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報 告 書 さくら寮開設10周年記念行事 2016. 10. 19 特定非営利活動法人 日本ネパール女性教育協会

報 告 書jnfea.com/10kinenshi.pdfDr. Hari Prasad Lamsal(ネパール教育省次官) 32 H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使) 32 新聞の記事から

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報 告 書

さくら寮開設10周年記念行事2016. 10. 19

特定非営利活動法人

日本ネパール女性教育協会

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目   次

はじめにさくら寮開設10周年記念行事を終えて 山下泰子  2「さくら寮」開設10周年記念事業のご案内  4さくら寮プロジェクトについて Surendra Bahadur Bharijoo  5さくら寮開設10周年記念式典プログラム  6

第1部 ご祝辞H. E. Ms. Bidhya Devi Bhandari(ネパール連邦民主共和国大統領)  10小川正史(在ネパール日本大使)  11H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使)  12佐久間潤(JICAネパール事務所長)  13さくら寮開設10周年記念式典お礼のご挨拶  14

第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果さくら寮プロジェクトの10年とこれから 山下泰子  16日本で学んだことを活かして Sujata Acharya  21さくら寮で学んだことを活かして Kaushila Budhathoki  23未就学児への取り組み Shanta Khanal  25公務員として女性の地位向上に Amrita Sharma  27チャウパディ慣習の根絶に向けて Shrijana Saud  29講 評 H. E. Ms. Bandana Rana(国連女性差別撤廃委員会委員)  31 Dr. Hari Prasad Lamsal(ネパール教育省次官)  32 H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使)  32新聞の記事から 2016. 10. 20 Samadhan  1 2016. 10. 21 Kantipur  9 2016. 10. 22 Nagarik News  15 2016. 10. 28 Kathmandu Post  33

第3部 資料さくら寮開設10周年記念行事報告  3410周年記念参加者リスト  35瀬尾真喜子ピアノコンサート曲目──‘Let’s travel all over the world by music !’ 表4

2017年1月20日 発行

主 催:特定非営利活動法人 日本ネパール女性教育協会/カニヤ・キャンパス・ポカラ

助 成:公益財団法人 東芝国際交流財団

JNFEA役員・会員の運営担当者:山下泰子,新井場貞子,岩谷栄子,磯公美子,今村 務,今村美知子,大柄みやこ,深田洋子,松波勝弘,矢野可穂理,山下威士,山口洋子,マンジュ・ドージュ

本報告書の刊行:JICA草の根技術協力事業「女性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト」

目   次

はじめにさくら寮開設10周年記念行事を終えて 山下泰子  2「さくら寮」開設10周年記念事業のご案内  4さくら寮プロジェクトについて Surendra Bahadur Bharijoo  5さくら寮開設10周年記念式典プログラム  6

第1部 ご祝辞H. E. Ms. Bidhya Devi Bhandari(ネパール連邦民主共和国大統領)  10小川正史(在ネパール日本大使)  11H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使)  12佐久間潤(JICAネパール事務所長)  13さくら寮開設10周年記念式典お礼のご挨拶  14

第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果さくら寮プロジェクトの10年とこれから 山下泰子  16日本で学んだことを活かして Sujata Acharya  21さくら寮で学んだことを活かして Kaushila Budhathoki  23未就学児への取り組み Shanta Khanal  25公務員として女性の地位向上に Amrita Sharma  27チャウパディ慣習の根絶に向けて Shrijana Saud  29講 評 H. E. Ms. Bandana Rana(国連女性差別撤廃委員会委員)  31 Dr. Hari Prasad Lamsal(ネパール教育省次官)  32 H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使)  32新聞の記事から 2016. 10. 20 Samadhan  1 2016. 10. 21 Kantipur  9 2016. 10. 22 Nagarik News  15 2016. 10. 28 Kathmandu Post  33

第3部 資料さくら寮開設10周年記念行事報告  3410周年記念参加者リスト  35瀬尾真喜子ピアノコンサート曲目──‘Let’s travel all over the world by music !’ 表4

2017年1月20日 発行

主 催:特定非営利活動法人 日本ネパール女性教育協会/カニヤ・キャンパス・ポカラ

助 成:公益財団法人 東芝国際交流財団

JNFEA役員・会員の運営担当者:山下泰子,新井場貞子,岩谷栄子,磯公美子,今村 務,今村美知子,大柄みやこ,深田洋子,松波勝弘,矢野可穂理,山下威士,山口洋子,マンジュ・ドージュ

本報告書の刊行:JICA草の根技術協力事業「女性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト」

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は じ め に

Samadhan 2016. 10. 20

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2    

さくら寮開設10周年記念行事を終えて山下泰子

(特定非営利活動法人 日本ネパール女性教育協会理事長)

 2016年10月19日,ポカラ・グランデ・ホテルに於いて,さくら寮開設10周年記念行事が華々しく挙

行されました。

 会場が,丁度60年前,日本隊が初登頂した8千メール峰にちなんで名づけられた「マナスルの間」だ

ったのも,うれしいことでした。

 この催しは,日本・ネパール国交樹立60周年事業として,また,公益財団法人東芝国際交流財団の

助成をいただいて,挙行することができました。

 この10月1日をもって,さくら寮モデルの「女性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト」が,

JICAの草の根技術協力事業になったこともご報告することができました。

 いくつもの喜びが重なったことに,感謝の気持ちでいっぱいです。

第1部の式典は,小川正史在ネパール日本大使による灯火の点灯ではじまりました。続いて,ネ

パール初の女性大統領 Bidhya Devi Bhandari 閣下(Madan Kumar Bhatarai 前在日ネパール大使代読),

このプロジェクトの産みの親でもあり育ての親でもあるKedar Bhakta Mathema 元在日ネパール大

使,昨年夏以来,女子師範学校制度の構築にアドバイスをいただいている小川正史在ネパール日本大

使,まさにこれから草の根技術協力事業でお世話になる佐久間潤JICAネパール事務所長から,つぎ

つぎにお祝いのメッセージを頂戴いたしました。この模様は,翌日Samadhan紙(2016. 10. 20)の一面

トップ記事になりました(1頁参照)。

 さくら寮10周年記念行事の華は,何と言ってもこの日のためにネパール各地から集まったさくら寮

卒業生・在校生70人でした。

 美しいサリーに身を包んだ彼女たちの自信に満ちた様子は,ふるさとの村のおなご先生としての活

躍に裏づけられていました。14人が子ども連れだったこと,4人が母親同伴だったこと,4人が夫同

伴だったことも,彼女たちを支える家族の様子が偲ばれて,ほほえましく思いました。

第2部のさくら寮10年の成果では,私が概要をお話し,その後,卒業生5人が,

 ① 日本留学から学んだこと,

 ② さくら寮で学んだことを村の小学校でどう活かしているか,

 ③ 女の子を就学させるためにどのような努力をしたか,

 ④ 公務員としての男女平等への取り組み,

 ⑤ チャウパディ慣習克服への努力

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はじめに  3

を報告しました。⑤のチャウパディに関する報告は,Shrijana Saudに替って,2期生のManisha

Upadhyagaがいたしました。

 特に第2部は,Amira Daliさんのすばらしい通訳に助けられました。

 これに対して,Bandana Rana 国連女性差別撤廃委員会委員,Hari Prasad Lamsal 教育省次官,

Kedar Bhakta Mathema 元在日ネパール大使からご講評をいただきました。

 さくら寮が,単に教科指導をしているのではなく,先生としての豊かな人間性を育んでいること,

卒業生が村の公立学校の教育水準をあげることに貢献していることを評価していただいたのは,うれ

しいことでした。

 この卒業生の報告は,人々に感動を与え,ネパールの大新聞・Kantipur(2016. 11. 21)に写真入りで

大きく取り上げられました(9頁参照)。

第3部は,瀬尾真喜子ピアノコンサート‘Let’s travel all over the world by music’でした。

 わざわざ日本から電子ピアノを運んでのコンサート!

