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Waters SYNAPT G2-S HDMS 質量分析計 概要およびメンテナンスガイド 715003892JA/ リビジョン D Copyright © Waters Corporation 2014 All rights reserved

Waters SYNAPT G2-S HDMS...Waters、ACQUITY、ACQUITY UPLC、 Connections INSIGHT、ESCi、HDMS、 MassLynx、nanoACQUITY、nanoACQUITY UPLC、SYNAPT、「THE SCIENCE OF WHAT’S POSSIBLE.」、Triwave、UPLC、Waters

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  • WatersSYNAPT G2-S HDMS

    質量分析計概要および メ ンテナンスガイ ド

    715003892JA/リ ビジ ョ ン D

    Copyright © Waters Corporation 2014All rights reserved

  • ii 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 一般情報

    著作権情報

    © 2014 WATERS CORPORATION. 米国およびアイルラン ドにて印刷。ALL RIGHTS RESERVED. 発行者の文書によ る承諾な しには、いかな る形でも本書の全部また は一部を複製する こ と はでき ません。

    本書の内容は予告な しに変更される場合があ り 、 また弊社の責任を示すものではあ り ません。本書に万一誤 り があった場合、Waters Corporation は責任を負いか ねますのでご了承 く ださい。 本書は、 発行時点において完全で正確な もの と 確信し てお り ます。 本書の使用に関連し て、 または本書の使用結果 と し て発生する偶発的または結果的な損害に対し て、 当社は一切責任を負いません。 本書の最新版については、 Waters の Web サイ ト (waters.com) を参照し て く ださい。

    商標

    Waters、 ACQUITY、 ACQUITY UPLC、 Connections INSIGHT、 ESCi、 HDMS、MassLynx、 nanoACQUITY、 nanoACQUITY UPLC、 SYNAPT、 「THE SCIENCE OF WHAT’S POSSIBLE.」、 Triwave、 UPLC、 Waters Quality Parts、 および Xevo は Waters Corporation の登録商標です。 DDA、DriftScope、 iKey、 IntelliStart、 ionKey、 ionKey/MS、 IonSABRE、LockSpray、 NanoFlow、 NanoLockSpray、 pDRE、 QuanTof、 tepWave、T-Wave、 および ZSpray は Waters Corporation の商標です。Oerlikon は、 OC Oerlikon Corporation AG の登録商標です。Phillips および Pozidriv は Phillips Screw Company の登録商標です。Swagelok および Snoop は、 Swagelok Company の登録商標です。Viton は、 DuPont Performance Elastomers の登録商標です。PEEK は Victrex plc の商標です。TaperTip は New Objective, Inc. の商標です。他の登録商標または商標は、 各所有者が所有権を有し ます。

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D iii

  • お客様のご意見について

    本書の誤 り や、本書の改善に関するその他のご意見は、Waters テ ク ニカルコ ミ ュ ニケーシ ョ ン部にお知らせ く ださい。 お客様の この ド キ ュ メ ン ト に対する ご要望を よ り 良 く 理解し、 今後も この ド キ ュ メ ン ト の正確さ と使いやすさ を向上し ていく こ と ができ る よ う に、 ご協力をお願いいた し ます。 お客様よ り 頂いたご意見は、 真摯に検討させていただき ます。 担当窓口は [email protected] です。

    Waters へのお問い合わせ

    Waters 製品へのご要望、 ま たは輸送、 取 り 外し、 および廃棄に関する技術的な 質問は、 Waters までお問い合わせ く だ さ い。 イ ン ターネ ッ ト 、 電話、 または手 紙でお問い合わせ く ださい。

    Waters の問い合せ先情報 :

    お問い合わせ方法 情報

    イ ン ターネ ッ ト 世界各国の Waters へのお問い合わせについては、 Waters の Web サイ ト をご覧 く ださい。www.waters.com をご覧 く ださい。

    電話および フ ァ ッ ク ス番号

    電話 : フ リ ーダ イヤル 0120-800-299フ ァ ッ ク ス : 東京 03-3471-7118、 大阪 06-6300-1734

    郵送 日本ウ ォーターズ株式会社

    〒 140-0001東京都品川区北品川 1 丁目 3 番 12 号第 5 小池ビル

    iv 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 安全に関する注意事項

    Waters の装置およびデバイ スで使用する試薬およびサンプルの中には、 化学的、 生物学的、 または放射線学的な危険性 (またはこれらの組み合わせ) を引き起こすものがあ り ます。 使用するすべての物質に対し て、 潜在する有害な影響を把握し ていただ く 必要があ り ます。 必ず優良試験所基準 (GLP) に従い、 所属する組織 の標準操作手順を参照し て く ださい。

    メ ソ ッ ド を開発する場合は、 『Protocol for the Adoption of Analytical Methods in the Clinical Chemistry Laboratory』、 American Journal of Medical Technology、44、 1、 30–37 (1978) に従って く ださい。 このプロ ト コルでは、 適切な操作手順や、 シ ステムおよびメ ソ ッ ドの性能を検証するために必要な手法を説明しています。

    危険標識記号に関する通知

    記号が使われている あ ら ゆる場合に、 文書を参照し て、 危険を引き起こす 可能性があ る原因の本質および実施する必要があ る ア ク シ ョ ンを明確にする必要があ り ます。

    SYNAPT G2-S システム固有の注意事項

    電源コー ドの交換に関する危険性

    警告:感電を防止する ために、米国では SVT タ イプ、 ヨーロ ッパでは HAR タ イプ (またはそれ以上) の電源コー ド を使用し て く だ さ い。 主電源コード は、 必ず適切な定格のコー ド と だけ交換し て く だ さ い。 その他の国で使用する コード については、 各国の Waters 代理店にお問い合わせ く ださい。

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D v

  • 溶媒漏れの危険性

    ソース排気システムは、 リ ーク し ないよ う に堅牢に設計されています。Waters で は、 10% の LC 溶出における試験室環境への最大 リ ーク を仮定し て、 危険度分析 を行 う こ と をお勧めし ます。

    こぼれた溶媒による危険

    可燃性溶媒の危険性

    可燃性溶媒を使用する場合は、 必ず装置のソースに窒素を供給し て、 窒素供給圧力が 4 bar (400 kPa、 58 psi) を下回ら ないよ う にし て く ださ い。 また、 必ずガ ス障害デバイ ス を取 り 付けて、 窒素を供給でき なかった場合に LC システムの溶 媒送液が停止する よ う にし て く だ さい。

    警告 :

    • ソース排出システムの完全性を確保するには、1 年以内の間隔でソー スの O リ ングを新品にする必要があ り ます。

    • ソースの O リ ングは特定の溶媒にしか耐え る こ と ができ ません ( 319 ページの 「移動相の調製に使用される溶媒」 を参照)。 使用 する溶媒が リ ス ト に記載されていない場合は、 ソースの O リ ング の化学劣化を防ぐため、 溶媒が O リ ングの組成に悪影響を及ぼさ ないこ と を確認し て く ださい。

    警告 : こぼれた溶媒によ る傷害や装置の損傷を防ぐ ため、 付属のボ ト ル トレ イに収納し た場合を除き、 溶媒ボ ト ルを装置の上や前面の棚に置かないで く ださい。

    警告 : 質量分析計のイオン ソース密閉空間での可燃性溶媒蒸気の発火の危険性を避け る ために、 必ずソースに窒素を供給し て く だ さ い。 可燃性溶媒の使用が必要な分析では、 窒素供給圧力が 4 bar (400 kPa、 58 psi) を決 し て下回ら ないよ う にし て く だ さ い。 ガス障害デバイ ス を取 り 付けて、 窒素の供給が停止し た場合は LC 溶媒の送液を中断する必要も あ り ます。

    vi 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 過負荷による危険性

    高温による危険性

    質量分析計の高温による危険性 :

    警告 : 事故防止の観点から、 装置の上に置 く 機器が 15 kg を超えないこ と を確認し ます。

    警告 : 火傷の恐れがあるため、 装置の操作中またはメ ンテナンス中は、 ソースエン ク ロージ ャーに触れないよ う にし て く だ さ い。 これら のコ ンポーネント の メ ンテナン ス を実行する前に、ソース ヒ ーターがオフになっていて、イオンブロ ッ クが冷えている こ と を確認し て く ださい。

    ソースイオンブロ ッ クアセンブ リー

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D vii

  • 高電圧による危険性

    装置の取り外しに関連する危険性

    修理または廃棄のため、 装置の使用を中止し て取 り 外す場合、 すべての減圧領域における汚染を除去する必要があ り ます。 以下は、 最高レベルの汚染が予測される領域です。

    • ソース内部• 廃液チューブ• 排気システム• ロータ リ ーポンプのオイル (該当する場合)

