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1 参考資料7 神奈川県地震被害想定調査(平成 27 年 3 月)の概要 前提条件 () 想定地震 (1) 神奈川県の地震活動 神奈川県に被害を及ぼす地震は、主に以下のタイプの地震である。 ・相模湾から房総半島南東沖にかけてのプレート境界付近で発生する地震 ・陸域の様々な深さの場所で発生する地震 相模湾から房総半島南東沖にかけてのプレート境界付近で発生する地震としては、1923 年の関東地 震(マグニチュード 7.9)が知られており、県内全域で震度6弱以上の揺れとなり、一部では震度7の 揺れが生じたと推定されている。さらに、1703 年の元禄地震でも、各地で死者が発生するなど大きな 被害を生じている。 一方、陸域の様々な深さの場所で発生する地震としては、県西部地域で1633 年、1782 年、1853 年 のマグニチュード7クラスの被害を生じる地震が繰り返し発生している。このほか、県北西部の丹沢 山地付近の地震や、陸域の深い場所で発生する地震(1992 年の東京湾南部の地震)により若干の被害 が生じている。 さらに、神奈川県内には活断層が存在する。主な活断層としては、三浦半島中南部とその周辺海域 に分布する三浦半島断層群、県中部の伊勢原断層、静岡県境の丹沢山地南縁から相模湾に延びる神縄・ 国府津-松田断層帯、県西部から伊豆半島に延びる北伊豆断層帯がある。 (2) 想定地震の選定 今回の調査における想定地震については、神奈川県に及ぼす被害の量的・地域的な状況や、 発生の切迫性などを考慮し、選定した。選定の視点は、次のとおりである。 【選定の視点】 ① 地震発生の切迫性が高いとされている地震 (例)都心南部直下地震、神奈川県西部地震 ② 法律により対策を強化する地域の指定に用いられる地震 (例)東海地震、南海トラフ巨大地震 ③ 地震防災戦略・地域防災計画・中央防災会議等において対策の対象としている地震 (例)三浦半島断層群の地震、大正型関東地震 ④ 発生確率は極めて低いが、発生すれば甚大な被害が県全域に及ぶ可能性があり、超長期的な対応と なる地震 (例)元禄型関東地震、相模トラフ沿いの最大クラスの地震 なお、発生確率が極めて低く、神奈川県の防災行政やまちづくり行政などにおいて超長期的な対応 となる地震や、国の被害想定において最新の知見による震源モデルが示されたものの被害量は想定さ れていない地震については、参考地震として被害等の想定を行った。

参考資料7 神奈川県地震被害想定調査(平成 27 年3 …...主な活断層としては、三浦半島中南部とその周辺海域 に分布する三浦半島断層群、県中部の伊勢原断層、静岡県境の丹沢山地南縁から相模湾に延びる神縄・

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参考資料7 神奈川県地震被害想定調査(平成 27年 3月)の概要