 最後の「レッサン・フィリリ変奏曲」に涙がこぼれました。

第4部は,にぎやかにレセプション・パーティでした。みんな一緒に,飲んで食べて楽しく交流を深め

ました。

 アトラクションの今村務さんのオカリナもよかったし,さくら寮卒業生・在校生の歌と踊りも見事

でした。

 さくら寮開設10周年記念行事の参加者は,総勢212人でした。

 はるばる日本から駆けつけてくださったチャリティ・ツアーの皆様,カトマンドゥ,ダーディン,

カピルバストゥ,ネパール各地からおいでいただいたネパール教育関係者の皆様,そして,カニヤ・

キャンパス・ポカラの先生方をはじめ,さくら寮生をあたたかく見守ってくださった地元ポカラの皆

様,本当にありがとうございました。

 ここにお見えではなかったけれど,このプロジェクトを支えてくださっている日本の支援者の皆様

に,心から感謝申しあげます。皆様のご支援があってはじめて,さくら寮の10年の歩みがあり,この

プロジェクトのこれからがあります。

 特定非営利活動法人 日本ネパール女性教育協会は,さくら寮の10年の経験を元に,これからは,ネ

パールに「女性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト」に取り組みます。

 今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。

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4    

「さくら寮」開設10周年記念事業のご案内

2016年9月

NPO法人日本ネパール女性教育協会

理事長 山下泰子

 2006年8月,日本のNPO法人「日本・ネパール女性教育協会 Japan-Nepal Female Education Asso-

ciation(JNFEA)」とネパールの女子大学「Kanya Campus Pokhara(KCP)」は,山村地域の女児の就

学率を上げるための「ポカラ・プロジェクト」に合意し,そのために,共同で,女性教師養成のための

「さくら寮(Sakura Dormitory)」を,ネパール,ポカラに設立しました。

 この寮は,ネパールの山村,特に女子教育の遅れた極西部地域,中西部地域出身の,教師を目指す女

性のために作られました。寮生には,KCPの教育コース(10+2)で2年間学び,卒業後は故郷の村で

先生として働くことが義務づけられます。JNFEAは,彼女たちに奨学金を支給し,KCPの授業料,故

里との往復旅費,さくら寮の滞在費・管理費,さらには先生としての最初の3年間の給料を負担して

きました。

 以来,10年,教師を目指す女性たち90人が,ポカラの「さくら寮」を巣立ち,故郷の村で先生として

活躍しています。来年5月には,最後の10期生10人が卒業し,100人が巣立ちます。その間,彼女たち

は村の女児の就学の促進,また,日本の教育の専門家がさくら寮で実施する音楽,絵画,体育,パネル

シアターなどの情操・表現教育や,「やさしく学ぶ」教育法や学校運営の方法を学び,村の学校で実践

し,良い評価を得てきました。

 今回,JNFEAとKCPの共同で実践してきたこの活動を,多くの方にご理解いただきたいと思い,

下記により,「さくら寮設立10周年記念イベント」を開催いたします。なお,この催しは,「日本・ネパ

ール外交関係樹立60周年記念事業」として,公益財団法人 東芝国際交流財団の助成により,開催する

ものです。

 是非,お出かけください。さくら寮卒業生が,お待ちしています。

The 10th Anniversary of the Establishment ofThe Sakura Dormitory in Pokhara

主催:Japan-Nepal Female Education Association & Kanya Campus Pokhara

日時:2016年10月19日(水)13:00〜20:00

場所:Hotel Pokhara Grande, Pokhara Tel:+977-61-460210

連絡先:Ms. Manju Dhoju Tel:+977-61-541649〈[email protected]

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はじめに  5

さくら寮プロジェクトについて〜女性の力を発揮した一つの実例〜

Prof. Surendra Bahadur Bharijoo(さくら寮Steering Committee委員長)

 いろいろな所や職業の人々の集まりでできている,このさくら寮プロジェクトは,約束の通り成功しました。この小さいけどすばらしいプロジェクトは,教育,研修,トレーニングなど女性の力を発揮させるプログラムを組み合わせています。ネパール以外の他の国の人々たちもたくさん見習うことができます。村の女性の発展のために,研修を受けた女性教師たちを生かすことができます。国の政策から取り残された,貧しいカースト出身の学生たちが勉強する機会を得ることができるプロジェクトです。 村の学校の教育環境の発展に寄与するための教師になるためのプロジェクトです。さくら寮プロジェクトは,JNFEAとKCPの共同の力で設立されました。ネパールの極西部・中西部開発地域の高校出身者で,高校卒業資格試験(S. L. C.)に合格した志願者の中から10人が選ばれて,2006年8月6日に,さくら寮に入り,さくら寮プロジェクトが始まりました。 その後も,毎年10人の女子学生を選ぶことになりました。最後のグループ10人の学生が2015年に選ばれました。選ばれた学生たちは,奨学金をもらい,さくら寮で2年間生活します。食事,寮費,薬代,大学の授業料,交通費等のすべてが奨学金として支給されます。 KCPでは,11,12年生の勉強をします。その2年間に,学生たちは,教育学,ネパール語,英語,コンピューター等のトレーニングを受けます。これらの費用は全部JNFEAが負担します。 これまでに90人の学生たちが卒業し,最後のグループの10人の学生たちは,今勉強中です。また,その中で60人の学生たちは自分の村の学校で3年間教師をして,その中での30 人は今も村の学校に在職中です。 在職校の校長から4か月ごとにさくら寮に送られてくるレポートによれば,卒業生たちは,女の子を学校に行かせるため,また,毎日学校に来させるために,また,その他のいろいろな活動をして,学校の教育環境をよくするため,カースト問題を解決するために,自分の村でがんばっています。 さくら寮プロジェクトからは,ネパールの34の郡の出身者が巣立ちました。そのうちには,10人の政府の教員採用試験に合格した人たちがおります。彼女たちは,自分の回りの環境を変えることができると信じています。私は,さくら寮プロジェクトで学んだことを将来役立ててくれると確信しております。 さくら寮で学んだ各学年から1人ずつ,今まで6人の卒業生が日本の東京にある文京学院大学で1年間勉強する機会をもらってきました。このいいチャンスで学生たちの能力は非常に発達したと思っております。 この機会に,JNFEAの山下泰子理事長に心より感謝を申し上げます。先生のご努力で,このプロジェクトは,好調に進んでまいりました。このプロジェクトの代表がいなければこのプロジェクトはうまくいきません。また,JNFEAの皆様の努力でこのプロジェクトは成功しました。ここに,このプロジェクトのためにいろいろご協力いただいた方々,文京学院大学の関係者の皆様にも心より感謝を申し上げます。 最後に,今日のプログラムの参加者の皆さまに心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。

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6    

Japan-Nepal Female Education Association (JNFEA)&

Kanya Campus Pokhara (KCP)

Celebrate

The 10th Anniversary of the Establishment of Sakura Dormitory in Pokhara

Date & Time: Wed 19 Oct 2016 (13:00 to 20:00)Venue: Pokhara Grande HotelP. O. Box 200 Pardi, Pokhara

Tel: +977-61-460210

Part I<13:00 to 14:00>

Ceremony of the 10th Anniversary of Sakura DormitoryVenue: Room Annapurna at Pokhara Grande Hotel

Language: EnglishMC: Mr. Suresh Kumar Manandhar, Campus Chief, Kanya Campus Pokhara (KCP)

Lighting the lamp byThe Chief Guest

Welcome Speech: Mr. Surendra Bahadur Bharijoo, Chairperson,

Steering committee of Sakura Dormitory

Congratulatory Remarks:H.E. Ms. Bidhya Devi Bhandari, The President, F. D. R. of Nepal

(Message read by H.E. Dr. Madan Kumar Bhattarai, Foreign Affairs Advisor to The President, F. D. R. of Nepal

Former Ambassador of Nepal to Japan)H.E. Mr. Kedar Bhakta Mathema, Former Ambassador of Nepal to Japan

H.E. Mr. Masashi Ogawa, Ambassador of Japan to Nepal Mr. Jun Sakuma, Chief Representative, JICA Nepal Office

Vote of Thanks: Prof. Dr. Yasuko Yamashita, President of JNFEA

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はじめに  7

Part II<14:30 to 16:00>

Presentations on the achievements during 10 years of Sakura Dormitory Project

And the future of the Project after its completion Venue: Room Annapurna

Language : Nepali with Japanese translation MC Ms. Eiko Iwatani, Sec-Gen., JNFEA, together withMr. Krishna Khatiwada, President, YOUCASP, Nepal

1. Presentation on Achievements during implementation of Sakura Dormitory Project and the future of the Project after its completion

Prof. Dr. Yasuko Yamashita, President of JNEFAAddressed in Japanese language with Nepali translation

2. Reports from 5 Sakura Graduates: All speak in Nepali with Japanese translation Ms. Sujata Acharya (4th year student):

1 Will report how to make use of her 1-year study in Japan.2 Learning about a homeroom system (controlled by a single teacher who

in charge of whole class-students and class-matters)

Ms. Kaushila Budhathoki (3rd year student):1 Reporting how to make use of her 2-year Sakura boarding life in her

school/ village. 2 Employed as a public primary school teacher, and then?

Ms. Shanta Khanal (1st year student):1 Will report her success-story for a couple of parents by persuading

them to send their daughters to school, at last.2 Assigned an English teacher in a public high school.

Ms. Amrita Sharma (1st year student):1 Reporting on changes she was able to bring about in her school/

village after training in Pokhara. 2 Her work, now.

Ms. Shrijana Saud (3rd year student): Will report about Ò tackling to eliminate ages-old custom of Ô ChhaupadiÕ in the case of Sarada VillageÓ

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8    

3. Remarks by following dignitaries: Ms. Bandana Rana, UN Committee Member on the Ò Elimination of

Discrimination against WomenÓ Dr. Hari Prasad Lamsal, Joint Secretary, Ministry of Education

H.E. Mr. Kadar Bhakta Mathema, Former Ambassador to Japan

4. Thanking Speech:Mr. Yogendra Lal Pradhan, Chairperson, JNFEA Pokhara Project

<Coffee Break> <At 16:00 for abt 30 mints>

Part III<16:30 to17:30>

Makiko Seo Talk & Piano Concert LetÕ s travel all around the world by music!!

Venue: Room Manaslu

Part IV<18:00 to 20:00>

Reception HourVenue: Room Manaslu

MC: Ms. Sadako Araiba, Vice-President, JNFEA, together withMr. Krishna Khatiwada, President, YOUCASP

Attractions:Mr. Tsutomu Imamura playing Ocarina

&Sing-songs and dancing

By the 9th and 10th-year Sakura Colleague-Students

<END>

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第1部 ご 祝 辞

Kantipur 2016. 10. 21

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10    

Congratulatory Message

H. E. Ms. Bidhya Devi BhandariThe President , Federal D. R. of Nepal

I am very happy to know that the 10th Anniversary of establishment of Sakura Dormitory is being

observed in this beautiful city Pokhara on the joint membership of JNFEA and KCP, part of

establishment of formal relationship between Nepal and Japan.