    装置の他の減圧領域を汚染除去する必要性は、 装置で分析し たサンプルの種類および濃度のレベルによ って異な り ます。 施設からの廃棄を承認する権限を有する責任者が、 必要 と な る汚染除去の程度、 および残留汚染の許容レベルを決定するまでは、 装置の廃棄や、 修理のための Waters への返送はし ないで く だ さい。 ま た管理者は、 使用する汚染除去方法、 および汚染除去作業を実施する職員への適切な保護を規定する必要があ り ます。

    汚染された容器および先端部に対する試験室の手順に従い、 ソース領域へのサンプルの送液に使用する シ リ ンジ、 溶融石英製品、 およびホ ウ ケ イ酸塩チッ プなどの部品を取 り 扱 う 必要があ り ます。 発癌性物質、 有毒物質、 または生物学的有害物質によ る汚染を防ぐため、 使用済みオイルの取 り 扱いまたは廃棄を行 う と きには必ず耐薬品性の手袋を着用し て く ださい。

    警告 :

    • 感電防止の観点か ら、 質量分析計の保護パネルは外さ ないで く だ さ い。保護パネルに覆われている コ ンポーネン ト は、 ユーザーが メ ンテナン スする こ と はでき ません。

    • 装置がオペレー ト モード の と きに非致命的な感電を防ぐため、 高電圧警告記号の付いた領域には触れないで く ださい。 これらの部分に触れる場合は、 先ず装置を ス タ ンバイモー ド にし ます。

    警告 : 生物学的有害物質、 有毒物質、 および腐食性物質によ る人体への汚染を防ぐため、 装置の汚染を除去する と きは、 常に耐薬品性の手袋を着用し て く ださい。

    警告 : 刺し傷を防ぐため、 シ リ ンジ、 溶融石英製品、 およびホウ ケ イ酸チ ッ プは特に慎重に取 り 扱って く ださい。

    viii 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • ボ ト ル配置の禁止事項

    FCC 放射線放射に関する通知規制機関から明確な承認を受けずに変更や改造を行 う と、 本装置のユーザーと しての承認が無効になる可能性があ り ます。 この装置は FCC 規則のパー ト 15 に適合し ています。 このデバイ スの操作は、 以下の 2 つの条件の対象と な り ます。 (1) このデ バイ スは有害な電磁波干渉を引き起こ し ませんが、(2) このデバイ スは誤動作の原 因にな る干渉を含むあ ら ゆる干渉を受ける可能性があ り ます。

    電源の安全性に関する通知

    装置を配置する際に、 接続解除デバイ スの操作が妨げられないよ う にして く ださい。

    装置の誤使用に関する通知

    メ ーカーの指示し ていない方法で装置を使用し た場合は、 装置が提供する保護が損なわれる こ と があ り ます。

    安全に関する勧告

    警告および注意の総合一覧については、 付録 A を参照し て く だ さい。

    禁止 : 感電および火災によ る事故を防止するため、 さ らにワーク ステーシ ョ ンおよび付属機器の損傷を防ぐために、 溶媒ボ ト ルなどの液体で満た された物体を これらの上に置いた り、 水滴または水しぶきにさ ら さないで く ださい。

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D ix

  • この装置の操作

    こ の装置を操作する際は、 標準の品質管理 (QC) 手順 と こ のセ ク シ ョ ンのガ イ ド ラ イ ンに従って く だ さい。

    適用される記号

    記号 定義

    製造者

    製造日

    EC (欧州共同体) の認定代理人

    製造された製品が該当するすべての欧州共同体指令に準拠し ている こ と を公式に表明し ます

    または

    オース ト ラ リ アの EMC に準拠し ています

    製造された製品が、 該当するすべての米国およびカナダの安全要求事項に準拠し ている こ と を公式に表明し ます

    使用方法を参照し て く ださい

    交流

    この記号が付いている電気および電子機器には有害物質が含まれている こ と があ り 、 一般廃棄物とし て廃棄し てはな り ません。

    廃電気電子機器指令 (WEEE) 2012/19/EU に準拠するための正しい廃棄と リ サイ クル手順については、Waters Corporation にお問い合わせ く ださい。

    x 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 対象読者および目的

    本書は、 さ ま ざ ま な経験レベルのオペレーターを対象 と し ています。 本書では、装置の概要を提供し、 装置の準備方法、 動作モード の変更方法、 およびメ ンテナンス方法について説明し ます。

    SYNAPT G2-S 質量分析計の使用目的こ の装置は、四重極/直交加速飛行時間 (oa-TOF) ハイブ リ ッ ト 型質量分析計です。

    SYNAPT® G2-S 質量分析計は、 認証済みの精密質量測定を行 う 研究ツール と し て使用する こ と を目的 と し て設計されています。 SYNAPT G2-S 質量分析計は診 断アプ リ ケーシ ョ ンへの使用を意図し ていません。

    キャ リ ブレーシ ョ ン

    LC システムのキ ャ リ ブレーシ ョ ンを行 う には、 少な く と も 5 つの標準試料を使 用し て、条件に合ったキ ャ リ ブレーシ ョ ン メ ソ ッ ド に従い、検量線を作成し ます。標準試料の濃度範囲は、 QC サンプル、 典型的な試料、 および非典型的な試料の 全範囲を含むよ う に設定し て く だ さい。

    質量分析計をキ ャ リ ブレーシ ョ ンする時は、 キ ャ リ ブレーシ ョ ンする装置のオペレーターズガイ ド でキ ャ リ ブレーシ ョ ンのセ ク シ ョ ンを参照し て く ださい。 オペレーターズガイ ド ではな く 、 概要および メ ンテナン スガイ ド が装置に付属し ている場合は、 キ ャ リ ブレーシ ョ ンの手順については、 装置のオン ラ イ ンヘルプシステムをご覧 く ださい。

    シ リ アル番号

    部品番号およびカ タ ロ グ番号

    記号 定義

    ���

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D xi

  • 品質管理

    通常よ り も低い濃度、 通常濃度、 および通常よ り も高い濃度の化合物を代表する

    3 つの品質管理 (QC) サンプルを定期的に分析し て く だ さ い。 サンプル ト レ イが 同じ ま たは非常に似ている場合は、 QC サンプルの ト レ イ内の位置を変え ます。 QC サンプル結果が許容範囲内であ る こ と を確認し、 毎日および分析のたびに精 度を評価し て く だ さ い。 QC サンプルが範囲外の と きに収集されたデータは、 無 効と な る場合があ り ます。 装置が適切に機能し ている こ と が確認でき る まで、 これらのデータ を レポー ト し ないで く ださい。

    EMC に関する注意事項

    カナダ - スペク ト ル管理エ ミ ッ シ ョ ン ノ ー トこ の ク ラ ス A デジ タル装置は Canadian ICES-001 に準拠し ています。Cet appareil numérique de la classe A est conforme à la norme NMB-001.

    ISM 分類 : ISM グループ 1、 ク ラス Aこ の分類は、 IEC CISPR 11、 工業 ・ 科学 ・ 医療用 (ISM) 機器の要件に従って指 定されています。 グループ 1 の製品は、 意図的に生成および/または使用される、 装置の内部機能に必要な導電結合無線周波エネルギーに、 適用されます。 ク ラ ス A に指定される装置は、 住居用以外のあ ら ゆる建物での使用に適し ています。 ク ラス A 装置は、 住居用建物に供給する低電圧電力網に直接接続でき ます。

    xii 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • EC の認定代理人

    Waters CorporationStamford AvenueAltrincham RoadWilmslow SK9 4AXUnited Kingdom

    電話番号 : +44-161-946-2400フ ァ ッ ク ス番号 : +44-161-946-2480連絡窓口 : 品質管理マネージ ャー (Quality manager)

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D xiii

  • xiv 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 目次

    一般情報 ............................................................................................................ iii

    著作権情報 ................................................................................................................ iii

    商標 ........................................................................................................................... iii

    お客様のご意見について .......................................................................................... iv

    Waters へのお問い合わせ ....................................................................................... iv

    安全に関する注意事項 ............................................................................................... v 危険標識記号に関する通知 .................................................................................. v SYNAPT G2-S システム固有の注意事項 ............................................................ v FCC 放射線放射に関する通知 ............................................................................ ix 電源の安全性に関する通知 ................................................................................. ix 装置の誤使用に関する通知 ................................................................................. ix 安全に関する勧告 ................................................................................................ ix

    こ の装置の操作 .......................................................................................................... x 適用される記号 .................................................................................................... x 対象読者および目的 ............................................................................................ xi SYNAPT G2-S 質量分析計の使用目的 ............................................................... xi キ ャ リ ブレーシ ョ ン ............................................................................................ xi 品質管理 ............................................................................................................ xii

    EMC に関する注意事項 .......................................................................................... xii カナダ - スペク ト ル管理エ ミ ッ シ ョ ン ノー ト ................................................... xii ISM 分類 : ISM グループ 1、 ク ラ ス A ............................................................ xii

    EC の認定代理人 ................................................................................................... xiii

