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「官民連携によるオープンデータの推進と活用について」
ICAIS平成28年度第1回研究会
~ 倉敷市におけるオープンデータの取組事例から」~
2016.7.25
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倉敷市「データで紡ぐ高梁川流域連携事業」の概要
【背景・課題】 … 呉市でのレセプトデータ分析による年間1億円以上の医療費削減や、ニューヨークでの犯罪捜査データ分析による殺人発生数の85%削減等、高度データ利活用については、官民を 問わず多種多様な分野で大きな成果が報告されている。倉敷市でも、昨年度、携帯電話の位置データを 活用した、連携中枢都市圏の観光動態や商圏、医療圏の調査を委託し、ビッグデータ利活用の有用性 を実感したところである。しかしながら、圏域に高度データ利活用のノウハウは蓄積されておらず、その ことが隘路となり、高度データ利活用の有効性を圏域の地方公共団体や中小の民間団体が、より広い 分野でフレキシブルに活かせる状況にはない。
【目的・概要】 … 高度データ利活用のノウハウを圏域内で蓄積、運用し、公共的な高度データ利活用サービスを提供する「公共データサイエンティスト」を育成・移入すると共に、そのスキル・シェアリング の拠点となる「公共データサイエンティスト法人」を整備して、連携中枢都市圏の地方公共団体と、「高度データ利活用圏域」を共創する。更に当該法人を高度データ利活用技術を学んだ学生や有スキル者 の雇用及びビジネスマッチングの場として拡充していく。まず、本年度は倉敷市が当該法人に対し、下記 の業務を委託する。
●民間と融合したオープンデータの推進とそれらの分析による地域特性やリスクの把握と予測
●セミナー開催やデータ分析サロン運営によるデータリテラシの底上げと共創イノベーションの創出
【先駆性】 … データの標準化と集積による連携中枢都市圏の結び付き強化及びそれらを活用し多種多様な地域課題を発見、解決する公共データサイエンティスト(法人)のノウハウは他地域の参考となる先駆性を有する。
【事業の主旨】 … オープン&ビッグデータの利活用により、官民のサービス品質の向上や効率化及び新たなビジネスの創出が期待される。一方、圏域内での データ利活用のための「仕組み」や「人材」の状況は十分とは言えない。
そこで、公益団体の形態を前提としたデータ利活用法人の起業を促進し、 その活動を通じて、圏域内でのオープン&ビッグデータの利活用を推進する。
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倉敷市「データで紡ぐ高梁川流域連携事業」の概要
【事業の経緯】
平成27年3月 倉敷市よりRFI( Request For Information 情報提供依頼書)が出される
地域のICT活用による活性化を目的として設立、活動している特定非営利法人地域ICT普及協議会はこれに応募した。他に、高梁川流域情報ネットワーク、株式会社NDSの2団体も参加した。
平成27年8月 倉敷市よりRFP( Request For Proposal 提案依頼書)が出される
事業実施の提案、推進母体として「法人」の設立を前提にRFI参加3団体が共同提案の形で参画することとなった
平成27年10月 「一般社団法人データ クレイドル」を設立
市の意向を受けて「公益社団法人」の設立を検討したが、当初から公益法人化は時間的にも条件的にも難しいことから、まず一般社団法人を設立、公益法人化を目指すこととした。
平成27年10月 一般社団法人による業務の受託
倉敷市と一般社団法人データ クレイドルとの間で業務委託契約を締結
平成27年11月 オープンデータ利活用事業として活動開始
翌年度早い段階で「公益社団法人」への組織替えを目指すこととしている
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一般社団法人データ クレイドルの概要
団体名 一般社団法人データ クレイドル
代表者
職・氏名代表理事 新免國夫
所在地
倉敷市阿知1丁目7-2
くらしきシティプラザ西ビル
7階706
設 立 2015年10月1日
連絡先
(TEL)086-427-0885
連絡先
(Mail) [email protected]
URLhttp://d-cradle.or.jp/
http://dataeye.jp/
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事業の実施方針
民間の立場から「参加」と「協働」による「オープンデータ・ビッグデータ」の活用
による地域活性化を図るため、オープンデータ化等の促進とその活用技術の向上と普及
