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Quality & Beauty
YASKAWA NEWS はお客様と安川電機を結ぶPR情報誌です。
p 6
p 2
新製品
p 8 事例紹介
小物製品の塗装に最適な省スペースロボット
MOTOMAN-EPX1250を販売開始小形、高性能、省エネ、簡単操作
世界最小の高圧インバータFSDrive-MV1000を販売開始
太陽光・風力発電システムの納入事例:北九州市
p 10 技術コラム その1
展示会Report
ロボットゼミナール(第1回)
技術コラム その2p 11 北九州食べ歩き
小倉発祥の焼きうどん
p 13 トピック
マシンコントローラMP2300S/2310
「スタートアップガイド」のおすすめ
p 14
陸上部ニュース速報:中本選手が陸上世界競技選手のマラソン男子代表に。
p 15 コラム
p 12
特集
Summer 2011 No. 295Summer 2011 No. 295
PV EXPO 2011(第4回 国際太陽電池展) CWEE 2011(中国・上海風車展示会)
「・・・の違い」シリーズ 「V/f制御」と「ベクトル制御」の違いは?
YASKAWA NEWS No. 295 32 YASKAWA NEWS No. 295
仕様
10000min-1
130N・m35kW
15kW
240V – 400V
埋込磁石形同期電動機
項目最高回転数最大トルク最大出力連続出力直流電圧範囲モータ方式
YMEVドライブの代表仕様
YMEV
モータ出力
車体の大きさ
~ 50kWクラス YMEV
コミュータ
コミュータ、軽自動車向け コンパクト車、セダン車など向け
軽自動車
コンパクト車
セダン車小容量で高効率のモータが期待される領域
広い定出力範囲と高出力、高効率のモータが期待される領域
通常のモータを最適化し、特に低速域での高効率を実現
主な特長:
・高効率当社独自のPMモータおよび制御技術により、特に低速域での高効率化を実現。
・高信頼性自動車用の信頼性要求事項を満足し、環境温度が高い用途への展開も可能。
・安全性各種安全機能を備え、自動車のあらゆる走行シーンで安全な動作を確保。
・セミカスタム化インタフェース、取り付け、バッテリの条件などのご要求に応じセミカスタム対応が可能。
主な特長:
・広い定出力範囲モータの運転速度に応じて、通電する巻線を選択する電子式巻線切替技術により、広い定出力範囲を確保。
・高効率電子式巻線切替技術及びPMモータの高効率制御技術により、全速度領域での高効率化を実現。
・軽量パワーケーブルの本数削減など、システム全体の軽量化を実現。
大形バス、トラックなど
QMET
低速モータと高速モータの特性を併せ持ち、広い定出力範囲と全速度領域での高効率化を実現
地球規模のCO2削減や石油供給への不安など、環境エネルギーの諸問題を解決する手段の一つとして、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)への注目が高まっています。当社はEVの心臓部となる電気駆動システムの開発に取り組んでおり、長年培ってきたモータ
ドライブ技術を活かし、エコカーの普及に貢献していきます。 今回の特集記事では、EV市場別に、コンパクト車からセダン車クラスをターゲットにした「QMET(クメット)ドライブ」と、EVコミュータから軽自動車クラスEVをターゲットにした「YMEV(ワイメブ)ドライブ」を紹介します。
モータモータ
インバータインバータ
項目最高回転数最大トルク最大出力連続出力直流電圧範囲モータ方式
仕様
12000min-1
150N・m60kW
40kW
240V – 400V
埋込磁石形同期電動機
QMETドライブの代表仕様
また、EV用電気駆動システムの最大課題である「広い定出力範囲の確保」や「高効率による電費*の向上」、「小形・軽量化」について、当社独自の電子式巻線切替技術を適用したQMETドライブならではの解決策をご覧ください。* : 電気自動車などにおける電力消費率を示す指標。電力エネルギー源(各種
電源、バッテリなど)の単位容量あたりの走行距離。
◆ 市場ニーズ
◆ 当社の製品コンセプト
◆ 市場ニーズ
◆ 当社の製品コンセプト
~ 150kWクラス QMET
~ 80kWクラス QMET
■ お問合せ先: インバータ事業部 電気駆動システム事業統括部開発部 TEL 0930-23-5184 FAX 0930-23-3010
(2011年1月販売開始)
(2009年6月販売開始)
(Yaskawa Motordrive for Electric Vehicle) (Qualified Magneto-Electronic Transmission)
コラム
EV用急速充電器Enewell-CEV市場ニーズと当社の取り組み EVの普及にはインフラ整備が欠かせない大前提です。急速充電器の
普及はインフラ整備のひとつであり、経済産業省の次世代自動車戦略では、急速充電器を2020年までに全国で5000基の設置を目論んでいます。こうしたなかで、当社は得意とする電力変換技術を応用した急速充電器Enewell-CEVを製品化しました。 Enewell-CEVはガソリンスタンド、高速道路などに加え、各種店舗、観光施設など、EV利用者が出かけて駐車するあらゆる場所を対象にしています。また、EVバッテリを満(80%)充電するために、20分~30分が必要なため、特に「充電時間を他に費やすことが可能」という点に着目し、急速充電機能のみならず、プラスアルファな付加価値を利用者に提供できるように、製品開発しました。