    1 システムの概要 ............................................................................................ 25

    Waters 質量分析計 ................................................................................................ 26 SYNAPT G2-S UPLC/MS/MS システム ........................................................... 27

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D xv

  • ソ フ ト ウ ェ ア .......................................................................................................... 28 IntelliStart ........................................................................................................ 28 MassLynx .......................................................................................................... 29 装置コ ン ソール .................................................................................................. 29

    IntelliStart 送液システム .................................................................................... 30 概要 .................................................................................................................... 30 IntelliStart 送液の形状レ イ ア ウ ト ................................................................... 32

    装置のソース .......................................................................................................... 33 LockSpray ソースおよびイオン化モード .......................................................... 33 エレ ク ト ロ スプレーイオン化 ............................................................................. 34 大気圧化学イオン化 ........................................................................................... 35 エレ ク ト ロ スプレーと大気圧化学イオン化の組み合わせ ................................. 35 NanoLockSpray ソース ..................................................................................... 36 大気圧中固体分析プローブ (ASAP) ................................................................... 37 デュ アルモード イオン化ソース ......................................................................... 37 マ ト リ ク ス支援レーザー脱離イオン化 .............................................................. 37 ionKey ソース .................................................................................................... 38

    システム動作 .......................................................................................................... 38

    イオン光学系 .......................................................................................................... 39

    分析器 ..................................................................................................................... 40 四重極 ................................................................................................................. 40 Triwave デバイ ス .............................................................................................. 41 TOF 分析器 ........................................................................................................ 42

    リ ーク センサー ....................................................................................................... 44

    真空システム .......................................................................................................... 44

    装置背面パネルでのコ ン ト ロール .......................................................................... 45

    装置背面パネルでの接続 ........................................................................................ 46

    xvi 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 2 質量分析計の起動と停止 .............................................................................. 47

    質量分析計の起動 ................................................................................................... 48 SYNAPT G2-S 照明ス ト リ ッ プ ......................................................................... 49 キ ャ リ ブレーシ ョ ン情報 .................................................................................... 50 ACQUITY UPLC SYNAPT G2-S UPLC/MS/MS システムの流量 .................. 50

    IntelliStart 送液システムの準備 .......................................................................... 51 リ ザーバーボ ト ルの取 り 付け ............................................................................. 51 溶媒送液チューブ位置の調整 ............................................................................. 54 ポンプのパージ .................................................................................................. 55

    質量分析計の停止 ................................................................................................... 55 質量分析計を ソース ス タ ンバイモード にする ................................................... 55 質量分析計の完全なシ ャ ッ ト ダウ ン .................................................................. 55

    内蔵 PC の再起動 ................................................................................................... 56

    3 LockSpray ソースの設定 .......................................................................... 57

    LockSpray ソースの設定 ..................................................................................... 58

    ESI モード の設定 ................................................................................................... 58 ESI プローブの取 り 付け .................................................................................... 58 ESI プローブの取 り 外し .................................................................................... 63

    小口径の ESI キ ャ ピ ラ リ ーオプシ ョ ンの取 り 付け ............................................... 64

    APCI モー ド .......................................................................................................... 70 IonSABRE II プローブの取 り 付け .................................................................... 71 IonSABRE II プローブの取 り 外し .................................................................... 72

    APPI/APCI ソースの組み合わせ .......................................................................... 73 APPI 操作 .......................................................................................................... 73 APCI 操作 .......................................................................................................... 74 デュ アルモード操作 ........................................................................................... 74 APPI/APCI ソース構成部品の組み合わせ ......................................................... 76 APPI/APCI ソースの組み合わせの設置 ............................................................ 77 IonSABRE II プローブ と APPI/APCI ソースエン ク ロージャーの取 り 外し ........ 79

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D xvii

  • ESCi モード の設定 ................................................................................................ 80 ESCi 操作用の ESI プローブの最適化 .............................................................. 80 コ ロナピンのソースへの取 り 付け ..................................................................... 80 ソースからのコ ロナピンの取 り 外し .................................................................. 80

    4 NanoLockSpray ソースの構成 ................................................................ 81

    NanoLockSpray ソースの概要 ........................................................................... 82 サンプルスプレーヤー ....................................................................................... 83 LockSpray スプレーヤー ................................................................................... 83 NanoFlow ガスの供給 ....................................................................................... 84 パージガス ......................................................................................................... 84 スプレーヤープラ ッ ト フ ォームのアジ ャ ス ターアセンブ リ ー .......................... 84

    NanoLockSpray ソースの選択と 構成 ................................................................. 85

    スプレーヤープラ ッ ト フ ォームのアジ ャ ス ターアセンブ リ ーの配置 .................... 86

    スプレーヤーチ ッ プの位置調整 .............................................................................. 87

    カ メ ラの設定 .......................................................................................................... 88

    5 ionKey ソースの取 り 付けおよび取 り 外し ................................................. 89

    ionKey ソースの取 り 付け ..................................................................................... 90

    ionKey ソース ソ フ ト ウ ェアのイ ン ス ト ール ........................................................ 96

    ionKey ソースでのカ メ ラの設置 .......................................................................... 96

    ionKey ソースの取 り 外し ..................................................................................... 97

    6 メ ンテナン ス作業 ........................................................................................ 99

    メ ンテナン ス ス ケジ ュール ................................................................................... 101

    スペアパーツ ........................................................................................................ 103

    Connections INSIGHT によ る ト ラブルシ ューテ ィ ング ................................. 103

    安全性と取 り 扱い ................................................................................................. 105

    ソース部分で作業ができ る よ う に装置を準備 ...................................................... 107

    xviii 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • ソースエン ク ロージ ャーの取 り 外し と 再取 り 付け ............................................... 108 装置からのソースエン ク ロージ ャーの取 り 外し .............................................. 108 ソースエン ク ロージ ャーの装置への取 り 付け ................................................. 110

    コ ロナピンの取 り 付け と 取 り 外し ........................................................................ 111 コ ロナピンのソースへの取 り 付け ................................................................... 111 ソースからのコ ロナピンの取 り 外し ................................................................ 113

    ソース遮断バルブの操作 ...................................................................................... 114

    O リ ング と シールの取 り 外し ............................................................................... 117

    ソース コ ンポーネン ト の ク リ ーニング ................................................................. 118

    サンプルコーンアセンブ リ ーの ク リ ーニング ...................................................... 118 サンプルコーンガスアセンブ リ ーのソースからの取 り 外し ............................ 118 サンプルコーンアセンブ リ ーの分解 ................................................................ 120 サンプルコーン と コーンガス ノ ズルの ク リ ーニング ....................................... 122 サンプルコーンアセンブ リ ーの組み立て ......................................................... 124 サンプルコーンアセンブ リ ーのソースへの取 り 付け ....................................... 125

    イオンブロ ッ ク アセンブ リ ーの ク リ ーニング ...................................................... 127 イオンブロ ッ ク アセンブ リ ーのソースアセンブ リ ーからの取 り 外し ............. 127 ソース イオンブロ ッ ク アセンブ リ ーの分解 ..................................................... 129 イオンブロ ッ ク構成部品の ク リ ーニング ......................................................... 135 ソース イオンブロ ッ ク アセンブ リ ーの組み立て .............................................. 136 イオンブロ ッ ク アセンブ リ ーのソースアセンブ リ ーへの取 り 付け ................. 138

    StepWave イオンガイ ド アセンブ リ ーの ク リ ーニング ...................................... 139 StepWave イオンガイ ド アセンブ リ ーの取 り 扱い .......................................... 139 イオンブロ ッ ク サポー ト のソースアセンブ リ ーからの取 り 外し ..................... 139 ソースアセンブ リ ーからの StepWave アセンブ リ ーの取 り 外し .................... 141 StepWave イオンガイ ド アセンブ リ ーの分解 .................................................. 145 StepWave イオンガイ ド アセンブ リ ーの ク リ ーニング ................................... 148 StepWave イオンガイ ド アセンブ リ ーの組み立て .......................................... 151 ソースアセンブ リ ーへの StepWave アセンブ リ ーの取 り 付け ....................... 153 イオンブロ ッ ク サポー ト のソースへの取 り 付け .............................................. 156

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D xix

  • ESI プローブチ ッ プおよびガス ケ ッ ト の交換 ..................................................... 157 ESI プローブチ ッ プおよびガス ケ ッ ト の取 り 外し .......................................... 157 ESI プローブチ ッ プおよびガス ケ ッ ト の取 り 付け .......................................... 159

    ESI プローブのサンプルキ ャ ピ ラ リ ーの交換 ..................................................... 160 既存のキ ャ ピ ラ リ ーの取 り 外し ....................................................................... 161 新しいキ ャ ピ ラ リ ーの取 り 付け ....................................................................... 166

    IonSABRE II プローブチッ プの ク リ ーニング ................................................... 170

