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鉄道設計技士試験 平成 22 年度 専門試験Ⅰ(鉄道土木) 問題 公益財団法人 鉄道総合技術研究所 鉄道技術推進センター 鉄道設計技士試験事務局 無断転載を禁じます

専門試験Ⅰ(鉄道土木) 問題 · 2019. 1. 31. · ア 収容能力、 イ 平均速度、 ウ ユニバーサルデザイン化計画、 エ 低番数化、 オ 停車場、

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鉄道設計技士試験

平成 22 年度

専門試験Ⅰ(鉄道土木) 問題

公益財団法人 鉄道総合技術研究所

鉄道技術推進センター

鉄道設計技士試験事務局

無断転載を禁じます

- 1 -

問 1

次の文章は、交通計画に関する基本事項について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を

下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。

(1) 「高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」において、交通機関のバリアフリー化を

効果的に進めるため、市町村は一定の要件に該当する旅客施設等を中心とした地区について、移動円

滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関する( ① )を作成することができる。

(2) 旅客や貨物の取扱いは行わず、列車の行き違いや待ち合わせを行う施設を( ② )といい、単線区間で駅

間距離が長く( ③ )が不足する区間の列車運行上必要な位置に設けられる。

(3) ( ④ )は、輸送計画を立案する際の重要な指標であり、車両性能だけではなく、勾配や曲線半径、線形、

停車頻度等の要素に左右される。

(4) 通過列車の構内通過速度を向上する施策として、両開き分岐器の交差角を小さくする( ⑤ )が挙げられ

る。

語群: ア 収容能力、 イ 平均速度、 ウ ユニバーサルデザイン化計画、 エ 低番数化、

オ 停車場、 カ 軌道強化、 キ 福祉計画、 ク 表定速度、 ケ 高番数化、 コ 操車場、

サ 運転容量、 シ 信号場、 ス 均衡速度、 セ 基本構想、 ソ 線路容量

問 2

次の文章は、鉄道騒音に関連した事項について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には

×を解答欄に記入しなさい。

① 「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針について」は、新規に供用される区間(新

設)と大規模な改良を行った後供用される区間における列車の走行に伴う騒音を対象としており、工事

を伴わない既設の鉄道路線には適用されない。

② 「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針について」において、騒音の評価量に等価

騒音レベル(LAeq)が採用されているが、これは、騒音レベルのピーク平均値により騒音を評価する指標

である。

③ 「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針について」において、在来鉄道の新設に際

して等価騒音レベル(LAeq)は、昼間(7~22 時)は 60 [dB(A)]以下、夜間(22 時~翌日 7 時)は 55 [dB(A)]以

下とされている。

④ 普通鉄道の建設事業又は鉄道施設の改良の事業であってその長さが 10 [km]以上のものは、環境影響評

価法に規定する第一種事業に該当し、同事業を実施しようとする者は、同法に基づく環境影響評価の

手続を要する。

⑤ 環境影響評価法において、規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業として、

政令で定めるものを第二種事業という。

問 1 から問 20 までは必須問題です。受験者全員が解答して下さい。

- 2 -

問 3

次の文章は、環境問題について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記入しな

さい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。

1994 年、国連大学がゼロエミッションの概念を提唱した。これは産業活動における生産等の工程を再編

成し、( ① )の発生をできる限りゼロに近づける新たな( ② )産業システムの構築を目標としたものである。

市場経済に( ② )社会の形成への取組みを織り込んでいくために、企業等の組織に対して様々な環境配

慮に資する要求がなされている。具体的には、企業が製品のライフサイクルにおいて環境に与える負荷を

最小化するために設計を行う拡大( ③ )責任や、環境への負荷が出来るだけ少ないものを選んで購入する

( ④ )購入の積極的な導入、推進等が挙げられる。

また、( ② )社会を形成するために定められた法令としては、資源の( ⑤ )を推進する資源有効利用促進

法等が挙げられる。

問 4

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)における盛土の施工管理について述べたものであ

る。( )の中に入れるべき適切な語句を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。なお、

同一番号の( )には同一語句が入るものとする。

(1) 盛土には、一層ごとの転圧仕上り面に、( ① )を敷設することを基本とする。

(2) 上部盛土の締固め程度の管理は、( ② )と密度により行い、管理基準値を満たしていることを確認する。

(3) ( ② )による管理は、( ③ )または FWD 試験により行うことを基本とする。

(4) 密度による管理は、( ④ )により行うことを基本とする。

(5) 盛土と橋台の接続部に( ⑤ )を施工する場合は、良質な材料を用いて十分な締固めを行い、有害な不同

沈下を防止しなければならない。

語群: ア 三軸圧縮試験、 イ ボックスカルバート、 ウ 排水管、 エ 締固め密度比(締固め度)、

オ K 値、 カ 岩ずり、 キ 含水比、 ク アプローチブロック、 ケ N 値、 コ のり面、

サ 標準貫入試験、 シ 間隙比、 ス 転圧回数、 セ 層厚管理材、 ソ 平板載荷試験

- 3 -

問 5

次の図は、ラーメン構造およびその曲げモーメント図について示したものである。正しい図には○を、誤

った図には×を解答欄に記入しなさい。

- 4 -

問 6

次の文章は、図に示す柱脚部に生じる最大圧縮応力度および最大引張応力度を求める手順について述べた

ものである。( )の中に入れるべき適切な数値を解答欄に記入しなさい。ただし、軸方向力をN = 900 [kN]、

水平力を P = 20 [kN]が柱に作用し、柱の断面は 30 [cm]×30 [cm]の正方形断面とする。

軸方向力による圧縮応力度 σcは、

σc = 900 [kN]/(30 [cm]×30 [cm]) = 1 [kN/cm2]

柱部材の断面係数 Zは、

Z = ( ① ) [cm3]

柱脚部の曲げモーメントMは、

M = ( ② ) [kN・cm]

である。

ここで、柱脚部の断面の曲げモーメントのみによる応力度について考えると、断面の最外縁に生じる圧

縮応力度 σcbおよび引張応力度 σtbは、

σcb = σtb = ( ③ ) [kN/cm2]

