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−  217 日本地熱学会誌 第 39 巻 第 4 号(2017) 217 頁~ 227 頁 J.Geotherm. Res. Soc. Japan Vol. 39. No. 4(2017) P.217 ~ P.227 技術報告 地熱井掘削のための PDC ビットの開発 今泉博之 ・大野哲二 ・唐澤廣和 ・宮崎晋行 ・山田直登 ** ・宮本哲臣 ** ・宮下庸介 *** アフマディ エコ *** ・矢野雅大 *** ・都築雅年 **** (平成 28 10 21 日発表,平成 29 4 24 日受付,平成 29 9 14 日受理) Development of PDC bit for drilling geothermal wells Hiroyuki IMAIZUMI , Tetsuji OHNO , Hirokazu KARASAWA , Kuniyuki MIYAZAKI , Naoto YAMADA ** , Tetsuomi MIYAMOTO ** , Yosuke MIYASHITA *** , Eko AKHMADI *** , Masahiro YANO *** , Masatoshi TSUDUKI **** Keywords: PDC bit, PDC cutter, Geothermal well, Drilling *   国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門  305-8567 茨城県つくば市東 1-1-1 中央第 7 Research Institute for Geo-Resources and Environment GREEN,  Geological Survey of JapanGSJ,  National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Central 7 Higashi 1-1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-8567 JAPAN **  株式会社クリステンセン・マイカイ 〒 299-4333 千葉県長生郡長生村七井土 1473-1 K. Maikai Co., Ltd. Chiba Factory, 1473-1 Nanaido Chosei-mura, Chosei-gun, Chiba 299-4333 JAPAN *** 三菱マテリアル株式会社中央研究所 〒 311-0102 茨城県那珂市向山 1002-14 Mitsubishi Materials Corporation Central Research Institute, 1002-14 Mukaiyama, Naka, Ibaraki 311-0102 JAPAN **** 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 〒 105-0001 東京都港区虎ノ門 2-10-1 虎ノ門ツインビルディング Japan Oil, Gas and Metals National Corporation, Toranomon Twin Building 2-10-1 Toranomon, Minato-ku, Tokyo 105-0001 JAPAN ©The Geothermal Research Society of Japan, 2017 1.はじめに 地熱は,太陽光や風力とともに再生可能エネルギーに 分類され,CO2 の排出量が少ないエネルギー源である一 方,太陽光などと比較して安定的な発電が可能であるこ とを特徴とする。推計によれば,我が国全体の地熱資源 量は約 2,300 万  kW であり,アメリカ,インドネシアに 次いで世界第 3 位であるが,現在の発電設備容量は約 54 万  kW に過ぎない(独立行政法人石油天然ガス・金 属鉱物資源機構,2016)。地熱エネルギーが十分に開発・ 利用されていない理由として発電所の建設コストとそれ に要する期間が挙げられ,前者に関しては坑井などの蒸 気生産設備を必要とすることが一因と指摘されている。 3 万  kW の地熱発電所を建設する場合のモデルケースを 例にすると,その総額に占める調査・開発費は約 28 % であり,その中の約 97 % が坑井掘削に係るコストであ る(内閣府エネルギー・環境会議,2011)。つまり,地 熱発電の導入促進のためには,坑井掘削コストの削減が 重要な要素の一つであり,調査・開発期間の短縮とも密 接に関連する。 坑井掘削コストの削減を図るため,掘削効率が高く, 寿命(ビットライフ)の長い坑井掘削用ビットの開発が 喫緊の課題の一つである。従来,石油井や地熱井の掘削 には主にローラーコーンビットが使用されていたが,近 年,PDCPolycrystalline Diamond Compact:多結晶ダ

地熱井掘削のためのPDCビットの開発 - J-STAGE

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日本地熱学会誌第 39 巻 第 4 号(2017)217 頁~ 227 頁

J.Geotherm.Res. Soc. JapanVol. 39. No. 4(2017)P.217 ~ P.227技術 報 告

地熱井掘削のためのPDCビットの開発

今泉博之*・大野哲二*・唐澤廣和*・宮崎晋行*・山田直登**・宮本哲臣**・宮下庸介***・アフマディ エコ***・矢野雅大***・都築雅年****

(平成 28 年 10 月 21 日発表,平成 29 年 4 月 24 日受付,平成 29 年 9 月 14 日受理)

