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【薬膳のきほん(食材の組み合わせ)】 薬膳のための 食材の組み合わせ を学ぼう! ~薬膳レシピ作成マニュアルガイド~

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【薬膳のきほん(食材の組み合わせ)】

薬膳のための

食材の組み合わせを学ぼう!

~薬膳レシピ作成マニュアルガイド~

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1.そもそも薬膳とは?

薬膳(やくぜん)とは薬膳とは、約3000年前に中国で生まれ、現在まで受け継がれてきた「東洋医学の理論に基づいて作る食事」のことを言います。東洋医学は、病気にならないための予防医学を重要視しており、病気として現れる前の不調=「未病(みびょう)」を治すことが目的とされています。

そのため、薬膳を実践するには、まず自分自身の体質や健康状態、食材の性質を知ることが大切!季節や体質、健康状態に合わせて食材を選び、体内のバランスを整えて健康へと導きましょう。

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2.薬膳の基礎知識

「気血水」のそれぞれの異常は、

主に8タイプの「証(しょう)」で分けられ、タイプ別に適切な対応方法が異なっています。

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「証(しょう)」とは漢方医学では、人間の状態(体質)を「証」という独自の概念で分類しています。

未病を治すには、未病のタイプである「証」を把握し、自分に合った未病対策を実践することが大切です。

証 病態 代表的な症状

気虚(ききょ)証 気(エネルギー)の量の不足 全身がだるい、食欲がない、食後に眠い、気力が出ないなど

気うつ・気滞(きたい)証 気の巡りが悪い うつ、不安、眠れない、頭が重い、のどがつかえる、げっぷが多いなど

気逆(きぎゃく)証 気が異常な方向に巡る いらいら、のぼせ、急に起こる頭痛、ほてりなど

下焦の虚証(げしょうのきょしょう)

先天の気が不足※生まれたときに両親から受け継いだ気

下半身が冷える、疲れやすい、腰が痛い、トイレが近い、インポテンツ、脚のしびれや力が入らないなど

血血虚(けっきょ)証 血の量の不足 皮膚の乾燥、毛が抜けやすい、爪が割れやすい、こむらがえりなど

瘀血(おけつ)証 血の巡りが悪い シミ、あざ、皮膚出血しやすい、クマ、肩こり、生理不順、生理痛など

水水毒(すいどく)証 水の量の過剰・偏在 むくみ、頭が重だるい、めまい、関節が痛む、のどが渇く、乗り物酔いなど

亡津液(ぼうしんえき)証 水の量の不足 目・口・唇・鼻などの粘膜が乾く、尿量が少ない、便秘など

「証」に合わせた薬膳レシピを作ってみよう!

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3.薬膳レシピの作り方~テーマ~

気虚証タイプ 気うつ・気滞証タイプ 水毒証タイプ

3つのテーマ食材のどれか1つを主役にして、薬膳レシピを作りましょう!

薬膳料理のレシピ条件

1.テーマ食材を使用すること

2.1品の簡単レシピ

3.ジャンル(和食、洋食等)は何でもOK

※ できる方は、薬膳のための「食材の組み合わせ」も取り入れよう!

※ テーマ食材を複数使用したレシピでも構いません。

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4.薬膳レシピの作り方~ポイント3つ~

「証」に合わせた組み合わせでレシピを作る例)気虚証の場合 ●気を補う + ○気を巡らせる + 水の偏りを直す

①「証」に合わせた組み合わせ(=方程式)で選ぼう

「証」に合わせた組み合わせで作る

山芋、米 しそ、らっきょう 玉ねぎ

組み合わせのルール赤字の食材:主役にする⇒料理の主役となるメインにしたり、その効果をもつ食材をたくさん使う緑字の食材:必ず加える⇒補佐するようなサブの役割。量の加減も行う黒字の食材:追加するとさらに効果がUP!⇒任意で適量加える

②食材の「性(せい)」を選ぼう

食べ物が人間のカラダに入った後、カラダを温めたり冷やす性質があり、その性質は、度合いにより5種類に分けられます

③「証」毎にある、料理法や調理ポイントを活用しよう

適切な対応をするためのコツを取り入れましょう

唐辛子・胡椒

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気を補う食材や温かい料理法を取り入れましょう。カラダを冷やす食材は、「気」の生産を低下させるので注意。