であるので、最大圧縮応力度 σcmax および最大引張応力度 σtmax は、曲げモーメントのみによる応力度に軸

方向力による応力度を加えて、

σcmax = ( ④ ) [kN/cm2]

σtmax = ( ⑤ ) [kN/cm2]

と求められる。

問 7

次の文章は、レールに使用される鉄鋼材料について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句

を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るも

のとする。

(1) 鉄は、レールに使用されている鉄鋼材料の主な構成元素であるが、鉄と混ざって合金となることでレ

ールの性能に影響を及ぼす「鋼の 5 元素」として( ① )、ケイ素、マンガン、( ② )、イオウがある。

(2) ( ① )は、その含有量で鋼材の強度が決まる主要な元素であるが、レールを構成する成分として( ③ )

である( ② )とイオウは、その上限値が定められている。

(3) 普通レールの金属組織は( ④ )組織であるが、最近では、( ④ )よりも摩耗しやすい( ⑤ )組織を呈した

耐シェリング用レールが開発されている。

語群: ア マルテンサイト、 イ クロム、 ウ 炭素、 エ リン、 オ フッ素、

カ モリブデン、 キ 脱酸剤、 ク 添加剤、 ケ オーステナイト、 コ 不純物、

サ フェライト、 シ ベイナイト、 ス 窒素、 セ パーライト、 ソ セメンタイト

- 5 -

問 8

次の文章は、レールの損傷について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記入

しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。

(1) 電化区間において電車運転用の電流は、レールを介して変電所に戻る。その一部がレールから大地に漏

れることによりレールが電解腐食される現象を( ① )という。

(2) ( ① )は、主に( ② )電化区間で発生し、( ③ )の減少および孔食の原因となり、レールの引張強度およ

び繰返し列車荷重に対する曲げ( ④ )強度を著しく低下させる。

(3) 一般に( ⑤ )のあるトンネル内では腐食の進行が顕著であり、腐食が進行したレールは、レール交換周

期等の適切な保守管理が必要である。

- 6 -

問 9

次の文章は、鉄道で主に使用される緩和曲線の平面線形に関する算定式について述べたものである。( )

の中に入れるべき適切な語句または数式を解答欄に記入しなさい。

次の図において、緩和曲線上の点( x , y )における接線の傾き(tanθ)を で表し、これを緩和曲線の種

類に応じて、それぞれ次式で表わされる。

C1:3 次放物線を用いた緩和曲線 ………… =

C2:サイン半波長逓減を用いた緩和曲線 … =

(1) 3 次放物線緩和曲線C1 の曲率 は、次式で表される。

= ( ① )

(2) 3 次放物線緩和曲線C1 の縦距 yは、次式で表される。

= ( ② )

(3) サイン半波長逓減緩和曲線C2 の曲率 は、次式で表される。

= ( ③ )

