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10回日本クリティカル看護学会学術集会 140525@名古屋国際会議場 シンポジウム 2 RRS 当院の患者安全ラーニングシステムの 設計と実施 獨協医大越谷病院 池上敬一(救命救急センター) 浅香えみ子(看護部)

140525患者安全ラーニングシステム@クリティカル看護

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第10回日本クリティカル看護学会 シンポジウム2 RRS

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第10回日本クリティカル看護学会学術集会140525@名古屋国際会議場シンポジウム2 RRS

当院の患者安全ラーニングシステムの設計と実施

獨協医大越谷病院池上敬一(救命救急センター)

浅香えみ子(看護部)

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患者安全とシミュレーションセンター

「人は誰でも間違える」

● 医療事故死が多発● 航空産業におけるシミュ

レーション訓練の効果● 医療シミュレーション● 2000年以降「患者安全と

シミュレーション」

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患者安全、シミュレーション、RRS

「人は誰でも間違える」

● 医療事故死が多発● 航空産業におけるシミュ

レーション訓練の効果● 医療シミュレーション● 2000年以降「患者安全と

シミュレーション」

Rapid Response Systems● 1990年代

○ 豪州、ピッツバーグ、英国の集中治療医グループの活動

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患者安全+シミュレーションセンター+RRS

「人は誰でも間違える」

● 医療事故死が多発● 航空産業におけるシミュ

レーション訓練の効果● 医療シミュレーション● 2000年以降「患者安全と

シミュレーション」

Rapid Response Systems● 1990年代

○ 豪州、ピッツバーグ、英国の集中治療医グループの活動

「患者安全+シミュレーション+RRS」は概念としてわかりやすい

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1999年から現在までを振返ると・・・

● 医療関連死は重大な問題!

● 医療関連死を防止するために、とりあえず手を打たなければ

● RRSがある● RRSでとりあえず医療関

連死を減らす

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1999年から現在まで何をしてきたのか?

● 医療関連死は重大な問題!

● 医療関連死を防止するために、とりあえず手を打たなければ

● RRSがある● RRSでとりあえず医療関

連死を減らす

● チェック Check

● アクション Action

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チェック→アクション→プラン→ドゥCAPDサイクル

(キャップドゥー)

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アクションしつつ、プラン・ドゥを実行する

● 医療関連死は重大な問題!

● 医療関連死を防止するために、とりあえず手を打たなければ

● RRSがある● RRSで死亡を減らす● 源流に遡って解決する

● チェック Check

● アクション Action

● プラン Plan● ドゥ Do

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医療安全に必要なリソース

マンパワー

時間

予算

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医療者のパフォーマンスを向上する

マンパワー

時間

予算

パフォーマンス

● 一連の仕事● 患者のアウトカムにインパ

クトを与える無い

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患者安全を担保する学習システムの設計

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患者急変と対応

時間軸

安定軸

生理的な安定度

心停止

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患者の急な変化とは? 患者安全能力とは?

変化率

患者安全能力● 小さい変化率を察知できる● 変化に対応できる

時間

前状態

現状態

変化の大きさ

時間

変化の大きさ

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もっとも基本的な急変対応能力とはなにか?

変化率

患者安全能力● 小さい変化率を察知できる● 変化に対応できる

変化を察知できる● 変化率大きい・・・心停止● 変化率小さい・・・気づき

宣言(報告・相談)できる● If 変化がある then 宣言する● 言えない、言わない、聞かない

行動できる● If 変化がある then 行動する● Can’t・できない/Won’t・しない

時間

前状態

現状態

変化の大きさ

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従来の患者急変対応トレーニング

時間軸

安定軸

生理的な安定度

心停止

ICLSコース

ACLSコース

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mitigation被害緩和

resilience現状回復

prevention防止

患者急変の3つの時期と必要な学習・トレーニング

時間軸

安定軸その人の安定的な

状態

不安定

心停止

心停止を見越した対応チームワークリソースマネジメント

不安定後期(心停止カウントダウン)の気づき現場での蘇生アドバンストな蘇生処置・ ICU転送

不安定初期の気づき現場での蘇生

不安定・安定の区別

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ドクターハリー

Drハリーコールシステムの拡大使用

院内全ての場所で患者の意識があっても、その場にいる医療者が応援を必要とする状況

システム 起動

リフレクション データ収集(医療安全管理者)

