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デジタルテクノロジーを徹底的に活用し、ビジネスと経営基盤双方の「構造改革」を加速させることにより、「金融 を巡る新たな価値」を創造します。 デジタライゼーションで ビジネスと社会にイノベーションを 新規ビジネス創出 既存ビジネスの高度化と生産性向上 上記を支えるIT基盤 顧客軸 チャネル 事業軸 効率化 アジャイル オープンイノベーション トライアル&エラー コミュニケーション& コラボレーション 迅速性や柔軟性を確保 自前主義に拘らない 1勝9敗を許容 タイムリーな共有と協働 デジタライゼーション取組方針 近時、デジタル化というメガトレンドを背景に、スマートフォンや キャッシュレス等のお客さまニーズの変化や、プラットフォーマーを 含む異業種からの参入が進展しています。また 〈みずほ〉 において も、あらゆる業務領域がデジタル化の対象になっています。 お客さまのニーズの変化等に迅速に対応するために、 〈みずほ〉 の強みをいかしつつ、自前主義に拘らず、外部とのオープンな連 携・協働により、次世代のお客さまニーズへの対応(新規ビジネス 創出)や業務スタイルの変革(既存ビジネスの高度化と生産性向 上)に取り組んでいきます。 取り組み領域 新勘定系システムの柔軟性も活用し、戦略的な空白領域を中心 に新規ビジネスを創出するとともに、既存ビジネスの高度化や生 産性向上にも取り組んでいきます。 顧客基盤、情報基盤 信頼と信用 (セキュリティ・情報管理 等) 金融知見、技術 〈みずほ〉 の強み 革新的創造、テクノロジー 顧客基盤、情報基盤 目利き力 アライアンス先の 強み デジタルネイティブ世代(LINE) 非対面を希望するSME(みずほスマートビジネスローン) P.36 次世代店舗 P.37 クラウド活用 サイバーセキュリティ対策 等 P.38 個人向けローン(J.Score) キャッシュレス決済(J-Coin Pay) P.36 A.O.R P.37 デジタル技術をいかし、 〈みずほ〉 の事業ポートフォリオ上弱かっ た領域を中心にゲームチェンジを仕掛ける取り組みに果敢に挑戦 します。 新勘定系システムの柔軟性も活用したチャネル改革・事務効率 化に取り組みます。 ビジネス戦略を実現する実装力の強化とデジタライゼーション に伴う新たなリスクのコントロールに取り組みます。 1 2 3 35 みずほフィナンシャルグループ 価値創造のための戦略

デジタライゼーションで ビジネスと社会にイノベー …...デジタルテクノロジーを徹底的に活用し、ビジネスと経営基盤双方の「構造改革」を加速させることにより「金融、

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Page 1: デジタライゼーションで ビジネスと社会にイノベー …...デジタルテクノロジーを徹底的に活用し、ビジネスと経営基盤双方の「構造改革」を加速させることにより「金融、

 デジタルテクノロジーを徹底的に活用し、ビジネスと経営基盤双方の「構造改革」を加速させることにより、「金融を巡る新たな価値」を創造します。

デジタライゼーションでビジネスと社会にイノベーションを

新規ビジネス創出

既存ビジネスの高度化と生産性向上

上記を支えるIT基盤

顧客軸

チャネル

事業軸

効率化アジャイル

オープンイノベーション

トライアル&エラー

コミュニケーション&コラボレーション

迅速性や柔軟性を確保

自前主義に拘らない

1勝9敗を許容

タイムリーな共有と協働

デジタライゼーション取組方針

 近時、デジタル化というメガトレンドを背景に、スマートフォンや

キャッシュレス等のお客さまニーズの変化や、プラットフォーマーを

含む異業種からの参入が進展しています。また〈みずほ〉において

も、あらゆる業務領域がデジタル化の対象になっています。

 お客さまのニーズの変化等に迅速に対応するために、〈みずほ〉

の強みをいかしつつ、自前主義に拘らず、外部とのオープンな連

携・協働により、次世代のお客さまニーズへの対応(新規ビジネス

創出)や業務スタイルの変革(既存ビジネスの高度化と生産性向

上)に取り組んでいきます。

取り組み領域

 新勘定系システムの柔軟性も活用し、戦略的な空白領域を中心

に新規ビジネスを創出するとともに、既存ビジネスの高度化や生

産性向上にも取り組んでいきます。

顧客基盤、情報基盤

信頼と信用 (セキュリティ・情報管理 等)

