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(c)JC Educational Institute, Inc. - 1 - 専 門 第23回 精神保健福祉士国家試験対策 赤マル福祉 Web模擬試験 (試験時間 140分) 注 意 事 項 模擬試験開始前に必ずお読みください。 1.問題は表紙を含め、35ページあります。 2.今回の模擬試験の主旨は、国家試験に向けて学習指針を把握することです。 試験結果だけでなく、間違った問題の復習が重要です。個別診断表の中で弱点箇所や復習 問題が提示されますので、今後の学習に役立ててください。 3.試験時間は140分です。時間は自己計測になりますが、各自、本試験の制限時間を守っ て問題を解答してください。 できるだけ実戦に近い形で行うため、解答用マークシートを使い解答をマークする時間の 把握や、正しくマークできているかを確認してください。 4.解答は、模擬試験マイページからフォームに入力して送信してください。 5.模擬試験の結果は、模擬試験マイページで公表しますのでご確認ください。 赤マル福祉の正規利用者本人が自身の学習のために使用する場合に限り、印刷可能です。そ れ以外での無断転載、無断複写・複製をかたく禁じます。

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専 門

第23回 精神保健福祉士国家試験対策

赤マル福祉 Web模擬試験

問 題

(試験時間 140分)

注 意 事 項

模擬試験開始前に必ずお読みください。

1.問題は表紙を含め、35ページあります。

2.今回の模擬試験の主旨は、国家試験に向けて学習指針を把握することです。

試験結果だけでなく、間違った問題の復習が重要です。個別診断表の中で弱点箇所や復習

問題が提示されますので、今後の学習に役立ててください。

3.試験時間は140分です。時間は自己計測になりますが、各自、本試験の制限時間を守っ

て問題を解答してください。

できるだけ実戦に近い形で行うため、解答用マークシートを使い解答をマークする時間の

把握や、正しくマークできているかを確認してください。

4.解答は、模擬試験マイページからフォームに入力して送信してください。

5.模擬試験の結果は、模擬試験マイページで公表しますのでご確認ください。

赤マル福祉の正規利用者本人が自身の学習のために使用する場合に限り、印刷可能です。そ

れ以外での無断転載、無断複写・複製をかたく禁じます。

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精神疾患とその治療

問題 1 脳や神経に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 中脳では、自律神経系の統合が行われる。

2 脳幹には橋と延髄が含まれる。

3 前頭葉では、言語の理解が行われる。

4 視床下部は平衡感覚をつかさどる。

5 中枢神経系は脳神経と脊髄神経からなる。

問題 2 次のうち、ICD-10に基づく「身体表現性障害」に含まれる疾患として、正しいもの

を1つ選びなさい。

1 解離性健忘

2 トランス及び憑依障害

3 外傷後ストレス障害

4 心気障害

5 強迫性障害

問題 3 うつ病に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 うつ病では、妄想はみられることはない。

2 抑うつ気分においては、朝が一番悪い状態で、夕方には少し良くなることが多い。

3 身体症状として、食欲低下がみられる。

4 仮面うつ病とは、認知症様の知能低下を伴う病相である。

5 観念奔逸は、うつ病の代表的症状である。

問題 4 次の精神症状と状態像との組合せのうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 連合弛緩 ――――― 意識障害やけいれん状態となる。

2 させられ体験 ――― 他人に命令し、あやつろうとする。

3 カタレプシー ――― 不自由な姿勢を次から次へと行う。

4 体感幻覚 ――――― 嗅覚の異常を感じることである。

5 強迫観念 ――――― 特定のイメージが頭に浮かぶことを払拭できない状態となる。

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問題 5 心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関する次の記述として、正しいものを1つ選び

なさい。

1 数日以内に治まる一過性の障害である。

2 症状としては、転換や覚醒亢進がみられる。

3 子供では起こらない。

4 症状としては、持続的な回避がみられる。

5 ICD-10の「身体表現性障害」に位置づけられている。

問題 6 アルコール関連障害及びアルコール依存症に関する次の記述のうち、正しいものを1つ

選びなさい。

1 コルサコフ症候群は、逆行健忘と作話の二徴がみられる病態である。

2 アルコール幻覚症は、幻視、幻臭が多い。

3 病的酩酊では意識障害を認める。

4 アダルトチルドレンは、アルコール依存症者のいる家庭での子供の飲酒行動をいう。

5 ウェルニッケ脳症は、ビタミンAの欠乏によって発症する。

問題 7 心理検査に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 MMPIは、投影法の一つである。

2 WAISは、気分の検査の場合に適用される。

3 TATは、失語・失行・失認の検査として用いられる。

4 SDSは、知能検査として用いられる。

5 HDS-Rは、認知症の検査として用いられる。

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問題 8 薬物療法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 現代の精神科薬物療法は、1958年に開発されたハロペリドールが最初の薬物である。

2 悪性症候群は、抑うつ薬投与の際によくみられる副作用である。

3 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の副作用として、錐体外路症状がみられる。

4 抗不安薬の多くは、ベンゾジアゼピン系の薬品が使用されている。

5 炭酸リチウムの副作用として、甲状腺機能亢進や腎機能低下がみられる。

問題 9 精神療法に関する次の組み合わせのうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 訓練的療法 ――――― フラッディング

2 家族療法 ―――――― システム論

3 洞察的精神療法 ――― 箱庭療法

4 表現的精神療法 ――― 受容と共感

5 支持的精神療法 ――― 転移

問題 10 精神科病院の処遇等に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 身体的拘束を行う場合は、その理由、拘束を開始した日時、解除した日時を診療録に記載しな

ければならない。

2 患者の隔離の場合、隔離する時間の長さに関係なく、精神保健指定医の診察、判断が必要であ

る。

3 患者の病状に応じ、できる限り早期に患者に面会の機会をあたえるべきではなく、入院直後一

定期間一律に面会を禁止しなければならない。

4 患者若しくは面会者の希望のある場合又は医療もしくは保護のため特に必要がある場合であっ

ても、人権擁護の観点から病院の職員が立会うことはできない。

5 任意入院者の開放処遇の制限は、医師の判断によるが、概ね 48 時間以内に、精神保健指定医

による診察を行わなければならない。

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精神保健の課題と支援

問題 11 近年の自殺の状況に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 自殺者数は減少傾向にあり、2018(平成 30)年は2万人を下回った。

2 死因の順位別にみると、10歳以上 39歳以下の死因の第1位が自殺となっている。

3 自殺の原因・動機で最も多いのは、「健康問題」である。

4 月別にみると、12月が最も多く、3月が最も少なくなっている。

5 自殺者のうち、自殺未遂歴がありの者の割合は、男性の方が多い。

問題 12 災害時のこころのケアに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 こころのケアが必要な被災者を、保健師等による対応と医療による対応のどちらが必要かに分

類し、できるだけ医療で対応することが望まれている。

2 こころのケアチームは、個人情報保護の観点から、チーム間の情報共有に留めた活動が望まれ

る。

3 こころのケア対策会議は、発災直後に発災圏域の総合病院内に立ち上げる。

4 急性ストレスの症状が3か月以上にわたり長期化した状態が、PTSDである。

5 目的は、被災者がコミュニティに帰属しているという実感を得ること等で、PTSD等の軽減

と、復旧・復興に向けて歩き出せるよう支援することである。

問題 13 ギャンブル等依存症に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 ギャンブル依存症者のためのセルフヘルプグループとして、ギャマノン(Gam-Anon)がある。

2 積極的な広報活動の実施のために、ギャンブル等依存症問題啓発週間を設けている。

3 ギャンブル等依存症への対応は、依存症治療拠点機関に機能が集約されている。

4 標準的な治療プログラムの開発に向けて、全国でモデル事業が取り組まれている。

5 都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画の策定が義務付けられた。

問題 14 災害時の精神保健福祉に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 DMATはJMATの撤退後に被災地に入り、現地の医療体制が回復するまで医療支援を行う。

