8
Cement Science and Concrete Technology, No.61, 2007 100 エコセメントペーストの微細構造と長期強度発現 胡桃澤清文 1 蛭川泰卓 2 湊大輔 1 名和豊春 1 1 北海道大学 大学院工学研究科環境循環システム専攻 060-8628 北海道札幌市北区北 13 条西 8) 2 NTT 西日本 540-8511 大阪府大阪市中央区馬場町 3-15) 要旨:エコセメントペースト(EC)の強度発現性に及ぼす微細構造の影響を明らかにするために、水銀圧 入法による細孔構造測定、インデンテーション法による微小弾性係数測定、反射電子像及びエネルギー分 散型 X 線分析により測定した元素分布像の適用を行った。その結果、EC は材齢初期では、水和生成物 が早期に生成されるために粗大な空隙を埋め強度が早期に発現することを明らかにした。しかし、材齢 28日以降においては、普通ポルトランドセメント(OPC)の強度発現が大きくECよりも高い強度となっ た。高 W/C の EC は、OPC と比較すると長期材齢において比較的粗大な空隙が多く残っており、これ は材齢後期において、OPC と異なる水和物が生成され密実な組織形成がなされないためと微小領域での C-S-H 組織が不均質であるためであることが示された。 キーワード:エコセメント、微細構造、反射電子像、エネルギー分散型 X 線分析、元素分布像、長期強 度発現性、インデンテーション法、水銀圧入法 1. はじめに 近年環境保全への意識が高まる中、都市ごみや産業廃 棄物などの資源化への取り組みが数多くなされている。 その一つとして原料の約半分を都市ごみ焼却灰とするエ コセメントが開発され 2002 年に JIS 規格が制定された。 JIS 化されたエコセメントの更なる利用のためには、コ ンクリート構造物への適用が重要である。しかし、エコ セメントを使用したコンクリート強度は、普通ポルトラ ンドセメントを使用したコンクリートよりも早期に発現 するが、その強度発現がどのような機構で起こるかはあ まり多くの研究がなされていない。また、エコセメント を使用したコンクリートは長期強度発現があまりよくな いといわれているが 1) 、その原因は明らかにされてい ない。そのため長期強度発現の改善方法として、高炉ス ラグ微粉末や石灰石微粉末等の各種微粉末を混合し強度 発現性を改善しようとする試みがなされている 2) 。ま た、初期の水和発熱や空隙量に関する研究 3) も行われ ているがそれと強度発現との関係については十分に検討 はなされていない。 筆者らは既報 4, 5) において材齢 91 日までの微細構造 と強度の関係について検討を行った。しかし、構造物に エコセメントを使用する上でさらに長期にわたる強度発 現を明らかにすることが重要である。そこで別報 6) おいて材齢 1 年までの検討を行い、高水セメント比で は強度低下が見られ、その要因を水和率の観点から説明 することを試みたが解明するに至らなかった。そこで本 研究では、材齢 1 年までの長期強度発現に及ぼす微細 構造の変化に着目し、それを明らかにする手法として、 反射電子像(BEI)、水銀圧入法及びインデンテーション 法を用いて構成相の空間配置、空隙量及び微視的な強度 を測定し、それぞれのセメントを用いた硬化セメント ペーストについて検討を行った。 2. 実験概要 2. 1 試料作製 測定には、Table 1, 2 に示す化学組成である普通ポ ルトランドセメント(OPC)及び普通エコセメント(EC) を用いた。水セメント比は、質量比で 40、50、60% と し、以下それぞれの試料を EC は EC40、EC50、EC60、 OPC は OPC40、OPC50、OPC60 と表記する。練混ぜ は、JIS R 5201 にしたがって行い、高さ 100mm、直 径 50mm の円柱試験体を作製し、所定の材齢(1、3、7、 28、91、365 日)まで封緘養生を行い、練混ぜ水は、純 水を使用した。混和材として用いたフライアッシュ(FA) は比表面積 3350cm 2 /g、密度 2. 27g/cm 3 、スラグ(Slag) は 比 表 面 積 5645cm 2 /g、 密 度 2. 91g/cm 3 のものを使 用した。混和材を使用した場合は、W/C 50% とし、 セメントの一部をFA(内割10、20、30%)とSlag(内割 30、50、70%)で置換し、上記と同様の練混ぜおよび養 生を行った。なお、高水セメント比の試料に生じたブリー ジング水については特別な処理は行わなかったが、圧縮 強度の測定結果において水セメント比に応じて差が生じ ており、試料作製は適切であると判断した。

エコセメントペーストの微細構造と長期強度発現koueki.net/cement/thesis/2007/61-100.pdf · キーワード:エコセメント、微細構造、反射電子像、エネルギー分散型

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Cement Science and Concrete Technology, No.61, 2007