1 前提条件

(ア) 想定地震

(1) 神奈川県の地震活動

神奈川県に被害を及ぼす地震は、主に以下のタイプの地震である。

・相模湾から房総半島南東沖にかけてのプレート境界付近で発生する地震

・陸域の様々な深さの場所で発生する地震

相模湾から房総半島南東沖にかけてのプレート境界付近で発生する地震としては、1923 年の関東地

震(マグニチュード 7.9)が知られており、県内全域で震度6弱以上の揺れとなり、一部では震度7の

揺れが生じたと推定されている。さらに、1703 年の元禄地震でも、各地で死者が発生するなど大きな

被害を生じている。

一方、陸域の様々な深さの場所で発生する地震としては、県西部地域で1633 年、1782 年、1853 年

のマグニチュード7クラスの被害を生じる地震が繰り返し発生している。このほか、県北西部の丹沢

山地付近の地震や、陸域の深い場所で発生する地震(1992 年の東京湾南部の地震)により若干の被害

が生じている。

さらに、神奈川県内には活断層が存在する。主な活断層としては、三浦半島中南部とその周辺海域

に分布する三浦半島断層群、県中部の伊勢原断層、静岡県境の丹沢山地南縁から相模湾に延びる神縄・

国府津-松田断層帯、県西部から伊豆半島に延びる北伊豆断層帯がある。

(2) 想定地震の選定

今回の調査における想定地震については、神奈川県に及ぼす被害の量的・地域的な状況や、

発生の切迫性などを考慮し、選定した。選定の視点は、次のとおりである。

【選定の視点】

① 地震発生の切迫性が高いとされている地震

(例)都心南部直下地震、神奈川県西部地震

② 法律により対策を強化する地域の指定に用いられる地震

(例)東海地震、南海トラフ巨大地震

③ 地震防災戦略・地域防災計画・中央防災会議等において対策の対象としている地震

(例)三浦半島断層群の地震、大正型関東地震

④ 発生確率は極めて低いが、発生すれば甚大な被害が県全域に及ぶ可能性があり、超長期的な対応と

なる地震

(例)元禄型関東地震、相模トラフ沿いの最大クラスの地震

なお、発生確率が極めて低く、神奈川県の防災行政やまちづくり行政などにおいて超長期的な対応

となる地震や、国の被害想定において最新の知見による震源モデルが示されたものの被害量は想定さ

れていない地震については、参考地震として被害等の想定を行った。

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表1-1 想定地震

※モーメントマグニチュード(Mw):地震の規模を表現する単位のひとつである。「モーメントマグニ

チュード」は岩盤のずれの規模(ずれ動いた部分の面積×ずれた量×岩石の硬さ)をもとにして計算し

ている。気象庁が発表する「マグニチュード(M)」は地震計で観測される波の振幅から計算されるが、

規模の大きな地震(M8.5以上)になると岩盤のずれの規模を正確に表せない。これに対してモーメント

マグニチュードは物理的な意味が明確で、大きな地震に対しても有効である。ただし、その値を求める

には高性能の地震計のデータを使った複雑な計算が必要なため、地震発生直後迅速に計算することや、

規模の小さい地震で精度よく計算するのは困難である。そのため、地震発生直後や規模の小さい地震で

はマグニチュードを用いている。

イ) 都心南部直下地震

首都圏付近のフィリピン海プレート内で、都心南部の直下を震源とするモーメントマグニチュ

ード7.3 の地震である。東京湾北部地震にかわり、国が防災対策の主眼を置く地震としており、

県内全域が「首都直下地震対策特別措置法」の首都直下地震緊急対策区域に指定されていること

から、想定地震とした。

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ロ) 三浦半島断層群の地震

三浦半島断層帯を震源域とするモーメントマグニチュード7.0 の活断層型の地震である。現行

の神奈川県地震防災戦略(平成22 年3月策定)の減災目標としている地震であることから、想定

地震とした。

ハ) 神奈川県西部地震

神奈川県西部を震源域とするモーメントマグニチュード6.7 の地震である。現行の神奈川県地

震防災戦略(平成22 年3月策定)の減災目標としている地震であることから、想定地震とした。

ニ) 東海地震

駿河トラフを震源域とするモーメントマグニチュード8.0 の地震である。神奈川県地域防災計

画において地震の事前対策について位置づけていること、また、県内の概ね西半分の市町が「大

規模地震対策特別措置法」の地震防災対策強化地域に指定されていることから、想定地震とした。

ホ) 南海トラフ巨大地震

南海トラフを震源域とするモーメントマグニチュード9.0 の地震である。国が想定する、あら

ゆる可能性を考慮した南海トラフの最大クラスの地震であり、県内の一部の市町村が「南海トラ

フ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」の南海トラフ地震防災対策推進地域に指

定されていることから、想定地震とした。

ヘ) 大正型関東地震

相模トラフを震源域とするモーメントマグニチュード8.2 の地震である。1923 年の大正関東地

震を再現した地震で、国が長期的な防災・減災対策の対象として考慮している地震であることか

ら、想定地震とした。

ト) 元禄型関東地震(参考)

相模トラフから房総半島東側を震源域とするモーメントマグニチュード8.5 の地震である。

1703 年の元禄関東地震を再現した地震で、現実に発生した最大クラスの地震であることから、発

生確率が極めて低い地震であるが、参考地震として被害量を算出している。

チ) 相模トラフ沿いの最大クラスの地震(参考)