I have requested my Foreign Affairs Advisor Dr. Madan Kumar Bhattarai to attend the program,

that successfully passed the completion of the educational scheme, designed to enroll 10 girls

completing School Leaving Certificate level each year for the period of 10 years. To provide them

with higher education will be making them to be good teachers and active citizens.

Nepal and Japan have excellent and mutually beneficial relation. I thank Prof. Dr. Yasuko Yamashita

for organizing this program. I also wish to thank all Japanese and Nepali friends who have been

involved in this program. With these words, I appreciate their contribution made by association to

help people from remote areas and women’s empowerment. By wishing you and your future all

success, I hope your stay in Nepal to be pleasant and memorable one.

Thank you.

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第1部 ご祝辞  11

Congratulatory Remark

H. E. Mr. Masashi OgawaAmbassador of Japan to Nepal

It is my great pleasure to be invited to this commemorative ceremony in this auspicious occasion of

the 10th Anniversary of the establishment of Sakura Dormitory. I would like to express my sincere

congratulation to all the people here, especially Prof. Dr. Yasuko Yamashita, President of JNFEA,

who are devoted herself to establish and manage this Sakura Dormitory Project.

Sakura Dormitory was established in 2006, funded partly by the Japanese Government, for the

purpose of providing female students of rural area with the opportunity of the higher education to

become the school teachers.

Sakura Dormitory has been delivered with passion as most through education for girls of rural

villages of Nepal and managed by joint effort of JNFEA and KCP. JNFEA provides students of

Sakura Dormitory with scholarship, tuition, other necessary expenses, and 3 years salary after

graduation. In the exchange, the students are expected to work as a teacher in their home villages

after they complete their 2 years course of KCP.

I am confident that Sakura Dormitory Project will surely change the lives of the rural village people

of Nepal. As you know, the education is the foundation of the country, and human resource building

is one of the most important tasks for the social economic development of the country.

And, any country cannot develop without women playing role in the society. I am sure that the

women who study at Sakura Dormitory will become the important human resources that carry the

task of building new Nepal in near future. I also expect that the Sakura Dormitory Project will be

the good model to the women empowerment and will facilitate their involvement to the business

and public activities in the society.

This year, on this 60th Anniversary of Diplomatic Relationship between Japan and Nepal, Japan as

a true friend of Nepal, will continue to support for new nation building as much as possible.

Thank you.

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12    

Congratulatory Remark

H. E. Mr. Jun SakumaChief Representative, JICA Nepal Office

First of all, I would like to express my sincere appreciation to JNFEA for inviting me on this 10th

Anniversary of Sakura Dormitory in Pokhara. It is my great pleasure to say few words on behalf of

JICA on this honorable occasion.

Education is the core stone for any kind of development. Education is the key for everyone to open

his or her life. Therefore, education is the most important and valuable for every individuals and

nation, and that is the reason, why education opportunity should be given to all the people,

especially for females, minorities and disabled. It is well known that providing female teachers is

the effective way to promote higher education. As you may know, it is easy to say that, but

practicing it is quite difficult.

JNFEA has been playing a significant role in Nepal since 2006. JNFEA has provided best teacher

training every year by using KCP and Sakura Dormitory. Until now, the total 90 females have

completed training and have been working as teachers in remote areas. I think this is the great

achievement of JNFEA. I really appreciate JNFEA’s effort. I would like to congratulate this 10th

Anniversary from the bottom of my heart.

For JICA, education is one of the highest priority sectors for cooperation and therefore we have

provided comprehensive support to this sector since a long time ago. Now we are implementing

technical promotional project. Also, we have been providing support for the re-construction of about

200 schools in 6 districts which were damaged by earthquake last year. In these regions, JICA has

committed closely with the Ministry of Education, together with other development projects in

providing support for educational sector development program.

JICA volunteers are also working at some public schools in rural areas to improve the quality of

education at grass root level.

We JICA will continue such comprehensive support to educational sector in Nepal. I hope the new

partnership project with JNFEA will contribute to educational issues in this country.

Thank you.

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第1部 ご祝辞  13

Congratulatory Remark

H. E. Mr. Kedar Bhakta MathemaFormer Ambassador of Nepal to Japan

First of all, I would like to thank two organizers, JNFEA and KCP, for having me here in this

afternoon, and also asking me to speak few words in this ceremony.

My wife and I have been coming to Pokhara almost every year for the past 10 years to attend and

also participate in the graduation ceremony of Sakura Dormitory students.

We also have had several occasions to invite Sakura Dormitory students over to our house on their

graduation trips to Kathmandu. It was occasion like this, to offer us wonderful opportunity to know

and learn about students of Sakura Dormitory where they come from, the experience in Sakura

Dormitory and KCP how they talk and tweet.

I hope I will be not so far apart if I’d say Sakura Dormitory project is the most successful

educational project I’ve ever seen in Nepal in recent times. They are closely supervised, guided and

associated by the Dormitory staff.

Sakura Dormitory is not only like a regular dormitory, where the girls just live and eat together,

but is also the place, where they are taught the value of hard work, the value of living together,

and the values of learning from one and others. This is also place where they are prepared for, or

emerged in, the culture of being a good teacher.

Many teacher-training colleges in Nepal would import knowledge of foundation of education and

social education. Some good ones even provide skill training in teaching, but very few of them teach

the students the culture of being good teacher, which we must consider as real success.

While I am still on this project, let me also take this opportunity to congratulate JNFEA and

Honorable Prof. Dr. Yasuko Yamashita for the job done so well. Without her hard work and

dedication, and support of many Japanese members, donors, and cooperation of KCP, this Project

would have never seen this day. It has been real honor for me to have been in association with this

Project as an honorable advisor.

Thank you.

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14    

お礼のご挨拶──さくら寮設立10周年記念式典──

山下泰子日本ネパール女性教育協会理事長

 特定非営利活動法人 日本ネパール女性教育協会理事長の山下泰子でございます。日本・ネパール国交樹立60周年事業として,公益財団法人 東芝国際交流財団の助成をいただいて,さくら寮設立10周年記念式典を挙行できますことをまことに光栄に存じます。また,皆さん,お喜びください。この10月1日をもって,さくら寮モデルの「女性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト」は,JICAの草の根技術協力事業になりました。 ただいまは,ネパール初の女性大統領,Bidhya Devi Bhandari 閣下からのメッセージを頂戴し,私たちは大いに勇気づけられました。Madan Kumar Bhattarai 大使,大統領のメッセージをありがとうございました。 ケダール・マテマ大使閣下は,このプロジェクトの産みの親でもあり,育ての親でもあります。温かいメッセージをありがとうございました。Kohinoor夫人とともにこれからもよろしくお願いいたします。 昨年夏の小川正史大使閣下のご示唆で,JNFEAは,「女性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト」をはじめました。日本・ネパール国交樹立60周年にあたり,日本型の女子師範学校制度をネパールに紹介するプロジェクトに,お力をお貸しください。 佐久間潤JICA所長様,改めて,「女性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト」をどうぞよろしくお願いもうしあげます。 はるばる日本から駆けつけてくださったチャリティ・ツアーの皆様,ご参加ありがとうございます。カトマンドゥ,ダーディン,カピルバストゥ,ネパール各地からおいでいただいたネパール教育関係の皆様,是非,さくら寮生・卒業生とネパール語でお話しください。卒業生たちが,このプロジェクトの成果です。 カニヤ・キャンパス・ポカラの先生方をはじめとするポカラの皆さん,さくら寮生がお世話になりました。彼女たちを育てていただき,感謝申しあげます。 私はここで,日本の支援者の皆さんに,限りない感謝を捧げます。皆さんの変らぬご支援が,100人のおなご先生を育ててくださいました。皆さんのご支援なしには,このプロジェクトは,存在しません。1,000枚の生理布を縫ってくださった方もあります。毎年,生理袋を届けてくださった方たちもいらっしゃいます。バザーをして,ダンボール箱で,下着を送り続けてくださった方たちもあります。鉛筆を下さった方,小さなネパールグッズのお店を開いて売り上げをくださる団体もあります。今回,お祝いにピアニカを10台もくださった団体もあります。日本の女性教師の先輩たちのご支援もありがたいです。里親の皆さん,寄附をくださる皆さん,日本人の善意が,さくら寮の10年の支えです。 最後に,さくら寮生・卒業生の皆さん,皆さんは,ダルチュラ,フムラ,ムグー,ドルパ,極西部,中西部をはじめとする遠い村々から,ここポカラのさくら寮に集いました。今日のこの式典から私たちの皆さんへの期待を汲み取ってください。さぁ,さくら寮を巣立った誇りを胸に,自覚と自信をもって,ますますよい「おなご先生」になって,村の少女のロールモデルになってください。 皆様,ありがとうございました。

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第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果

Nagarik News 2016. 10. 22

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さくら寮プロジェクトの10年とこれから山下泰子

 1.マテマ大使との会話から1999年調査が始まった

 1998年,東京目黒のケダール・マテマ・ネパール大使公邸での会話が,日本とネパールの教育事情

に及んだ時,大使が「日本の明治時代の教育改革に学びたい」とおっしゃいました。これがすべての

はじまりでした。

 かねて文京学院大学のゼミ合宿で滞在したランドルング村やランタン村で,父親に反対されて学校に

行けない少女や,学校に行ったことがないから夢を語れない,と訴える女性に会っていた私は,なぜ

日本とネパールの間に,女性の教育について,こんなに大きな格差があるのか知りたいと思いました。

 1999年の在外研究期間に,半年かけてネパール山村の「女性の教育と女性教員の現状に関する実態

調査」をいたしました。それには,現在の特定非営利活動法人 日本ネパール女性教育協会(JNFEA)