(4) 緩和曲線長を同一とした場合、出口側緩和曲線の始点から緩和曲線の中間点までは、サイン半波長逓

減の方が直線逓減より曲率が( ④ )ため、横圧が大きくなる。

(5) 3 次放物線緩和曲線C1 と同様に直線逓減を用いた緩和曲線である( ⑤ )曲線は、緩和曲線の長さに比例

して曲率を増加させるため、急曲線でも敷設誤差を小さくできる。

2

2

dxyd

dxdy

2

2

dxyd

dxdy

RXx

2

2

dxdy

⎟⎠⎞

⎜⎝⎛ − x

XXx

πsin

21

y

2

2

dxyd

2

2

dxyd

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛−1

21R

- 7 -

問 10

次の文章は、スラブ軌道の維持管理について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×

を解答欄に記入しなさい。

① スラブ軌道の主な損傷例としては、CA モルタルてん充層の欠損および突起周辺のCA モルタルのひび

割れ等が挙げられるが、突起コンクリート自体に損傷が発生することはない。

② 軌道スラブは、厚さ 200 [mm]程度の板構造なので、一日の温度変化に伴って上面と下面に温度差が生

じ、これに起因して反りが発生して軌道スラブ隅角部の損傷につながる。

③ 寒冷地を中心として、CA モルタルてん充層の経年的劣化現象が見られる。局部的なCA モルタルの劣

化により軌道スラブを支持するばね係数が大きくなり、列車走行時の軌道スラブの変形量が小さくな

る。

④ スラブ軌道は、レールから受けるレール長手方向の水平荷重が一定値を超えるとレールが滑動する仕組

みとなっている。

⑤ スラブ軌道のレール締結装置のアンカー部補修においては、スラブをコアカッターにより穿孔した後、

コア内に電気絶縁措置を施す必要はない。

問 11

次の文章は、レール遊間管理について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記

入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。

(1) レール継目の遊間は、レールが高温時に軌道が座屈しないこと、低温時に( ① )が破断しないこと、年

間を通じて( ② )遊間による車輪からの衝撃力の大きい期間が長くならないこと等を考慮して設定し

なければならない。

(2) 次の図は、道床縦抵抗力が作用しない場合の遊間ループを示したものである。図中の一点鎖線は、( ③ )を

解いてレールをフリーにした時の遊間量すなわち( ④ )を示す。EE’点において軸力は発生せず、EB 間で

は、レール温度が上昇しても( ③ )により遊間は変化せず軸力が増加する。レール温度が上昇し、軸力が

( ③ )を越えると B 点より遊間は縮小し始める。レール最高温度の C 点から温度が下がると、軸力は減少し、

E’D 間では( ⑤ )軸力となる。( ⑤ )軸力が( ③ )を超えると D 点より遊間は拡大し始める。

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問 12

次の文章は、列車の安全運行に関わる防災の情報について述べたものである。下線部が正しい記述には○

を、誤った記述には下線部に入れるべき正しい語句または数値を解答欄に記入しなさい。

① 平成 17 年 9 月より、気象庁と都道府県が共同で発表している「土砂災害警戒情報」は、避難勧告等の

対応が必要な河川の増水や急傾斜地崩壊を対象とした防災情報である。

② 平成 19 年 12 月より、気象庁から発表されている「緊急地震速報(警報)」は、最大震度 6 以上の揺れが

推定されたときに、強い揺れが予想される地域に対して警告を発するものである。

③ 平成 19 年 12 月より、気象庁から全ての活火山を対象とし、従来の緊急火山情報、臨時火山情報及び

火山観測情報に代わり、「噴火警報及び噴火予報」が発表されている。

④ 平成 20 年 3 月より、各地の気象台等から突風に注意を呼びかける「竜巻注意情報」が発表されている。

この情報の有効期間は発表から約 3 時間である。

⑤ 平成 22 年 5 月より、気象庁が発表する「大雨や洪水などに対する警報・注意報」の対象区域が変更と

なり、市町村単位となっている。

問 13

次の文章は、軌間 1,067 [mm]の鉄道線区におけるレールと車輪の関係および軌間変位の最大限度値の検討

方法について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。

(1) 軌間変位の最大限度値は、( ① )脱線の発生を防止することに着目して検討する。次の図で示す a~cは車輪の乗りかかり量 dを求めるパラメータであり、aは( ② )、bはタイヤ厚、cは( ③ )を指してい

る。a = 988 [mm]、b = 120 [mm]、c = 22 [mm]とすると、乗りかかり量 dは( ④ ) [mm]と求めることができる。

(2) 次の図で示す e~gは軌間変位の最大限度値を求めるパラメータであり、eは摩耗したレールの軌間測

定位置とレール頭部との離れ、fは落輪しないための車輪のかかり、gは車輪踏面端部の面取りを指し

ている。パラメータ eと gの合計値が 10 [mm]、余裕距離を 10 [mm]、スラックを 10 [mm]とすると、軌

間変位の最大限度値は( ⑤ ) [mm]と求めることができる。

- 9 -

問 14

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(コンクリート構造物)における安全性の照査について述べた

ものである。( )の中に入れるべき適切な語句を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。

なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。

(1) 構造物の安全性に対する照査は、破壊、疲労破壊、( ① )、公衆安全性について、構造物の安全性を考

慮した( ② )を設定して行う。

(2) 曲げモーメントおよび軸方向力を受ける部材の破壊について、力を照査指標として照査する場合、軸

方向力の影響の度合いにより、曲げモーメントおよび軸方向力に対する設計( ③ )と設計( ② )を設定

して照査を行う。

(3) 部材の破壊について、変位および変形を照査指標として照査する場合、構造物が破壊に至らないよう

に設計( ② )を定めて照査を行う。この場合、設計( ② )は部材の( ④ )、破壊形態、支持条件、鉄筋の

( ⑤ )詳細ならびに、作用の特性、部材が破壊に至った場合の構造物の挙動に及ぼす影響を考慮して定

める。

語群: ア 管理値、 イ 標準値、 ウ 安定性、 エ 快適性、 オ 限界値、

カ 走行安全性、 キ 環境条件、 ク 応答値、 ケ 断面構成、 コ 配筋、

サ 施工、 シ 形状寸法、 ス 構造、 セ 応力、 ソ 基準値

問 15

次の文章は、コンクリート工事について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に

記入しなさい。

(1) コンクリートの中に無数の微細な気泡を含ませるための表面活性剤で、コンクリートのワーカビリテ

ィーや、凍結および融解に対する抵抗性等、耐久性を増す目的で用いられるものを( ① )という。

(2) コンクリートや石材等の表面にできる結晶化した白い物質で、コンクリートではセメントに含まれる

酸化石灰が加水分解したものを( ② )という。

(3) コンクリートのワーカビリティーを知る指標の 1 つで、円錐形の鉄製容器にコンクリートを 3 層に詰

め、容器を上部に抜き取った後のコンクリートの下がりを[cm]単位で表した値を( ③ )値という。

(4) コンクリート打設前にシースを埋め込み、硬化後に PC 鋼材を通して緊張し、コンクリートに圧縮力を

与えてプレストレストコンクリートをつくる工法を( ④ )工法という。シース内部にセメント液を注入

して鋼材を定着し、防錆効果も発揮させることが多い。

(5) コンクリートを打設した後、材料が分離して練り混ぜに用いた水の一部がコンクリートの上面に上昇

する現象を( ⑤ )という。

- 10 -

問 16

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(鋼・合成構造物)について述べたものである。正しい記述に

は○を、誤った記述には×を解答欄に記入しなさい。

① 鋼構造および合成桁の鉄道構造物の性能を照査する場合、要求性能として、安全性、使用性、復旧性の

照査のほか、耐久性についても検討を行わなければならない。

② 構造用鋼材は、構造物の部位や部材において必要とされる種々の材料特性を有しているものとする。こ

のため、JIS の規格に適合している構造用鋼材であっても、その材料が構造物の部位や部材において必

要とされる種々の特性を有していることを試験等により確認しなければならない。

③ 応答値は、部材をモデル化し、想定される作用の特性、規模や表現形式に応じた動的解析法を用いて算

定しなければならない。

④ 有限要素法等の離散化手法を用いて応答値を算定する場合は、部材や構造形式の特徴に応じて解析領域

の分割、自由度の設定、および材料構成モデルの選択を行わなければならない。

⑤ 安定性および耐疲労性の照査に用いる構造解析は、部材の非線形性の影響を考慮した解析法を用いるも

のとする。ただし、橋梁のみに着目して解析を行う場合には、弾性微小変位解析により応答値を算定

してもよい。

問 17

次の文章は、鋼橋の変状について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×を解答欄に

記入しなさい。

① 腐食は、鋼構造物で非常に多く見られる。一般に、鋼材には、塗装を施して防止しているが、塗装の劣

化や劣悪な周辺環境により、腐食が局部的に進行し、さらに進むと白華に至る。

② 疲労き裂は、腐食とともに鋼構造物の代表的な変状で、繰り返し応力を受けることにより発生する。

③ 列車通過時の振動や強度不足が原因で、リベットやボルトに緩みが生じる場合があり、対傾構等に多く

見られる。

④ 高力ボルトがある時間経過後に突然破壊する現象を、高力ボルトの遅れ破壊と呼ぶ。

⑤ 支承の傾斜やばたつきは、桁座の破損あるいは橋脚および橋台の隆起により発生することが多い。

問 18

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(基礎構造物)における室内土質試験および原位置試験につい