100

エコセメントペーストの微細構造と長期強度発現

胡桃澤清文 1  蛭川泰卓 2  湊大輔 1  名和豊春 1

1 北海道大学 大学院工学研究科環境循環システム専攻 (〒060-8628 北海道札幌市北区北 13 条西 8)2 NTT 西日本 (〒540-8511 大阪府大阪市中央区馬場町 3-15)

要旨:エコセメントペースト(EC)の強度発現性に及ぼす微細構造の影響を明らかにするために、水銀圧入法による細孔構造測定、インデンテーション法による微小弾性係数測定、反射電子像及びエネルギー分散型 X 線分析により測定した元素分布像の適用を行った。その結果、EC は材齢初期では、水和生成物が早期に生成されるために粗大な空隙を埋め強度が早期に発現することを明らかにした。しかし、材齢28 日以降においては、普通ポルトランドセメント(OPC)の強度発現が大きく EC よりも高い強度となった。高 W/C の EC は、OPC と比較すると長期材齢において比較的粗大な空隙が多く残っており、これは材齢後期において、OPC と異なる水和物が生成され密実な組織形成がなされないためと微小領域でのC-S-H 組織が不均質であるためであることが示された。

キーワード:エコセメント、微細構造、反射電子像、エネルギー分散型 X 線分析、元素分布像、長期強度発現性、インデンテーション法、水銀圧入法

1. はじめに近年環境保全への意識が高まる中、都市ごみや産業廃

棄物などの資源化への取り組みが数多くなされている。その一つとして原料の約半分を都市ごみ焼却灰とするエコセメントが開発され 2002 年に JIS 規格が制定された。JIS 化されたエコセメントの更なる利用のためには、コンクリート構造物への適用が重要である。しかし、エコセメントを使用したコンクリート強度は、普通ポルトランドセメントを使用したコンクリートよりも早期に発現するが、その強度発現がどのような機構で起こるかはあまり多くの研究がなされていない。また、エコセメントを使用したコンクリートは長期強度発現があまりよくないといわれているが 1)、その原因は明らかにされていない。そのため長期強度発現の改善方法として、高炉スラグ微粉末や石灰石微粉末等の各種微粉末を混合し強度発現性を改善しようとする試みがなされている 2)。また、初期の水和発熱や空隙量に関する研究 3) も行われているがそれと強度発現との関係については十分に検討はなされていない。

筆者らは既報 4, 5) において材齢 91 日までの微細構造と強度の関係について検討を行った。しかし、構造物にエコセメントを使用する上でさらに長期にわたる強度発現を明らかにすることが重要である。そこで別報 6) において材齢 1 年までの検討を行い、高水セメント比では強度低下が見られ、その要因を水和率の観点から説明することを試みたが解明するに至らなかった。そこで本研究では、材齢 1 年までの長期強度発現に及ぼす微細

構造の変化に着目し、それを明らかにする手法として、反射電子像(BEI)、水銀圧入法及びインデンテーション法を用いて構成相の空間配置、空隙量及び微視的な強度を測定し、それぞれのセメントを用いた硬化セメントペーストについて検討を行った。

2. 実験概要2. 1 試料作製

測定には、Table 1, 2 に示す化学組成である普通ポルトランドセメント(OPC)及び普通エコセメント(EC)を用いた。水セメント比は、質量比で 40、50、60% とし、以下それぞれの試料を EC は EC40、EC50、EC60、OPC は OPC40、OPC50、OPC60 と表記する。練混ぜは、JIS R 5201 にしたがって行い、高さ 100mm、直径 50mm の円柱試験体を作製し、所定の材齢(1、3、7、28、91、365 日)まで封緘養生を行い、練混ぜ水は、純水を使用した。混和材として用いたフライアッシュ(FA)は比表面積 3350cm2/g、密度 2. 27g/cm3、スラグ(Slag)は比表面積 5645cm2/g、密度 2. 91g/cm3 のものを使用した。混和材を使用した場合は、W/C = 50% とし、セメントの一部を FA(内割 10、20、30%)と Slag(内割30、50、70%)で置換し、上記と同様の練混ぜおよび養生を行った。なお、高水セメント比の試料に生じたブリージング水については特別な処理は行わなかったが、圧縮強度の測定結果において水セメント比に応じて差が生じており、試料作製は適切であると判断した。

Cement Science and Concrete Technology, No.61, 2007

101

2. 2 反射電子像による観察と水和率の測定試料は所定の材齢において、試験体から 1 辺が 5 ㎜

角程度の立方体をダイアモンドカッターにて切り出した。試験片は、アセトンに浸漬し、セメントの水和反応を停止させた後に、真空乾燥を 3 日間行い、その後低粘度のエポキシ樹脂で包理した。樹脂の硬化後に、表面を耐水研磨紙にて研磨し、最後にダイアモンドペーストで研磨を行った。SEM 観察の前に、電気伝導性を与えるためにカーボンコーティングを試験体表面に施した。観察には反射電子検出器を付属している走査型電子顕微鏡を使用して、倍率 500 倍にて反射電子像の測定を行った。加速電圧は 15kV で WD は 17 ㎜で行った。測定範囲は 200 × 150μm の大きさであり、1 画像は 640 ×480 画素からなり、1 画素の大きさは約 0. 32μm である。