の前身の「ネパール女性の教育を考える会」のメンバーや,文京学院大学のゼミ生,夫の山下威士(当

時,新潟大学教授)が付き合ってくれました。

 マテマ大使の紹介状を携えて,まず教育省にチュマン・シン・バスニエット事務次官をお訪ねしま

した。バスニエットさんは,早速,各地のDEOに宛ててデバナガリ(ネパール文字)で紹介状を書いて

くださいました。私たちはそれをもって,東はイラムから,西はバイタディまで全国の75郡中31郡で,

トレッキングスタイルでテント暮らしをしながら,調査をいたしました。

 お会いしたDEO(郡教育長)ないしは代理の方25人の面接調査から,15歳以上の女性の識字率が

Mugu郡では1%以下,Kapilbastu郡,Chitwan郡では2%以下しかないことがわかりました。なるほ

ど,ムスタン郡ツクチェ村で立派に一家の切り盛りをしている主婦たちも,エベレスト街道のクムジ

ュン村で村長を務める女性も非識字者でした。読み書きのできないことの不自由さが察せられました。

公立小学校の女性教員割合は,Parsa郡5.4%,Baitadi郡10.5%,Dadeldurha郡13.4%,Mugu郡16%に

過ぎず,どの郡にもSLC(高校卒業資格試験)すら合格していない女性教員がいました。

 実際,児童に自習をさせて,おしゃべりに興じている女性教員にも出会いましたし,ようやく山の

上の学校に辿りついても,女の先生は,ふもとの村に帰って赤ちゃんにお乳を含ませていたり,女の

先生にインタビューをしようとしても,答えは,夫に任せっぱなしだったり,とにかく女性教員の質

の悪さが印象に残りました。

 Doti郡の山の村の公立小学校では,村長で学校運営委員の人さえ,娘を学校に通わせていません

でした。「娘を学校に行かせたら,いったい誰が牛の面倒を見るのかね」というのが彼の言い分でし

た。教育省の統計でも,1997年当時,女子の就学率が30%以下の郡が6つもありました。要は,学

校というところ,「男の先生がいて,男の子の行くところ」という社会通念が,山村ではまかり通っ

ていたのです。

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第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果  17

 2.ネパール教育界への3つの提言

 2000年3月,カトマンドゥの日本大使館ホールで,シンポジウムを開催し,実態調査の結果を踏ま

えて,私は,3つの提言をいたしました。それは,まさにマテマ大使のおっしゃった日本の明治政府が,

行った教育改革そのものなのです。

 第1は,無償義務教育の導入です。2015年9月20日制定のネパール連邦民主共和国憲法第31条は,

第1項で,「すべての市民は,基礎教育(basic education)を受ける権利を有する」,第2項前段で,「す

べての市民は,基礎的レベル(basic level)においては,無償義務教育(compulsory and free education)

を受ける権利を有する」と定めました。これを受けて,2016年6月29日制定の第8次改正教育基本法が,

8年間の基礎教育(basic education)を無償義務教育と規定しました。多分,憲法のいう「基礎的レベ

ル」を,教育基本法が「基礎教育」と解釈したものと思われます。

 ついに待っていた時がきました。遠隔地域のすべての少女が学校に行くようになり,少なくとも8

年間の基礎教育を卒業できるようになる日が,一日も早く来ることを願っています。それには,奥地

に数多くの分教場をつくることと,村に児童のための給食つきの寮をつくることが必要です。

 第2は,教員免許制度の導入です。山村では先生たちのモラルが極めて低く,大体,先生の方が児

童よりも遅く登校し,早く下校する傾向があり,先生のお休みが多く,とくに女の先生の質の悪さが

目立ちました。村人たちの先生に対する信頼感も高いとはいえないと思いました。そこで,日本の制

度に倣って,教員免許を出すことによって,先生たち自身の自覚を高め,社会的信頼を増すことを提

言したのです。

 これは,2002年から,ネパールで制度化されました。問題は,毎年,定期的に教員免許試験が行わ

れていないことですが,これも改善の方向性が示され,期待されます。日本では,とくに,初等教育

の専門性を重視して,大学教育学部で初等教育教員になるコースを卒業した者しか,小学校教員免

許をとることができません。ネパールでは,教員免許試験に,「10+2」卒業以上の人は誰でも受験で

きるという点に問題があります。もっと初等教育の教員をしっかり位置づけて待遇してほしいと思

います。

 第3は,教員養成のための師範学校制度の導入です。とくに,女子師範学校の導入を提言しました。

女性教員の社会流動性が乏しいネパールでは,その村の女性が村の小学校の先生になる必要がありま

す。この師範学校制度では,遠隔地域の村から優秀な高校卒業生を募集し,2年間,無償で教職教育

をし,卒業したら必ず村に帰って,小学校の先生になることを義務づけるという仕組みです。日本の

明治政府が,各都道府県に,男子師範学校とともに女子師範学校を設置したことが有効でした。これ

が,日本で女性の教育が津々浦々まで行われるようになるために,もっとも有効な政策でした。

 実は,ネパールにも,その原型がありました。1970年代から,ユネスコ,ユニセフ,NORAD(ノルウ

ェーの援助機関),そしてネパール政府によって,全国20か所に置かれた女子高校生用の「フィーダー

ホステル」です。卒業後,小学校の先生になるという設立当初の目的が失われ,いまは単なる山村の

少女が「10+2」で学ぶ場になってしまい,教育省では,別の目的の施設に転用されようとしていると

伺い,是非これを阻止し,当初の目的を復活させていただきたい,と切に思います。

 無償義務教育の導入で,優秀な小学校教員養成こそ今ネパールの喫緊の課題です。多民族社会のネ

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パールでは,その村のことばがわかる先生でなければ子どもとのコミュニケーションがとれません。

私は,マナスルの麓の村で,校長先生が現地のことば・グルン語を話せないので,3年制のすべての

クラスを1人で教えているさくら寮卒業生に出会いました。これこそまさに,さくら寮プロジェクト

の成果でした。とりわけ,村の発展のために,ひいてはネパールの発展のために,まずは,しっかりし

た基礎教育を固める必要があります。小学校教員養成システムを作ってください。一刻も早く,とく

に女子師範学校制度を構築してください。私のここ17年来のお願いです。

 3.さくら寮のモデルは,『二十四の瞳』の大石先生

 JNFEAでは,1つの女子師範学校のモデルをつくってみることにいたしました。女性の自立を目

ざして25年前に設立されたカニヤ・キャンパス・ポカラ(KCP)のスレンドラ・バリジュー学長に協

力を求めました。KCPは,文京学院大学のゼミ生と毎年訪問していた大学です。

 まず,KCPが,2005年に「10+2」に教育コースを設置してくださいました。さくら寮の建築は,日

本大使館の草の根・人間の安全保障無償資金からの援助に自己資金を加えて,竹中工務店の建築家集

団・AAF(Asian Architecture Friendship)の赤尾建蔵さんと野田隆史さんがボランティアで設計・管

理をしてくださいました。

 2006年8月6日,10人の第1期生を迎えて,さくら寮がスタートしました。日本の女子師範学校を

模して,JNFEAは,彼女たちが,カニヤ・キャンパス・ポカラで学ぶ2年間の学費・生活費・旅費に

加えて奨学金も支給します。卒業後,最初の3年間,故里の村で小学校の先生をするための給料も支

援します。その代わり,彼女たちには,しっかり村の女の子たちが学校に行けるようにするという使

命があります。

 さくら寮のモデルは,壺井栄という日本の女性作家の『二十四の瞳』の大石久子先生です。物語は,

1928年,今から88年前の日本の寒村・岬の分教場に,女子師範学校出の大石先生が颯爽と登場すると

ころからはじまります。大石先生の受け持ちは,女の子7人,男の子5人の12人,つまり24の瞳の1

年生です。幸せな日々は長くは続かず,日本は戦争の時代へ突入し,キラキラ輝く24の瞳は,否応なく,

戦争に巻き込まれていきました。男の子は皆軍隊に召集され,そのうちの3人は,兵隊墓の墓標にな

り,1人は盲目になって生きる希望を失って帰還しました。女の子たちの運命も過酷なものでした。

家が破産して行方知れずになった子,売られて水商売に入った子,結核で,家族にも看取られず,1人

納屋で亡くなった子もいました。そうした1人ひとりに,大石先生は,正面から愛情をこめて接しま

す。大石先生は,戦争反対で,校長と対立して,一度は先生を辞めましたが,夫が戦死し,幼い末娘を

亡くして,18年後,再び岬の分教場で教壇に立ちます。

 さくら寮では,60年前に作られたこの映画を皆で見て,大石先生の人物像や教育の方法についてデ

ィスカッションをします。小学校は,子どもたちがはじめて出会う社会です。そこでの先生は,1人

ひとりの子どもの人格形成に深くかかわる大切な存在です。大石先生が,子どもたち1人ひとりを分

け隔てなく愛し,つねに子どもたちの憧れの対象であって,凜として生きた女性教員像を,さくら寮

では,ロールモデルとして,語り継いできました。

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第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果  19

