入院している方の退院支援に関して、特にピアサポ

ーターの必要性についてということです。その後、グループワークで議論しながら

まとめていったということでしょうか。

もう一つ、care in community、care by community とありますが、in の場合は

care in the communityと the がいるのではないでしょうか。どちらでもいいので

しょうか。

会長 theがあったほうがいいと思います。

部会長 地域の中でケアするということと、コミュニティ自体がケアの機能を担うという

ことで、in だと中にいるという意味になると思います。byだとコミュニティによ

るケアというニュアンスでしょうか。

何かご質問、ご意見ございませんか。

こういう議論を踏まえて計画にどのように落とし込んでいくかをこれから詰め

ていくということでいいですか。資料1-1の2ページ、3.グループワーク提案

内容(1)医療的ニーズが高い方~に載っている「しぇあーど」というのは市内の

事業所ですか。

事務局 はい、そうです。

部会長 医療ニーズの高い方が、ということは看護師さんがおられるということですか。

事務局 看護師さんもいらっしゃいますが、看護師さんだけではありません。

部会長 医者もいるのですか。

事務局 いいえ、お医者さんはおられません。介護福祉士さんやヘルパーさんです。

部会長 医療面の部分では看護師さんがいて、それプラス、ケアをする方がセットで動い

ているということですか。

事務局 セットではありません。

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部会長 結構、いっぱいなのですね。

事務局 はい。

部会長 医療的なケアは家族がやる分にはいいですが。第三者がやるとなると条件が加え

られますので、どこでもできるわけではないということ。それから、単価があまり

よくないので、事業所も積極的に事業に乗り出さないという問題がありますね。だ

けど、これは高齢者の部分もそうですが、例えば、がんの方を地域で支えるという

ことになると、医療サービスをどう整えるかということですが、前回でしたか、伊

丹のお医者さんはあまり理解がないとおっしゃっていたような気がしたのですが。

事務局 自立支援協議会でそういった意見が出ていました。

部会長 理解がないわけではないでしょうが、実質的な協力が得られる状態ではないとい

うことでしたでしょうか。その辺も考えなければなりませんね。

A委員 1ページ目の一番下、2.話題提供者の主張のポイント(2)の詳細に「地域の

自己防衛意識が高まり、「本人を入院させて」と市へ相談、とありますが、こうい

うことは直接病院のほうに言っていっても別に問題ないんですね。このようにご近

所で常時、家のインターホンを押しながら、悪態をつきながら回っている方がおら

れるのですが。

部会長 順番にインターホンを押しながら、というのはかないませんね。

A委員 以前あったケースで、ある日の夕方、すごく機嫌が悪かったのでしょうね。自分

の通り道に止まっている車の後ろのガラスをたたき割ってしまったんです。多分、

その車も自分の家の前だったのですが、通り道を遮るようなかたちで止まっていた

のでムカムカしたのだと思います。ところが壊されたほうは頭にきて、大騒動にな

ったことがありました。そんな時、市へ言ったり、救急車呼んだりして、結局、警

察を呼んでしまったんです。

部会長 器物破損するんですか。

A委員 そうです。警察官が3人か4人来て、その方が逮捕されるということになりまし

た。家族の方が出てきて謝られたのですが、結局連れていかれてしまうという状況

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がありました。日常的には直接手を出したりはしてはなかったと思うのですが、身

体が大きいものですから周りに脅威を与えていたという事実がありました。そうい

う場合は入院が一番いい方法なのか。僕らも絶えず会っていたわけではないのです

が、よく分からなかったものですから、そのようなことになりました。

その方のお母さんも日常的に学校のグラウンドに向かって延々と演説をされて

います。あいさつをすると、普通にあいさつを返してくれるのですが、そのお母さ

んに言うわけにもいきませんし、結局、弟さんが「私が弁償しますから」といって

車の所有者の方に謝りに行かれましたが、弁償するのも難しいような経済状況でし

た。

こうなってくると地域で見守るような余裕がないというか、そこまでできるかな

という感じがします。

部会長 その方は今、どうされているのですか。

A委員 分かりません。どこかに引っ越されました。

部会長 まず調子が悪い時だったということですね。

A委員 その時の気分によって行動のパターンがあるようで、窓の下からこの家を返せと

ずっとがなっておられる時もありました。ですから、やっぱりちょっと危険を感じ

たりします。最近ちょっと見かけなくなりましたが。

部会長 悪い状態になってしまうと、それこそおっしゃるように入院という話になってし

まいます。不安定じゃない状態にしておくことができればもっと穏やかなはずで

す。どうでしょうか、C委員。

C委員 以前にも自警団を作って地域ともどもというケースもありましたが、やっぱり地

域の理解が必要で、怖がらないであいさつができる関係というのが基本かなとは思

います。一旦こじれると地域の方がすごく恐怖を感じたり、その人を敵にして地域

と対立するという形になりがちですので、そうなると最悪かなと思います。

部会長 障がいのある方が朝、子どもに声掛けをするというクレームが来たため、声掛け

をしないようさせるという対応をしたという話を聞いたことがあるのですが、伊丹

市の事例ではなかったでしょうか。

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事務局 違います。

部会長 声掛けを迷惑行為だとして事業所に親からクレームが行ったわけです。それなら

声掛けをしないようにしますということでやめになりました。例えば、いきなり「お

はよう」と声を掛けたら子どもはびっくりすると思いますが、その人に声掛けさせ

ないようにするのではなく、「おはよう」と言われたら「おはよう」と言ってあげ

てねと言えば済む話ですよね。

C委員 それでうまくいったのが話題提供②の事例です。最初は困った人、わけの分から

ない人という中で支援者が入ることで、ご近所にその人が障害を持っているという

ことが分かりました。関わりを持ったところ、その人がすごくいい対応をされたこ

とで、みんながすごく感動したというお話でしたが。

部会長 ちょうど間に入る方がいて、うまく調整できたらいいと思います。確かに変な面

もあるかもしれませんが、そういう人だと思えば許容範囲の中に収まるかと思いま

す。

C委員 継続的な支援がすごく必要で、結構、手が掛かりますね。ご近所との関係がよく

なったからといって、その人の障害が完全に治るわけではなくて、問題が次から次

へと起こってきます。

部会長 一つのことが解決しても、また似たような別のことが起こりますね。

C委員 そうです。ただ、それをしようがないねと言いながらフォローしていくのはやっ

ぱり専門的な支援になるかなと思います。地域だけではフォローしきれないので、

専門的な支援と近所の理解があればいい形になると思います。

部会長 いきなり理解だけ求められても困りますね。普段接したこともない状態だと、や

っぱりどうしても避けようとすると思います。

C委員 問題が起きた時に支援者がすぐに飛んでくることができるといいのですが。

部会長 そういう支援があるといいでしょうか。

C委員 そうすると皆さんが安心されます。

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部会長 家庭と本人だけの問題になってしまうと排除の対象になってしまいますね、迷惑

