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フード特区機構 業務基本方針 フード特区機構では、業務を遂行するうえでの基本方針を下記の通り定めました。 1 “自走する1,300億円の売り上げ環境(事業)を創出” 我が国の経済力の向上のため、食産業の国際競争力の強化を通じて、安定した 外需(輸出)及び内需(輸入代替)を創造し、持続的な発展を図ることができ る事業を創出する。 1.輸入代替にむけた国内戦略 ○1次産品の輸入量の引き下げ - 原材料に対する国産化の推進施策 - 新たな農業形態の展開 ○高い付加価値のある加工食品の市場を創出 - 研究開発をテーマにした拠点化形成 - 食品のブランド力向上 2.輸出拡大に向けた海外戦略 ○市場セグメント毎のバリューチェーンの構築 - マネジメント機能を強化したインフラ整備や仕組みの創出 - 一次産品、および加工食品に対する付加価値向上 3.企業の海外生産拡大にむけた進出支援 ○海外生産ネットワーク体制の構築 - 事業化にむけた情報提供 - 海外生産拠点の構築支援 下記1、2、3の業務体系を基本方針にもとづき策定し、事業に取り組んでまいります。

フード特区機構 業務基本方針 - h-food.or.jpデータが不足。 ... ついて、プラットフォームへの参画を働きかけるとともに、技術的ボトルネックの解消に向け、調査を

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フード特区機構 業務基本方針

フード特区機構では、業務を遂行するうえでの基本方針を下記の通り定めました。

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“自走する1,300億円の売り上げ環境(事業)を創出”

我が国の経済力の向上のため、食産業の国際競争力の強化を通じて、安定した外需(輸出)及び内需(輸入代替)を創造し、持続的な発展を図ることができる事業を創出する。

1.輸入代替にむけた国内戦略 ○1次産品の輸入量の引き下げ - 原材料に対する国産化の推進施策 - 新たな農業形態の展開 等 ○高い付加価値のある加工食品の市場を創出 - 研究開発をテーマにした拠点化形成 - 食品のブランド力向上 2.輸出拡大に向けた海外戦略 ○市場セグメント毎のバリューチェーンの構築 - マネジメント機能を強化したインフラ整備や仕組みの創出 - 一次産品、および加工食品に対する付加価値向上 等 3.企業の海外生産拡大にむけた進出支援 ○海外生産ネットワーク体制の構築 - 事業化にむけた情報提供 - 海外生産拠点の構築支援 等

下記1、2、3の業務体系を基本方針にもとづき策定し、事業に取り組んでまいります。

フード特区機構の主な取り組み状況

○次の調査を実施中。 ・国内外の大規模植物工場の調査 ・農業工場の優位性(技術、立地等)の調査 ・事業化の可能性の調査(企業ヒアリング、事業性の評価等)

・生産する作物の選定と市場規模の推計、気象条件の調査による立地場所の検討

・植物工場の建設費と運営費の試算 ・植物工場の輸入代替の可能性とその利用条件についての調査

○調査を踏まえ、栽培技術のノウハウ確立と本格展開時の技術協力先の確保に向けて、企業への協力と参画を打診中。

○本格生産に参入する企業等へのアプローチを実施中。

目的・概要

取組状況

○高収益が期待される植物工場は、新しい農業形態として、注目されているが、北海道に適した植物工場の作物や生産などに関するデータが不足。

○生産環境を制御することにより農産物の通年栽培を可能とする植物工場について、基本戦略を構築する。

○これにより、輸入代替の促進はもとより、輸出拡大を視野に入れる。

○生産作物は、イチゴ、トマト、パプリカ、低カリウムレタスなどを予定。

先進事例:オランダの植物工場群

通年安定出荷を可能にする植物工場(農業工場)の基本戦略の策定

1.輸入代替にむけた国内戦略 ○ 1次産品の輸入量の引き下げ

平成24年12月末現在のフード特区機構の主な事業の取り組み状況を、機構の業務基本方針の 体系毎にご報告します。

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1.輸入代替にむけた国内戦略 ○ 高い付加価値のある加工食品の市場を創出(輸出拡大にむけた海外戦略にも関連)

