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あたたかみある木造 町に開けた土間 道での集い 駅舎 木造駅舎の計画 駅舎 まちどま 『まちどま』が 活動を受け止める 駅舎 まちどま えきみち 『通いみち』が 駅と家を接続 富山市南地区 富山市中心市街地 南富山 LRT 上滝線 富山市中心市街地 南富山地域生活拠点 ( 半径 500m エリア ) 富山市中心市街地 南富山地域生活拠点 ( 半径 500m エリア ) 2009 年 2009 年 1980 年 1980 年 1947 年 1947 年 主要施設 公園・緑地 既存住宅エリア 既存住宅エリア ( 未利用地が多い ) 新興住宅エリア 町の核としての駅・駅前の再編のみで住民に駅施設の利用、公共交通への転換を促すことは十分ではありません。駅を中心とした団子 の外側と街の核とが魅力的かつ安全でバリアフリーなネットワークで繋がる必要があります。そのため、居住地域圏の範囲から核に繋 がる人のための歩行空間をつくります。 駅と暮らす ~まちどまへ寄り添う道づくり~ ◆駅周辺の土地利用の変化 ◆既存市街地のゾーニング ◆周辺交通の課題 南富山駅は北と南を繋げる不二越・上滝線及び市内電車が乗り入れ、さらに運行本数の多いバス路線も隣接する交通結節点として高 いポテンシャルを持つ駅です。しかし、駅及び駅前空間は送迎用の駐車場や歩道のない道路など、交通優先の空間となっています。 そこで、交通利便性を保ちつつ、人が自然と集まり、佇み、食事や勉強、電車を待つことが出来るパーソナルスペースの延長のような 場所を創出し、交通の核である駅前を町の核に転換します。 ◆交通拠点に特化した駅前を人の空間へ転換 ◆核に繋がる人のための道づくり 住宅スケールの木造駅舎を計画します。地域住民の活動の場として、町の求心地となります。 ◆『駅舎』 住宅の中で様々なアクティビティを受け止め、町に開いた場所でもあった『土間』。現在の住宅で はあまり見られなくなった内と外を繋ぐ中間領域を、地域の核である駅に『まちどま』として設けます。 駅舎の屋内外に広がる『まちどま』は、駅利用者と地域住民の思い思いの活動を受け入れます。 ◆『まちどま』 『まちどま』を中心とした半径 500m エリアの道を地域住民の場所にします。道を地域住民が安 全で快適に歩行できる空間に変えることで、道が積極的に利用されるようになります。それにより 地域住民の活動の場としての駅と家が密接につながり、駅での活動が生活の一部となります。 ◆『通いみち』 『通いみち』の整備とともに駅周辺の交通機能整理を行います。交通結節点としての駅の利便性 を高めつつ、地域住民が日常的に利用しやすくするために、駅前の通過交通対策や送迎用のロー タリーの設置、バス・タクシー乗り場の再配置を行います。 ◆『駅周辺交通機能』 南富山駅は笹津線の開通を契機に駅が開設され、市内線の乗り入れ、上滝線の開業と共にその周辺 も発展してきました。幹線道路沿いに住宅が建ち、その後背地に農地がある町の構造から、駅を中心 に円心状に町が発展してきたと言えます。 駅を中心とした500m圏内の内側は既存住宅地が広がり、外側にいくほ ど農地等が混在する住宅地が位置します。北東エリアは近年宅地開発が 実施され、新しい戸建住宅が建つエリアとなっています。また、南側の エリアは大型の商業施設が立地し、まとまった面積の未利用地があるこ とから、今後集合住宅などの開発が可能なエリアと考えられ、500m 圏 内から駅へのアクセス性が重要となります。 富山駅に向かう交通量の多い幹線道路には歩道が整備されていますが、 駅周辺や駅に向かう道路には歩道が無く、駅を利用する歩行者と駅前広 場を通過する自動車が不十分な幅員の道路上で混在している状況です。 また、県道の渋滞を避けるために駅前広場を通り抜け動線として利用す る自動車が多く、こどもや高齢者にとっては危険な状況といえます。 ◆南富山の広域的位置づけ 南富山駅は富山市中心市街地である富山駅まで十数分で アクセスでき、富山空港や北陸自動車道へのアクセスも 良い都市から郊外へ移り変わるエリアに位置する居住地 域圏です。また、南富山駅は、富山平野の農産地や立山 連峰などの雄大な自然が広がる富山南地区と繋がる鉄 道・バス路線を持つ居住地域圏です。 そのため、南富山は公共交通を利用して中心市街地に住 まう利便性を享受できる場所であるとともに、富山南地区 から中心市街地に通勤する人を受け入れる重要な町と言 えます。 この資料は、富山市長の承認を得て、同市 2500 分の 1 基本図を使用して作成したものである。( 承認番号 ) 平成 27 年 8 月 27 日富山市情第 75 号 まちの ひと A まちの ひと A まちの ひと B まちの ひと B ◆まちの人へのヒアリング ・駅周辺には学生がバスや電車と待つ際、立ち寄る場所が 3 箇 所(団子屋、クレープ屋、今川焼き屋)ある。 ・南富山から富山市中心市街地に通勤する人の中には、渋滞を 避けるために、中心市街地よりも駐車場料金の安い南富山駅 でP&R利用を行っている人もいる。 ・南富山駅前の商店街(飲食店)は夜に意外とお客さんが多い。 ・周辺にマンションなどが建てば、高齢者は入居したいと考える 人がいると思う。 ・こどもを狙う事件などへの心配から、こどもを駅まで送迎する 親が多い。 ・南富山駅周辺は高速道路・空港も近く、アクセスが良いため、 便利な場所だと思う。 南富山駅周辺の変遷と現状分析 提案方針 提案内容