Enewell-CEV
Enewell-CEVの主な特長:
・高調波レス対策により、充電中に周囲の電気機器に影響を与えない。* : 経済産業省の「高調波抑制対策ガイドライン」に適合。
・スタンド部と電源部を最大50m分離設置可能で、スタンド部の省スペース化を実現。
・最大2台までスタンドの増設が可能で、複数台の同時充電が可能。
・スタンド部にフリーパネルを設け、プラスアルファの有効活用が可能。
(エネウェル・セヴ)
更なる小形化・高効率化を目指す
SiC-QMETドライブインバータ
巻線切替モータ
巻線切替スイッチ
定出力とは、出力(トルク × 回転数)が一定を維持することを言います。EVの場合、駆動力となる高いトルクと車速を生む高い回転数の双方が必要なため、広い定出力範囲を確保することが求められています。 しかし、モータは一般的に低速用と高速用に分かれています。低速モータは高トルクを実現しますが、高い回転数でしっかりしたトルクが出せません。高速モータは高い回転数を実現しますが、始動時に必要な高トルクが出せません。 これはモータが回転することにより発生する誘起電圧に起因します。モータの回転数が上昇しつづけ、誘起電圧が電池の電圧を
超えてしまうと電流が流せなくなり、目的のモータ制御ができません。 その対策として、従来からいくつかの技術が開発され、定出力範囲を確保してきました。
ひとつは、界磁弱め制御により、誘起電圧を下げて回転数を引上げる方法があります。しかし、インバータからトルクに関係ない余分な電流を流す必要があり、高効率化の目的に反します。 また、昇圧コンバータ(チョッパ)を用いて電池側の電圧をモータの誘起電圧よりも高く維持し、最高回転数を引上げる方法も考えられますが、パワー変換に多くの半導体
スイッチング素子を有するため、効率の低下と電磁障害の増加が否めません。
当社が電子式巻線切替技術を利用して開発したQMETドライブは、この課題を解きました。 電子式巻線切替技術は、当社工作機械用モータドライブで培った巻線切替技術を基に、PMモータを高効率制御できる新しい技術です。(詳細は本誌291号で紹介しました) 誘起電圧は巻数に比例します。従って、モータ巻線を2分割し、低速運転時に全巻線を、高速運転時に半分の巻線を使うように電子スイッチで切替えるようにしています。高速時に巻数を少なくすることで、誘起
電圧が下がり、回転数を再び引上げることができます。 このように、1台のモータで低速モータとしての特性と高速モータとしての特性を併せ持つことができます。二つのモータ特性を併せ持つことは、二つの高効率運転領域を持つことになり、1台のモータとしては通常のモータよりも広い高効率運転領域を持ったものになります。その結果、EVなどの電費の向上に大きく貢献します。
QMETドライブは通常の駆動用モータの定出力範囲を2倍に拡大し、昇圧コンバータ採用ケースと比較して、実走行での効率が高まりました。QMETドライブの高効率特性
は、実機でも確認されています。下図は、QMETドライブのモータとインバータを組合わせた際の総合効率の実測結果です。この結果から、街乗りから高速道路での高速巡航まで、あらゆる運転状態で高効率運転が実現できていることが確認できます。
電気駆動システムでの電費を向上させるために、当社は究極の高効率を目指して、SiC-QMETの開発にも取組んでいます。QMETドライブをベースとし、従来の電子式巻線切替で用いていたモータ内蔵のシリコン製 IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)とダイオードを、次世代パワー半導体素子として期待されているSiC(シリコンカー
バイド)に置換えたものです。SiCの高温動作特性を活かし、モータの冷却構造の簡素化、小形化とともに、更なる高効率化を実現しました。 また、モータ駆動用のインバータの主回路も全てSiC化し、大幅な小形化・高効率化を実現しました。これにより、モータの電子式巻線切替部の体積及びインバータの体積を従来の1/2以下とし、導通損失も1/2以下にすることができています。
自動車用電気駆動システムとしての将来の実用化を目指し、さまざまな検証に着手しています。当社がこれまで蓄積してきた産業用モータドライブ技術は、今後のEV社会に大きく貢献できると考えています。
YASKAWA NEWS No. 295 54 YASKAWA NEWS No. 295
モータ回転速度
モータ回転速度
モータ回転速度
トルク
トルク
トルク
低速モータドライブ
高速モータドライブ
QMETドライブ
広い定出力範囲の確保は、難題でした。
回転数が上昇しても加速したい。こんな方法も考えましたが ・・・
定出力範囲を2倍に拡大したQMET、その高効率効果を検証します。
課題は、どうやって高効率と広い定出力範囲を両立させるか 。
更なる高効率化を目指して、SiC-QMETの開発が進行中です。
安川電機は今後も走り続けます。
「広い定出力範囲」、「高効率化」、「小形・軽量化」は
EVなどの自動車用モータドライブに求められる最大の課題。
電子式巻線切替技術を採用した当社のQMETドライブは、どのようにして
こうした市場ニーズに応えたのでしょうか。
低速モータドライブは、高トルクを実現するが、高い回転数が出せない。低~中速域で高効率
QMETドライブは、低速モータと高速モータの二つのトルク特性を併せ持つ、広い定出力範囲を実現。しかも高効率の動作範囲は広い。