て述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×を解答欄に記入しなさい。

① 粘性土と想定される地層において、設計に用いる土質諸定数は、基本的に室内土質試験によって求めた

値を使用しなければならない。これは、乱さない試料の採取が比較的容易なこと、および粘性土層に

おけるN 値の精度が低いためである。

② 粘性土と想定され、かつ圧密沈下の問題があると想定される地層の圧密特性を把握する場合には、土の

繰返し非排水三軸試験を行う。

③ 大規模あるいは特に重要な構造物等で詳細な検討を要する場合には、乱さない試料による三軸圧縮試験

を実施し、精度のよい土質強度定数を把握するのがよい。

④ 原位置試験では、想定される基礎の根入れ範囲における代表的な地層において、ボーリング孔内鉛直載

荷試験を行う。

⑤ 耐震設計上の地盤区分が特殊地盤と判断される場合、および標準貫入試験等により土質諸定数の決定が

困難な地盤では、PS 検層を行うのがよい。

- 11 -

問 19

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)における盛土の支持地盤が軟弱な場合等の対策工

法について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号

の( )には同一語句が入るものとする。

(1) ( ① )工法は、軟弱層を除去し良質な材料と交換する工法で、軟弱層が浅い場合に限られるが、改良効

果は確実である。

(2) ( ② )工法は、地盤中に振動あるいは衝撃荷重を用いて砂を圧入し、砂杭を造成して地盤の安定化を図

る工法で、液状化防止に対しても有効である。

(3) ( ③ )工法は、使用開始後の残留沈下を少なくする目的で過載荷重を一定期間載荷し、目的を達成した

段階で除去する工法で、長い工期を必要とする。

(4) バーチカルドレーン工法は、軟弱粘性土地盤に透水性の良いドレーン材を鉛直方向に入れ、最大( ④ )

を短くして圧密を急速に進行させる工法で、軟弱層が厚い場合に効果的である。

(5) 深層混合処理工法には、機械攪拌方式と( ⑤ )攪拌方式があり、後者は改良材を超高圧で噴出させ、土

と改良材を攪拌混合もしくは( ① )することによって強度増加を図る方式である。

問 20

次の文章は、開削トンネルにおける土留め工について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語

句を解答欄に記入しなさい。

(1) H 形鋼や鋼矢板等、土留め壁根入れ部の( ① )によって側圧を支持する土留め工を自立式土留め工とい

う。

(2) 腹起しの隅角部や、切ばりと腹起しの接合部に斜めに取付ける部材を( ② )という。

(3) ( ③ )式土留め工や補強土式土留め工は、掘削面内に切ばりのような障害物がないので機械掘削が容

易である。

(4) ベントナイト泥水等による地盤安定作用を利用して地盤を掘削し、鋼部材や鉄筋籠を設置した後で、

コンクリートを充填することにより構築した土留め壁体を( ④ )という。

(5) 切ばり式土留め工の中間杭は、覆工桁からの鉛直荷重を受けるとともに、切ばりと連結することによ

って切ばりの( ⑤ )を小さくする働きがある。

- 12 -

問 21

次の文章は、強化路盤の品質管理について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数

値を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句または

数値が入るものとする。

(1) 強化路盤は、( ① )路盤とスラグ路盤を標準とし、( ① )路盤として( ② )を採用する場合には、その品

質において強硬、耐久的であって、壊れやすい石片等の有害量を含まないものとする。

(2) 強化路盤の路床強度の評価指標として K30値が用いられ、路盤の安定と機能を確保するために、切取、

素地および低盛土の路床表面のK30値が( ③ ) [MN/m3]未満の場合には、路床改良を行う必要がある。

(3) 層厚の品質管理は、危険側である層厚不足に対して十分な管理を行い、路盤厚の最小値に対して

( ④ )%を層厚不足の限度とする。

(4) ( ① )路盤の締固め密度に関する施工管理試験のための測定位置としては、最終仕上がり面で路盤延

長約( ⑤ ) [m]ごとに試験断面を設ける。

語群: ア アスファルトコンクリート、 イ 粒度調整砕石、 ウ 高炉スラグ、 エ 舗装、

オ クラッシャラン、 カ 砕石、 キ 10、 ク 15、 ケ 20、 コ 50、

サ 70、 シ 100、 ス 110、 セ 200、 ソ 500

問 22

次の文章は、道床および路盤の施工法や特徴について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記

述には×を解答欄に記入しなさい。

① 路盤および路床表面には、線路横断方向に 1%程度の排水勾配を設ける。

② 路盤噴泥がレール継目部等で局部的に発生しているような場合には、路盤内にまくらぎと平行に有孔管

を敷設することによって路盤中の水を除去する横断排水工法が対策工として用いられる。

③ 道床バラストには、一定の範囲の粒径をもつ砕石がバランスよく含まれる必要がある。ただし、この粒

度範囲を過大にとると、車輪通過時の振動を受けた際に、大小粒の分離現象が発生しやすくなる。

④ 我が国で道床バラスト用の砕石に最も多く用いられている岩の種類は、安山岩と花崗岩である。

⑤ 道床バラストの圧密は、列車荷重の繰り返しのほか、マルチプルタイタンパーによる軌道保守作業によ

っても進行する。

問 21 から問 40 までは選択問題です。

1 群(問 21 から問 30 まで)から 5 問を選択して下さい。

2 群(問 31 から問 40 まで)から 5 問を選択して下さい。

合計 10 問を選択して、青色の解答用紙に選択した問題番号を○で囲み、

その欄に解答を記入して下さい。

選択問題1群(問 21 から問 30 まで。この中から 5 問を選択して下さい。)