オープンイノベーションの 最終ゴールと プロジェクトの位置づけ

企業が迅速かつ体系的に利用できる「食の安全性・有用性プラットフォーム」を確立するために、文科省等の資金を活用し、フードサイエンスの拠点を整備するとともに、国内各大学・試験研究機関等のネットワークを構築する。

概要

○現在、企業のニーズにもとづき、プラットフォームの中核となる次の研究プロジェクトを検討・準備中。 ・免疫を主とした食の腸内環境に関する評価手法の確立 ・脳の老化に関する評価手法の確立 ・肝臓等の生体ストレスのイメージング技術確立による素材探索手法の確立 ・高機能脂質に着目した素材探索手法の確立 ・.高QOL地域形成を目指した多地域ヒト研究モデルの構築 他

取組状況

国際競争に打ち勝つための「食のオープンイノベーションシステム」の確立

市場ニーズに即した新標品を迅速に開発する食品試作・実証プラットフォームの構築とその運営

食品の開発には多くの技術要素が必要であるが、1社で全てを賄うのは困難であるため、フード特区機構が、固有技術や設備を有する道内機関・企業を取りまとめ、開発ニーズに迅速に応える仕組みとして、プラットフォームを構築

概要

○道内外の機関・企業について、プラットフォームへの参画を働きかけるとともに、技術的ボトルネックの解消に向け、調査を実施

○道内企業間の委託等の連携先へ繋ぎ 〇輸出に向けた冷凍技術の開発や低カロリー化商品の開発等に対する支援を実施

取組状況

フード特区 機構

粉砕・分級・造粒技術

加熱技術 分離技術

抽出・濃縮

技術 混合・混練

技術

殺菌技術

包装技術

充填・包装

技術 調理

技術

冷凍・冷却技術

反応技術

(発酵等)

乾燥技術(噴霧・ドラム・凍結等)

食品試作・実証プラットフォーム

新商品 企業の ニーズ

米の輸出拡大に向けたブランド化戦略の構築

概要

取組状況

○「ななつぼし」、「おぼろづき」、「ゆめぴりか」等、食味ランク特Aの道産米が次々と開発され、海外での評価が急速に高まっていることから、道産米(短粒種)の輸出拡大を目指して、輸出相手国の市場ニーズと用途に応じた米輸出ブランド化戦略を構築する。

○次の調査を実施中。 ・香港、インドネシアをターゲットに、米や米加工品の現地市場調査及び流通・販売チャネルの構築。

・海外消費者の嗜好や用途に応じた定量的な米の品種選択に向け、米の食味、栄養成分等に関する指標を構築。

○調査を踏まえ、育種権や商標権等の知的財産権による知財戦略を組み込んだ米の輸出ブランド化戦略を構築する。

○また、現地ニーズに即した米加工品の検討と、継続的な米輸出取引に向けた商談会も開催する。

○高品質であるが小ロットの農産物について、低コストで安定した供給体制を確立するため、海外における販売促進活動を実施する。

概要

○生産者、商社などの関係者と次の調査等を実施中。

・香港市場をターゲットに、機能性たまねぎ、じゃがいも、米の店頭プロモーションを行い、品質が高く商品力がある道産農産物の良さを理解してもらえる流通チャネルを開拓。

・機能性タマネギを使用した加工食品の試作。 ・道内の港からの混載輸送。

取組状況

高品質・小ロットな農水産物の輸出拡大に向けた物流実証、販売促進活動

2.輸出拡大にむけた海外戦略 ○ 市場セグメント毎のバリューチェーンの構築

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農産物の輸出拡大のための輸送中鮮度保持技術の改良、物流実証、販売促進活動