高速モータドライブは、高い回転数を実現するが、高トルクが出せない。中~高速域で高効率。
効率90%以上の領域
効率90%以上の領域
効率90%以上の領域
定トルク範囲
低速域(街乗り) 中速域(郊外) 高速域(高速道路)
定出力範囲
「定トルク範囲」対「定出力範囲」の比率が、モータの一般の1:2程度から、自動車の減速ギア比の1:4~1:5程度に広がった。
効率が低い 効率が高い
広がった高速域でも、効率が高いことが実機検証されています。これにより、高速での加速感がありながら、電池の減りが少なくなり、電費が向上します。
モータ回転速度
トルク
QMETドライブの実測結果
新製品
当社の産業用ロボットは、使用される用途ごとに開発を行い、用途最適化ロボットとして顧客の専門的かつ高度な要求に応え好評をいただいています。塗装用途においても、自動車のボディ塗装に向けた多くの納入実績があり、塗装ロボット国内トップシェア(当社調べ)となっています。 このたび、携帯電話・PCなど国内外で信頼を得ている日本製家電製品市場をターゲットに、小物製品を対象とした塗装用途最適化ロボットMOTOMAN-EPX1250を販売開始しました。小物製品の塗装には、フレキシブルな設置方法、広い稼働範囲、塗装の高品質化が求められます。当社はこれらの要求に応え、自動車ボディ塗装で培ったノウハウをベースに、小物塗装用途へ積極的に進出していきます。
小物製品の塗装に最適な省スペースロボットMOTOMAN-EPX1250を販売開始
■ お問合せ先: ロボット事業部 事業企画部 TEL 093-645-7703 FAX 093-631-8140
主な特長
小形塗装ロボットMOTOMAN-EPX1250
・小形軽量化による省スペース対応
・稼働範囲の拡大により広い塗装領域を確保
ワークの表面に対して塗装を行っている時に、速度一定なので、塗料の噴霧量も一定で塗り均一が確保可能。
ロボットアームが折し返すところでは速度変化が起こり、いったん遅くなることで塗料の噴霧量が多くなり、塗りムラが発生。
小物塗装なのに、どうして広い塗装領域が必要なの?
◆ ◆ 塗装プロセスを見てみましょう。
塗りムラをなくすために、ワークより大きな可動域が必要です!
小形塗装ブースイメージ図
ワーク
稼働範囲
・可搬質量アップにより高性能塗装ガン搭載可能
ロボットを構成する各アーム長や動作角度を最適化することで、コンパクトボディでも一度に多くの小物ワーク塗装することが可能。
・ロボットアームの最大到達距離 : 1250mm・最大ワークサイズ : W800×D800×H200mm
可搬質量5kgを実現し、エアスプレーガンや静電ガンに加え、重量のある高性能塗装ガンを着装でき、塗装品質の向上や塗料使用量の低減が可能。
アルミなどの軽量素材の多用によりロボット本体重量を110kgに軽量化し、ロボットを壁掛け・天吊り設置する場合に必要な強度確保が容易。これにより、塗装ブース内の最適位置にロボットを設置可能で、塗装ブースの小形化や、これに伴う塗装ブースの空調設備の簡略化が可能。
New Products
6 YASKAWA NEWS No. 295
1996年に当社は直列多重高圧インバータ*2を日本で初めて製品化して以来、お客様の省エネと高信頼性のご要望に応えてきました。更なる高い省エネ効果で地球環境保護・CO2削減に貢献するために、当社は新形高圧インバータFSDrive-MV1000を開発し、今年3月21日から世界中で販売を開始しました。 FSDrive-MV1000は、直列多重高圧インバータと低圧インバータの両方の特長を合わせ持った、全く新しい世界最小*1の高圧インバータです。「小形、高性能、省エネ、簡単操作」を開発コンセプトとして、ファン・ブロワ・ポンプなどの風水力応用機械、押出機・バンバリミキサなどの定トルク用途、コンプレッサなど専用機械向けに、これまでにない価値をお客様に提供します。
小形、高性能、省エネ、簡単操作世界最小*1の高圧インバータFSDrive-MV1000を販売開始
■ お問合せ先: システムエンジニアリング事業部 システム工場 ドライブ技術部 TEL 0930-25-2279 FAX 0930-23-3286
主な特長
薄形の3レベル単相出力パワーセルの開発と、シンプルな回路構成、コントロール部引出し式構造、薄形冷却ファンにより、当社従来製品に比べ約30%~60%減の大幅な小形化を実現。また盤高さを低くすることで、制約あるスペースにも容易に据え付けでき、標準コンテナでの輸送が可能に。
2.4kV~11kVの入出力電圧範囲に対応した機種を揃えており、世界中で使用可能。広い回転域で約97%の高い電力変換効率を維持しながら、電源力率は0.95(定格負荷時)という高水準を確保でき、無駄な電力を徹底的に削減。ファン・ブロワ・ポンプなどにおける回転数制御で省エネ効果が期待できる。
電源や負荷の変動に左右されないPGレスベクルト制御を採用することで、電源変動や負荷変動に強く安定した継続運転を実現。また入力・出力とも正弦波であり、電源への影響が少なく、すでに使用されている商用モータをそのまま使え、新規・既存設備にかかわらず安心・容易に導入可能。
当社の低圧インバータ1000シリーズと同じ操作パネルの採用により、低圧インバータと同じ感覚で容易な操作・設定を実現。調整、保守作業をサポートするエンジニアリングツール「DriveWizard Plus MV」を標準装備することで、複数台のインバータパラメータが一元管理でき、調整、保守管理が簡単。