駅と暮らす ~まちどまへ寄り添う道づくり~駅と暮らす ~まちどまへ寄り添う道づくり~ 駅周辺の土地利用の変化 既存市街地のゾーニング

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Page 1: 駅と暮らす ~まちどまへ寄り添う道づくり~駅と暮らす ~まちどまへ寄り添う道づくり~ 駅周辺の土地利用の変化 既存市街地のゾーニング

あたたかみある木造 町に開けた土間 道での集い

駅舎

木造駅舎の計画

駅舎

まちどま

『まちどま』が活動を受け止める

駅舎

まちどま

えきみち

『通いみち』が駅と家を接続

富山市南地区

富山市中心市街地

南富山

LRT

上滝線

富山市中心市街地

南富山地域生活拠点 ( 半径 500mエリア )

富山市中心市街地

南富山地域生活拠点 ( 半径 500mエリア )2009 年2009 年1980 年1980 年1947 年1947 年

主要施設公園・緑地既存住宅エリア既存住宅エリア( 未利用地が多い )新興住宅エリア

町の核としての駅・駅前の再編のみで住民に駅施設の利用、公共交通への転換を促すことは十分ではありません。駅を中心とした団子の外側と街の核とが魅力的かつ安全でバリアフリーなネットワークで繋がる必要があります。そのため、居住地域圏の範囲から核に繋がる人のための歩行空間をつくります。

駅と暮らす ~まちどまへ寄り添う道づくり~

◆駅周辺の土地利用の変化

◆既存市街地のゾーニング

◆周辺交通の課題

南富山駅は北と南を繋げる不二越・上滝線及び市内電車が乗り入れ、さらに運行本数の多いバス路線も隣接する交通結節点として高いポテンシャルを持つ駅です。しかし、駅及び駅前空間は送迎用の駐車場や歩道のない道路など、交通優先の空間となっています。そこで、交通利便性を保ちつつ、人が自然と集まり、佇み、食事や勉強、電車を待つことが出来るパーソナルスペースの延長のような場所を創出し、交通の核である駅前を町の核に転換します。

