Upload
others
View
1
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
「子育て応援宣言企業」登録制度
職場の雰囲気を変えるのは社長の一声から
1
福岡県
現実は・・・
働く女性の6割以上が出産、育児を機に退職制度があっても使われない、使いにくい状況
子育てを支援する法律や制度の整備が進む一方で
実際実際実際実際にににに使使使使われなければわれなければわれなければわれなければ
2「子育て応援宣言企業登録制度」の創設へ
せっかく身につけた
職業経験を中断することなく
女性が働き続けることができる
職場環境をつくるには
どうしたらいいのか・・・。
育児休業育児休業育児休業育児休業をををを利用利用利用利用したくないしたくないしたくないしたくない理由理由理由理由
職場職場職場職場にににに迷惑迷惑迷惑迷惑がかかるがかかるがかかるがかかる 63636363....8888%%%%
育児休業育児休業育児休業育児休業がががが取取取取れるようなれるようなれるようなれるような雰囲気雰囲気雰囲気雰囲気ではないではないではないではない 40404040....0000%%%%
((((H13 福岡県女性労働実態調査)福岡県女性労働実態調査)福岡県女性労働実態調査)福岡県女性労働実態調査)
実際実際実際実際にににに使使使使われなければわれなければわれなければわれなければ意味意味意味意味がないがないがないがない
女性の就業率の向上女性の就業率の向上女性の就業率の向上女性の就業率の向上
課題①
40.0
60.0
80.0
100.0
2010年男
2010年女
2000年女
福岡県
%
・本県M字カーブを2000年と2010年で比較
・15~24歳以外の年齢階級で女性の就業率が向上
3
働く女性は増加しているが、女性全体の就業率は全国を下回っている。働く女性は増加しているが、女性全体の就業率は全国を下回っている。働く女性は増加しているが、女性全体の就業率は全国を下回っている。働く女性は増加しているが、女性全体の就業率は全国を下回っている。
福岡県 (H12) 44.7% (H22) 45.9%全 国 (H12) 46.6% (H22) 47.1%
女性の年齢階級別就業率(総務省:国勢調査)
0.0
20.0
40.0
15~
19(歳
)20
~24
25~
2930
~34
35~
3940
~44
45~
4950
~54
55~
5960
~64
65~
6970
~74
75~
7980
~84
85~
・M字カーブの窪みは改善
子どもの数の減少子どもの数の減少子どもの数の減少子どもの数の減少
課題②
・2012年の出生数は約 103万7千人であり、死亡数の125万6千人を下回っている(2007年以降、出生数が死亡数を下回っている状況)
・合計特殊出生率は1.4前後で
4
少子化の進行により、生産年齢人口が減少。少子化の進行により、生産年齢人口が減少。少子化の進行により、生産年齢人口が減少。少子化の進行により、生産年齢人口が減少。
出生数及び合計特殊出生率の年次推移(平成25年版 厚生労働白書)
・合計特殊出生率は1.4前後で推移しており、人口維持に必要な2.07を下回っている
労働力不足による経済活動の停滞、縮小が懸念。労働力不足による経済活動の停滞、縮小が懸念。労働力不足による経済活動の停滞、縮小が懸念。労働力不足による経済活動の停滞、縮小が懸念。
「子育て応援宣言企業登録制度」とは
• 企業・事業所のトップが仕事と子育ての両立を支援するための取組を宣言
• 県は宣言内容を確認し、登録証を交付
• 登録証を事業所内に掲示して社員に周知
5
社員の誰もが周囲に気兼ねすることなく社員の誰もが周囲に気兼ねすることなく社員の誰もが周囲に気兼ねすることなく社員の誰もが周囲に気兼ねすることなく
育児休業等を取得できる育児休業等を取得できる育児休業等を取得できる育児休業等を取得できる
職場の雰囲気づくりが進む職場の雰囲気づくりが進む職場の雰囲気づくりが進む職場の雰囲気づくりが進む
平成15年9月開始(2003年)
県県県県はははは企業企業企業企業のののの「「「「やるやるやるやる気気気気」」」」をををを応援応援応援応援積極的積極的積極的積極的ににににPRPRPRPR
5
宣言の内容は
• 次の4つの観点に即した具体的な取組を宣言(最低2つ、4つ以外の観点も可)
1 育児休業が取得しやすい環境づくり「社内報への掲載、管理職員研修により育児休業制度の周知、取得の
促進に努めます。」
2 育児休業期間中も職場とコミュニケーションがとれる仕組みづくり「社内報の送付や定期的な情報交換を行い休業中の不安を和らげるよう
6
「社内報の送付や定期的な情報交換を行い休業中の不安を和らげるようコミュニケーションを図ります。」
3 円滑な職場復帰に向けたサポート「職場復帰か月前に勤務の短縮時間、土日勤務の可否、子どもの預け先「職場復帰か月前に勤務の短縮時間、土日勤務の可否、子どもの預け先「職場復帰か月前に勤務の短縮時間、土日勤務の可否、子どもの預け先「職場復帰か月前に勤務の短縮時間、土日勤務の可否、子どもの預け先
等きめ細かな相談を実施し、配属先を決定します。」等きめ細かな相談を実施し、配属先を決定します。」等きめ細かな相談を実施し、配属先を決定します。」等きめ細かな相談を実施し、配属先を決定します。」
4 職場復帰後の弾力的な勤務時間の配慮「勤務時間の短縮やフレックスタイムなど柔軟な制度を 導入します。」
その他「授業参観等学校行事のための休暇を認めます。」
宣言登録証
事業所内に掲示して、従業員に取組を周知!