・構成部品の改良と配置の最適化により省スペースを実現 ・高圧インバータの性能向上により安定した運転を実現
・広い電圧範囲対応によりグローバルに省エネを推進 ・低圧インバータと同じ感覚で操作でき、調整・保守が簡単
◆
*1 3、4、6kVクラス最小サイズ(当社調べ)*2 トランスによって絶縁された単相インバータ(セル) を直列に接続して高圧化したインバータです。
製品シリーズ
2.4kV 級3kV 級
4.16kV 級6kV 級
10.5(11)kV 級
145~2700kVA145~2700kVA250~4680kVA400~7500kVA
660~12000kVA
(開発中)(1500kVA以上 開発中)(開発中)(3000kVA以上 開発中)(開発中)
FSDrive-MV1000
60%~30%サイズ縮小
冷却ファン
トランス部 パワーセル部
デジタルオペレータ DriveWizard Plus MW
コントロール部
モータトルク
モータ速度
モータ電流
100
90
80
70
60
50 60 70 80 90 100
電源力率(0.95以上)
電力変換効率(約97%)
効率(%)・力率
回転速度(%)
◆ 6kV級構成例
◆
電力変換効率比
◆ 始動特性
New Products
新製品
小形
省エネ
高性能
簡単操作
YASKAWA NEWS No. 295 7
■ お問合せ先: システムエンジニアリング事業部 システム工場 第2技術部 システム環境グループ TEL 0930-25-2964 FAX 0930-23-3402
YASKAWA NEWS No. 295 98 YASKAWA NEWS No. 295
化石燃料に依存したエネルギー資源は、将来的に安定的な調達・供給に対する不安から、エネルギー供給源の分散・
多角化が進められています。こうした中、環境を配慮した再生エネルギー導入が必要となってきています。
当社では、「環境エネルギー」を新規事業の柱として積極的に取り組みを進めています。これまでに行橋事業所で
当社製の専用パワーコンディショナーや電気品を活用した太陽光・小形風力ハイブリッド発電システムを設置し、
効率性と安全性を実証してきました。今回は、当社の本社所在地である北九州市において、小形風力、太陽光発電の
システムの納入事例を紹介します。納入したシステムはすべて系統連系し、各施設の電力量の一部をまかなっており、
「世界の環境首都」を目指す北九州市のエコ推進に貢献しています。
系統電源AC200V
50 / 60Hz
受変電設備
風レンズ風車*1 発電機 風力パワーコンディショナ*2・風力発電用コンバータ ・系統連系コンバータ
太陽光パワーコンディショナ*3 PV1000太陽光パネル
◆ システム構成
スクールニューディール太陽光発電システム
北九州市環境ミュージアム風力発電システム
政府は2009年、スクールニューディール構想を提唱し、「21世紀の学校」にふさわしい教育環境の抜本的充実を図ることとしました。それを受けて、北九州市は小中学校への太陽光発電装置の設置を実施しています。当社初の太陽光発電システムを含め、既に3校に導入され、安全・安心で環境にやさしい学校づくりに貢献しています。
環境ミュージアムは、北九州市が整備する「市民のための環境学習・交流総合拠点施設」です。市民の環境学習、小中学校の環境への啓蒙活動を推進するために、当社の小形風力発電システムを納入しました。
「環境モデル都市」である北九州市は、浄化センターを地域のエネルギー再生拠点としています。今年4月に納入された当社の大規模太陽光発電システムは、処理場の水処理施設の上部空間に太陽光パネルを設置し、施設を有効利用しています。
運動場設置のため、パネル面に防護ネットを取付けています。
運転状況を観測し、発電状況はセンター内モニタに表示しています。(安川情報システム株式会社製)
太陽光パネル発電表示装置
パワーコンディショナ*3
発電監視システム
用語解説:
正面玄関(来館者入口)に設置された風レンズ風車*1
センター内入口に設置された表示モニタ
職員事務所に設置された遠方操作監視盤
屋上に設置された風力パワーコンディショナ*2
当社初の大容量パワーコンディショナ*3(100kW × 2セット)
北九州市日明浄化センター大規模太陽光発電システム
10kW×3校
3kW×1台
75kW×2系統
風力発電 3kW×1台 太陽光発電 10kW×1系統九州ヒューマンメディア創造センター風力・太陽光ハイブリッド発電システム
九州ヒューマンメディア創造センターは、新エネルギーの導入やビルエネルギーマネジメントにより、標準的なビルよりCO2 の20%削減を目指しています。その一環として当社の風力・太陽光ハイブリッド発電システムが導入されました。効率よく発電し、電力は照明などに利用され、省電力化に貢献しています。
風力発電 太陽光発電
6m6m
35m35m
6m
35m
発電装置 電力変換装置
風力発電システム
太陽光発電システム
*1 ウィンドレンズ(株)社の登録商標です。
*2 風力発電機によって発電された電力を電力網に供給し、一般の電気機器で使用できる電力を作り出す機器です。
*3 太陽電池から得られる直流電圧を昇圧し、電力会社の系統連系に同期した高品質の交流電圧に変換し、系統電源へ出力する機器です。
