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B会場(白鳥)
システム制御
14:05~14:30
操業データからの直接的な制御器設計
広島大学
大学院工学研究院 電気電子システム数理部門
教授 山本 透
● プレゼン技術の概要産業システムを制御する際,制御パラメータの調整は,生産効率向上や省エネルギー化に大きく影響を与えるために,極めて重要な問題となっています。本技術は,産業システムの操業データを利用し,制御パラメータを直接調整する方法です。
● 従来技術・競合技術との比較制御パラメータの調整には,これまで対象とするシステムのモデルを構築する必要がありました。しかしながら,モデルが良好に構築されることはほとんどなく,これに基づいて調整した制御パラメータは必ずしも良いものではありませんでした。本技術によると,操業データから制御パラメータを直接調整することができるため,モデルを構築する必要がありません。
● プレゼン技術の特徴・制御パラメータの調整に,対象とするシステムのモデルを構築する必要がない・所望の制御性能を予め設定し,これに基づく制御パラメータが算出できる・対象とするシステムの構造や機能が分からない場合でも,データから制御パラメータが簡単に調整できる
● 想定される用途・石油・化学プロセスに代表されるプロセス産業におけるプラントの効率的な稼働の実現・オートチューナ(電子温度調節器など)における,制御パラメータのオンライン短時間調整・福祉機器やリハビリテーション機器など,人間を対象とした機器における制御システム
広島大学大学院 工学研究院
電気電子システム数理部門電気電子システム数理部門
教 授 山本 透
工業プロセス・生産プロセス工業プロセス 生産プロセス
生産性の向上・コスト削減・省エネルギー化・省力化
(国際競争・環境問題)
制御性能の維持(操業条件/環境条件の変化)
制御システムの再構築
PID制御:工業プロセスの80~90%において実装PID制御:工業プロセスの80~90%において実装
)(sR + )(sY)(U)(sE)(sR +− )(sC )(sG )(sY)(sU)(sE
・PID制御則(PID制御器)
))()(1)(()( tdeTddtKtt
∫現在 過去
))()()(()(0 dt
TddeTi
teKtu p ++= ∫ ττ
未来未来
S目標値 操作量 制御量PIDController
System目標値r
操作量u
制御量y
u yu y 精度の高いu, y調整したPIDゲイン
モデル構築が難しい
ModelController
KP KI KD
PID制御の問題点PID制御の問題点◦ システムの特性がわからず,モデル構築が難しい◦ 所望の制御性能が得られるPIDゲインが算出できない
(制御性能はPIDゲインに大きく変化)
モデルを構築することなしにPIDゲインを算出
プデ デ 直 ゲ 算閉ループデータ(操業データ)から直接PIDゲインを算出
PIDController
System目標値r
操作量u
制御量y
Controller
u, yu, y
Controller
KP KI KDP I D
比例 微分先行型 制御則比例・微分先行型PID制御則
K 比例ゲイン(k) :制御入力 KP :比例ゲインKI :積分ゲインK :微分ゲイン
u(k) :制御入力y(k) :システム出力(k) 目標値 KD :微分ゲインr(k) :目標値
一般化出力システム出力 等価
PID制御則を書き換え
∵
一般化出力
DDPDIP
KK
aK
KKa
KKKK
aK
a =+
−=++
== 432121
IIII KKKK
システム出力 を所望の参照モデル出力 に追従させたいシステム出力 y を所望の参照モデル出力 ym に追従させたい
参照モデル
となるように Φ(k)の係数aiを調整
システム出力 参照モデル出力
操業デ タ ( ) ( ) を 得する1.操業データ u(k), y(k) を取得する
2.参照モデルGm(z-1)を設計する参照 デル m( )を設計する
3. 一般化出力誤差(y(k+1)-Gm(z-1)Φ(k))が最小となるΦ(k)の係数a(具体的にはPIDゲイ小となるΦ(k)の係数ai(具体的にはPIDゲイン)を求める
ゲ4.求めたPIDゲインで制御系を設計する
5.制御を行う5.制御を行う
81286214711320
812)( 234 +++++
=ssss
ssG
01.0)]([0)]([ 2 == kEkE ξξ
・PIDパラメータ(初期値)
0.02.00.1 === DIP KKK
・算出したPIDパラメータ
994.0078.0594.0 === DIP KKK
)00010(670063711)( 111 ==+−= −−− δσzzzP )0.0,0.10(670.0637.11)( ==+= δσzzzP
12
10
6
8
y(t)
4
2
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 1000
step
初期PIDゲインによる制御結果(初期データ)初期PIDゲインによる制御結果(初期デ タ)
12
10
6
8
yh(t)
4
y
2
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 1000
step
算出したPIDゲインによる制御結果算出したPIDゲインによる制御結果
[従来技術]
コントローラの構築(制御ゲインの算出)のために、
操業データからモデルを構築する必要があった
[従来技術]
操業デ タからモデルを構築する必要があった。
時間のロス,モデルの性能が大きく影響を与える。
操業デ タから直接制御ゲインを算出
[新技術]
操業データから直接制御ゲインを算出
(モデルを構築しない新しい制御ゲインの算出法)
プロセス産業(化学プロセス,鉄鋼プロセス,熱プロセス)
非線形性を有するシステムを対象とした産業非線形性を有するシステムを対象とした産業
生産 ストの削減 製品の高品質化 低炭素化に期待生産コストの削減,製品の高品質化,低炭素化に期待
ビークル産業(自動車 など)
特性が経年変化するシステムを対象とした産業
制御性能の維持に大きな期待
医療・福祉産業(リハビリテーション機器 など)機
ユーザの特性が多様化
個(ユーザ)に対応した機器の提供に期待
制御性能評価との統合制御性能評価との統合- 「評価」と「設計」を統合することにより,確実な
制御性能の維持を実現制御性能の維持を実現
多変数系への拡張多変数系への拡張- ほとんどのシステムが多変数系となっているため,
多変数系への拡張により実用性を向上多変数系への拡張により実用性を向上
アルゴリズムの高速化アルゴリズムの高速化- リアルタイム処理の実現
生産コストの削減や製品の高品質化を考えられてい生産コストの削減や製品の高品質化を考えられている企業との共同開発・技術導入
エネルギー問題や環境問題に対し,制御技術の向上によ て解決を考えられている企業との共同開発 技によって解決を考えられている企業との共同開発・技術導入
より高精度な制御性能を必要とする生産プロセスを対象としている企業との共同研究 技術導入象としている企業との共同研究・技術導入
発明の名称 : 制御パラメータ調整装置及び
制御パラメ タの調整方法制御パラメータの調整方法
出願番号 : 特願2011-054850出願人 : 国立大学法人広島大学
発明者 : 山本 透 林 香予子発明者 : 山本 透,林 香予子