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MaaSの概念
• 「Mobility-as-a-Service (MaaS)」は、「サービスとしてのモビリティー」や「モビリティーのサービス化」。
• 従来のように移動手段を車や自転車の所有という「モノ」で提供するのではなく、「サービス」として提供する概念
• 出発地から目的地までの移動ニーズに対して、個人やグループ、世帯などの多様な移動パターンに対応した最適な移動手段を提供するサービスの総称
• 一つの媒体(スマホ)で、移動経路の提供、移動手段の予約、発券、決済までを一括で行うサービスや月額定期や乗り放題等のサービスが実施されている。
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あなたのポケットに全ての交通を:MaaSとは、自動車という伝統的な交通手段に対して、新たな選択肢を提供しようという概念である。マイカーという魅力的な移動手段と同等かそれ以上に魅力的な交通サービスを提供し、持続可能な社会を構築していこうという全く新しい価値観やライフスタイルを創出していく概念
自家用車中心の社会
↓MaaS↓
多様なモビリティの社会
にパラダイムシフト
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MaaSの構造
出典)日高・牧村・井上・井上(2018):MaaS~モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ、日経BP
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MaaSの基本機能
出典)アーサーDリトル
MaaSの統合レベル
6出典)Jana Sochor他(2017):A topological approach to Mobility as a Service
統合なし個々の移動毎に個別対応
情報の統合マルチモード移動計画, 運賃情報
予約・支払の統合単一トリップ化-検索, 予約, 支払
提供するサービスの統合パッケージ化/定額, 事業者間契約等
社会全体目標の統合地域政策との統合, 官民連携
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MaaSが注目される理由
医療介護シェア
自動化
観光
スマートシティ
MaaSエネルギー
農業
住宅不動産
保険金融
小売り
保育
行政主導のMaaS
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ヘルシンキ 交通ビジョン2050:自動車に依存しない都市のあり方を提案
出典)ヘルシンキ市都市計画局
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ヘルシンキ(人口120万)のWhim:公共交通、タクシー、レンタカー等の交通手段を一つのアプリで移動計画、予約、決算できるサービス。MaaS Globalが16年6月から運営(技術庁、運輸通産省が助成)。18年4月にバーミンガム、10月にアントワープ、2019年早々にはシンガポールで導入予定
11出典)Whim公式サイト(2018年4月12日時点)
Whimの運賃体系(サブスクリプションを採用):
3つの運賃体系により、499ユーロで公共交通、タクシー(5km以内)、レンタカー、カーシェアリングが使い放題
12出典)MaaS Global社
二輪車
• 交通関連の法律を一本化、交通サービスを一つのサービスへ
• 交通サービスのデジタル化とデータのより効率的な利用を促進し、ユーザー指向のモビリティサービスを実現(人、モノ両方を対象)
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出典)Source: Krista Huhtala-Jenks, Digital Services and Mobility as a Service at Ministry of Transport and
Communication.
