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世界銀行 Doing Business 2012 日本 ビジネス環境の現状 2012 日本は、ビジネス活動の容易度で「ビジネス環境の現状 2012」 で測定されている 183 カ国のうち 20 位にランク付けされてい ます。日本は、経済開発協力機構(OECD)加盟の高所得国の平 均(「ビジネス環境の現状 2012」による平均ランキング 29 位) よりは高くランク付けされていますが、シンガポール(同ランキ ング第1位)、香港特別行政区(同2位)、韓国(同8位)などア ジア地域の近隣諸国より低い結果となっています。 日本は、他国と比べると、どのようにランク付けされているのでしょうか? 日本のビジネス活動の容易度は、「ビジネス環境の現状」で測定されている183カ 国のうち 20 位にランク付けされています。 「ビジネス環境の現状」が測定するビジネス規制に関する 10の分野のうち、日本は、 破綻処理のランキングで、世界第1位とリードしています。 日本は、2004/05年以来、事業設立、資金調達、破綻処理の分野で5つの規制改 革を実施しました。 「ビジネス環境の現状」(www.doingbusiness.org)は、アフガニスタンからジンバブ エに至る 183 カ国について、長期的に比較可能な、事業規制と財産権の保護に関する定 量的指標を測定するものです。国内の企業家にとって、法令を順守しつつ中小企業を設 立、事業を運営することの難易度を「ビジネス環境の現状」の総合ランキングによって 明らかにしています。「ビジネス環境の現状 2012」では、事業設立、建設許可取得、電 力事情、不動産登記、資金調達、投資家保護、納税、貿易、契約執行、破綻処理に関する 10 のビジネス規制分野を測定しています。各国のビジネス活動の容易度のランキング は、これら各指標の単純平均によるものです(%ベース)。 各指標の測定方法、ランキングの計算等の詳細は、「ビジネス環境の現状2012」報告書、41-61頁、(http://www. doingbusiness.org/reports/global-reports/~/media/FPDKM/Doing%20Business/Documents/Annual- Reports/English/DB12-Chapters/Data-Notes.pdf)を参照ください。 Doing business in a more transparent world 2012 COMPARING REGULATION FOR DOMESTIC FIRMS IN 183 ECONOMIES This map was produced by the Map Design Unit of The World Bank. The boundaries, colors, denominations and any other information shown on this map do not imply, on the part of The World Bank Group, any judgment on the legal status of any territory, or any endorsement or acceptance of such boundaries. IBRD 38819 OCTOBER 2011 ランキング 1~36位 37~73位 74~109位 110~145位 146~183位 「ビジネス環境の現状」の調査対象外 図表 1 ビジネス活動の容易度のグローバル・ランキング 出所:「ビジネス環境の現状」データベース

Doing Business 2012 日本 ビジネス環境の現状2012

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Page 1: Doing Business 2012 日本 ビジネス環境の現状2012

世界銀行

Doing Business 2012 日本 ビジネス環境の現状2012

日本は、ビジネス活動の容易度で「ビジネス環境の現状 2012」で測定されている 183 カ国のうち 20 位にランク付けされています。日本は、経済開発協力機構(OECD)加盟の高所得国の平均(「ビジネス環境の現状 2012」による平均ランキング 29 位)

よりは高くランク付けされていますが、シンガポール(同ランキング第 1 位)、香港特別行政区(同 2 位)、韓国(同 8 位)などアジア地域の近隣諸国より低い結果となっています。

日本は、他国と比べると、どのようにランク付けされているのでしょうか?

✓日本のビジネス活動の容易度は、「ビジネス環境の現状」で測定されている183カ国のうち20位にランク付けされています。

✓「ビジネス環境の現状」が測定するビジネス規制に関する 10の分野のうち、日本は、破綻処理のランキングで、世界第1位とリードしています。

✓日本は、2004/05年以来、事業設立、資金調達、破綻処理の分野で5つの規制改革を実施しました。

「ビジネス環境の現状」(www.doingbusiness.org)は、アフガニスタンからジンバブエに至る 183 カ国について、長期的に比較可能な、事業規制と財産権の保護に関する定量的指標を測定するものです。国内の企業家にとって、法令を順守しつつ中小企業を設立、事業を運営することの難易度を「ビジネス環境の現状」の総合ランキングによって明らかにしています。「ビジネス環境の現状 2012」では、事業設立、建設許可取得、電力事情、不動産登記、資金調達、投資家保護、納税、貿易、契約執行、破綻処理に関する10 のビジネス規制分野を測定しています。各国のビジネス活動の容易度のランキングは、これら各指標の単純平均によるものです(%ベース)。*

* 各指標の測定方法、ランキングの計算等の詳細は、「ビジネス環境の現状2012」報告書、41-61頁、(http://www.doingbusiness.org/reports/global-reports/~/media/FPDKM/Doing%20Business/Documents/Annual-Reports/English/DB12-Chapters/Data-Notes.pdf)を参照ください。

Doing business in a more transparent world

2012

C O M P A R I N G R E G U L A T I O N F O R D O M E S T I C F I R M S I N 1 8 3 E C O N O M I E S

This map was produced by theMap Design Unit of The World Bank. The boundaries, colors, denominationsand any other information shown onthis map do not imply, on the part ofThe World Bank Group, any judgmenton the legal status of any territory, orany endorsement or acceptance ofsuch boundaries.