獨協医大越谷病院の取り組み急変防止から早期発見・原状回復、被害緩和のシステム

看護師

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当院における患者安全システム学習・トレーニングによる人材開発と業務フロー・職場環境の設計

学習・トレーニング 業務デザイン・現場の態勢と課題

急変防止(日常の能力)

院内シミュレーション、CAPDカードの使い方、病棟での学習

ジョブエイド(CAPDカード)病棟ごとのルール・現場任せ指導者(コーチ)の養成

早期発見と現状回復 看護師:ファーストエイド、患者急変対応コース

病棟ごとのルール救命センター当直コール・相談指導者(コーチ)の養成

被害緩和(緊急時の能力)

看護師:BLS/ICLS研修医入職時:ACLS/AMLS研修医救命救急センター研修

ドクターハリー指導者(コーチ)の養成

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実施状況

● 患者急変対応コース for Nurses(JSISH)

● ファーストエイドコース(日本救急看護学会)

● BLS(AHA)

● 病棟ごとのリンクナースが習得

● 病棟ごとの学習

「救急対応ナース」育成教育ラダーに組み込まれている(看護部主導)

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患者安全基本技能:CAPDカード

目的:急変を早期発見・見逃さない

使用法:患者を観察するときは常に

ルール:

1. 不安定を予測(原因も)2. 観察で「不安定の徴候は?」3. 不安定の徴候あり→アクション4. 不安定の徴候なし→プラン5. 安定ならプラン通り治療・ケア6. 効果の再評価

Aの異常

● 気道から異音が聞こえる、など

Bの異常

● 肩で息をしている、など

Cの異常

● 顔面蒼白、皮膚の冷感がある、など

Dの異常

● 目を開けるのに刺激が必要、など

Eの異常

● 体温・皮膚・創部の異常や外出血

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もっとも基本的な急変対応能力の学習法

● 日常業務で反復練習○ 予測→評価・判断→結末→振

返り

● シミュレーションで演習○ 予測→評価・判断→結末→振

返り

● 習慣になるまで継続

● 現場で承認

日常業務

シミュレーション

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システム起動

リフレクション  データ収集(医療安全管理者)

一斉コールの躊躇への対応として、病棟看護師が救命センター看護師に相談するシステムを併

用する

プランB看護師

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わたしたちのシステムと課題

パフォーマンスコンサルティングで問題を仕分け

● 業務のフロー● 職場文化● トレーニング

デザイン・インストラクション

● 1−2ヶ月程度で実施・評価・改善の1サイクル

システムの形成的評価

● 急変対応能力の自己評価(看護師)

● 看護師のストレス度の変化

● 病棟管理者による評価

人材育成

● デザイナー・インストラクター

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まとめ

当院の患者安全への取り組みを紹介

● 中間管理職主導● 歯止めとしてのRRS

○ ドクターハリー○ 救命救急センター当直○ 救命救急センター医師研修

➢ ACLS/AMLS事前学習

学習システムを設計・実施

● 急変防止○ CAPDカード、使い方シミュ

レーション

● 早期発見・現状回復○ 患者急変対応コース

● 背水の陣(被害緩和)○ BLS/ICLS/ACLS○ 救命救急センター研修

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結語

患者安全は「院内学習システム」で達成する

学習システム導入には以下のスキルが必要

パフォーマンス・テクノロジー

インストラクショナル・テクノロジー

米国ではChief Learning Officer (CLO)医療ではシミュレーションセンターが主導