Development of PDC bit for drilling geothermal wells

Hiroyuki IMAIZUMI * , Tetsuji OHNO * , Hirokazu KARASAWA * , Kuniyuki MIYAZAKI * , Naoto YAMADA ** , Tetsuomi MIYAMOTO ** , Yosuke MIYASHITA *** , Eko AKHMADI *** , Masahiro YANO *** , Masatoshi TSUDUKI ****

Keywords: PDC bit, PDC cutter, Geothermal well, Drilling

   *  国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地圏資源環境研究部門     〒 305-8567 茨城県つくば市東 1-1-1 中央第 7         Research  Institute  for Geo-Resources and Environment (GREEN), Geological Survey of Japan (GSJ), National  Institute of Advanced 

Industrial Science and Technology (AIST), Central 7 Higashi 1-1-1, Tsukuba, Ibaraki 305-8567 JAPAN  ** 株式会社クリステンセン・マイカイ 〒 299-4333 千葉県長生郡長生村七井土 1473-1

     K. Maikai Co., Ltd. Chiba Factory, 1473-1 Nanaido Chosei-mura, Chosei-gun, Chiba 299-4333 JAPAN ***   三菱マテリアル株式会社中央研究所 〒 311-0102 茨城県那珂市向山 1002-14

    Mitsubishi Materials Corporation Central Research Institute, 1002-14 Mukaiyama, Naka, Ibaraki 311-0102 JAPAN****   独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 〒 105-0001 東京都港区虎ノ門 2-10-1 虎ノ門ツインビルディング    Japan Oil, Gas and Metals National Corporation, Toranomon Twin Building 2-10-1 Toranomon, Minato-ku, Tokyo 105-0001 JAPAN

©The Geothermal Research Society of Japan, 2017

1.はじめに地熱は,太陽光や風力とともに再生可能エネルギーに

分類され,CO2 の排出量が少ないエネルギー源である一方,太陽光などと比較して安定的な発電が可能であることを特徴とする。推計によれば,我が国全体の地熱資源量は約 2,300 万 kW であり,アメリカ,インドネシアに次いで世界第 3 位であるが,現在の発電設備容量は約54 万 kW に過ぎない(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構,2016)。地熱エネルギーが十分に開発・利用されていない理由として発電所の建設コストとそれに要する期間が挙げられ,前者に関しては坑井などの蒸気生産設備を必要とすることが一因と指摘されている。

3 万 kW の地熱発電所を建設する場合のモデルケースを例にすると,その総額に占める調査・開発費は約 28 %であり,その中の約 97 % が坑井掘削に係るコストである(内閣府エネルギー・環境会議,2011)。つまり,地熱発電の導入促進のためには,坑井掘削コストの削減が重要な要素の一つであり,調査・開発期間の短縮とも密接に関連する。

坑井掘削コストの削減を図るため,掘削効率が高く,寿命(ビットライフ)の長い坑井掘削用ビットの開発が喫緊の課題の一つである。従来,石油井や地熱井の掘削には主にローラーコーンビットが使用されていたが,近年,PDC(Polycrystalline Diamond Compact:多結晶ダ

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Fig. 1  Material sintering method by the high pressure and high tem-perature apparatus.

Fig. 2  Polycrystalline Diamond Compact (PDC) cutter.

イヤモンド焼結体) ビットが石油井掘削で幅広く利用されるようになった。PDC ビットはフィックスド・カッター・ビットの一種であり,ビットに配されたブレード上に,掘削面に対してある角度を持つようにして PDCの刃先が取り付けられている(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構,2016)。石油井掘削におけるローラーコーンビットと PDC ビット(ダイヤモンドビットを含む)の総掘削長の比較では,2003 年に両ビットの総掘削長が同程度になり,2010 年には石油・ガス井の総掘削長の約 65 % が PDC ビットで掘削されたと報告され(Bellin et al., 2010),北米の陸上掘削のほぼ全てで PDC ビットが使用されようとしている(Scott, 2015)。また,ローラーコーンビットと PDC ビット(ダイヤモンドビットを含む)のビット寿命(ビット 1 丁当りの掘削長)の変遷に関しては,1990 年までは両者に大差はないが,1990 年以降になると PDC ビットによる掘削長が急激に増大し,2004 年には約 2,700 m に達している(Anonymous, 2006)。