◆交通拠点に特化した駅前を人の空間へ転換

◆核に繋がる人のための道づくり

住宅スケールの木造駅舎を計画します。地域住民の活動の場として、町の求心地となります。◆『駅舎』

住宅の中で様々なアクティビティを受け止め、町に開いた場所でもあった『土間』。現在の住宅ではあまり見られなくなった内と外を繋ぐ中間領域を、地域の核である駅に『まちどま』として設けます。駅舎の屋内外に広がる『まちどま』は、駅利用者と地域住民の思い思いの活動を受け入れます。

◆『まちどま』

『まちどま』を中心とした半径 500m エリアの道を地域住民の場所にします。道を地域住民が安全で快適に歩行できる空間に変えることで、道が積極的に利用されるようになります。それにより地域住民の活動の場としての駅と家が密接につながり、駅での活動が生活の一部となります。

◆『通いみち』

『通いみち』の整備とともに駅周辺の交通機能整理を行います。交通結節点としての駅の利便性を高めつつ、地域住民が日常的に利用しやすくするために、駅前の通過交通対策や送迎用のロータリーの設置、バス・タクシー乗り場の再配置を行います。

◆『駅周辺交通機能』

南富山駅は笹津線の開通を契機に駅が開設され、市内線の乗り入れ、上滝線の開業と共にその周辺も発展してきました。幹線道路沿いに住宅が建ち、その後背地に農地がある町の構造から、駅を中心に円心状に町が発展してきたと言えます。

駅を中心とした 500m圏内の内側は既存住宅地が広がり、外側にいくほど農地等が混在する住宅地が位置します。北東エリアは近年宅地開発が実施され、新しい戸建住宅が建つエリアとなっています。また、南側のエリアは大型の商業施設が立地し、まとまった面積の未利用地があることから、今後集合住宅などの開発が可能なエリアと考えられ、500m 圏内から駅へのアクセス性が重要となります。

富山駅に向かう交通量の多い幹線道路には歩道が整備されていますが、駅周辺や駅に向かう道路には歩道が無く、駅を利用する歩行者と駅前広場を通過する自動車が不十分な幅員の道路上で混在している状況です。また、県道の渋滞を避けるために駅前広場を通り抜け動線として利用する自動車が多く、こどもや高齢者にとっては危険な状況といえます。

◆南富山の広域的位置づけ南富山駅は富山市中心市街地である富山駅まで十数分でアクセスでき、富山空港や北陸自動車道へのアクセスも良い都市から郊外へ移り変わるエリアに位置する居住地域圏です。また、南富山駅は、富山平野の農産地や立山連峰などの雄大な自然が広がる富山南地区と繋がる鉄道・バス路線を持つ居住地域圏です。そのため、南富山は公共交通を利用して中心市街地に住まう利便性を享受できる場所であるとともに、富山南地区から中心市街地に通勤する人を受け入れる重要な町と言えます。

この資料は、富山市長の承認を得て、同市 2500 分の 1基本図を使用して作成したものである。( 承認番号 ) 平成 27 年 8月 27 日富山市情第 75 号

まちのひと Aまちのひと A

まちのひと Bまちのひと B

◆まちの人へのヒアリング・駅周辺には学生がバスや電車と待つ際、立ち寄る場所が 3 箇所(団子屋、クレープ屋、今川焼き屋)ある。・南富山から富山市中心市街地に通勤する人の中には、渋滞を避けるために、中心市街地よりも駐車場料金の安い南富山駅でP&R利用を行っている人もいる。

・南富山駅前の商店街(飲食店)は夜に意外とお客さんが多い。・周辺にマンションなどが建てば、高齢者は入居したいと考える人がいると思う。・こどもを狙う事件などへの心配から、こどもを駅まで送迎する親が多い。・南富山駅周辺は高速道路・空港も近く、アクセスが良いため、便利な場所だと思う。

南富山駅周辺の変遷と現状分析 提案方針

提案内容