な人ですから。やっぱりそこに支援者が入って、間をうまく仲介できると何とかや

っていける可能性はありますでしょうか。そもそもその方は調子が悪かったのだと

思います。いつもそんな態度ではなかったんだと思います。車のガラスは普通割れ

ないですもんね。相当頑張らないと。よっぽどエネルギーがないと無理です。

A委員 体格の良い方だったものですから、力がすごかったと思います。壊された方のご

主人が尼崎市かどこかから猛スピードで車で帰ってこられました。大騒動になりま

した。

部会長 それは大騒動になると思います。本当は笑い話にするような寛容さがあればいい

のですが、なかなかそういうわけにはいきませんね。「共生」と言うのは簡単です

が、実際はなかなか難しい。共生というのは排除と背中合わせです。

ということで松原先生、社会的見地から何かございませんか。

会長 精神の問題はどこでも対応に苦慮していると思います。もっと普遍的に出てくる

のは認知症で、今は4人に1人と言われています。そういうことが当たり前になっ

てくるわけです。精神の方を地域の中でサポートできる仕組みができたら、高齢者

の問題も解決できると思います。

部会長 いわゆる迷惑行為を日常的に誰かがする可能性はありますね。

会長 ありますね。ですから、そういうふうなコミュニティになるにはどうしたらいい

かと。

部会長 それを排除するのではなく、お互いがしようがないねと言えるように。

会長 認知症の問題が出てきたら、これからはそれが日常茶飯事になってきますから

ね。ですから、そういう意味では試金石といいますか、これがうまくクリアーでき

たら認知症も安心して伊丹市に住めるようになると思います。

部会長 どちらにしても、ご本人や家族だけの問題にしてしまうと駄目なんですね。そこ

にやっぱり専門的な支援の機能が入って、まさにネットワークをつくるようなもの

がないとなかなか機能しないですね。

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B委員 私が家族会で聞いた話では、夜中に暴れ出したのですが、暴れ出した本人が体格

がよくて、夫婦と弟で押さえようとしたけれども押さえられなかった。しようがな

いから警察を呼んだという話をよく聞きます。

部会長 調子が悪くなる前の段階で上手に対応できたらいいのでしょうが、不安定になっ

て、そこまでいってしまうとなかなかしんどいですよね。

B委員 昼夜逆転していて、夜も寝ないらしいのです。

部会長 それは認知症の方もそうですね。夜中に家を出て徘徊すると大変ですね。それは

特別な話ではなく、結構日常的に隣でとか、自分の家で普通に起こりうることです

ね。それを地域で支えるというのはなかなか難しいと思います。地域包括ケアシス

テムとか、地域福祉全体の課題としても重要かと思います。

B委員 私は以前にもお願いしていたのですが、借家の連帯保証人制度の確立と親亡き後

の住居の確保、生活費の確保をぜひ検討していただきたいと思います。

部会長 借家の連帯保証人は重要ですね。

B委員 そうですね。私の場合、保証人になれないですから。

部会長 あとは親亡き後の問題ですね。親亡き後の問題はいまだに解決していないです

ね。地域でどう生活を支えていくかという課題です。その他いかがでしょうか。次

に進みます。

事務局 議事(2)伊丹市手をつなぐ育成会からのヒアリングについて

部会長 育成会の方にヒアリングをした結果ということで、6つの柱で整理されているわ

けですね。これはこういう項目についてお聞きしたということですか。特に障がい

のある方の高齢化の問題、先ほどおっしゃった親亡き後の問題、高齢化してくると

余計それがリアルな課題になると思います。いかがでしょうか。国でも高齢化の問

題は議論にのぼるようにはなりました。この後にも出てきますが、地域移行、地域

定着支援というのが比較的、年齢層の若い方をイメージしているんですね。多分、

50 代ぐらいまでのイメージ、30 代、40 代、せいぜい 50 ぐらいまでの方のイメー

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ジで、施設で暮らしている方が地域で暮らせるようにサポートしましょうと。さら

にはそこで定着できるようにということですが、高齢の方でしたら、例えば、普通

に地域で暮らしている方が介護度が重くなって、特別養護老人ホームに入ったりす

るので、それを考えると、高齢の方が施設にいらっしゃって地域に出るなり、ある

いは地域でご家族と暮らしていて、その後どうするかという課題は結構深刻な課題

で、単純に地域移行という話ではありません。この辺り、伊丹市としてどう考える

かですが、事務局、何かアイデアはありますか。そこまで考えていらっしゃらない

ですか。

事務局 資料1-3に計画の原案として、このように進めていくのはどうでしょうか。

部会長 後ほどおっしゃっていただけるということですね。

事務局 はい。

部会長 今の育成会のヒアリングに関していかがでしょうか。

いいでしょうか。またお気付きの点があれば、またおっしゃっていただけたらと

思います。

会長 先ほどの話ですが、やはり親亡き後ということを皆さんおっしゃっていますが、

実は豊中のコミュニティソーシャルワーカーが最近テレビで、、豊中市に引きこも

りが 2,000人いて、親亡き後というのがすごく大きな問題なっているということで

した。連帯保証人の話もそうですが、ですから、先ほども言いましたが、やっぱり

ある種、僕ら社会が抱えている大きな問題、差別とか、居づらさといったものが全

部障がい者にすごく先鋭化した形で出ている。これを解決できたら、誰にでも起こ

っている問題が解決できると。そういった意味では障がい者に対する対応とか居づ

らさを解消することが次に起こる、例えば、引きこもりもそうですし、認知症もそ

うですし、誰にとってもプラスになるということになります。それだからこそやら

なければならない。障がい者だからというのではなく、これは社会として起こる問

題が障がい者で先に起こっている。だから社会の欠陥を障がい者が気付かせてくれ

ているからやるんだと。障がい者だからやってあげなきゃいけないというのではな

く、逆に社会の持っている欠陥を身をもって見せてくれているというか。

部会長 まさに先鋭化ですね。そこに極端に現れていますね。

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会長 だからこそこの社会を変えていかなければならない。よく社会モデルと言います