1600年代の中ごろにオランダのホイヘンスが振り子時計を発明して以来、精密機械の技術が発展していきました。ヨーロッパでは、この精密機械の要素技術を応用した精巧な自動人形がいろいろと考案されました。例えば、1700年代には、フランスのジャック・ヴォーカンソンによる「笛吹き人形」、「太鼓たたき人形」や「機械仕掛けのアヒル」、スイスのジャケドロス父子による「絵や字を描く人形」、「オルガン演奏人形」が製作されました。特に、「機械仕掛けのアヒル」には羽ばたきをし、餌をついばんで排泄までするという複雑な仕掛けがあったそうです。日本でも同じころに「茶運び人形」などやはり時計の要素技術を応用したからくり人形が製作されています。何百年も前に、機械部品だけでこれだけ精巧な自動人形を製作していたことを考えると、その創造力と知識や偉業に敬服します。これが、ロボットの起源と言えるでしょう。
ロボットという言葉は、今では小さな子供からお年寄りまで当たり前のように使っていますが、もともと1920年に旧チェコスロバキアの作家カレル・チャペックが戯曲『ロッサム万能ロボット製造会社:R.U.R(Rossum’s Universal Robots)』の中で、人間に代わる労働力として作った人造人間を「ロボット」と記したことがはじまりです。 現在のような産業用ロボットの概念は、1954年にアメリカのジョージ・デボルにより特許「Programmed Article Transfer」が出願されました。このころは「Industrial Robot : 産業用ロボット」という言葉はまだ使われておらず、一般に定着したのは1960年代になってからのようです。
1960年代の初めのアメリカで、「ロボットの父」と呼ばれるエンゲルバーガー博士が創立したユニメーション社が「ユニメート」、AMF社が「バーサトラン」という商品名で産業用ロボットを発表しました。その後日本は1968年にユニメーション社から産業用ロボット「ユニメート」の技術を導入して国産化を開始しました。
一方、当社では、1963年にパイプを複雑な断面に溶断したり、複雑な断面のパイプ同士を溶接して組み合わせることのできる自動溶断溶接機「パイプマット」を開発しました。まだマイコンなどが登場する前なので、アナログ計算機によって複雑な座標演算を行い、DCサーボモータを制御していました。この「パイプマット」こそが、日本の産業用ロボットのルーツとも言えるでしょう。
また、1968年には、汎用モータを利用して指、手、腕に相当する機能をそれぞれモジュール化した「モートフィンガ」、「モートハンド」、「モートアーム」という製品を商品化しています。これらを組み合わせることで搬送装置「オートローダ」としてシステム化し、同じ年の日本国際工作機械見本市へ出品したところ、大きな反響を得ました。これも当社のロボットの重要な布石となった製品です。
更に、1970年に開催した「無人化省力展」という展示会では、コンベヤの上を流れていく品物を視覚装置で認識しアームでつかむことができる「サイクロプスII」という知能ロボットの先駆的な装置を展示しました。 この「サイクロプスII」は、世間から大きな反響があり、注目を集めたのですが、ビジネスには繋がらず、研究成果の発表に留まりました。この後、世の中の環境の変化などが重なり、産業用ロボットMOTOMAN誕生まで研究開発者の苦悩が続きます。
産業用ロボット開発の当初は、ハンドリングや組立作業もできる「汎用形」を目指していました。この「汎用形」ロボットの開発は技術的に困難なため研究所の研究テーマとして取組むには良いのですが、早期にビジネスに結びつけるためには、問題が山積していました。このため、社内におけるノウハウの蓄積やパイプマットの実績から、アプリケーションをアーク溶接に絞った「アーク溶接ロボット」の開発へとターゲットを移していきました。また、当時はアーク溶接ロボットに、どのメーカーもほとんど取り組んでおらず、成功する可能性が高いと判断したようです。ここで開発されたのが、円筒座標形で可搬重量 1 5 k gの「MOTOMAN-W」です。
「MOTOMAN-W」を当時の国際ロボット展に出展したところ、大反響があり、多くの引き合いがありました。これまで、冷ややかに様子見をしていた営業部門も反響の大きさに触発され「MOTOMAN-W」の受注に向けた
活動を行い、工場側でも「MOTOMAN-W」の生産準備を始めました。ところが、大きな期待を抱いて受注活動を行ったのですが、1台も売れなかったのです。 しかし、この「MOTOMAN-W」の受注活動は、単なる失敗ではなく、お客様の要望を明らかにするマーケティング活動となっていたのです。この活動でコストや性能など製品のターゲットが明確になり、そのターゲットに向けた具体的な研究開発の結果、1977年に全電気式垂直多関節形ロボット「MOTOMAN-L10」が完成しました。この「MOTOMAN-L10」の一号機は自動車関連メーカーに納入され、その後、自動車メーカーを中心に大成功を収めました。この成功により、これまで油圧駆動・極座標形が中心であった産業用ロボットが、駆動源は電気式サーボモータ、構造は垂直多関節形へと移行が始まりました。この「MOTOMAN-L10」*が日本におけるアーク溶接ロボット、垂直多関節形ロボットの原点となったのです。その後、モータやCPU、ソフトウェア技術、周辺技術の高度化・高性能化とともに、累積出荷台数世界一を誇る産業用ロボット「MOTOMAN」となったのです。
振り子時計から、機械仕掛けのアヒルまで
「ロボット」という名に
「ロボット」の父と産業用ロボット「ユニメート」
日本産業用ロボットのルーツ
日本初の全電気式垂直多関節産業用ロボットMOTOMANの誕生
YASKAWA NEWS No. 295 1110 YASKAWA NEWS No. 295
次回は、産業用ロボットの種類や特徴について学びましょう。
