Title 江戸幕府の国絵図調製事業と琉球国絵図の概要

Author(s) 金城, 善

Citation沖縄県史研究紀要 = BULLETIN OF THEHISTORIOGRAPHICAL STUDY ON OKINAWANHISTORY(1): 43-74

Issue Date 1995-03-31

URL http://hdl.handle.net/20.500.12001/8503

Rights 沖縄県立図書館史料編集室

江戸幕府の国絵図調製事業と琉球国絵図の概要

金

城

善

は

じ

め

に

沖

縄

県

教

育

委

員

会

は、

琉球

国絵

図

史

料

集

編

集

委

員

会

を

設

置

し

て、

県

単

事

業と

し

て一

九

九

一

年

度

か

ら

三

年

計

画

で

『琉

球

国

絵

図

史

料

集」

の編

集

事

業

を

実

施

し

た。

初

年

度

の

一

九

九

一

年

度

は、

東京

大

学

史

料

編

纂

所

所

蔵

の

正

保

度

■琉

球

国

絵

図Ｌ

と

『（悪

鬼

納

島）

絵

図

帳」、

『宮

古

八

重

山

両

島

絵

図

帳」、

『琉

球

国

諸

島

高

辻

之

帳」、

寛

文

の

『琉

球

国

郷

帳」

の

関連

史料

を

「第

一

集」

と

し

て

ま

と

め、

二

年

目

の一

九

九

二

年度

は国

立

公

文

書

館

内

閣

文

庫

所

蔵

の

元

禄

度

「琉

球

国絵

図」

と

尚

古

集

成

館

所

蔵

史

料、

『琉

球

国

変

地

其

外

相

改

之

候

お

　

　　

目

録」、

『琉

球

国

郷

村

帳」

及

び

付

図、

『上

り

絵

図

郷

村

帳」

・

　

　ロ

『琉

球

国

高

究

帳」

・『琉

球

国

郷

帳』・『宮古

八

重

山両

島絵

図

帳」

対

照

を

関

連

史

料

に

「第二

集」

を

編

み、

最終

年

度

の

一

九

九

三

年

度

は

内

閣文

庫

所蔵

の天

保

度「琉

球

国

絵

図」と

『琉

の

お

お

球

井

諸

島

図」、

『琉

球

明細

総

図」、

『首

里

古

地

図』、

『久

茂

地

の

う

の

村

屋

敷

図』、

『薩

摩

藩

調

製

図」、

『沖

縄

県

本

島

図』、

天

保

度

　

『琉

球

国

郷

帳」、

国

絵

図

・

郷

村

帳

及

び

首

里

絵

図

関

係

史

料

を

関

連

史

料

と

し

て

「第

三

集」

に

編

集

す

る

こ

と

が

で

き

た。

筆

者

は、

一

九

九

一

年

度

と

一

九

九

二

年

度

は

編

集

副

委

員

長

と

し

て、

ま

た

一

九

九

三

年

度

は

編

集

委

員

長

と

し

て

第

一

集

か

ら

第

三

集

ま

で

の

編

集

に

か

か

わ

っ

てき

た。

第一

集

で

は

「第

二

章

正

保

国

絵

図

の

調

進

と

琉

球

国

絵

図

の

概

要」

を、

第

二

集

で

は

「第

二

章

国

絵

図

改

訂と

元禄

琉

球

国絵

図の

概

要」

を、

ま

た

第

三

集

で

は

「第二

章

国絵

図の

天

保

度

改

訂と

天

４３

保

琉

球

国絵

図の

概

要

及

び

そ

の

他

の

絵

図Ｌ

を

執

筆

担

当し、

江

戸

幕府

の

国絵

図

調

製

事

業

と

琉

球

国

絵

図

の

概

要を

概観

し

て

き

た。

江

戸

幕

府

の

国

絵

図

調

製

事

業

に

お

け

る

」琉

球

国絵

図Ｌ

の

研

究

は、

沖

縄

県

教

育

委

員

会

が

昭

和

五

十八

年度

か

ら

文

化

庁

の

援

助

を

受

け

て

実

施

し

た

沖

縄

県

歴

史

の道

調査

事

業

か

ら

で

あ

り、

本

格

的

な

研

究

は

そ

の

緒

に就

い

た

ば

か

り

であ

る。

山

　

口大

学

の

川

村

博

忠

先

生

や

東

京

大

学史

料

編

纂

所

の

黒

田

日

出

ほ

ゆ

男

先

生

・

杉

本

史

子

先

生、

国立

公文

書

館

の

長

澤

孝

三

先

生

な

ど

の

先

学

の

業

績

に

学

び

つ

つ、

あ

ら

た

あ

て江

戸

幕

府

の

国

絵

図

調

製

事

業

と

琉

球

国

絵

図

の概

要に

つい

て

ま

と

め

て

み

る

こ

と

に

し

た

い。

］、

江戸幕府の国絵図調製事業

１

■国

絵

図Ｌ

と

囑国」

国

立

公

文

書

館

内

閣

文

庫を

はじ

め

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

等

の

史

料

保

存

機

関

あ

る

い

は

研

究

機

関

に、

「国

絵

図」

と

称

さ

れ

る

様

々

な

近

世

期

の

絵

地

図が

相

当

数

存

在

す

る。

■国

絵

図Ｌ

と

は、

国

土

の

全

域

を

統

一

し

た

規

格

や

精

度

で

詳

し

く

表し

た

国

土

基

本

図

の

よ

う

な

も

の

で、

国

単

位

に

「山な

み

・

河

海

・

池

沼

な

ど

の

自

然

物

と、

城

郭

・

寺

社

・道

路な

ど

の人

為

事物

が、

景

観

的

あ

る

い

は

平

面的

に

図

示

され

た

景

観

図と

平面

図

　