 4.さくら寮の教育と卒業生のいま

 さくら寮では,清掃や食事の支度も全員当番制で行います。とくに,極西部,中西部のすべての郡

から寮生が育ち,故里の村の先生になったのが,自慢です。48時間もバスを乗り継いでくる人,バス

停まで3日も4日もかかる奥地からもやってきました。

 KCPの教育コースでは,教育実習も取り入れています。さくら寮には,日本から専門家が行き,ネ

パールで指導がおろそかになっている音楽,絵画,体育などの情操教育やパネルシアターという表現

教育の指導をしています。「楽しく学ぶ」方法や生理教育,防災教育などもしています。村に帰る前に,

カトマンドゥへの修学旅行もあります。1人ひとりがさくら寮の卒業生の自覚と自信をもって教壇に

立てるように,私たちは望んでいます。校長先生からのレポートによれば,みんなよく頑張っている

ようです。

 JNFEAは,卒業生の勤務校訪問を続けています。Darchula郡も,Humla郡も,Mugu郡も,Dolpa

郡も,すべての勤務校を訪ねています。大変なことではありますが,卒業生が元気にさくら寮で学ん

だことを活かして,村の子どもたちに教えている姿を見ると,うれしさがこみ上げてきます。現地の

ことばで,村の子どもたちに教えられる先生は貴重です。毎年,さくら寮では,ダサイン休暇を利用

して,フォローアップ研修もやっています。日本からの指導者とKCPの先生方が,卒業生の抱える課

題を一緒に考え,新しい教育技術を研修します。

 2015年12月末現在,さくら寮卒業生80人のうち,先生をしている人は,52人,65%が現役です。失業

率35%のネパールでは,これはいい数字だと思います。このうち公立学校の先生で,政府雇用11人,

コミュニティ雇用7人,JNFEA支給29人です。私立学校の先生は,4人です。公務員になった人,看

護師になった人,国際NGOの銀行員,大学・大学院在学者が10人,自営業1人,求職中8人,転職2

人です。ほとんどが既に結婚し,子どもを育てながら仕事をしています。皆,大家族で生活しており,

私たちの予想以上に,子育てと仕事は,両立しやすい環境にあるようです。

 政府雇用の教員のうち,数百倍の競争率を突破して晴れて教員採用試験に合格した7人は,立派で

した。2014年に17年ぶりに教員採用試験が実施されたとき,合格した者6人,2015年に高校教員の採

用試験に合格した者1人です。公務員になった人は,大勢の受験者の中で,6番目の成績で見事合格

しました。2016年の中学校教員採用試験にも,25人がチャレンジしています。発表が待たれるところ

です。

 さくら寮の卒業生は,概ね卒業後3年以内に,教員資格試験を受験し,ほとんどの人が合格します。

つぎの教員採用試験は,いつあるか不明ですが,常日頃からこれに備える必要があります。JNFEAは,

受験を奨励し,受験料と予備校に通うお金として,毎回1人1万ルピーを支援しています。

 ネパール教育省には,教員採用試験を定期的に行うことと,受験資格を教職課程を卒業した教員免

許保持者に限定することを提案します。そうでないと,本当によい教員は採用できないと思うからです。

 5.さくら寮モデルをネパール各地に: JICA草の根技術協力事業としてMOEへ提言

 JNFEAプロジェクトは,2016年JICAの草の根技術協力事業に内定しました。そのタイトルは,「女

性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト(The Project of Introducing Female Teacher Training Sys-

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tem in Nepal)」です。基本的には,さくら寮モデルの日本型女子師範学校制度をネパールに構築して

もらうことを目ざしています。これは,1998年のマテマ大使との会話の原点に戻ることになります。

 そのために,JNFEAは,Dhading 郡のShankhadevi Secondary SchoolとKapilbastu郡のJanacheta-

na Lower Secondary Schoolの2校をパイロット校に指定し,さくら寮モデルの教育方法を地域に広

めていきたいと思っています。それには,さくら寮卒業生に大いに活躍してもらいます。

 向こう3年間,JICAプロジェクトとして,パイロット校での事業や卒業生の赴任地訪問,さくら寮

でのフォローアップ研修をしていく中で,ネパール教育省に女子師範学校制度の構築を提言していき

たいと思います。それは,ネパールのフィーダーホステルの改良でもいいですし,さくら寮モデルの

新たな建設でもいいと思います。

 その時に,かつてのように,ユネスコ,ユニセフ,JICAなどの援助機関が支援してくれることも合

わせて願っています。ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイのいうとおり「Education,

first !」なのです。

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第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果  21

スジャータ・アチャリヤ Sujata Acharyaさくら寮4期生

出身郡 Kapilbastu

3年間勤務校 Janachetana Lower Secondary School, Kapilbastu

現勤務校 Janachetana Lower Secondary School, Kapilbastu

特記事項 2014年8月〜2015年7月 日本留学

1.日本の学校で私が発見したこと

 さくら寮卒業後3年間,ふるさとKapilbastuのJanachetana Lower Secondary Schoolの小学校で,

JNFEAの支援で教えました。その後,文京学院大学の交換留学生として,日本で1年間学ぶことがで

きました。日本の4つの小学校で教育実習をしたことから,たくさんの事を発見しました。

①毎朝校長先生と数人の先生が,校門に立って子どもたちに「おはようございます」と,挨拶を交わし

ます,これは 素晴らしいコミュニケーションだと思いました。

②毎朝授業の前に,15分間全員の先生たちのミーティングがあります。連絡事項など情報交換します。

ここから先生方の連携が生まれると思いました。

③小学校は,ずべてクラス担任制です。先生たちは,自分のクラスがあるので,楽しいクラスづくり

のために,さまざまな工夫をします。

④子ども中心の教育の大事さを多く学びました。

2.クラス担任となって

 2015年に帰国後,それまでの学校がコミュニティ雇いの先生として私を採用してくれました。そし

て,いま,日本での体験を活かし,校長先生の理解もあって,私は,2年生の学級担任をしています。

①5教科(英語,国語,社会,理科,算数)以外,火曜日には,音楽や保健体育を教えています。音楽では,

サレガマ(ドレミ)を教えたり,ピアニカを使って歌を教えたりしています。保健体育では,簡単な

ゲームを指導します。

②担任のクラスがあるので,子どもの作品を掲示したり,掲示物の工夫をしたりして教室環境を整え

ることができます。

③子どもたち全員に,お弁当を持ってくるように言っています。

④貧しくて,制服の無い子には,私が制服を作ってあげました。

⑤女の子のドロップアウトを無くす努力をしています。

⑥お互いに仲良く,楽しく勉強してきた結果,クラスの学力が向上し,学年終了時には,学校全体の成

績が発表されるのが恒例ですが,平均点が学校でトップとなり,成績の上位1,2,3位も私の担任

のクラスの子が占めました。

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3.学校全体としての取り組み

①家庭訪問を毎年1回実施し,親との懇談をしました。

②全校で使用するトイレ,校庭の清掃,花壇の手入れに担当を決め,全校で取り組みました

③転校生のネパール語の遅れを取り戻すために,その指導をしたり,ドロップアウトの女の子への特

別指導を実施しました。

④私の学校では,5年前から,DEOの指導で,成人への識字指導を1日1時間3ケ月間行っています。

多い時は,参加者が40人にものぼりました。

⑤毎年3回,つぎのような健康診断等を実施しています(身長,体重,目,耳,鼻の検査・記録,回虫

の検査・薬の配布,生理パットの配付)。

4.日本でのスジャータ

①サリー姿のスジャータ  ②根津神社祭礼でお神輿担いて  ③小金井でお茶そして和服の勉強④ふじみ野の小学校で教育実習  ⑤文京学院大学修了式で島田理事長と山下理事長

�① �② �③

�④ �⑤

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第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果  23

カウシラ・ブダトキ Kaushila Budhathokiさくら寮3期生

出身郡 Salyan

3年間勤務校 Bheri Primary School,Salyan

現勤務校 Basanta Primaly school,Salyan

特記事項 小学校教員採用試験2013年度合格 政府雇用

1.採用試験と就職活動の取り組み

①17年ぶりに行われた教員採用試験は,激戦でした。小・中・高あわせて13,059人の採用枠に対して

480,758人の受験者が殺到しましたが,幸いにも私は,合格することが出来ました。

②3年間のJNFEAの支援が終わった翌年は,家の農業を手伝いながら,近隣の学校を5校ほど就職

活動のために回りました。

③採用試験の準備のときは,1日3,4時間の睡眠状態が続きました。

2.さくら寮で学んだこと

①さくら寮で学んだ音楽,美術,算数,パネルシアターが教室で役立っています。

②私は,子ども中心に教える教育方法をKCPとさくら寮で学びました。それは実際に使える教育方

法だったので,いま学んだことを活かしています。

③私は,まだ先生としての経験が浅いので,他の先生方との良好な関係を築くことや,子どもとのよ

り良いコミュニケーションをはかるよう頑張っています。

④これまで,ゴミの山だった学校で,お掃除を,丁寧に指導してきました。すると,次第に皆でやるよ

うになり,私は「新しい先生は,よい先生」と言われるようになりました。

3.保護者とのかかわり

 2週に1,2回は,親と会うことがあります。その時,子どもが毎日学校に来るように,また,子ど

もがしっかり勉強しているかどうか,親も学校に来て,子どもの学習の状況をみるように話していま

す。親同士も仲良くするように話しています。

4.私の目標とする良い先生

 私の指導のモットーは,

①子ども,1人ひとりを大切にすること。

②子どもたちとの信頼関係を作っていくこと。

③子どもをほめて,育てること。

④さくら寮卒業生としての誇りと自信をもって,教えることです。それは,サルヤンという遠い村で

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生まれた私が,さくら寮で皆さんの愛情を貰い,ほめて育ててもらった経験があるからです。