金融知見、技術

〈みずほ〉の強み

革新的創造、テクノロジー

顧客基盤、情報基盤

目利き力

アライアンス先の強み

● デジタルネイティブ世代(LINE)● 非対面を希望するSME(みずほスマートビジネスローン) ▼ P.36

● 次世代店舗 ▼ P.37

● クラウド活用● サイバーセキュリティ対策 等 ▼ P.38

● 個人向けローン(J.Score)● キャッシュレス決済(J-Coin Pay) ▼ P.36

● A.O.R ▼ P.37

 デジタル技術をいかし、〈みずほ〉の事業ポートフォリオ上弱かっ

た領域を中心にゲームチェンジを仕掛ける取り組みに果敢に挑戦

します。

 新勘定系システムの柔軟性も活用したチャネル改革・事務効率

化に取り組みます。

 ビジネス戦略を実現する実装力の強化とデジタライゼーション

に伴う新たなリスクのコントロールに取り組みます。

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35 みずほフィナンシャルグループ

価値創造のための戦略

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Page 2: デジタライゼーションで ビジネスと社会にイノベー …...デジタルテクノロジーを徹底的に活用し、ビジネスと経営基盤双方の「構造改革」を加速させることにより「金融、

TOPICS ❶

 2019年3月より、約60の金融機関と協働し、“銀行系デジタル

通貨のプラットフォーム”として、QRコードを活用したスマホ決済

サービス 「J–Coin Pay(ジェイ コイン ペイ)」の提供を開始し

ました。

 「J–Coin Pay」は、「送る」、「送ってもらう」、「支払う」というお

金に関する様々な行為がスマホ上で完結できることに加え、金融

機関の預金口座との入出金(“(アプリに)チャージ/口座に戻す”

機能)についても、スマホ上のアプリを使い、「いつでも・どこで

も・無料」で、できるサービスです。

 みずほ銀行は参画金融機関とともに、“銀行系デジタル通貨の

プラットフォーム”である「J–Coin Pay」を通じて、キャッシュレス

を強力に推進し、キャッシュレス社会※の実現を目指します。

新規ビジネス創出

約60の金融機関と協働し、“銀行デジタル通貨のプラットフォーム” 「J-Coin Pay」を提供開始

※ 日本政府は2025年までにキャッシュレス比率を現行の2倍となる40%を目指す方針(経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」2018年4月より)

みずほスマートビジネスローン

オンライン完結来店不要 決算書不要審査申込から入金まで

最短2営業日

 2019年5月より、メガバンク初となる、中小企業のお客さま向

けオンラインレンディングサービスとして「みずほスマートビジネ

スローン」の取り扱いを開始しました。

 オンライン完結で来店不要、AI技術や外部データを活用した

新たな事業性評価により決算書不要、審査申込から入金まで最

短2営業日でお借入ができるサービスです。

 本サービスには、営業活動はもちろんのこと、銀行対応等も一

人で様々なことを担わなければならない多くの中小企業経営者

の、「忙しくて銀行にいけない」「審査書類を作る時間もない」「急

な資金繰りに審査が間に合わない」といった資金調達に関する

悩みや不安に向き合い、その解消の一助となりたいという“みず

ほの想い”がこめられています。

“忙しい経営者”をサポートしたい! 「みずほスマートビジネスローン」の取り扱いを開始

J-Coin Pay

36統合報告書 ディスクロージャー誌 2019

価値創造のための戦略

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Page 3: デジタライゼーションで ビジネスと社会にイノベー …...デジタルテクノロジーを徹底的に活用し、ビジネスと経営基盤双方の「構造改革」を加速させることにより「金融、