の

混

用」

し

た

手

描

き

の

大型

彩色

地

図

であ

る。

と

こ

ろ

で、

¶国

絵

図Ｌ

の

単

位

で

あ

る

「国」

と

は

ど

の

よ

う

な

も

の

で

あ

ろ

う

か。

「国」

と

い

う

の

は、

明

治

以

前

の

歴

史

的

領

域

の

区

画

の

単位

で、

大

化

改

新

（六

四六

年）

以

前

は

国造

（く

に

のみ

や

つこ）

が

支

配

す

る

領

域

であ

っ

た

が、

大

化

改

新

で

国

郡制

が

布

か

れ、

先

の

国

造

の

国

を

郡

と

し、

こ

れ

を

数

か

郡集

め

た

も

の

を

一

国

と

称

し

た。

都

の

周

辺

の

大

和

・

山

城

・

摂

津

・

河

内

・

和

泉

の

五

国

を

畿

内

と

し、

こ

れ

以

外

の

六

三

国

は

東

海

道

・

東

山

道

・

北

陸

道

・

山

陰

道

・

山

陽

道

・

南

海道

・

西

海

道

の

七

道

に

属

し

た。

琉

球

と

松

前

の

二

国

は

別

に

扱

わ

れ

た。２

江

戸

幕

府

の

国

絵

図

調

製

事

業

江

戸

期

に

調

製

さ

れ

た

全

国

的

な

国

絵

図

は、

正

保

・

元

禄

・

天

保

の

五

度

で

あ

る。

慶

長

・

寛

永

・

４４

「慶

長

国

絵

図」

は

江戸

に幕

府

を

開い

た

徳

川

家

康

に

よ

っ

て、

慶

長

九

年

（一六

〇

四）

に諸

国

の

大

名

に

命

じ

て

作

成

・

提

出

さ

れ

た

も

の

で

あ

る。

「寛

永

国

絵

図」

は

江戸

幕府

が

寛

永

十

年

（一

六

三

三）

に

巡

見

使

を

全

国

に

派

遣し

て

調製

させ

た

国絵

図

であ

る。

寛

永

十

二、

三

年ご

ろ

ま

で

に

は

終え

てい

る。

闇正

保

国

絵

図Ｌ

は

三

代

将

軍

家光

によ

っ

て寛

永

二

十

一

年

（一

六

四

四）

に

諸

国

の

大

名

に

命じ

て献

納さ

せ

た

も

の

であ

る。「

元

禄

国

絵

図」

は

五

代

将

軍

綱

吉

の意

向

によ

っ

て、

元

禄

十

年

（一

六

九

七）

に

諸

国

の

大

名

に

命じ

て

「正

保

国絵

図」

を

改

訂

さ

せ

た

も

の

で

あ

る。

同

十

五

年

（一

七

〇二）

ま

でに

は

幕

府

の

文

庫

に

収

納

し

て

い

る。

「天

保

国

絵

図」

は

諸

国

か

ら

の

献

納

で

はな

く、

天

保二

年

（一

八

三

一）

に

諸

国

に

改

訂

の

ため

の

調

査を

要

請し、

提

出

さ

れ

た

資

料

を

も

と

に

幕

府

勘

定

所

が

一

括

し

て

同

九

年

（一八

三

八）

ま

でに

改

訂

し

た

も

の

で

あ

る。

「琉

球

国

絵

図」

の

調

製

は、

慶

長

十

四

年

（一

六

〇

九）

の

島

津

侵

入

後

に行

な

わ

れ

た

正

保

国

絵

図

の

調

進

か

ら

で

あ

る。

二、

正

保

国

絵

図

１

国

絵

図

調

製

担

当

の

割

当

寛

永

二

十

一

年

⊃

六

四

四）

九

月、

三

代

将

軍

家

光

は

幕

府

の

老

中

や

大

目

付

ら

に、

諸

国

の

大

名

よ

り

国

絵

図

・

郷

帳

な

ら

び

に

城

絵

図

を

徴

収

す

る

よ

う

命

じ

た。

こ

の

事

業

の

担

当

奉

行

に

は、

大

目

付

の

井

上

筑

後

守

政

重

と

宮

城

越

前

守

和

甫

が

任

ぜ

ら

れ

た。

幕

府

は

寛

永

二

十

一

年

（正

保

元

年

と

改

元）

十

二

月

十

六

日

に

諸

国

の

主

要

大

名

と

江

戸

留

守

居

ら

を

幕

府

評

定

場

に

招

集

し

て、

国

絵

図

・

郷

帳

な

ら

び

に

城

絵

図

の

調

進

を

要

請

し、

国

ご

と

の

絵

図

元

を

割

当

て

た。

薩

摩

側

か

ら

は、

留

守

居

の

新

納

右

衛

門

佐

久

詮

が

諸

侯

と

と

も

に

列

席

し、

井

上

筑

後

守

と

宮

城

越

前

守

か

ら

領

国

の

絵

図

の

献

上

が

伝

え

ら

れ、

絵

図

基

準

の

条

書

が

渡

さ

れ

た。

絵

図

元と

い

う

の

は、

国絵

図の

調

製

を

担

当

す

る

大

名

の

こ

と

であ

る。

前

田綱

紀

（金

沢

藩）

の

よ

う

に加

賀

・

能

登

・

越

中

の三

ヵ

国を

一

人

の

大

名が

持

つ

場合

と、

信濃

のよ

う

に一

国を

水

野忠

清

（松

本

藩）

を

はじ

め

と

す

る

大

名

・

代

官あ

わ

一 ４５ 一

せ

て一

〇人

が

共

同

で受

け

持

つ場

合

が

あ

り、

必

ず

し

も

一

国

一

人

と

は

限

ら

な

か

っ

た。

共

同

で

受

け

持

つ

こと

を

相

持と

称

し

た。

松

平

薩

摩

守

（島

津

光久）

は、

薩

摩

・

大

隅

・

日

向

の

三

ヵ

国

の

国

絵

図

に加

え

て

「琉

球

国

絵

図」

も

割

当

て

ら

れ

た。

２

国

絵

図

調

製

基

準

幕

府

は

諸

国

の

絵

図

元

へ

国

絵

図

の

調進

を

命じ

た

と

き

に、

国

絵

図

調

製

の

基

準

とな

る

融国

絵

図

可仕

立

覚Ｌ

（二一二ヵ

条）

と

「絵

図

書

付

候

海

辺

之

覚」

（一

七

ヵ

条）

の

条

目

二

通

を

示

し

た。

鳳国

絵

図

可

仕

立

覚Ｌ

は

城

絵

図

・

国絵

図

・

郷

村

知

行

高

帳

の

作

成

要

領

で、

「絵

図

書

付

候

海

辺

之

覚」

は

湊

と

海

岸

の

注

記

の

要

領

で

あ

る。

こ

の

二

通

の

「覚」

は、

幕

府

領を

預か

る

代

官

に

あ

て

た

も

の

は

近

藤

守重

の

『好

書故

事」

や

国

立

公

文

書

館

内

閣

文

庫

が

所

蔵

す

る

『憲

教

類

典」

に、

ま

た

各

藩

に

あ

て

た

も

の

は

佐

賀

県立

図書

館

蔵

の

『多

久

家

有

之

候

御

書

類

之

写」

等

に

見

る

こ

と

が

で

き

る。

琉

球

国

に

関

し

て

は

絵

図

元

で

あ

る

島

津

家

の

『旧

記雑

録』

や「国

絵

図

作

成

に

関

す

る

史

料」に

確

認

す

る

こ

と

が

でき

る。

『旧

記

雑

録」

は、

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

に

島

津

家

本

（伊

地

知

季

安

。

季

通

自

筆

原

本）

が

所

蔵

さ

れ

て

お

り、

こ

れ

を

底

本

に

編

集

し

た

『鹿

児

島

県

史

料』

に

収

録

さ

れ

て

い

る。

ま

た

島

津

家

の

「国

絵

図

作

成

に

関

す

る史

料」

は、

鹿

児

島市

吉

野

町

磯

にあ

る

尚古

集成

館の

島

津

家

所

蔵

文

書

の

中

の

「国

絵

図

調

之

儀

二付

キ

ノ

書

付」

と

題

さ

れ

た

一

一

六

通

の

一

札

物

と

六

冊

の

史

料

で

あ

る。

「国

絵

図

可

仕

立

覚」

と

喘絵

図

書

付

候

海

辺

之

覚Ｌ

の

条

目

二

通

は、

登

録

番

号

六

九

四

八、

分

類

一

五、

分

類

番

号二

二

七

の

「覚

写」

に

収

録

され

てい

る。

内

容

は、

次

のと

お

り

であ

る。

於御評定場諸大名衆之留守居衆

井上筑後守殿

宮木越前守殿被仰渡候御条書之写

覚城之絵図之事

本二三丸間数之事

堀

之

ふ

か

さ

広

さ

の

事

天守之事

一 ４６ 一

一一一一一

惣

曲

輪

堀

広

さ

深

さ

の

事

城

よ

り

地

形

高き

所

有之

者

高

所

と

の

城

と

の

あ

ひ

た

間

数

書

付之

事

但惣

構よ

り

外

二

高

所

有

之

共

書

付

之

事

侍町小路わり井間数之事

町家右同断

山城平城書様之事

郷

村

知

行

高

別

紙

二

帳

二

作

二

通上

ケ

候

事

絵

図

帳

共

二

郡

わ

け

の

事

絵

図

帳

共

二

郡

切

二

郷

村之

高上

ケ

可申

候

事

帳

之

末

二

一

国

之

高上

ケ

可

申候

事

絵

図

帳

共

二

郡之

名

井

郷

村之

名

惣

而

難

字

ニ

ハ

朱

に

て仮名を付候事

絵

図

帳

共

二

村

二付

候

は

へ

山

井

芝

山

有

之

所

者

書

付

之事

郷村不落様二念を入絵図井帳二書付候事

水損旱損之郷村帳二書付候事

国之

絵

図

二

枚

こ

い

た

し

候

事

道

矩

六

寸

壱

里

二

い

た

し

絵

図

二

壱

里

山

を

書

付壱

里

（

山無之所者三拾六町二間を相定絵図二壱里山書

付之事

本道

ハ

ふ

と

く

脇

道

ハ

ほ

そ

く

朱

二

而

致

す

へ

き

事

本

道

冬

牛

馬

往

還

不

成

所

絵

図

二

書

付

之

事

川之名絵図二書付之事

名有山坂絵図二書付之事

壱

里

山

と

郷

と

の

間

道

法

絵

図

二

書

付

之

事

舟

渡

歩

渡

わ

た

り

の

広

さ

絵

図

二

書

付

之

事）

山中難所道法絵図二書付之事

国境道法壱里山他国之壱里山へ何程と書付之事

絵

図

二

山

木

の

書

様

色之

事

海川水色書様之事

郷

村

其

外

絵

取ご

ふ

ん

入

申

間敷

候

事

此

以

前上

り候

国之

絵

図相

違

之

所

候

問

念

を

入

初

め

上り候絵図二国中引合悪敷所直シ今度之絵図い

た

す

へ

き

事

寛

永

廿

一

年

十

二

月

十

六

日

一 ４７ 一

一一一一一一一一一一一一一一一一

被仰出候条書之写

絵図書付候海辺之覚

此湊岸ふかく舟懸自由

此湊少荒磯二候へ土ハ舟懸自由

此湊遠浅二而舟入かね候

此湊南風之時分者舟懸悪候

此湊西風之時分者舟懸不成候

湊

と

湊

と

の

問

い

にし

へよ

り

申

伝候

海

上

道

法

書

付

之事

船

道

水

底

二

はへ

有之

所書

付

之

事

他

国之

湊

口海

上

道

法

書

付

之

事

潮時二不構舟入候湊書付之事

潮時悪候ヘハ舟不入湊書付之事

此

渡

り

口

何

里

あ

ら

し

ほ

の

事

浜辺遠浅之事

此所左右二岩有之事

遠

浅

岩

つ

＼

き

の

事

右書付之外舟道悪所候ハ＼不残書付之事

湊之名書付之事

浦

々

之

名

書

付

之

事

寛

永

廿

一

年

十

二

月

十

六

日

３

国

絵

図

の

調

製

と

調

進

の

経

過

次

に、

「琉

球

国

絵

図」

の

調

製

に

つ

い

て

見

て

み

る

こ

と

に

し

よ

う。

」琉

球

国絵

図Ｌ

の

調

製

に

つい

て記

し

た

史

料

に

は、

ω

尚

古

集

成

館

所

蔵

島

津

家

文

書

「覚

写」、

②

平

敷

家

の

『曽

姓

家

譜」

（『那

覇

市

史』

家

譜

資

料

（三）

首

里

系）

や

㈹

『八

重

山

島

年

代

記」、

ゆ沖

縄

県立

図

書

館比

嘉

春

潮文

庫蔵

『（正

保

三

年

丙

戌

絵

図

帳

之

写ご、

㈲

『宮

古

八

重

山

両

島

絵

図

帳』、

㈲

『島

津

国

史」、

ω

『鹿

児

島

県

史

料

旧

記

雑

録

追

録

一」

が

あ

る。ｑ

覚

写

今度御国之絵図被成御調可有御進上之由候殊之

外細成被仰出二而候大粧成儀二候歎嶋津弾正殿

主

取

せ

ら

れ

絵

図

之

首

尾

致

さ

れ

候

や

う

にと

之

御

意二而候其御心得尤二候事

弾正殿へ肥後長左衛門高崎惣右衛門被相付候間

一 ４８ 一

随分念を入絵図之儀被致談合首尾可仕之由御意

二

而

候

其

外

筆

者

算

者

絵

書

琉

球

へ

被

罷渡

絵

図

之

首

尾可仕人絵図御主取以見計可被仰付之由候琉球

ヘ

ハ

取

方

木

工

右

衛

門

罷渡

候

二委

被

申

付

主

取

候

而

琉

球

絵

図之

儀

首

尾候

や

う

に

と

可

被

申

渡

候

旨

御

意二而候事

（中略）

以上

正

保

二

年

正

月

五

日

（尚

古

集成

館

所

蔵

島

津

家

文

書

「覚

写」）

吻

三世慶均瀬底親雲上

尚賢王世代

崇

禎

十

五

年

壬

午二

月九

日、

為

唐

船

改

奉

行

筆

者

順

治

二

年

乙

酉、

為

本

国中

絵

図、

従

薩

州

鬼

塚

源

太

左

衛

門

殿

・

大脇

民部

左

衛

門

殿

・

簗

瀬

清

右

衛

門

殿

・

遠

武

軍

介

殿渡

来

之

時、

為

案

内

者、

東

氏

当

山

親

雲

上

政尤

・李

氏

長

嶺

親

雲

上

由

恒、

為

筆

者

勤

焉

本年

十

一

月

九

日、

為

唐

船

改

奉

行

大

屋

子

叙

筑登

之

座

敷

順

治

三

年

丙

戌、

為

宮

古

・

八

重

山

島

絵

図、

鬼

塚

源

太

左

衛

門

殿

・

大

脇

民

部

左

衛

門

殿

・

簗

瀬

清

右

衛

門

殿

・

遠

武

軍

介

殿

赴

干

彼

地

之

時、

案

内

者、

杜

氏

名

刈

親

雲

上

良

盈

・

明

氏

美

里

親

雲

上

長

治、

為

筆

者。

十

月

三

日、

那

覇

開

船

到

干、

両

島

公

務

全

竣。

翌

年

丁

亥

四

月

七

日、

帰

京

（『曽

姓

家

譜」）

㈹

一、

（４）

国中

絵

図

井

為

竿

入、

鬼

塚

源

太

左

衛

門

殿

・

大

脇

民

部

左

衛

門

殿

・

簗

瀬

清

右

衛

門

殿

・

遠

武

軍

介

殿

・

美

里

親

雲

上

・

名

刈

親

雲

上

・

上

江

洲

筑

登

之

・

津

波

古

筑

登

之、

御

下

り、

次

亥

年

ま

て

御

検

地

相

仕

廻、

同

夏御帰国

（『八

重

山

島

年

代

記」）

琉球国

（中略）

戌六月十八日

与那嶺

一 ４９ 一

（５）

当屋真

遠

竹

軍

介

判

簗

瀬清

右

衛

門

同

大脇民部左衛門

同

鬼塚源太左衛門

同

（『（正

保三

年

丙戌

絵

図帳

之

写）」）

宮古島絵図

（中略）

亥四

月廿

一

日

（中略）

八重山島絵図

名

苅

見

里

遠

竹

軍

介

簗

瀬清

右

衛

門

大脇民部左衛門

鬼塚源太左衛門

同 同 同 在 同 在判 判

（６）

亥正

保

四年

四月

廿

一

日

名

苅

在判

見

里

同

筆者遠

竹

軍

介

絵書簗

瀬

清

右

衛

門

大脇民部左衛門

鬼塚源太左衛門

在判

同 同 同

（『宮

古

八

重

山

両

島

絵

図

帳』）

慶

安

二

年

己

丑

二

月

七

日。

（中

略）

大

隅

地

図。

日

向

地

図。

琉

球

城

図

成。

各

一

帖。

二

十

三

日。

遣

使

持

図

三

帖。

付

井

上

筑

後

守

以

上。

拠

島

津

図

書

文

書。

七

月

二

十

一

日。

薩

摩

地

図。

琉

球

地

図。

大

島

地

図。

八

重

山

島

地

図

成。

各

二

帖。

八

月

五

日、遣

使

持地

図八

帖。及

日

隅

薩

図

田

帳

六

冊。

路

程

帳

三

冊。

琉

球

図

田

帳

路

程

帳

各

一

冊。

付

井

上

筑

一 ５０ 一

（７）

後

守

以

上。

拠

島

津

図

書

文

書。

旧

譜

十

一

月

五

日。

上

薩

隅

日琉

球

地

図。

島

津

左

衛

門

系

図

亦

云

十

一

月五

日。

與

島

津

図

書

文

書

不

合。

蓋

地

図

成。

轍上

之

如

図書

文

書

所

記。

而

其

完

局

在

十

一

月

五

日

爾。

不

然。

彼

此

必

有

一

誤。

今

不

可

考。

（『島

津

国

史」）

光久公御譜中

先

是

寛

永二

十一

年

所命

之

領

国

薩

・

隅

・

日

・

琉

球

国

之

図、

並

日

州伊

東

大

和

守

祐

久

・

有

馬

蔵

人

康

純

・

秋

月長

門守

種

春

・

島

津

但

馬

守

久

雄

之

領

土

以

四

家

所

献

之

地

図

浄

書

焉、

以

今

藪

慶

安

二

年

十

一

月五

日、

献

呈

両

奉

行

井

上

筑

後

守

政

清

・

曽

我

源左

衛

門

干江

府

　