○遠隔地北海道ゆえの輸送に関するハンデキャップ(鮮度保持、物流コスト等)を克服し、かつ道産品の良さを強く打ち出した輸出販売促進活動を強化する。

概要

○次の調査を実施中。 ・台湾を対象に、新たな包装資材を使ってブロッコリー、 スイートコーンを海上輸送し、 現地高級スーパーで の評価等を実施。 ・その結果、生産地で予冷を行い、かつ低温下で集荷 作業環境を維持するなど一定の条件下で、海上輸送 による鮮度保持及び糖度維持には問題ないことを実 証。

取組状況

北海道産ナマコの輸出拡大と北海道ブランドの構築

○経済成長と健康・薬膳志向に伴い、高級食材である乾燥ナマコの需要が急拡大しているが、道内各地の漁場では中国への輸出を目的とした密漁が横行する状況にあり、早急な対策が必要。

○偽造品の流通を防ぐため、北海道ナマコの統一的な地域ブランド開発と中国におけるプロモーションが必要。

概要

○次の調査を実施中。 ・香港、上海・大連・青島等の中国本土を対象に、完全養殖・密漁防止・乾燥製品化技術等の確立を通じた北海道ブランド商品の輸出拡大を目指して、密漁監視システムを開発中。

・今後の連携体制について、北海道水産林務部、漁協、自治体等と協議中。

取組状況

食+観光+デザイン+コンテンツ等、北海道ブランドの海外への普及拡大

○北海道の食、観光、デザイン、コンテンツ、ファッション等を「クリエイティブな北海道」として業種横断的に国内外にブランディングする。

○札幌市、北海道運輸局等と連携した香港でのイベント、経済産業省「クール・ジャパン戦略推進事業」の受託先と連携したベトナムでのイベントを開催。

概要

○次の事業を実施中。 ・平成24年11月、ベトナムに開設された日本地域物産館において、商品(さんま、菊水ラーメン、豪雪うどん、月寒アンパン、トマトジュース等)を提供。

・同年12月、香港にて「北海道ダイニング」等を開催。 ・平成25年1月、ベトナムの地域物産館において、北海道の食と観光PR・イベント事業を実施。

取組状況

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新たな包装資材 現在、市場に流通している鮮度保持フィルムはMA包装(雰囲気調整)が主流であるが、これに加え、MH(湿度調整)も行う新しい機能を有した次世代フィルムである。 結露による劣化や呼吸量の多い青果物に 効果がある。

商社OBをコーディネーターとした輸出拡大の推進

○フード特区が目標に据える「輸出拡大」をさらに発展させるため、以下を実施できる人材をコーディネーターとして配置。

・ 輸出対象国・地域のビジネス環境(法規制、商習慣等)に精通し、かつ販路ネットワークを有する。

・ マーケット情報等を把握・収集するとともに、その情報を北海道の企業・生産者へフィードバックし、さらに企業間のマッチングを実施する。

概要

○平成24年11月、アジア地域の食ビジネスに精通したコーディネーターを3名配置。毎月10日間程度、東南アジア等に滞在し、海外販売ルートの拡大を目指す道内企業に、きめ細かなサポート(市場調査やバイヤー等への商品紹介・サンプル持ち込み等)を実施中。

※主な成果

取組状況

個別企業間でのビジネスマッチングの展開

○企業訪問等を通じて発掘した事業者の輸出ビジネスに対する要望や相談をつなぎ、本格展開に向けたマーケティングや商品開発を支援する。

○海外向け商品の改善要望や相談を受けて、試験研究機関や支援機関を紹介。

概要

○輸出商社への紹介・つなぎ、展示会や商談会等の紹介、輸入代替一次産品の道内調達先の紹介、海外日本食レストラン等への一次産品や食品提供先の紹介・つなぎ等を実施する。

○平成24年12月末現在、約40件の案件を実施している。

取組状況

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台湾 ・大手スーパーから魚の引き合いがあり、水産加工会社を紹介。

香港 シンガポール

・アイスクリーム輸出に向けた商談を支援。

タイ ・無洗米と水のセット商品の輸出に向けた商談を支援。