、 「公共データサイエンティスト」の育成、地域社会における普及啓発などの活動を行
うことによって、地方創生の推進と地域経済の活性化に貢献したいと考えている。
そのために、高梁川流域において、「公共データサイエンティスト」の活動とデータ
の高度な利活用による「まちづくり・地域づくり」を目指す「公共データサイエンティ
スト法人」として業務を推進する。
・公共データサイエンティストの育成
・オープンデータの推進
・データ分析・ビジュアライゼーションの推進
・データ分析セミナーの実施
・データ分析サロンの設置運営
・ビッグデータ・人工知能の研究
しかしながら、すべてを地域で自給自足、自立することは難しく、国の仕組みなど既
存のものも活用し、地域がすべきことを明確にして、国・県等の仕組みとの連携を図り
つつ、本事業の意義や役割、事業の独自性を追求して行く。併せて、中立的立場から広
く関係団体・企業の協力を得ながら活動することとする。
当法人の業務が高梁川流域の市町の皆様のご期待に添えるものとなるよう、努力して
行くものとする。
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オープンデータ・ビッグデータの利活用推進のために
1 自治体・地域・関係団体・大学との連携を図る
2 先進地域・団体、業界団体との連携を図る
3 技術支援により効果的に実施する
高梁川流域オープンデータミーティング
協力ベンダー
共同事業体
特定非営利活動法人地域ICT普及協議会
(APRICT)
一般社団法人データ クレイドル
圏域自治体
倉敷市様 協議・協働
オープンデータ
推進
事業実施(主体)
県および圏域外自治体等連携
株式会社エヌディエス(NDS)
株式会社倉敷ケーブルテレビ(KCT)
(高梁川流域情報ネットワーク事務局)
メディア連携
サーバー・WEBシステム・デザイン
学術機関
圏域企業・団体・個人
地元
金融機関
データ活用
協働
活用等支援
外部連携機関 一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進
機構
一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・
ジャパン、一般社団法人リンクデータ
IoT推進コンソーシアム、おかやま IoTコンソーシアム
中国地域ICT利活用研究会、中国経済連合会
岡山情報通信技術研究会、(公財)岡山県産業振興財団
新見市、高梁市、総社市、
早島町、矢掛町、井原市、
浅口市、里庄町、笠岡市敷
市
Code for KURASHIKI(任意団体設立)
LOCAL GOOD KURASHIKI(WG)
※いずれも事務局は一般社団法人内に置く
共同研究・人材育成
協力有識者等(アドバイザ
ー) 専門家招聘
技術支援等
岡山大学
岡山県立大学 等
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データ活用サービスの考え方
複数の民間団体や地方公共団体が適切な権限設定のもと、共同利用可能なオープンデータ・カタログサイト・サービスを構築、運営を実施します。
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1.データ整備 (データを集める・整える)
①二次利用できるように収集、匿名化、標準化、整形するオープンデータ化支援
2.データ公開 (データを蓄える・公開する)
②オープンデータを蓄積し公開する「データポータル」構築・運用
3.データ活用 (データを二次利用する)
③データを活用できるインターフェイス(API:Application Programming Interface)やアプリ等の開発・販売
④データ分析およびグラフ化、マップ化などのビジュアル化
⑤データ利活用セミナー等の人材育成
⑥データ活用実証、人工知能等の調査研究
⑦データ分析サロン(体験、相談)運営、共創型イベント(アイデアソン、ハッカソン)等の普及啓発
データ活用サービス
倉敷市
圏域自治体
民間等
データセット
データセット
データセット
データセット
・・
①オープンデータ化支援
②データポータル構築・運用
③API、アプリ開発・販売
④データ分析・視覚化サービス
一般社団法人データクレイドル
⑤人材育成、⑦調査研究、⑥普及啓発
新サービス新ビジネス創出
観光分野
教育分野
・・・分野
データ整備 データ公開データ活用(二次利用)
地域の住民へのサービス向上
企業活動の効率化
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「目」をモチーフにオープンデータ、ビックデータからの新たな「発見」、「興味」、「気づき」を表現し、円の中心から放射状に広がるカラフルな色で多種多様なデータと今後の可能性を表現しています。