（『鹿

児

島

県

史

料

旧

記

雑

録

追

録

一」）

藩

主

松

平

薩

摩

守

（島

津

光

久）

は、

家

老

の

島

津

弾

正

大

弼

（久

慶）

を

絵

図

の

主

取

に

命

じ、

肥

後

長

左

衛

門

と

高

崎

惣

右

衛

門を

付

け

て補

佐

さ

せ

た。

今

度

の

絵

図

の

調

製

は、

絵

図

書

付け

の

条

書

き

に

も

見

る

よ

う

に、

細

か

い

と

こ

ろま

で

幕

府

の

指

示

が

出

て

い

る

の

で

慎

重

に

進め

な

け

れ

ば

な

ら

な

か

っ

た。

そ

の

他

に、

琉

球

の

絵

図

も

調

製し

な

け

れば

な

らな

か

っ

た。

そ

の

ため

に、

琉球

国絵

図の

主

取

に在

番

奉

行

の

諏訪

木

工

衛

門

を

任

じ、

筆

者

・

算

者

・

絵

書

を

渡

島

さ

せ

た。

順治

二

年

（一

六

四

五）

つま

り

正

保

二

年

に、

国

中

（琉

球

国）

の

絵

図

を

描

く

た

め、

薩

摩

か

ら

鬼

塚

源

太

左

衛

門

・

大

脇

民

部

左

衛

門

・

絵

書

の

簗

瀬

清

右

衛

門

・

筆

者

の

遠

竹

軍

介

ら

が

来

島

し

た。

絵

書

の

簗

瀬

清

右

衛

門

は、

幕

府が

推

薦し

た

江

戸

の

狩

野

派

の

絵

師

であ

ろ

う。

沖

縄

島

お

よ

び

周辺

離

島

は、

東

氏

当

山

（当

屋

真）

親

雲

上

政

尤

、

李

氏

長

嶺

（与

那

嶺）

親

雲

上

由

恒

ら

が

案

内

し、

絵

図

帳

が

翌

三

年

の

六

月

十

八

日

に

完

成

し

た。

宮

古

・

八

重

山

両

島

に

つ

い

て

は、

三

年

の

十

月

三

日

に

那

覇

湊

を

出

帆

し、

杜

氏

名

刈

親

雲

上

良

盈

・

明

氏

美

里

親

雲

上

長

治

ら

の

案

内

で

調

査

を

行

な

い、

翌

四

年

の

四

月

七

日

に

戻

っ

て、

同

月二

十

一

日

に

『宮

古

八重

山

両

島

絵

図

帳」

を

完

成

させ

た。

■絵

図

帳Ｌ

な

ど

の

調査

資料

を

基

に、

鹿

児島

では

国絵

図

調製

基

準

に沿

っ

て国

絵

図

が

調

製

さ

れ

た。

ま

ず

下

絵

図

を

描

き、

伺

絵

図

と

し

て

担

当

奉

行

であ

る

大

目

付

の

井

上

筑

後

守

政

一 ５１ 一

重

の

許へ

持

参し

た。

担

当

者

の

内

見

を

仰

ぎ、

手

直

しし

て

清

書

し

た。

『島

津

国

史』

に

よ

れ

ば、

慶

安

二

年

（一六

四九）

二

月七

日

に

「大

隅

地

図」・「日

向

地

図」・剛琉

球

城

図Ｌ

が

完

成

し、

二

十

三

日

に

上

が

り

絵

図

と

し

て

献上

され

た。

ま

た、

七

月

二

十

一

日

に

「薩

摩

地

図」・「琉

球地

図」・」大

島

地

図Ｌ・輔八

重

山

島

地

図

絵

図Ｌ

が

出

来

上

が

り、

八

月五

日に

国

絵

図

八

帖

と

薩

摩

・

大

隅

・

日

向

の

「図

田

帳」

各

二

冊、

同

備路

程

帳Ｌ

各

一

冊、

琉

球

の

７図

田

帳Ｌ

一

冊、

同

「路

程

帳」

一

冊

を

献

上

し

た

と

い

う。

囑光

久

公

御

譜Ｌ

で

は

十

一

月五

日と

い

う。

４

添

献上

物

正

保

国

絵

図

の

調進

の際

には、

国

絵

図

二

枚

の

他

に

郷

帳

二

冊

・

道

帳

二

冊

・

城

絵

図

一

鋪

が

添

え

ら

れ

た。「道

帳」と

■城

絵

図Ｌ

の二

つ

は正

保

度

の

み

の

献

上

で、

元

禄

度

以

降

の

国

絵

図

調

進

の

際

に

は

提出

さ

れ

ては

い

な

い。

「郷

帳」

と

は、

郷

村

の

知

行

高

を

郡

ご

と

に

分

け

て

記

載し

た

帳

簿

であ

る。

島

津

氏

か

ら

献

上

さ

れ

た

■帳Ｌ

の

名

称

は、

『島

津

国史」

等

によ

れ

ば

「図

田

帳」

と

題

し

て

い

た

よ

う

で

あ

る

が、

正

保

度

の

「郷

帳」

が

現

存

し

て

い

な

い

の

で、

正

確

な

名

称

を

確

認

す

る

こ

と

は

で

き

な

い。

現

在

知

ら

れ

て

い

る

他

の

国

の

正

保

度

の

闇郷

帳Ｌ

は、

萩

藩

が

作

成

し

た

『周

防

国

石

高

帳』

や

『長

門

国

石

高

帳」、

岡

山

藩

が

作

成

し

た

『備

中

国

十

一

郡

之

帳」

な

ど

が

あ

る。

正

保

度

の

」郷

帳Ｌ

は、

記

載

さ

れ

る

事

項

は

同

じ

よ

うな

も

の

で

も、

そ

の

名

称

や

記

載

様

式

は

ず

い

ぶ

ん

異な

っ

て

い

た

よ

う

であ

る。

慶安

二

年

に献

上

さ

れ

た

「図

田

帳」

で

はな

いが、

寛文

八

年

申

十

月

付

の

「琉

球

国

郷

帳」

と

い

う

のが

用寛文

印知

集Ｌ

と

と

も

に

『続々

群

書

類

従」に

収

録

さ

れ

て

い

る。ま

た、『琉

球

国

絵

図

史

料

集

第

一

集』

の

第

四

章

に

関連

史

料

と

し

て収

録

し

た

の

で参

照

し

てい

た

だ

き

た

い。

」道

帳Ｌ

は

道

路

の

里

程

や

渡

河

の

方

法、

舟

路

の

距

離、

湊

の

舟懸

か

り

の

状

況

等

の

交

通

に

関

す

る

情

報

を

詳

細

に

記

し

た

帳

簿

で

あ

る。

闇道

帳Ｌ

の

提

出

に

つい

て

は、

先

の

国

絵

図

調

製

基

準の

条

目

二

通

に

は

何

ら

触

れ

ら

れ

て

は

い

な

い

が、

各

国

ご

と

に作

成

さ

れ

提

出

さ

れ

た

よ

う

で

あ

る。

川

村

博

忠

氏

の

調

査

によ

れ

ば、

現

存

す

る

正

保

度

の

「道

帳」

は、

山

口

県

文

書

館

所

蔵

の

『周

防

国

大

道

小

道

井

灘

道

舟

路

之

帳」・『長

門

国

大

一 ５２ 一

道

小

道

井

灘道

舟

路

之

帳」、

岡

山

大

学

図

書

館

所

蔵

の

『備

前

国

道

筋

井

灘

道

舟

路

帳』・『備

前

国

道

筋

井

灘

道

舟

路

帳』、

国

立

史

料

館

所

蔵

の

『阿

波

国

海陸

道

度

之

帳」・『淡

路

国

海

陸

道

度

之

帳」、

金

沢

市

立

図

書

館

所

蔵

の

『越

中

国

道

程

帳」

で

あ

る

と

い

う。

島

津

氏か

ら

献

上

さ

れ

た

「道

帳」

の

名

称

は、『島

津

国

史」

に

よ

れば

「路

程

帳」

と

称

し

た

よ

う

で

あ

る

が、

こ

れ

も

現

存

しな

い

の

で正

確

な

名

称

や

内

容

を

確

認

す

る

こ

と

は

で

き

な

い。

『琉

球

国

絵

図史

料

集

第

一

集』

の

第

四

章

に

関

連

史

料

とし

て

収

録

し

た

『（悪

鬼

納

島）

絵

図

帳」

及

び

『宮

古

八

重

山

両

島

絵

図

帳』

は、

絵

図調

製

の

た

あ

の

調

査

資

料

で

あ

る

と

思

わ

れ

る

が、

内

容を

見

てみ

る

と

「郷

帳」

と

「道

帳」

の二

つを

合

わ

せ

た

も

の

のよ

う

であ

る。

「城

絵

図」

は、

諸

国の

城

の

主

要

施

設

及

び

城

下

の

屋

敷

や

道

路な

ど、

これ

を

取

り

巻

く

地

形

・

地

物

を

描

い

た

絵

図

であ

る。

幕

府

は

国土

統

治

の

上

か

ら

も、

特

に

正

保

度

の

国

絵

図

調

進

で

は

こ

の

「城

絵

図」

の

提

出

強

く

命

じ

た。

国

絵

図

調

製

の

基

準

の

「国

絵

図

可仕

立

覚」

二

三

ヵ

条

の

最

初

に

位

置

付

け、

城

の

形

態

か

ら

町

屋小

路

割

り

に

い

た

る

ま

で

細

か

く

指

示を

出

し

て

い

る。

川

村氏

は

「幕

府

は

島

原

の

乱

での

に

が

い

経

験

か

ら

各

国諸

城

の

機

能

特

性

を

完

全

に

掌

握

せ

ん

と

し

て

諸

大

名

に

ふ

提

出

を

命

じ

た

も

の

で

あ

る」

と

み

て

い

る。

７城

絵

図Ｌ

は

文

化年

間の

近

藤

守

重

の

調

査

で

は、

一

五

七

枚

あ

っ

た

と

さ

れ

て

い

る

が、

現

存

し

て

国

立

公

文

書

館

の

内

閣

文

庫

に

所

蔵

さ

れ

て

い

る

の

は

六

三

鋪

に

す

ぎ

な

い。

そ

の

中

に

は

残

念

な

が

ら

首

里

城

の

城

絵

図

は

入

っ

て

い

な

い。

戦

前

の

首

里

市

役

所

に

保

管

さ

れ

て

い

た

首

里

の

絵

図

は、

正

保

度

に

調

製

さ

れ

た「城

絵

図」の

写

し

で

は

な

か

っ

た

ろ

う

か。

原

本

の

絵

図

は

去

る

沖

縄

戦

で

焼

失

し

た

が、

明

治

四

十

三

年

に

東

恩

納

寛

淳

氏

が

絵

師

の

具

志

氏

に

嘱

し

て

作

ら

せ

た

模

写

図

が

沖

縄

県

立

図

書

館

東

恩

納

寛

淳

文

庫

に

所

蔵

さ

れ

て

い

る。ま

た、

大

正

末

期

に

鎌

倉

芳

太

郎

氏

に

よ

っ

て

撮

影

さ

れ

た

ガ

ラ

ス

乾

板

のネガが沖縄県立芸術大学や那覇市文化局歴史資料室に

保

管

さ

れ

て

い

る。

『琉

球

国

絵

図

史

料

集

第

三

集」

の

第

五

章

では沖縄県立図書館東恩納寛淳文庫の模写図を基本にガ

ラ

ス乾

板

の

「首

里

古

地

図」

の

文

字

情

報

を

校

合

し

て

翻

刻

し

た

も

の

を

掲

載

し

た。

豊

見

山

和

行

氏

に

よ

る

解

題

を

参

照

し

て

い

た

だ

き

た

い。

こ

の

絵

図

の

製

作

年

代

に

つ

い

て

は、

多

く

の

一 ５３ 一

　

研

究

者が

論

争

し

た

が

い

ま

だ

に

結

論

を

見

て

いな

い。

正

保

度

の

」城

絵

図Ｌ

と

の

関

連

で

の

研

究

が

待

た

れ

る。

５

正

保

国

絵

図

の

現

存状

況

正

保

国

絵

図

は

現

存す

る

の

であ

ろ

う

か。川

村

博忠

氏

は噛幕

府

が

慶安

初

年

ご

ろま

でに

収

納

し

終

え

た

正

保

国

絵

図

は、

そ

の

後

間も

な

く

明

暦

三

年

（一

六

五

七）

の

大

火

で

江

戸

城

が

炎

上

し

た

と

き

焼

失

し

て

し

ま

っ

た

よ

う

で

あ

るＬ

と

い

う。

そ

し

て

「そ

の

た

め

に、

幕

府

は

寛

文

年

間

に

い

たり

諸

国の

絵

図

元

に

国

絵

図

の

再

提

出

を

要

請

し、

正

保

国絵

図を

ふ

た

た

び

収

納

　

し

た

も

の

と

推

測

され

る」

と

い

う。

幕

府

文

庫

に

保

管さ

れ

てい

る

正

保

国

絵

図

を

調

査

し

た

■古

絵

図

員

数

書

付Ｌ

（『竹

橋

余

筆

別

集』

収

録）

に

よ

れ

ば、

享

保

二

年

（一

七

一

七

年）

十

二

月

九

日

の

時

点

で

「琉

球

国

絵

図」

三

枚

が

存

在

し

て

い

た

こ

と

を

確

認

で

き

る。

し

かし、

幕

府文

庫

を

受

け

継

い

だ

内

閣

文

庫

（現

国立

公

文

書

館内）

には、

正

式

な

正

保

の

国

絵

図

は

現

存

しな

いと

い

う。川

村

博

忠

氏

は「明

治六年

（一八七三）

の皇居火災のときの焼失書目には国

絵

図

は

含

ま

れ

て

いな

い

も

のの、

皇

居火

災

の

折

り

に

は

『皇

国地

誌」

編

纂

の

た

め

太

政

官

内

地

誌

課

に

集

め

ら

れ

てい

た

地

図

を

含

む

多

く

の

資

料

が

焼

失

し

て

い

る

こ

と

か

ら、

正

保

国

絵

　