おすすめの食材例:山芋、米、じゃが芋、みかん、しそなど

5.薬膳レシピの作り方~食材の組み合わせ~

気虚証の薬膳レシピ

その1.食材の組み合わせ~方程式~

●気を補う(山芋)+○気を巡らせる+水の偏りを直す

その3.料理法

「温かい料理」にしよう

その4.調理ポイント油を使いすぎない、少し甘味を効かせる

その2.食材の「性」の選び方

「平性」~「温性」を選ぼう組み合わせのルール

赤字の食材:主役にする緑字の食材:必ず加える黒字の食材:追加すると

さらに効果がUP!

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気を巡らせる食材や温かい料理法を取り入れましょう。香りのある食材を調理する場合は、香りが飛ばないように注意。

おすすめの食材例:みかん、柚子、玉ねぎ、かぶ、人参など

気うつ・気滞証の薬膳レシピ

その1.食材の組み合わせ~方程式~

●気を巡らせる(みかん)+水の偏りを直す+気の流れを直す+血を補う

その3.料理法

「温かい料理」にしよう

その4.調理ポイント食材の香りを生かす、少し酸味を効かせる

その2.食材の「性」の選び方

「平性」~「温・微温性」を選ぼう組み合わせのルール

赤字の食材:主役にする緑字の食材:必ず加える黒字の食材:追加すると

さらに効果がUP!

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水の偏りを直す食材や温かい料理法を取り入れましょう。カラダを冷やす食材は、「気」の生産を低下させ、水が滞り水毒を悪化させる

可能性あり。食べる場合には量を調整したり、温かい料理にしましょう。

おすすめの食材例:冬瓜、きゅうり、玉ねぎ、みかん、らっきょうなど

水毒証の薬膳レシピ

その1.食材の組み合わせ~方程式~

●水の偏りを直す(冬瓜)+○気を巡らせる+気を補う

その3.料理法

「温かい料理」にしよう

その4.調理ポイント寄せ物やデザートを作る場合、ゼリーでなく寒天を用いる

その2.食材の「性」の選び方

「平性」~「温・微温性」を選ぼう組み合わせのルール

赤字の食材:主役にする緑字の食材:必ず加える黒字の食材:追加すると

さらに効果がUP!

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≪レシピの作り方≫

調理法を選ぶ + カラダを温める食材をプラス

【煮る】 【しょうが(温性)】※調理法:炊く、煮る、蒸す、揚げる、炒める等

少し甘味を効かせるため、「黒砂糖」を入れる

食材 作用 性

山芋

気を補う

米 平

鶏もも肉 温

黒砂糖 温

6.薬膳レシピを作ってみよう!~気虚証の薬膳~レシピ名:山芋と鶏肉のとろとろ粥

●気を補う(山芋)⇒山芋(平性) 、米(平性) 、鶏肉(温性) 、黒砂糖(温性)

○気を巡らせる ⇒しそ(温性)水の偏りを直す ⇒からし菜(温性)

ポイントその1.食材の組み合わせに合わせて、食材を選ぼうその2.「平性」~「温性」の食材を選ぼう

ポイント その3.「温かい料理」にしよう

ポイント その4.調理ポイント油を使いすぎない、少し甘味を効かせる

※写真はあくまでイメージです

食材 作用 性

しそ 気を巡らせる 温

からし菜 水の偏りを直す

しょうが 身体を温める 温

≪使用食材リスト一覧≫

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〈食材一覧表〉 青字は薬膳料理を作るに当たり、優先的に使う食材熱 温・微温 平 微寒・涼 寒

気を補う

もち米・高きび・かぼちゃ・カリフラワー・ニンニクの芽・栗・なつめ・舞茸・鶏もも肉・鰯・ブリ・鯵・鯖・あんこう・にしん・鯛・穴子・黒砂糖

うるち米・うるち米の玄米・じゃがいも・さつまいも・大豆・とうもろこし・やまいも・キャベツ・ブロッコリー・れんこん(加熱)・えんどう豆・白いんげん豆・生しいたけ・ぶどう・鶏胸肉・鶏ささみ肉・鴨肉・牛肉・鯉・どじょう・うなぎ・すっぽん・サンマ・サメ・ふかひれ・マナガツオ・鱈・白魚・トビウオ・オコゼ・イシモチ・鮭・ひらめ・ハゼ・サワラ・たこ・サザエ・白砂糖・氷砂糖・豆乳