- 13 -

問 23

次の文章は、鉄道車両、および軌道と車両の相互作用について述べたものである。正しい記述には○を、

誤った記述には×を解答欄に記入しなさい。

① 鉄道車両の車体の揺れのうち、台車に発生するだ行動によるものは、ピッチングといわれる振動であり、

通り変位や軌間の保守状態と関係がある。だ行動対策は、特に高速車両の設計時には重要である。

② 鉄道車両の台車に発生するだ行動の防止策として、台車の回転抵抗を大きくするほか、車輪踏面の勾配

を大きくすることも有効である。

③ 新幹線を除く普通鉄道の車輪踏面の形状としては、踏面に 1/20 の勾配を有する円錐踏面が長く用いら

れてきた。その後、曲線通過時の横圧低減を目的として円筒踏面が開発され、旅客車で用いられてい

る。

④ 車両の上下動揺に対する乗り心地の評価手法では、4~8 [Hz]の動揺の影響が大きいと分析されている。

⑤ 車輪等の回転体に質量のアンバランスがある場合、車体の曲げ固有振動数が車輪等の回転数に等しい振

動数と一致して共振し、車体が 10 [Hz]程度で上下振動する場合がある。この上下振動は軌道状態との

相関が高い。

問 24

次の文章は、正矢法による軌道検測特性について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句、

数値または数式を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。

(1) 固有振動数 1.5 [Hz]の車両が速度 108 [km/h]で走行する箇所において、高低変位を管理するのに適当な

正矢の長さは( ① ) [m]である。

(2) 曲線正矢 V [m]は測定弦長 S [m]および曲線半径 R [m]を用いて、V = S2/( ② )で近似できる。

(3) 波長が 6.7 [m]~20 [m]の範囲にある軌道変位を 10 [m]弦正矢法で測定すると、実際の軌道変位よりも

( ③ )が大きく測定される。

(4) 車両の左右動揺と正矢法の測定結果の相関性が小さい場合、( ④ )変位の測定位置と車輪とレールの

接触位置が異なっていることがその原因の 1 つとして挙げられる。

(5) 10 [m]弦正矢法で測定された軌道変位を 40 [m]弦正矢軌道変位に変換すると、測定誤差は( ⑤ )倍に増

幅される。

語群: ア 波長、 イ 通り、 ウ 振幅、 エ 周期、 オ 高低、

カ 水準、 キ 4、 ク 8、 ケ 16、 コ 20、

サ 30、 シ 40、 ス 6R、 セ 8R、 ソ 12R

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問 25

次の文章は、軌道変位管理について述べたものである。正しい記述には○を、誤った記述には×を解答

欄に記入しなさい。

① 相対基準による軌道変位整備は、マルチプルタイタンパーに設けられた測定弦の範囲内の軌道変位を

取る作業であり、長い波長の変位は整正できない。

② 絶対基準による軌道変位整備は、事前に整正量を求め、あらかじめ設定した線形に整備する方法であ

る。

③ 復元原波形による整備方法は、波長帯域に制限はなく、マルチプルタイタンパーの自動化に有効な整備

方法である。

④ 軌道変位の統計量を把握する指標として用いられるP値は、変位の標準偏差と同じ指標である。

⑤ 半絶対線形整備は、曲線の弦と正矢に関係がある事を利用して移動量を求める手法である。

問 26

次の文章は、コンクリート構造物の調査方法について述べたものである。下線部が正しい記述には○を、

誤った記述には下線部に入れるべき正しい語句を解答欄に記入しなさい。

① コンクリートの変状の原因が化学的侵食かどうかを判定するための方法としてモルタルバー法がある。

② 火害を受けたコンクリートの材料試験には、中性化試験が有効な場合がある。

③ コンクリート構造物から取り出した鋼材の腐食量を測定する場合、鋼材を 10%塩化ナトリウム溶液に

浸漬する方法がある。

④ 凍害によるポップアウトが認められる場合、採取コアの気泡間隔係数の測定が有用である。

⑤ 送信アンテナからコンクリート内部に向けて電磁波を放射し、反射波を観測することで鉄筋の強度を調

べる方法をレーダー法という。

問 27

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(耐震設計)における鋼・複合構造の耐震設計について述べたも

のである。正しい記述には○を、誤った記述には×を解答欄に記入しなさい。

① コンクリート充填鋼管部材の耐力および変形性能は、断面形状に依存する局部座屈抵抗の違いから、一

般に、円形断面の場合の方が矩形断面の場合よりも優れている。

② 鋼部材は、矩形断面または円形断面であれば、降伏以降の耐力および変形性能が上昇する。

③ コンクリート充填鋼管部材の曲げモーメントと部材角の関係は、一般に、鋼管内部コンクリートのひび

割れの発生を考慮したトリリニアモデルとする必要がある。

④ 鉄骨鉄筋コンクリート部材の破壊モードは、鉄骨部分による寄与を見込んだせん断耐力が、曲げ耐力に

達するときのせん断力を上回る場合、曲げ破壊モードと判定される。

⑤ 鋼部材の荷重変位曲線上において、損傷は一般に、部材の降伏、局部き裂の発生、最大水平抵抗荷重程

度を維持する最大変位への到達、局部座屈の進展の順に発生する。

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問 28

次の文章は、薬液注入工法について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を下

の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句または数値が

入るものとする。

(1) 薬液注入に使用する薬液は、「薬液注入工法による建設工事の施工に関する暫定指針」により( ① )系

薬液で、劇物またはフッ素化合物を含まないものに限られている。

(2) 高い遮水性が要求される場合や大規模開削の底盤改良等高い注入効果が期待される場合には、( ② )

工法を採用するのがよい。

(3) 注入により改良された土の透水性は、もとの土性値や注入条件等により異なるが、( ② )工法の場合、

設計に用いる改良後の透水係数は( ③ ) [m/s]程度としている。

(4) ( ② )工法の一次注入は、二次注入の前に地盤を均質化するための粗詰めの注入で、注入材料には( ④ )

が用いられる。

(5) 砂質土等の透水性地盤を改良する場合、改良効果を発揮させるためにできるだけ( ⑤ )注入となるよう

に計画することが望ましい。

語群: ア 水ガラス、 イ 中性、 ウ 無機、 エ ダブルパッカー、

オ 二重管ストレーナー(複相型)、 カ 単管ロッド、 キ 浸透、 ク 割裂、 ケ 境界、

コ セメントベントナイト液、 サ 溶液型注入材、 シ 瞬結注入材、

ス 1×10-5~1×10-6、 セ 1×10-6~1×10-7、 ソ 1×10-7~1×10-8

問 29

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(基礎構造物)における基礎の種別の特徴について述べたもの