2 DPATは、精神科医師、看護師、業務調整員を含めた数名で構成する。

3 災害拠点病院の指定要件として、JMATを保有し派遣体制があることや、JMAT等の受け

入れ場所や対応担当者を定めておくことなどがある。

4 DMATとは、災害派遣精神医療チームのことをいう。

5 DPATの活用に要した費用は、原則として国が支弁することとなっている。

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問題 15 いじめに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 いじめが解消している状態とは、少なくとも3か月はいじめにかかる行為が止んでいることと、

被害者が心身の苦痛を感じていないこと等が挙げられている。

2 いじめを認知している学校は、全体で9割以上に上る。

3 いじめ防止対策推進法によると、いじめとは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、

学校内で物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」と定義している。

4 国立及び私立の学校は、都道府県等の教育委員会の管轄ではないため、教育委員会との連携確

保に努める必要はない。

5 いじめの重大事態は、事実関係が確定した段階で重大事態としての対応を速やかに開始しなけ

ればならない。

問題 16 近年の薬物に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 薬物依存症者回復のための自助グループとして、AAやNAがある。

2 「平成 30 年における組織犯罪の情勢」によると、覚醒剤事犯は初犯が最も多く、大麻事犯は

再犯が最も多い。

3 依存症専門医療機関はアルコール健康障害を対象としており、薬物依存症は対象となっていな

い。

4 アルコール依存症治療のために開発されたSMARPPの一部を改変し、薬物、ギャンブル等

の依存症を対象としたプログラムが開発された。

5 薬物依存症の治療の II期では、患者自身が治療を望むことが必要であるため、強制入院の治療

ではない。

問題 17 近年のひきこもり支援に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 ひきこもりに特化した第一次相談窓口として「子ども・若者総合相談センター」が設置されて

おり、ひきこもり支援コーディネーターが配置されている。

2 「ひきこもり支援従事者養成研修」を受講したひきこもり本人や家族等に対する支援に関心の

ある者を、地域に派遣し訪問支援等を行っている。

3 「ひきこもり段階」で求められる対応は、顕在化した症状のケアなどを通じて子どもの心の訴

えに耳を傾け対処することである。

4 ひきこもり状態にある者は、15歳~39歳よりも 40歳~64歳までの年齢層の方が多い。

5 ひきこもりとは、「高校や大学に通学しておらず、独身であり、ふだん収入になる仕事をしてい

ない 15歳以上 35歳未満の個人」をいう。

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問題 18 「平成 30年度障害者虐待対応状況調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、正し

いものを1つ選びなさい。

1 市区町村等への相談・通報件数について、養護者による虐待は減少しているが、障害者福祉施

設従事者等による虐待は増加している。

2 養護者による虐待では、被虐待者の障害種別は精神障害者が一番多い。

3 使用者による虐待では、虐待行為の類型は「経済的虐待」が最も多い。

4 養護者による虐待では、虐待行為の類型は「放棄、放置」が最も多い。

5 障害者福祉施設従事者等では、虐待行為の類型は「心理的虐待」が最も多い。

(注)「平成 30年度障害者虐待対応状況調査」とは、「平成 30年度『障害者虐待の防止、障害者の

養護者に対する支援等に関する法律』に基づく対応状況等に関する調査結果報告書」のことであ

る。

問題 19 近年のドメスティック・バイオレンス等に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選

びなさい。

1 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のため、市町村は配偶者暴力相談支援センターを設

置しなければならない。

2 保護の適用対象として、被害者のみならず、被害者の同伴家族も含まれる。

3 配偶者暴力相談支援センターでは、交際相手からの相談は対象となっていない。

4 ドメスティック・バイオレンスを子どもの目の前で行うことは、児童虐待の防止等に関する法

律に規定する虐待のうちネグレクト(養育の怠慢・拒否)に該当する。

5 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」では、被害者の保護のため、配

偶者暴力相談支援センター、家庭裁判所、都道府県警察の連携協力が明文化されている。

問題 20 近年の職場におけるメンタルヘルスに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びな

さい。

1 文部科学省「平成 30 年度公立学校教職員の人事行政状況調査」によると、教職員の精神疾患

による病気休職者数は、平成 28年度以降、増加が続いている。

2 一般企業における職場復帰支援の流れは第1ステップから第3ステップがあり、第3ステップ

の職場復帰後のフォローアップでは職場環境等の改善などを行う。

3 従業員 50人以上を雇用する事業場は、全業種において安全委員会を設置する必要がある。

4 公立学校教職員が精神疾患で休職した場合、所定の復職支援プログラムの受講が復職のために

は必須となっている。

5 産業保健総合支援センターでは、労働者の危険又は健康障害を防止するための基本となるべき

対策などの重要事項について調査審議を行っている。

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精神保健福祉相談援助の基盤

問題 21 精神保健福祉士法の規定に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 精神保健福祉士は、業務を行うにあたって、精神障害者の主治医より指示を受けなければなら

ない。

2 精神保健福祉士は、秘密保持義務に違反した場合、1年以下の懲役又は 30 万円以下の罰金に

処される。

3 精神保健福祉士として相談援助業務を行っている期間は、常に秘密保持義務が発生している。

4 精神保健福祉士は、担当の利用者が安心して生活を送れるよう、保護的な支援を行わなければ

ならない。

5 精神保健福祉士は、その信用を傷つけるような行為をしてはならない。

問題 22 ソーシャルワークのマクロ領域に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 生活困窮で悩む精神障害当事者に対して、生活保護の申請支援を行う。

2 複数の利用者から、対人関係に関する個別ニーズを把握し、SSTを実施する。

3 利用者や家族の要望を聴き、事業所の送迎ルートの確保・拡大を行う。

4 精神障害者のニーズ調査を行い、障害者福祉施策の充実化に向けて、署名活動を行う。

5 事業所の風通しをよくするために、精神保健福祉ボランティアの募集を行う。

問題 23 日本におけるソーシャルワークの形成過程に関する次の記述のうち、適切なものを1つ

選びなさい。

1 三好豊太郎は、1929(昭和4)年に、日本初の医療ソーシャルワーカーとして採用された。

2 浅賀ふさは、1924(大正 13)年の著書で、日本に初めてケースワークを紹介した。

3 仲村優一は、1964(昭和 39)年の著書で、第二次世界大戦後のソーシャルワークを体系化し

た。

4 竹内愛二は、1954(昭和 29)年の著書で、機能主義ソーシャルワークを体系化した。

5 小松源助は、1938(昭和 13)年の著書で、診断主義ソーシャルワークを紹介した。

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問題 24 ブトゥリム(Butrym,Z.T.)が掲げたソーシャルワークの価値前提として、適切なもの

を1つ選びなさい。

1 人間は、変化・成長・向上する可能性をもっている。

2 人間は、正義に基づいた不可侵なるものをもっている。

3 人間は、生まれながらにして自己決定能力をもっている。

4 人間は、自身の能力を高め、倫理的な行動を志すことによって、人間的な価値が高まる。

5 人間は、それぞれにその独自性の貫徹のために、他者に依存しない存在である。

問題 25 大学3年生のAさん(21歳、男性)は、母親が統合失調症を発症したことをきっかけに、

精神保健福祉士との出会いがあり、Aさん自身も支えられたことから、B大学で精神保健福祉士

を目指している。

ある専門科目で、権利擁護に関する講義を受講した時、精神障害を理由に解雇された労働者が、

受診している精神科診療所の精神保健福祉士に相談した。相談の結果、個人では会社と交渉する

ことが難しいと判断し、弁護士と連携・協働しながら、不当解雇に係わる訴訟を起こし、本来の

権利を取り戻したという事例を学んだ。

次のうち、Aさんが講義で学んだ権利擁護の種類・方法として、最も適切なものを1つ選びな

さい。

1 ケースアドボカシー

2 セルフアドボカシー

3 クラスアドボカシー

4 シチズンアドボカシー

5 リーガルアドボカシー

問題 26 精神保健福祉領域における専門職に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさ

い。

1 看護師は、保健師の指導のもとで、入院患者の注射や採血、食事等の介助を行う。

2 公認心理師は、心理面接や心理療法等を行う名称独占の国家資格である。

3 精神保健指定医は、「医療観察法」において、クライエントの精神鑑定を行う。

4 管理栄養士は、医師の指導による患者の食事や栄養状態の管理について、業務独占で行う。

5 作業療法士は、社会的適応能力の回復を図ることを目的とし、手工芸などの作業指導を行う。

(注) 「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に

関する法律」のことである。

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問題 27 次のうち、「障害者総合支援法」におけるサービス等利用計画を作成する専門職として、