このように,石油井掘削において PDC ビットの利用が主流となっている背景には,石油井掘削では泥岩や頁岩等の比較的均質な軟岩から中硬岩を掘削することが多い等の状況があると考えられる。これに対して,地熱井掘削では花崗岩のような研磨性の高い硬質岩のみならず,フラクチャーが発達した不均質な地層を掘削することが多く,このことは地熱井掘削においてビットに大きな負荷が作用することを意味する。国内においてもPDC ビットを用いた地熱井掘削が試みられているものの(岡田ほか,2014),高効率かつ掘削コストの大幅な削減が期待できる地熱井の掘削を実現するためには,地熱井掘削に特化した PDC ビットの研究開発が重要であり,併せてそれを支える高性能 PDC カッターの開発が不可欠である。国外においては,米国・サンディア国立研究所が米国海軍と共同で,大深度の高温熱源を利用可能にすることを目指し,地熱発電向け掘削用ダイヤモンドビットの性能向上プロジェクトを推進しているという報道もある(Sustainable Japan Network, 2012)。

本報告では,高効率かつ掘削コストの大幅な削減が期待できる,地熱井掘削のための PDC カッターおよびそれを使用したビット(8-1/2”PDC ビット)の創出を目指した研究開発について述べる。

2.PDCカッター素材の開発と掘削耐久試験ダイヤモンドとコバルト(Co)を主成分とする PDC

カッター素材の焼結を超高圧発生装置を用いて行った。Fig. 1 に超高圧発生装置による PDC カッター素材の焼結方法の概要を示す。予め用意した円筒型の超硬合金製の台金の上に PDC カッター素材を充填した後,ダイヤ

モンドの安定領域である高圧,高温条件下で焼結した。PDC 素材の組成は,Miess and Rai(1996)や Paggett et al.(2002)等が示した一般的な組成(ダイヤモンド粒径が 4 ~ 30 µm,Co 含有量が 6 ~ 11 vol%)を参考に設定した。焼結後の PDC カッター素材は直径 8.2 mm のカッター形状に加工(以下,開発品 A という)する一方で,市販されている PDC カッター素材を同様の寸法・形状に加工した。Fig. 2 に加工後の PDC カッターの外観を示す。市販の PDC カッター素材は,一般掘削用途における耐摩耗性重視型から 1 種類および耐衝撃性重視型から 1 種類を選定した。なお,PDC カッター素材そのものの耐久性を把握することを目的に,PDC カッターにはチャンファ加工を施していない。ここで,チャンファとは PDC カッター素材のダイヤモンド層外周の面取りのことである。

これらの PDC カッターを用いて掘削耐久試験を行うために,タングステン等を主成分とする金属粉を焼結し作製したビットボディに,それぞれの PDC カッターを8 個ロウ付けした外径 66 mm,内径 44.8 mm のコアビット(以下,66 mm コアビットという)を作製した。Fig. 

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Fig. 3  Configuration of a 66 mm core bit.

Fig. 4  Relationship between drilled length and bit weight in durabil-ity tests using 66 mm core bits.

Fig. 5  Relationship between drilled length and bit torque in durabil-ity tests using 66 mm core bits.

3 に,66 mm コアビットの仕様および概要を示す。PDCカッターのバックレーキ角およびサイドレーキ角は既往の研究(唐澤ほか,1991)を参考に,ともに -10° とした。なお,ロウ付け過程における650 ℃までの加熱によって PDC 素材に変化が生じてないことを別途確認した。

掘削耐久試験に用いた掘削試験装置は,掘削速度を一定に保つ等の自動制御機構を装備し,いずれも最大値でビット荷重 294 kN,トルク 2.94 kN·m,ビット回転数500  rpm,掘削流体流量 220 L/min の能力を有する。岩石供試体は幅 500 mm,奥行 500 mm,高さ 800 mm の稲田花崗岩であり,その一軸圧縮強度は約 220 MPa である。1 個の岩石供試体で長さ 0.75 m の孔を 16 孔掘削したが,岩石供試体間の強度のばらつきを考慮し,2 丁の 66 mm コアビットで 8 孔ずつ掘進しながら試験を進め,1 丁につき 96 m を掘進した。掘削耐久試験中は自動制御システムによって掘削速度を 7 cm/min で一定に保ち,ビット荷重およびビットトルクを連続的に計測した。また,掘削長 6 m 毎に PDC カッターのチッピングや摩耗状況を観察した。

Fig. 4 および Fig. 5 に,開発品 A,耐衝撃性重視型および耐摩耗性重視型,計 3 種類の PDC カッターを有する 66 mm コアビットに関して,掘削長に対するビット荷重およびビットトルクの変化を示す。Fig. 4 に示すように,掘削が進むにつれて 66 mm コアビットの掘削性能は低下し,掘削速度を一定に保つために必要なビット荷重は増加している。Fig. 4 から,開発品 A を装着した66 mm コアビットが他よりも低いビット荷重によって一定の掘削速度を維持できたことがわかる。Fig. 5 に示

すビットトルクも掘削長が増すとともに増加する傾向であるが,その中でも耐摩耗性重視型のビットトルクが最も大きく,開発品 A と耐衝撃性重視型に大差は見られなかった。掘削長の増大に伴って PDC カッターの摩耗が進展するとビットトルクが増大することが報告されている(Karasawa et al., 2016)。

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Fig. 6  66 mm core bit equipped with PDC cutters, Type-A, after durability test using Inada granite (drilled length is 96 m).

