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「自律と共生」に向けた 南部中コミュニティ・スクールの軌跡 鳥取県 南部町教育委員会 見世 直樹

「自律と共生」に向けた 南部中コミュニティ・スクールの軌跡 · ある。 80 46 地域社会などでボランティア活動に参加したことが ある。

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「自律と共生」に向けた南部中コミュニティ・スクールの軌跡

鳥取県 南部町教育委員会 見世 直樹

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鳥取県の西部にあるけど「南部町」

人口 11200人 世帯数3900世帯

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富有柿は海外へ

金田川ほたるの里

とっとり花回廊

全国柿の種吹きとばし大会赤猪岩神社

南部中学校区の自然文化環境

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南部中学校区 法勝寺中学校区

学校名 会見小学校 南部中学校会見第二小学校

西伯小学校 法勝寺中学校

指定年月日

H18.4.1 H21.9.1 H27.3.1 H21.4.1 H23.12.1

児童生徒数

185 105 10 378 215

運営協議会員

15名 11名 7名 13名 15名

部会

読書活動部

安全活動部

学習支援部

環境整備部

学習支援部

健全育成部

学習支援部

どくしょ部

学習支援部

生活支援部

交流活動部

GTA地域交流部

環境備部

あいさつ部

はたらく部

交流支援部

(1)南部町内すべての小中学校を指定

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⑵南部町「地域協働学校」の考え方

①地域とともに歩む学校教育

地域住民は地域の未来を託す子ども達の教育に無関心

であってはならない。それどころか一定の責任を負う。

=地域協働学校(コミュニティ・スクール)

②「期待される」学校

地域に開かれ、信頼される学校は教育関係者の責務

③「地方創生」に果たす教育の役割と同一基軸

ふるさとに学び、ふるさとを守り、ふるさとと共にあり続ける

子どもの育成

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1.停滞期(H21~22)• コミュニティ・スクール(以下CS)に対する教職員の理解は薄く、CS担当者がイベント的な活動に取り組む程度で、組織的な動きはなかった。

• 生徒の自尊感情、人間関係、学力差等課題は各々が認識していたが、校内研究は全体として機能していなかった。

• 身近に中学校CSの例はなく、具体的なイメージが持てなかった。

• CS委員も理念は理解できても、学校の具体的な目指すところ、課題が見えてこず、何に取り組んでよいかわからない、戸惑いの状態が続いていた。

• 学校が動き出すまでじっと待つことしかできなかった。

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2.転換期(H23~25)

・H23、7月 CS委員は、育って

ほしい生徒像について再協議

全教職員でも目指す生徒像に向け、重点項目の絞り込みの話し合いが始まった。

12月、全教職員と全CS委員で初の交流会を開催する。

・来年度(H24)に向けてグランドデザイン(以下GD)の作成に取

りかかる。

ポイント① 『ビジョンづくりと交流会のスタート』

・学校像「自律と共生」 ・めざす生徒像・取り組みの重点「挨拶・時間・汗(ひたむきさ)・関わり合い」

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・めざす学校像、めざす生徒像、取組の重点を共有する。

・全教育活動に「協同学習」の理念を活かす。

• GDにより、CSの関わり方(具体的プロセス)が明確になる。• 組織も校内研究部とCSの部会を連動させることになる。• 学校評価を生かし、PDCAを共に回すCSへ動き始める。

ポイント② 『学校組織マネジメントとCSとの連動』

ポイント③ 『学校の中が見える』 → 信頼づくりへ

学年課題に学校全体で対応。生徒自身も課題の自覚から目標設定へ。

・交流会(学期に1回)が、学年課題・解決方法を話し合う重要な場に・生徒会、 PTAの組織も協働するように3部会に組み込む。

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• 授業を見合い、自分の目指す授業像をつくる。• 生徒主体の活動・行事へ改善(先輩の学び合う良さを後輩へ受け継ぐ「チャレンジタイム」、応援合戦、クラス合唱等)

・CS各部もGDに沿い交流会を核にマネジメントを回す。・部目標、年度重点事項、一手を書き込める一覧表の作成。

3.確信期(H26~27)ポイント①教職員・CSと生徒が『本音の対話』

・「南中のこれからにつてCSと生徒代表が大いに語る会」CS主催・生徒達が目指す学校像「どの生徒も学校に来たくなる学校」「当たり前のことが当たり前にできる学校」等々実にシンプルだった。

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・小中一貫教育GDにCSの協働が入る。・小中一貫コミュニティ・スクールの目指す子ども像系統図を作成。

・小中でGDの枠を揃える。生徒の実態(良さや課題)も明記。・学校評価アンケート小中共通項目の設定

ポイント③ 小学校との一貫への動き~中学校区学校運営委員会~

・次の一歩(歩みだす方向)、次の一手(具体的な解決策)が明確になり、教職員とCS委員の共通理解も深まっていった。

• 3年間の生徒の伸びは、CS委員と共有。地域の人や小学校の先生方に、実際の授業を見て頂き、生徒の成長を実感。

ポイント②伸びの共有は、次への意欲

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①防災訓練地域振興協議会と連携、体験から「地域との話合い」へ。

②ふれあいデー部活動単位、環境整備等貢献重視から、地域交流メインに変える。

CS地域交流部が受入先の交渉・協力。③先輩に学ぶ

CS学習支援部が生徒教師の要望を受け、町内から人選・依頼。「まち未来科」の目指す4力を加味する。

④伝統芸能の伝承小松谷盆踊り保存会、着付け教室草鞋づくり。

ポイント④活動をより協働的内容へ

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4,成果 (3年間の変化) その1

授業に向かう姿勢がよくなった。

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その2

安心感や自信につながった。

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標準学力テスト全国比の年変化(現高1の3年生時)

その3

実際の学力も伸びが見られた。

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その4

南部町内長欠・不登校数(5小中学校)

減少傾向が見られる。

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その5 ~全国学テ質問紙より~

項目 H28 H27

物事を最後までやり遂げてうれしかったことがある。 98 97

友達と話し合う時、友だちの話や意見を最後まで聞ける。

92 97

友達に会うのは楽しい。 96

学級みんなで協力して何かをやり遂げうれしかった。 92 80

先生はあなたの良いところを認めてくれる。 80先生はまちがえたところや分からないところをわかるまで教えてくれる。

92

地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がある。

80 46

地域社会などでボランティア活動に参加したことがある。

88

住んでいる地域の行事に参加している。 68 62難しいことでも失敗を恐れないで挑戦している。 48 52自分には良いところがあると思う。 60 66将来の夢や目標を持っている。 68 71

まち未来科

を生かして

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誰もが安心して生活でき

る学校づくり

ふるさと愛着力、将来設計力、社会参画力

学力

人間関係形成能力(コミュニケーション能力)

地域・家庭・保小中との協働体制づくりコミュニティ・スクール、土曜開校

協同学習を理念とした

授業づくり・「まち未来科」

5、 発展期(H28~)4つの力を常に意識し、地域協働学校を基盤に土曜開校と「まち未来科」を生かす。

未来を生きる力

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まち未来科

全体構想図