正しいものを1つ選びなさい。

1 介護支援専門員

2 相談支援専門員

3 サービス管理責任者

4 サービス提供責任者

5 精神保健福祉相談員

(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法

律」のことである。

問題 28 コノプカ(Konopka,G.)のグループワークの原則に関する次の記述のうち、最も適切な

ものを1つ選びなさい。

1 メンバーの病気や障害特性に合わせて、グループを統一することで、目標の達成に近づく。

2 グループ活動が順調に進むよう、精神保健福祉士が主導でリーダーシップを発揮する。

3 メンバーの主体性を尊重するため、プログラムを提供した後は、そっと見守る。

4 メンバーやグループの葛藤について、メンバー自身で解決できるように支援する。

5 メンバーやグループの決定については、いかなる場合でも尊重する。

問題 29 多職種連携チームのマルチディシプリナリ・モデルに関する次の記述で、適切なものを

1つ選びなさい。

1 就労継続支援B型事業所において、管理栄養士と職業指導員が連携して、工賃倍増計画に取り

組む。

2 精神科急性期病棟において、医師の指示のもと、救急医療を行う。

3 精神科デイケアにおいて、看護師と精神保健福祉士でSSTのリーダーとコリーダーを担当す

る。

4 ACT(包括型地域生活支援)チームを結成し、24時間 365日の支援体制を構築する。

5 基幹相談支援センターが連絡・調整を行い、モニタリングのためのケア会議を開催する。

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(精神保健福祉相談援助の基盤・事例問題1)

次の事例を読んで、問題 30から問題 32までについて答えなさい。

〔事 例〕

C市にある保健センターで精神保健福祉相談員として勤務するD精神保健福祉士は、ある日に精

神保健福祉ボランティア講座を開催した際、受講者のEさんから親友のことで相談を受けた。Eさ

んによると、親友であるFさん(35歳、男性)は中学校からの幼なじみであり、Fさんは両親に先

立たれたショックで自暴自棄になり、真面目に働き続けた職場を退職し、ここ2~3年は自宅にこ

もりがちの生活であるという。Fさんは精神科医療機関の受診だけは続けているが、昼夜逆転の生

活が続き、最近は「生きていてもいいことはない」とこぼすようになり、Eさんはとても心配だと

語った。EさんはFさんに、「行政機関に相談してみてはどうか」と投げかけたが、Fさんは「自分

のこのような姿を人に見られたくない」と語り、それでもEさんが行政機関に相談することは了承

してくれたという。相談を受けたD精神保健福祉士は、EさんからFさんに「こちらから訪問して

もよいか」確認してもらい、承諾が得られたので、D精神保健福祉士は担当保健師とともに、Fさ

ん宅を訪れた。(問題 30)

Fさん宅は公営住宅の一角であり、D精神保健福祉士たちが玄関前に到着すると、恐る恐るドア

を開けてくれた。事前に日程を伝えていたこともあり、心配したEさんも同席してくれた。Fさん

は「家の中は汚いので、玄関先で立ち話でもよろしいでしょうか」と申し訳なさそうに語った。D

精神保健福祉士と担当保健師は、Fさんの無理のないよう、本人のペースで話ができればと考えた。

(問題 31)

FさんとコンタクトをとることができたD精神保健福祉士は、その後も業務で自宅の近くを訪れ

た際は、あいさつへ訪れるようにした。最初は難色を示したFさんであったが、少しずつD精神保

健福祉士に心を開くようになった。最初の訪問から半年後には、FさんはD精神保健福祉士を歓迎

し笑顔も見られるようになった。その頃から、Fさんは「いつまでも親友のEさんに迷惑をかけて

いては申し訳ない」「いますぐに再就職は考えていないが、少しずつ外に出てみたい。友人とまでは

いかなくても、誰かと趣味を楽しめるような機会がほしい」「意外に家事全般は得意なので、家の掃

除をはじめ、少しずつやってみようと思う」「バイクが好きで、通院の往復は割と楽しみである」と

自分の想いを語ってくれるようになった。そこで、D精神保健福祉士も必要な情報提供を行った。

(問題 32)

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問題 30 次のうち、この時点でD精神保健福祉士が意図した援助技術として、適切なものを1つ

選びなさい。

1 アファーマティブアクション

2 ソーシャルアクション

3 アウトリーチ

4 ソーシャルアドミニストレーション

5 ナラティブアプローチ

問題 31 この時点のFさんに対するD精神保健福祉士のかかわりとして、最も適切なものを1つ

選びなさい。

1 「あなたの生活の希望は何ですか。家族構成や職歴を教えてください」

2 「C市の保健センターに勤務している精神保健福祉士の○○です。メンタルヘルスの専門的な

相談に応じています」

3 「名刺とパンフレットを置いておきますので、何かあればいつでもご連絡ください。時々、あ

いさつに伺ってもよろしいでしょうか」

4 「医療機関に受診されているようですが、入院して休息すると早くよくなりますよ」

5 「Fさんにはホームヘルプサービスが必要だと思いますので、早速手配しておきますね」

問題 32 D精神保健福祉士が、Fさんに情報提供を行った社会資源として、最も適切なものを1

つ選びなさい。

1 就労移行支援

2 就労継続支援A型

3 移動支援

4 地域活動支援センター

5 居宅介護

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(精神保健福祉相談援助の基盤・事例問題2)

次の事例を読んで、問題 33から問題 35までについて答えなさい。

〔事 例〕

Gさん(28 歳、女性)は、24 歳の時、学生時代に知り合った男性と結婚した。新婚当初は順調

であったが、夫がギャンブルにのめり込み、借金を重ねた結果、経済的に苦しくなり、夫婦げんか

も日に日に増えていった。大学卒業後から勤務していたスポーツ用品店で働きながら、少しずつ借

金を返済していたが、夫婦関係の悩みや経済的な不安から、気分が落ち込み、塞ぎ込むことが多く

なっていった。その後、協議離婚をして実家に戻ったが、その後も精神的な不調は続いたが、職場

の理解もあり、何とか仕事を続けることができた。しかし、朝起きられずに仕事を休みがちになっ

たことから、心配した両親に連れられて、隣町のH精神科診療所(以下、Hクリニック)を受診し

た。その結果、主治医からうつ病と診断され、しばらく休職することになった。

治療を開始して3か月ほど経過したある日、HクリニックのI精神保健福祉士から障害者雇用の

情報提供があり、公共職業安定所(ハローワーク)の専門援助部門へ相談に訪れた。そこで、精神

障害のある人々の就労支援を専門としたスタッフを紹介された。(問題 33)

Gさんは、専門スタッフより障害者雇用に関する様々な情報を聴き、前向きに検討したい気持ち

もあったが、まずはスポーツ用品店の復職を第一希望に考えることにし、そのことをI精神保健福

祉士に相談した。Hクリニックの精神科デイケアでは、Gさんの希望に応じたプログラムが実施さ

れており、その活動に参加することになった。当プログラムでは、働いていた時と同じ生活リズム

に戻すことを目標にした生活スタイルの見直しや対人関係等のストレスを上手に解消するための方

法を学んだ。(問題 34)

その後、Gさんは定期的なプログラムの参加を通じて、3か月後にスポーツ用品店へ復職するこ

とができた。Gさんは職場復帰に際しては、うつ病であることを打ち明け、受診のことも伝えた。

店長をはじめ、他のスタッフもGさんの復職を歓迎し、順調に仕事へ戻ることができた。しかし、

4か月が経過した頃から、Gさんは心身の疲れが抜けず、単純な計算ミスや自分ばかりが大変な思

いをしていると被害的な感情が生まれるようになった。他のスタッフとも言い争いが目立つように

なり、悩んだ店長はGさんに承諾を得て、I精神保健福祉士のもとを訪れた。I精神保健福祉士は、

店長にうつ病から生じる生活のしづらさを伝え、周囲の温かい見守りや声かけ、仕事のバランスに

ついてアドバイスを行った。それから、しばらくするとGさんは自分のペースで仕事が継続できる

ようになり、周囲の人間関係も以前のように戻っていった。(問題 35)

