13
GLMMIXEDによる 22期クロスオーバーデザインの解析 再考 再考 斎藤和宏 株式会社タクミインフォメーションテクノロジー システム開発推進部 Analysis of 2x2 Crossover design using GLM and MIXED Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 22期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と 交互作用の関係や 最小 乗平均に いて視覚的に 交互作用の関係や最小乗平均にいて視覚的に 確認する。 また、解析はGLMMIXEDプロシジャを用い、解析結果 の違いについて検討する。 キーワード: 2 22期クロスオーバーデザイン、持ち越し効果 交互作用、最小二乗平均、GLMMIXED

SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

GLMとMIXEDによる2剤2期クロスオーバーデザインの解析

~再考~~再考~

斎藤和宏

株式会社タクミインフォメーションテクノロジー システム開発推進部

Analysis of 2x2 Crossover designusing GLM and MIXED

Kazuhiro SaitoSystem Development Department, Takumi Information Technology Inc.

要旨:2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

交互作用の関係や 最小 乗平均に いて視覚的に交互作用の関係や、最小二乗平均について視覚的に確認する。また、解析はGLMとMIXEDプロシジャを用い、解析結果の違いについて検討する。

キーワード:

2

2剤2期クロスオーバーデザイン、持ち越し効果交互作用、最小二乗平均、GLM、MIXED

Page 2: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

2剤2期クロスオーバーデザイン時期「時期」と区別しやすくするため、「シー

ケンス」ではなく「グループ」と表記1 2

グループ

1

y111

y121

y131

y

Test

e

y112

y122

y132

y

Ref

eren

ce

Yijk

i番目のグループ (i=1,2)j番目の被験者 (j=1,2,…,n)k番目の時期(k=1,2)

ケンス」ではなく「グル プ」と表記

3

本稿ではバランスのとれたデータを扱う

2y211

y221

y231Ref

eren

ce y212

y222

y232

Testグループに無作為に割り

つけられる

クロスオーバーデザインの混合モデル• 本稿で取り扱う解析モデル このモデルに交互作用項はありません

– γi: i番目のグループの固定効果(i=1,2)

– bij: i番目のグループ、 j番目の被験者の変量効果• bij~ N(0,σb

2) σb2:被験者間分散

時 定効

( )  ①ijkkidkijiijk bY ετπγμ +++++= ,

– πk: k番目の時期の固定効果(k=1,2)