が、障害をどう捉えるかという時に、社会の生きづらさ、社会の関係の中で捉えて

いく。兵庫県でも計画を作っているのですが、なかなかそういう視点がありません。

僕は県内でも伊丹にそこを一番期待しています。福祉先進都市といいますか、住み

やすいまちとしてすごく期待していますので、ぜひ伊丹から流れを作ってもらえた

らと思います。

部会長 豊中市には引きこもりの方が約 2,000人いるということですか。

会長 そう聞いています。

部会長 伊丹市には 2,000人の半分として 1,000人は引きこもりの方がいそうですね。

昔、8050問題という言い方をしていました。80歳前後の親御さんのところに 50

歳前後の息子さんなり娘さんが同居していると。同居しているのは問題ないのです

が、その息子さん、娘さんが仕事に就いていなくて、いわゆる引きこもり状態の方

であると。その方が実は発達障害や知的障害などがある場合もあると。当然、ない

場合もありますが。家庭の中にそういう方がいらっしゃるので表に出ないわけで

す。

親御さんも 80 歳前後となると介護の課題などがあって、ケアマネジャーさんが

入るようになります。それでようやく家庭の問題が顕在化してくると。こうした状

態を 8050問題といっています。厚労省もこの言葉を使っています。

ただ、8050 問題と言われる前から障がいのある方を家庭でご家族や兄弟姉妹が

支えてきていますので、もともとその問題はあったわけです。親亡き後の問題も言

われ続けて 40年、50年なります。それで施設を作ってきたのですが、施設を作る

のではない別の対応をしなければならないと言いながら、ちゃんと安心できる体制

がまだできていない。

伊丹の強みは面積が狭いところで、地域をイメージしやすいと思います。小さな

エリアですから、多分ニーズ把握も真剣に取り組めば結構な確率で本人が手を挙げ

ていなくて、SOSを出していなくても気付きやすいと思います。これがもっと広

い地域で、例えば、西宮市だと市域がとても広くなってしまって把握することが難

しくなると思います。

伊丹市はエリアが小さくて、比較的均質です。そんなに多様性もなく、似たよう

な地域でニーズの把握がしやすい。もう一つは、対応する場合も小さなコミュニテ

ィですから、ある程度話し合いしながら合意形成がしやすいかなと思います。その

辺り、松原先生いかがですか。

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会長 確かにそれはメリットですね

部会長 エリアが広すぎたり地域が多様だったりすると、市としての取組が難しくなると

思いますが、地域福祉や障害福祉の中で、「地域の中で」という時の地域のエリア

が狭くて比較的均質な地域というのは条件的には有利だと思います。それをうまく

生かせるといいですね。ですから地域福祉の計画もありますが、それとも関連させ

ながら、地域共生社会となるとそれがリアルに実感できるようなものが必要だと思

います。

その他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。とても重たいテーマですが、ぜ

ひ障害福祉計画でそこまで掘り下げた計画が立てられたら全国に例がない計画に

なると思います。障害福祉計画はサービス整備計画のようになってしまいますの

で、どうしても国の枠組み、県の指針に従って作っていきますが、その辺りまで掘

り下げて今回の計画を立てられたらいいと思います。

今のこととも関連して、次は資料1-3「地域移行支援・地域定着支援の充実」

(原案)について、ワーキング、ヒアリングの結果も踏まえて市のほうで原案を作

成いただいているということでしょうか。説明お願いします。

事務局 議事(3)「地域移行支援・地域定着支援の充実」(原案)資料1-3

部会長 地域移行支援・地域定着支援の充実ということで、計画に盛り込む具体的な案を

お示しいただきました。一つにグループホームの整備、二つ目は精神障がい者の地

域生活支援、三つ目は地域生活支援拠点の整備、それから四つ目は、先ほどから話

題になっている高齢化への対応。五つ目はそれぞれとも関連しますが緊急時支援。

六つ目が一人暮らしを支える、地域生活を支援する新たなサービスということで自

立生活援助。七つ目が障害を理由とする差別の解消です。いかがでしょうか。

地域で生活となるとグループホームの整備が重要になるということで、これまで

に引き続き整備していくということ。新規開設サポート事業というのはどういうこ

とでしょうか。

事務局 グループホームを開設する時に必要な冷蔵庫などの備品の購入費用や住居の借

り入れをする際の初期費用、敷金、礼金、仲介手数料などの助成をするということ

です。

部会長 立ち上げの際の費用面での助成ということですか。

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事務局 はい。

部会長 1)グループホームは一時すごい勢いでできていましたが、今は鈍化傾向である

と。そこにてこ入れをするということですね。

それから、2)精神障がい者の地域生活支援でいうと、全体ではまだ入院されて

いる方もおられますが、地域で生活しておられる方が増えてきている。伊丹市でも

全国的にもそういう傾向なので、この支援を徹底していきましょうということで

す。具体的には、自立支援協議会の中に、精神障がい者の地域生活支援検討会で出

前講座などをしていますが、地味ですが地道な取組を継続しましょうということで

しょうか。

事務局 はい。

部会長 それから、地域生活支援拠点は、前回の計画の目玉だったのですが、実はこれは

全国的に整備が進んでいません。多機能拠点というのは1カ所が総合的に短期入所

とかも含めて機能を持ちましょうということ。面的整備というのは、いくつかの法

人施設、事業所が連携しながらそういう機能を持ちましょうということですが、こ

れはもう一度そこから検討し直すということでいいのでしょうか。

事務局 はい。

部会長 どちらにするかという結論はありませんね。

事務局 ありません。

部会長 こうしようという思いがあって、一応、形式上議論してもらいましょうというこ

とはありませんか。

事務局 そうではありません。

部会長 本当に伊丹市にとってよりよいのは何かと。国の示している2パターンの内どち

らが伊丹の今の実情にふさわしいかということを検討していただいてということ

ですね。

7ページに具体的な検討のロードマップが載っていますが、これは国の資料にな

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りますか。

事務局 はい。

部会長 国がステップを踏んで検討して進めていきましょうということを示しています

ので、この枠組みにそって自立支援協議会の地域生活支援拠点整備検討会を立ち上

げて、そこで検討していきましょうということでいいですか。

事務局 はい。

部会長 4)高齢化への対応については、先ほどこれは国のほうでも議論になっていると

いう話をしましたが、介護保険と障がい者のサービスの相互乗り入れが今回の一つ

の目玉の改革ではあります。ですから、障がい者施設が介護サービスを、介護事業

所が障がい者のサービスをお互いに提供しやすくしていく。利用者からみたら、障

害から高齢者までのサービスを本人の状況に応じてうまく利用できたらというこ

とでしょうか。

それから5)緊急時支援については何か具体的な策はありますか。とにかく緊急

時の支援が必要だということで、地域生活支援拠点の中にショートステイ機能があ

ったり、医療的ケアの問題などもそうですが、これはいろいろなところに絡んでき

ます。10ページでは具体的には何をすることになるのでしょうか。

事務局 具体的には何もしません。地域生活支援拠点の整備の協議の中で、例えば、面的

整備ということであれば、ここの事業所に緊急のためのベッドを1つ持っておいて

もらいましょうかとか、地域で輪番制で1つずつ空きベッドを持ちましょうかと

か、そういう議論になっていくといいなとは思っていますが。

部会長 その時に高齢者施設も巻き込むことができたらいいですね。そこが今、課題なの

で、障害の施設だけに頼るのもなかなか大変ですし、実際、高齢化してきているわ

けですから、市内の障害、高齢の施設、法人、事業所が連携して緊急時のショート

ステイの対応ができたらということでいいですね。

それから、11 ページは新しくできる仕組みですが、これは一人暮らしの方の地

域生活を支えるための相談支援的、寄り添い型の支援でしょうか。

事務局 見守りです。

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部会長 食事をちゃんと食べているかなとか、家賃の滞納をしていないかなとか、体調は