オープンデータポータルサイト dataeye.jp
圏域※のオープンデータを分析した結果を図やグラフなどを活用して、わかりやすくお伝えします。地域の現状や課題の「見える」化を目指します。
圏域※のオープンデータを検索・ダウンロードできる「カタログ」サービスです。
ダウンロードしたデータは、商用・非商用を問わず、誰でも自由に再利用できます。
圏域※の課題解決や企業活動等のために公開してほしいデータ、または公開したデータを活用するアイデアなど、意見・要望を受付けています。ご意見・ご要望の反映状況も公開していきます。お気軽に
投稿してください。
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データから見えるもの
学生チャレンジコンテンツ
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データカタログ
圏域自治体・企業・団体等が公開または提供する情報を、国のガイドラインにもとづき二次利用可能な利用ルールを適用し、機械判読に適したデータ形式で公開します。
地方公共団体オープンデータ推進ガイドライン『オープンデータをはじめよう~地方公共団体のための最初の手引書~』
H27/8/3改定
「オープンデータガイド第2版一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構 2015年7月30日
★二次利用可能な利用ルールCC-BY(クリエイティブコモンズ表示2.1日本または4.0国際)を用います。
★メタデータメタデータ(どのようなデータであるかを示す情報)の項目は、国の標準仕様に準拠します。
★機械判読に適したデータ形式H27年度は、オープンデータ評価基準「5 ★ OpenData」における★4に対応します。★5 LOD(Linked Open Data)ははH28年度中に対応予定です。
★検索や管理がしやすいよう、データを分類し、タグ付けを行います。分類、タグは国の標準仕様に準拠します。
団体名から検索
タグ名から検索
データグループ名から検索
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アイディアボックス
オープンデータの促進と利活用のためには、情報提供者側のみの事情によることなく、利用者側の要望を把握し、迅速にカタログ化するとともに、活用事例の提示、活用支援を行うことが重要です。
このため、常時、欲しいデータのニーズ把握と、利活用に関するアイディアの募集を行うものです。
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★データ作成の指針1.オープンデータをはじめよう~地方公共団体のための最初の手引書~
(平成27年8月3日改定版)2.オープンデータガイド第2版
オープンデータ登録・管理システム
メタデータ付与
ライセンス表示
指針に基づく機械判読データ作成 データの分類・タグ付け
オープンデータ登録~公開承認
オープンデータ公開・ダウンロード
実績カウント
自治体・企業・団体等◆ログインして手軽に登録
・様々なデータ形式に対応・画像やPDF等のデータでも可・簡単な画面でメタデータやタグも付与可能・データの所在情報(URL)のエントリーも可能
◆指針対応機械判読データ作成依頼(→データクレイドル)
データ登録
承認公開
参照・ダウンロード
オープンデータ利用者
参照・ダウンロード
★CKAN連携
オープンデータ登録・管理システム
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1.ログイン2.簡単アップロード公開用ファイルメタデータ(CSV)をドロップ→ プレビューで確認
OR データセットメニューから登録
★ポリシー機械判読形式標準化様式タグ付与CC-BYライセンス
連携用
加工依頼する 承認依頼する
ログイン
高梁川流域圏カタログサイト
加工 承認する
公開
※既存メタデータを流用する機能も装備予定
3.加工依頼 OR 承認依頼
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データ分析サロンの設置・運営データ活用テストベットとアイデア創発の場として、データ分析サロンを設
置し、利用率と議論の質を高め、イノベーションの創出につなげる 。
項目 内 容
開設時期 2016年2月
場 所一般社団法人データ クレイドル事務所内場 所 :倉敷市阿知1丁目7-2くらしきシティプラザ西ビル7階 706号アクセス:JR倉敷駅前
営業予定時間 平日10時~17時
対象者 サロン会員(圏域自治体・企業・団体・学生等)※登録無料
利用料 無料
サービス内容