    IonSABRE II プローブのサンプルキ ャ ピ ラ リ ーの交換 .................................... 171 既存のキ ャ ピ ラ リ ーの取 り 外し ....................................................................... 171 新しいキ ャ ピ ラ リ ーの取 り 付け ....................................................................... 174

    コ ロナピンの ク リ ーニングまたは交換 ................................................................. 178

    IonSABRE II プローブ ヒ ーターの交換 ............................................................. 179 IonSABRE II プローブ ヒ ーターの取 り 外し .................................................... 179 新しい IonSABRE II プローブ ヒ ーターの取 り 付け ........................................ 181

    イオンブロ ッ ク のソース ヒ ーターの交換 ............................................................. 182

    LockSpray プローブのキ ャ ピ ラ リ ーの交換 ...................................................... 186 既存のキ ャ ピ ラ リ ーの取 り 外し ....................................................................... 186 新しいキ ャ ピ ラ リ ーの取 り 付け ....................................................................... 188

    LockSpray ソースアセンブ リ ーシールの交換 ................................................... 189 プローブアジ ャ ス ターアセンブ リ ープローブ と

    ソースエン ク ロージ ャーシールの取 り 外し ............................................... 189 新しいソースエン ク ロージ ャーシールの取 り 付け .......................................... 192

    NanoLockSpray レ フ ァ レン スプローブのキ ャ ピ ラ リ ーの交換 ....................... 193 NanoLockSpray レ フ ァ レ ン スプローブの取 り 外し ........................................ 193 新しい TaperTip エ ミ ッ ターおよびキ ャ ピ ラ リ ーの取 り 付け ......................... 196

    ionKey レ フ ァ レ ン スプローブのキ ャ ピ ラ リ ーの交換 ........................................ 198 ionKey レ フ ァ レン スプローブの取 り 外し ....................................................... 198 新しい TaperTip エ ミ ッ ターおよびキ ャ ピ ラ リ ーの取 り 付け ......................... 201

    APPI/APCI ソース : UV ラ ンプの電球の交換 ................................................... 204

    APPI/APCI ソース : ラ ンプ窓の ク リ ーニング .................................................. 205

    xx 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • APPI/APCI ソース : APPI ラ ンプ駆動シールの交換 ........................................ 206 APPI ラ ンプ駆動アセンブ リ ーから シールの取 り 外し .................................... 206 新しい O リ ングの APPI ラ ンプ駆動アセンブ リ ーへの取 り 付け ................... 212

    装置の ヒ ューズの交換 .......................................................................................... 214

    質量分析計のエアーフ ィ ルターの交換 ................................................................. 215 エアーフ ィ ルターの交換 .................................................................................. 215

    IntelliStart 送液チューブの交換 ........................................................................ 217

    IntelliStart チューブの交換 (LockSpray 構成) ............................................. 218 IntelliStart 送液チューブの取 り 外し .............................................................. 219 IntelliStart 送液 LockSpray システムの配管 ................................................. 220 IntelliStart 送液サンプル送液システムの配管 ............................................... 229

    IntelliStart チューブの交換 (NanoLockSpray 構成) ................................... 236 IntelliStart 送液チューブの取 り 外し .............................................................. 237 IntelliStart 送液 NanoLockSpray システムの配管 ........................................ 238 IntelliStart 送液サンプル送液システムの配管 ............................................... 246

    質量分析計外部パネルの ク リ ーニング ................................................................. 252

    窒素排気 ト ラ ッ プボ ト ルを空にする .................................................................... 253

    粗引きポンプの メ ンテナン ス ............................................................................... 254

    Oerlikon Leybold オイルを使用する粗引きポンプ .......................................... 255 Oerlikon Leybold 粗引きポンプのガスバラ ス ト ............................................. 256 オイルレベルの測定 (オイルを使用する Oerlikon Leybold 粗引きポンプ) ...... 257 オイルを Oerlikon Leybold 粗引きポンプに追加する ..................................... 257 粗引きポンプのオイルおよびオイルデ ミ ス ターエレ メ ン ト の交換 ................. 259

    Edwards XDS35i オイルフ リ ー粗引きポンプのガスバラ ス ト .......................... 267

    ionKey ソース送液ラ イ ンの交換 ........................................................................ 268 溶媒ラ イ ンの取 り 外し ..................................................................................... 269 溶媒ラ イ ンの取 り 付け ..................................................................................... 271

    ionKey ソースおよびコネ ク ターの ク リ ーニング ............................................... 273

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D xxi

  • A 安全に関する勧告 ...................................................................................... 275

    警告記号 ................................................................................................................ 276 特定の警告 ....................................................................................................... 277

    注意 ....................................................................................................................... 279

    Waters のすべての装置およびデバイ スに適用される警告 ................................. 280

    ヒ ューズ交換に関する警告 ................................................................................... 280

    電気記号および取 り 扱い記号 ............................................................................... 281 電気記号 ........................................................................................................... 281 取 り 扱い記号 .................................................................................................... 282

    B 外部接続 .................................................................................................... 283

    質量分析計の外部配線および真空接続 ................................................................. 284

    オイルを使用する Oerlikon Leybold 粗引きポンプの接続 .............................. 285 チューブの接続 ................................................................................................ 286 電気的接続の仕方 ............................................................................................. 290

    Edwards のオイルフ リ ー粗引きポンプの接続 ................................................... 291 電気的接続の仕方 ............................................................................................. 295

    窒素ガス供給への接続 .......................................................................................... 297

    コ リ ジ ョ ンセルガス供給への接続 ........................................................................ 298

    IMS ガス供給への接続 ......................................................................................... 299

    ヘ リ ウ ムガス供給への接続 ................................................................................... 300

    窒素の排気ラ イ ンの接続 ...................................................................................... 301

    廃液ラ イ ンの接続 ................................................................................................. 304

    入出力シグナルコネ ク ター ................................................................................... 306 シグナル接続 .................................................................................................... 309

    ワーク ステーシ ョ ンの接続 (ACQUITY UPLC な しのシステム) ..................... 312

    Ethernet ケーブルの接続 (ACQUITY UPLC が搭載されているシステム) ...... 313

    xxii 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 電源への接続 ........................................................................................................ 314

    NanoLockSpray/ionKey ソース カ メ ラの接続 ................................................ 315 カ メ ラ ド ラ イバーソ フ ト ウ ェアのイ ン ス ト ール .............................................. 315

    C 装置の材質および適合する溶媒 ................................................................ 317

    汚染防止 ................................................................................................................ 318

    溶媒に曝露される品目 .......................................................................................... 318

    移動相の調製に使用される溶媒 ............................................................................ 319

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D xxiii

  • xxiv 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 1 システムの概要この章では、 コ ン ト ロール、 ソース、 および IntelliStart™ 送液システムなど が含まれている SYNAPT® G2-S High Definition Mass Spectrometry (HDMS) システムについて説明し ます。 目次 :

    ト ピ ッ ク ページ

    Waters 質量分析計..................................................................... 26ソ フ ト ウ ェ ア ............................................................................. 28IntelliStart 送液システム ........................................................... 30装置のソース ............................................................................. 33システム動作 ............................................................................. 38イオン光学系 ............................................................................. 39分析器 ....................................................................................... 40リ ーク センサー .......................................................................... 44真空システム ............................................................................. 44装置背面パネルでのコ ン ト ロール................................................ 45装置背面パネルでの接続............................................................. 46

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 25

  • 1 システムの概要

    Waters 質量分析計

    SYNAPT G2-S HDMS は、 MassLynx® ソ フ ト ウ ェアで制御される四重極、 イオン モビ リ テ ィ 、 直交加速、 飛行時間 (oa-TOF) ハイブ リ ッ ド 型質量分析計です。 こ のシステムには、 精密質量を高分解能で測定する質量分析、 イオンモビ リ テ ィ に基づ く 高性能測定、 分離 (IMS) が統合されています。

    以下の高性能、 ZSpray™、 デュ アル直交、 API ソースのいずれかが標準装備され ています。

    • LockSpray™ ESI/APCI/ESCi® ソース (33 ページを参照)。

    • NanoLockSpray™ ESI ソース (35 ページを参照)。以下のオプシ ョ ンの ソース も使用でき ます。

    • デュアルモード APPI/APCI(『Waters の Xevo 用デュアルモード [APPI/APC] ソースおよび SYNAPT G2-S 装置操作ガイ ド』 を参照)。

    • MALDI (『Waters MALDI SYNAPT G2-S 質量分析計の概要および メ ンテ ナン スガイ ド』 を参照)。

    • ionKey™ (38 ページ、 および 『ionKey/MS システムガイ ド』 を参照)。装置の仕様については、 『Waters SYNAPT G2-S 設置環境ガイ ド』 を参照し て く ださい。