どうかなということをちゃんと継続的にサポートしていくという事業で、これは相

談支援事業所が実施することになりますか。

事務局 その辺はまだはっきり分かっていません。すでに地域定着支援という相談支援が

ありながら、これがどのような位置付けなのか、ヘルパー事業所なのかなと思って

はいるのですが。

部会長 訪問しないといけませんからね。

7)障害を理由とする差別の解消は次元が違いますが、11 ページまでのところ

で何か質問等ございませんか。

これは原案で、調整したものが計画に入るわけですね。

事務局 はい。

D委員 先ほど説明のありました2ページ、①新規開設サポート事業とは、の一番下に住

居の借り上げ等に要する初期軽費について、「軽費」と軽いという字が使われてい

ますがいいのでしょうか。

事務局 誤字です。修正します。

D委員 補助の対象に敷金は含まれるけれども、保証金等除くと書かれていますが、敷金

は1カ月分、2カ月分程度の少額で、保証金は 10 カ月分、1年分というように高

額になるからという理由でしょうか。

事務局 保証金は退居の際に返ってくるので補助の対象とはしないという考え方です。

D委員 敷金は返ってこないものということでしょうか。

事務局 そうです。

部会長 よく誤字に気付かれましたね。

B委員 家族会でもグループホームの話がよく出てきますが、28年の実績で 20カ所、117

人が利用できるということですが、現在、何人入居しているのでしょうか。

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事務局 現在も 117人入居されています。

部会長 117人というのは平成 28年3月末の実績です。人口 19万人の伊丹市の規模でい

うと、グループホームが 20 カ所あり、117 名の方が生活されているというのは多

いほうだと思います。

事務局 それについては分析したことがありません。

部会長 一時、すごい勢いで伸びたのですが、その後横ばいです。数が減っているのはな

ぜですか。

事務局 28年に1カ所閉鎖したためです。

部会長 1カ所閉鎖したにもかかわらず利用者は増えていますね。

事務局 1カ所あたりの定員が増えているためです。

C委員 11 ページ、自立生活援助について、また新たな取り組みがなされるということ

でとても期待しています。相談支援事業所も地域定着支援ということで、生活全部

に関わっていくということもある中で、どういう展望があるのか、それ以外のこと

でどうかなと思っています。先生に教えていただきたいのですが、以前、サテライ

ト式グループホームというものを検討したことがあるのですが、最近あまり聞きま

せん。サテライト式グループホームは、一人暮らしをされる方をグループホームと

して取り込む形で一つのグループホームが支援するものです。

部会長 それをグループホームにしましょうということですね。

C委員 あれはとても有効なのではないかと思いながら、うちではまだ手をつけられない

まま、分からないままでしたが、先生が見ておられる中でどんなものですか。

部会長 支援体制が分散するので、ちゃんと支援できるかどうかと、あとは単価の問題で

ちゃんとスタッフを置いて支援できるかどうかというところの兼ね合いだと思い

ます。

16

C委員 サテライト式グループホームが有効に動いているかどうか、最近、お聞きになり

ませんか。

部会長 その事例はそんなに聞きません。グループホームですから一つの住居に何人かで

住むということもあるでしょうが、一人暮らしの方が分散して住んでいて、それを

グループホームと位置付けて支援できたら人によってはそちらのほうがいい場合

がありますね。

C委員 精神障がい者の方は特にそうかもしれません。

部会長 一緒にいることがストレスになる場合がありますからね。それは支援体制の問題

だと思います。それから経費の問題もあります。

C委員 経費の問題かなと思ったりします。

部会長 そこがちゃんとカバーできるのであれば、本当はそれがいい人にとってはいいで

しょうね。

C委員 でも、あまり発展していませんね。

部会長 お金がかかりすぎる、スタッフをそろえて丁寧な支援ができないのだと思いま

す。

C委員 きっと要件がきついのでしょうね。うちのグループホームは、ミニサテライトで

2カ所です。

部会長 1カ所が2カ所になったら大変ではありませんか。本人にとってはいいかもしれ

ませんが、支援する側としては大変だと思います。

C委員 法人全体でうまく回しているというということがありますが、そこに相談支援事

業所がいろいろ関わっていて、一人暮らしの方もあって、それをグループホームに

取り込めて、グループホームとしてつながったらいいなというイメージはすごくあ

るのですが、勉強もしていませんし、あまりやっているという話を聞きませんが、

あればいいなと思っています。

17