既往の研究 4) で行った手法を用いて BSE 係数の違いによって測定される反射電子像と EDX により測定された元素分布像を組み合わせてそれぞれの相の分布を決定した。Photo. 1 に反射電子像の測定結果の一例を示す。本研究では、未水和セメント粒子(UH)、水酸化カルシウム(CH)、カルシウムシリケート水和物及び他の水和物、及び粗大空隙(PORE:反射電子像で測定可能である 0. 32μm 以上の空隙)の 4 つの相に輝度の高いほうから順に分類を行った。また、未水和セメント粒子の中でAl が存在している相は間隙質、Si が存在している相はカルシウムシリケートとした。

セメントの水和率は、画像中に未水和のセメントが初期の量に比べてどれだけ残っているかを計算し求めた。その水和率は以下の式を用いて計算を行った。

αc=1- ―=1- ―Vci

Vc0

Aci

Ac0 [1]

ここに、Vci、Vc0、Aci、Ac0 はそれぞれ i 時間後の未水和セメント体積、初期のセメント体積、i 時間後に観察された未水和セメント面積、初期のセメント面積である。ここで水和率の計算に際して、体積ではなく面積を使用しているが、これはランダムに多数の測定を行った場合、その面積は体積と等しくなるという仮定のもと行った。2. 3 圧縮強度試験

セメントペーストの圧縮強度の測定は、材齢 1、3、7、28、91、365 日において 50φ× 100mm の円柱供試体を用いて行った。2. 4 水銀圧入法による細孔構造測定

反射電子像測定と同じ試料を用いて、水銀圧入法(MIP)による細孔構造の測定を行った。測定範囲は、細孔直径 6nm ~ 10μm で行った。2. 5 インデンテーション法による弾性係数の測定 4)

試料は 2. 2 と同じ試料を用い圧子に負荷をかけその際の押し込み深さを測定し、その後設定した荷重に達したら徐荷を行う。このとき徐荷する際に測定された傾きを元に弾性係数を計算し算出することができる。本実験

では、フィッシャースコープ H100C を使用した。押し込み後は、圧痕が残るためその部分の観察が可能であり、その跡を EDX により測定し C-S-H 等と判断した。今回の測定は、最大荷重を 50mN、載荷速度は 2. 5mN/sとして最大荷重に達したところで 5 秒間最大荷重を維持し、その後負荷するときと同じ速度で徐荷を行った。測定点数は、10μm ごとに 100 点の測定を行った。2. 6 強熱減量測定

2. 5 ~ 5 ㎜の大きさまで破砕したセメントペーストを遊星ボールミルによって粉末にし、それを 40 ℃で乾燥させ、マッフル炉で 2 時間かけ 950 ℃まで昇温し、1時間その温度を保ちその質量減少量を強熱減量とした。2. 7 固体 NMR による珪素鎖測定 7)

測定機器はブルカー バイオスピン MSL400 を用い、測定核種は 29Si とし、積算回数を 1600 回、待ち時間を10 秒として測定を行った。なお、積算回数は 5000 回、1600 回を同一試料に対して行なった結果、誤差は十分に僅少であると判断し設定を行った。

Table 1 Properties of cements

38.061.30543CPO20.171.30134CE

elpmaSenialB

mc( 2 )g/ytisneD

mc/g( 3)ssol.gI

)%(

38.061.30543CPO20.171.30134CE

elpmaSenialB

mc( 2 )g/ytisneD

mc/g( 3)ssol.gI

)%(

Table 2 Chemical composition of cements

CPOCE

61.4679.2

noitisopmoc lacimehCOiS 2 lA 2O3 eF 2O3 OgMOaC OS 3

11.284.290.442.236.1627.324.710.71

61.539.02

Photo. 1 Backscattered electron image (W/C 0. 5, 1year)

Cement Science and Concrete Technology, No.61, 2007

102

3. 実験結果3. 1 セメント水和率

Fig. 1 に EC50 及び OPC50 の相の割合を画像解析によって算出した結果を示す。図より材齢初期においてはEC の方が空隙は少ないが、材齢 28 日以降においては逆転した。また、OPC は EC と比較して多くの水酸化カルシウムが生成する結果であったが、逆にその他の水和生成物量は EC の方が多い結果であった。これは ECが多くの間隙質相を含み C-S-H よりも体積の大きいモノサルフェート等を多く生成するためである。