元禄型関東地震の震源域に加え関東北部までを震源域とするモーメントマグニチュード8.7 の

地震である。国が想定する、あらゆる可能性を考慮した相模トラフ沿いの最大クラスの地震であ

ることから、発生確率が極めて低い地震であるが、参考地震として被害量を算出している。

リ) 慶長型地震(参考)

南海トラフ沖と相模トラフ沿いを繋ぐ断層を設定し、そこで想定したモーメントマグニチュー

ド8.5 の正断層型の地震である。平成24 年3月に神奈川県が公表した津波浸水予測図の対象地震

の中で最大クラスの地震であり、最大クラスの津波による被害を周知して津波避難の普及啓発を

図る観点から、参考地震として津波による被害量を算出している。

ヌ) 明応型地震(参考)

南海トラフから銭洲海嶺に伸びるフィリピン海プレート内の断層を設定し、そこで想定したモ

ーメントマグニチュード8.4 の逆断層型の地震である。平成24 年3月に神奈川県が公表した津波

浸水予測図の対象地震の中で最大クラスの地震であり、最大クラスの津波による被害を周知して

津波避難の普及啓発を図る観点から、参考地震として津波による被害量を算出している。

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ル) 元禄型関東地震と国府津-松田断層帯の連動地震(参考)

相模トラフで発生する海溝型と国府津-松田断層帯の地震が連動して発生するモーメントマグ

ニチュード8.3 の地震である。平成24 年3月に神奈川県が公表した津波浸水予測図の対象地震の

中で最大クラスの地震とされていた、「元禄型関東地震と神縄・国府津-松田断層帯の連動地震」

の断層モデルの一部を、最新の知見を基に変更した地震であり、最大クラスの津波による被害を

周知して津波避難の普及啓発を図る観点から、参考地震として津波による被害量を算出している。

図1-1 震源断層モデルの位置図

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2 地震動の予測

(ア) 地震動予測結果

表 2.2 に市区町村ごとの最大・最小震度をまとめた。図 2.18 から図 2.25 にそれぞれの地震におけ

る地震動の予測結果を示す。以下、各地震での揺れの概要をまとめる。

(1) 都心南部直下地震

県東部から中部にかけて震度6弱以上となっている。特に、川崎市の広い範囲、横浜市の沿岸北

部、相模原市の東部、厚木市の一部及び伊勢原市の一部等で、震度6強となっている。

(2) 三浦半島断層群の地震

県東部で震度6弱以上となり、特に、横浜市及び横須賀市の沿岸で震度6強となっている。

(3) 神奈川西部地震

小田原市及びその周辺の市町村で震度6弱以上となっている。特に、酒匂川と根府川の周辺で震

度6強となっている。

(4) 東海地震

県の西部から中央南部で震度5強程度の揺れとなっている。

(5) 南海トラフ巨大地震

東海地震と似た震度分布を示しているが、震度5強の分布がやや広がっている。また、 震度6弱

の分布が小田原市、南足柄市、箱根町等で予測されている。

(6) 大正型関東地震

県のほぼ全域で震度6弱以上となっており、震度6強の分布が広範囲に及んでいる。 県の西部か

ら中央部、そして東部の一部で震度7が予想される。

(7) 元禄型関東地震(参考)

大正型関東地震とほぼ同じ震度分布となっている。これは、神奈川県内の強震動生成域が大正型

関東地震と元禄型関東地震で同じ位置にあること、また元禄型関東地震では千葉県の房総沖に強震

動生成域が追加されているが、神奈川県にはほとんど影響がないことが要因として考えられる。

(8) 相模トラフ沿いの最大クラスの地震(参考)

大正型関東地震及び元禄型関東地震と同様の震度分布を示しているが、全体的に震度6強及び7

の範囲が広がっている。これは、神奈川県内の強震動生成域は大正型関東地震及び元禄型関東地震

と同じであるが、応力パラメータが最大クラスの地震では大正型関東地震及び元禄型関東地震より

も2割ほど大きく想定されていることが要因である。

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表 2-1 市区町村別の最大・最小震度(1)

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表 2-2 市区町村別の最大・最小震度(2)