図

も

こ

の

と

き

焼

け

て

し

ま

っ

た

可

能

性

は

あ

る

で

あ

ろ

う一

と

い

う。

正

式な

正

保

国

絵

図

は

現

存

しな

い

が、

絵

図

元

の

藩

に

は

下

絵

図

・

伺

絵

図

・

控

絵

図

な

ど

の

絵

図

を

残

し

て

い

た

の

で、

こ

れ

ら

の絵

図の

一

部

が

今

日ま

で伝

え

ら

れ

てい

る

可能

性

が

あ

る。

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

の

土

田

直

鎮

教

授

を

研

究

代

表

者

と

す

る

層現

存

古

地

図

の

歴

史

地

理

学

的

研

究Ｌ

グ

ル

ー

プ

に

よ

っ

て、

二

五

ヵ

国

の

正

保

国

絵

図

の

下

絵

図

・

伺

絵

図

・

控

絵

図

な

ど

の

絵

図

の

現

存

が

確

認

さ

れ

て

い

る。

松

平

薩

摩

守

（島

津

光

久）

よ

り

幕

府

に

献上

さ

れ

た

正

式

の

正

保

国絵

図

は

現

存し

な

い

が、

東

京大

学史

料

編

纂

所

所蔵

の

島津

家文

書

中

には

島

津

家

文

書

七

六

ｉ

ニ

ー

二

の

「正

保

薩

摩

国

絵

図」

の

他

に、

同

七

六

ー

ニ

ー

四

の

「琉

球

国

絵

図」、

同

七

六

ー

ニ

ー

五

の

軸琉

球

国

悪

鬼

納

絵

図Ｌ、

同

七

六

ー

二

六

の

「琉

球

国

八

（重）

山

絵

図」

の

三

鋪

の

■琉

球

国

絵

図Ｌ

が

あ

る。

こ

の

島

津

家

文

書

国

絵

図

を

調

査

し

た

黒

田

日

出

男

・

杉

本

史

子

の

両

氏

は

「三

枚

の

琉

球

絵

図

は、

元

禄

国

絵

図

作

成

時

一 ５４ 一

に

作成

作業

の

参

考

の

た

め

に

写

さ

れ

た、

正

保

国絵

図の

写

で

あ

る

可能

性

が

最

も

高

い

と

考

え

ら

れ

るＬと

報

告

を

し

て

い

る。

６

正

保

度

酬琉

球

国

絵

図Ｌ

の

様式

と

内

容

①

島

津

家

文

書

七

六

ー

ニ

ー

四

の

」琉

球

国絵

図Ｌ

は

鬼

界

島

、

大

島

・

徳

之

島

・

永

良

部

島

・

与

論

島

の

五

島

を、

②

同

七

六

－

ニ

ー

五

の

「琉

球

国

悪

鬼

納絵

図」

は

悪

鬼

納

島

・

計

羅

摩

島

。

戸

無

島

・

久

米

島

・

粟

島

・

伊

恵

島

・

伊

是

那

島

・

恵

平

屋

島

の

八

島

を、

⑧

同

七六

ー二

ー六

の

「琉

球

国

八

山

絵

図」

は

宮

古

島

・

八

重

山

島

の二

島を

描

い

た

も

の

で

あ

る。

全

体

法

料

は

①

が

七

二

八勲艀

×

三

四八痩レ冴、

②

が

三

五

一

弛艀

×

五

七二煙艀、⑧

が

三

四

〇弛膨

×六

二

五弛レ冴であ

る。

縮

尺

は

絵

図基

準

の

条

書

の

と

お

り

六

寸

一

里、

つま

り

二

万

一六

〇

〇

分

の一

であ

る。

方

位表

示の

方

法

は、

図

面

の

四

辺

に

東

西

南北

の

方位

文

字

を

内

側

向き

に記

載

し、

ほ

ぼ

十

字

にな

る

よ

う

にし

てい

る。

①

と

②

は、

北

を

真

上

か

ら

右

に

四

十

五

度

ほど

傾け、

そ

れ

ぞ

れ

の

島が

収

録

で

き

る

よ

う

に

し

て

い

る。

晶

紙

（ら

い

し）

と

称

さ

れ

る

図

面

の余

白

には、

ま

ず

右

端

の

下

に

献

上

者

で

あ

る

藩主

の

」松

平

薩

摩

守Ｌ

の

名を

記し、

二

行

目

の

上

の

方

に

②

で

は

「琉

球

国」、

①

と

⑧

で

は

「琉

球

国

之

内」

と

国

名を

書

い

て

い

る。

三

行

目以

降

は

島

ご

と

に、

上

か

ら

村

形

の

郡

別色

区

分

の凡

例

・

高

・

島

名

を

記

載

し

て

い

る。村

形

の

郡

別

色

区

分

の

凡

例

は、村

形

（小

判

型

の

楕

円

形）

の

中

に

島ご

と

の色

を

示し

てい

る。

①

の

鬼

界

島

は

深

緑、

大

島

は赤、徳

之

島

は

黄、永

良

部

島

は

水

色、

与

論

島

は

若

竹

色、

②

の悪

鬼

納

島

は

赤、

計

羅

摩

島

は

深

緑、

戸

無

島

は

白、

久

米

島は

榿、

粟

島

は

若

竹

色、

伊

恵

島

は

納

戸

色、

伊

是

那

島

は

白

群、

恵

平

屋

島

は

撫

子

色、

③

の

宮

古

島

は

と

き

色、

八重

山

島

は

撫

子

色

で

あ

る。

高

は

①

と

②

は

「斗」

ま

で

表

示し、

③

は

■合Ｌ

ま

で

求

め

て

い

る。

島

名

に

は

朱

で

力

タ

カ

ナ

の読

みが

付

さ

れ

て

い

る。

た

と

え

ば

①

と

②

で

は

酬大

嶋Ｌ

に

胃ヲ

ホＬ、

「悪

鬼

納

島」に囑ヲキ

ナ

ハＬ

と

振

っ

て

あ

る

が、

③

で

は

闇宮

古

嶋Ｌ

に

は

「ミ

ヤ

コ

シ

マ」、

「八

重

山

嶋」

に

は

「ヤ

ヱ

マ

シ

マ」

と

い

うふ

う

に

■シ

マＬ

ま

で

つけ

てい

る。

最後

の

行

に

は

高

の

合

計

で

あ

る

輔都

合高Ｌ

を

記載

し

てい

る。

単

位

は

先

の

島ご

と

の

高

の

表

記と

同じ

であ

る。

絵

図

の

中

の

文

字

の

書

付け

は、

沖

縄

島

では

四

角

形

で図

示

一 ５５ 一

さ

れ

た

首

里

城郭

の枠

の

中

に

」首

里

王

城Ｌ

と

記

し

て

あ

り、

そ

れ

ぞ

れ

の

島

に

は

島

名

・

高

・

島

廻

り

・

人

居

の

有

無

を、

そ

れぞ

れ

の村

形

には

村

形

の

郡

別

色

区

分

の

凡

例

で

示

し

た

地

色

の上

に

間切

か

島

名

・

高

ま

た

は

間

切

之

内

の

村

名

を

書

い

て

い

る。

島

名

・

間

切

名

・

村

名

な

ど

の

難

解

な

漢

字

の

地

名

に

は

朱

でカ

タ

カ

ナ

の

読

み

が

付

さ

れ

て

い

る。

内

陸

部

に

は

山

な

み

や

池

・

沼

な

ど

の

自

然

物

が

景

観的

に

描

写

さ

れ、

①

の

高

嶽

・

あ

ま

み

嶽

・

七

ツ

嶽、

③

の

お

も

と

嶽

の

よ

う

に

特

に

名

の

あ

る

山

は

そ

の

名

称

が

記

さ

れ

て

い

る。ま

た、

①

に

は

お

か

ミ

山

が

九

か

所、

池

が

一

九

か

所

も

記

載

され

てい

る

が、

②

や

③

に

は

ま

っ

た

く

記

載

さ

れ

て

いな

い。

道

路

は

朱

筋

で

書

か

れ、

太

さ

に

よ

っ

て

本道

と

脇

道

を

区

別

し

て

い

る。

①

で

は

大

島

を

は

じめ

各

島を

一

周

す

る道

路

や

島

を

横

断

す

る

道

筋

が

描

か

れ

て

い

るが、

一

周道

路

には

小

書

が

な

く、

横

断

す

る

道

に

は

大

島

の

「す

こ

村

大道

よ

り

住

用

問切

大

道

迄

三

里

九

町」

と

か、

徳

之

島

の

「東

間切

大道

ヨ

リあ

こ

ん

村

大

道

迄

四

里

山

坂

難

所

牛

馬

無

往

還」と

小

書

さ

れ

て

い

る。

徳

之

島

の

記

載

は

唯

一

山

坂

の

交

通

の

難

所を

記し

た

も

の

であ

る。

②

で

は

首

里

の

王

城

を

起

点

と

す

る五

本道

筋が

描か

れ

て

い

る。

島

尻

を

縦

断

す

る

道

筋

や

中

北

部

の

横

断

道

路

・

久

米

島

の

道

筋

に

は、

絵

図

に

小

書

で

７何

処

ヨ

リ

何

処

迄

何

里

何

町Ｌ

と

距

離

の

注

記

がな

さ

れ

て

い

るが、

西

海

道

・

島

尻

方

西

海

道

・

東

海

道

・

島

尻

方

東

海

道

の

四

本

は

絵

図

に

は

小

書

が

な

く、

『琉

球

国

（悪

鬼

納

島）

絵

図

帳」

の

末

尾

に

胴西

海

道

一

西

原

問

切

境

６浦

添

間切

之

内

ゑ

そ

村壱

里

山迄

弐

十壱

町Ｌ

のよ

う

に、

間切

境か

ら

隣

接

問切

の一

里

山ま

で

の

距

離が

次

々

に

記さ

れ

てい

る。

③

にも

道

筋

は描

か

れ

てい

るが

注

記

の

小

書

は

見当

ら

ず、

『宮

古

八

重

山

両

島

絵

図

帳」

の

綱宮

古

島

絵

図Ｌ

の

最初

の

宮

古

島

の

島

長

の

と

こ

ろ

に

」附

道

法

八

里

拾

町Ｌ

と

あ

り、

「八

重

山

島

絵

図」

も

同

じ

く

石

垣

島

島

長

の

と

こ

ろ

に

囑附

道

法

弐

里

拾

五

町Ｌ

と

あ

る

だ

け

であ

る。

道

筋

に

は

一

里

ご

と

に

一

里

山

が

朱

筋

を

挟

む

よ

う

に

黒

丸

の

二

点

で描

か

れ

て

い

る。

一

里

山

の

存

在

は、

沖

縄

県

歴

史

の

道

調

査

等

で恩

納

村

な

ど

で

確

認

さ

れ

て

い

る。

川

や

入

江

を

渡

る

地

点

に

は、渡

歩

の

場

合

は「歩

渡

り」、

舟

で

渡

る

場

合

は

「満

汐

時

二

舟

渡

り」、

橋

が

架

け

ら

れ

て

い

る

場

合

は

蝟橋

有Ｌ

と

記

さ

れ

て

い

る。

人

為

的

な

も

の

では、

神

社

や

異

国

船

遠

見

番

所、

城

跡、

橋

一 ５６ 一

梁

が

描

か

れ

て

い

る。

鬼

界

島

の

八

幡

宮

や

宮

古

島お

よび

八

重

山

島

の

「権

現」

と

書

か

れ

た

と

こ

ろ

に

は、

同

じ

よ

うな

社

殿

の

絵

が

描

か

れ

て

い

る。

ち

な

み

に、

鬼

界

島

の

湾

の

天

神

森

に

は

大

権

現

と

刻

ま

れ

た

碑

が

あ

る

と

い

う。

『琉

球

国

由

来

記」

巻

十

の

「諸

寺

旧

記」

に

は、

宮

古

島

の

龍

峰

山

祥

雲

禅

寺

の

社

宮

に

大

権

現と

あ

る。

ま

た、

八

重

山

島

の

南

海

山

桃

林

禅

寺

に

は宝

鏡三

個を

か

け

て大

権

現

を

祝

う

と

あ

る。同巻

十

一

の「諸

寺

縁

起」

に

は、

波上

山

三

所

権

現

縁

起

に

大

権

現

の

記

載

が

あ

り、

波

之

上

宮

の

と

こ

ろ

に

は

石

垣

を

め

ぐ

ら

し

た

絵

が

描

か

れ、

「波

之

上

権

現」

と

書

か

れ

て

い

る。

海

上

交

通

に重

要

な

役

割

を

果

た

し

た

異

国

船遠

見番

所は

与

論

島

と

沖

ノ

郡

島

に

あ

り、

豊

見

城

城

跡

の

と

こ

ろ

に

は

石垣

を

囲ん

だ

城

郭

の

絵

が

描

か

れ

て

い

る。

海

辺

に

つい

て

は

「絵

図

書

付

候

海

辺之

覚」

によ

っ

て記

載

要

領

が

示

さ

れ

て

お

り、

主

要な

湊

の

場

合

は湊

の入

（奥

行）

何

町

・

広

さ

何

町

・

深

さ

何

尋

と

い

っ

た

規

模

を

示

し、

風

に

よ

る

影

響と

着

船の

状

況

が

記

載

さ

れ

て

い

る。

ま

た、

崎

や

岩礁

・

干

瀬

・

浜

・

浦

・

干

潟

・

川

な

ど

の

海

辺

の

地

形

・

名

称

も

詳

し

く

書

き

込ま

れ

てい

る。

湊

と

湊

を

結

ぶ

舟

路

は

道

路

と

同

じ

よ

う

に朱

筋

で図

示

さ

れ「何

処

の

湊

よ

り

何

処

の

湊

ま

で

何

里」

と

距離

が

示さ

れ

た。三

枚

に

分

割

さ

れ

た「琉

球

国

絵

図」

は、

航

路が

接

合

でき

る

よ

う

に絵

図の

縁

の

舟

路

の

端

には

口

や

▽

な

ど

いく

つか

の合

印

が

記

さ

れ

てい

る。

三、

元禄

国絵

図

１

国

絵

図

改

訂

の

概

要

寛

永

二

十

一

年

（一

六

四

四）

に

三

代

将

軍

徳

川

家

光

の

命

に

よ

っ

て

全

国

か

ら

献

上

さ

れ

た

正

保

の

国

絵

図

は、

五

〇

年

を

経

た

元

禄

十

年（一

六

九

七）に

五

代

将

軍

徳

川

綱

吉

の

意

向

に

よ

っ

て

改

訂

さ

れ、

新

た

な

国

絵

図

が

幕

府

の

文

庫

へ

収

納

さ

れ

た。

こ

の

と

き

に

改

訂

さ

れ

た

元

禄

の

国

絵

図

を」新絵

図Ｌと

称

し、

先

の

正

保

の

国

絵

図

を

闇古

絵

図Ｌ

と

呼

ん

で

い

る。

慶

安

二

年

（一

六

四

九）

に

松

平

薩

摩

守

（島

津

光

久）

よ

り

薩

摩

国絵

図

な

ど

と

と

も

に

調

進

さ

れ

た

琉

球

国

絵

図

も

改

訂

さ

れ、

元禄

十

五

年

（一

七

〇

二）

八

月

十

二

日に

新

た

な

琉

球

国

絵

図が

松

平薩

摩

守

（島

津

綱

貴）

か

ら

幕府

へ

献

上

さ

れ

た。

元

禄九

年

（一

六

九

六）

十一

月二

十三

日

に、

将

軍

綱

吉

の

一 ５７ 一

意

向

が

老

中

土

屋

相

模

守政

直

か

ら

幕

閣

に

伝

え

ら

れ、

翌

十

年

閏

二

月

四

日

に

は幕

府

評定

所

に

諸

大

名

の

江

戸

留

守

居

役

を

召

集し

て

国絵

図

改

訂

が

命

じ

ら

れ

た。

幕

府

文

庫

に

収

納

され

て

い

る

正

保

の

国

絵

図

と

郷

帳

を

各

絵

図

元

に

貸し

出し

て

写し

と

ら

せ、

正

保

以

降

の

変

更

を

訂

正

させ

て

新た

な

国絵

図

を

献

上

さ

せ

る

と

い

う

も

の

で

あ

る。

元

禄

十

年

閏

二

月

に

始

ま

っ

た

今

回

の

国

絵

図

の

改

訂

事

業

は、

同

十

五

年

十

二

月

ま

で

に

全

国

の

新

た

な

国

絵

図

八

三

鋪

（『元

治

増

補

御

書

籍

目

録」

等

で

は

八

四

鋪

と

い

う）

を

収

納

し

て終

了し

た。

お

よ

そ

六

年

の

歳

月

を

要し

てい

る。

幕

府

は

こ

の

新

絵

図

を

基

に

日

本全

図と

し

ての

「日本

御

絵

図」

を

三

枚

作

成

し

た。

２

新国絵図改訂基準

幕

府

は、

今

回の

新

国

絵

図

改

訂

で

も

そ

の基

準と

な

る

三

通

の

令条

を

諸

国

の

絵

図

元

へ

示

し

た。

ま

ず、

元禄

十

年

四

月

に

改

訂

の

方

針

を

示し

た

■覚Ｌ

（七

ヵ

条）

を

渡

し、

翌

五

月

に

絵

図

の

具

体

的

な

記

載

要

領を

示

し

た

」国

絵

図

仕

立

様

之

覚Ｌ

（一

〇

ヵ

条）

と

国

境

記

載

の

要

領

であ

る

」国

境

絵

図

仕

様

之

覚Ｌ

（二

ヵ

条）

を

交

付

し

た

の

で

あ

る。

こ

れ

ら

の

令

条

は、

『鹿

児

島

県

史

料

旧

記

雑

録

追

録

二」

や

尚

古

集

成

館

の

島

津

家

文

書

所

蔵

文

書

の

中

の

「国

絵

図

調

之

儀

二

付

キ

ノ

書

付」

に

見

る

こ

と

が

で

き

る。

こ

こ

で

は

『鹿

児

島

県

史

料

旧

記

雑

録追

録二』

に

収録

され

た

も

のを

列挙

す

る。

覚

先年之絵図何茂江借渡可申事

新絵図分割等其外古絵図之通可被仕候

但

古来

と

川筋

違

候

所、

或

新

川

・

新

道

・

新

村

又

は

新

池

沼

等

有

之

ハ、

被

相

改

絵

図

二

可

被

記

事

国

々

御

領

・

私

領

・

寺

社

領、

正

保

二

年

酉

之

年

以

来

地

形

二

変

り

候

所

有

之

候

哉、

御

代

官

・

領

主

又

は

寺

社方江被相尋、

変儀無之由申分は絵図被取候二

不

及、

古

絵

図

之

通

可

被

仕

候、

尤

変

所

有之

分は

其

村

計

絵

図を

被

取、

本絵

図可

被

直

候

事

附

御領

・

私

領

又

は

寺

社

領

之

分、

銘

々

所

付

書

付

可

相

渡

候

間、

其

上

古

絵

図

二

有

之

村

々

二

而

被

相

一 ５８ 一

改、

様

子

被

尋

儀

は

其

所

々

江

直

二

可

被相

尋

候

正

保

二

年

以

来

論

所

等

有

之、

裁

許

相

済

候

所は

古

絵

図

と

違

候

場

所

茂

可

有之

候

問

銘々

御

代

官

・

領

主

又

は

寺

社

方

江

被

相

尋、

左

様之

所茂

有

之

は、

新

絵

図

二

可

被

改

之

候

但

右

論

所之

儀、

国境

・

郡境

之

外

之

出

入

は

不

及

吟味事

国

境

・

郡境ロハ今

論

所

有

之、

内

証

二

而

不

済

儀

は

公

儀

江訴、

請

裁

許

候

様

二

被

申

達、

裁

許

済

候

以

後、

其

所絵

図二

可

被

記

事

附ロハ今

及

諏

論

公

儀

江

出

候

場

所

茂、

出

入

相

済

候

以

後、

絵

図

二

可

被

記

事

国

境

・

郡

境

之

外

之

出

入

は

裁

許

無

構、

絵

図

仕立

可

被申事

借

渡

候

古

絵

図、

隣

国

之

絵

図

仕

候

衆と

申

合、

国境

絵図之上二而改、

相違有之所は此方江可被相窺

候事

以上

　　　