部会長 いくつかの法人が連携しながら支援体制を作れると、伊丹なりの仕組みができる

可能性はあります。伊丹市はエリアがこじんまりとしていますから、比較的支援も

しやすい。岡田さんの法人だけだとしたら大変ですが、いくつかの法人が連携する

とお互いがスタッフのローテーションを組んで対応できるといいかもしれません。

そういう仕組みができると面白いと思います。市域が広すぎると移動の負担がある

ので大変ですが、伊丹市の場合は移動の負担がほとんどなしでいけます。支援体制

をどのように組むかが課題かなという気がします。

C委員 広がっていないのは、コストがペイするかどうかというところに問題があるから

かなと思うのですが。

部会長 いいことをしようと思うと、負担なりコストなりがかかって経営がしんどいとい

うこともあるでしょう。あまりそういう工夫をせずに、比較的変化のない対応をし

ているほうが経営的には合理的ですね。そういう意味でいえば入所施設は合理的で

す。一定数の方を一カ所に集めて、そこで支援するほうが合理的です。それが分散

すればするほど手間もかかるし、コストもかかります。基本は地域の中で分散して

いるのですが、伊丹市の場合は分散の仕方が市が小さいので比較的支援しやすいで

すし、どれだけ事業所同士、法人同士が連携を取るかによっては、可能性としては

ある気はします。

A委員 うちの事業所はサテライトということでしょうか。

事務局 違います。

A委員 4カ所ぐらいの民間住宅を借り上げて、そこを中心として食事と入浴をサービス

しています。月 10万から 15万ぐらいの事業所の持ち出しになります。なぜかとい

うと、やっぱり職員の配置が固定してできないのと、大体、職員が夜の9時までい

ないと駄目なんです。9時までおられる方と5時になったらすっと自分のアパート

に帰られる方もおられるのですが、その間、ずっと職員を一人配置しなければなり

ません。

この間から、網戸が壊れたとかエアコンが壊れたとか、水道が止まらないとか、

そんなことがしょっちゅうあります。消防署の点検があるといったら立ち会いに行

かなければなりません。本人がいない場合は大家さんに鍵を借りにいくのですが、

部屋はゴミ屋敷に近いところもあります。築年数の古い家を借りている場合が多い

ので大丈夫かなという心配があります。もし火災が起こったらどうなるか。我々は

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一緒に住んでいるわけではありませんので、たばこの管理はできませんし、制約も

していません。

C委員 お話しされている状況が分からないのですが、市が借り上げているのですか。

A委員 そうではありません。本人が家賃を払う形になっています。

部会長 市営住宅の話ですか。

A委員 いいえ、民間です。当初、伊丹市にはあけぼの寮という施設がありましたが、あ

れを壊して分散する時に、あの頃は市営住宅が 800戸ぐらい空いているから、それ

を使ったらいいということで、あの頃の社会福祉法人が大体4人、5人ずつ引き受

けて、そういう形でスタートしたのですが、なかなか市営住宅が自分の職場の近く

にないとか、そこで受け入れてくれないとか、いろいろな事情があってほとんどが

民間の住宅やアパートを借り上げています。本当は一人のはずですが、二人で住ん

でいるところもあります。そのようなシステムでやっています。

C委員 あけぼの寮から出られた方が家を借りて、どこかの福祉施設が運営しているとい

うことですか。

事務局 あけぼの寮に入所されていた方があけぼの寮がなくなる時にグループホームに

移られたんです。そのグループホームで借りた家に二人で住んでいて、法人がグル

ープホーム運営実施主体になっていただいています。グループホームは4カ所ある

のですが、そこに住んでおられる方は就労や一般就労ができている方で、能力の高

い人たちなので晩ご飯と入浴に法人の拠点に来てもらって、その後はまた家に帰る

という仕組みで、グループホームとしてのサービス提供をお願いしますということ

でやっていただいています。先ほど、ゴミ屋敷と聞いてびっくりしています。

A委員 まず心配なのは火災などが起こった場合です。すぐに対応できませんし、その責

任はやっぱり我々にかかってくると思うんです。今、火災保険に入っているのかど

うか慌てて調べているような状況です。それは極端な例ですが、本当にあり得るこ

とだと思います。

もっと身近なところでは、二人が入居しているところでけんかが始まるんです。

そうすると、食事に来るのも時間をずらして来られるようになります。9時ぎりぎ

りに来て食べてさっと帰る人と5時頃に来て食べて帰る方とおられます。そうする

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とその都度、食事の温めなどの対応をしなければなりません。それから、今、一人