それぞれの材齢における水和率を Fig. 2 に示す。ここでの水和率は、反射電子像測定により得られた画像から未水和セメント粒子の面積を算出し、水和前のセメント量から未水和セメント減少量の割合を計算し式[1]を用いて決定した。その結果 Fig. 1 に示したように初期材齢においてはセメント残存量が少ない EC を使用した方が水和率は高いが、材齢 365 日では OPC の方が高い水和率を示した。これは別報 6) の XRD- リートベルト法により求められた水和率と一致する。

Fig. 3 に強熱減量と水和率の関係を示す。強熱減量は試料中の結合水量を表すため水和の程度を表している。図より多少のばらつきはあるが両者の間には相関関係が見られるため、画像解析によって得られた水和率は水和の程度を表している。また、EC と OPC の水和率と強熱減量の関係には明確な違いは見られなかった。

0010203040506070809001

)yad( 563 19 82 7 3 1

Frac

tion

(%)

egA

eroP setardyH HC HU

OP

CE

C

OP

CE

C

OP

CE

C

OP

CE

C

OP

CE

C

OP

CE

C

0010203040506070809001

)yad( 563 19 82 7 3 1

Frac

tion

(%)

egA)yad( 563 19 82 7 3 1

Frac

tion

(%)

egA

eroP setardyH HC HU eroP setardyH HC HU eroP eroP setardyH setardyH HC HC HU HU

OP

CE

CO

PC

EC

OP

CE

CO

PC

EC

OP

CE

CO

PC

EC

OP

CE

CO

PC

EC

OP

CE

CO

PC

EC

OP

CE

CO

PC

EC

Fig. 1 Fraction of each phase in hardened cement paste (W/C0. 5)

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

1

0001001011

04CE 04CPO05CE 05CPO06CE 06CPO

)yad( egA

Deg

ree

of h

ydra

tion

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

1

0001001011

04CE 04CPO05CE 05CPO06CE 06CPO

)yad( egA

Deg

ree

of h

ydra

tion

Fig. 2 Change of degree of hydration

0

50.0

1.0

51.0

2.0

52.0

3.0

18.06.04.02.00

04CE 4CPO 005CE 5CPO 006CE 6CPO 0

noitardyh fo eergeD

Igni

tion

loss

0

50.0

1.0

51.0

2.0

52.0

3.0

18.06.04.02.00

04CE 4CPO 005CE 5CPO 006CE 6CPO 0

noitardyh fo eergeD

Igni

tion

loss

Fig. 3 Relationship between degree of hydration and ignition loss

0

02

04

06

08

001

0001001011

04CE 4CPO 005CE 5CPO 006CE 6CPO 0

)yad( egA

Com

pres

sive

Stre

ngth

(MPa

)

0

02

04

06

08

001

0001001011

04CE 4CPO 005CE 5CPO 006CE 6CPO 0

)yad( egA

Com

pres

sive

Stre

ngth

(MPa

)

Fig. 4 Change of compressive strength

Diff

eren

ce o

f por

e vo

lum

e be

twee

n 28

day

and

365

day

(cc/

g)

50.0-40.0-30.0-20.0-10.0-010.020.030.040.050.0

01-1.01.0-50.050.0-10.010.0-600.0

04CPO 5CPO 006CPO 4OCE 005OCE 6OCE 0

(retemaid eroP )m

Incr

ease

decr

ease

Diff

eren

ce o

f por

e vo

lum

e be

twee

n 28

day

and

365

day

(cc/

g)

50.0-40.0-30.0-20.0-10.0-010.020.030.040.050.0

01-1.01.0-50.050.0-10.010.0-600.0

04CPO 5CPO 006CPO 4OCE 005OCE 6OCE 0

(retemaid eroP )m

Incr

ease

decr

ease

Fig. 5 Difference of pore volume between 28day and 365day

Cement Science and Concrete Technology, No.61, 2007

103

3. 2 圧縮強度Fig. 4 に圧縮強度の測定結果を示す。材齢 28 日まで

はどの W/C においても EC の方が OPC よりも圧縮強度は高かったが、材齢 365 日においては高水セメント比では逆に OPC の方が高い結果を示した。3. 3 水銀圧入法による細孔量と分布

Fig. 5 に材齢 28 日と材齢 365 日における細孔量の変化を示す。差が正である試料は材齢 28 日から材齢 365日にかけてその区間の細孔量が増加していることを示し、差が負である試料は逆に減少していることを示す。図より 100nm 以上の細孔は EC60 を除いた試料全てで減少したが、区間 50nm ~ 100nm の EC の細孔量は全て増加した。

4. 考察4. 1 強度発現に及ぼす水和率の影響

Fig. 6 に水和率と圧縮強度の関係を示す。水和率と圧縮強度の関係は、水セメント比ごとに EC 及び OPC に関係なくおおむね相関関係があることが示された。つまり、OPC 及び EC に関わらず同一水和率であればほぼ同一の強度であり、EC が材齢初期に強度発現が大きい