安川電機が世界に誇る産業用ロボットMOTOMANは、当社小倉事業所のチームが中心となって開発しました。ところで、小倉生まれと言えば、あの何とも言えぬソースの香りに食欲がそそられる「焼きうどん」をご存知でない方はいないでしょう。 野菜や豚肉、うどんの麺を炒めた後に、ソースで味付けをし、削り節と青海苔をかけて出来上がり!家庭でも手軽に作ること
ができる庶民の味として親しまれる一品です。 ところで、なぜ「そば」ではなく、「うどん」なのでしょうか? 焼きうどんが誕生したのは戦後間もない北九州市の小倉(当時は小倉市)です。当時、「そば玉」が手に入らず、うどんで代用したところ、そのおいしさが大好評で一気に日本全国へ広がっていきました。 北九州市へお立寄りの際に、ぜひとも地元の「焼きうどん」を一度ご賞味してください。ソースの代わりに醤油で味付けする場合もあります。こちらもなかなかお勧めです。
MOTOMAN-W
MOTOMAN-L10
サイクロプスII
パイプマット
モートアーム(左)、モートフィンガ(右)
オートローダ
写真提供 : 北九州商工会議所
* MOTOMAN-L10は、国に評価をいただき、2009年に国立科学博物館より重要科学技術史資料に登録されています。
小倉発祥の 焼きうどん
第1回
皆さんは「ロボット」という言葉から、どのような姿をイメージされますか?
SF映画や漫画に出てくるようなロボット、足や腕を持ったヒューマノイド
ロボット、工場で働く産業用ロボットなどいろいろあると思いますが、この
YASKAWA NEWSの読者のほとんどは、真っ先に当社製品MOTOMANのような産業用ロボットをイメージされるのではないでしょうか。
そこでこのコーナーでは、産業用ロボットを中心に、その歴史、種類、特徴
などについて、四回に分けて解説していきたいと思います。
ロボット ゼミナール
誘導モータの回転には、「すべり(slip)」というものが必要です。「すべり」とは固定子の回転周波数に対する回転子の回転周波数の遅れです。誘導モータの回転速度は、固定子と回転子の間に発生する電磁力を利用しているため、この「すべり」がないとトルクを発生することができません。モータ負荷が大きいほど「すべり」が大きくなり、回転速度の遅れも大きくなります。 ベクトル制御では、その「すべり」分をリアルタイムに計算し上乗せしてモータに印加するため、モータの回転数は負荷の大きさによって変化せずに一定速度制御が実現できます。 例えばコンベヤで考えると、V/f制御では荷物が載っている場合
と、そうでない場合でコンベヤ速度に変化が生じます。ベクトル制御では、荷物の重さに関わらず一定した速度制御が可能です。
制御方式によってモータの動きが違います。
制御性能は、低速トルク、速度制御範囲、速度制御精度といった指標から判断することができます。 低速トルクとは、始動時にどれくらいの低速(出力周波数)で、どれくらい大きなトルクが発生できるかを示す指標です。 低速運転を行う場合、負荷が大きくなってくるとすべりも大きくなりモータ回転数が低下します。V/f制御では、場合によってモータは停止してしまいます。ベクトル制御では、大きなトルクが出せるので、低速でもモータが停止せずに運転可能です。 速度制御範囲とは、定格速度に対してどの程度低速まで制御
可能かを示す指標です。速度制御精度は、定格負荷かつ負荷安定時での、定格速度に対する速度誤差を示す指標です。 インバータがモータに一方的に電圧と周波数を与えるV/f制御と比較して、ベクトル制御は、モータ電流のベクトル演算によってモータ特性を最大限に引き出せるので、制御範囲が広く、誤差の少ない可変速同期運転を実現することができます。 ただし、それぞれのモータ特性に合わせる必要があるため、モータパラメータ設定が必須です。また、同時に複数のモータを回すことはできません。
制御性能(低速トルク、速度制御範囲・速度制御精度)によって用途が違います。
◆ V/f制御:始動トルクが小さく負荷変動も少ない用途。(てい減トルク特性を適用するファン、ポンプや慣性力の大きいな遠心分離機など)
◆ ベクトル制御:始動トルクが大きく負荷変動のある用途。
低速トルク
速度制御範囲
速度制御精度
低速でモータを駆動してもトルクが出ない
低速0.3Hz域からでも一定のトルクが出力可能
1:40
±2~3%
1:200
±0.2%
V/f制御 ベクトル制御(PGレス)
V/f制御
ベクトル制御
適用用途
業務用洗濯機
クレーン 押出機工作機械
空調ファン
「V/f制御」と「ベクトル制御」の違いは? 汎用インバータの標準制御方式にはV/f(ヴイバイエフ)制御とベクトル制御があります。その違いを皆さんはご存知ですか? V/f制御は、電圧(V)と周波数(f)の比を一定にした制御方法です。インバータのV/fパターンで決まっている周波数に対応した電圧を出力します。例えば、電源電圧200V級のインバータの場合、60Hzでは200V、30Hzでは100Vを出力します。一方、ベクトル制御は、モータに流れる電流のうち、トルクになる電流(トルク分電流)と回転子に磁界を発生させるための電流(励磁電流)を分けて考え、モータ
電流の方向をベクトル演算し制御する方法です。 ベクトル制御はモータの特性に見合った電流を流せるので、高い汎用性を実現しています。また、低速トルク、速度制御範囲、速度制御精度などの制御性能においてV/f制御より優れています。しかし、モータの特性をインバータに教える必要がありますので、モータパラメータの設定を行わなければなりません。