の方は作業所のほうで作業が終わったら、すぐにそこに行って食事をして帰られる

というパターンになっています。

自立度の高い方と言いますが、常時様子を見られるような状況をつくっておかな

ければならないと思います。同じ施設の中で見ているわけではありませんので、そ

の人が情報をくれなければ全く分かりません。近所から入ってくる場合もあります

が、実際はほとんど入ってきません。そういう意味では、我々もちょっと今、お手

上げといいますか、検討し直しに入っているような状況です。

C委員 もう一度確認ですが、法人さんがグループホームを運営して、そこに入っておら

れる方がどこかに集まってご飯を食べて帰っていかれるという、そういうグループ

ホームを持っておられるということでよろしいですか。

A委員 グループホームという形に入っていることにはなっているようです。

事務局 それで指定申請をして指定を取られています。

部会長 見かけは一人暮らしをしていたり、二人の共同生活をしているように見えるわけ

ですね。

A委員 そうです。

C委員 サテライト式の場合もグループホームなので、事業所が世話をして家を借りて、

そこをグループホームに指定するということですので、ちゃんとグループホームと

して認識してサポートをする。今、3人のグループホームを三つ持っていますが、

それと同じ1人版がそこにできたという考え方でいいのでしょうか。

事務局 サテライトはそういう考えで大丈夫です。

C委員 そこで何が起こっているか分からないとか、そこが火災でどのように不安な状況

かというのはやっぱり事業所の責任になるので、そこは管理しないといけないです

ね。消防署が来た時は、事業所が鍵を持っていて開けないといけないということに

なるのが基本かなと思います。

A委員 そうですね。そういうことになっているはずです。我々は 20年以上、30年近く

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なるかと思いますが、今まで事故も何もなかったからよかったのですが、やっぱり

ほとんど手が回せないと言いますか、ここの8ページに書かれている現状の通りだ

と思います。お母さんが 80 歳を超えて、サービス付き高齢者住宅に入られた方も

おられますし、そういう意味では一連の流れの中に沿っていける仕組みにはなって

いるのではないかと思いますが、なかなか職員がそこまで配置しきれないという実

態はあります。

ですから、何年か前に職員基準を満たしていないということで、かなりペナルテ

ィーがありました。

事務局 あの時、監査が入って是正していただいていますね。

A委員 そうです。

部会長 施設と違って、地域の中でまさに生活されている方のサポートですので、大分違

いますね。常時はりついているわけでもない面もありますので、そこの大変さもあ

ると思います。

ゴミ屋敷化しているというのは、結局、ゴミが捨てられていないのでしょうね。

A委員 多分、そうだと思います。訪問介護に行っている先でもそういうお宅は何件かあ

りますが、ゴミを捨てないんです。勝手に捨てると、ものすごく怒られますので、

結局、我々が行っても、ヘルパーさんが行ってもゴミを捨てないでそのままになっ

ているわけです。

部会長 適切にお話ししながら、ちゃんと捨てましょうということが言えればいいのです

が。きめ細かさがなくなると溜まってしまって、ゴミなのか、何なのかが分からな

くなってしまいます。

A委員 こだわりがあるのでしょうね。

会長 質問ですが、伊丹にはホームレスの問題はないのでしょうか。つまり、精神障害

とホームレスが重なっている方が多いのですが、その人たちの地域移行ということ

で伊丹ではホームレスの把握はどのようになっていますか。いらっしゃらないので

しょうか。

事務局 橋の下で寝泊まりしている方がいらっしゃるという通報を受けた場合、お話をう

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かがいに行って、保護という形で対応しています。それとは別に定期的にそういう

方が市内にいらっしゃるかどうかという調査をしています。近年の状況でいくと、

まれにそういう方がいらっしゃるという通報があって対応するケースがあるので

すが、ほぼ生活保護のほうでお預かりして、住居の確保をしています。大体、低額

宿泊施設で一旦生活していただいて、保護を受けていただくという対応をしていま

す。障がいのある方で、という切り口ではなく、ホームレス対応という形で対応を

進めているところです。

会長 サ高住は市内にどれぐらいあるのでしょうか。

事務局 件数自体は今、手元に資料がないので分かりませんが、年2軒程度のペースで建

設が進んでいるような状況です。

会長 というのは、高齢化への対応で、障害をお持ちでかつ高齢化した時に介護保険と

の相互乗り入れという話がありますが、これからサ高住も可能性として出てくると

思います。

部会長 住まいの場としてですね。

会長 そのサ高住についても、生活保護受給者の方たちを集めての貧困ビジネスになっ

ているところと、それから特養に入れない方々、中流階級の方の安心の場になって

いるところとで二極化していると言いますか、すごくばらつきがあります。そうい

う意味では、障がいで高齢の方の受け皿としてサ高住がこれからも出てくる可能性

が高いと思いますので、6ページの図にサ高住を載せたほうがいいでしょうし、そ

の時にサ高住は安否確認とか生活相談と言っていますが、本当に身を入れてやって

くれると思います。それから先ほどのサテライトのような扱いをするのか。そうし

たら、実際の生活の支援を誰がするのかと。分担や協働という話も出てくると思い

ます。きっとサ高住も視野に入れておいたほうがいいんじゃないかという気がしま

した。

部会長 住まいの場としてサ高住はこれからますます重要になってくると思います。高齢

の障がいのある方は、高齢にこだわれば障害は背景に退くのでサ高住に住むことは

問題ありませんので、むしろどのように生活支援の体制をつくるのかと。下手をす

ると本当に劣悪な生活実態になる可能性もあります。

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会長 障害の計画ですから障害にフォーカスしているわけですが、例えば、外国人で子