のは水和反応が早期に生じたためであり、材齢 28 日以降に強度があまり増進しないのは水和反応が生じないためである。しかしながら、水和反応がほぼ終了しているにもかかわらず高水セメント比で長期材齢において強度低下が生じた原因については説明できない。4. 2 強度発現に及ぼす空隙量の影響

Fig. 7 に 50nm 以上の細孔量と圧縮強度の関係を示す。細孔量と圧縮強度は、従来から示唆されている通り高い相関関係であった。つまり、長期材齢においてもEC 強度増進が見られないのは、Fig. 5 に示したように特に 0. 05 ~ 0. 1μm の粗大な細孔が残存し、細孔量の減少がほとんど見られないためであると考えられる。

一方、材齢 28 日以降で OPC の粗大な空隙が減少しているのはビーライトの反応が長期にわたって進行し、C-S-H を生成し空隙を充填したためであると考えられる。ビーライトを多く含むセメントは長期強度が大きく増加することは良く知られているが、EC は OPC に比べてビーライトが数 % 少ないために長期強度発現にこの影響が大きく及ぼしたと推察される。

また、反射電子像から求められた空隙量と圧縮強度の関係を Fig. 8 に示す。反射電子像から求められる空隙は、

0010203040506070809

18.06.04.02.0

04CE 4CPO 005CE 5CPO 006CE 6CPO 0

noitardyh fo eergeD

Com

pres

sive

stre

ngth

(MP

a)

Fig. 6 E ff e c t o f d e g r e e o f h y d r a t i o n o n compressive strength

0010203040506070809

51.01.050.00

y1-CEy1-CPO

d82-CEd82-CPO

)g/cc(mn05> ytisoroP

Com

pres

sive

stre

ngth

(MPa

)

0010203040506070809

51.01.050.00

y1-CEy1-CPO

d82-CEd82-CPO

)g/cc(mn05> ytisoroP

Com

pres

sive

stre

ngth

(MPa

)

Fig. 7 Effect of porosity on compressive strength

0010203040506070809

040302010

04CE 05CE06CE 4CPO 0

05CPO 6CPO 0

)%( IEB yb derusaem ytisoroP

Com

pres

sive

stre

ngth

(MP

a)

0010203040506070809

040302010

04CE 05CE06CE 4CPO 0

05CPO 6CPO 0

)%( IEB yb derusaem ytisoroP

Com

pres

sive

stre

ngth

(MP

a)

)%( IEB yb derusaem ytisoroP

Com

pres

sive

stre

ngth

(MP

a)

Fig. 8 Effect of porosity measured by BEI on strength

0

20.0

40.0

60.0

80.0

1.0

21.0

41.0

159.09.058.08.0

04CE05CE06CE

04CPO05CPO06CPO

Poro

sity

>50

nm(c

c/g)

noitardyh fo eergeD

0

20.0

40.0

60.0

80.0

1.0

21.0

41.0

159.09.058.08.0

04CE05CE06CE

04CPO05CPO06CPO

Poro

sity

>50

nm(c

c/g)

noitardyh fo eergeD

Fig. 9 Relationship between degree of hydration and porosity between 28 days and 365 days

Cement Science and Concrete Technology, No.61, 2007

104

1 画素の大きさが 0. 32μm であるのでそれ以上の大きさをもつものである。図より空隙量が多い範囲においては傾きが緩やかな直線関係が見られ、空隙量が少ない領域(5% 以下)では勾配が大きい直線関係となっておりこの範囲、つまり強度が高い範囲では空隙量が強度に大きく影響を及ぼすことがわかる。

Fig. 9 に材齢 28 日と 365 日の水和率と 50nm 以上の空隙量の関係を示す。OPC では全ての水セメント比において水和率の増加とともに空隙量が減少しているにもかかわらず、EC では W/C=40% 以外では逆に空隙量が増加する結果となり、水和率だけでは空隙量の増加の説明はできない。4. 3 強度発現に及ぼす局部弾性係数の影響

Photo. 1 に示した反射電子像から OPC では C-S-H が一様に分布している様子が観察できるが、EC では局所的にフェライト相などの未水和セメントが残存し、また、針状に CH が存在しており組織が OPC に比べて不均一であることが観察できる。これを弾性係数によって定量的に表すことを目的とし、Fig. 10 に W/C 0. 5、材齢 1 年のインデンテーション法により測定した局部弾性係数の分布を示す。インデンテーションは 10μm 間隔で格子状に測定を行った。OPC では一様に 20-30GPaの弾性係数が存在しているが、EC では弾性係数の高い部分(UH、CH に相当)が多いが低い部分も混在している。このことから EC は負荷がかかった場合には、応力負担が一様ではなく応力集中が生じると考えられるため OPC と比較すると圧縮強度がそれほど増加せず、この不均質な組織が要因の 1 つであると考えられる。