Fig. 6 に 96 m 掘削後の開発品 A を装着した 66 mm コアビットの写真を示す。カッター (a) ではダイヤモンド層に顕著なチッピングが見られ,また肉眼で確認できる程度の大きなクラックが発生した。カッター (b) では,チッピングのみならず PDC カッターに生じた摩耗面が超硬合金層にまで及んでいることが確認された。このダイヤモンド層のクラックは掘削中の衝撃疲労によって生じたと考えられるため(Kanyanta et al., 2014),地熱井掘削用には PDC 素材の耐衝撃性能の向上が必要であると考えられる。ここで,Fig.4 の結果から,仮に開発品A の耐衝撃性を向上させた PDC カッターを用いて同様の試験を行った場合,ビット荷重が増加する可能性が示唆される。坑井掘削用ビットには,掘削速度のみならずビット荷重やビットトルクに関しても妥当な範囲であることが求められるため,耐衝撃性と耐摩耗性とのバランスを考慮しつつ,PDC カッターの改良を進めることが重要である。

石油井および地熱井の掘削においては,多くの場合最終孔径が 8-1/2” である。8-1/2”PDC ビットに装着される PDC カッターの直径はその大部分で 8.2 mm よりも大きく,例えば直径 13.44 mm でチャンファ加工を施された PDC カッターが搭載されている。そこで,径が大きい PDC カッターの製造技術の確立を視野に入れながら,耐衝撃性能の向上と耐摩耗性能との両立を意図した PDC 素材で直径 11 mm の PDC カッターを上記の方法で新たに焼結し,チャンファ加工を施した。これを開発品 B という。また,開発品 A と同じ PDC 素材で,開

発品 B と同じ寸法・形状に加工した PDC カッターを製作した。このチャンファ加工を施した PDC カッターを開発品 C という。さらに,耐衝撃性重視型の市販品を,開発品 B と同じ寸法・形状に加工した PDC カッターを用意した。以上 3 種類の PDC カッターを 8 個ずつ装着した,外径 71 mm,内径 44.8 mm のコアビット(以下,71 mm コアビットという)3 丁を作製し,66 mm コアビットと同様の掘削耐久試験を実施した。コアビットの外径を 71 mm に変更したのは,PDC カッターの直径を8.2 mmから 11 mmに変更したことにより,ビットボディの寸法を大きくする必要が生じたためである。

開発品 B と開発品 C,ならびに市販品の PDC カッターを装着した 71 mm コアビットそれぞれについて,ビット荷重と掘削長の関係を Fig. 7 に示す。いずれの 71 mmコアビットも掘削長の増加につれてビット荷重は増加する傾向にあるが,市販品の PDC カッターで最もビット荷重が大きく,開発品 C のビット荷重は開発品 B のそれに比べて概して小さい。また,開発品 B および開発品 C を装着したコアビットは掘削速度 7 cm/min を維持した状態の下でいずれも掘削長 162 m に到達した。その一方で,市販品の PDC カッターを装着したコアビットは,掘削長 140 m 付近でビット荷重が急増し 80 kNを超えたため,掘削長 144 m で掘削耐久試験を中止した。66 mm コアビットによる掘削耐久試験の結果と比較すると,掘削長の増大に伴う 71 mm コアビットのビット荷重の方が概して大きい。これは,コアビット径ならびに PDC カッター径が大きくなったためと考えられる。

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Fig. 7  Relationship between drilled length and bit weight in durabil-ity test using 71 mm core bits.

Fig. 8  71 mm core bit equipped with PDC cutters, Type-B, after du-rability test using Inada granite (drilled length is 162 m).

Fig. 9  3D CAD modeling of 6-1/4” PDC bit.