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図 2-1 都心南部直下地震による震度分布

図 2-2 三浦半島断層群の地震による震度分布

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図 2-3 神奈川県西部の地震による震度分布

図 2-4 東海地震による震度分布

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図 2-5 南海トラフ巨大地震(東側ケース)による震度分布

図 2-6 大正型関東地震による震度分布

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図 2-7 元禄型関東地震(参考)による震度分布

図 2-8 相模トラフ沿いの最大クラスの地震(参考)による震度分布

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3 建物被害

(ア) 被害想定結果

以下、各想定地震における被害想定結果の概要をまとめる。

(1) 都心南部直下地震

建物の被害(揺れ、液状化、急傾斜地崩壊)は、全県で全壊棟数が 64,500 棟(全建物の 2.8%)、

半壊棟数が 221,250 棟(全建物の 9.5%)と想定される。震源に近い県東部で被害率が高くなると想

定される。急傾斜地崩壊による被害は、全県で全壊 810 棟と想定される。

(2) 三浦半島断層群の地震

建物の被害(揺れ、液状化、急傾斜地崩壊、津波)は、全県で全壊棟数が 22,710 棟(全建物の 1.0%)、

半壊棟数が 88,170 棟(全建物の 3.8%)と想定される。震源に近い横須賀三浦地域から横浜市にか

けて被害率が高くなると想定される。急傾斜地崩壊による被害は、全県で全壊 680 棟と想定される。

津波による被害は、全県でわずかと想定される。

(3) 神奈川西部地震

建物の被害(揺れ、液状化、急傾斜地崩壊、津波)は、全県で全壊棟数が 5,000 棟(全建物の 0.2%)、

半壊棟数が 20,530 棟(全建物の 0.9%)と想定される。震源に近い県西地域で被害率が高くなると

想定される。急傾斜地崩壊による被害は、全県で全壊 40 棟と想定される。津波による被害は、全県

で全壊 230 棟と想定される。

(4) 東海地震

建物の被害(揺れ、液状化、急傾斜地崩壊、津波)は、全県で全壊棟数が 3,620 棟(全建物の 0.2%)、

半壊棟数が 14,450 棟(全建物の 0.6%)と想定される。震源に近い県西地域で被害率が高くなると

想定される。急傾斜地崩壊による被害は、全県で全壊 10 棟と想定される。津波による被害は、全県

で全壊 3,160 棟と想定される。

(5) 南海トラフ巨大地震

建物の被害(揺れ、液状化、急傾斜地崩壊、津波)は、全県で全壊棟数が 7,360 棟(全建物の 0.3%)、

半壊棟数が 20,110 棟(全建物の 0.9%)と想定される。震源に近い県西地域で被害率が高くなると

想定される。急傾斜地崩壊による被害は、全県で全壊 10 棟と想定される。津波による被害は、全県

で全壊 6,720 棟と想定される。

(6) 大正型関東地震

建物の被害(揺れ、液状化、急傾斜地崩壊、津波)は、全県で全壊棟数が 393,640 棟(全建物の

17.0%)、半壊棟数が 410,160 棟(全建物の 17.7%)と想定される。全県で被害率が高くなると想定

される。急傾斜地崩壊による被害は、全県で全壊 1,280 棟と想定される。津波による被害は、全県

で全壊 5,270 棟と想定される。

(7) 元禄型関東地震(参考)

建物の被害(揺れ、液状化、急傾斜地崩壊、津波)は、全県で全壊棟数が 411,280 棟(全建物の

17.7%)、半壊棟数が 450,720 棟(全建物の 19.4%)と想定される。全県で被害率が高くなると想定

される。急傾斜地崩壊による被害は、全県で全壊 1,280 棟と想定される。津波による被害は、全県

で全壊 28,370 棟と想定される。

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(8) 相模トラフ沿いの最大クラスの地震(参考)

建物の被害(揺れ、液状化、急傾斜地崩壊、津波)は、全県で全壊棟数が 549,040 棟(全建物の

23.7%)、半壊棟数が 443,060 棟(全建物の 19.1%)と想定される。全県で被害率が高くなると想定

される。急傾斜地崩壊による被害は、全県で全壊 1,350 棟と想定される。津波による被害は、全県

で全壊 36,830 棟と想定される。