■提供サービスデータ活用ツールの体験利用(説明要員含む) ・関連書籍、刊行物等の閲覧 ・先進事例等の紹介サロンSNS・グループウェア(オンラインの議論の場)の使用■設備パソコン(インターネット) プリンタ プロジェクタ 会議/作業スペース(6名程度)■データ活用ツールオープンデータ登録・管理システム オープンデータポータルサイト(エリアEYE(仮称))Tableau R(R Studio含む) IBM Bluemix GIS(ArcGIS相当)その他協力ベンダからサンプル提供されるツール■共創型サロンイベントオープンデータ・カフェ(アイデアソン・ハッカソン)オープンデータを活用したアプリ開発(githubの基礎知識、アプリのfork等)の講習・ハンズオン等を含むハッ
カソンやアイデアソンを地域住民、学生を対象に開催メディアにおけるデータ活用研究会商工、観光、教育等様々な分野の専門家と高度データサイエンティストをマッチングし、データを活用した新た
な公共サービスやビジネスモデル形成に向けた研究会
体 制運 営:一般社団法人データ クレイドル協 力:Code for KURASHIKI(設立済)LOCAL GOOD KURASHIKI(設立予定)
外部招聘専門家(データサイエンティスト)
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■基調講演「オープンデータの推進について」内閣官房 犬童参事官
■特別講演「オープンデータから「ビジネス」を生む視点」川島 宏一 (筑波大学 システム情報系社会工学域 教授
データサイエンスセミナー【座学】データ利活用入門講 師:一般社団法人データ クレイドル教 材:総務省開発教材改編「データ利活用計画策定と評価」
【座学+実習】データサイエンス入門講 師:岡山大学社会文化科学研究科 長畑 秀和教授実習環境:Excel、Rが利用できるパソコン教 材:Rコマンダーで学ぶ統計学(抜粋)、演習教材一式
【デモ】データ分析体験コーナー設置説明員 :一般社団法人データ クレイドル内 容:データ分析ツールのデモ・体験
OJT研修分野 研修時期 回数 内容統計・データ分析
2016/2 ~3
4回 データ分析実務
地図データ 2016/3 1回 ArcGIS入門
可視化2016/1 1回 E2D3ハンズオン2016/1 1回 Tableauハンズオン
データ活用2015/12 1回 人流分析2016/1 1回 SNS分析、マーケティング基礎
オープンデータ・ビッグデータ利活用普及活動
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データ分析実務研修
仮説設定 データ収集 データ分析 可視化 仮説検証
E2D3ハンズオン
オープンデータ・ビッグデータ利活用普及活動
(データ分析サロン)
(データ分析サロン)
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データ利活用研究会●人流データ分析を事例に学んだこと・かなり身近なところからも「気づき」を得られる・日ごろから「意識して」考える訓練を・何より「変える」ためにデータをうまく活用すること
●SNS分析、世界一分かり易いマーケティングで学んだこと・ソーシャルリスニングの重要性・見せ方の工夫で、データが見る方の身体に入る・マーケティングの4P/4C/6Pが活用できる・データ活用は「問題意識」と「企み」が重要
「インターナショナル・オープンデータ・デイ」参画
共創型サロンイベントとして、平成28年3月5日に世界規模で開催される「インターナショナル・オープンデータ・デイ」に参画
学生たちも分析チャレンジの成果を発表
オープンデータ・ビッグデータ利活用普及活動
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dataeye.jp拡充 データカタログ
データの拡充とLoD対応共通語彙への対応
データで見えるものデータ分析コンテンツの追加高梁川未来MAPの機能追加高梁川ハザードGISづくり (土地勘がない人向け)
アイデアボックスデータ公開・活用ニーズへの対応
データクレンジングの効率化
今年度の取り組み
データ利活用の促進
プロセスの見える化
新たなデータへの期待
データ利用による解決
課題の気づき
効果の検証・確認
ニーズに基づくデータの収集
データを活用した課題解決プロセスの実践
データ利活用を課題解決にビルトイン
×自分のデータ
モノのデータ×
オープンデータ
適切に組み合わせて
官民挙げて
データ流通量を増やす
AIやDeep Learningを活用して、データを
付加価値のある情報に変える
×
安全・安心、豊かで公正な「真に豊かな」社会の実現
課題の
気づきと
解決
オープンデータ
(国、自治体等)
マイナンバ
ーの
利活用拡大
個人情報保護法
の改正
民間の保有
する
データ
人・モノ等のデータをみんなで活用
人材育成