誤差の少ない精度の良い運転を行う場合はベクトル制御、1台のインバータで同時に複数台のモータを回す場合はV/f制御と、使用する機械の用途に合わせて2種類の制御方式を上手に使い分けましょう。
「・・の違い」 シリーズ (第8回)
励磁電流
トルク分電流
モータ電流ベクトル制御の考え方
12 YASKAWA NEWS No. 295
「スタートアップガイド」は、初めてマシンコントローラを使用するお客様のために、立ち上げに必要な基本操作をまとめた資料です。 プログラミングから、モータを動かすまでの一連の手順を分かりやすく説明しています。従来では複数のマニュアルを必要としたこの一連の操作も、このスタートアップガイドだけで行うことが可能になりました。また、サンプルプログラムの流用なども可能なので、マシンコントローラを初めて使用する際の導入教育や新入社員教育などでご活用いただけます。
簡単操作家電用のセットアップガイドのように、手順通りに行えば機器間接続・設定、プログラミングから、モータを動かし、位置決めシステムが完成するまで一連の操作を行うことができます。
当社製品技術サイト「e-メカサイト」にアクセスし、トップページ中段の「おすすめコンテンツ」より、「スタートアップガイド」バナーをクリックしてください。専用コンテンツより、ダウンロードすることができます。
サンプルプログラムを準備4種類のサンプルプログラムを準備しています。プログラム方法を学ぶだけではなく、流用してのアプリケーション作成を行うことも可能です。内容はフローチャートやシーケンス制御プログラムなどにより、詳細かつ分かりやすく解説しています。
補足説明が充実プログラムをより深く理解していただくために、レジスタ・モーションパラメータなどマシンコントローラを使う上では必要になる考え方を説明しています。
「スタートアップガイド」とは?
「スタートアップガイド」の表紙
サンプルプログラムとマニュアルのダウンロード:http://www.e-mechatronics.com/
貸し出し用の評価機を準備していますので、お近くの営業までお問い合せください。
お知らせ
お問合せ先:モーションコントロール事業部 営業企画部 マーケティング課 TEL: 04-2962-5823 FAX: 04-2962-5913
今後、PLCや表示器との接続方法をケーススタディで解説する「MPスタートアップガイド Ethernet接続編」や、マシンコントローラの応用的な使用方法を説明するスタートアップガイドもリリースする予定です。
今後のリリース予定
マシンコントローラMP2300S/2310「スタートアップガイド」のおすすめ
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YASKAWA NEWS No. 295 13
2011年3月2日(水)から4日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「PV EXPO 2011(第4回国際太陽電池展)」にて、当社は業界最高レベルの高効率パワー変換技術を披露しました。 この展示会は、太陽光発電業界におけるアジア最大の国際商談展示会です。世界各国の太陽電池メーカー、太陽光発電システムメーカーに加え、建設・住宅メーカー、環境・エネルギー関連企業など1,562社が出展しました。環境問題の中でも大きなウエイトを占める温暖化対策の切り札として、再生可能エネルギー、とりわけ太陽光発電への関心は高く、世界中からの見学者が9万人を超え、今までで最高となる盛況ぶりでした。 当社は既にリリースしている10kW 単相/3相に加え、開発中の大形100kWの太陽光発電用パワーコンディショナ及び安川情報システム様の表示用ソフトを展示しました。また、今後開発予定である家庭用小容量パワーコンディショナを映像で紹介しました。インバータにおいて長い開発歴史と高い世界シェアを誇る当社が開発したパワーコンディショナは、お客様から多くの注目を集めました。
今回の展示会を通じて、今後の開発につながる参考情報を多く集めることができ、非常に有意義な出展となりました。
2011年4月8日(金)から10日(日)までの3日間、中国上海新国際博覧中心にてChina(Shanghai) International Wind Energy Exhibition and Conference (CWEE2011)が 開 催されました。当社は大形風力発電機用電機品Enewinシリーズを出展し、大形風車用マトリクスコンバータと永久磁石式同期発電機を紹介しました。 この展示会は、風力発電機、発電機コントロールシステムなどの分野を中心に、中国国内外から300社を超える企業が出展し、来場者数も2万名を超える盛況となりました。休日の開催にも関わらず当社ブースへ多くのお客様にご来訪いただき、貴重な商談機会をいただくことができました。また、展示会終了後には、そのまま客先に出向き具体的な商談を行うなど、非常に有意義な出展となりました。 会場において「大形風車に最適な発電システム」という題材でサブカンファレンスを開催し、風車メーカーを始めコンサルタント会社や大学・研究機関の関係者など幅広い業種の方々に、製品紹介や技術提案を行いました。大形風力発電機用電機品メーカーとしての当社の知名度、及びEnewinシリーズの製品ブランドイメージ向上に繋げることができました。 今後、今年10月に北京で開催される中国最大規模の風力展
にも出展する予定です。現在最も勢いのある中国市場を中心に、今後、欧米やその他のアジア諸国などへの進出も視野に入れながら、グローバルに風力発電市場での拡販を行っていきます。