である。正しい記述には〇を、誤った記述には×を解答欄に記入しなさい。

① 支持層が浅く、地下水位が低い場合には、直接基礎で施工する方が有利な場合が多い。

② 中掘り先端根固め杭は、オーガーにより杭体内部の土を掘削しながら杭を設置するため、打込み杭より

も深く設置することが困難な場合が多い。

③ RC 杭は、PHC 杭に比べて杭体のひび割れや破壊等が生じにくいので、深く打込むことができる。

④ オールケーシング杭は、深くなるとケーシングチューブの貫入および引抜きに大きい力を必要とする

ので、機械の能力により設置深さが制限される。

⑤ オープンケーソンは、深くなると作業室内の圧気圧を高くする必要があるが、作業能率が低下すること

から、一般には 3 気圧程度が上限であり、水面下 30 [m]程度が通常の限度である。

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問 30

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(都市部山岳工法トンネル)について述べたものである。( )の

中に入れるべき適切な語句を下の語群から 1 つ選び、その記号を解答欄に記入しなさい。

(1) 都市部山岳工法トンネルで一般に用いられる掘削工法には、全断面工法、ベンチカット工法、( ① )

工法、導坑先進工法等がある。

(2) 都市部山岳工法トンネルは、( ② )を掘削するため、切羽安定対策、地下水対策、地表面沈下および近

接構造物への影響対策のような対策工を併用して施工されることが多い。

(3) 都市部山岳工法トンネルの二次覆工コンクリートは、( ③ )コンクリートとするのが標準である。

(4) 都市部山岳工法トンネルでは、覆工構造の安定性確保のために、トンネル全長にわたって( ④ )を設

置する。

(5) 都市部山岳工法トンネルの施工に伴う管理基準値を設定する方法のうち、せん断指数およびせん断ひ

ずみにより基準値を求める方法では、トンネル上部の地盤を( ⑤ )の梁と仮定する。

語群: ア 剛体、 イ パイプルーフ、 ウ インバート、 エ 弾性体、 オ 中壁分割、

カ 弾塑性体、 キ 無筋、 ク 大深度、 ケ 未固結地山、 コ 鉄筋、

サ 排水溝、 シ 地下水位低下、 ス 防水シート、 セ 岩盤、 ソ 高強度

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問 31

次の文章は、図に示した有道床軌道のロングレール区間のレール軸力分布について述べたものである。( )

の中に入れるべき適切な語句または数式を解答欄に記入しなさい。ただし、レール鋼のヤング率を E [N/m2]、

レールの断面積を A [m2]、レール鋼の線膨張係数を β [K-1]、ロングレール設定温度に対する変化量を t [K]、

道床縦抵抗力を r [N/m]とする。

(1) ロングレールの温度伸縮に際し、道床縦抵抗力が作用することによってレールの自由伸縮が拘束され、

両端部からある程度離れた中央寄りの部分では、全く伸縮を生じない区間がある。この部分をロング

レールの不動区間という。次の図において、ロングレール設定温度に対する変化量 t [K]に対する不動

区間のレール軸力 P [N]は次式で表わされる。

P = ( ① ) [N]

(2) 有道床のロングレール軌道では、まくらぎとレールとの間の( ② )抵抗力の方が道床縦抵抗力より大き

いので、レールの伸縮に対する抵抗力は道床縦抵抗力に依存する。

(3) 次の図において、可動区間の長さ L [m]は次式で表わされる。

L = ( ③ ) [m]

(4) 次の図において、ロングレール端部 C における伸縮量 y [m]は、次式で表わされる。

y = ( ④ ) [m]

(5) ロングレールに軸引張力が働いている場合、次の図に示すロングレールの不動区間内のある地点 G で

レール破断を生じた場合の開口量 d [m]は、斜線で示す部分の面積を Sとすると次式で表わされる。

d = ( ⑤ ) [m]

問 32

次の文章は、分岐器の構造について述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記入

しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。

(1) 分岐器は、1 つの軌道を 2 つの軌道に分岐させるための軌道構造であり、ポイント部、リード部、( ① )

部、ガード部の全部または一部により成り立っている。

(2) 普通分岐器の種類は、その線形によって片開き分岐器、両開き分岐器、曲線分岐器のほか、左右の分

岐線の角度が異なる( ② )分岐器がある。

(3) トングレールと基本レールの軌間線がなす角をポイントの( ③ )という。

(4) ガードレールは、車輪を誘導して( ④ )を防止するとともに、( ① )のレール頭部側面の摩耗を防止す

る役目がある。

(5) 分岐器ポイント部の後端部継目には、滑節構造、( ⑤ )構造および弾性構造があり、60kg レール用分岐

器には弾性構造が採用されている。

選択問題 2 群(問 31 から問 40 まで。この中から 5 問を選択して下さい。)

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問 33

次の文章は、輪重および横圧の軌道内における伝達過程について述べたものである。( )の中に入れるべ

き適切な語句を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとする。

(1) 一般に、バラスト軌道において、輪重がレール上に載荷された際に、レールから各まくらぎに伝わる

力を( ① )という。載荷位置直下のまくらぎに作用する( ① )の値は、輪重の値が同じ、かつ、他の軌

道構造条件が同じであれば、まくらぎ間隔が( ② )方が小さい。

(2) 横圧がレール側面に作用すると、その力は周辺のレール締結装置に分散して伝達される。このように

レールからレール締結装置に伝わる力を( ③ )という。

(3) 輪重および横圧の載荷位置直近のまくらぎにおける( ① )/輪重、( ③ )/横圧のことを分散係数(荷重

分散率)と称するが、輪重に対する分散係数の方が横圧に対する分散係数に比べて( ④ )。これは、レ

ールの( ⑤ )は上下に比べて左右の方が小さいことが大きな理由である。

問 34

次の文章は、図に示す軌間 1,435 [mm]の鉄道線区における曲線箇所を含んだ区間の軌道検測データについ

て述べたものである。( )の中に入れるべき適切な数値を解答欄に記入しなさい。ただし、重力加速度は 9.8

[m/s2]とし、解答の数値に小数第 2 位以下がある場合には、小数第 2 位を四捨五入して小数第 1 位まで解答

しなさい。

(1) この曲線の半径は( ① ) [m]である。

(2) この曲線のカント逓減倍率は( ② )倍である。

(3) この曲線の均衡速度は( ③ ) [km/h]である。

(4) この曲線を 100 [km/h]で走行する場合のカント不足量は( ④ ) [mm]である。

(5) この曲線を 100 [km/h]で走行する場合の車両の左右定常加速度は( ⑤ ) [m/s2]である。ただし、車体傾

斜係数は 0.2 とし、車両には車体傾斜がないものとする。

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問 35

次の文章は、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の解釈基準等における線路の規格について述べた

ものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。なお、解答の数値に小

数第 1 位以下がある場合には、小数第 1 位を四捨五入して整数で解答しなさい。

(1) 曲線では、2 線のカント差による偏い量、当該線及び隣接線における曲線による偏い量分だけ、軌道中

心間隔を拡大する必要がある。軌間が 1,067 [mm]、車両の屋根高さ(レール面から屋根上面までの垂直

距離)が 3,150 [mm]、曲線外側線及びこれに隣接する曲線内側線のカントが各々100 [mm]、75 [mm]の場

合、カント差による偏い量は、( ① ) [mm]である。

(2) 曲線区間においてカントを設定した場合、原則的に施工基面幅を直線の場合に比べて曲線の( ② )へ

拡大する必要がある。

(3) 普通鉄道及び鋼索鉄道における建築限界と車両限界との間隔は、車両の窓の側方となる箇所では

( ③ ) [mm]以上確保する必要がある。なお、乗客が窓から身体を出すことのできない構造の車両では、

この間隔を小さくすることができる。

(4) 内軌側曲線ホームにおける建築限界の拡大寸法は、車両の偏い量のほかに、車両の内側傾斜による接近

量と( ④ )量を加算する必要がある。

(5) 集電装置に対応する建築限界の上部限界の高さ及び幅は、20 [kV]の交流区間の方が 1,500 [V]の直流区

間に比べて( ⑤ )。

問 36

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(コンクリート構造物)における耐久性の検討について述べた

ものである。( )の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記入しなさい。

(1) 鋼材の腐食に関する検討は、ひび割れ、中性化および塩化物イオン等の劣化因子の影響による鋼材の

腐食が発生しないことを確かめることにより行う。また、コンクリートの劣化に対する検討は、劣化

因子の侵入によりコンクリートに( ① )な損傷が発生しないことを確かめることにより行う。

(2) 鉄筋コンクリート構造と( ② )のひび割れによる鋼材の腐食に関する検討は、通常の使用状態における

ひび割れ幅が鋼材の腐食に対するコンクリートのひび割れ幅の制限値以下であることを確かめること

により行う。( ③ )のひび割れによる鋼材の腐食に関する検討は省略してよい。

(3) 中性化に関する検討は、中性化深さの推定値および中性化深さの制限値を用いて行う。ここで、中性

化深さの推定値は、一般的に、( ④ )の平方根に比例するとして算定する。

(4) アルカリ骨材反応を防止するための現実的な方策は、アルカリ総量の規制、抑制効果のある( ⑤ )の使

用あるいは無害な骨材の使用が挙げられる。

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問 37

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(コンクリート構造物)における鉄筋配置について述べたもの

である。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。

(1) コンクリート部材の断面に対して、コンクリートの収縮や温度によるひび割れを有害ではない程度に

抑えるため、鉄筋コンクリート構造では部材のいかなる断面においても、コンクリート全断面積の

( ① )%以上の鉄筋を配置する。

(2) 曲げモーメントの影響が支配的な部材では、コンクリートの破壊が鉄筋の引張降伏よりも先行するよ

うな脆性的な破壊を防ぐために、引張鉄筋比を釣合鉄筋比の( ② )%以下とするのがよい。

(3) スターラップは、引張鉄筋を取り囲み、標準フックを用いて( ③ )側のコンクリートに定着しなければ

ならない。

(4) 鉄筋の継手は、同一断面に集めないことを原則とし、継手位置を部材軸方向に相互にずらす距離は、

継手の長さに鉄筋直径の( ④ )倍を加えた長さ以上とする。

(5) 壁等の面部材において応力を分布させる目的で、軸方向鉄筋に対して直角または直角に近い角度で交

差させて配置する鉄筋を( ⑤ )という。

問 38

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(耐震設計)について述べたものである。( )の中に入れるべき

適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。

(1) 非線形スペクトル法は、構造系が比較的単純で、( ① )次のモードが卓越し、主たる( ② )の発生箇所

が明らかな場合に適用できる。

(2) 等価固有周期は、部材等の非線形性を考慮し、構造物の静的非線形解析によって得られる荷重と( ③ )

の関係において、構造物全体としての降伏点と原点を結んだ割線剛性により算定する。

(3) 次の図は、非線形スペクトル法により構造物の応答値を算定する場合に用いられ、横軸は等価固有周

期を、縦軸は( ④ )を表す。これによって、図中の μすなわち( ⑤ )を求めることができる。

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問 39

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)における補強土について述べたものである。( )

の中に入れるべき適切な語句を解答欄に記入しなさい。なお、同一番号の( )には同一語句が入るものとす

る。

(1) 盛土中にジオテキスタイル等の引張補強材を配置することによって、安定性を高め、急勾配の盛土(1:1.5

~1:1.0)としたものを( ① )という。

(2) ジオテキスタイル等の引張補強材と、補強材と連結されたパネル壁やコンクリート壁のような( ② )