IBRD 38819OCTOBER 2011

ランキング

1~36位

37~73位

74~109位

110~145位

146~183位

「ビジネス環境の現状」の調査対象外

図表1 ビジネス活動の容易度のグローバル・ランキング

出所:「ビジネス環境の現状」データベース

Page 2: Doing Business 2012 日本 ビジネス環境の現状2012

世界銀行

Doing Business 2012 日本 ビジネス環境の現状2012

詳細のお問合せ先

IFC 東京事務所 〒100-0011 東京都千代田区内幸町2–2–2 富国生命ビル10階 電話:03-3597-6657

ワシントン本部(米国) 1818 H Street NW Washington, DC 20433 電話:202-473-1000

2012年9月

日本を含む多くの国で、規制と制度面でのビジネス活動の容易度は、規制分野によって大きな乖離があります。日本は、破綻処理の分野では世界 1 位にランク付けされています。事業の閉鎖時に、日本の債権者、およびその他権利者は、通常 1 ドル当たり

90 セント以上を回収することができます。また、担保権実行手続(Foreclosure)や破産処理は 1 年以内に解決でき、訴訟にかかる費用も破産財団のわずか 4%です。

日本のビジネス環境とは?

2004/05 年以来、日本は、事業設立、資金調達:法権利、破綻処理の分野で 5 つの規制改革を実施しました。

日本における事業設立は、2005 年 6 月に制定された会社法(2006 年 5 月施行)によって容易になりました。会社法施行に伴い、有限会社の設立が廃止されたとともに、新たな企業体の種類として「合同会社」を導入しました。その結果、設立にかかる

プロセスが簡素化され、最低払込資本金額の要件が廃止され、1円で会社を設立できるようになりました。

さらに、2009/10 年には、企業再生支援機構という、過大な債務を負っているが有用な経営資源を有する事業の再生を支援する新たな組織の設立により、日本における破綻の手続きがより容易になりました。

日本は、ビジネスがよりしやすい規制環境を構築するために、どのような規制改革を実施してきましたか?

海外ビジネスにご活用下さい。最新ニュースは、www.doingbusiness.orgでご覧いただけます。

2012年10月23日午前0:01(グリニッジ標準時)に「ビジネス環境の現状」最新刊が発行されます。

日本 ビジネス活動の容易度 20位 高所得国(OECD加盟国) 一人当たりGNI(US$) 42,150 人口(百万人) 127.4

事業設立 107位プロセス(数) 8時間(日) 23費用(一人当たり所得に占める%) 7.5最低資本金

(一人当たり所得に占める%)0.0

建設許可取得 63位プロセス(数) 14時間(日) 193費用(一人当たり所得に占める%) 27.9

電力事情 26位プロセス(数) 3時間(日) 117費用(一人当たり所得に占める%) 0.0

不動産登記 58位プロセス(数) 6時間(日) 14費用(資産価値に占める%) 5.7

資金調達 24位法権利の強度指数 7信用情報の深度指数 6公的信用情報機関のカバレッジ

(成人に占める%)0.0

民間信用情報機関のカバレッジ (成人に占める%)

99.0

投資家保護 17位開示度指数(0-10) 7取締役の責任度指数(0-10) 6株主訴訟の容易度指数(0-10) 8投資家保護強度指数(0-10) 7.0

納税 120位支払い(回数/年) 14時間(時/年) 330総合的税率(利益に占める%) 49.1

貿易 16位輸出にかかる書類(数) 3輸出にかかる時間(日) 10輸出にかかる費用

(US$、1コンテナ当たり)880

輸入にかかる書類(数) 5輸入にかかる時間(日) 11輸入にかかる費用

(US$、1コンテナ当たり)970

契約執行 34位プロセス(数) 30時間(日) 360費用(申し立て金額に占める%) 32.2

破綻処理 1位時間(年) 0.6費用(破産財団に占める%) 4回収率(US$ 1あたりの¢(セント)) 92.7

出所:「ビジネス環境の現状」データベース

図表2 日本のビジネス環境の現状