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2011 年 6 月 13 日
中国アパレル生産状況について中国アパレル生産状況について
ヤンガートレーディング株式会社北村 隆匡
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目次
• 目次• 急成長した中国紡織業界( 1990年代~ 2000年初等)• 中国コストアップ原因あれこれ• A) インフレ• B) 原料費アップの遷移 1/2• B) 原料費アップの要因 2/2• C) 労働関連コストの上昇 1/3• C) 労働関連コストの上昇 2/3• C) 労働関連コストの上昇 3/3• D) 環境規制• E) 元高ドル安、 F) その他• 日本の市場状況 1/2• 日本の市場状況 2/2• 嫌がられる日本向け商品• 今後どのような道があるか?• 今後のメッセージ
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急成長した中国紡織業界( 1990 年代~ 2000 年初等)
• 日本製品(高品質商品)の実績づくり• 日本の技術指導(日本企業の絶大なるフォロー)• 最先端機械の導入• マンメーション(安価で豊富な労働者を背景に拡大)• 繊維不況を背景に日本企業は中国生産シフトを急拡大(いまは日本アパレル製品の90%は中国製)
• 日本向け実績をもとに欧米企業へ積極営業( 2000年以降)
• 政府の地域振興(新産業育成)政策• 政府の輸出振興政策(固定為替、増置税、、など)• 安価な原料• 環境保持対策が不要
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中国コストアップ原因あれこれ
• インフレ
• 原料関連費アップ
• 労働関連コストの上昇
• 環境対応
• 元高
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A) インフレ
• 2000年以降、急激にあがり続けている。特に、 2005年の為替レート固定解除後に顕著である。
(世界経済のネタ帳より)
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B) 原料費アップの遷移 1/2
• 2010年、原料価格(特に綿花)が高騰。
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B) 原料費アップの要因 2/2
• 中国の綿生産量の減少 今年の中国の綿花生産量は、過去5年間で最低。旺盛な国内需要(中国のコットン需要は世界全体の 40%以上)だけでは追いつかず、不足分は輸入買い付けている。 また、政府の栽培補助金は綿花よりも食料作物に手厚い。
• インド、パキスタン等の輸出規制(輸入価格上昇)
• 天候不順、世界的な自然災害(特に洪水被害)
• 世界的な需要増(発展途上国を中心に)
• 投機筋(不動産投資策を受けて流入)
• アクリル、レーヨンなども同じく原料価格上昇
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C) 労働関連コストの上昇 1/3
• 最低賃金の上昇
• 容易に残業させられない
• 解雇(解除)の難しさ
• 社会保険加入義務(本年 6/3からは、中国人だけでなく在中外国人にも適用。 4~ 5割コスト up。)
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C) 労働関連コストの上昇 2/3
• 定着しにくい国民性 賃金のよい仕事に容易に動く
• 労働者デモが頻発
• 労働集約型である繊維(産業向け)が敬遠。サービス業へ。
• 地方都市の発展。旧正月時の帰郷で工場に戻らない。。
各工場においては、労働者(特に熟練工)に勤務続けてもらうために必死。賃金だけでなく、食事、住居、労働時間、、など労働条件を良くするよう工夫。賃金以外の見えないコストが多々発生している。
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C) 労働関連コストの上昇 3/3
• 生産年齢の減少(一人っ子政策)。労働者の高齢化。
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D) 環境規制
• 基準に合わない工場は強制閉鎖
• 染色、プリント関連コスト上昇(染料、生産ライン)
• 高度な排水設備要
• 中国での電力不足が年々頻発(自家発電用設備や蓄電池を導入)
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E) 元高ドル安 、 F) その他
• 元高ドル安
• 増置税 (少々落ち着いてきているが)
1 %の人民元高で 繊 維 ア パ レ ル 産 業 の 利 益 率は 2 ~ 6 % 下がると推定される。輸出依存度の高いアパレル産業では、
当該産業の輸出依存度は約 60 %で あり、そのため 1 %の元高が進めば
、利益率は約 6.18 %下がることとなる。(『中国針織網』による)
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日本の市場状況 1/2
• 強い SPA型のプライスリーダー企業(日本、外資)
• 製品値上げができない企業
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日本の市場状況 2/2
• 高品質への欲求(品質は落とさない)
• 小ロット多品種
• QR(クイックレスポンス) ~在庫をもたない経営~
• 経済不況に伴い、消費者も低価格品へ欲求
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嫌がられる日本向け商品
• 嫌われる「小ロット」「高品質」「短納期」
• より工場経営がしやすい欧米市場へ 2005年以降、輸入クォータ制(国別輸入制限枠)が廃止。中国で制限なく生産できるようになったアメリカや EUからのオーダーは急増。 大量のオーダーがあり、品質にはうるさくなく、また納期に猶与がある欧米メーカ-からのオーダーを優先(工場経営にとっても合わせやすい。)。[※欧米市場では、比較的製造コストの上昇を販売価格に転嫁していることも多い様子。]
• 高成長の中国マーケット より利ざや、高成長を見込み中国内市場向け商品へ注力
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今後どのような道があるか?
• 製造基地、輸出基地としての中国の役割(特に労働集約的な工程)は徐々に低下していく。その中でどのような道が模索されうるか?
→ 中国生産を続けるか、第三国か、日本回帰か模索が続く。
• ただし原料供給地としては、生産設備と技術が揃った中国がますますの競争力をもつと思われる。
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皆様へのメッセージ
• 中国という国を知る。中国人という人を知る。中国の商慣行を知る。
• 工場経営者の気持ちになって中国モノ作りの状況を知る。
• 中国側の状況をふまえ、交渉は対等の関係で。つくっていただくとの意識も必要。(安さだけを取り立てて訴求する交渉は続かない。)
• 上記をふまえながら、日本側の商慣行と相容れるよう調整していく必要あり。(できるならば、中国商慣行を変えたいが..)