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問題 33 Gさんが紹介された専門職について、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 精神障害者雇用トータルサポーター

2 発達障害者雇用トータルサポーター

3 精神・発達障害者しごとサポーター

4 障害者職業カウンセラー

5 就労支援員

問題 34 次のうち、Gさんが参加した支援プログラムについて、適切なものを1つ選びなさい。

1 ストレスチェック

2 元気回復行動プラン(WRAP)

3 従業員援助プログラム(EAP)

4 リワークプログラム

5 グリーフケア

問題 35 このとき、I精神保健福祉士のアドバイスが意図した支援内容として、最も適切なもの

を1つ選びなさい。

1 ジョブコーチ

2 ソーシャルファーム

3 ソーシャルキャピタル

4 ナチュラルサポート

5 カルチュラルコンピテンス

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精神保健福祉の理論と相談援助の展開

問題 36 諸外国の精神保健医療福祉政策に関する次の組み合わせのうち、正しいものを1つ選び

なさい。

1 アメリカ ――――――― ケアラーズ法(1995年)

2 イタリア ――――――― バザーリア法(1978年)

3 ニュージーランド ――― 『闇からの脱出』(2006年)

4 カナダ ―――――――― ケネディ教書(1963年)

5 イギリス ――――――― ブループリント(1998年)

問題 37 次のうち、2013(平成 25)年に改正された「精神保健福祉法」の内容として、正しい

ものを2つ選びなさい。

1 精神障害者保健福祉手帳制度の創設

2 私宅監置の廃止

3 保護者制度の廃止

4 居宅生活支援事業の創設

5 退院後生活環境相談員の設置

(注) 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

問題 38 次の記述のうち、レジリエンスに関する説明として、正しいものを1つ選びなさい。

1 社会的に排除された人々を社会の構成員として包み込み、誰もが共に生きる社会の実現を目指

す考え方である。

2 多職種が連携してケアを行う援助方法のことである。

3 患者が積極的に治療方針の決定に参加し、主体的に治療に取り組むことである。

4 ストレスや病気を跳ね返す回復力のことをいう。

5 クライエントの目的達成のために社会資源を調整することである。

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問題 39 相談援助の支援過程におけるエバリュエーションに関する次の記述のうち、正しいもの

を1つ選びなさい。

1 クライエント自身のことや状況を理解するため、情報を得る段階である。

2 クライエントとの出会いの場であり、クライエントの不安や緊張を和らげながら気持ちを受け

とめる。

3 短期目標の達成度や支援計画の実施状況の経過を観察する。

4 支援の結果、どのような効果があったかを評価する。

5 目的が達成され、クライエントとの合意の上で支援を終結する。

問題 40 相談援助における面接技術に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 直面化は、クライエントの思いや経験を非難することなく受容し、承認することである。

2 リフレーミングとは、一つの出来事や考えを視点を変えて捉え直し、新しい意味づけをしてク

ライエントに返すことである。

3 オープンクエスチョンとは、クライエントが「はい」「いいえ」で答えやすい質問である。

4 逆転移とは、クライエントが支援者に向けた個人的な感情やそれに基づく反応のことである。

5 支持とは、クライエントの言語と感情や態度の不一致や矛盾点をもとに、クライエント自身の

内面にある葛藤に直面させることで、問題や課題を明確化する面接技法である。

問題 41 精神保健福祉士が行うグループワークに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選び

なさい。

1 グループワークの準備期では、各メンバーとの波長合わせを行う。

2 メンバー間に葛藤や問題が起こらないよう、相互の関係を注意深く観察することにより、問題

行動を修正する。

3 開始期では、メンバーのもつニーズを把握する。

4 円滑にグループワークが展開できるようプログラム内容は支援者が念入りに検討する。

5 終結期には、支援者が各メンバーのWRAP(元気回復行動プラン)を作成する。

問題 42 次のうち、ナラティブ・アプローチに関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。

1 利用者の問題に焦点をおき、改善すべき行動を観察する。

2 クライエントの本来持っている力を最大限に引き出し、自己決定の能力を高める。

3 クライエントの語る言葉などを手がかりにして解決法を見出す。

4 危機状態に陥っているクライエントに介入する。

5 社会福祉サービスの向上を目指し、集会や署名活動を行う。

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問題 43 次のうち、精神科リハビリテーションの評価尺度について、正しいものを1つ選びなさ

い。

1 職業レディネス・テストは、1993年に開発された精神障害者社会生活評価尺度である。

2 LASMI(Life Assessment Scale for the Mentally Ill)は、陽性陰性症状評価尺度と呼ばれ、

統合失調症の症状に関して、評価するものである。

3 PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)は逸脱行為と全般的行動をそれぞれ評

価するものである。

4 GAF(Global Assessment of Functioning)は、精神症状や社会生活の全体的な機能を評価

するものである。

5 REHAB(Rehabilitation Evaluation Hall and Baker)は、職業に対する興味と自信を 39

項目のチェックを行う。

問題 44 次のうち、精神保健福祉分野の社会資源と配置されている専門職の組み合わせについて、

正しいものを1つ選びなさい。

1 就労継続支援B型事業所 ――――――― 配置型ジョブコーチ

2 保護観察所 ――――――――――――― 社会復帰調整官

3 地域障害者職業センター ――――――― 精神障害者雇用トータルサポーター

4 公共職業安定所(ハローワーク) ――― 精神保健福祉相談員

5 特定相談支援事業所 ――――――――― サービス管理責任者

問題 45 精神科リハビリテーションの原則に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさ

い。

1 援助者への依存は、クライエントの自立を妨げる。

2 薬物療法が唯一の対処法である。

3 目標設定は、クライエントの問題点の改善を重視する。

4 1つの技法にこだわって、クライエントの症状改善を図る。

5 発病前の状態に戻るのではなく、新しい人生を切り開くことが到達目標とされる。

問題 46 次のうち、精神科病院の退院後生活環境相談員(精神保健福祉士)の業務として、適切

なものを1つ選びなさい。

1 精神障害者のサービス等利用計画を作成する。

2 入院患者の地域移行支援計画を作成する。

3 退院後の障害支援区分の認定を行う。

4 医療保護入院患者の退院に向けた意欲喚起を行い、地域移行を進める。

5 任意入院患者の退院後の服薬を調整する。

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問題 47 精神科病院に勤めて3ヶ月になるA精神保健福祉士は、入院中のBさんの担当となり、

退院後の生活についてBさんの思いを聴こうと、週3回病棟に顔を出していた。A精神保健福祉

士は、Bさんの好きなことや楽しみにしていることを尋ねたり、自分自身のことを知ってもらえ

るよう話の内容を工夫していたが、Bさんはあまり表情を変えず、具体的な気持ちが語られるこ

とはなかった。

かかわり方に悩んだA精神保健福祉士は、Bさんとのラポールの構築を目標に、上司であるC

精神保健福祉士にスーパービジョンをお願いした。

このときのC精神保健福祉士のかかわりとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 A精神保健福祉士に、Bさんの障害特性に着目してかかわるよう指導した。