「元

禄

十

年」

丑

四

月

（『鹿

児

島

県

史

料

旧

記

雑

録追

録二」）

国絵図仕立様之覚

絵

図

紙、

越

前

生

漉

間

似

合

上

之

紙、

裏

打

は

厚

キ

美

濃紙一篇可被仕事

分

割

之

儀、

古

絵

図

之

分

割

二

仕、

勿

論

道

筋

ハ

壱

里

六寸之積り墨二而星可被仕事

郡

墨

筋

之

内

二

郡之

名

記

可

被

申

事

郡

色

分

ケ

不

紛

様

二

可

被

仕

事

但

郡

境あ

さ

やか

に墨

筋

引

可

被

申候

村形之内二村高を記可被申事

但

高

之

儀

は

石切

二仕、

其

外

は

何

石

余

と

書

付

可

被申事

晶

紙

二

郡

色

分

之

目

録

井

郡

切

高

付

・

壱

国

之

高、

都

合書付可被申事

晶

紙、

郡

切

之

村

数

井

一

国

之

村

数

記

之

可

被

申

事

右

新

絵

図

之

表

二

書

記

候

国

郡、

銘

々

村

高

帳

面

二

仕

立可被差出候事

一 ５９ 一

晶

紙

二

絵

図

仕上

ケ人

之

名、

年

号月

付

記

可

被

申

事

御

領

・

私

領

・

寺

社領

之

高

仕

分

ケ

無

用

二

候、

尤

御

代

官

・

地

頭之

名書

茂

無

用之

事

但古

絵

図

二有

之

寺

地

・

宮

地

等

之

形

は、

如

前

々

記

可被

申

候、

右

之

本

借

し

候

古

絵

図、

国

々

調

様

不

同候

故、

如

斯

書

付

相

渡

候、

古

絵

図

考

此

書

付

二無

相

違

様

二

可

被

仕

候、

以

上

　　　

■一兀禄

十

年Ｌ

丑

五

月

（『鹿

児島

県

史

料

旧

記

雑

録

追

録

二」）

国境絵図仕様之覚

国

境

近

所

古

絵

図

二

有

之

寺

院

・堂

社

・

川

筋

・

道

筋

・

池

沼、

其

外

何

二

而

茂

所々

名

記

有

之

所、

両

国

よ

り不書出候様可被相改候事

浦

方

有

之

国

は

小

島

杯

有之

所、

是

又

両

国

よ

り

不

書

出候様可被仕候

但

境

目之

中

二当

候

所は、

両

国

よ

り

書

載

可

被

申

候事

右

之

分

隣

国之

致

絵

図候

人

と

申

合

遂

吟

味、

一

方

よ

り

書

上

候

様

可

被

仕

候、

尤

右

之

外

何之

し

るし

も

古

絵

図

二

無

之

所

は、

前々

之

形

二

可

被

致

置

候

　　　胴

元

禄

十

年Ｌ

丑五

月

（『鹿

児

島

県

史

料

旧

記

雑

録

追

録

二」）

３

新

国絵

図

の

調

製

と

そ

の

経

過

元禄

十

年

閏

二

月

四

日、

幕

府

評

定

所

に

諸

大

名

の

江

戸

留

守

居役

ら

が

召

集

さ

れ、

大

目

付

の

仙

石

伯

蕎

守

久

尚、

寺

社

奉

行

の

井

上

大

和

守

正

券

・

永

井

伊

賀

守

直

敬

・

松

平

志

摩

守

重

頼、

町奉

行

の

能

勢

出

雲

守

頼

寛

・

河

口

摂

津

守

宗

恒、

勘

定

頭

の

井

戸

対

馬

守

良

弘

・

萩

原

近

江

守

重

秀

ら

幕

閣

が

列

座

す

る

中

で、

大

目

付

か

ら

正

保

年

間

に

献

上

さ

れ

た

国

絵

図

の

改

訂

・

調進

が

命

じ

ら

れ

た。

今

回

の

国

絵

図

改

訂

の

担

当

奉

行

に

は、

寺社

奉

行

の

井

上

大

和

守

正

峯、

大

目

付

の

安藤

筑

後

守重

玄、

町

奉

行

の

能

勢

出

雲

守

頼

寛、

勘

定

奉

行

の

松

平

美濃

守重

長

の

四名

が

あ

て

ら

れ

た。

今

度

の

改

訂

は、

先

に

幕府

に献

上

さ

れ

た

古

絵

図

（正

保

国

絵

図）

を

基

準と

し

て

行わ

れ

る

の

で、

幕

府

は

各

絵

図

元

へ

幕

府

収

納

の絵

図を

借

用し

て書

き

写す

よ

う

に

さ

せ

た。

古

絵

図

一 ６０ 一

と

古

郷

帳

は、

同

年五

月

か

ら

八

月

に

か

け

て

幕

府

勘

定

所

で

貸

し

出

さ

れ

た。

鹿

児

島

に

も古

絵

図の

控

図

な

ど

が

あ

っ

た

と

思

わ

れ

る

が、

元

禄

九

年

に

鶴丸

城

が

炎

上

し

絵

図

や

郷

帳

の

類

も

悉

く

焼

失

し

た

の

で、

借

覧を

願い

出

て書

き

写し

た

も

の

と

思

わ

れ

る。

現

在、東

京

大

学

史

料

編

纂

所

が

所

蔵

す

る正

保

の「琉

球

国

絵

図」

は、

こ

の

時

に

書き

写さ

れ

た

古

絵

図

の

写

し

で

あ

る

可

能

性が

最

も

高

いと

考え

ら

れ

てい

る。

元

禄

十三

年

の

’日

州諸

家

江

御

触

之

御

口

上Ｌ

に

よ

れ

ば、

琉

球

に

変

地

等

の

改検

使

を

派

遣

し

て

調

査

さ

せ、

七

月

ま

で

に

帰

っ

て

き

た

と

い

う。

そ

の

こ

ろ

か

ら

下

絵

図

の

調

製

に

か

か

っ

た

と

思

わ

れ

る。

琉球

の場

合、

隣

国

と

の

境

界

で

も

め

る

事

が

な

い

し、

地

形

に

そ

う変

化

が

な

い

の

で、

ほ

ぼ

古

絵

図

の

と

お

り

下

絵

図

を

調

製

し

た。

薩

摩

藩

で

は、

薩

摩

・

大

隅・

日向

及

び

琉

球

の

下

絵

図

及

び

郷

帳

下

書

が

完

成

す

る

と、

下絵

図改

の

た

め

に

古

絵

図

・

古

郷

帳

の

写、

変

地

改

目

録、

国

境

縁

絵

図を

添

え

て、

江

戸

本

郷

湯

島

の

具

雲

寺

前

に

設

け

ら

れ

た

絵

図

小

屋

に提

出

し

て

点

検

を

受

け

た。

下

絵

図

改

を

担

当

し

た

絵

図

小

屋詰

め

の

勘

定

所

役

人

町

野新

兵

衛

か

ら、

薩

摩

藩

の

絵

図

役

人

本

城

源

四

郎

・

藤

野

休

左

衛

門

に宛

てた

十

月

十

六

日の

書

簡

に

「昨

日

被

遣

候

琉

球

国

絵

図熟

覧

候」

と

あ

り、

元

禄

十

四

年

十

月

十

五

日

ま

で

に

は

提

出

さ

れ

た

も

の

と

思

わ

れ

る

が、

「伺

琉

球

国

変

地

改

目

録

三

冊」

の

日付

に

は

元

禄

十

四

年

辛

巳

十

一

月

と

あ

り、

今

後

の

検

討

が

必

要

であ

ろ

う。

変

地

改

目録

を

基

に、

新

絵

図

の

下

絵

図

及

び

郷

帳

下

書

き

を

古

絵

図と

古

郷

帳

の

写

し

と

比

較

し

な

が

ら

点

検

し

た

ら、

い

く

つか

の

間違

い

や

文

字

の

変

更

が

指

摘

さ

れ、

訂

正

箇

所

に

は

付

紙が

貼ら

れ

た。

下絵

図改

が

済

む

と、

各

絵

図

元

は

献

上

用

の

清

絵

図

を

調

製

す

るた

め

に、

幕

府

の

御

用絵

師

であ

る

狩

野

良

信

に

依

頼

す

る

のだ

が、

薩

摩

は

そ

こ

に

は

請

け

負

わ

せ

ず

に

自

前

の

絵

師

に

描

か

せ

た。

元

禄

十五

年八

月

十二

日、

薩

隅

日絵

図

六

枚、

琉

球

国

絵

図

六

枚

の

総

計地

図

十二

枚

を

薩

摩

藩

の

江

戸

留

守

居役

赤

松

甚

右

衛

門

則

茂

と

絵

図

役人

藤

野休

左

衛

門久

賢・

本

城

源

四郎

忠

辰

ら

が

持

参

し、

江

戸

幕

府

評

定

所

にお

い

て勘

定

頭

の久

貝

因

幡

守

正

方

と

大

目

付

の

安

藤

筑

後

守重

玄

へ

献

納し

た。

一 ６１ 一

４

添

献上

物

と

そ

の

他

の

提

出

物

元禄

期の

国絵

図

調

進

の

際

の

添

献

上

物

は

「郷

帳」

の

み

で

あ

る

が、別途

に

下絵

図改

め

の

た

め

に「変地

改

目録」

や

「国

境

縁

絵

図」

な

ど

が

提

出

さ

れ

た。

幕

府

に

献

上

さ

れた

元禄

期の

「琉

球

国

郷

帳」

は

現

存

しな

い

が、

宮

内

庁

書

陵部

には

『琉

球

国

郷

村

帳

及

付

図」

と

題

さ

れ

た三

冊

の

「郷

村

帳」

と

三

鋪

の

」元

禄

国

絵

図Ｌ

の

縮

図が

あ

る。

こ

れ

は、

①

『琉

球

国

沖

縄

島

井

島

々

絵

図』

（縦

一

〇

六

、

○煙レ冴×

横一

八

八

・

四飽レ冴）

と

『琉

球

国

沖

縄

島

・

計

羅

摩

島

。

戸

無

島

・

久

米

島

・

粟

島

・

伊

恵

島

・

伊

是

那

島

・

恵

平

屋

島

郷

村

帳」、

②

『琉

球

国

大

島

井

島

々

絵

図」

（縦

一

〇

五

、

六惣レ酵×

横

一

九

五

∴二煙レ酵）

と

『琉

球

国鬼

界

島

・

大

島

。

徳

之

島

、

永

良

部

島

・

与

論

島

郷

村

帳」、

⑧

『琉

球

国

八

重

山

島

井

島々

絵

図」

（縦

八

七

・

○煙レ源×

横

一

九

六

・

五惣レ冴）

と

『琉

球

国

八

重

山

島

・

宮

古

島

郷

村

帳」

と

題

さ

れ

た

も

の

で

あ

る。

「変

地

改

目

録」

は、

東

京

大

学史

料

編

纂

所

所

蔵

島

津

家

文

書

に

あ

る

「伺

琉

球

国変

地

改

目

録

三

冊」

の

①

『琉

球

国

沖

縄

島

変

地

其

外

相

改

之

候

目

録

三

冊之

内』、

②

『琉

球

国

内

大

島

。

永

良

部

島

変

地

其

外

相

改

之

候

目

録

三

冊

之

内』、

⑧

『琉

球

国

内

八

重

山

島

・

宮

古

島

変

地

其

外

相

改

之

候

目

録

三

冊

之

内」

と

題

さ

れ

た

帳

簿

三

冊

で、

松

平

薩

摩

守内

の藤

野

休

左

衛

門

と

本

城

源

四

郎

の名

で、

元禄

十

四年

辛

巳

十

一

月

に

提

出

され

た

も

の

であ

る。

こ

れ

は、

郷

帳

及

び

絵

図

の

改

訂

箇

所を

目録

に

し

た

も

の

であ

る。

内

容

は、

古

郷

帳

の

村

数

一

七

六

ヶ

村

の

内、

一

〇

八

ヶ

村

を

７高

無

之

村Ｌ

と

し

て

削

除

し、

新

郷

帳

で

は

都

合

七

一

ヶ

村

と

す

る

こ

と

や、

古

絵

図

の

「悪

鬼

納

島」

を

」沖

縄

島Ｌ

と

書

き

改あ

るな

ど

の

「文

字違」、

」書

違Ｌ

な

どを

列

挙し

た

も

の

であ

る。

川

村

氏

は、

「変

地

帳

は

当

初

か

ら

提

出

が

指

示

さ

れ

て

い

た

の

では

な

く、

幕

府

絵

図

役

人

が

実

際

に

下

絵

図

改

を

行

っ

て

比

較

的

早

い

段

階

で

そ

の

必

要

性

を

感

じ、

そ

れ

以

降

の

分

に

つ

い

て

は

提

出

を

要

請

し

た

も

の

と

考

え

ら

れ

る」

と

い

う。

５

元

禄

国

絵

図

の

現

存状

況

幕

府

文

庫

に

収

納

され

た

元禄

国絵

図

八

三

鋪

の

う

ち

現存

す

る

も

の

は、

幕

府

文

庫

を

引

き

継

い

だ

内

閣

文

庫

（現

国

立

公

文

書

館

内）

に

常

陸

国

・

下

総

国

・

薩

摩

国

・

大

隅

国

・

日

向

国

・

一 ６２ 一

琉

球

国

（大

島

・

沖

縄

島

・

八

重

山

島）

の六

ヵ

国八

鋪

の

み

で

あ

る。

国

立

公

文

書

館

内

閣

文

庫

が

所

蔵

す

る

元禄

度

の

琉

球

国

絵

図

の

法

量

は

①

『琉

球

国

沖

縄

島

外

七

島」

は

三

〇

五煙レ酵×

五

八

四煙膨、

②

『琉

球

国大

島

外

四

島」

は三

一二舵レ酵×

五

九

七

煙レ冴、

⑧

『琉

球

国八

重

山

島

外壱

島」

は二

六

蔓

レ厨×

五

八

九地レ冴であ

る。

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所

蔵

の

島

津

家文

書中

には、

島

津

家

文

書

七

六

－

二

一」元禄

薩

摩

国

絵

図」と

い

う

の

が

あ

る

が、

島

津

家

文

書

国

絵

図

調

査

を

行

っ

た

東

京大

学史

料

編

纂

所

の

黒

田

日出

男

・

杉

本

史

子

の

両

氏

は

ｍ絵

図

裏の

『薩

摩

国」

と

大

書

さ

れ

た

脇

に、

『此

絵

図

彩

色

悪

付、

御

調

進

之

御

用

二

不

相

立

也」

と

注

記

さ

れ

て

い

るＬ

と

こ

ろ

か

ら、

門本

絵

図

は

彩

色

の

不

備

の

た

め

提

出

を

み

あ

わせ

た

献上

用の

国絵

図

だ

と

考

え

　