    装置は連動し て動作する複数の自律システムで構成されています。

    • SYNAPT G2-S UPLC®/MS/MS システム。 • 複数のサポー ト アプ リ ケーシ ョ ンおよび制御アプ リ ケーシ ョ ン を実行する

    内蔵パーソナルコ ンピ ューター。

    • メ イ ンユーザーイ ン ターフ ェースであ る IntelliStart 送液システムを含む、 MassLynx コ ン ト ロールソ フ ト ウ ェアを実行する ワーク ステーシ ョ ン。

    • 真空ポンプおよびバッ ク ポンプ、 ソース処理およびソース供給装置。

    26 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • Waters 質量分析計

    SYNAPT G2-S UPLC/MS/MS システムWaters® SYNAPT G2-S HDMS は、 ACQUITY UPLC® および nanoACQUITY UPLC® シ ス テム と 互換性があ り ます。 いずれのシ ス テム も使用し ていない場合 には、 LC システムに関連するマニュ アルを参照し て く ださい。

    ACQUITY UPLC SYNAPT G2-S UPLC/MS/MS システム

    ACQUITY UPLC SYNAPT G2-S HDMS UPLC®/MS/MS システムには、ACQUITY UPLC システム と、LockSpray ESI/APCI/ESCi ソースを搭載した Waters SYNAPT G2-S が含まれています。ACQUITY UPLC システムはバイナ リ ソルベン ト マネージ ャー、サンプルマネー ジ ャー、 カ ラ ム ヒ ーター、 サンプルオーガナイザー、 検出器、 および ACQUITY UPLC 専用カ ラ ムで構成されています。関連項目 : 『ACQUITY UPLC シ ス テム操作ガ イ ド』 または 『UPLC/MS および HPLC/MS システムにおける汚染の管理』 (品番 715001307)。後者の ド キュ メ ン ト は、 オン ラ イ ンで http://www.waters.com にあ り ます。 [サービ ス & サポー ト ] > [ラ イブラ リ ーをサポー ト ] を ク リ ッ ク し て く ださい。

    nanoACQUITY UPLC SYNAPT G2-S HDMS nanoUPLC/MS/MS システム

    nanoACQUITY UPLC SYNAPT G2-S HDMS nanoUPLC/MS/MS シ ス テ ム に は、nanoACQUITY UPLC システム、および NanoLockSpray ソース を搭載し た Waters SYNAPT G2-S が含まれています。nanoACQUITY UPLC システムはバイナ リ ソルベン ト マネージャー、補助ソルベン ト マネージ ャー、 サンプルマネージ ャー、 カ ラ ム ヒ ーター、 サンプルオーガナイザー、 検出器、 および ACQUITY UPLC 専用カ ラ ムで構成されています。 関連項目 : 『nanoACQUITY UPLC システム操作ガイ ド』 または 『LC/MS システ ムにおける汚染の管理』 (品番 715001307)。 後者の ド キ ュ メ ン ト は、 オン ラ イ ン で http://www.waters.com にあ り ます。 [サービ ス & サポー ト ] > [サポー ト ] を ク リ ッ ク し て く ださい。

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 27

  • 1 システムの概要

    ソ フ ト ウ ェ ア

    こ こ で説明する ソ フ ト ウ ェアは、 ワーク ステーシ ョ ン PC で実行されます。

    IntelliStartIntelliStart ソ フ ト ウ ェ アは、 質量分析計のス テータ ス を監視し、 装置の準備が 完了する と レポー ト し ます。 ソ フ ト ウ ェアは、 装置の質量キ ャ リ ブレーシ ョ ンを自動的に行い、 パフ ォーマン スの リ ード バッ ク値を表示し ます。 MassLynx ソ フ ト ウ ェ アおよび装置のコ ン ソールソ フ ト ウ ェ ア と 統合された IntelliStart ソ フ ト ウ ェアを使用する と、定期的な分析およびオープンア クセスアプ リ ケーシ ョ ンで使用するシステムのセ ッ ト ア ップを、 簡略化する こ と ができ ます。 IntelliStart テ ク ノ ロ ジーの詳細については、質量分析計のオン ラ イ ンヘルプを参照し て く ださい。

    IntelliStart 送液システム1 は、 質量分析計に組み込まれています。 このシステム では、 LC カ ラ ムまたは 3 つの内蔵 リ ザーバーボ ト ルから直接 HDMS プローブに サンプルを送液し ます。 リ ザーバーボ ト ルは、 分析時の流量で装置パフ ォーマンス を最適化でき る よ う に、 サンプルを直接または LC からの流量 と合わせて送液 する こ と も でき ます。 追加の リ ザーバーには、 溶媒送液システムの自動洗浄のための溶媒が含まれています。

    詳細については、 30 ページの 「IntelliStart 送液システム」 を参照し て く ださい。

    1. 本書では、 用語 「送液」 は装置およびデバイ スの内部および相互の配管コ ンポーネン ト と 流路を説明する ために使用されます。

    28 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • ソ フ ト ウ ェ ア

    MassLynxMassLynx ソ フ ト ウ ェ アに よ り 質量分析計を制御し ます。 こ れは高性能アプ リ ケーシ ョ ンで、 質量分析、 紫外線 (UV)、 エバポレ イ テ ィ ブ光散乱、 およびアナロ グデータの取 り 込み、 解析、 管理、 および配布を行います。

    MassLynx では、 以下の主要な操作ができ ます。• 装置の設定。• 分析用の操作パラ メ ーターを定義する LC および MS/MS メ ソ ッ ド の作成。• 質量分析計のチューニングおよびマスのキ ャ リ ブレーシ ョ ン を行 う ための

    IntelliStart ソ フ ト ウ ェ アの使用。• サンプルの分析。• 分析のモニター。• データの取 り 込み。• データの処理。• データのレ ビ ュー。• データの印刷。

    MassLynx ソ フ ト ウ ェ アの使用の詳細については、 MassLynx 4.1 のユーザーマ ニュ アルおよびオン ラ イ ンヘルプを参照し て く ださい。

    装置コ ン ソール

    装置コ ン ソールは、 SYNAPT G2-S の メ イ ンユーザーイ ン ターフ ェースです。 装 置コ ン ソールを使用し て、 設定し、 パフ ォーマン ス をモニターし、 診断テス ト を実行し、 シ ス テム と そのモジ ュールの メ ンテナン ス を し ます。 ソ フ ト ウ ェ アは、MassLynx ソ フ ト ウ ェアから独立し て機能し、 データ システムの認識や制御はし ません。

    詳細については、装置コン ソールシステムのオン ラ インヘルプを参照して く ださい。

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 29

  • 1 システムの概要

    IntelliStart 送液システム

    概要

    IntelliStart 送液システム :

    IntelliStart 送液システムは、 装置に組み込まれてお り 、 サンプルを ソースに送液 する方法を制御し ます。 上記の図は単純化し た概略図です。 システム接続は、 使用し ているのが LockSpray か NanoLockSpray イオン ソースかによ って異な り ま す。 217 ページを参照。

    プローブ廃液 リザーバー

    6 ポー ト セレ ク ターバルブ

    洗浄液リザーバー

    A B C

    リザーバーボ ト ル

    サンプルループ

    流量センサー(オプシ ョ ン)

    接地ユニオン(オプシ ョ ン)

    ポンプ

    LC カ ラムまたは外部レ フ ァ レンスボ ト ル

    30 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • IntelliStart 送液システム

    標準フ ローアプ リ ケーシ ョ ンの場合、 システムは以下の 3 つの う ち、 いずれかの 方法でサンプルを質量分析計ソースに直接送液し ます。

    • LC カ ラ ムから。• 3 つの内蔵 リ ザーバーボ ト ルから。

    ヒ ン ト : 分析の際に使用する流量での最適化を行 う ために、 リ ザーバーボト ルか ら サンプルを直接または LC か ら の流量 と 合わせて送液する こ と も でき ます。

    • 装置の溶媒送液シ ス テ ム を洗浄す る ための溶媒が入っ てい る 洗浄 リ ザーバーから。

    nanoACQUITY UPLC の場合、 IntelliStart 送液システムを構成するバルブ と ポン プがデッ ド ボ リ ュームを起こ し、 許容範囲外のピーク の広が り が生じ る原因 と なり ます。 このため、 nanoACQUITY UPLC を、 これに適した短いシ リ カチューブ を使用し、 NanoFlow™ スプレーヤーに直接配管し ます。LockSpray、NanoLockSpray、 または ionKey ソースのレフ ァ レン ス流量には、通 常は IntelliStart 送液システムによ り リ ザーバーボ ト ル B から レ フ ァ レン ス溶液 が送液されます。 動作時間が長い場合、 外部の別のボ ト ルから レ フ ァ レン ス溶液が送液されます。

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 31

  • 1 システムの概要

    IntelliStart 送液の形状レ イアウ トIntelliStart 送液システムは、 下図に示す構成部品で構成されています。 ノ ー ト : 分か り やす く する ため、 チューブ接続は省略し ています。

    システムの構成部品と構成 :