2 A精神保健福祉士に対し、Bさんの担当を変えることを伝えた。

3 A精神保健福祉士自身のBさんへのかかわりについて、どのような難しさを感じているのかを

聴いた。

4 Bさんの主治医に意見を求めるよう助言した。

5 A精神保健福祉士の思いをBさんに伝えておくこととした。

問題 48 Dさん(48歳、男性)は、車の運転中に交通事故に遭い、頭を強く打ったが、一命を取

りとめた。しかし、後遺症として感情のコントロールが難しくなり、対人関係で少しでも気に入

らないことがあると怒りの感情を抑えきれず、大声を出すことがあった。主治医からは、高次脳

機能障害と診断されている。イライラを抑える薬を飲んでいるが、「あまり効いている気がしな

い」「夜は睡眠導入剤を飲まないと眠れない」という。また、時々、見覚えのないレシートが財布

の中に入っているなど、自身の言動を覚えていないことがあり、自分でもどうしたらいいかわか

らないと悩んでいた。

Dさんは、事故後は生活保護を受給しており、地域活動支援センターに週2~3回通っている

が、「以前のように働きたい」と思うようになっていた。通院先のE精神保健福祉士がDさんの担

当となり、Dさんへの今後の支援について主治医や関係機関とのケア会議を開催した。

次のうち、E精神保健福祉士が行うケア会議の進め方として、適切なものを1つ選びなさい。

1 Dさん自身に思いを語ってもらい、方針を共有した後、それぞれの専門職の役割を確認した。

2 今のDさんには就労は難しいため、あと半年は様子をみるように主張した。

3 主治医から就労の可否を聞き、決定事項とした。

4 Dさんとの関係性を考え、E精神保健福祉士の意向を支援の方針とした。

5 それぞれの専門性を活かしてもらうため、専門用語を使うよう促した。

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(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題1)

次の事例を読んで、問題 49から問題 51までについて答えなさい。

〔事 例〕

会社員のFさん(42歳、男性)は、ここ半年、経営状況の影響により、1日4~5時間の残業が

続き、自宅に帰ると疲れ切って食事もままならない日もあった。そんな中、上司からたびたびミス

を注意されるようになり、夜にうまく眠れないことが多くなっていった。責任感が強く、周りに頼

ることができない性格のFさんは、ミスが続くことで「自分には能力がない」と感じ、自分を責め

るようになっていた。ある日、朝起きあがれず、会社を無断欠勤し、それ以降、週2回ほど遅刻や

早退をしていた。心配した上司がFさんの話を聞き、眠れない状態や仕事の勤怠状況などから、精

神的なストレスが大きいと感じ、心療内科の受診を勧めた。妻に付き添われて受診した精神科クリ

ニックでうつ病と診断され、休職することとなり、G精神保健福祉士が面接を行った。(問題 49)

数ヶ月が経ち、抗うつ薬と休養によって不眠などの症状は軽減されたが、その一方で、Fさんは

「仕事に早く戻りたいが、休職でみんなに迷惑をかけたから信頼を失ったのではないか」と職場復

帰への焦りや不安が強くなっていた。G精神保健福祉士と面談する中で、クリニックで行われてい

る復職を目指す人を対象としたリワークプログラムに参加することとなった。(問題 50)

プログラムでは、Fさんと同じような状況のメンバーと話をすることができ、Fさんは自分だけ

はないのだと励まされたような気持ちになり、徐々に自分の気持ちを人前で語れるようになって

いった。3ヶ月が経過した頃、G精神保健福祉士は、Fさんの会社の上司と主治医も交えて、復職

後の職場環境について検討を行った。上司から、Fさんは休憩もほとんど取らずに仕事をしてしま

う傾向があることが語られ、今後、休憩の取り方や業務の負担がFさんだけに偏らないような配慮

をしてもらえることとなった。

復職して半年経った頃、Fさんはクリニックの通院は継続しており、外来でG精神保健福祉士に

会った際に、現在の気持ちや働き方についての意識が変化したことについて話をした。G精神保健

福祉士から、現在プログラムに通っているメンバーにFさんの体験談を話してみないかと提案した。

(問題 51)

自らの体験談を語ったFさんは、「自分の話をすることで、人の役に立てるなんて嬉しい」と語っ

た。

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問題 49 次のうち、このときのG精神保健福祉士の対応として、適切なものを1つ選びなさい。

1 休職に至った経緯から、Fさんの性格の改善を図ることを提案した。

2 G精神保健福祉士がこれまで対応したクライエントと同じ方法で支援していくことを告知した。

3 休職期間が長いと職場に戻りづらくなるため、早急に復職することを勧めた。

4 これまでの頑張りを労い、今後の生活について一緒に考えていきましょうと伝えた。

5 職場環境が悪いことから、転職を勧めた。

問題 50 次のうち、Fさんが利用したプログラムの活動内容として、最も適切なものを1つ選び

なさい。

1 休職中の職場に出向き、Fさんと管理職が一緒になって、企業内研修を受講する。

2 ミーティングを通じて、強迫的なアルコール物質の摂取欲求に対応するための対処方法を検討

する。

3 SST(Social Skills Training)を通じて、職場の対人関係を円滑にするためのスキルを身に

つける。

4 健康や元気に焦点をあてて、元気でいるために自分で可能な対処方法を自分で考え、行動プラ

ンを立てる。

5 理解のある事業主のもとで、休職中の職場に復帰するための作業訓練を行う。

問題 51 次のうち、この場面でFさんが担った役割として、適切なものを1つ選びなさい。

1 ピアサポート

2 ケアマネジャー

3 保佐人

4 ゲートキーパー

5 アドボケーター

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(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題2)

次の事例を読んで、問題 52から問題 54までについて答えなさい。

〔事 例〕

Hさん(32 歳、男性)は大学卒業後、IT企業に営業職として就職し、日々忙しく働いていた。

30歳で結婚し、現在は妻と二人暮らしである。Hさんは意欲的に働いていたが、会社の経営は徐々

に厳しくなり、社員一人ひとりの業務負担が増えてきていた。残業で疲れが蓄積し、Hさん自身の

業績も悪くなり、落ち込んでいた頃、学生時代の友人の誘いで異業種交流会に参加した。そこでは、

自分の知らない世界で活躍している同世代と話ができ、Hさん自身も励まされ、その後も2~3回

参加した。そこで知り合った人から、覚せい剤を使うことで仕事がはかどるという話があり、営業

成績に悩んでいたHさんは、1回だけなら大丈夫という軽い気持ちで覚せい剤を使用した。その後

は気分がすっきりして、仕事も疲れずにこなせるように感じ、Hさんは覚せい剤を時々使用するよ

うになった。次第に使用頻度が増え、誰かが自分を追いかけているなどと感じるようになり、挙動

不審となっていた。通りがかった警察官から職務質問をされた際、覚せい剤を所持していたことか

ら逮捕となった。その後、執行猶予付きの判決となり釈放はされたが、仕事は解雇されてしまった。

夫を心配した妻が精神保健福祉センター(以下、「センター」という。)を訪ね、I精神保健福祉

相談員に夫について相談した。そして、「夫の様子がおかしくて心配だが、私はどうしていいかわか

らない。仕事も解雇されてしまって、経済的にも不安がある。夫には小遣いを渡してきたが、最近

はもっと出してくれと言って物にあたることもあり、その場を収めようと思い、お金を渡してしま

うんです。この先、どうしたらいいのでしょうか」と不安な気持ちを訴えた。(問題 52)

一方、Hさんは心配する妻に対し、「クスリにはもう手を出していない。俺のことが信じられない

のか」と話を聞こうとしなかったが、妻の必至な表情に、薬物依存の専門外来をもつ精神科クリニッ

クを受診した。医師からは薬物依存症との診断があり、Hさんは妻を不安にさせてはいけないと思

い直し、通院を続けてみることにした。妻はセンターでの相談を継続しており、I精神保健福祉相

談員は、センター主催の家族教室に参加することを妻に提案した。(問題 53)

その後、妻の勧めでHさんはセンターを訪れるようになった。I精神保健福祉相談員との個人面

談の中で、将来に対する不安や無性に薬物を使いたいと思う瞬間があることなどを打ち明けた。そ

の話を聞いたI精神保健福祉相談員から、薬物依存に関するセルフヘルプグループについての情報

提供があり、妻も賛成していることから、試しに参加してみた。そこでは、薬物を使いたい気持ち

を正直に話していいこととなっており、Hさんは安心して自分のことを話すことができるように

なっていった。(問題 54)

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問題 52 次のうち、このときの妻が陥っている状況として、正しいものを1つ選びなさい。