次に強度発現に及ぼす粗大空隙量とマトリックスの強度の影響を明らかにするためにこれら 2 つの要因を同時に説明変数として検討を行った。これら 2 つの要因を取り入れ予測した圧縮強度は、CH、UH 及び空隙以外の C-S-H として EDX により測定された局部弾性係数の平均値と 50nm 以上の細孔量を説明変数として次の式によって求めた 8)。

σ= aE×exp(-bP) [2]

ここに、σ : Compressive strength(MPa)

E : Elastic modulus(GPa) P : Volume of large pore(cc/g) a、b : Constant(a=3. 5、b=5. 8)

Fig. 11 に実測した圧縮強度と予測した圧縮強度の関係を示す。予測した値と実測値はよく一致し、微小領

Fig. 10 Distribution of Elastic modulus in cement hardened paste(W/C 0. 5, year)

x6199.0 = yR2 1687.0 =

0

02

04

06

08

001

001080604020

)aPM( htgnerts evisserpmoc derusaeM

Pred

icte

d co

mpr

essi

ve st

reng

th (M

Pa)

x6199.0 = yR2 1687.0 =

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02

04

06

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001080604020

)aPM( htgnerts evisserpmoc derusaeM

Pred

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d co

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ve st

reng

th (M

Pa)

Fig. 11 Predicted strength calculated from elastic modulus and coarse porosity

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

2.051.01.050.00aC/lA

Si/C

a

CE

CPO

5.16.1

4.13.12.11.1

8.10.2

0.3

Ca

/ Si

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

2.051.01.050.00aC/lA

Si/C

a

CE

CPO

5.16.1

4.13.12.11.1

8.10.2

0.3

Ca

/ Si

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

2.051.01.050.00aC/lA

Si/C

a

CE

CPO

CE

CPO

5.16.1

4.13.12.11.1

8.10.2

0.3

5.1 5.16.1 6.1

4.1 4.13.1 3.12.1 2.11.1 1.1

8.1 8.10.2 0.2

0.3 0.3

Ca

/ Si

Fig. 12 Atomic ratio in C-S-H of pastes

%0%01%02%03%04%05%06%07%08%09%001

-CPOyad82

-OCEyad82

-CPOraey1

-OCEraey1

i2Qp2Q

1Q0Q

Frac

tion

of c

ompo

sitio

n

%0%01%02%03%04%05%06%07%08%09%001

-CPOyad82

-OCEyad82

-CPOraey1

-OCEraey1

i2Qp2Q

1Q0Q

Frac

tion

of c

ompo

sitio

n

Fig. 13 Composition of silicate anion structures in OPC and EC

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域での C-S-H の弾性係数と粗大な空隙を考慮することにより圧縮強度は予測可能である。すなわち、巨視的な圧縮強度はそれぞれの要因単独で説明することは難しいが、微小領域での C-S-H マトリックス強度と粗大な空隙の 2 つの要因によって決定され、EC も OPC もそれは同様である。4. 4 C-S-H の組織構造

ここで材齢 1 年の OPC 及び EC の C-S-H の元素組成を EDX によって点分析を行った結果を Fig. 12 に示す。どちらのセメントもほぼ C-S-H の元素組成は同一であり EDX 測定から C-S-H の構造の差異は認められなかった。また、Fig. 13 に NMR によって試験体中のSi 鎖の状態を測定した結果を示す。Q0 は未水和セメントの量を示し、Q1、Q2p、Q2i はそれぞれ 2 量体、主に H2O 又は OH- が近傍にある鎖状構造及び H2O、OH-

又は Ca2+ が近傍にある鎖状構造を示す。材齢 28 日では OPC と EC の Si 鎖の状態は異なったが、材齢 1 年においてはほぼ同様の測定結果が得られた。これは初期

に大きく EC の水和反応が進むが、OPC が EC と同程度の水和率になった際には Si 鎖の状態はほぼ同様であり、長期材齢においては C-S-H 中の Si 鎖構造は同様であることが示された。このことから EDX 測定と NMR測定により得られた C-S-H 組成から強度発現性が異なった理由は説明できない。

ところで C-S-H は内部水和物と外部水和物の 2 つの構造を持つことが広く知られている。そこで本研究において測定された弾性係数がその 2 つの C-S-H から形成されていると仮定し、C-S-H 中に含まれる内部水和物量

(VH)と弾性係数(E)の関係を試算した結果を Fig. 14 に示す。ここで外部水和物の弾性係数(EL)は 18. 1、内部水和物の弾性係数(EH)は 30. 0GPa とした 9)。図より材齢 28 日の C-S-H はどちらのセメントも体積比で 50%以上の外部水和物で構成されているが、材齢 1 年において OPC は 60% 以上が内部水和物で形成されている。