– τd(i,k) : i番目のグループ、k番目の時期に対する薬剤の固定効果( d(i,k)=T, R )                 例:d(1,1)=T

– εijk: 被験者内の誤差• εijk~N(0,σw

2) σw2:被験者内分散

4

Page 3: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

持ち越し効果とその差異

持ち越し効果• 持ち越し効果

– クロスオーバーデザインの潜在的な脆弱性

– 1つ前の時点の薬剤の効果

– 問題となるのは、持ち越し効果が薬剤によって

持ち越し効果が同じ 持ち越し効果が異なる

薬剤によって異り、交互作用が存在する場合

5

TestReference

時期

1 2時期

1 2薬剤

3要因の組合せと観測の有無 モデル①

クロスオ バ デザインでは要因の組合せが全てそろ ていない• クロスオーバーデザインでは要因の組合せが全てそろっていない

– 3つの要因の8つの組合せの内、4つの組合せのみが観測される。

• 解析モデル①には、交互作用項が存在しない

<グループ 1> <グループ 2>観測されるTest観測されるReference観測されないTest

6

時期1 2

時期1 2

観測されないTest観測されないReference

グループ間差グループ間差があるときにあたかも薬剤・時期の交互作用が存在するかのように見える

Page 4: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

3要因の組合せと観測の有無 モデル②

グ プ間差がなく 薬剤 時期の交互作用項が存在• グループ間差がなく、薬剤・時期の交互作用項が存在する解析モデルを想定してみる

– 全要因の組合せを視覚化すると‥‥

<グループ 1> <グループ 2>観測されるTest観測されるReference

7

時期1 2

時期1 2

グループ間差なし

観測されないTest観測されないReference

3要因の組合せと観測の有無 モデル③

グル プ間差も 薬剤 時期の交互作用項も存在するかもしれない• グループ間差も、薬剤・時期の交互作用項も存在するかもしれない

– もし3要因全ての組合せが観測されていれば、主効果と交互作用を両方とも推定できたでしょう

<グループ 1> <グループ 2>観測されるTest観測されるReference観測されないTest

8

時期1 2

時期1 2

観測されないTest観測されないReference

グループ間差 観測されるポイントの推定値は、モデル①とモデル②と同じ

Page 5: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

観測される組合せと解析モデル

• 測定される要因の組合せが限られるため、測定される要因の組合せが限られるため、

– 実際にはどの解析モデルが母集団に即しているか、データのみから判別することができない

<モデル①> <モデル②><モデル③>

9

時期1 2

時期1 2

時期1 2

グループ 交互作用グループ+交互作用

主効果と交互作用の混在

グ プ 効果と薬剤 時期 交互作用 効果が• グループの効果と薬剤・時期の交互作用の効果が交絡(高橋,芳賀,大橋(1989),P135)

実際にはグループの効果が存在している

変数Groupが有意であるとき どちらの効果によるものなのか

10

実際には薬剤・時期の交互作用(持ち越し効果の差異)が存在している

変数Groupが有意であるとき、どちらの効果によるものなのか、もしくは両方なのかは分からない

Page 6: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

効果の混在を踏まえた解釈

観測される組合せが限られるため• 観測される組合せが限られるため、

– モデル①と②のどちらの解析モデルでも推定可能

– つまり、どちらの効果が存在したとしても、もう一方の解析モデルを当てはめることができてしまう

• ただし、GLMでは交互作用のないモデル①のみ※1

• 解釈解釈

– 無作為化によりグループ間の差はないことが仮定されるのであれば、変数Groupが有意である場合には持ち越し効果の差異が存在していると考えられる。

• ただし、無作為化が十分でない場合にはこの解釈はできない。

11※1  GLMでは被験者をMODELステートメントに含めると、グループの因子も連動してモデルに含まれてしまうため。

時期、薬剤と交互作用の混在

変数 d• 変数Period– 時期と薬剤・グループの交互作用が混在

– 無作為化を前提として、グループが異なると薬剤間差が異なることはないことが仮定されるのであれば、時期の効果として考えられる

• そもそもグループの主効果がないことを仮定しているので、それを含む交互作用も存在しない

• 変数Treatment– 薬剤と時期・グループの交互作用が混在

– 同様に、薬剤の効果として考える

12

Page 7: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

GLMによるクロスオーバーデザインの解析

l d t C 1proc glm data=Crossover1;class Subject Group Period Treatment;model LnAUC = Group Subject(Group) Period Treatment

/ ss3;random Subject(Group) / test ;

quit;

CLASSステートメント: 質的変数として扱う因子を指定MODEL テ トメント 目的変数と説明変数(因子)を指定

13

MODELステートメント: 目的変数と説明変数(因子)を指定SS3オプション: Type3の平方和を計算

RANDOMステートメント:変量効果として扱う因子を指定TESTオプション:適切な誤差を用いた検定結果が算出される

GLMプロシジャでは、全ての因子が固定効果であることを想定してモデルを当てはめ、事後的に変量効果を考慮している

GLM:混合モデルの解析結果

GLM プロシジャRANDOMステートメントのTESTオプションによ 混合モデル分散分析に対する仮説検定

従属変数 : LnAUC

Type III要因 自由度 平方和 平均平方 F 値 Pr > F

Group 1 2.020326 2.020326 2.49 0.1319

Error 18 14.601976 0.811221Error: MS(Subject(Group))

持ち越し効果の差異

時期の効果

のTESTオプションによる解析結果

14

Type III要因 自由度 平方和 平均平方 F 値 Pr > F

Subject(Group) 18 14.601976 0.811221 16.73 <.0001Period 1 0.281648 0.281648 5.81 0.0269Treatment 1 3.154406 3.154406 65.05 <.0001

Error: MS(Error) 18 0.872915 0.048495

薬剤の効果2ˆ wσ

Page 8: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

GLM プロシジャ

GLM:期待平均平方と被験者間分散RANDOMステートメントによるアウトプット GLM プロシジャ

要因 Type III 期待平均平方

Group Var(Error) + 2 Var(Subject(Group)) + Q(Group)

Subject(Group) Var(Error) + 2 Var(Subject(Group))

Period Var(Error) + Q(Period)

Treatment Var(Error) + Q(Treatment)

期待平均平方を基に被験者間分散を求める

によるアウトプット

15

期待平均平方を基に被験者間分散を求める

( )( )( ) ( ) ( )( )( )( ) ( )

( )( ) ( )