Fig. 8 に 162 m 掘削後のコアビット(PDC カッターは開発品 B)の写真を示す。ダイヤモンド層には小さなチッピングや摩耗が見られるものの,66 mm コアビットによる掘削耐久試験で観察されたような大きな欠損は見られなかった。また,この欠損状況は開発品 C でも同様であった。

開発品 A および開発品 C におけるチッピング等の欠損状況を比較すると,チャンファ加工を施すことによってカッターの欠損が抑制され,掘削耐久性が向上していると考えられる。また,耐衝撃性の向上を意図したPDC 素材の組成を有する開発品 B のビット荷重は,耐衝撃性重視型の市販品のそれよりも小さく,開発品 Cより僅かに大きいものの,開発品 C と概ね同等の掘削耐久性を示したと考えられる。

3.PDCビットの製造技術と掘削性能評価地熱井掘削現場に適用可能な 8-1/2”PDC ビットを開

発する前段階として,室内試験用で IADC コード M433に相当する 6-1/4”PDC ビットを試作した。Fig. 9 は 3D CAD ソフトウェア(Autodesk  Inventor Simulation 2011)を用いて設計された 6-1/4”PDC ビットの 3D CAD モデルであり,直径 13.44 mm の PDC カッターを 42 個配置し,ブレード数 8,ウォーターホール 10 ヵ所を有する仕様である。個々の PDC カッターへの荷重を均一化することを目的に,岩石掘削に主に関与するゲージ部を除く 34 個の PDC カッターを対象とした構造解析を上記の3D CAD ソフトウェア内で実施した。その解析条件は,当該ビットサイズにおける標準的な荷重を想定し,ビット荷重 60 kN,ビットトルク 6 kN·m とした。Fig. 10 中の点線で示す PDC カッター初期配置による荷重分布では,ビット周縁部のカッターで他よりも荷重が大きく,特に 2 個のカッター(Fig. 10 中の 25 番と 28 番)で顕著であることが明らかになった。個々のカッターの荷重は,偏りが少なくピーク値が小さい方が望ましいため,全カッターの配置を最適化し,実線で示すようなピーク値が小さい荷重分布となるよう,6-1/4”PDC ビットの設計を行った。

PDC カッターの配置とともにビットの掘削性能を左右する要因として,カッティングスの除去効率が挙げられる。そこで,設計された 6-1/4”PDC ビットのビットノズルから放出された掘削流体のビット切削面周辺における流れを確認することを目的として,流体解析ソフトウェア SCRYU/Tetra V12 を用いて流れの可視化を行った。なお,流体解析に必要な 3D 空間モデリングには上記の Autodesk  Inventor Simulation 2011 を用いた。ビット回転数を 600  rpm,掘削流体(清水)の流量を 1,200 

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Fig. 10  Distribution  of  reaction  force  against  PDC  cutters  on 6-1/4”PDC bit calculated by structure analysis.

Fig. 11  Flow simulation of drilling fluid (water) on the bit face. Bit rotation and flow rate are 600 rpm and 1,200 L/min, respec-tively.

Fig. 12  Photo of the newly developed 6-1/4” PDC bit (Bit 6Q-K).

Table 1  Specifications of 6-1/4” PDC bits used in drilling tests.

IADC コードPDC カッター

ブレード数 ウォーターホール数数 直径 チャンファ ゲージ部の

レーキ角ビット 6Q-B M433

62(うちゲージ部が 22) 13.44 mm あり(ただしゲージ部を除く)

35° ~ 45° 6 6ビット 6Q-K 42(うちゲージ部が 8) 0° 8 10

L/min とした場合のビット切削面における流れの状態をFig. 11 に示す。なお,ビット回転の有無に伴う掘削流体の挙動を予察的に把握することに着目し、ビット回転数は地熱井掘削現場で一般的に設定されるそれよりも大きい値を設定した。ビットノズルからの掘削流体がビット刃面を通過しウォーターウェイから排出される様子がわかる。また,切削面中央部には流線が少ないものの,カッティングスの発生が多くなる周縁部では切削面外側に配置されたノズルの効果で流線が多くなっていることが見て取れる。しかし,実際の掘削では様々な比重の泥水が利用され,清水よりも高い粘性を有するため,本解析における清水を泥水に置き換えた場合にビット切削面周辺における流れも同様の解析によって確認する必要があると考えられる。