0

5

01

51

02

52

03

53

18.06.04.02.00

d82-CEy1-CE

d82-CPO1-CPO y

HSC-rennI fo emuloV

Elas

tic m

odul

us (G

Pa)

LHHH EVEVE )1( −+=

0

5

01

51

02

52

03

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18.06.04.02.00

d82-CEy1-CE

d82-CPO1-CPO y

HSC-rennI fo emuloV

Elas

tic m

odul

us (G

Pa)

LHHH EVEVE )1( −+= LHHH EVEVE )1( −+=

Fig. 14 Relationship between Elastic modulus and volume of inner-C-S-H in pastes

Fig. 15 BEI and binary image(black:low density phase)of EC and OPC(W/C 0. 5, 7day and 365day)

Photo. 2 BEI of Hydrotalcite-like hydrate(H)and C-S-H(C)in EC at 365days

Cement Science and Concrete Technology, No.61, 2007

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しかし、EC では低水セメント比(40%)だけが 60% 以上の内部水和物を含む結果となった。このことから高水セメント比の EC において強度発現がなされないのは内部水和物の形成がなされないためであると考えられる。つまり、EC のように材齢初期に大きく水和反応が進む場合、多くの外部水和物が材齢初期に生成され、材齢後期に内部水和物の生成が少なく、密実な C-S-H が形成されない可能性が示唆された。このことは、H. Jenningsら 9, 10) が提案している C-S-H のモデルにより説明が可能である。Jennings らは C-S-H が低密度(LD-C-S-H)もしくは高密度(HD-C-S-H)に凝集するモデルを提案している。LD-C-S-H は初期に多く形成され、C-S-H の弾性係数が低く、ゲル空隙率が高い。逆に HD-C-S-H は弾性係数が高くそれに含まれるゲル空隙率が低いと報告しており、それぞれが本研究で仮定した外部水和物と内部水和物に該当し、C-S-H の組成は同様であるが凝集形態が異なるこのモデルにより本研究結果を説明でき、EC の水和物の凝集形態が OPC と異なることが示唆された。4. 5 セメント硬化体中の水和組織

Photo. 2 に材齢 1 年の高水セメント比の EC 中における水和生成物を示す。材齢 1 年では Photo. 2 の上図に示すような Mg が多く含まれているハイドロタルサイト系の水和物が多く生成されているのが観察された。また、C-S-H 中の中央においてアルミネート系の水和物が膨張しひび割れを生じているもの(1 点から拡がるひび割れの形状から膨張ひび割れと判断、Photo. 2 下図)も観察された。これらの水和物(ひび割れを含む)は低輝度な部分として反射電子像で表され、その輝度値から低密度なものであることがわかる。一般に低密度なものは高密度なものに比べて強度は低く、また観察されたようにこれらの水和物は内部に空隙を含んでおり欠陥部とし

て作用すると考えられる。そこで空隙を含むそれら低密度な部分(ハイドロタルサイト系水和物を含む)を強度に寄与しないものとして反射電子像の中で 2 値化処理を行い抽出した結果とその反射電子像を Fig. 15 に示す。図中の黒い部分が強度に寄与しない部分を示し、数字は全体に対する割合を示す。EC は材齢 7 日から 1 年にかけて低密度部分が 2% ほど増加しているのに対して、OPC では 6% の減少が見られた。つまり、EC では強度発現が小さい要因はこれらの低密度な水和物が生成されたためである。よってこれらの生成物を制御することにより強度発現を改善することが可能であると考えられる。4. 6 微細構造に及ぼす混和材料の影響

Photo. 3 に Slag 及び FA を混和した EC の材齢 1 年の反射電子像を示す。Photo. 1 と比較すると水酸化カルシウムがほとんど見られず、C-S-H が密に充填されており、低密度な部分はほとんど観察されなかった。混和材を用いた試験体の強度発現については別報 6) で示したように材齢 1 年において EC のみよりも増進しておりその改善がみられる。また、筆者らは混和材で置換したEC 試験体に水銀圧入法を適用し、粗大な空隙が大幅に減少することを報告しており 11)、これは反射電子像観察結果と一致し長期材齢において EC 単体より空隙の少ない密な構造を形成していることがわかる。つまり、混和材を適度に添加することにより EC のみの水和物では充填できなかった空隙を混和材由来の C-S-H を含む水和生成物が長期的に充填することができるためにEC の長期強度発現が改善される。

5. まとめ本研究で材齢 365 日までのエコセメントを用いたセ

メントペーストの強度発現に及ぼす微細構造の影響について検討を行った。

その結果、EC を用いた高 W/C のセメントペーストの長期強度の伸びは、OPC を用いたものよりも低く、一部の試料では強度が低下する結果であった。その理由として水銀圧入法によって測定できる細孔直径 50nm以上の細孔量や反射電子像で観察できる粗大な空隙が減少しないことと EC の不均一な組織構造があげられる。つまり、水和組織の幾何学形状が強度発現に影響を与えることが示唆された。