    IntelliStart 送液システムは、 次の構成部品で構成されています。• サンプル送液システム(LC およびプローブの接続に使用する レー ト ポンプ、

    サンプルセレ ク ターバルブ、 およびデ ィ バー ト バルブ付き)。

    • LockSpray システム (超低流量に対応可能なポンプ、 ロ ッ ク スプレーセレ ク ターバルブ、 流量センサー、 接地ユニオンを装備)。 接地ユニオンは、 プローブの電圧か ら流量センサーを保護し ます。 流量センサーは流量を調整し、 NanoLockSpray ソースで必要 と な る非常に低い流量を供給し ます。ノ ー ト : 流量センサーおよび接地ユニオンは LockSpray のオプシ ョ ンのフ ィ ッ テ ィ ングですが、 NanoLockSpray ソース を使用する場合は標準フ ィ ッ テ ィ ングです。

    • 30 mL サンプル リ ザーバーボ ト ル 3 本 (共有) : A、 B、 C。• 共有される洗浄ボ ト ルおよび廃液ボ ト ルの配管。

    A BC

    A

    B

    C

    A BC

    Waters

    A

    B

    C

    LockSpray セレ ク ターバルブ

    サンプルセレク ターバルブ

    ダイバーターバルブ

    サンプルポンプ

    LockSpray ポンプ

    サンプル リザーバー ボ ト ル (A、 B、 C)

    チューブガイ ド 流量センサー (オプシ ョ ン)接地ユニオン(オプシ ョ ン)

    アクセス ド ア

    32 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 装置のソース

    サンプル リ ザーバーボ ト ル A、 B、 C は、 装置の前面パネルに取 り 付け られます。 装置コ ン ソールソ フ ト ウ ェアで溶媒を選択する と、 その リ ザーバーボ ト ルが点灯されます。 3 つの リ ザーバーボ ト ルをすべて同時に点灯する こ と も、 感光性のサン プルを使用する と きに点灯をオフにする こ と もでき ます。 通常、 リ ザーバーボ トル A にはサンプル溶液、 リ ザーバーボ ト ル B にはレ フ ァ レン ス溶液、 リ ザーバー ボ ト ル C にはキ ャ リ ブレーシ ョ ン溶液が含まれています。洗浄液 リ ザーバーおよび (オプシ ョ ンの) レ フ ァ レ ン ス溶液を含む リ ザーバーは、装置の外部にあ り ます。 廃液 リ ザーバーは、 通常は装置ベンチの下部に保管されるボ ト ルを指し ます。

    要件 : 通常の使用の場合、 IntelliStart 送液シ ス テムのア ク セス ド アは、 閉じ る 必要があ り ます。

    装置のソース

    LockSpray ソースおよびイオン化モー ドLockSpray ソースでは、 ロ ッ ク マス補正を使用し て正確な質量データ を取 り 込み ます。 サンプルは、 プローブから ソースに取 り 込まれます。 質量が判明し ている化合物を含むロ ッ ク スプレー液を、別の ESI プローブ(LockSpray スプレーヤー) か ら注入し ます。 振動バッ フルを使用する と、 2 つの別のデータ機能 と し てスプ レーを分析でき ます。 その後、 ロ ッ ク スプレーのデータから計算された ロ ッ ク マス補正を、 サンプルデータセ ッ ト に適用し ます。

    次のイオン化モード で LockSpray ソース を使用でき ます。• ESI• APCI• ESCi• NanoLockSpray

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 33

  • 1 システムの概要

    LockSpray ソースを搭載し た SYNAPT G2-S :

    エレ ク ト ロスプレーイオン化

    エレ ク ト ロ スプレーイオン化 (ESI) では、ネブラ イザーから溶離液が流出する と、 その溶離液に強い電荷が与え られます。 その結果生じ た霧状の液滴は、 サイ ズが小さ く な り ます (溶媒の蒸発)。 溶媒は引き続き蒸発し、 十分な電荷密度に達すると溶滴の表面から イオンが放出される よ う にな り ます (イオン蒸発)。 イオンは、一価イオン または多価イオンです。

    ESI モー ド で LockSpray ソース を操作するには、 ESI プローブを ソースエン ク ロージ ャーに取 り 付けます。標準 ESI プローブキ ャ ピ ラ リ ーは最大 2 mL/分の流 量に対応し、 100 µL/分 ~ 2 mL/分の範囲の LC アプ リ ケーシ ョ ンに適し ていま す。 1 mm 径 UPLC カ ラ ムなど低流量の LC アプ リ ケーシ ョ ンの場合、 ピーク の 広が り を抑え る ため、 最大流量 200 µL/ 分まで最適に対応可能な小口径のキ ャ ピ ラ リ ー (オプシ ョ ン) を選択し ます。

    34 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 装置のソース

    大気圧化学イオン化

    大気圧化学イオン化 (APCI) は、 広範囲の不揮発性サンプルについて、 一価のプ ロ ト ン化または脱プロ ト ン化分子を生成し ます。

    APCI モー ド で LockSpray ソース を操作する には、 コ ロナピ ンおよび APCI プ ローブを ソースエン ク ロージ ャーに取 り 付けます。 LC カ ラ ムか ら の移動相はプ ローブに入 り 、 空気圧によ り 霧化され、 急速に加熱されて、 プローブ先端で蒸発、気化されます。

    APCI モー ド :

    APCI プローブから放出された高温ガスは、 サンプルコーン と コ ロナピ ンの間を 通過し ます。 移動相の分子はコ ロナ放電で生じ た イオン と速やかに反応し、 安定し た試薬イオンを生成し ます。 移動相に導入されたサンプル分子は、 大気圧で試薬イオン と 反応し、 通常はプロ ト ン化 (ポジテ ィ ブイオンモード の場合) または脱プロ ト ン化 (ネガテ ィ ブイオンモー ド の場合) されます。 その後、 サンプルおよび試薬イオンは、 サンプルコーンを通って質量分析計に入 り ます。

    エレ ク ト ロスプレーと大気圧化学イオン化の組み合わせ

    エ レ ク ト ロ ス プ レー イ オ ン化お よ び大気圧化学 イ オン化の組み合わせ (ESCi) モード では、 標準 ESI プローブがコ ロナピン と 共に使用され、 ESI および APCI イオン化データ を交互に取 り 込むこ と ができ るので、 ハイ スループ ッ ト 処理が促進され、 広範な化合物に対応でき る よ う にな り ます。

    APCI プローブ

    サンプルコーン

    コ ロナピン

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 35

  • 1 システムの概要

    NanoLockSpray ソースNanoLockSpray ソースでは、 5 ~ 1000 nL/分の流量でエレ ク ト ロ スプレーイオン 化が行われます。

    サンプルの濃度が同じであれば、 同様の実験でのイオン電流は、 通常の流量でのエレ ク ト ロ スプレーのイオン電流に近 く な り ます。 ただし、 サンプル消費量が大幅に減少するので、 同じ スキ ャ ンパラ メ ーターを適用する場合、 絶対量感度が大幅に上昇し ます。NanoLockSpray ソースでのロ ッ ク マス補正は、LockSpray ソー ス を ESI で使用する場合と同様に機能し ます。NanoLockSpray ソースエン ク ロージャーは、 ZSpray の 3 軸マニピ ュ レーターに 取 り 付け られた汎用のホ ウ ケ イ酸ガ ラ スキ ャ ピ ラ リ ースプレーヤーで構成されています。

    組み合わせユニ ッ ト には 2 つの指定位置があ り 、 1 組のガ イ ド レール上を走る NanoFlow ステージに取 り 付け られています。スプレーは、 ソース内の照明によ って照ら し出され、 ソースハウジングの角に取り 付け られたビデオカ メ ラで確認でき ます。

    NanoLockSpray ソースを搭載し た SYNAPT G2-S :

    36 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 装置のソース

    以下のオプシ ョ ンはキ ャ ピ ラ リ ーのスプレーに使用でき ます。

    • 汎用 NanoFlow ネブラ イザースプレーヤー。 こ のオプシ ョ ンは、 フ ローイ ンジェ ク シ ョ ン または nanoACQUITY UPLC と の接続用で、 ポンプを使用し て、 流量をわずか 100 nL/分に調整し ます。

    • ホ ウ ケ イ酸ガ ラ スキ ャ ピ ラ リ ー NanoFlow (ナ ノ リ ザーバーボ ト ル)。 こ のオプシ ョ ンでは、 最低流量を可能にする、 金属でコーテ ィ ング されたガ ラ ス製キ ャ ピ ラ リ ーを使用し ます。1 つのサンプルだけにしか使用でき な いので、 使用後は廃棄する必要があ り ます。

    大気圧中固体分析プローブ (ASAP)ASAP は、 固体、 液体、 およびポ リ マー中の揮発性成分および半揮発性成分の高 速分析に役立ちます。特に、極性の低い成分を分析するのに適し ています。ASAPでは、装置のソースハウジング内でエレ ク ト ロ スプレーまたは IonSABRE™ II プ ローブを直接交換するので、 外部ガスや電気の接続はあ り ません。