5.さくら寮での日本の先生たちの出前授業

①FUS岩谷の算数教材の研究授業に参加  ②今村(務)の音楽授業に日本からのお客さんも参加③KCP大学で熱心に勉強に励む  ④日本の支援者からのプレゼントのピアニカの練習(中尾)⑤古宇田のパネルシアターの発表  ⑥金グループによる絵画指導の成果披露

�①

�③

�⑤

�②

�④

�⑥

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第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果  25

サンタ・カナル Shanta Khanalさくら寮1期生

出身郡 Kapilbastu

3年間の勤務校 Siddhartha Lower Secondary School

現勤務校 Gangalal Higher Secondary School, Syanja

特記事項 高等学校教員採用試験(英語)2014年度合格 政府雇用

1.未就学児への取り組み

①データ(参考)

◀1年に3回,出身校での教員としての勤務状況について,

勤務校の学校長からJNFEAに報告をすることが義務つ

けられている。その一部である。

 JNFEAからの給与補助期間に,サンタは37人の未就学

児童を保護者に働きかけ,学校に通わせた実績がある。

②私が先生をしていた村には,男女差別があり,娘は学校に行かなくてもよいという慣習があります。

③私は,家庭訪問を繰り返し,娘を学校に行かせるよう親を説得しました。

④保護者会を開き,教育への関心を高め,子どもが学校に来るようにしました。

⑤子どもの良さを引き出し,勉学意欲をもたせるようにしました。

⑥子どもの生活や学習の記録をとり,経過を観察しました。

⑦他の先生方の勤務への姿勢の改善にも,努めました。

2.さくら寮で学んで

①「考えさせる授業」の大切さを学び,実践に活かしました。

②時間を守ることの大切さを知り,私は時間通りに授業をしました。

③子どもの記録を取ることの大切さを学び,実践しました。

④子どもたちのマナーの向上に努めました。

⑤3年間の努力で,子どもたちが積極的に登校するようになりました。

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26    

3.英語教育の課題

①まだ,先生たちの英語の教え方が,一方的になっています。

②生徒たちは,ヒヤリングとスピーキングに自信がありません。

③生徒たちのボキャブラリーが少ないのが,悩みです。

④先生自身の英語力が低いという問題があります。

⑤子ども優先の教育(child friendly)が課題だと思います。

4.ネパール社会の課題

①村では,教育を受けていない親が多く,教育への関心が低いのが問題です。

②私の住んでいる村には,夫の足を洗って,その水を飲む等の悪習慣が残っています。

③チャウパディ慣習(生理時の女性隔離)が無くなりません。

④女性には,経済的な自由がありません。

⑤女性は,社会ではもちろん,家族の中でも発言権がありません。

⑥村には,女性に対する暴力があります。

⑦私は,村の女性の意識変革をしたいと思っています。

5.サンタの活躍

①子どもを学校に通わせるように親を説得するサンタ  ②1人ひとりの子どもを大切にする③FUSで教員採用試験合格体験談を話す  ④子連れで研修会に臨むサンタ

�①

�③

�②

�④

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第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果  27

アムリタ・シャルマ Amrita Sharmaさくら寮1期生

出身郡 Baglung

3年間の勤務校 Ganesh Secondary School,Baglung

現勤務先 女性子ども福祉省 カイラリ支部(ダンガリ)

特記事項 国家公務員試験に合格 2011年度

1.JNFEA支援の3年間の教員時代

①私が,村の公立小学校の先生になると,プライベートスクールに通っていた子どもたちが,私の赴

任した公立小学校に,戻ってくるようになりました。

②私は,優しく指導したので,子どもたちは学校が怖い所ではないと思うようになりました。

③私は,音楽,スポーツなどの課外活動に取り組みました

④私は,保護者との交流を盛んにしました。

⑤私は,子どもの気持ちを大切にして,良い先生になるように務めました。

⑥私は,村で手に入るものを使って教材を工夫しました。

⑦私は,さくら寮で学んだパネルシアターを活用しました。

⑧さくら寮の修学旅行で訪問したカトマンドゥのラトバンガラ・スクールからヒントを得て,教室の

掲示物等を工夫しました。

2.国家試験に合格

 私は,男性優位の社会を変えるために,女性の自立を目指し「女性子ども福祉省」の国家試験に挑戦

しました。夫は,死ぬほどに頑張ったと言ってくれました。おかげで,1,000人中6番目の成績で,公

務員試験に合格することができました。

3.現在の仕事

 私は,現在,女性子ども福祉省 カイラリ支部(ダンガリ)に勤務しています。カイラリ支部では,女

性に対する暴力,女性のエンパワーメント,人身売買への対策,経済的,社会的に遅れている女性への

サポート,女性のリーダーシップの養成,マイクロファイナンス,共同組合作り等の活動をしています。

 私は,これからも,昇格試験を受け,現在の仕事をグレイドアップしていくつもりです。女性の自

立のために頑張ります。

4.アムリタ想い出のアルバム

①難関を突破して国家公務員試験に合格した体験談  ②吉田による栄養指導③出身校で「優しい先生」として3年間指導  ④古宇田グループによるパネルシアター制作と実演

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28    

⑤袖山赴任地訪問で子らと談笑  ⑥深田による英語授業のポイントの講義⑦今村(美)赴任先職員との懇談  ⑧福島による赴任先での理科の実験

�①

�③

�⑤

�②

�④

�⑥

�⑦ �⑧

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第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果  29

スリジャナ・サウド Shrijana Saudさくら寮3期生

出身郡 Achham

3年間の勤務校 Daspallepani Secondary School, Acham

現在 大学在学中

特記事項 チャウパディ慣習の根絶に努力する

1.チャウパディ慣習

 私は,ドーティとアッチャムとの境にあるサラダ村に生まれました。村は貧しく,人々は教育を受

けていないので,昔のままの考え方をしています。

 村の女性は皆,生理時にはチャウパディ・ゴート(生理小屋)に入ります。生理の時は,家族と一緒

にいることも,学校に行くことも,お寺にお参りに行くとことも,隣村に行くことも,水場に行くこと

も,禁じられます。

 父や兄や,夫を含めて男性に触れること,果実に触れることも禁じられます。血は穢れと信じられ

ているからです。

 チャウパディ・ゴートは狭く,暗く,地面にござを敷いて,ショールにくるまって寝ますが,冬は寒

く,他の村では,凍死する人が出たこともあります。蛇や獣に襲われることもあり,レイプの危険も

あります。

 6日目には,牛の尿を飲んで,川に入り,体を洗って,身を清めます。しかも,生理の間も,お米を

ついたり,畑に出て農作業をするなどの重労働をしなければなりません。

2.JNFEAの対応

 JNFEAから,2008年には,岩谷さん,袖山さん,2012年に山下さん,矢野さん,白井さん,クリシュ

ナさんが,チャウパディの調査に来ました。

 2015年秋には,毎日新聞の取材もありました。また,毎年,フォローアップ研修では,さくら寮でチ

ャウパディ根絶への取り組みが話し合われてきました。

3.サラダ村の現状

 しかし,サラダ村の状況は,短期間の訪問によって大きく変わることはありませんでした。それら

は良いメッセージとして受け取られても,影響を受けることは,ほとんど無いのです。

 昔からの慣習は,地域に深く根ざしているので,人々の頭の中を変えるのは大変です。生理の時,

チャウパディ・ゴートに入らないと神様が怒る,と村人は信じています。何か災いが起こったら,村

全体が困るので,神様を怒らせないようにしなければならないのです。村の女性たちもチャウパディ

が,良い慣習だとは思っていません。仕方がないから従っているのです。

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30    

4.解決に向けて

 私も勇気をもって,チャウパディ慣習の根絶に向けて話し合いをしましたが,限界も感じています。

今は,夫が他の村の校長なので,ドウティの中心地・シルガディで女の子を育てながら,大学の勉強

をしています。

 チャウパディ慣習の根絶には,2007年のネパール政府の根絶令を皆に知らせることが 大切だと思

います。ヘルスポスト,学校,NGO,ユニセフなどが,関わってほしいと思います。

5.チャウパディの根絶に向けて

①満点の星空のもと,チャウパディの不合理さを語り合うスリジャナと理事・先生たち②生理小屋の前で,厳しい現実を説明をする  ③村の女性たちとチャウパディ・ゴートについて話し合う④あちこちに点在するチャウパディ・ゴート(生理小屋)

�①

�③

�②

�④

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第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果  31

【講 評】

H. E. Ms. Bandana Rana

(国連女性差別撤廃委員会委員)