ら

れ

るＬ

と

い

う。

こ

の

絵

図

の

法

量

概

数

は

四

〇

六

・

五煙レ拷

×

七

九

二舵レ冴であ

る。

さ

て、

６

正

保

度

と

元

禄

度

の

絵

図

及び

郷帳

の

変

化

正

保

度

の

琉

球

国

絵

図

と

元

禄

度

の琉

球

国絵

図を

見

比

べ

て

み

る

と、

山

々

の

描

き

方

に

少

し

色

の

変

化

が

あ

る

も

の

の、

元

禄

度

の

も

の

は

ほ

ぼ

正

保

国

絵

図

を

踏

襲

し

て

調

製

さ

れ

て

い

る。

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

の

黒

田

日

出

男

氏

は、

元

禄

図

の

特

徴

の

一

つ

に「描

写・

彩

色

・

記

載

内

容

に

お

け

る

画

一

性」

を

あ

げ、

■ど

の

元

禄

図

を

見

て

も

同

じ

印

象

を

受

け

る。

そ

の

点

は、

自

藩

の

絵

師

に

仕立

て

させ

た

大

藩、

例

えば

鹿

児

島

藩

　

の

作

成

し

た

元

禄

絵

図

も

同

様

で

あ

るＬ

と

い

う。

少

し

変

化

し

た

と

こ

ろ

を

挙

げ

る

と、

村

形

は正

保

度

の

も

の

が

楕

円

形

で

あ

る

の

に

対

し

て、

元

禄

度

の

も

の

は

小

判型

で

あ

る。

ま

た、

こ

の

村

形

の

中

に

記

載

さ

れ

た

石

高

や

島

廻

りを

表

し

た

数

字

も

紛

ら

わ

し

い

漢

数

字

の

二

」

を

「壱」

に、

「二」

を剛弐Ｌに

改

訂

し、

備三Ｌ

以

降

は

そ

の

ま

ま

で、

闇廿Ｌ

は

欄弐

拾Ｌ、

「世」

は

筆三

拾Ｌ

と

記

載

し

て

い

る。

そ

れ

か

ら、

古

絵

図

で

は

島

名

な

ど

に

朱

で

仮

名

が

付

さ

れ

て

い

たが、

新

絵

図

で

は

道

の

り

な

ど

の

そ

れ

に

は

省

略

さ

れ

て

い

る。

古

絵

図

の

「悪

鬼

納

島」

を

新

絵

図

で

「沖

縄

島」

と

書き

改

め

る

な

ど

の

「文

字

違」

や

「書

違」

の

訂

正

箇

所

は

表

１

のと

お

り

で

あ

る。

尚

古

集

成

館

所

蔵

島

津

家

文

書

の

中

の

十

月

十

六

日

に

島

津

勘

一 ６３ 一

解

由

か

ら

島津

主

計

に

宛

て

た

’覚Ｌ

が

あ

り、

こ

れ

に

は

楠琉

球

国

異

名悪

鬼

納

島

与

沖

縄

島

与

両

様

二

有

之

候

付

段々

申

越

候

趣有之被達

貴聞候処此節ハ沖縄之文字を用可申旨被仰

出

候由Ｌ

と

あ

り、

正

保

の

国

絵

図

等

で

用

い

られ

てき

た

【悪

鬼

納

島Ｌ

を

■沖

縄

島Ｌ

に

訂

正

す

る

こと

が

記さ

れ

てい

る。

絵

図

に

描

か

れ

た

村

形

と

郷

帳

に

記

され

た

村

数

の

異

同

に

つ

い

て、

表

２

を

参

照

し

な

が

ら

見

て

み

る

こと

にし

よ

う。

古

絵

図

に

は

一

七

三

の

村

形

が

描か

れ

てい

る

が、

新

絵

図

で

は

一

七

二

に

減

少

し

て

い

る。

こ

の

村

形の

数

の

違

い

は、

沖

縄

島

の

一

ヶ

村

の

減

少

で

あ

る。『琉球

国沖

縄

島

変

地

其

外

相

改

之

候

目

録」

で

示

さ

れ

る

と

お

り、

古

絵

図

で

」や

か

島Ｌ

の

内

に

酬今

帰

仁

間

切

内

人

居な

しＬ

と

記載

さ

れ

た

村

形

を、

新

絵

図

で

は

人

居

の

な

い

村

形

は

不

要な

も

の

と

し

て取

り

除

い

た

か

ら

で

あ

る。

古

郷

帳

と

新

郷

帳

の

村数

の違

い

は、『琉

球

国

沖

縄

島

変

地

其

外

相

改

之

候

目

録』

の

冒

頭

にお

い

て示

す

よ

う

に、

古

郷

帳

の

村

都

合

一

七

六

ヶ

村

の

内

の一

〇

八

ヶ

村

を

■高

無

之

村Ｌ

と

し

て

削

除

し、

新

郷

帳

で

村都

合

七

一

ヶ

村

と

す

る

と

い

う

も

の

で

あ

る。

古

郷

帳

で

は

高

記

載

のあ

る

Ａ

の

問

切

・

島

・

村

と

高

記

表

１

古

絵

図

新

絵

図

沖

縄

島

悪鬼納島

沖縄島

摩父仁間切

摩文仁間切

具志⊥間切

具志頭問切

今帰仁間切之内

人居なし

（村形削除）

羽地間切やが村

人居有

羽地問切やが村

今帰仁間切之内瀬底島

人居有

今帰仁間切之内瀬底島

けらま島之内座間味島

人居有

計羅摩島之内座間味島

けらま島之内赤島

人居有

計羅摩島之内赤島

大

島

名瀬間切

名瀬間切

う

け乃

島

うけ

島

永良部

島

大城間村

大城間切

八

重山

島

石緒島

石垣島

石緒島之内たけとみ島

八重山島内たけとみ島

こ見問切之内小浜島

入表島内小浜島

宮

古

島

おろか問切之内

おろか問切

あかり中曽根村

あかれ中曽根村

一 ６４ 一

表２ 正 保 及 び 元 禄 の 絵 図・ 郷 帳村 数 比較

古 絵 図 古 郷 帳Ａ 高 記載あり Ｂ高 なし Ａ 高記載 あり Ｂ 高なし

間 切 島 １ 村 島 １ 村小 計 合 計

間切１ 島 １ 村 島 １ 村小 計 合 計

悪鬼納島計羅摩 島戸 無 島久 米 島粟 国伊 恵 島伊是那島恵平屋島

墾 ｌ

ｌ １｝｝ １ｉ

；１９２１

ｈ

ｉ

ｌ

ｌ

４６３１３１１１１

５７

∵

｝ １｝

団

１ １；１ １ｉ

ｉ１８５ｉ

ｉ ３

１

１

ｉ

４５６１４１１１１

６０

鬼 界 島

大 島

徳 之 島

永 良 部 島

与 論 島

朗

３１ １

３旧

１

ｉ ２

１ ３３

； ６

ｉ ５

１ １

７

４０

９

８

２

６６

１ 旧

３｝ １

３口

１

！ ２

２ｉ ３１

；６

１ ５１ １１

７

４０

９

８

２

６６

宮 古 島

八 重 山 島

ｌ Ｉ４； １｝ １１ １

６！ ３｝

１ １４

２； １９

２０

３０５０

Ｉ ｌ４１ １１ １１ １

６１ ３｝

｝ １４

２１ １９

２０

３０５０

小 計 ５７１ １０｝ ２１

４１１００ ５５１ １１｝ ２ ９１ ９９

都 合 ６９ １０４都 合１７３

６８ １０８都 合１７６

新 絵 図 新 郷 帳Ａ 高 記載あり Ｂ 高な し Ａ 高記載 あり Ｂ 高 なし

問 切１ 島 １ 村 島 ・ 村小 計 合 計

間 切１ 島 １ 村 島 ・ 村小 計 合 計

沖 縄 島計羅摩島戸 無 島久 米 島粟 国伊 恵 島伊是那島恵平屋島

囎

； 封ｉ ｌｉ

１１８２ｉ

ｉ ｌｉ

｝

ｉ

４５３１３１１１１

５６ｌ

ｌｌ

ｌ ｌｌｉ ｌｉ

ｉ

ｉ

ｉ

ｉＩ｝１

２７１１２１１１１

３５

鬼 界 島大 島

徳 之 島永 良 部 島

与 論 島

１ 円

３１ ｝

３川

１

｝ ２

ｉ３３１ ６

ｉ ５

１ １

７４０

９８

２

６６

詔

３； ｝

３ｉ ｉ

１

ｌ

ｉ

｝

ｉ

５７

３３

１

１９

宮 古 島

八 重 山 島

１ １４｝ １１ １１ ｉ

６１ ３ｉ

ｉ １４

２１ １９

２０

３０５０

｝ １４１ １１ １１ １

６１ ５｝

ｉ

！

６

１１１７

小 計 ５７１ １０｝ ２ ４１ ９９ ５７； １２ｉ ２ ０１ ０

合 計 ６９ １０３都 合１７２

７１ ０都 合 ７１

一 ６５ 一

載

のな

い

Ｂ

の

島

・

村

の

い

ず

れ

も

合

算

し

て

村

数と

し

てい

た

も

の

を、

新

郷

帳

で

は

高

記

載

の

あ

る

Ａ

の

問切

・島

・

村

の

み

を

村

数

と

し

て

数

え

た

の

で

あ

る。

一

七

六

か

ら

一

〇

八

を

引

い

た

ら六

八

であ

る

の

に、

七

一

ヶ

村

と

な

る

の

は

ど

う

し

て

で

あ

ろ

う

か。

」高

無

之

村Ｌ

と

し

て

新

郷

帳

か

ら

削

除

され

た

一

〇

八

は、

古

郷

帳

の

Ｂ

の

高な

し

の

九

つ

の

島と

九

九

の村

を

合

計

し

た

も

の

で

あ

る。

六

八

と

七

一

の

差

の

三

は

何

で

あ

ろ

う

か。

こ

れ

は、

①古

郷

帳

にお

い

て久

米

島

は

高

記

載

の

あ

る

島

（久

米

島）

が

一

つに

高

な

し

の

村

三

つで

あ

っ

た

の

に

対

し、

新

郷

帳

にお

い

ては

具

志

河

間

切

と

中

城

間

切

の

両

問

切

が

高

記載

のあ

る

村

二

つと

し

て

数

え

た

こ

と

と、

②

古

郷

帳

で

高

記載

の

な

い

八

重

山

島

之

内

入

表

島

の

入

表

間

切

の

与

那

国

島と

古

見

間

切

の

小

浜

島

が、

新

郷

帳

で

は

高

記

載

のあ

る入

表

島

内

の

小

浜

島

と

与

那

国

島

と

し

て

Ａ

の

村

数

に

加

え

ら

れ

た

こ

と

に

あ

る。

つ

ま

り、

嵩①ｉ一〇・。

＋

（

１

一

＋

ｂ。

＋

凶

”

°。

）

１１

謡

と

な

る。

摩

藩

に

あ

っ

た

『絵

図

郷

村

帳」、

琉

球

側

で

用

い

て

い

た

『絵

図

郷

村

帳」

が

あ

っ

た。

琉

球

か

ら

異

国

船漂

着

等

の報

告

の

際

に

幕

府

・

薩

摩

・

琉

球

に

異

同が

な

い

よ

う

にす

る

た

め

に交

わ

さ

れ

た地

名

に

関す

る史

料

であ

る。

こ

の

『上

り

絵

図

郷

村

帳」

は、

同

治

十

年

に

作

成

さ

れ

た

史

料を

東

恩

納

寛

淳

氏

が

ノ

ー

ト

に

写

し

と

っ

た

も

の

で

あ

る。

現

在、

沖

縄

県

立

図

書

館

東

恩

納

文

庫

に

「東

恩

納

寛

淳

史

料

ノ

ー

ト

９」

と

し

て

所

蔵

さ

れ

る。

本

史

料

の

成

立

の

経

緯

に

つ

い

て

は、

田

名

真

之

氏

が

『お

き

な

わ

文

庫

１７

南

島

地

名

考

ー

お

　