204849528.081122091.0381362815.02

ˆ

ˆ22

2

2

−=

−=

+=+=

ErrorMSGroupSubjectMSErrorMSGroupSubjectMS

GroupSubjectVarErrorVarGroupSubjectMSE

b

b

σ

σ

被験者間分散:

最小二乗平均とその差

最小二乗平均• 最小二乗平均

– 薬剤ごとの、2時点の期待値の平均

• グループの因子が有意であった場合、

– 時期によって薬剤間差が異なる

– →時期ごとの薬剤間差と最小二乗平均の差に乖離が示唆

Testの最小二乗平均

二乗平均の差に乖離が示唆される

16時期1 2Referenceの最小二乗平均

Page 9: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

GLM:最小二乗平均の差

lsmeans Treatment /GLMでは固定効

Referenceを参照水準とする

LnY の最小 2Treatment 乗平均 90% 信頼限界

pdiff=control('R') cl alpha=0.1;

LSMEANSステートメント: 最小二乗平均算出PDIFF=オプション: 最小二乗平均の群間差の算出CLオプション: 信頼区間の算出

GLMでは固定効

果モデルを基に最小二乗平均を求めているため、被験者間分散が考慮されていない

17

R 4.077673 3.992284 4.163061T 3.516032 3.430643 3.601420

効果 Treatment に対する最小 2 乗平均

LSMean(i)-LSMean(j) の同i j 平均の差 時 90% 信頼限界

2 1 -0.561641 -0.682399 -0.440883

90%信頼区間

最小二乗平均の差( Test – Reference )

MIXEDプロシジャによる指定 その1

i d d t C 1proc mixed data=Crossover1;class Subject Group Period Treatment;model LnY = Group Period Treatment;random Subject(Group);lsmeans Treatment /

diff=control('R') cl alpha=0.1;run;

18

CLASSステートメント: 質的変数として扱う因子を指定MODELステートメント: 目的変数と説明変数(因子)を指定RANDOMステートメント:変量効果として扱う因子が指定

GLMプロシジャと異なり、MODELステートメントに変量効果( Subject(Group) )となる因子が含まれない

Page 10: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

MIXED: 分散成分と固定効果共分散パラメータ推定値

2共分散パラメータ 推定値

Subject(Group) 0.3814Residual 0.04850

固定効果の Type 3 検定

効果 分子の自由度 分母の自由度 F 値 Pr > F

Group 1 18 2.49 0.1319Period 1 18 5.81 0.0269Treatment 1 18 65 05 < 0001

被験者間分散2ˆ bσ

被験者内分散2ˆ wσ

19

Treatment 1 18 65.05 <.0001

GLMでの混合モデルの結果と一致している被験者間分散が直接推定され、GLMでの

手計算の結果と一致している

MIXED:最小二乗平均の差

最小 2 乗平均

被験者間分散も考慮され、GLMの信頼

区間よりも広くなっている

効果 Treatment 推定値 標準誤差 自由度 t 値 Pr > |t| アルファ 下限 上限

Treatment R 4.0777 0.1466 18 27.81 <.0001 0.1 3.8235 4.3319Treatment T 3.5160 0.1466 18 23.98 <.0001 0.1 3.2618 3.7703

最小 2 乗平均の差

効果 Treatment _Treatment 推定値 標準誤差 自由度 t 値 Pr > |t| アルファ

Treatment T R -0.5616 0.06964 18 -8.07 <.0001 0.1

20

最小 2 乗平均の差

効果 Treatment _Treatment 下限 上限

Treatment T R -0.6824 -0.4409

GLMの信頼区間と一致している

Page 11: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

GLM: 負の被験者間分散!?

の平均平方よりも b ( )の平均平方が• Errorの平均平方よりもSubject(Group)の平均平方が小さいデータを解析すると、

– 計算式の構造上、被験者間分散の推定値はマイナス

Type III

MS(Subject(Group))

( )( ) ( )

225.145.04.0

2ˆ 2

−=−

−=

ErrorMSGroupSubjectMSbσ

GLM

21

Type III要因 自由度 平方和 平均平方 F 値 Pr > F

Subject(Group) 8 3.600000 0.450000 0.36 0.9151Period 1 1.800000 1.800000 1.44 0.2645Treatment 1 115.200000 115.200000 92.16 <.0001

Error: MS(Error) 8 10.000000 1.250000 MS(Error)