2011年春から、当社が出展した環境関連の展示会を紹介します。それぞれの展示会成果を活かし、今後も各業界の発展に貢献できる魅力ある製品開発に努めていきます。
PV EXPO 2011 (第4回 国際太陽電池展)
CWEE 2011(中国・上海風車展示会)■ お問合せ先: インバータ事業部 環境エネルギー機器統括部推進部 TEL 0930-23-5079 FAX 0930-25-3431
■ お問合せ先: システムエンジニアリング事業部 環境・エネルギーシステム事業統括部 営業課 TEL 0930-23-5246 FAX 0930-23-5249
展示会
Exhibition Reports
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早春のロードシーズンでは、選手個々の目標や実力により、10 マイル(16.093km)からマラソンに出場しましたが、今年は特にマラソンに力を入れました。 まず、黒木文太選手が駅伝シーズンの好調をそのままに初マラソンに挑戦しました。大会前から優勝候補の一人として注目されての出場でした。レースは30km 付近まで集団で進みましたが、その後積極的にペースを上げて他の選手をふるい落としにかかりました。流石に初マラソンであったため35km 以降で遅れをとり結果的に7 位となりましたが、そのレース内容は解説者からも評価されました。 続いてびわ湖毎日マラソンには、一般参加で小畑昌之、飛松誠、岡田徹選手の3名が出場しました。マラソン2回目の小畑選手、初マラソンの飛松選手、3回目の岡田選手はそれぞれに目標タイムを設定し、自分のペースでレースを進め無事に完走しました。最も活躍したのは招待選手として6回目のマラソンを迎えた中本選手でした。 これまでの経験とニューイヤー駅伝でも見せた粘りを発揮し、30km まで先頭集団でレースを進めました。その後、一旦遅れをとりましたが、順位を上げて日本人トップ争いを最後の最後まで演じきりました。結果的には日本人2位の総合4位。2時間9分31秒という、安川電機陸上部にとって待望の「サブテン*」を達成しました。この走りは、当社陸上部ならびに多くの社員に「やればできる」という勇気を与えてくれました。これでチーム全体に「世界を目指せる」という勢いがついたと思います。 今春も箱根駅伝出場メンバーが新人として加入し、総合力を充実させて参ります。今後も変わらぬ応援をよろしくお願いします。
◆2011年2月~2011年3月の主な戦績日 程 大 会 名 実 績
丸亀国際ハーフマラソン延岡西日本マラソン唐津10マイルロードレース祐徳ハーフマラソンびわ湖毎日マラソン玉名ハーフマラソン
中野選手10位黒木選手7位後藤選手、久保田選手、山園選手が自己新後藤選手7位中本選手サブテンを達成。小畑選手自己新後藤選手10位、山園選手、小崎選手自己新
2月2月2月2月3月3月
6日13日13日27日6日6日
びわ湖マラソンでは、沿道で安川電機関係者を始め、多くの方々の声援を力にして走ることができました。あらためて安川電機応援団は日本一だと思いました!また、何より嬉しいのは今回の結果で世界陸上マラソン日本代表に選ばれたことです。これは今までサポートしていただいたすべての方々のおかげだと感謝します。これからが大変になると思いますが、いつもの通りに練習に精進していきたいと思います。暖かいご声援をよろしくお願いいたします。
中本 健太郎
選手の声:
マラソンで安川電機陸上部にサブテンの記録をもたらした中本選手
びわ湖毎日マラソン 22km付近の中本選手
3月31日に日本陸上競技連盟より、陸上世界競技選手(韓国・大邱テグ)のマラソン男子代表が発表され、当社陸上部中本健太郎選手が選出されました!男子マラソンの日程は9月4日(日)です。応援をお願いいたします。
* 2時間10分以内でフルマラソンを走ること。これは日本人のマラソン選手が世界の檜舞台に出場するための目安となるタイムです。この記録を持つ選手をサブテンランナーと呼びます。
http://www.yaskawa.co.jp/activities/track-field/index.html NEWS
速報
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スタンド部電源部
Enewell-CEV
例えば、カフェで休息する間に、EVも急速充電できる未来。EVの充電には時間がかかります。これからのEV社会は、自宅コンセントでの充電(普通速で約半日)が基本に。でも、外出先でのバッテリー切れも心配です。そこで、出かけた先で「何かのついでに」急速充電(約20~30分)する、というようにライフスタイルが変化していくでしょう。安川電機の急速充電器Enewell-CEVは、高品質・高信頼性で世界でトップシェアを誇るインバータ技術を活かし、電力変換時に発生する高調波を確実にカットする機能を標準搭載*。周囲の電気機器に干渉を与えないので、住宅地や商業地区にも設置できます。また、電源部とスタンド部は分離可能で、スタイリッシュなデザインのスタンド部のみを、おしゃれなショップやホテルの雰囲気に合わせて設置できます。スタンド部にはモニタやパネルを取付けて、プラスアルファの活用も可能です。
* : 経済産業省から公示された「高調波抑制対策ガイドライン」に適合しています。
Enewell-CEVは、CHAdeMOに準拠し、一般社団法人 次世代自動車振興センターの補助金対象機種に認定されました。
(エネウェル・セヴ)