7
企業トップが企業トップが企業トップが企業トップが宣言した宣言した宣言した宣言した
取組内容を記載取組内容を記載取組内容を記載取組内容を記載
制度実施前の議論
【【【【当初の施策案当初の施策案当初の施策案当初の施策案】】】】
県独自の条例県独自の条例県独自の条例県独自の条例
県独自の認定制度県独自の認定制度県独自の認定制度県独自の認定制度
優良企業の表彰優良企業の表彰優良企業の表彰優良企業の表彰
などなどなどなど
【【【【議論の内容議論の内容議論の内容議論の内容】】】】
認定や表彰だけでは認定や表彰だけでは認定や表彰だけでは認定や表彰だけでは
広がり広がり広がり広がりは見込めないは見込めないは見込めないは見込めない
企業の「義務的」な継続では企業の「義務的」な継続では企業の「義務的」な継続では企業の「義務的」な継続では
なく「自主的」な継続が重要なく「自主的」な継続が重要なく「自主的」な継続が重要なく「自主的」な継続が重要
直接的な企業メリットがない直接的な企業メリットがない直接的な企業メリットがない直接的な企業メリットがない
8
直接的な企業メリットがない直接的な企業メリットがない直接的な企業メリットがない直接的な企業メリットがない
実績実績実績実績のののの「「「「認定認定認定認定」」」」ではなくではなくではなくではなく、、、、
これからのこれからのこれからのこれからの取組取組取組取組をををを「「「「登録登録登録登録」」」」してしてしてして
ハードルをハードルをハードルをハードルを下下下下げたらげたらげたらげたら。。。。
自主的自主的自主的自主的にににに継続継続継続継続してもらうにはしてもらうにはしてもらうにはしてもらうには、、、、
内外内外内外内外にににに公言公言公言公言することがすることがすることがすることが効果的効果的効果的効果的
社長の一声で会社は変わる
制度開始直後の中小企業の反応
【【【【企業への働きかけ企業への働きかけ企業への働きかけ企業への働きかけ】】】】
経営者団体等への説明、会員企業への周知
県の広報媒体による制度周知
企業への戸別訪問、登録勧誘 など
【【【【企業企業企業企業のののの反応反応反応反応】】】】
登録するメリットがない
9
登録するメリットがない
登録してどうなるのか、ピンとこない
子育て中の女性従業員がいないので関係ない
みんなでうまくやっているので必要ない
県からチェックされるのではないか など
企業に理解してもらえず登録が進まない
登録拡大のために
①①①① 積極的な営業活動積極的な営業活動積極的な営業活動積極的な営業活動
商工会の会議など企業が集まる場で積極的にPR
宣言企業から他の企業を紹介(クチコミ広報)
同業他社の登録を話題にして登録を勧誘
②②②② 効果的な広報活動効果的な広報活動効果的な広報活動効果的な広報活動
登録が加速
10
②②②② 効果的な広報活動効果的な広報活動効果的な広報活動効果的な広報活動
あらゆる広報媒体を活用して話題を提供
(新聞、TV、ラジオ、県・市町村広報誌)
経営者向け情報誌「人財を活かす」の作成・配布
宣言企業の社長インタビューや取組紹介
③③③③ 入札参加資格加点制度の導入(平成入札参加資格加点制度の導入(平成入札参加資格加点制度の導入(平成入札参加資格加点制度の導入(平成19年度~)年度~)年度~)年度~)
建設工事や物品調達の入札参加資格審査で加点
企業の認識の変化と広がり
宣言してよかった 約9割
イメージアップに効果あり約7割
宣言企業宣言企業宣言企業宣言企業へのアンケートへのアンケートへのアンケートへのアンケート調査調査調査調査ではではではでは
11
人材確保に手ごたえ約2割
企業としても子育てを応援しなければならない
女性が活躍できる企業でなければ成長できない
着実な広がりを実感!