リアル店舗とデジタルチャネルを融合した次世代店舗の展開

人工知能を活用した、業務効率化ソリューションの開発・事業化

A.O.R

 〈みずほ〉は、店舗を従来の事務処理中心の場から、「コンサルティングの場」へ転換を図ります。具体的には、ライフイベン

トに応じたコンサルティング空間を拡張し、タブレット等の活用により、〈みずほ〉の強みである銀信証コンサルティングサービ

スをワンストップで提供していきます。

 また、事務のデジタライゼーションを積極的に進めていく

ことで、口座開設や定型的な取引は、店頭に設置したタブレ

ットで、 紙への記入や押印なく、スマートに完結できるよう

になります。

 〈みずほ〉は、AI(人工知能)、OCR(文字認識技術)、RPA(ロボットによる自動化)を活用した、手書き・非定型帳票

のデータ入力を自動化する業務効率化ソリューション(以下「The AOR™」※)の地域金融機関への提供を目指し、「非

競争領域」における金融業界全体のデジタルトランスフォーメーションを推進する取り組みを開始しました。

 具体的には、地域金融機関6行、および金融機関向け共同事務センターの運営を行う株式会社エヌ・ティ・ティ・デー

タと協働し、The AOR™の実証実験を行うとともに、事務部門向け業務システムを取り扱う企業2社とも連携し、各金

融機関の業務システムへ円滑に導入するスキームの開発に着手しました。地域金融機関への提供体制を確立するこ

とで、金融業界における共通業務の大幅な生産性向上を目指します。

※ 従来は、自動化が困難で手入力による作業が必要であった『手書き・非定型帳票の事務処理業務』について、AI/OCR/RPAといったデジタル技術を活用することで高い精度で文字情報をデータ化し、業務全体の自動化や効率化を実現するソリューションです。口座振替依頼書を対象にした実証実験では、人による手入力作業がおよそ8割削減できる効果が認められています。

TOPICS ❷ 既存ビジネスの高度化と生産性向上

デジタル技術も活用し「コンサルティングの場」としての店舗への転換を加速

銀 証信

デジタルサービス提供 コンサルティングサービス提供

〈イメージ〉

37 みずほフィナンシャルグループ

価値創造のための戦略

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Page 4: デジタライゼーションで ビジネスと社会にイノベー …...デジタルテクノロジーを徹底的に活用し、ビジネスと経営基盤双方の「構造改革」を加速させることにより「金融、

ビジネス戦略を実現する、デジタル技術の実装力の強化

デジタライゼーションの進展に伴う新たなリスクのコントロール

 〈みずほ〉では、時代の変化に対応し、ビジネス戦略をタイム

リーかつ適正なコストで実現するため、デジタル技術の実装力の

強化に取り組んでいます。

 その取り組みの起点となるのが、2018年6月より順次移行を

進めている、新勘定系システム「MINORI」の活用です。

 「MINORI」では、機能ごとに部品化されたプログラムを組み合

せ・再利用でき、外部とも連携しやすいシンプルなシステム構造を

採用しています。

 こうした「MINORI」のシステム構造をいかしながら、API等を通

じて、パブリッククラウドやFinTech企業等とのオープンな連携を

積極的に進めていきます。さらに、AI、RPAといったテクノロジー

を活用した開発・運用業務の効率化に取り組むことで、お客さまの

ニーズに対応した新商品・サービスを早く、安く提供していきます。

 デジタライゼーションの進展によって様々なモノやサービスが

つながる中、お客さまに安心・安全な金融サービスを提供するた

めには、デジタル利用環境の拡大に伴うリスクへの対応、特にサ

イバーセキュリティの態勢強化が必要不可欠です。

 〈みずほ〉では、サイバー攻撃を経営上のトップリスクの一つと

位置づけ、2018年6月には「サイバーセキュリティ経営宣言」を

公表しています。

 Mizuho-CIRT※1を中心に、高度なプロフェッショナル人材を

配置し、外部の専門機関とも連携したインテリジェンスや先進技

術を駆使しながら、統合SOC※2等による監視、ウイルス解析、多

層的防御等、経営主導のもと、グループ・グローバルベースでの

態勢強化を図っています。

外部専門組織

サイバー対応専担要員(Mizuho-CIRT)

連携

防御

守るべき資産・サービス

統合SOC

フォレンジック

レスキュー・支援

多層防御態勢

攻撃者!

標的型攻撃ホームページ改竄DDoS攻撃不正侵入不正送金

情報資産顧客情報

監視・対応情報収集・対策・捜査

※1. Cyber Incident Response Team  ※2. Security Operation Center

TOPICS ❸ IT基盤

デジタル技術を「早く、安く、安全に」実装するIT基盤を確立し、〈みずほ〉における構造改革を加速

■ 「MINORI」の特長

■ 〈みずほ〉におけるサイバーセキュリティ管理態勢

メインハブ 疎結合シンプルなシステム設計

他行に先駆けた次世代システム

パブリッククラウド企業

FinTech企業

全店共通の取引元帳取引店に縛られない

事務処理が可能

コンポーネント化プログラムの部品化と

簡便かつ柔軟な組み合せ

API連携等オープンな他社連携と

新たなアイデアの取込み

貸出 預金 送金

業務共通基盤

サイバーセキュリティ経営宣言https://www.mizuho-fg.co.jp/company/structure/it/cybersecurity/index.html

新勘定系システム

38統合報告書 ディスクロージャー誌 2019

価値創造のための戦略

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