    詳細については、『大気圧固体分析プローブ操作ガイ ド補足資料』 を参照し て く ださ い。

    デュアルモー ド イオン化ソース

    大気圧光イオン化法 (APPI) では、放電 UV ラ ンプから放出される光子 (約 10.2 eV) を使用し て、 気化された LC 溶離液からサンプルイオンを発生させます。 サンプ ル分子の直接的な光イオン化は、光子エネルギーがサンプル分子のイオン化ポテンシ ャルよ り 大きい場合に起こ り ます。

    オプシ ョ ンのデュ アルモード (APPI/APCI) イオン化ソースは、標準 APCI プロー ブ と併用する APPI ソースエン ク ロージャーを内蔵しています。 ソースは、 イオン 化モード間で高速切 り 換えを行 う 、 APPI、 APCI、 またはデュ アルモード で操作でき るので、 ハイ スループ ッ ト の分析処理が促進されます。

    関連項目 : 『Waters SYNAPT G2-S デュ アルモード イオン化ソース操作ガイ ド』。

    マ ト リ クス支援レーザー脱離イオン化

    マ ト リ ク ス支援レーザー脱離イオン化 (MALDI) イ ン ターフ ェース を使用すれば、 工具な し で、 API モー ド と MALDI モー ド をすばや く 切 り 換え る こ と がで き ま す。 モーター駆動ステージで、 MALDI ソース を所定の位置に移動し ます。関連項目 : 『Waters MALDI SYNAPT G2-S 概要および メ ンテナン スガイ ド』。

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  • 1 システムの概要

    ionKey ソースionKey ソースは、 UPLC 分離を質量分析計のソース内で実行し ます。

    ソースは iKey™ 分離デバイ スおよび内蔵エ ミ ッ ターを質量分析計に正確に配置 し ます。すべての液体接続、電子接続 ( ヒ ーターおよびエレ ク ト ロ スプレー電圧)、およびガ ス接続 (シース ガ ス) は ソ ース の内側で行われ、 電子ケーブルおよびチューブを手動で接続する必要があ り ません。

    詳細については、 『ACQUITY UPLC M-Class システムガイ ド』 および 『ionKey/MS システムガイ ド』 を参照し て く だ さい。

    ヒ ン ト : ionKey ソースは nanoACQUITY UPLC システム と も互換性があ り ます。関連項目 : 「ionKey ソースの取 り 付けおよび取 り 外し」。

    システム動作

    質量分析計は 4 つの主要な コ ンポーネン ト から構成されます。

    • StepWave™ イオンガイ ド付き ソース• 四重極

    • Triwave® デバイ ス• TOF 質量分析器

    ソースでイオン化されたサンプルが、四重極および Triwave デバイ ス を通って飛 行し ます。TOF 検出器システムが、質量スペク ト ルをその出力 と し て記録し ます。MassLynx と装置の制御ソ フ ト ウ ェアを使用し て、 装置の制御、 設定、 操作を行 います。

    コ ン ソールソ フ ト ウ ェアを使用し て、 IntelliStart 送液システムを設定し ます。 IntelliStart で実行する自動化のパラ メ ーター、 頻度、 および範囲を編集でき ま す。 IntelliStart ソ フ ト ウ ェアの詳細、 および IntelliStart 送液システムの操作の 詳細については、 質量分析計のオン ラ イ ンヘルプを参照し て く ださい。

    自動キ ャ リ ブレーシ ョ ン中に、 レ フ ァ レ ン ス溶液およびサンプルの送液は、 ソ フト ウ ェ アによ って自動的に制御されます。

    38 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • イオン光学系

    イオン光学系

    質量分析計のイオン光学系は以下のよ う に動作し ます。

    1. LC または装置の溶媒送液システムからのサンプルは、大気圧でイオン化ソー スに送 り 込まれます。

    2. その結果生じ る イ オン ビームは、 ソースサンプ リ ングオ リ フ ィ ス を通過する こ と によ り 、 拡張が起こ り ます。

    3. 次にイオンビームは、 StepWave 移動光学系の入口に移動し ます。 入口は、 拡張ビームの イ オン を効率良 く 取 り 込める広さ があ り ます。 StepWave 移 動光学系は、 2 段階で構成されています。 第 1 段階 (結合イオンガイ ド) で イオンが集束され、 第 2 段階の小口径イオンガ イ ド に向け られます。 軸外 設計によ り 、 中性物質が ソースサンプ リ ングオ リ フ ィ スに入る と、 シ ス テムから直ちに抽出されます。

    4. 収束された イオンは四重極に入 り 、 そ こ で質量電荷比によ って分離 (フ ィルタ リ ング) されます。

    5. 質量で分離された イオンは、 衝突誘起解離 (CID) を受ける Triwave 領域に 進みます。

    6. 次にイオンは飛行時間 (TOF) 分析器を通過し ます。 高電圧パルスがイオン をフ ラ イ ト チューブに直交加速し、 そこでは 2 段式レフレ ク ト ロ ンがイオン ミ ラーの方向に反射し、 さ ら にイオン ミ ラーがイオンを反射し て 2 段式レ フ レ ク ト ロ ンに返し ます。 次に 2 段式レ フ レ ク ト ロ ンは、 イオン を検出器 に反射し ます。 質量電荷比の異な る イ オンは異な る時間で検出器に到達する ため、 マス スペク ト ルを作成する こ と ができ ます。

    7. 検出器からのシグナルが増幅、 デジタル化されて、 MassLynx ソ フ ト ウ ェアへ と送信されます。

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 39

  • 1 システムの概要

    イオン光学系の概要 :

    分析器

    システムでは、 四重極および飛行時間 (TOF) 型質量分析器の両方を使用し ます。

    四重極

    四重極には 4、 8、 32 kDa の質量範囲オプシ ョ ンがあ り 、 以下のモード で使用で き ます。

    • 分離用の直流電圧を印加しない状態 – 広範囲の質量電荷比を持つイオンが通 過し、 TOF 分析器が正確に質量を測定し ます (MS 測定)。

    • 分離用の直流電圧を印加し、 特定の質量を選択する状態。• MS モード と MS/MS モード を装置が自動的に切 り 換える状態 – データ主導

    型分析 (DDA™) と して知られ、 この動作は MS スキャ ンで検出されたイオン によ って異な り ます。

    LockSpray スプレーヤーサンプルスプレー プ ッ シャー 検出器

    Triwave QuanTofTM四重極

    ト ラ ンスフ ァーレンズ

    イオン ミ ラー

    StepWave イオンガイ ド

    2 段式 レ フ レ ク ト ロン

    真空ポンプ

    ソース ノ ズル

    40 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 分析器

    Triwave デバイスTriwave テ ク ノ ロ ジーによ り 、 透過効率の高い移動度分離装置と、 高性能の四重 極、 ToF 質量分析計が統合されています。

    Triwave テ ク ノ ロジー :

    Triwave は、 3 つの T-Wave™ デバイ スで構成されています。 個々の進行波イオン ガイ ド は明確に異な る機能を実行し ます。

    • 最初の T-Wave イオンガイ ド は、イオンを ト ラ ッ プし、蓄積し、放出し ます。• 2 番目の T-Wave イオンガイ ド :

    – ToF モード で、 高性能のイオン輸送デバイ ス と し て動作し ます。– 移動度モー ド では、 イ オンモビ リ テ ィ に よ って混合し た イ オン を分離

    し ます。

    • 3 番目の T-Wave イオンガイ ド は、 質量分析を行 う oa-TOF に、 pDRE™ ト ラ ン ス フ ァーレ ンズを介し て イオンを輸送し ます。

    イオンの ト ラ ッ プ、 分離、 および輸送の機能は、 再現性が高 く 、 緻密に制御可能なプロセスです。

    Driftscope™ 移動度環境ソ フ ト ウ ェ アを使用すれば、 HDMS® データの視覚表示 および操作が可能にな り ます。

    詳細については、 質量分析計のオン ラ イ ンヘルプを参照し て く ださい。

    IMS T-Wave

    ト ラ ッ プ T-Wave

    輸送 T-Wave

    ヘ リ ウムセル

    ト ラ ンスフ ァーレンズ

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 41

  • 1 システムの概要

    TOF 分析器付属の検出器で、TOF はイオンの飛行時間から得られた質量スペク ト ルを記録し ます。 高圧パルスによ り イオンが直交加速され、 飛行方向に対し て直角に、 フ ライ ト チューブ内に送 り 出されます。 リ フ レ ク ト ロ ンはイオンを反射し て、 検出器に戻し ます。

    質量電荷比が異な る イオンでは、 飛行時間が異な り ます。 検出器がイオンの到達時間を記録する と きにその時間が質量に変換され、 存在度に対し てプロ ッ ト される こ と によ り マス スペク ト ルが作成されます。