以上の検討を経て作製された 6-1/4”PDC ビット(以下,ビット 6Q-K という)と市販されている 6-1/4”PDC ビット(以下,ビット 6Q-B という)を用いて室内掘削試験を実施した。Fig. 12 はビット 6Q-K の外観であり,Table 1 で両ビットの主な仕様を比較している。この掘削試験の手順は,①掘削する岩石の種類,ビット回転数,およびビット荷重を種々変えた条件下で掘削試験を行い,掘削速度やビットトルクを測定する(以下,この試験を特性試験という),②特性試験後に,各ビットを用いて稲田花崗岩をそれぞれ約 8 m 掘削する(以下,この試験を耐久試験という),③耐久試験後に,再度特性試験を行い,ビットの使用開始時からの掘削特性の変化を調べる,である。この試験中の掘削流体流量は約 210 L/minで一定に保った。特性試験におけるビット回転数は,50 rpm,75 rpm,100 rpm の 3 条件,耐久試験におけるビット回転数は 75 rpm で一定とした。

Fig. 13 および Fig. 14 には,上記①および③の特性試験におけるビット 6Q-K およびビット 6Q-B のビット荷重と掘削速度との関係を示す。Fig. 13 より,上記②の耐久試験前には,両ビットともビット荷重の増加によって概ね直線的に掘削速度が増加した。また,ビット回転数が高いほど掘削速度も大きい。図中の破線で示すビッ

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Fig. 13  Relationship between bit weight and rate of penetration (R. O. P.) for Inada granite in drilling tests (Laboratory experiment ①) by Bit 6Q-B (solid lines) and Bit 6Q-K (broken lines) before durability test.

Fig. 14  Relationship between bit weight and R. O. P. for Inada granite in drilling tests (Laboratory experiment ③) by Bit 6Q-B (solid lines) and Bit 6Q-K (broken lines) after durability test.

Fig. 15  Relationship between drilled  length and bit weight  for  Inada granite during Laboratory experiment ② and after Laboratory experiment ③ .

ト 6Q-K の方が実線で示すビット 6Q-B よりも,同条件における掘削速度は大きいことが明らかになった。ビット 6Q-K は,ビット荷重が約 60 kN,ビット回転数が100 rpm の場合,掘削速度は約 45 cm/min(27 m/hr)であった。

Fig. 14 は,上記②の耐久試験後における両ビットの掘削特性である。Fig. 13 と同様に,ビット荷重の増加に伴って掘進速度が大きくなっているが,低ビット荷重域において掘削速度の増加率が小さく,全体として下に凸の関係となっている。またビット 6Q-K の掘削速度の低下がビット 6Q-B よりも大きく,耐久試験の影響が大きく現れた。

上記②の耐久試験後の両ビットの摩耗状況は,ともにビットショルダー部分に近い PDC カッターでチッピングが発生する一方,ビット 6Q-K のゲージ部分に配置された PDC カッターに明確な欠損が生じ,これが掘削速度の低下につながった可能性がある。チッピング発生の要因の 1 つとして,ゲージ部の PDC カッターのレーキ角の違いに起因したものと考えられた。

上記③までの室内掘削試験を完了した後,掘削長の増加に伴う両ビットの掘削性能の変化を調べるために,ビット回転数を 75  rpm,掘削速度を 7 ~ 10 cm/min とほぼ一定の条件下で,稲田花崗岩を用いた掘削試験を継続した。Fig. 15 および Fig. 16 はそれぞれ掘削長に対するビット荷重およびビットトルクの推移を示す。Fig.15に示す通り,掘削長の増加に伴い,概ね一定の割合でビット荷重が増加し,上記②の耐久試験(掘削長が約 8m まで)においてゲージ部の PDC カッターにチッピングが発生したビット 6Q-K とビット 6Q-B との間に全体的に大きな差異は見られなかったものの,上記②および③にあたる掘削長が 20m まででビット 6Q-K のビット荷重の

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Fig. 16  Relationship between drilled  length and bit  torque  for  Inada granite during Laboratory experiment ② and after Laboratory experiment ③ .

Table 2  Specification of 8-1/2” PDC bits newly developed for field drilling test of geothermal wells.