1 波長合わせ

2 イネイブラー

3 アダルトチルドレン

4 ファシリテーター

5 スーパーバイザー

問題 53 次のうち、I精神保健福祉相談員が妻に対して家族会への参加を提案した目的として、

適切なものを2つ選びなさい。

1 Hさんが主体的に治療に取り組めるよう、家族としての関わり方を考えてもらう。

2 Hさんとの離婚を勧めるため。

3 ピアサポートとしての効果を期待している。

4 Hさんが薬物を使わないように監督する方法を身につけてもらう。

5 妻のこれまでの接し方に問題があることを自覚してもらう。

問題 54 次のうち、Hさんが参加したセルフヘルプグループとして、適切なものを1つ選びなさ

い。

1 ナラノン(Nar-Anon)

2 更生保護施設

3 ひきこもり地域支援センター

4 ギャマノン(Gam-Anon)

5 ナルコティクス・アノニマス(NA)

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(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題3)

次の事例を読んで、問題 55から問題 57までについて答えなさい。

〔事 例〕

J精神保健福祉士は、K市にある就労継続支援B型事業所(以下、「事業所」)に勤務している。

同じ法人の障害者相談支援センターでは、精神障害に関する普及啓発として一般市民向けのシンポ

ジウムの開催について検討が重ねられており、当事者の生の声を聞いてもらうという企画があがっ

ていた。そこで、J精神保健福祉士は、事業所の帰りのミーティングでメンバーに企画内容を伝え、

自分の経験や生活について語る人を募ることにした。

翌日、以前から当事者活動に関心があると話していたメンバーから、J精神保健福祉士に希望が

あった。また、事業所での訓練を経て一般企業のパートとして働いているOBメンバーが事業所に

立ち寄った際に講演会の話をすると、「僕の経験を話すだけでいいなら、出てみたい」との話があっ

た。その結果、3人が出演することとなり、J精神保健福祉士とメンバーで個人面談を行った。メ

ンバーからは、自分の経験や思いを語ってみたいという気持ちはあるが、大勢の人前で話すのは初

めてで、思うように話せるかどうか不安との話があり、「Jさんも一緒なら心強いのだけど」との思

いが語られたことから、シンポジウムのファシリテーターとして、J精神保健福祉士も一緒に出演

することとし、当日話す内容について話し合いを重ねた。(問題 55)

最後の打ち合わせも順調に終えて、シンポジウム当日を迎えた。メンバーLさんは連絡もなく遅

刻したが、他の出演者へは遅刻したことについて何も言わずに、直前の打ち合わせに参加した。シ

ンポジウムでは、メンバーが順番に病気になった経緯や今後の希望などを語り、参加した市民から

の質問にも答えていたが、Lさんは不安でうまく話せず、つらい気持ちが強くなり、途中退席する

こととなった。

翌週、事業所の作業終了後に、出演したメンバーとJ精神保健福祉士が振り返りを行った。Lさ

んは、自分が遅刻しても謝らなかったことを後悔しており、自分を責める気持ちから、シンポジウ

ムでうまく話せなかったこと。また、これまでも、謝ることができずに人間関係が悪くなった経験

があるが、誰にも相談できなかったこと。自分でも何とかしたいと思っていることを語った。(問題

56)

Lさんは、事業所で行われている社会生活技能訓練に参加した。そこで、Lさんの希望により、

他のメンバーが謝り方のお手本をみせてくれたので、Lさんもそれを真似して練習してみた。メン

バーからは、「最初よりもとても良くなった」とほめてもらえて、Lさんの気持ちはほぐれていった。

それ以来、Lさんは練習したことを活かして、日常生活でも実践している。(問題 57)

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問題 55 次のうち、このときのJ精神保健福祉士の対応として、適切なものを1つ選びなさい。

1 メンバーの不安に配慮し、J精神保健福祉士がメンバーの思いを代弁することを提案した。

2 メンバーの自主性を引き出すため、J精神保健福祉士は発言を控えた。

3 一般市民に精神障害の分野について理解してもらえるよう、専門用語を使うことを促した。

4 出演者一人ひとりの思いを引き出せるよう、質問を交えながら話し合いを進めた。

5 個人情報にあたるので、病名は言わないほうがいいと助言した。

問題 56 次のうち、このときのJ精神保健福祉士の対応として、適切なものを2つ選びなさい。

1 Lさんの悩んでいる気持ちをそのまま受けとめた。

2 Lさんの遅刻の理由を詳細に確認した。

3 事業所で月1回行われているSST(社会生活技能訓練)のテーマとして出してみることを提

案した。

4 精神保健福祉士の意向に添って、Lさんの今後の支援内容を変更した。

5 Lさんの精神状態が悪化していることを察知し、臨時受診を促した。

問題 57 次のうち、SST(社会生活技能訓練)に関する記述として、適切なものを1つ選びな

さい。

1 集団療法であり、1対1で行うことはできない。

2 普段通りの対応を再現することを正のフィードバックという。

3 お手本を見せることをモデリングという。

4 問題点の指摘により、行動改善を図ることを重要視する。

5 よかった点を伝えることをプロンプティングという。

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(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題4)

次の事例を読んで、問題 58から問題 60までについて答えなさい。

〔事 例〕

M君(9歳、男児)は、小学3年の9月から学校を休むことが増え、心配した母親が理由を尋ね

ても、「行きたくない」というだけだった。11 月頃にはほとんど登校しなくなっていた。母親は学

校の担任教師に相談し、校長先生を通じて、市の教育委員会に所属しているN精神保健福祉士がス

クールソーシャルワーカーとしてM君に関わることとなった。

N精神保健福祉士がM君の自宅を訪問すると、M君はオンラインゲームをして長時間を過ごして

いた。父親は仕事で日中は留守にすることが多かったが、夜や休日にはM君を連れて出かけるなど、

とても可愛がっていた。母親はパートに出ることはあるが、食事を作っておくため、M君は食べる

ことに困ることはなく、自宅で1人で過ごすことにも不安はない様子であった。N精神保健福祉士

は、M君の好きなゲームの話をすることで、少しずつM君と話ができるようになった。また、何回

か訪問を重ねているうちに、M君から「これ、見て」と話しかけてくるようになっていった。母親

は、「本を読んで調べたら、うちの子は発達障害というものに当てはまるのではないかと思うように

なった」「ただ、夫に相談しても、普通の子と何も変わらないと言って、取り合ってくれないんです」

と語った。(問題 58)

母親は塾で勉強を教えた経験があり、M君の勉強を熱心に見ていたが、M君がパニックになるこ

ともあり、勉強の遅れを気にしていた。一方、M君は漢字の書き取りが得意で、他の科目に比べて

自主的に取り組んでいる様子が見られた。ある日、学校に行くことについてM君に尋ねると、「何日

も休んだから、久しぶりに行くのはすごく緊張する」「クラスで仲の良かった子が心配してくれるか

ら、その子に会いたい」「得意だから面白い授業もあって、それだけでも参加してみたい。でも、前

に鉄棒の逆上がりができなかったことをクラスのみんなに馬鹿にされたんだ・・・」とうつむき加

減に語った。(問題 59)

N精神保健福祉士は自宅訪問を継続し、少しずつ、M君は学校へ登校するようになった。その後、

M君はアスペルガー症候群の診断を受けて、母親がパートから帰るまでの間は、学校帰りに居場所

のサポートを得るようになった。そこでは、同じ年齢の子たちとのスポーツを楽しんだり、宿題を

教えてもらったりした。N精神保健福祉士は、学校や関係機関と連携を図りながら、M君の学校生

活を支えた。(問題 60)

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問題 58 次のうち、この時の母親に対するN精神保健福祉士のかかわりについて、最も適切なも

のを1つ選びなさい。

1 「M君は、ご主人の言うとおり、発達障害ではありませんよ。きっと大丈夫です」

2 「M君は、確かに発達障害と思われます。すぐにでも受診させた方がよいでしょう」

3 「お母様の過保護が、M君の不登校につながっている可能性もあるので、かかわり方の改善が

必要です」

4 「次回は時間を合わせて、ご主人も含めて面談を行いましょう」

5 「今度、発達障害児と暮らす方々の家族会が開催されるので、参加してみませんか」

問題 59 次のうち、M君に対するN精神保健福祉士のかかわりとして、適切なものを1つ選びな

さい。

1 「まずは、国語の授業から参加してみようか」

2 「まずは、体育の授業から参加してみようか」

3 「学校がすべてではないから、無理せずにこれからも学校にいかなくていいよ」

4 「クラスのみんなも心配しているから、思い切って来週から学校に行ってみようか」

5 「学校の先生にクラス替えをお願いしてみようか」

問題 60 このとき、M君が利用した障害福祉サービスとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 自立訓練(生活訓練)