フィンランド政府:交通サービスに関する法律(Act on Transport Services)
第1弾:交通関連の各種規定を一本化・データ及び情報システムの相互運用確保を義務づけ・経路、時刻表、予約システム、支払い等
第2弾:航空、海運、鉄道サービスとそれに携わる資格要件を緩和・データのオープン化が中心的役割をなす・サービスプロバイダーはサービス内容、価格等の重要データ開示義務付け
アン・バーナー交通大臣「モビリティを顧客に包括的サービスとして提供する真の機会を与えます。フィンランドはこの研究のパイオニアであり、競争力を発揮しています」2017.05.24記者発表
出典)牧村和彦(2018):モビリティ革命の最前線、未来投資会議構造改革徹底推進会合、平成30年4月17日
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デジタル世代に対応した交通戦略:2018年5月に策定、加えてMETROが2028年までに公共交通や新しいモビリティの利用を倍増する目標を策定
米国・ロサンゼルス市
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デジタル世代に対応した交通戦略:米国・ロサンゼルス市
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GoLA:ロサンゼルス市がゼロックスと共同開発したマルチモーダルサービスのアプリ。
出典)牧村和彦:変身するLA、日経新聞 モビリティー革命進行する米国(下)、2018年8月13日
• フランス:– MaaSを推進していくモビリティ指針法(LOM)が準備中
• オランダ:– 2019年から2~3年間、政府主導で7地域でMaaSの試行が開始予定
• スペイン:– 2018年8月~マドリッドで公共交通と他モード一体のアプリを交通局が提供開始
• アメリカ:– Mobility on Demand(MOD) の全米プログラムを実施中(11の事業が採択され、約8億円の事業として開始)
– ロサンゼルス市は今秋から公共交通と他モード一体で利用できるようTapを拡充( TAPforce)、マルチモーダルアプリLAGoと連携
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その後、他国の状況
自動車会社主導のMaaS
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CASEダイムラーとボッシュが描く将来モビリティ社会:
20出典)moovel社より加筆修正
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ダイムラーのMaaSアプリ「moovel(ムーベル)」:ルート検索、予約、決済(一部)が一つのアプリで可能
出典)moovel社
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1)マルチモーダル検索(鉄道、地下鉄、バス、レンタカー、タクシー、自転車シェア、駐車予約)
トヨタのMaaSアプリ「my route(マイルート)」:福岡を対象に、ルート検索、予約、決済(一部)、発券が一つのアプリで可能
出典)トヨタ自動車記者発表
4)発券(バス1日券、6時間券)
IT企業主導のMaaS
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オーストラリア発のMaaSアプリ「TripGO」:世界約500都市、3000以上の交通事業者に対応
出典)SKEDO社
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特徴
• オーストラリアのSKEDGO社が運営
• マルチモーダルな検索に加えて
• 個人の様々な趣向が考慮できる点が特徴的
• 多言語対応
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「TripGO」の初期画面:好みの交通手段を選択、交通の嗜好を入力(費用、時間、環境、利便性、エクササイズ)
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世界中の新しいモビリティーサービス事業者と提携し、事業を拡大しているSKEDGO社
MaaSが及ぼす都市への影響
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MaaSが及ぼす都市への影響
過度な自動車利用の抑制
マルチモーダル情報提供(時刻、経路、料金他)
最適な移動手段の選択
まちの賑わい復活
道路混雑の緩和
地球の環境改善
交通事故の減少、根絶
駐車場の縮小
スマートシティの実現
人中心の街路空間へリデザイン
移動の安全向上
人のための空間創出
MaaS新しいモビリティ
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出典)NACTO
モビリティ革命と街路のリ・デザイン:街路空間の利用効率を上げ、台数ではなく、移動人数を大幅に増加させ、地域活性化を実現
1万人/h
3万人/h以上
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1万人/hの輸送空間が3万人/hの空間に再編:パリ環状方向の街路を再配分
し、トラムでネットワーク化仏・パリ
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ダイナミックに路肩を運用する時代へ
午前11~午後4
午前6~11午後4~12
深夜12~午前6
出典)NACTO
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パークレット:路肩をダイナミックに運用する試みが世界各地で始まっている米国・サンフランシスコ
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変化する街路:グーグル親会社のアルファベット傘下のSidewalk Lab が提案する未来の街路
カナダ・トロント
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モビリティ革命を想定し、駐車場を40%削減し、自動運転やライドシェア用の乗降スペース設置する法案を審議中
米国・チャンドラー市
スマートパーキング:スマートシティの一環として、モビリティ革命を先取り、立体駐車場から路
上のスマートパーキングに投資、CBDに2800箇所に導入予定オーストラリア・アデレード
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駐車場廃止を考慮したオフィス設計:駐車場利用している地上部3フロアーは、オフィス転用も可能なデザインとなっている。シンシナティ
建築事務所Gender社デザイン
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ワシントンDCのクルマのないマンション:Organic urban living「 The
Vintage 」 出典)Valor Development
▲配車ラウンジ付
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サンフランシスコのMaaS付賃貸住宅:月100ドルの公共交通、配車サービス、公共交通短距離
UberPool利用可能な交通系ICカード付、「Car-Free Living」
出典) Parkmerced
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