    ユーザーは記録される質量電荷比を、 シングルパスモー ド では最大 100,000 Da まで、 ダブルパスモード では最大 32,000Da まで、 定義でき ます。TOF 分析器の直交加速 2 段式 リ フ レ ク ト ロ ンによ り 、高分解能で精密な質量測定 ができ ます。 こ の分析器は、 この表に記載されているモー ド で使用でき ます。

    TOF 分析器操作モー ド :

    分離モー ド 説明

    感度 シングルパス TOF を使用した最高感度このモードでは、イオンは、 ハイフ ィールドプッシャーから 2 段式レフレ クト ロ ンへ、 さ らに検出器へ と飛行し ます (43 ページの図を参照)。

    分解能 シングルパス TOF を使用し た最高分解能。高分解能 高分解能この 2 段式 TOF モード によ り 、 シングルパス

    分解能モード よ り も高い分解能が得られます。 イオンは分析器の構成部品を以下の順序で飛行し ます。

    • ハイ フ ィ ール ド プ ッ シ ャーから 2 段式レ フ レ ク ト ロ ンへ。

    • 2 段式レ フ レ ク ト ロ ンから イオン ミ ラーへ。• イオン ミ ラーから 2 段式レ フ レ ク ト ロ ンへ。• 2 段式レ フ レ ク ト ロ ンから検出器へ。43 ページの図を参照し て く ださい。

    42 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 分析器

    感度モー ド および分解能モー ド :

    高分解能モー ド :

    ハイ フ ィ ールド プ ッ シャー

    検出器

    2 段式レ フ レ ク ト ロン

    ト ラ ンスフ ァーレンズ

    ハイ フ ィ ールド プ ッ シャー

    検出器

    ト ラ ンスフ ァーレンズ

    イオン ミ ラー

    2 段式レ フ レ ク ト ロン

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 43

  • 1 システムの概要

    リークセンサー

    SYNAPT G2-S の ド リ ッ プ ト レ イの リ ーク センサーは、 装置の IntelliStart 送液 シ ス テ ムの液体 リ ー ク を連続し てモニ ターし ます。 漏れた液体が周囲の リ ザーバーに約 1.5 mL 貯ま った こ と が検出される と、 リ ーク センサーによ ってシステ ムの送液が停止されます。それ と同時に、装置コ ン ソールソ フ ト ウ ェ アによ って、リ ーク が増加し た こ と を警告するエラー メ ッ セージが表示されます。

    関連項目 : 『Waters ACQUITY UPLC リ ーク センサーの メ ンテナン ス手順』 (品 番 71500082506)。

    真空システム

    真空システムは、 バッ ク ポンプ 2 台 (オプシ ョ ン、 オイル不使用または使用) と ターボ分子ポンプ 6 台で構成され、 システムの以下の部分を減圧 (真空引き) し ます。

    • ソース StepWave イオンガイ ド• Triwave デバイ ス (2 個)• 四重極• ト ラ ン ス フ ァーレンズ• 飛行時間 (TOF) 分析器

    真空漏れ、 電気的障害または真空ポンプの故障は、 保護イ ン ターロ ッ ク で保護されます。 システムは、 ターボ分子ポンプの回転速度をモニターし、 内蔵ゲージを使用し て常に真空圧の測定も行っています。 これらのゲージは、 真空度の低下を検出し た と きに動作を停止する ためのス イ ッチ と し て も機能し ます。

    サンプルコーンの ク リ ーニングは、 遮断バルブによ ってサンプルコーンを質量分析器から遮断する こ と で、 装置の真空度を落 と さずに行 う こ と ができ ます。

    44 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 装置背面パネルでのコ ン ト ロール

    装置背面パネルでのコ ン ト ロール

    主電源ス イ ッチは、装置の背面パネルにあ り ます。その他の外部接続については、284 ページの図を参照し て く ださい。

    主電源スイ ッ チ :

    ONOFF

    200-240V, 50/60Hz, 2kW

    ONOFF

    AUXILIARY

    EPC

    ONOFF

    VACUUM

    ONOFF

    ELECTRONICS

    AUTO

    EPC

    RESE

    T

    OVER

    RIDE

    RESE

    T

    電源の接続

    ポンプのオーバーラ イ ド および EPC リ セ ッ ト スイ ッ チ

    ポンプ コ ン トロールアウ トレ ッ ト

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 45

  • 1 システムの概要

    装置背面パネルでの接続

    装置背面パネルを介し て実行する システム接続の詳細については、付録 B を参照 し て く ださい。

    主電源スイ ッ チ :

    スイ ッ チ 説明

    ポンプ オーバーラ イ ド

    メ ンテナン ス中に使用し ます。 このス イ ッチは、 それ以外の と きは常に 「自動」 位置にする必要があ り ます。

    EPC リ セ ッ ト 内蔵 PC (EPC) の再起動に使用し ます。要件 : 電子機器および EPC のス イ ッチをオンにする必要があ り ます。

    補助 こ のス イ ッ チは、 MALDI オプシ ョ ン (取 り 付け られてお り 、 将来のニーズ用の場合) への予備電源を提供します。

    EPC こ のス イ ッ チは、 内蔵 PC の電源を制御し ます。 これによ り 、 他の装置電子機器へ電源から供給される電源に影響する こ と な く 、 PC を分離でき ます。

    真空 こ のス イ ッ チは、 真空ポンプおよびシステムの大気開放機器への電源を制御し ます。

    電子機器 こ のス イ ッ チは、 主制御電子機器、 内蔵 PC、 補助構成部品への電源を制御し ます。

    46 2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D

  • 2 質量分析計の起動と停止こ の章では、 質量分析計の起動方法、 シ ャ ッ ト ダウ ン方法、 再起動方法について説明し ます。

    ノ ー ト : MassLynx 装置コ ン ソールの [Startup (起動)]、 [Shutdown (シャ ッ ト ダウン)]、 および [Edit Startup/Shutdown (起動/シャ ッ ト ダウンの編集)] ボタン は、 一般的な用途では使用されません。 これらのボタ ンは長時間自動タ ス ク のプロ グ ラ ミ ングに関連し てお り 、 通常の運転時間よ り 長い設定時間に起動または継続する場合に使用し ます。

    目次 :

    ト ピ ッ ク ページ

    質量分析計の起動....................................................................... 48IntelliStart 送液システムの準備 ................................................. 51質量分析計の停止....................................................................... 55内蔵 PC の再起動....................................................................... 56

    2014 年 12 月 10 日、 715003892JA リ ビジ ョ ン D 47

  • 2 質量分析計の起動と停止

    質量分析計の起動

    Waters SYNAPT G2-S HDMS は、 ACQUITY UPLC および nanoACQUITY UPLC システム と互換性があ り ます。 いずれのシステム も使用し ていない場合に は、 LC システムに関連するマニュ アルを参照し て く だ さい。

    質量分析計を起動するには、 MassLynx ワーク ステーシ ョ ンの電源を投入し、 ワー ク ス テーシ ョ ンに ロ グ イ ン し た後、 質量分析計および他のすべての ACQUITY UPLC 装置の電源を入れ、 MassLynx ソ フ ト ウ ェアを起動し ます。要件 : システム装置がオン ラ イ ンになった と き、 MassLynx ワーク ステーシ ョ ン がシステム装置の IP ア ド レ ス を確実に取得でき る よ う 、 まず MassLynx ワーク ステーシ ョ ンの電源を入れ、 ロ グ イ ンする必要があ り ます。

    MassLynx および IntelliStart アプ リ ケ-シ ョ ンの詳細については、 質量分析計 のオン ラ イ ンヘルプを参照し て く ださい。

    質量分析計を起動する方法 :

    1. すべての質量分析計が適切に外部接続されてお り (付録 B の 「外部接続」 を 参照)、 ガス供給を利用でき る こ と を確認し ます。

    2. 他の装置の電源を入れる前に、 MassLynx PC の電源を投入し、 ロ グ イ ン し ます。

    3. ACQUITY UPLC を使用している場合、Ethernet ス イ ッチを含む ACQUITY® モジ ュール (高温 ヒ ーター /クーラー、 カ ラ ムマネージ ャーなど) の電源を入れます。

    要件 : Ethernet ス イ ッ チを含むACQUITY UPLCモジ ュールを最初にオン にし て、 通信を確立でき る よ う にする必要があ り ます。

    注意 : 装置の重大な損傷の発生を防止する ため、 適合する溶媒のみを使用し て く ださ い。 詳細については、 以下を参照し て く ださい。

    • 質量分析計の溶媒情報については、 付録 C の 「装置の材質および適合す る溶媒」 を参照し て く ださい。

    • ACQUITY UPLC デバイ ス と溶媒の適合性については、 『ACQUITY UPLC システム操作ガイ ド』 (品番 71500082502) の付録 C を参照して く ださい。