も

ろ

か

ら

沖

縄

市

誕

生

ま

で

ー」

で

詳

し

く

述べ

て

お

ら

れ

る

の

で

参

照

さ

れ

た

い。

こ

れ

に

は

大

島

外

四

島を

除い

た

表

３

に

見

るよ

う

な

間切

・

島

。

村

が

記

さ

れ

て

お

り、

正

保

期

の

間

切

・

島

・

村

の

名

称

や

充

当

文

字

を

知

る

貴

重

な

史

料

で

あ

る。

ま

た、

『琉

球

国

高

究

帳」

や

『宮古

八

重

山

両

島

絵

図

帳』

な

ど

の

史

料

を

解

く

重

要

な

史

料

でも

あ

る。

今

後

の

研

究

の

進

展

を

期

待

し

た

い。

一 ６６ 一

７

『上

り

絵

図

郷

村

帳』

か

つ

て、

江

戸

幕

府

に

提

出

し

た

『上

り

絵

図

郷

村

帳」

や薩

ｒ上 り 絵 図 郷 村 帳」 記 載 間 切 ・ 島 ・ 村 一 覧表３

問 切 １ 島

｝小 計 合 計 島 １ 村 小 計 合 計

悪 鬼 納 島

計 羅 摩 島

２７ １

１５

２７

５

１

４５８ ！ １０

５ １ ３

４６８

８

戸 無 島 １ １ １ ｉ １ １

久 米 島 ２ １ ２ ２４ １ ２４

粟 国

伊 恵 島

１ １

１１

１

１

４０ ｝ １

１１

１

１

５１２

伊 是 那 島 ｉ ｌ １ ４ １ ４

恵 平 屋 島 ｝ １ １ ３ ｝ １ ４

鳥 島 ｝ １！

１ ｝ １！

１

宮 古 島

八 重 山 島

４ ｉ ２

６ ｉ ４

６

１０１６

２３ ｉ ４

５６ １ ２

２７

５８８５

小 計 ３９ １ １７ ５７３ １ ２４ ５９７

た だ し、 無 人 居 の 島 は 除く

四、

天

保

国

絵

図

幕

府

は、

元

禄

国

絵

図

及

び

郷

帳

の

収

納

か

ら

一

三

〇

年

が

経

過

し

た

天

保

年

間

に

も

国

絵

図

及

び

郷

帳

の

改

訂を

全

国

規

模

で

行っ

てい

る。

天

保五

年

（一

八

三

四）

十二

月

に薩

摩

・

大

隅

。

琉

球

を

含

む

新

た

な

郷

帳

八

五

冊が

改

訂

さ

れ、天

保

九

年（一

八

三

八）

十

二

月

ま

で

に

全

国

の

新

た

な

国

絵

図

八

三

鋪

が

改

訂

を

終

え

て

い

る。

天

保

度

の

国

絵

図

の

調

製

及

び

郷

帳

改

訂

は、

先

の

正

保

度

及

び

元

禄

度

の

改

訂と

は

異な

り、

は

じめ

に

郷

帳を

改

訂し、

次

に

国絵

図を

改

訂す

る

と

い

う

も

の

であ

っ

た。

し

か

も

諸

国

の

大

名

に

献

上

さ

せ

る

の

で

はな

く、

「郷

村

高

帳」

や

「懸

紙

修

正

図」

な

ど

の

改

訂

資

料

を

提

出

さ

せ、

幕

府

勘

定

所

で

一

括

し

て

改

訂

し

て

幕

府

文

庫

へ

収

納

し

た

の

で

あ

る。

１

天

保

郷

帳

の

改

訂

天

保二

年

（一

八

三

一）

十二

月

三

日、

幕府

は老

中

水

野

出

羽

守忠

成

の

名

で左

に

示す

よ

う

な

「大

目付

廻

状」

を

発

し、

諸

藩

の

江

戸

留

守

居

役

へ

領

内

の

石

高

を

一

村

ご

と

に

調

査

し

一 ６７ 一

て、

提

出

す

る

よ

う

命

じ

た。

諸

国

惣

御

国

高

之

儀

元

禄

享

保之

度

御

調有

之

候

処、

年

暦

も

相

立、

増

減

も

可

有

之

儀

二

付、

猶

又此

度

取

調

被

仰

付

候

二

付

銘

々

一

領

限

リ

村

高一

村

毎

二

認分

ケ

御

朱

印

地

寺

社

領

除

地

共

認

加

並

新

田

高之

分も

廉

限リ

ニ取

調、

早

々

御

勘

定

所

工

可

被

差

出

候、

委

細之

儀

は

御

勘

定

奉

行

工

可

被談候

右之趣万石以上以下領分知行給地有之面々並寺社領

共不洩様可被相触候

こ

の

命

令

は

薩

摩

藩

江戸

家老

猪

飼

央

に

達

せ

ら

れ、

鹿

児

島

の

御

国

許

家

老二

階堂

主

計・

諏訪

治

部、

勘

定

奉

行

赤

松

主

水

・

長

束

市

郎

右

衛

門、

留

守

居勤

井

上

逸

作、

記

録

奉

行

有

馬

伴

左

衛

門

・

得

能

彦左

衛

門、

郡奉

行

勤

枝

次

彦

兵

衛、

郡

奉

行

肱

岡

伊

左

衛

門、

郡

奉

行

見

習

田原

郷

左

衛

門、

勘

定

方

小

頭

樺

山

助

之

進

・

平

田

善太

夫、

留

守

居附

役

勤

西

筑

右

衛

門

が

こ

れ

の

御

用

掛

に

任

命

され

た。

調

査

さ

れ

た一

村ご

と

の

石高

は、「薩

摩

国

郷

村

高

帳」・「大

隅

国

郷

村

高

帳Ｌ・「日

向

国

諸

県

郡之

内

郷

村

高

帳」

∴

薩

摩

国

・

大

隅

国

・

日

向

国

諸

県

郡

之

内

見

取

場Ｌ

及び

「琉

球

国

諸

島

（郷

村

高

帳）」

の

五

冊

に

ま

と

め

ら

れ、

凹享

保之

度

町歩

二而

御届相成候新田高御申消之御届書Ｌ

嵩林之儀二付而之御

届

書Ｌ

の

二

通

を

添

え

て、

天

保五

年

（一

八

三

四）

三

月晦

日

に、

江

戸

の

城

代

家老

勤

市

田

美

作

・

猪

飼央、

家老

格

調所

笑

左

衛

門

か

ら

公

義

勘

定

所

へ差

し

出

され、

奉

行の

明楽

飛

騨

守

茂

村

に

手

渡

さ

れ

た。

各

藩

か

ら

提

出

さ

れた

「郷

村高

帳」

を

基

に、

幕府

は

勘

定

奉

行

所

に

お

い

て

国ご

と

に

改

訂を

行い、

天

保

郷

帳

八

五

冊を

仕立

て

た。

天

保

郷

帳

の

末尾

に

はい

ず

れ

も

共

通

し

て

「天

保

五

年

甲

午

十二

月

／

明

楽

飛

騨

守／

牧

野中

務

／

柑

本

兵

五

郎」

と

記

さ

れ

て

い

る。

幕

府

は、

これ

ま

での

郷帳

や

国絵

図

に記

載

さ

れ

てい

る

高

が

拝

領

高

に基

づ

い

てい

た

の

で、

今

度

の

改

訂

で新

田

な

ど

の

変

動

分を

加え

て改

訂す

る考

え

であ

っ

た。

他

の

藩

か

ら

提

出

さ

れ

た

「郷

村

高

帳」

に基

づ

く

天

保

郷

帳

を

見

てみ

る

と、

著

し

く

石

高が

増加

し

てい

るの

に対

し、

薩

摩

藩

か

ら

提

出

さ

れ

た

「郷

村

高

帳」

及び

これ

に基

づ

い

て作

成

さ

れ

た

天

保

郷

帳

一 ６８ 一

も

元

禄

郷

村

帳

と

全

く

同

じ

もの

に

な

っ

て

い

る。

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所

蔵島

津

家

文

書

の

中

に

は

『琉

球

国

絵

図

史

料

集

第

一

集」

の

第

四章

関

連

史

料

で

紹

介

し

た

■琉

球

国

諸

島

高

辻

帳」

の

①

寛

文

四年

（一

六

六

四）

五

月

二

十

五

日

付

け

で

松

平

大

隅

守

か

ら

小笠

原

山

城

守

・

永

井

伊

賀

守

に

提

出

し

た

胴薩

摩

大

隅

日

向

諸

県

郡並

琉

球

国

郡

村

高

辻

帳

控」

以

外

に、

②

正

徳

元

年

（一

七一

一）

六

月

二

十

三

日

付

け

で

松

平

薩

摩

守

か

ら

安

藤

右

京

進

に

提出

し

た

も

の、

③

享

保

二

年

（一

七

一

七）

正

月

二

十

六

日

付

け

で松

平

薩

摩

守

か

ら

朽

木

民

部

少

輔

に

提

出

し

た

も

の、

④

天保

九

年

（一

八

三

八）

五

月

二

十

四

日

付

け

で

松

平

大

隅

守か

ら

本

多

下

総

守

・

牧

野

備

前

守

に

提

出

し

た

も

の、

⑤

嘉

永七

年

（一

八

五

四）

十

月

三

日

付

け

で

松

平

修

理

大

夫

（松

平

薩

摩

守）

か

ら

本

多

中

務

太

輔

・

青

山

大

膳

亮

に

提

出

し

た

も

の、

そし

て⑥

安

政

六

年

（一

八

五

九）

十

二

月

七

日

付

け

で

松

平

薩

摩

守か

ら

松

平

右

京

亮

・

松

平

対

馬

守

に

提

出

し

た

も

の

が

あ

るが、

い

ず

れ

の

７郡

村

高

辻

帳Ｌ

も

全

く

同

じ

　