どもに障害がある。そして、お母さんはDVの被害者だというように複合した状況

があると思います。ですから、障害だけに特化して、障害だからこの施設、このサ

ービスというのではなく、やっぱり複合した問題や複合した差別にどのように対応

していくかということを想定したほうがいいと思います。これだけ外国人が増えて

きたのですから。

部会長 複合化していますよね。単純に障がい者の問題というよりも。

会長 失業、貧困、DV、障害、本当にいくつかの問題が複合していると思います。障

害だけの切り口でサービスの受給資格を見るというよりも、もう少しいろいろな可

能性というか、生活困難のいろいろなところを見るように想定したほうがいいので

はないかと思います。

部会長 生活困難に対応すると、要因の一つに障害があり、要因が今は重なっていますか

らね。複合多問題、複合化したニーズと言われたりもします。その中に障害の要素

が入っていたりしますので、そういう観点から考えて、決して障がいのある特別な

人に対する、特別な制度、計画ではないと。超えなくてはいけない課題ですね。

その他いかがでしょうか。

会長 6ページの図で、どちらがいいかということを皆さんにお諮りしようとしている

わけですか。

事務局 今ですか。

会長 これからですか。

事務局 そうです。

部会長 これはどちらかに決めなくてはならないのですか。

事務局 そうです。

会長 この場で。

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事務局 いいえ。この場ではなくて今後の協議会の中で。

会長 だけれども、当然、ここも議論するというか、皆さんのお考えを聞く機会だとは

思いますが、この2つがどう具体的に違うのかとか、どんな特徴があるのかという

ことを説明していただけるとありがたいのですが。

事務局 左側の多機能拠点整備型というのは、一つの大きな建物とか施設や 20 人規模の

グループホームに全ての機能が入っていて、そこを拠点に相談を受けたり、そこで

一人暮らしの体験を受けることができたり、緊急の受け入れをしてもらえたり、専

門的な人材の確保ができたりする。面的整備というのは、大きなセンターのような

ものを作るのではなく、既存の事業所がそれぞれの持ち味を生かして連携すること

で拠点のような機能を果たしていくという面的整備。地域生活支援拠点を今、全国

でモデル事業にも多機能拠点整備型と面的整備型の両方あって、伊丹市でやってい

くにはどうしたらいいかということを7ページの絵のように協議会を作って検討

していきたいということを書いています。

部会長 これは字が薄いですが、6ページ、左側の多機能拠点整備型について、左下は「専

門性」、その上が「体験の機会・場」ですね。

事務局 上に書いてある①から⑤までがこの絵に散らばっていると考えてください。

部会長 次に緊急時の受け入れがあって、それから相談があって、地域の体制づくり。こ

ういう機能を持たなければなりませんが、これが1カ所の、例えば、グループホー

ムの機能を持ったところや障がい者施設がベースがあって、そこに基幹型の相談支

援員なども入って、相談ができる、グループホームができる。そこのグループホー

ムを使って体験入寮ができたり、緊急時のステイもできるというイメージですね。

それを面的整備でいうと、1カ所ではなくて、いくつかの施設なり事業所が連携す

ることによって今の機能を分散して、でも伊丹の中でその機能がありますよという

イメージですね。

事務局 はい。

部会長 市としてはどちらかにしたいという思いがあるのでしょうが、今のところないの

でしょうか。

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事務局 ただ、先ほども皆さんがおっしゃったように伊丹の土地からしてそんなに広くな

いので、面的整備のようなやり方でやっていくのがいいのかなと思っています。

部会長 どこかに建てるといっても場所の問題などもあるでしょうから、いくつか、伊丹

の事業所が連携して、この機能。特に緊急時のステイの話や相談の話など、相談が

できて、困った時に預かれて、体験的にそこで親元を離れて生活する機会を持てる

ようにするという、伊丹は狭いですから、いくつかの事業所が連携したら面的整備

もできると思います。広いと面的整備をするにしても圏域を分けてするといったこ

とが必要になりますが。

自立支援協議会のほうで議論した結果、その報告がまたあがってくるのでしょう

か。検討会を立ち上げて、どうしたものかと考えながら、当然、市内の施設、法人

事業所との話し合いを進めてということでしょうか。もしかしたら、うちが拠点を

しますというところがあるかもしれませんね。

事務局 そうですね。やらせてくださいというところがあるかもしれません。

部会長 後は単価の問題で、事業としてうまくやっていけそうなら手を挙げるところが出

てくるかもしれませんし、自分のところで構えるとしんどいという場合は面的な整

備になるでしょう。

会長 6ページの右側、面的整備型というところの短期入所というところが介護施設と

ダブってくるので、併用する形になってきます。

部会長 面的整備型の場合、短期入所機能は高齢者施設と連携することができると。どこ

かがベッドを持ってするというのはしんどいでしょうから、本当はいくつかのとこ

ろが分散して持っていて、それをニーズがある時にうまく連絡調整できるといいか

もしれませんね。

それでは資料2-1について説明願います。

事務局 議事(4)第2回伊丹市障害福祉計画ワーキング会議の報告について

議事(5)「就労支援の推進」

部会長 第2回のワーキング会議は就労支援をテーマにということで、3名の方から話題

提供をいただきました。それを踏まえて就労支援の推進の原案という形で説明いた

だきましたが、何かございませんか。いかがでしょうか。

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就労支援といっても、就労という特別なものがあるのではなく、丁寧な個別支援

のアセスメントをして計画を立てて、丁寧な支援をしながらというのが基本になり

ますね。

事務局 ただ、企業側の状況は今までの福祉の支援者は全く知りません。

部会長 企業側の状況とこちら側のアセスメントをマッチさせなくてはいけないという

ことですね。

それから発達障がいの方が相当増えていますね。引きこもりの話題もありました

が、引きこもりの方の中にも障がいのある方が結構いらっしゃいますので、暮らし

相談サポートセンターのほうに、生活困窮者の支援もありますが、ケースがあがっ

てくる。それで、障害があるのではないかということで、障害福祉のほうに話がき

たりというケースもあるということです。それから職場への定着については退職者

が8名ですね。

事務局 それは地域生活支援センターで支援している人限定ですが。

部会長 就職後の支援がないと不適応になったり、人間関係がうまくいかなくなったりす

るケースがあるということです。それから 10 ページは工賃向上ですが、これはず

っと課題になっています。最後は特別支援学校卒業者の支援としてどう考えるかと

いうことです。教育から生活、福祉の話になります。そういう枠組みで整理いただ

きましたがいかがでしょうか。よろしいですか。

A委員 工賃向上についてですが、全国平均が1万 5,000円ということですか。

事務局 はい。

A委員 一時期、工賃が向上すると家族の方もすごく喜ばれるので、仕事確保のためにか

なり走り回ったこともあったのですが、結局、作業所の職員が残った分をやらなけ

れば消化できないという状況に陥りました。今やっている仕事が本当に一般就労に

結び付くかどうかというところまで考えると、なかなか思うような仕事が選べなく

なります。また、仕事を選ばなくてはならないような気がしてきたのですが、利用

される方たちの気持ちはどうかと。単純に工賃が増えればいいということではない

と思うのですが、一般就労につなげた仕事をしながら工賃を上げていくのはなかな

か難しいと思います。

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事務局 施設利用者の方それぞれには個別支援計画を立ててもらっていると思います。A