11
登録企業数の推移
H15年 9月 募集開始
H17年 9月 100社
H18年12月 500社
H19年 9月 1,000社
H21年 1月 2,000社
約約約約 2222年年年年
約1.3年
約 9ヵ月
約1.4年2,648
3,040
3,780
4,338
4,748
5,029
3,000
3,500
4,000
4,500
5,000
5,500 目標目標目標目標6,0006,0006,0006,000社社社社((((H28H28H28H28年度年度年度年度))))
H21年 1月 2,000社
H23年 1月 3,000社
H24年10月 4,000社
H26年12月 5,000社
約 2年
約1.9年
H27.3月13日現在
5,032社12
0 20 54 223
642
1,424
2,146
2,648
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
約2.2年
子育て応援宣言企業5000社大会
登録数5000社達成を機に、宣言企業のさらなる拡大と県全体で子育登録数5000社達成を機に、宣言企業のさらなる拡大と県全体で子育登録数5000社達成を機に、宣言企業のさらなる拡大と県全体で子育登録数5000社達成を機に、宣言企業のさらなる拡大と県全体で子育
てをてをてをてを応援する気運のさらなる醸成を図るため開催。応援する気運のさらなる醸成を図るため開催。応援する気運のさらなる醸成を図るため開催。応援する気運のさらなる醸成を図るため開催。
日時:平成27年1月24日(土) 13:30~15:40
場所:西鉄グランドホテル
主催:福岡県
共催:福岡県経営者協会、日本労働組合総連合会福岡県連合会
13
内容:優良企業・事業所の知事表彰
リレートーク「子育て応援宣言企業の成果と次なる展開」
(株)ふくや 代表取締役社長 川原正孝氏
(医)寿芳会 芳野病院 総務課長 小川美里氏
(株)東レ経営研究所
ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長 渥美由喜氏
基調講演「あきらめない~仕事も子育ても前向きに」
厚生労働事務次官 村木厚子氏
参加者:宣言企業の従業員・人事労務担当者、行政機関
の職員、一般県民など 500名村木事務次官による講演
その後の状況
事業者による自発的ネットワークの発足事業者による自発的ネットワークの発足事業者による自発的ネットワークの発足事業者による自発的ネットワークの発足
「子育て応援宣言企業の輪を広げる会」「子育て応援宣言企業の輪を広げる会」
制度の趣旨に賛同する宣言企業の経営者有志14名が
会員となり発足(H22年2月1日)
日々の活動の中で制度のPRや登録を呼びかけ
14
(会長:株式会社ふくや 代表取締役社長 川原正孝氏)
広げる会:川原会長※子育て応援宣言HP
中小企業こそ取り組みやすい社員の能力を活かすことで企業は伸びる ※「人財を活かす」、「宣言集」より抜粋
(株)ふくや(製造業) 【登録第1号】女性の積極採用や出産後の継続就業の環境づくりを
進めてこられたパイオニア的存在
新しい行政手法新しい行政手法新しい行政手法新しい行政手法
なぜ拡大したのか①
企業のトップが自ら宣言する全国初の自主宣言方式全国初の自主宣言方式
15
従来の
「「「「行政が定めた基準に合致すれば認定・承認する」」」」
方法ではなく、
「「「「企業が自主的に取組内容や目標等を考える」方法」方法」方法」方法
国の規制とも違う新たな手法
企業が取り組みやすい制度設計企業が取り組みやすい制度設計企業が取り組みやすい制度設計企業が取り組みやすい制度設計
なぜ拡大したのか②
自由度の高い自由度の高い自由度の高い自由度の高い宣言内容宣言内容宣言内容宣言内容
企業のやる気を重視
子育て応援の取組で
登録更新制登録更新制登録更新制登録更新制
宣言内容の実行には
一定期間が必要(2年)
更新時に取組状況調査
16
子育て応援の取組であればOK
更新時に取組状況調査
定着確認、新たな取組
へのアドバイスを実施
従業員規模や従業員規模や従業員規模や従業員規模や業種などに関わらず業種などに関わらず業種などに関わらず業種などに関わらず