MIXED:RANDOMステートメントによる被験者間分散

共分散パラメータ推定値

RANDOMステートメント共分散パラメータ 推定値

Subject(Group) 0Residual 0.8500

固定効果の Type 3 検定

効果 分子の自由度 分母の自由度 F 値 Pr > F

Group 1 8 0.24 0.6406Period 1 8 2.12 0.1837Treatment 1 8 135 53 < 0001

GLMと異なる

によって推定される共分散パラメータの推定値の下限は0※1

22

Treatment 1 8 135.53 <.0001

proc mixed data=CrossSmallBetVar ;class Group Subject Period Treatment;model LnAUC = Group Period Treatment ;※2

random Subject(Group);run;

※1  PROC MIXEDステートメントにNOBOUNDオプションを付与することで、負の分散を許容できるようになる※2  本稿では、GLMとの比較を容易にするため、Satterthwaiteなどの自由度調整方法は取り扱わない。

Page 12: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

MIXED:周辺モデル(CS構造)

( )Y ετπγμ ++++=

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛⎥⎦

⎤⎢⎣

++

⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡⎥⎦

⎤⎢⎣

12

1

112

2

1 ,00

σσσσσσ

εε

w

w

ij

ij MVN~

( ) ijkkidkiijkY ετπγμ ++++= ,

負の値も許容する共分散であるため、「σb2」 ではなく、「σ1」と表記

混合モデルの変量効果bijと誤差εijkを一つの誤差としてまとめると、被験者ごとの誤差は次のように表される

⎠⎝ ⎦⎣⎦⎣⎦⎣ 112 σσσ wij

• 被験者を変量効果とした前出の混合モデルと、上の周辺モデル(Compound Symmetry構造)は、同等なモデル(菅波,五所(2002))

– ただし、周辺モデルでは、「σ1」に負の値も許容する。

– REPEATEDステートメントを用いて周辺モデルを当てはめる

23

σ1」と表記

MIXED:REPEATEDステートメントによる周辺モデル共分散パラメータ推定値

ブ負の値が

共分散パラメータ サブジェクト 推定値

CS Subject(Group) -0.4000Residual 1.2500

固定効果の Type 3 検定

効果 分子の自由度 分母の自由度 F 値 Pr > F

Group 1 8 0.44 0.5237Period 1 8 1.44 0.2645Treatment 1 8 92 16 < 0001

GLMと一致している

負の値が

推定されている

24

Treatment 1 8 92.16 <.0001

repeated / subject=Subject(Group) type=cs; (Mueller-Cohrs(2006)より)

SUBJECT=:この因子の水準ごとに誤差の相関構造が構成されるTYPE=CS: 誤差の相関構造をCompound Symmetryと指定

Page 13: SASユーザー総会 論文 クロスオーバー再考 20120702 3 · 2018-07-05 · Kazuhiro Saito System Development Department, Takumi Information Technology Inc. 要旨: 2剤2期クロスオーバーのデザインに起因する主効果と

まとめ• 変数Groupに混在する主効果と交互作用の効果

Testの最小二乗平均

交互作用の効果

– 無作為化によりグループの効果は存在しないと仮定し、持ち越し効果の差異ととらえた

• 最小二乗平均

持ち越し効果の差異が存在するときには 時期ごとの群

時期1 2Referenceの最小二乗平均

– 持ち越し効果の差異が存在するときには、時期ごとの群間差と乖離することを視覚的に確認した

• 負の被験者間分散(負の共分散)

– MIXEDプロシジャではREPEATEDステートメントを用いることにより、負の共分散を扱うことができるようになった

25

参考文献• 岸本淳司(1996), PROC MIXED入門, SUGI‐J ‘96論文集, 179‐197

• 菅波秀規,五所正彦(2002), MIXEDプロシジャを用いた反復測定データ菅波秀規,五所正彦(2002), MIXEDプロシジャを用いた反復測定デ タの解析, 日本SASユーザー会総会および研究発表会論文集, 149‐158

• 高橋行雄,芳賀敏郎, 大橋靖雄(1989), SASによる実験データの解析, 東京大学出版会

• 松山裕, 山口拓洋(2001), 医学統計のための線形混合モデル, サイエンティスト社

• 吉村功(1987), 毒性・薬効データの統計解析, サイエンティスト社

• Zaizai Lu(2006), Estimate Carryover Effect in Clinical Trial Crossover Designs, PharmaSUG 2006

• Jochen Mueller‐Cohrs (2006), Analysis of incomplete two‐period crossover trials with SAS PROC MIXED, PhUSE 2006

• SAS Institute Inc.(2010), SAS/STAT® 9.22 User’s Guide26