さらに C-S-H 個々の構造は OPC と EC ではほぼ同一であるが、高水セメント比の EC では材齢初期に形成される低密度な C-S-H が材齢後期においても多いことと、ハイドロタルサイト系の水和物の生成によって空隙量が増加したために長期材齢において強度の増進が大きくないこと明らかにした。

しかし、低 W/C においてはカルシウムシリケート相の絶対量が多く長期にわたって水和反応が進むために細孔量の減少が見られ強度増進も見られた。また、フライアッシュ、高炉スラグといった混和材を適量置換するこPhoto. 3 BEI of EC mixed with Slag and FA(1year)

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EFFECT OF MICROSTRUCTURE ON STRENGTH DEVELOPMENT OF ECO CEMENT PASTE

Kiyofumi KURUMISAWA 1, Yasutaka HIRUKAWA 2, Daisuke MINATO 1 and Toyoharu NAWA 1

1 HOKKAIDO UNIVERSITY, Graduate school of engineering (Kita 13, Nishi 8, Kita-ku, Sapporo-shi, Hokkaido 060-8628, Japan)

2 NTT WEST CORPORATION (3-15 Bamba-cho, Chuo-ku, Osaka 540-8511, Japan)ABSTRACT:Eco cement made from household waste is recently developed. However, Eco cement is not widely used for construction yet. Because eco cement is new material, the mechanism of long-term strength development is not cleared. Therefore, in this study we examined strength development of eco cement paste with microstructure. Mercury intrusion method (MIP), backscattered electron image, element image measured by energy dispersive X-ray analysis and Indentation method was used for clarifying microstructure. Porosity of eco cement measured by MIP at early age is lower than that of OPC. After 28days, strength of OPC is larger than that of eco, because porosity of OPC is smaller than that of eco. From backscattered electron image, there are porous patches in eco cement paste. And the microstructure of eco-cement is heterogeneous compared to that of OPC by Indentation method and BEI observation. Consequently, it was shown that it was eff ective for using Eco cement to make the hardened cement paste with a low water cement ratio or mixed with mineral admixtures.KEY WORDS:Eco cement, Microstructure, Backscattered electron image, Energy dispersive X-ray analysis, Element mapping, Long term strength development, Indentation method, Mercury intrusion method

とにより硬化体中の C-S-H の生成が多くなるため強度増進が見られ、上記 2 点を考慮することにより長期強度の改善が行える可能性を示した。

謝辞:本研究で使用したエコセメントは太平洋セメント株式

会社より提供いただき、測定にあたっては北海道立工業試験所 金野 克美氏、松嶋景一郎氏にご協力を頂いた。ここに記して謝意を示す。

参考文献:1) 例えば棚野博之ほか:普通エコセメント使用したコ

ンクリートの調合、力学特性および耐久性に関する研究、コンクリート工学、Vol. 40、No. 7、pp. 16-24

(2002)2) 例えば多田克彦、天野重治、鵜澤正美:普通エコセ

メントを用いたコンクリートの高性能化と長期強度改善に関する研究、日本建築学会大会学術講演概要集(近畿)、材料施工、pp. 81-82 (2005)

3) 松下哲郎ほか:エコセメントの水和反応の温度依存性に関する研究、コンクリート工学年次論文集、Vol. 28、pp. 623-628 (2006)

4) 胡桃澤清文、蛭川泰卓、名和豊春:エコセメントを使用したセメントペーストの微細構造と強度発現、セメント・コンクリート論文集、No. 60、pp. 134-141

(2006)5) 蛭川泰卓、名和豊春、胡桃澤清文:XRD リートベ

ルト法によるエコセメントの水和解析、セメント・コンクリート論文集、No. 60、pp. 142-148 (2006)

6) 胡桃澤清文ほか:XRD- リートベルト法によるエコセメントの水和性状解析、セメント・コンクリート論文集 (投稿中)

7) D. Minato et al.:Structural studies of calcium silicate hydrate measured by solid state NMR、 第61 回セメント技術大会講演要旨、pp. 82-83 (2007)

8) E. Ryshkewitch:Compression strength of porous sintered alumina and zirconia, Journal of the American Ceramic Society, Vo. 36, No. 2, pp. 65-68

(1953)9) Hamlin M. Jennings et al.:A multi-technique

investigation of the nanoporosity of cement paste, Cement and Concrete Research, Vol. 37, pp. 329-336

(2007)10) Ham l i n M . J e n n i n g s:A mode l f o r t h e

microstructure of calcium silicate hydrate in cement paste, Cement and Concrete Research, Vol. 30, pp. 101-116 (2000)

11) 胡桃澤清文、蛭川泰卓、名和豊春:エコセメントペーストの微細構造形成に及ぼす各種混和材料の影響、コンクリート工学年次論文集 (2007)