幅広い企業の参加が可能幅広い企業の参加が可能子育て応援に取り組む企業の裾野が広がる
登録制度の成果①
子育て応援社会の意識の定着子育て応援社会の意識の定着子育て応援社会の意識の定着子育て応援社会の意識の定着
子育て応援や仕事と家庭の調和に関する県民意識の定着(県内民間企業の従業員4人に1人が宣言企業に勤務)
宣言企業数 5,032社(従業員(従業員(従業員(従業員10101010人以上の県内企業約人以上の県内企業約人以上の県内企業約人以上の県内企業約16,00016,00016,00016,000社)社)社)社)
従業員数 約43万人
17
育児休業取得率の向上育児休業取得率の向上育児休業取得率の向上育児休業取得率の向上
宣言企業の女性の育児休業取得率は群を抜いて高く、県全体の取得率向上に寄与
(県内民間企業の従業員(県内民間企業の従業員(県内民間企業の従業員(県内民間企業の従業員142142142142万人の約万人の約万人の約万人の約30303030%)%)%)%)
(H13) (H25)
宣言企業 96.2% 福岡県 76.1% → 92.2%(全国(全国(全国(全国 91.1%91.1%91.1%91.1%))))
17
登録制度の成果②
本県の取組が全国に普及本県の取組が全国に普及本県の取組が全国に普及本県の取組が全国に普及
全国20府県が同様の取組を実施
全国的な評価(平成全国的な評価(平成全国的な評価(平成全国的な評価(平成20年)年)年)年)
岐阜県岐阜県岐阜県岐阜県 「岐阜県子育て支援登録制度」「岐阜県子育て支援登録制度」「岐阜県子育て支援登録制度」「岐阜県子育て支援登録制度」
佐賀県佐賀県佐賀県佐賀県 「さが子育て応援宣言企業登録制度」「さが子育て応援宣言企業登録制度」「さが子育て応援宣言企業登録制度」「さが子育て応援宣言企業登録制度」
18
全国的な評価(平成全国的な評価(平成全国的な評価(平成全国的な評価(平成20年)年)年)年)
全国に先駆けた経営トップによる自主宣言方式と、
同様の取組が全国的に普及したことを評価され受賞
「にっけい子育て支援大賞」「にっけい子育て支援大賞」「にっけい子育て支援大賞」「にっけい子育て支援大賞」(日本経済新聞社)(日本経済新聞社)(日本経済新聞社)(日本経済新聞社)
「ベストマザー賞「ベストマザー賞「ベストマザー賞「ベストマザー賞2008200820082008」」」」(内閣府認証(内閣府認証(内閣府認証(内閣府認証NPONPONPONPOひまわりの会)ひまわりの会)ひまわりの会)ひまわりの会)
「ワーク・ライフ・バランス大賞」「ワーク・ライフ・バランス大賞」「ワーク・ライフ・バランス大賞」「ワーク・ライフ・バランス大賞」(社会経済生産性本部)(社会経済生産性本部)(社会経済生産性本部)(社会経済生産性本部)
宣言企業による独自展開
19
平成27年度の取組
子育て応援宣言企業合同会社説明会の開催子育て応援宣言企業合同会社説明会の開催子育て応援宣言企業合同会社説明会の開催子育て応援宣言企業合同会社説明会の開催
・子育て応援宣言企業を集めた合同会社説明会を開催。子育て中の女性や就職希望者、就職活動中の学生などを対象に、宣言企業への就業機会を提供。
・大学と合同で子育て応援宣言企業を集めた学内合同会社説明会を開催。就職活動中の学生に対し両立支援の重要性を説明し、宣言企業への就業を支援。
男性の育児参加促進を宣言する企業の男性の育児参加促進を宣言する企業の男性の育児参加促進を宣言する企業の男性の育児参加促進を宣言する企業の拡大拡大拡大拡大
20
・登録更新時など様々な機会を捉えて、男性の育児参加を宣言する企業を拡大。
・優良企業知事表彰に「男性の育児参加促進企業部門」を創設。
・「男性の育児参加促進企業の手引き」を作成し、企業の取組を後押し。
全国の大学生に優良宣言企業の情報を発信し、本県への就職を促進全国の大学生に優良宣言企業の情報を発信し、本県への就職を促進全国の大学生に優良宣言企業の情報を発信し、本県への就職を促進全国の大学生に優良宣言企業の情報を発信し、本県への就職を促進
・「子育て応援宣言企業優良企業100選」を作成。
・宣言企業の魅力や、宣言企業で働くことのメリットを県内外の大学生に発信。
・県内外の大学生の宣言企業への就職を促進し、宣言企業の優秀な人材確保を支援。