さんは一般就労を目指してこういうことを考える。Bさんは仲間と働き続けること

を目標にするとか、それぞれ皆さん目標が違って取り組まれていて、ヘルプ協会の

事業所の中で利用されている人たちが何を目指しているのかによってどういう作

業を積み上げていくかというのが事業運営の中の骨格になっていくと思います。親

御さんが、ではなくて、本人さんたちがどうなのかということになると思います。

だけど一般就労に向けての力のところで、例えば、こんなことをやっていても一般

就労に結び付かないよねという仕事があるかどうかです。例えば、挨拶ができると

か、困った時にどうしたらいいですかと尋ねられるとか、あとは根気強く取り組め

るとか、最後までやり通せるとか、就労準備性をどの仕事でも培うことができると

思いますので、やっぱり工賃向上を目指すというところは就労系サービスを提供し

ている事業所さんでは優先順位の高い目標になるのではないかと思っています。

部会長 工賃向上が目的化してしまうと、何のための工賃向上かと。職員が一所懸命働か

なければならなくなります。昔はそういうのが多かったと思いますが、障がいのあ

る方の条件に応じて、ふさわしい仕事がうまくできるというのが理想的だと思いま

す。ただ、あまり条件に合った仕事を追求しすぎると工賃がおろそかになるし、工

賃に軸足を置きすぎると支援ができなくなる。難しいですね。

一般就労に移行もあります。例えば、就労支援B型事業所を利用する方の状態に

応じた作業をどううまく結びつけるか。それでしっかりした方が就労移行に回って

一般就労したりする。結構障がいの重い方が残ったりするといった難しい問題があ

ると思います。

会長 起業によって地元企業の活性化をするということで補助金が出たり、コンペをし

たりするという事業は伊丹市ではありますか。

事務局 都市活用の産業振興の分野で企業支援制度はあります。

会長 それで新しい就労の場や企業を興すという時に、障がい者の特性を生かして事業

をするといった事業と障がい者の就労機会とをマッチングさせるようなインセン

ティブを設けることができないかと思っています。つまり、どれだけ一般就労させ

るかという話ですが、今は働き方が本当に多様になってきていますし、多様な才能

を生かす新しい仕事、働き方を起業という形で提案されてきた時に、それが受け皿

になる可能性があると思います。いかに一般就労や企業に就職させるかという発想

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も大事ですが、それだけだとやはり限界がある。つまり、新しい仕事や働き方を開

発していかないと企業自身が手詰まりな状態になります。

企業の寿命は 20 年と言われていますが、新しい分野を開発していかないと、企

業自身もサバイブできない時代だと思います。いわんや日本は起業がすごく少ない

んですね。起業をしたところをてこ入れしていく、あるいは起業が地元経済の活性

化に結び付くということをやっていかなければ、地元経済の見通しが暗くなってき

ます。特にメーカーに頼っていると、海外に進出してしまうこともあります。今日

おっしゃった地元企業がどのような動きをしているのか、地元で頑張ろうとしてい

る人たちを市がどのように支えるのか、それと障がい者の雇用機会とをどのように

結び付けていくかということも大事なことではないかと思っています。

部会長 福祉と労働分野、あるいは地域活性化とか都市活用、産業振興といったあたりの

連携ができますね。既存の枠組みに障がい者が入っていくというよりは、枠組み自

体をもう一度作り直すぐらいの発想が必要ですね。

会長 一方では必要だと思います。

部会長 多様な才能を生かす働き方の開発というのはいいフレーズですね。いろいろな個

性があり、いろいろな力を持っている方が既存の枠の中ではあぶれてしまいます

が、その方々の力を活かせるようなもので、しかも地域が活性化できるような、そ

ういう仕事ができると面白いですね。少なくともそういうことを考える場があれ

ば。行政も部局を超えて。どうしても今は部署が福祉だけになってしまいますから。

今日の話は、従来の障がい者福祉の枠を超えないと考えられないような課題が非常

に多いと思います。今回の計画は今後の可能性も視野に入れた書きぶりも必要で

す。その他いかがでしょうか。

アンケートがあるようですが、どうしましょうか。簡単にご説明いただいたほう

がいいでしょうか。扱いとしてはアンケート結果を踏まえて、計画に反映させてい

くわけですね。アンケートをまとめていただいていますので、これを踏まえて計画

の中に反映させていくのですが、皆さんのほうでも目を通していただいて、特にこ

の辺りは課題があるので計画ではぜひというようなことがあれば、それぞれ検討い

ただければありがたいと思います。それでいいでしょうか。

事務局 はい。

B委員 家族会でいつも話題に出るのは医療費の問題です。ですから、今回はそれを言っ

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てくれという希望がありました。A型で働いても月に5万円ぐらいです。それに年

金をもらっても 11 万円ぐらいしかない。精神科は1割負担ですが、その他、内科

や外科は3割負担です。ほとんどの保護者が 70代、80代になって、年金だけに頼

っているという現状です。宝塚、芦屋、西宮、尼崎といった市は他の科目を受診し

ても1割負担だと聞いています。伊丹市でもぜひ検討していただきたいと思いま

す。

部会長 医療費負担の軽減の話ですね。先ほども作業工賃で生活ができるといいという話

でしたが、今のお話では、最低賃金が保障されているA型に通っていて、年金を合

わせても医療費の自己負担が多くて大変だという話でしょうか。まず実態を丁寧に

把握する必要があると思います。

精神障がいの方で事業所に通って工賃なり賃金を得ている場合、収入と医療費と

のバランスについて、仮に自宅でご両親と一緒に暮らしているとしても医療費負担

がどの程度のしかかっているかということを資料1-3の 10 ページの図のような

形で表していただきたいと思います。精神障がいの方が働きながら医療費を払うこ

とがどれだけ大変かということを整理していただけるとありがたいです。市が単独

でどこまで、何ができるかということは難しいとは思いますが、どういう課題があ

るかということを明らかにしておく必要があると思います。

その他いかがでしょうか。気が付いたらかなり時間がたっていました。終わりま

しょうか。

事務局 (7)その他 今後の予定

部会長 次回は 10 月5日の木曜日の午後ということです。どうもありがとうございまし

た。

(終了)