 今日のプログラムで,私は新しいことを学びました。私は,国連女性差別撤廃委員会の委員として

ここにお招きいただいていると思います。

 女性差別撤廃条約は,女性への差別の撤廃を目指して,国連で1979年に採択され,ネパールは1991

年にこの条約を批准しています。女性に関するあらゆる権利をまとめ上げた条約で,現在,世界の189

か国が批准しています。

 この条約の10条が教育に関する項目です。ここには,女性に関するあらゆる差別の撤廃が規定され

ています。他にも,政治参加の権利,健康に関する権利,教育や社会生活に関するあらゆる権利の平

等が書かれています。女性に,男性と同じ機会がどうしたら与えられるか,男性と平等の環境をどう

したら付与できるか,またどうしたらそれを維持できるかについて書かれています。

 女性は勉強しても何もできない。結婚したらもう何もできない。そんな現実があります。これを変

えていくことが必要です。その根拠になることが,条約10条に書かれています。

 卒業生たちのレポートを聞き,また,山下さんの話を聞き,このプロジェクトは素晴らしいと思い

ました。条約のいう持続可能な男女平等は実際に実行されているかどうかです。学校に行っていても,

自宅で勉強できているかどうかが問題です。

 さくら寮卒業生5人の話を聞いて,卒業生がよく頑張っていることがわかりました。ネパールでは,

少し前まで,暗記のできる子がよい子と言われていました。卒業生は,そのような価値感ではなく,

心を豊かにする教育をしています。ほかの家に行って,学校に行ってない女の子を学校に来させるよ

うに親を説得したり,子どもを褒める教育をしています。ネパールの学校では,棒を持って子どもを

叱っていましたが,卒業生は,優しく指導しているようです。これは,条約の理想とすることに近い

と思います。さくら寮卒業生のような活動をもっと広げていく必要があると思います。

 私の子ども時代には,女の子は不安な気持ちにさせられていました。ダサインのお祭りのとき,額

にティカを受けるとき,私は,いつも「よい夫が見つかりますように」とおまじないをうけていました。

そのとき,男の子は,「将来偉くなりますように」というお祈りをうけていたのです。

 今は,少しずつ変わってきています。そういう変化の時代にさくら寮の卒業生たちは関わってくれ

ていると思います。私は,皆さんに「おめでとう」と言いたいです。

 1996年に,初めて日本に行ったとき,山下さん他の日本人が温かく迎えてくださって,涙が出たこ

とを覚えています。こういう社会を力づける活動が続けられるように願っています。

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32    

Dr. Hari Prasad Lamsal

(ネパール教育省次官)

 この会合を開催していただいたことをネパールの教育のために感謝します。ネパールは,日本政府

からも,民間レベルでも,日本からいろいろな支援を受けています。

 1990年以来,Primary Educationの学校建設に,さまざまな支援をいただいてきました。現在も,日

本政府から,学校建設や生徒の学力向上のためにご協力いただいています。このことを日本大使と

JICAのみなさんに教育省としてお礼申しあげます。

 民間レベルの支援のモデルとして,このさくら寮プロジェクトは特筆すべきものです。この他にも,

日本の民間のボランティアに活躍してもらっています。

 ネパールの教育は,外から見ると一向によくなっていないように見えるかもしれませんが,そうで

はありません。国内闘争があった時代には,悪い影響がありましたが,今は,女子と男子の就学率は

同じです。ネパールの小学校の女性教師の割合は43%,公立学校だけを見ると37%です。2028年(ネ

パール暦)から,国の政策として女性教師を増やしていることも付け加えたいと思います。Teacher

Service Commissionでも,女性教師を増やす努力をしています。

H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema

(元在日ネパール大使)

 教育には,2つの理念があります。

 1つは,知識を与えること。もう1つは,culture*を育てることです。

 Managementを勉強することと,先生になるためにcultureを勉強することとは,まったく違います。

 ネパールのTeacher training collegeでは,先生になる人に必要なcultureを教えていない傾向があ

ります。さくら寮の教育には,それがあると思います。さくら寮の生徒たちは,そこで生活するだけ

でなく,勉強しなければなりません。先生に必要なcultureを学びました。それぞれの生徒が,努力し

て立派に育ちました。

 ネパールのTeacher Training Collegeも,そういう学校であってほしいです。これを継続して続け

ていくことが大切です。将来,ネパールでFeeder Hostelができるとすれば,cultureを教育すること

が重要です。

(*ネパール語でcultureというとき,知識とともに心があるということを意味します。)

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第3部 資   料

Kathmandu Post 2016. 10. 28

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34    

さくら寮開設10周年記念行事報告

1.日 時 2016年10月19日(水)

2.場 所 ポカラ・グランデ・ホテル「マナスルの間」

3.参加者 212名

(1)招待者 28名

(2)ジャーナリスト 8名

(3)カニヤ・キャンパス・ポカラ 31名

(4)さくら寮生・卒業生 70名

(5)さくら寮卒業生の母親 4名+卒業生の夫 4名+卒業生の子 14名=22名

(6)その他のゲスト 9名

(7)JNFEAメンバー・寮母等 13名

(8)チャリティ・ツアー参加者(JNFEAメンバーを除く)31名

4.配布資料  (1)プログラム冊子(34頁)

(2)さくら寮開設10周年記念誌(日本語版)あるいは(ネパール語版)

(3)さくら寮開設10周年記念品(合成皮革表紙・ロゴ入りノート)

5.式典ご祝辞 (1)Bidhya Devi Bhandari ネパール連邦民主共和国大統領

(2)Madan Kumar Bhattarai 前在日ネパール大使

(3)小川正史 在ネパール日本大使

(4)Kedar Bhakta Mathema 元在日ネパール大使

(5)佐久間潤 JICAネパール所長

6.成果報告  (1)山下泰子 (2)スジャータ (3)カウシラ (4)サンタ (5)アムリタ

        (6)マニサ(スリジャナの代理)

7.報告講評  (1)Bandana Rana 国連女性差別撤廃委員会委員

(2)Hari Prasad Lamsal 教育省次官

(3)Kedar Bhakta Mathema 元在日ネパール大使

8.瀬尾真喜子ピアノコンサート

        Let’s travel all over the world by music!

9.レセプション・パーティ

(1)今村務オカリナコンサート

(2)さくら寮生・卒業生による歌と踊り

10.新聞報道  (1)Samadhan(10. 20)(1頁参照)

        (2)Kantipur(10. 21)(9頁参照)

        (3)Nagariknews(10. 22)(15頁参照)

        (4)Kathamandu Post(10. 28)(33頁参照)

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第3部 資料  35

10周年記念参加者リスト

(1)Guests  Name Post

1 Dr. Hari Prasad Lamsal Joint secretary of ministry of Education

2/3 H. E. Kedar Bhakta Mathema & Madam Kohinoor Mathema Former Ambassador of Nepal to Japan

4/5 H. E. Madan Kumar Bhattarai & Madam Ambika Bhattarai Former Ambassador of Nepal to Japan

6/7 H. E. Masashi Ogawa & Madam Ogawa Ambassador of Japan to Nepal8 Mr. Uichiro Nakano Embassy of Japan9 Mr. Kailash Man Pradhan Embassy of Japan10 Mr. Jun Sakuma Chief Representative, JICA Nepal Office11 Ms. Aika Tomimatsu JICA project formulation Advisor12 H. E. Bandana Rana UN CEDAW Committee Member13 Mr. Arjun Tulachan Hotel Sunset View, Kathmandu14 Ms. Amira Dali President, Love Green Nepal15 Ms. Rampyari Shrestha Ex MOE Member16 Ms. Safala Rajbhandari Teacher trainer, Rato Bangala School, Kathmandu17 Mr. Krishna Prasad Khatiwada President YOUCASP, Dhading18 Mr. Sher Bahadur Gurung YOUCASP, Dhading19 Mr. Shiva Khatiwada Patle school Principle, Dhading20 Mr. Ram Bahadur Gurung Patle school President, Dhading21 Mr. Bam Prasad Upadhyaya Janachetana School President, Kapilvastu22 Mr. Sambhuram Khanal Janachetana School Principle, Kapilvastu23 Sister Toshiko Kawaoka Sakura Dormitory Steering Committee Member24 Ms. Michiko Yumidate From Japan with Sister Kawaoka25 Mr. Takashi Miyahara Board Member of Pokhara Project26 Mr. Nariaki Kurumizawa From Japan, Architect27 Ms. Keiko Kainou Mr. Kim Drawing Group Member28 Mr. Masao Wada Japan International Labour Foundation

(2)Journalists

29 Ms. Rubi Rauniyar Nagariknews Reporter, Kathmandu30 Mr. Lal Prasad Sharma Kantipur news, Pokhara31 Mr. Deepak Pariyar Samadhan news, Pokhara32 Mr. Bharat Koirala Himalayan Times, Pokhara33 Mr. Basanta Basnet Kantipur news, sr. Sub Editor, Kathmandu

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36    

(3)KCP  Name Post

1 Mr. Surendra Bdr. Bharijoo Founder, Campus Chief2 Mr. Yogendra Lal Pradhan Chairman, KCP Management Committee3 Mr. Ganesh Prasad Sharma Poudel Vice-Chairman, KCP Management Committee4 Mr. Lekhat Man Lavaju Ex-Chairman, KCP Management Committee5 Mr. Ganesh Bahadur Shrestha Member, KCP Management Committee6 Mr. Shiva Lal Malla Member, KCP Management Committee7 Mr. Madan Sharma Member, KCP Management Committee8 Mr. Gopal Dhoju Member, KCP Management Committee