名称 ビット 8H-1 ビット 8H-2ブレード数 8 8IADC コード M433 M433

PDCカッター

サイズ φ 13.44 mm φ 13.44 mmセカンダリーの有無 有 無フェイス 60 50ゲージ 14 8合計 74 58チャンファ 有 有

アレスター 無 有

ノズル 数 - サイズ 4- φ 12.7 mm4- φ 12.7 mm,2- φ 9.5 mm,

2- φ 10 mm(ウォーターホール)ノズル付エリア 0.79 in2 1.41 in2

外観

方が大きい区間が見られた。Fig.16 に示す掘進長とビットトルクとの関係では,若干の変動はあるものの,全体的にビット 6Q-K のビットトルクがビット 6Q-B のそれよりも小さかった。両ビット上の PDC カッターの摩耗状況にも顕著な差異も見られないことから,開発したビット 6Q-K の掘削性能は市販されているビット 6Q-Bと同程度と考えられる。

4.地熱井掘削現場における実証試験4-(1) 8-1/2”PDC ビットの作製

これまで述べてきた 66 mm および 71 mm コアビットによる掘削耐久試験や 6-1/4”PDC ビットの掘削性能試験で得られた知見に加えて,現場におけるビットの欠損や摩耗にビットに加わる振動や衝撃が大きく影響するという研究報告(Schilling et al., 2016; Radhakrishnan et al., 2016; Agawani et al., 2016)を参考にし,また地熱井掘削では研磨性の高い硬質岩や不均質な地層が多いという条件も考慮して,IADC コード M433 に相当する8-1/2”PDC ビットを 2 丁作製した(以下,それぞれをビット 8H-1 とビット 8H-2 という)。搭載した PDC カッターは,上記の開発品 B および開発品 C と同じ PDC 素材で,直径 13.44 mm のものである。両ビットの仕様概要を Table 2 に整理した。両ビットともブレード数 8 で,ビット 8H-1 は掘削性能を高めるため 1 ブレードに PDCカッターを 2 列に配置した点を,ビット 8H-2 は PDC カッターを過度の振動や衝撃から保護するためにビットショルダー部の PDC カッター背後にアレスター(衝撃抑制用のチップ)を取り付けた点を,それぞれ特徴とする。4-(2) 現場実証試験前の室内掘削試験

現場実証試験前の両ビットによる掘削試験結果を Fig. 17 で示す。使用した岩石供試体は江持安山岩と男鹿安山岩であり,一軸圧縮強度はそれぞれ 100 MPa 程度と120 MPa 程度である。回転数は 100 rpm 一定であり,ビット荷重を段階的に変化させた場合の掘削速度の変化を計測した。両岩石供試体に対して,ビット荷重を増加させ

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Fig, 17  Relationship between bit weight and R. O. P. of 8-1/2” PDC bits  (Bit 8H-1 and Bit 8H-2) before and after  field drilling tests.

Fig. 18  Changes of drilling depth (top), and bit weight and R. O. P. (bottom) in field drilling tests.

Fig. 19  Progress of abrasion on Bit 8H-1 and Bit 8H-2  through  the field drilling tests.

ビット 8H-1 ビット 8H-2

ると両ビットとも直線的に掘削速度が増加し,掘削速度の増加割合はビット 8H-2 の方がビット 8H-1 よりも大きかった。ビット荷重が 24.5 kN の時で比較すると,江持安山岩と男鹿安山岩に対する掘削速度はそれぞれ 50 cm/min(30 m/hr)と 23 cm/min(13.8 m/hr),13 cm/min(7.8 m/hr)と 11 cm/min(6.6 m/hr)であった。つまり,ビット 8H-2 では岩石供試体の種類によって掘削速度が大きく異なるのに対して,ビット 8H-1 では掘削速度の差異は小さかった。

4-(3) 現場実証試験の結果ビット 8H-1 とビット 8H-2 を用いた現場実証試験は,

福島県猪苗代町磐梯地域にある掘削調査現場内の構造試錐井 BD-1 の 8-1/2” 区間(深度は 1,600 ~ 2,000 m)で実施し,PDC ビットの掘削性能に係る各種データを連続的に収集した。この区間は傾斜掘削(沿角掘削区間)であり,地層は概ね凝灰岩・砂質凝灰岩,その一軸圧縮強度は 120 MPa 程度であった。

Fig. 18 は現場実証試験における両ビットの掘削データであり,上下のグラフはそれぞれ掘削深度の推移,ビット荷重ならびに掘削速度の変動を示す。なお,ビット回転数はマッドモータとトップドライブとの併用で 200 rpm 前後で推移した。

ビット 8H-1 は,123 m を掘削する間でビット荷重の変化にかかわらず,掘削長が概ね一定の傾き(3 m/hr)で増加を示す一方で,ビット 8H-2 は掘削開始当初にビット 8H-1 よりも大きな傾きで掘削長が増加(最大は約 16 m/hr)したものの急に鈍化し,その後ビット荷重一定の下でも掘削速度は低下し続け,そのまま揚管となった。ビット 8H-2 による掘進長は 161 m であった。なお,実