で構成された盛土を( ③ )壁といい、一般にはほぼ鉛直な勾配で用いられる。

(3) 自然地山や既設盛土等の掘削時に棒状補強材を配置し、地山勾配を急勾配化する工法を( ④ )工法と呼

ぶ。

(4) ( ③ )壁により腹付け盛土を行う場合、新設盛土と既設盛土の境界が弱点とならないように、既設盛土

のり面を( ⑤ )する。

問 40

次の文章は、鉄道構造物等設計標準・同解説(開削トンネル)における開削トンネル本体構造物の設計につ

いて述べたものである。( )の中に入れるべき適切な語句または数値を解答欄に記入しなさい。

(1) 構造解析は、構造物の形状、支持条件、限界状態等に応じて、( ① )方向について適切な構造解析モデ

ルを設定して行う。

(2) 開削トンネル上部に構造物が付随する場合は、トンネルおよび上載構造物の諸条件を考慮して地盤の

( ② )の検討を行う。

(3) 地下水位以下に施工される開削トンネルは、土被りの少ない場合やトンネル部から地上部への移行区

間等、トンネルの自重と鉛直土圧に比べて揚圧力が大きくなることが予想される場合には、( ③ )に対

する検討を行う。

(4) 使用限界状態において、永久荷重作用時のコンクリートの曲げ圧縮応力度は、過度なクリープひずみ

や、大きな圧縮応力による軸方向ひび割れ等を避けるため、設計圧縮強度の( ④ )%以下とする。また、

変動荷重作用時の鋼材の引張応力度は、鋼材の引張応力度が( ⑤ )を超えないように、設計引張降伏強

度以下とする。

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鉄道設計技士試験

平成 22 年度

専門試験Ⅰ(鉄道土木) 解答例

無断転載を禁じます

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平成 22 年度 鉄道設計技士試験 専門試験Ⅰ(鉄道土木) 解答例

問 1 ① セ、 ② シ、 ③ ソ、 ④ ク、 ⑤ ケ

問 2 ① ○、 ② ×、 ③ ○、 ④ ○、 ⑤ ×

問 3 ① 廃棄物、 ② 循環型、 ③ 生産者、 ④ グリーン、 ⑤ リサイクル

問 4 ① セ、 ② オ、 ③ ソ、 ④ エ、 ⑤ ク

問 5 ① ○、 ② ×、 ③ ○、 ④ ×、 ⑤ ×

問 6 ① 4,500、 ② 9,000、 ③ 2、 ④ 3、 ⑤ 1

問 7 ① ウ、 ② エ、 ③ コ、 ④ セ、 ⑤ シ

問 8 ① 電食、 ② 直流、 ③ レール断面積(レール断面)、 ④ 疲労、 ⑤ 漏水

問 9 ① 、 ② 、 ③ 、④ 大きい、 ⑤ クロソイド

問 10 ① ×、 ② ○、 ③ ×、 ④ ○、 ⑤ ×

問 11 ① 継目ボルト、 ② 過大、 ③ 継目板拘束力、 ④ 設定遊間(設定遊間量、設定遊間線)、

⑤ 引張(引張り)

問 12 ① 土石流、 ② 5 弱、 ③ ○、 ④ 1、 ⑤ ○

問 13 ① 軌間内、 ② タイヤ内面間距離(車輪内面間距離)、 ③ フランジ厚、 ④ 63、⑤ 33

問 14 ① カ、 ② オ、 ③ ク、 ④ シ、 ⑤ コ

問 15 ① AE 剤、 ② エフロレッセンス(エフロ、白華)、 ③ スランプ、

④ ポストテンション(ポステン)、 ⑤ ブリーディング(ブリージング)

問 16 ① ○、 ② ×、 ③ ×、 ④ ○、 ⑤ ×

問 17 ① ×、 ② ○、 ③ ○、 ④ ○、 ⑤ ×

問 18 ① ○、 ② ×、 ③ ○、 ④ ×、 ⑤ ○

問 19 ① 置換、 ② サンドコンパクションパイル、 ③ プレローディング、 ④排水距離(排水長)、

⑤ 噴射

問 20 ① 受働抵抗、 ② 火打ち、 ③ グラウンドアンカー、 ④ 地下連続壁 (連続地中壁)、 ⑤ 座屈長

問 21 ① カ、 ② イ、 ③ サ、 ④ キ、 ⑤ シ

問 22 ① ×、 ② ○、 ③ ○、 ④ ×、 ⑤ ×

問 23 ① ×、 ② ×、 ③ ×、 ④ ○、 ⑤ ×

問 24 ① コ、 ② セ、 ③ ウ、 ④ イ、 ⑤ ケ

問 25 ① ○、 ② ○、 ③ ×、 ④ ×、 ⑤ ○

問 26 ① アルカリ骨材反応(ASR、アルカリシリカ反応)、 ② ○、

③ クエン酸アンモニウム(クエン酸(水素)(二)アンモニウム)、 ④ ○、 ⑤ 位置

問 27 ① ○、 ② ×、 ③ ×、 ④ ○、 ⑤ ×

問 28 ① ア、 ② エ、 ③ ス、 ④ コ、 ⑤ キ

問 29 ① ○、 ② ×、 ③ ×、 ④ ○、 ⑤ ×

問 30 ① オ、 ② ケ、 ③ コ、 ④ ウ、 ⑤ エ

問 31 ① EAβt、 ② ふく進(クリープ)、 ③ 、 ④ 、⑤

問 32 ① クロッシング、 ② 振分、 ③ 入射角、 ④ 異線進入、 ⑤ 関節

問 33 ① レール圧力、 ② 狭い(小さい)、 ③ レール横圧力、 ④小さい、

⑤曲げ剛性(断面二次モーメント)

問 34 ① 625、 ② 800、 ③ 78.0、 ④ 70.8、 ⑤ 0.6

問 35 ① 74、 ②外方(外側)、 ③ 400、 ④ スラック、 ⑤ 大きい(広い)

問 36 ① 有害、 ② PRC 構造、 ③ PC 構造、 ④ 設計耐用年数、設計耐用期間、

⑤ 混合セメント

問 37 ① 0.15、 ② 75、 ③ 圧縮、 ④ 25、 ⑤ 配力鉄筋

RXx

RXx

6

3x

Xπcos

EAS( )

rtEA

2

2βr

EA tβ

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問 38 ① 1、 ② 塑性ヒンジ、 ③ 変形、④ 所要降伏震度(降伏震度)、 ⑤ 応答塑性率(塑性率)

問 39 ① 補強盛土、 ② 壁面工、 ③ 盛土補強土、 ④ 地山補強土、 ⑤ 段切り

問 40 ① 横断、 ② 支持力、 ③ 浮上り、 ④ 40、 ⑤ 弾性限界

(注) 語句記述式問題については、上記以外にも正解のある場合があります。