粟・マッシュルーム・バター れんこん(生)・馬肉

気を巡らせる

赤紫蘇・紫蘇・らっきょう・ジャスミン・大根の葉・キンカン・みかん・みかんの皮・ライチ・シナモン・八角・ニンニクの芽・カジキマグロ

菊花・葛 ハッカ 柚子・ザボン・グレープフルーツ・白ごま

気の流れを直すかぶ・紫蘇の実・クローブ・シナモン・パセリ・香菜・ライチ・なた豆

菊花 小麦・そば・大根・びわ・キウイフルーツ

柚子・さとうきび

血を補う

ライチ・パセリ・豚レバー・鯛・ブリ・太刀魚・にしん・穴子・なまこ・あわび・赤貝・ムール貝

人参・干ししいたけ・松茸・玉子(黄身)・ぶどう・プルーン・黒ごま・クコの実・豚肉・豚足・鴨肉・たこ・いか・鮭・サメ・鱈・すっぽん・マナガツオ・牡蠣・牛乳

ほうれん草・金針菜・玉子(白身)・バター

馬肉・ひじき・桑の実

血を巡らせる

酒(醸造酒) パセリ・ししとう・サンザシ・紅花・にしん・酒(蒸留酒)・酢・黒砂糖

ブルーベリー・ししゃも チンゲン菜・菜の花・くわい サフラン・クレソン・グレープフルーツ

水の偏りを直す

たまねぎ・からし菜・うど・わさび・舞茸・さくらんぼ

とうもろこし(特にひげ)・里芋・小豆・そら豆・えんどう豆・白いんげん豆・春菊・かぼちゃの種・えのきたけ・青梅・すもも・鴨肉・ふぐ・白魚・ウニ・くらげ・豆乳・氷砂糖

はと麦・大麦・緑豆・冬瓜・冬瓜の種・なす・レタス・せり・セロリ・金針菜・マッシュルーム・パイナップル・ヘチマ・わかめ・もずく

大豆もやし・たけのこ・きゅうり・じゅんさい・クレソン・ふきのとう・わらび・とんぶり・空芯菜・白瓜・夕顔・マクワウリ・あけび・すいか・メロン・はまぐり・しじみ・あさり・昆布・海苔

水を補う

アスパラガス・紫蘇の実・松の実・桃・ざくろ・ライチ・あんず・五味子・はちみつ

いちじく・ひまわりの種・レモン・きくらげ・落花生・クコの実・麻の実・青梅・すもも・豚肉・ホタテ貝・牛乳・チーズ・豆乳・白砂糖・氷砂糖・葛

トマト・水菜・豆腐・梨・びわ・りんご・いちご・バター・胡麻油・ラード

ズッキーニ・白瓜・夕顔・すいか・柿・さとうきび・白ごま

下焦の虚を補う

カリフラワー・ノビル・なた豆・くるみ・栗・クローブ・海老・なまこ・あんこう・イワナ・ムール貝

やまいも・ブロッコリー・黒豆・ブルーベリー・クコの実・カツオ・マナガツオ・イシモチ・サザエ

身体を温める

唐辛子・胡椒 長ねぎ・にら・ノビル・よもぎ・なた豆・にんにく・しょうが・わさび・山椒・フェンネルシード・クローブ・シナモン・八角・羊肉

身体を冷やす

白菜 大麦・粟・トマト・セロリ・水菜・ほうれん草・金針菜・ヘチマ・マンゴー・パイナップル・いちご・もずく・わかめ・おから・緑茶

きゅうり・苦瓜・じゅんさい・タラの芽・クレソン・わらび・ズッキーニ・ふきのとう・白瓜・おかひじき・夕顔・空芯菜・とんぶり・マコモダケ・アロエ・こんにゃく・すいか・メロン・マクワウリ・バナナ・柿・あけび・さとうきび・馬肉・ひじき・はまぐり・あさり・しじみ・くちなしの実・白ごま・塩・しょうゆ

作用性

身体に対する作用身体を温めるか、冷やすか

※ひとつの食材で2つ以上の作用を持つものがあります。