内

容

で

あ

る

と

原

口虎

雄

氏

は

指

摘

す

る。

２

天

保

国

絵

図

の

調

製

郷

帳

の

改

訂

が

済

む

と

幕

府

は、

勘

定

奉

行

明

楽

飛

騨

守

・

大

沢

主

馬

・

中

川

忠

五

郎

の

三

名

に

よ

る

連

名

で

次

の

よ

うな

達

を

天

保

六

年

十

二

月

付

け

で

諸

藩

へ

申

し

渡

し

て

い

る。

元

禄

之

度

出

来

候

御

国

絵

図

郷

帳

年

暦

相

立

候

二

付、

去

ル

卯

年

御

国

高

取

調

被

仰

付

候

処、

御

調

出

来

仕

候

二

付

猶

今

度

御

絵

図

之

儀

も

御

改

被

仰

付、

其

国

々

城

主

御

代

官

之

内

工

調

方

被

仰

付

候

間

其

向

々

工

可

及

掛

合

候、

差

支

無

之

様

可取計旨各様御知行所村方工御申渡並御組知行給地

有之分工も右之趣御申渡有之様存候

国絵

図

調

製

の

幕

府

側

の

担

当

者

は、

勘

定

奉

行

明

楽

飛

騨

守

茂

村、

目

付

大

沢

主

馬、

勘

定

吟

味

役

中

川

忠

五

郎、

勘

定

組

頭

大竹

庄

九

郎、勘

定

岩

田

鍬三

郎・

市

野茂

三

郎

・

野

口藤

三

郎、

吟

味

方

西

村

眠

助、

御

徒

目

付

尾

島

三

十

郎

で

あ

る。

幕

府

勘

定

所

は、

国

絵

図

掛

藩

に

対

し

て

元

禄

度

同

様

に

先

の

国絵

図

（元禄

度）

の

写

し

を

渡

し、

こ

れ

を

原

図

と

し

て

懸

紙

で修

正

さ

せ

た。薩

摩

藩

で

は

天

保八

年

十二

月

に薩

摩

国の「懸

一 ６９ 一

紙修

正

図Ｌ

を

幕

府

勘

定

所

に

提

出

し

て

い

る。

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所

蔵

島

津

家

文

書

に

は、

袋

ウ

ハ

書

に

「天

保

八

年

酉

十

二

月

薩

摩

国

絵

図

拾五

枚」

と

書

か

れ

た

折

本

一

五

巻

が

あ

り、

そ

の

闇薩

摩

国拾

五

巻

之

内

壱Ｌ

の

裏

書

に

薩

隅

日並

琉

球

国諸

島

之

切

絵

図、

従

公

辺

御

渡

之

節

者

巻

物

二而

候

得土ハ、

取

扱

難

致

候

付

折

本

相

調

致

格

護

置

候、

尤

彩色

字

画

御

相

絵

図

と

大

同

小

異

有

之

候

得

共、

其

侭致

模

写置候事

但、

変

替

之

所

拾

六

枚

御

掛

張

二

而

御

調進

之

分者

元禄

之

御

拍

絵

図

引

合、

彩

色

字

画

相

違無

之

様

取

調候、

後

年為見合右之訳記置候事

と

あ

り、

幕

府

か

ら

薩

摩

・

大

隅

・

日

向並

び

に

琉

球

国

の

切

絵

図

が

巻

き

物

で

渡

さ

れ、

掛

張

（懸

紙）

を

施

し

て、

提

出

し

た

こ

と

知

れ

る。

国

絵

図

掛

藩

か

ら

提

出さ

れ

た

■懸

紙

修

正

図」

を

基

に、

幕

府

勘

定

所

で

雇

い

入

れ

た絵

師

ら

に

よ

っ

て

国

絵

図

が

仕立

て

ら

れ

た。

天

保

国

絵

図

の

縮

尺

は

元

禄

国

絵

図

同

様

一

里

六

寸

（約

二

万

一

千

六

百

分

の

一）

で、

厚

手

の

料

紙

に

極

彩

色

に

山

・

川

・

道

筋

・

一

里

山

・

村

形

が

描

か

れ

て

い

る。

国

絵

図

の

片

隅

に

あ

る

晶

紙

に

書か

れ

た

「高

村

数

井

島色

分

目

録」

の

最後

に

は、

改

訂年

月

と

改

訂

責

任

者

三

者

の

名

前

が

いず

れ

も

共

通

し

て

「天

保

九

年

戊

戌

五

月

／

明

楽

飛

騨

守

／

田

口五

郎

左

衛

門

／

大

沢

主

馬」

と

記

さ

れ

て

い

る。

３

天

保

郷

帳

及

び

天

保

国

絵

図

の

現

存

状

況

幕

府

文

庫

に

収

納

さ

れ

た

天

保

郷

帳

八

五

冊

及

び

天

保

国

絵

図

八

三

鋪

は、

元

禄

国

絵

図

と

と

も

に

国立

公

文

書

館

内

閣

文

庫

に

現

存

す

る。

内

閣

文

庫が

所

蔵

す

る

天

保

度

『琉

球

国

郷

帳」

は、

第

七

章

の

関

連

史

料

で

示

すよ

う

に

「沖縄

島外

七

島」

を

「上」、

喘大

島

外

四

島Ｌ

を

「中」、

陥八

重

山

島

外

壱

島Ｌ

を

７下Ｌ

と

し

て

分

冊

し、

全

国的

に

統一

さ

れ

た

規

格

の

縦

三

一

・

四飽レ酵、

横

二

三

∴二舵レ酵の

大

型

の

冊

子

に

仕

上

げ

ら

れ

て

い

る。

用

紙

は

鳥の

子紙

を

用い

て、

半

葉

に

四

行つ

つ高

や

間

切

・

島

名

が

記

一 ７０ 一

載

さ

れ

て

い

る。

ま

た、

天

保

度

の

喘琉

球

国絵

図Ｌ

の

法

量

は

①

『琉

球

国

沖

縄

島

外

七

島」

は

三

二

〇煙レ冴×

五

四三惣レ冴、

②

『琉

球

国

大

島

外

四

島』

は

三

一

五舵レ彫×

五

七

五飽レ豚、

③

『琉

球

国八

重

山

島

外

壱

島」

は

二

六

一煙レ”×

五

六

六煙レ冴であ

る。

天

保

度

の

絵

図

は、

正

保

度

や

元禄

度

の

も

の

に

比

べ

て

島

々

を

取

り巻

く

海

の

色

の

群

青

色が

一

段

と

濃

く、一

見し

て見

分

け

が

つく。

五

その他の絵図史料

１

そ

の他

の

絵

図

幕

府

文

庫

に

収納

さ

れ

た

正

保

・

元

禄

・

天

保

の三

度の

琉

球

国絵

図

以

外

の

その

他

の

絵

図

史

料

に

は、

元

禄

度

の

「琉

球

国

絵

図」

を

縮

小し

て描

い

た

も

の

と

し

て

『琉球

国絵

図史

料

集

第

二

集」

の

口絵

に掲

載

し

た

宮

内

庁

書

陵

部

所蔵

の

【琉

球

国

沖

縄

島

井

島々

絵

図」・■琉

球

国

大

島

井

島々

絵

図Ｌ・備琉

球

国

八

重

山

島

井

島々

絵

図Ｌ

の

三

鋪

や

『琉

球

国絵

図史

料

集

第

三

集」の

口絵

に

示

し

た宝

暦度■琉

球

国

絵

図Ｌ

が

あ

る。

ま

た、

同第四章に収録した都城島津家所蔵の

『琉球井諸島

図』、

沖

縄

県

立

博

物

館

所

蔵

の

『琉

球

明

細

総

図』、

国

立

公

文

書

館内

閣文

庫

所

蔵

の

『琉

球

国

細

図」

や

『琉

球

諸

島

地

図

乾

・

坤」

な

ど

が

あ

る。

そ

れ

か

ら、沖

縄

県立

図

書

館

所蔵

の『首

里

古

地

図」

や

『久

茂

地

村

屋

敷

図」

・

『薩

摩

調製

図」、

東

京

大

学

理

学

部

人

類

学

教

室

図

書

室

所

蔵

の

『沖

縄

県

本

島

図」

に

つ

い

て

は

『琉

球

国

絵

図

史

料

集

第

三

集」

の

第

五

章

及

び

第

六

章

をご

覧

い

ただ

き

た

い

。

２

宝

暦

度

盟琉

球

国

絵

図Ｌ

『琉

球

国

絵

図

史

料

集

第

三

集』

の

口

絵

に

示し

た

絵

図

は、

国

立

公

文

書

館

内

閣

文

庫

が

所

蔵

す

る宝

暦

度

闇琉

球

国

絵

図Ｌ

で

あ

る。

原

図

は

彩

色

さ

れ

た

も

の

であ

るが、

現

在入

手

でき

る

フ

ィ

ル

ム

が

国

立

公

文

書

館

で

撮

影

さ

れた

モ

ノ

ク

ロ

フィ

ル

ム

し

かな

い

の

で、

白

黒

の

写

真版

にな

っ

てい

る。

柏

書

房

発

行

の

『沖

縄

歴

史

地

図」

（歴

史

編）

の

グ

ラ

ビ

ア

に

カ

ラ

ー

で

掲

載

さ

れ

た

■幕

府

撰

元

禄

国

絵

図

琉

球

国

（沖

縄

諸

島）Ｌ

は、

元

禄

度

の

「琉

球

国

絵

図」

で

はな

く

宝

暦度

の

「琉

球

国

絵

図」

で

あ

る。

一 ７１ 一

この

絵

図

は、宝

暦六

年（一

七

五

六）

十

月

に

元

禄度

の

「琉

球

国

絵

図」

を

基

に

調

製

し

た

も

の

で、

元

禄度

同様

に

『琉

球

国

沖

縄

島

外

七

島」・『琉

球

国

大

島

外

四島」・『琉

球

国

八

重

山

島

外

壱

島」

の

三

鋪

に

仕立

てら

れ

てい

る。

図

の

大

き

さ

は

い

ず

れ

も

三

〇

〇惣レ冴×

一

六

八此レ酵で、

縮

尺が

約

四

万

七

千

分

の

一

で

あ

る。

晶

紙

の陥琉

球

国

高

都

合

井

島

色

分

目録Ｌの

末

尾

に

あ

る

「松

平

又

三

郎」は、薩

摩

藩

第

八

代

藩

主

島

津重

豪

の

こ

と

で

あ

る。

『寛

政

重

修

家

譜」

巻

百

八

の

重

豪

の

項

に

備（宝

暦

六

年）

十

一

月、

（中

略）、

凡

両

監

国

使

在

薩

府之

問、

応

其

需

呈

居城

之

絵

図

及

薩

隅

日

琉

球

国

之

地

図、

且令

記

録

奉

行

吉

田

用

右

衛

門

清

純

・

記

録

方

添

役

本

田

新

右衛

門親

方

・

山

田

喜

三

右

衛

門

有

雄

等

次

薩

隅

日

琉

球

国之

郡

県境

土

・

番

鎮

・

島

懊

・

津

浦

・

山

川

。

名

勝

・

名

産

・

城

趾

趾

・

神

社

・

仏

閣

等

之

大

略、

為

二

冊

号

地

志

要

略

被

呈

之

（後

略）Ｌ

と

あ

り、

こ

の

と

き

に

呈

し

た

地

図

で

あ

ろ

う。

平

成

四年

五

月

十

三

日か

ら

十

九

日

ま

で

開

催

さ

れ

た

国立

公

文

書

館内

閣

文

庫

所

蔵

資

料

展

嚇琉

球

・

小

笠

原

の地

誌と

地

図

－

南

の

島

々

の

風

土

と

く

ら

し

ＩＬ

に

日替

わ

り

で

展

示

さ

れ

た。

こ

の

と

き

の

パ

ン

フ

レ

ッ

ト

に

よ

れ

ば、

噛本

図

に

は、『編

修

地

誌

／

備

用

典

籍」

の

朱

長

方

印

が

あ

り、

『異

聞」

の

附

箋

が

あ

る。

共

に

昌

平

坂

学

問

所

に

文

化

七

年

（一

八

一

〇）

設

置

さ

れ

た

全

国

的な

地

誌

編

修を

目的

と

し

た

史

局

の

旧

蔵

であ

る

こ

と

を

示

し

て

い

る。Ｌ

と

あ

る。

おわり

に

国

絵

図

の

よ

う

な

大

型

の

絵

図

は、

公

開

展

示

す

る

場

所

の

確

保、

折

畳

み

の

際

に

生

ず

る

顔

料

の

剥

離

等

が

あ

っ

て、

貴

重

な

歴

史

資

料

を

保

護

す

る

意

味

か

ら

こ

れ

ま

で

あ

ま

り

公

開

さ

れ

て

いな

か

っ

た

よ

う

に

思

う。

ま

た、

展

示

され

ても

広

す

ぎ

て、

中

央

部

に

書か

れ

た

文

字

な

ど

は

見え

ず、

古

地

図集

成

な

ど

の

出

版

物

に

写真

版

で掲

載

さ

れ

ても

文

字

を

読

み

取

る

こ

と

が

で

き

ず、

そ

の

記

載

文

字

に

つい

て研

究

す

る

ま

でに

は

至

っ

て

い

な

か

っ

た

よ

う

に

思

う。

『琉

球

国

絵

図

史

料

集」

の

編

集

事

業

は、

近

世

に

お

け

る

陸

上

・

海

上

の

交

通、

地

図

調

製

と

技

術、

村

々

の

立

地、

架

橋

の

有

無、

地

名

等

の

比

較

研

究

や

中

学

校

・

高

等

学

校

の

日

本

史

及

一 ７２ 一

び

琉

球

史

の

勉

強

にも

大い

に役

立

て

る

こ

と

を

目

的

に

実

施

さ

れ

た

も

の

で

あ

り、

本

事業

によ

っ

て

こ

の

記

載

文

字

の

翻

刻が

行

わ

れ、

つ

い

で

に

関連

史

料

の

収

録

が

な

さ

れ

た

こと

は、

沖

縄

県

に

お

け

る

国

絵

図や

古

地

図

の

研

究だ

け

で

はな

く、

近

世

史

研

究

およ

び

地

域

史

研

究

に

も

大

きな

影

響を

与え

るも

の

と

期

待

す

る。

本

事業

が、

順

調

に

編

集

す

る

こ

と

が

でき

た

のも

東

京

大

学

史料

編

纂

所

を

は

じ

め

と

し

て、

多

く

の

史

料

所蔵

機

関

並

び

に

関

係各

位

の

ご

協

力

の

賜

で

あ

り、

あ

ら

たあ

て

ここ

に

感

謝

の

意

を

表

す

る

次

第

で

あ

る。

最後

に、

国

立

公

文

書

館

内

閣

文

庫が

所蔵

す

る

元

禄

国

絵

図

及

び

天

保

国

絵

図

・

天

保

郷

帳

（一

二

七

鋪

・

八

五

冊）

は、

近

世

史

上

貴

重

な

資

料

の

保

存を

図

るた

め

に

昭和

五

十

八

年

六

月

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日の

日

付

で

重

要

文

化

財

に

指

定さ

れ

た。

そ

の

国

絵

図

の

貸

し

出

し

に

は

慎

重

な

対

応が

必

要

であ

る

と

思

わ

れ

る

が、

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所

蔵

の正

保

国絵

図

と

と

も

に

是

非

と

も

沖

縄

県

で公

開

し

て

い

ただ

き

た

いも

の

であ

る。

（５） （４） （３） （２） （１） 注（８＞ （７） （６）（９）（１の （１３） （１２） （１１） （１０）

沖

縄

県

立

図

書

館

比

嘉

春

潮

文

庫

所

蔵。

故

下

地

馨

氏

所

蔵。

他

に

浦

崎

浩

行

氏

所

蔵

本

が

あ

る。

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所

蔵。

『続

々

群

書

類

従』

第

九

巻

所

収。

原

口

虎

雄

氏

よ

り

「国

絵

図

調

之

儀

二

付

ノ

書

付」

と

題

さ

れ

た

一

二

二

件

の

目

録

力

ｉ

ド

が

作

成

さ

れ

て

い

る。

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所

蔵。

宮

内

庁

書

陵

部

所

蔵。

沖

縄

県

立

図

書

館

東

恩

納

寛

淳

文

庫

所

蔵、

「東

恩

納

寛

淳

史

料

ノ

ー

ト

９

ノ

ー

ト２４

郷

村

帳

（上

絵

図と

名

字

糺

合

の

件）」

所

収。

東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所蔵、

明治

三

十

八

年

に

文

科

大

学

史

料

編

纂

掛

で

写本。

前掲ω

都

城

島津

家

所蔵。

沖

縄

県立

博

物

館

所

蔵。

沖

縄

県立

図

書館

東

恩

納

寛

淳

文

庫

所

蔵。

沖縄県立図書館東恩納寛淳文庫所蔵。

一 ７３ 一

（１６） （１５）（１８） （１の（１９）⑳⑳ ⑳⑳ ㈱

沖

縄

県立

図書

館

東

恩

納

寛

淳

文

庫

所

蔵。

東

京大

学

理

学

部

人

類

学

教

室

図

書

室

所

蔵。

同様

の

地

図が

島

尻

博

物

館（旧斎

藤

用之

助

氏

所

蔵）に

も

あ

る。

国立

公

文

書

館

内

閣

文

庫

所蔵。

『江

戸

幕

府

撰

国

絵

図

の

研究」

古

今

書

院、

一

九

八

四

年。

『日

本

歴

史

叢

書

４４

国

絵

図」

吉

川

弘

文

館、

一

九

九

〇

年。

」島

津

家

文

書

国

絵

図

調査

報

告Ｌ

『東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所

報」

第

二

四

号、

一

九

八

九

年。

闇国

立

公

文

書

館

内

閣

文

庫

所

蔵

国

絵

図・

郷

帳

の

重

要

文

化

財

指

定

に

つ

い

てＬ

『北

の

丸

国立

公

文

書

館報」

第

一

六

号、

一

九

八

四

年。

『日

本

歴

史

地

理

用

語辞

典」

柏

書

房、

一

九

八

一

年。

前

掲

『江

戸幕

府

撰

国絵

図

の

研

究」

一

六

四

頁

「現

存

す

る

正

保道

帳

（控）

の

例」。

前

掲

『日本

歴

史

叢

書

４４

国

絵

図」

九

八

頁。

『琉

球

国

絵

図

史

料

集

第

三

集」

沖

縄

県教

育

委

員

会、

一

九

九

四

年。

八

一

頁、

豊

見

山和

行氏

の

陥首

里

古

地

図Ｌ

の

解

題

を

参

照。

⑳ ⑳ ㈱⑳ｅ１）ｅ２⑯

前

掲

『日

本

歴

史

叢

書

４４

国

絵

図」

一

〇

〇

頁。

前

掲

『日

本

歴

史

叢

書

４４

国

絵

図」

一

〇五

頁。

前

掲

「島

津

家

文

書

国

絵

図

調

査

報

告」

『東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所

報』

第

二

四

号、

六

三

頁。

前

掲

『日本

歴

史

叢

書

４４

国

絵

図』

一

五

二

頁。

前

掲

「島

津

家

文

書

国

絵

図

調

査

報

告」

『東

京

大

学

史

料

編

纂

所

所

報」

第

二

四

号、

六

一

頁。

」現

存

慶

長

・

正

保

・

元

禄

国

絵

図

の

特

徴

に

つ

い

て

江

戸

幕

府

国

絵

図

・

郷

帳

管

見

（二）Ｌ

『東京

大

学

史

料

編

纂

所

所

報」

第

一

五

号、

二

〇

頁。

『お

き

な

わ

文

庫

１７

南

島

地

名

考

お

も

ろ

か

ら

沖

縄

市

誕

生

ま

で」

ひ

る

ぎ

社、

一

九

八

四

年。

「郷

土

誌

の

研

究

と

地

誌」

『鹿

児

島

県

史

料

集

（２３）

新

修

奮

鹿

児

島

藩

領

国

・

郡

・

郷

・

村

・

浦

・

町

附

～

奮鹿児島藩地方区画要覧～

上巻」

鹿児島県史料

刊

行

会、

一

九

八二

年、

七

頁。

宮

城

栄

昌

・

高

宮

廣

衛

編『沖

縄

歴

史

地

図（歴

史

編）」

柏

書

房、

一

九

八

三

年。

一 ７４ 一