2 放課後等デイサービス

3 自立生活援助

4 生活介護

5 居宅訪問型児童発達支援

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精神保健福祉に関する制度とサービス

問題 61 精神医療審査会に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 精神科病院の所在する保健所に設置されている。

2 精神医療審査会は、精神障害者の医療に関し学識経験を有する者2人、精神障害者の保健又は

福祉に関し学識経験を有する者2人、法律に関し学識経験を有する者1人という合議体委員の構

成となっている。

3 委員に精神障害当事者を含むことが義務付けられている。

4 退院請求や処遇改善請求に関する審査を行っている。

5 退院等の請求では、同一内容の請求が頻回にある場合、すべて意見聴取を行うこととされてい

る。

問題 62 医療保護入院に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 医療保護入院は、都道府県知事が行う入院形態である。

2 入院に同意する「家族等」に後見人は含まれている。

3 精神科病院の管理者は、医療保護入院させた場合、30日以内に入院届を提出しなければならな

い。

4 医療保護入院者を入院させている精神科病院の管理者は、退院後生活環境相談員を選任しなけ

ればならない。

5 特定医師による入院は 24時間に限り行うことができる。

問題 63 次のうち、「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスの訓練等給付に該当するもの

を2つ選びなさい。

1 行動援護

2 同行援護

3 自立生活援助

4 施設入所支援

5 就労定着支援

(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法

律」のことである。

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問題 64 「医療観察法」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 精神保健観察の期間は、精神保健参与員が対象者の通院医療機関への通院の指導や生活環境の

調整等を行う。

2 鑑定入院は3か月が期限であるが、必要な場合には更に3か月間の延長が認められる。

3 初回審判から処遇終了までの審判は、地方裁判所によって決定される。

4 「医療観察法」における重大な他害行為とは、殺人、放火、強姦の3つである。

5 入院によらない医療が決定された場合、医療機関への通院は対象者の自己判断に任される。

(注) 「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に

関する法律」のことである。

問題 65 「障害者総合支援法」に規定されるサービスに関する次の記述のうち、正しいものを1

つ選びなさい。

1 同行援護の対象は知的障害者で、行動援護の対象は視覚障害者又は精神障害者である。

2 すべての地域活動支援センターは、基本的事業と合わせて相談支援事業を実施しなければなら

ない。

3 共同生活援助のサテライト型住居は、日中活動を行う障害福祉サービス事業所に併設される。

4 特定相談支援事業には、基本相談支援と計画相談支援が含まれる。

5 地域の実情に応じて実施される自立支援給付と、個別給付の地域生活支援事業に分かれている。

(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法

律」のことである。

問題 66 更生保護に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 地域生活定着支援センターによる支援を受けるためには、障害者手帳を申請する必要がある。

2 保護司は、地方更生保護委員会又は保護観察所の長の指揮監督を受ける。

3 保護司は、犯罪をした者及び非行のある少年の改善更生を助け又は犯罪の予防を図るための啓

発及び宣伝の活動などを行っている。

4 更生保護事業を営む更生保護施設に保護司は必置となっており、SSTや飲酒・覚せい剤使用

の問題を改善するための処遇を行っている。

5 精神障害者の社会復帰に向けての支援については、保護司と社会復帰調整官が協力して行って

いる。

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問題 67 精神障害者保健福祉手帳に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 障害年金をすでに受給している者が、改めて医師の診断書を添えて精神障害者保健福祉手帳を

取得する場合も障害年金の等級と同じになる。

2 性別の記載と顔写真の貼り付けも必須とされている。

3 精神障害者保健福祉手帳の所持者も、知的障害における療育手帳を所持することができる。

4 精神障害者保健福祉手帳の申請窓口は市町村であるため、交付決定も市町村が行う。

5 精神障害者保健福祉手帳の障害等級1級の対象は「日常生活が著しい制限を受けるか、又は日

常生活に著しい制限を受けることを必要とする程度のもの」とされている。

問題 68 障害年金に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 障害基礎年金には程度の軽い場合の障害手当金(一時金)が設けられている。

2 障害基礎年金1級、2級には配偶者加算がある。

3 障害基礎年金は、原則として、障害の原因となった疾病等の初診日前の保険料納付済期間と保

険料免除期間の合計が被保険者期間の3分の2以上ないと受給できない。

4 障害基礎年金の受給要件である障害状態は、身体障害者福祉法施行規則による身体障害者障害

程度等級表に基づいて判定される。

5 障害基礎年金は、初診日から6か月を経過した日(その間に治った場合はその日)に、一定以

上の障害の状態であれば支給される。

問題 69 A市で精神障害者を雇用している企業に対し調査を行うこととした。企業に依頼した結

果、100 名の精神障害者の方に協力してもらうことになった。100 名を無作為に2グループに振

り分け、50名を参加者として3ヶ月間カウンセリングを実施することとし、残りの 50名は待機

者とした。カウンセリング前と後に参加者・待機者ともに尺度を用いたアンケートを実施した。

その結果を分析すると、参加者は待機者に比べてストレスが減り作業能力が高まった。

次のうち、この調査で使われた社会調査の手法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 KJ法

2 シングル・システム・デザイン

3 ランダム化比較試験(RCT)

4 縦断調査

5 グランデッド・セオリー・アプローチ

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(精神保健福祉に関する制度とサービス・事例問題)

次の事例を読んで、問題 70から問題 72までについて答えなさい。

〔事 例〕

Lさん(20 代:男性)は、父親と母親の3人家族である。大学在学中に友人とトラブルになり、

被害妄想が絶えず、精神科病院を受診したところ、統合失調症と診断された。早期受診により入院

には至らず、通院治療となった。Lさんは主治医と相談し、受診した翌月以降は大学を休学して回

復に努め、ゆくゆくは復学し卒業することを目指した。1年遅くなったがどうにか卒業できた。し

かし、就職することができず、アルバイトをしながら生活していた。

数か月後、アルバイト先での人間関係のもつれにより病状が悪化し、服薬もおろそかになり、嫌

がるLさんを説得して受診させると、主治医からすぐに入院が必要な状態と告げられたが、Lさん

は拒否し、医療保護入院となった。入院中は、退院後生活環境相談員(精神保健福祉士)により、

退院に向けた相談支援が行われた。最初に退院後生活環境相談員の役割等について説明した。(問題

70)

退院後、U機関の相談支援専門員は、Lさんが希望する生活を丁寧に聞き取りながら、Lさんが

より豊かに生活していくことができるように計画を作成した。そこには、就労継続支援B型事業所

や地域活動支援センターなどの利用や、Lさんが自らの体験をいかした活動を行うこと、一人暮ら

しの人が集まる食事会に参加することなどが盛り込まれていた。(問題 71)

その後、Lさんの状態は安定しており、地域活動支援センターなどに通うことができている。ま

た、地域活動支援センターで、他の利用者との交流を通し、「自分の経験を他の人のために役立てた

い」と今後の希望を話すようになった。(問題 72)

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問題 70 次の記述のうち、退院後生活環境相談員がLさんに対して説明したものとして、最も適

切なものを1つ選びなさい。

1 医療保護入院期間に限り担当することとなります。

2 退院後生活環境相談員の役割について、Lさんから家族等に伝えておいてください。

3 退院後、支援してくれる事業所を紹介することができます。

4 医療保護入院者退院支援委員会に必ず出席してください。

5 主治医の指示に従い、退院に向けた相談支援を行っていきます。

問題 71 相談支援専門員に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 相談支援専門員の要件として、相談支援に関する2年の実務経験が必要である。