掘削時間はそれぞれ約 43 hr と約 31 hr であった。両ビットについて,画像解析によって得られた掘削前

後の摩耗状況の比較を Fig. 19 に示す。なお,ブレード上で濃い部分ほど摩耗量が多いことを示す。両ビットともショルダー部周辺に配置した PDC カッターを中心に大きな摩耗が発生したが,チッピングや脱落はなかった。摩耗の形状はいずれも平らであり,IADC コードによる摩耗評価では,ビット 8H-1 およびビット 8H-2 の内側 / 外側に対して,それぞれ 2/2 および 3/3 と判定された。つまり,ビット 8H-2 の方の摩耗量が多かった。なお,ゲージロスは両ビットとも 1/32” 以下であった。ビット8H-1 のビット刃面中央部には顕著な摩耗が見られた。

4-(4) 現場実証試験後の室内掘削試験Fig. 17 に現場実証試験後の両ビットの掘削試験結果

を併せて示す。なお,ビット回転数は 100 rpm 一定であ

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る。江持安山岩と男鹿安山岩に対して,ビット荷重を50 ~ 120 kN 程度まで増加させた場合でも両ビットの掘削速度に顕著な変化は見られず,その値は 1 cm/min(0.6 m/hr)以下であり,ほぼビット寿命に達していると判断された。

5.おわりに本報告では,高効率かつ掘削コストの大幅な削減が期

待できる,地熱井掘削のための PDC カッターおよびそれを使用した 8-1/2”PDC ビットの創出を目指した研究開発について述べた。

本研究で作製した直径 8.2 mm の PDC カッターを搭載した 66 mm コアビットによる掘削耐久試験では,ダイヤモンド層に顕著なチッピングや肉眼で確認できる程度の大きなクラック,超硬合金層にまで及ぶ摩耗面が観察された。しかし,新たに作製した耐衝撃性能の向上と耐摩耗性能との両立を意図した直径 11 mm の PDC カッターにチャンファ加工を施し,71 mm コアビットによる掘削耐久試験を実施したところ,ダイヤモンド層には小さなチッピングや摩耗が見られたものの,66 mm コアビットによる掘削耐久試験時のような大きな欠損は見られず,PDC カッターの掘削耐久性が向上したと考えられた。

8-1/2”PDC ビットを開発する前段階と位置付け,3D CAD ソフトウェアによる PDC カッター配置の最適化およびビット切削面周辺における掘削流体の流れの検証を経て作製した 6-1/4”PDC ビットは,耐久試験後にそのゲージ部分の PDC カッターにチッピングが確認されたが,掘削長の増加に伴うビット荷重およびビットトルクの推移や摩耗の進行状況から,市販されている同サイズの PDC ビットと同程度の掘削性能を有すると考えられた。

坑井掘削中にビットに加わる過度な振動や衝撃を抑制するため,PDC カッター配列やショルダー部の構造が異なる 2 種類の 8-1/2”PDC ビットを,当該研究で作製した PDC カッターを搭載して開発した。地熱井掘削現場の沿角掘削区間にこれらの PDC ビットを適用したところ,掘削長および実掘削時間がそれぞれ 123 m で43 hr,161 m で 31 hr であった。両ビットともショルダー部周辺の PDC カッターを中心に大きく摩耗したが,チッピングやカッター脱落等は発生せず,ゲージ落ちは1/32” 以下であった。

坑井の掘削速度とビット寿命とを両立させる PDCビットの開発は,坑井掘削コストの削減に大きく寄与することができる。上述した現場実証試験の結果を踏まえると,当該研究で開発する 8-1/2”PDC ビットについては,掘削速度およびビット寿命の両面から改良の余地が残さ

れていると考えられる。そのためには,PDC カッターの性能向上や地熱井掘削に適応したビットデザインの改良等による総合的な研究開発の推進が引き続き不可欠である。

謝 辞当該研究は,独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資

源機構の地熱発電技術に関する委託研究「地熱貯留層掘削技術」によって実施した。また,地熱井掘削現場における実証試験を実施するに当たり,開発事業者である,出光興産(株),国際石油開発帝石(株),石油資源開発

(株),三井石油開発(株),三菱マテリアル(株),住友商事(株),三菱商事(株),三菱商事パワー(株),三菱瓦斯化学(株),地熱技術開発(株),日本重化学工業

(株),および掘削コントラクターであるエスケイエンジニアリング(株)より多大な理解と協力をいただいた。ここに記して感謝の意を表します。

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