2 サービス等利用計画を作成する。

3 計画相談支援において、サービスの支給決定に係るアセスメントを行う。

4 要介護者又は要支援者の相談に応じ、適切なサービスを利用できるようにする。

5 相談支援専門員は、他の業務と兼務することができない。

問題 72 地域活動支援センターに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 地域活動支援センターは、利用者に対し創作的目的活動、生産活動の機会の提供等地域の実情

に応じた支援を行っている。

2 地域活動支援センターは、I型と II型に分かれている。

3 地域活動支援センターI型では、精神保健福祉士を配置しなければならない。

4 地域活動支援センターは、「精神保健福祉法」に規定されている。

5 地域活動支援センターI型では、地域において雇用・就労が困難な在宅障害者に対し、機能訓

練、社会適応訓練、入浴等のサービスを実施する。

(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

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精神障害者の生活支援システム

問題 73 精神障害者支援の理念や方法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 ストレングスモデルとは、クライエントのウィークネス(脆弱性)をストレングスに読み替え

る技法である。

2 ソーシャルインクルージョンとは、社会的に排除された人たちが、そうした状況を改善する力

を自ら高められるように支援することである。

3 アドボカシーとは、自己決定ができないクライエントに代わって、支援者が支援方針を決める

ことである。

4 レジリエンスとは、人の回復する力、苦難に耐えて自分自身を修復する力を意味する。

5 リカバリーとは、症状がすべてなくなり病気を完全に治療することである。

問題 74 精神障害者の生活の実態に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 「令和元年障害者雇用状況の集計結果」(厚生労働省)によると、特例子会社に雇用されている

障害者の数をみると、障害種別のうち、精神障害者が最も多く占めていた。

2 「平成 30年度障害者雇用実態調査」(厚生労働省)によると、雇用精神障害者数を産業別にみ

るとサービス業が最も多く、次いで製造業、卸売業および小売業の順である。

3 「平成 30 年度衛生行政報告例」(厚生労働省)によると、医療保護入院届出数は平成 26 年度

以降、増加が続いている。

4 「平成 30 年度衛生行政報告例」(厚生労働省)によると、2015(平成 27)年度末における精

神障害者保健福祉手帳交付台帳登録者数の等級別では、3級が最も多い。

5 「平成 30年度衛生行政報告例」(厚生労働省)によると、一般・警察官等からの精神障害者申

請通報届け出数は、前年度よりも増加した。

問題 75 就労定着支援事業に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 事業内容は、就職に伴って生じ得る社会生活を営む上での問題に対して助言等の支援を行うと

ともに、企業や障害福祉サービス事業者、医療機関等との連絡調整を行う。

2 事業内容は、障害福祉サービスとしての生産活動にかかわり、利用者と雇用契約を結ぶことで

最低賃金以上の収入を目標として、就労に必要な知識および能力の向上のための訓練を行う。

3 就労定着支援事業の対象は、就労移行支援等の利用を経て一般就労へ移行した障害者で、一般

就労後3ヵ月を経過した者である。

4 就労定着支援事業の利用期間は、1年6ヵ月を上限としている。

5 指定就労定着支援事業者は、過去3年間において平均5人以上、通常の事業所に新たに障害者

を雇用させている事業者でなければならない。

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問題 76 行政における相談援助に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 「障害者虐待防止法」により、都道府県は障害者虐待防止センターとしての機能を果たすこと

が義務づけられた。

2 自立支援医療(精神通院医療)の実施主体は、障害者等の居住地又は現在地の市町村である。

3 ゲートキーパーの養成は、市町村地域生活支援事業の必須事業である。

4 市町村は、夜間・休日に精神科医療が必要とする精神障害者やその家族等の相談に応じ、救急

医療体制を整備するように努めなければならない。

5 医療保護入院が必要な精神障害者に家族がいない場合は、居住地の市町村長が退院請求の権利

者となる。

(注) 「障害者虐待防止法」とは、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する

法律」のことである。

問題 77 居住支援に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 住宅入居等支援事業(居住サポート事業)は、都道府県地域生活支援事業の「相談支援事業」

に含まれている。

2 「住宅セーフティネット法」に規定されている住宅確保要配慮者の対象者に「障害者」は含ま

れていない。

3 住宅入居等支援事業(居住サポート事業)は、保証人がいないなどの理由により入居が困難な

障害のある方等に対して行う支援である。

4 住宅入居等支援事業(居住サポート事業)は、精神科病院に入院している精神障害者も対象と

なっている。

5 住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業における入居対象者は、一定所得以下の高齢者世帯、

障害者世帯、子育て世帯で、現に住宅に困窮している世帯である。

(注)「住宅セーフティネット法」とは、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関す

る法律」のことである。

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(精神障害者の生活支援システム・事例問題)

次の事例を読んで、問題 78から問題 80までについて答えなさい。

〔事 例〕

Tさん(34歳、男性)は大学卒業後、IT企業に就職した。残業が多く昼夜を問わず仕事にあた

ることが多いTさんは睡眠がとれないことに悩んでいた。Tさんは、両親にその旨を相談していた

が、受診を勧められるも拒否していた。その後、職場ではミスが増えて、その影響からか職場の人

間関係のトラブルが生じ急に怒鳴ったり、職場に対する不安を上司に訴えていた。そんな状況をみ

かねた上司から、違う部署への異動の通告があった。Tさんは、異動の通告を受けたことがすごく

ショックで会社を休むようになり、数か月後のある朝、上司に退職届を提出し、話し合いの結果休

職することになった。その後、自宅に戻り自らロープで首を絞めて自殺を謀ろうとしていた。たま

たまTさんの様子を伺いに母親が自宅に訪れ、Tさんがぐったりしていたのを発見し、すぐ首から

ロープを外し一命はとりとめたが、意識がなかったため、精神科病院に救急搬送された。その後、

意識は戻ったTさんは医師に統合失調症と診断され、Tさんは入院を拒否したため母親の同意の上

で入院することが決まった。数週間が過ぎ、物事を冷静に考えられるようになったTさんは、病院

内のA精神保健福祉士に退院後の仕事について相談した。Tさんの希望は、現在の会社を退職して、

転職したいということであった。半年後、Tさんの病状は安定し、退院することになった。以前か

ら相談していた転職に向けて活動することになった。しかし、退院してからも以前勤めていた職場

の夢をたびたび見ることがあり、一般企業での就労が難しいと感じ、A精神保健福祉士の紹介で公

共職業安定所(ハローワーク)に相談に行った。Tさんは「将来的には以前のような会社で働きた

い」ということであった。(問題 78)

Tさんは精神科クリニックの診察時に主治医から「病状は安定しているが、以前の職場でのこと

がトラウマになっていることもあり一般企業への就職はまだ早いのではないか、今は就職に向けた

準備をしてはどうか」と提案された。その後、Tさんは、最寄りの市役所に行き障害福祉サービス

(訓練等給付)の手続きを行うこととなった。(問題 79)

障害福祉サービスを利用して1年6か月が過ぎた頃、Tさんは、ある日、障害福祉サービス事業

所のB精神保健福祉士との面談の際に「一般企業への就職活動をしたい。その前に、就職へ向けて

の相談や私の職場適性について知りたい。就職が決まった後の就労中も支援してほしい」と訴えた。

B精神保健福祉士はTさんの希望に合った支援が可能な関連施設を紹介した。(問題 80)

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問題 78 次の記述のうち、公共職業安定所(ハローワーク)でTさんの相談対応を行った専門職

として、適切なものを1つ選びなさい。

1 職場適応援助者(ジョブコーチ)

2 就業支援担当者

3 社会復帰調整官

4 障害者職業カウンセラー

5 精神障害者雇用トータルサポーター

問題 79 次のうち、Tさんが手続きすることのできる障害福祉サービス(訓練等給付)として、

適切なものを2つ選びなさい。

1 就労継続支援A型

2 就労継続支援B型

3 自立訓練(生活訓練)

4 就労移行支援

5 就労定着支援

問題 80 次のうち、Tさんの希望に合った関連施設として、適切なものを1つ選びなさい。

1 精神保健福祉センター

2 障害者就業・生活支援センター

3 地域障害者職業センター

4 公共職業安定所(ハローワーク)

5 障害者職業能力開発校