9 Mr. Suresh Manandhar Campus Chief, Member, KCP Management Commit-tee

10 Mr. Krishna Mohan Shrestha Member, KCP Management Committee11 Mr. Baman Kumar Parajuli Member, KCP Management Committee12 Ms. Indra Kamal Manandhar Member, KCP Management Committee13 Mr. Mejor Man Bajracharya Ex-Member, KCP Management Committee14 Mr. Jayaram Hamal Ex-Member, KCP Management Committee15 Mr. Thaman Singh Gurung Ex-Member, KCP Management Committee16 Mr. Uttam Bahadur Bijukchhe KCP17 Ms. Anjana Shrestha KCP18 Mr. Iswor Kumar Shrestha KCP19 Mr. Yadav Raj Adhikari KCP Teacher20 Mr. Govinda Raj Parajuli Academic Administrative, KCP21 Ms. Bhagabati Parajuli Library, KCP22 Ms. Anu Shrestha Coordinator, KCP Students Welfare Committee23 Mr. Narahari Gautam KCP Teacher24 Mr. Ghana Bahadur Thapa KCP Teacher25 Mr. Ganesh Prasad Neupane KCP Teacher26 Mr. Krishna Bahadur Tamrakar Account Officer, KCP27 Mr. Chitra Bahadur Shrestha KCP Teacher28 Ms. Laxmi Sapkota KCP Teacher29 Mr. Rajendra Bahadur Devkota KCP Teacher30 Mr. Bhumiraj Bastakoti KCP Teacher31 Ms. Sangita Bajracharya Coordinator, KCP Ex-Student Committee

34 Mr. Binod Ghimire Kathmandu Post, Kathmandu35 Mr. Dipak Dahal Nepal Republic, Kathmandu36 Mr. Makar Shrestha Kantipur Newspaper Reporter, Kathmandu

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第3部 資料  37

(5)さくら寮生の家族1 Santa Khanal mother2 Santa Khanal child3 Ganga’s daughter4 Samghana’s child5 Manisha’s child6 Manisha’s husband7 Amrita Sharma’s son8 Himani’s mother9 Pampha’s child10 Sabitri’s child11 Sabitri’s mother12 Srijana Saud’s daughter13 Kalpana Saud’s son14 Sita Bhul’s son15 Padma Budha’s son16 Padma Budha’s husband

17 Sujata’s mother18 Khima’s son19 Khima’s husband20 Dipa’s husband21 Shyam Dulari’s son22 Belaspura’s daughter

(6)Extra Guests23 Photographer 24 Videographer25 Driver of Mr. Hari Lamsal26 Driver of Himalaya Kanko27 Driver of Himalaya Kanko 28 Vijay Dhoju29 Dhoju family30 Dhoju family31 Dhoju family

(7)日本ネパール女性教育協会役員・会員等マンジュ・ドージュ(寮母)

新井場貞子,磯公美子,今村 務,今村美知子,岩谷栄子,大柄みや子,深田洋子,松波勝弘,山口洋子,

矢野可穂理,山下威士,山下泰子(計13名)

(4)さくら寮生・卒業生

1期生(4) Amrita S, Sunita G, Samghana S, Shanta K2期生(6) Sashikala N, Manisha U, Himani B, Pampha K, Lalmaya B, Ganga P3期生(6) Sabitori R, Puspa L, Shrijana S, Kaushila B, Sharumila B, Rajani G4期生(6) Parbati G, Sujata A, Kalpana K, Mana K, Sita K, Padama K5期生(6) Sushila K, Laxmi D, Raju K, Dhan K, Shyamdulari T, Kamala G6期生(7) Bam K, Bipana K, Dipa K, Janaki S, Khima K, Sita G, Shrijana B

7期生(8) Aarti P, Asmita B, Belaspura N, Bipana N, Laxmi D, Radha K, Shivalaxmi M, Sumitra R

8期生(10) Amrita R, Anita K, Hira M, Jayanti C, Kabita U, Karuna P, Sabina G, Shrijana K, Soniya R, Tirsana N

9期生(7) Nirmala P, Mina K, Parbati T, Amrita U, Ambika M, Prema G, Gita G

10期生(10) Chandika R, Damana K, Gita J, Goma G, Lalita P, Menuka B, Nirmala G, Premkala S, Puja K, Samjhana B

 計70名(うち乳幼児同伴者14名)

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38    

注記:*はJNFEA役員の運営担当者。   **本コースに参加できず,チャリティ代寄付者として井原喜美代さん,山下紗衣さん。

(8)さくら寮10周年チャリティ・ツアー参加者Aコース(21人)1 山下泰子*2 山下威士*3 中井惠美子4 丸山和郎5 松波勝弘*6 上田説子7 沖藤典子8 小野寺幸子9 白柳彰子10 大倉多美子11 大倉昭彦12 柚木康子13 竹内勝子14 佐子昭子15 渡邉豊子16 石井幸子17 嶋田桃代18 初山京子19 中井紀明

20 松橋登史子21 丸山節子

Bコース(11人)22 大野清子23 武田ひろ子24 武田利栄子25 肥沼田鶴子26 杉原昭子27 髙岡日出子28 東出直子29 柳澤日出子30 川島瑠璃31 山口洋子*32 齋藤洋子

Cコース(3人)33 井坂眞知子34 上聰裕美35 瀬尾真喜子

Page 41: 報 告 書jnfea.com/10kinenshi.pdfDr. Hari Prasad Lamsal(ネパール教育省次官) 32 H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使) 32 新聞の記事から

目   次

はじめにさくら寮開設10周年記念行事を終えて 山下泰子  2「さくら寮」開設10周年記念事業のご案内  4さくら寮プロジェクトについて Surendra Bahadur Bharijoo  5さくら寮開設10周年記念式典プログラム  6

第1部 ご祝辞H. E. Ms. Bidhya Devi Bhandari(ネパール連邦民主共和国大統領)  10小川正史(在ネパール日本大使)  11H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使)  12佐久間潤(JICAネパール事務所長)  13さくら寮開設10周年記念式典お礼のご挨拶  14

第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果さくら寮プロジェクトの10年とこれから 山下泰子  16日本で学んだことを活かして Sujata Acharya  21さくら寮で学んだことを活かして Kaushila Budhathoki  23未就学児への取り組み Shanta Khanal  25公務員として女性の地位向上に Amrita Sharma  27チャウパディ慣習の根絶に向けて Shrijana Saud  29講 評 H. E. Ms. Bandana Rana(国連女性差別撤廃委員会委員)  31 Dr. Hari Prasad Lamsal(ネパール教育省次官)  32 H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使)  32新聞の記事から 2016. 10. 20 Samadhan  1 2016. 10. 21 Kantipur  9 2016. 10. 22 Nagarik News  15 2016. 10. 28 Kathmandu Post  33

第3部 資料さくら寮開設10周年記念行事報告  3410周年記念参加者リスト  35瀬尾真喜子ピアノコンサート曲目──‘Let’s travel all over the world by music !’ 表4

2017年1月20日 発行

主 催:特定非営利活動法人 日本ネパール女性教育協会/カニヤ・キャンパス・ポカラ

助 成:公益財団法人 東芝国際交流財団

JNFEA役員・会員の運営担当者:山下泰子,新井場貞子,岩谷栄子,磯公美子,今村 務,今村美知子,大柄みやこ,深田洋子,松波勝弘,矢野可穂理,山下威士,山口洋子,マンジュ・ドージュ

本報告書の刊行:JICA草の根技術協力事業「女性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト」

目   次

はじめにさくら寮開設10周年記念行事を終えて 山下泰子  2「さくら寮」開設10周年記念事業のご案内  4さくら寮プロジェクトについて Surendra Bahadur Bharijoo  5さくら寮開設10周年記念式典プログラム  6

第1部 ご祝辞H. E. Ms. Bidhya Devi Bhandari(ネパール連邦民主共和国大統領)  10小川正史(在ネパール日本大使)  11H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使)  12佐久間潤(JICAネパール事務所長)  13さくら寮開設10周年記念式典お礼のご挨拶  14

第2部 さくら寮プロジェクト10年の成果さくら寮プロジェクトの10年とこれから 山下泰子  16日本で学んだことを活かして Sujata Acharya  21さくら寮で学んだことを活かして Kaushila Budhathoki  23未就学児への取り組み Shanta Khanal  25公務員として女性の地位向上に Amrita Sharma  27チャウパディ慣習の根絶に向けて Shrijana Saud  29講 評 H. E. Ms. Bandana Rana(国連女性差別撤廃委員会委員)  31 Dr. Hari Prasad Lamsal(ネパール教育省次官)  32 H. E. Mr. Kedar Bhakta Mathema(元在日ネパール大使)  32新聞の記事から 2016. 10. 20 Samadhan  1 2016. 10. 21 Kantipur  9 2016. 10. 22 Nagarik News  15 2016. 10. 28 Kathmandu Post  33

第3部 資料さくら寮開設10周年記念行事報告  3410周年記念参加者リスト  35瀬尾真喜子ピアノコンサート曲目──‘Let’s travel all over the world by music !’ 表4

2017年1月20日 発行

主 催:特定非営利活動法人 日本ネパール女性教育協会/カニヤ・キャンパス・ポカラ

助 成:公益財団法人 東芝国際交流財団

JNFEA役員・会員の運営担当者:山下泰子,新井場貞子,岩谷栄子,磯公美子,今村 務,今村美知子,大柄みやこ,深田洋子,松波勝弘,矢野可穂理,山下威士,山口洋子,マンジュ・ドージュ

本報告書の刊行:JICA草の根技術協力事業「女性教師養成制度の構築を目ざすプロジェクト」

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報 告 書

さくら寮開設10周年記念行事2016. 10. 19

特定非営利活動法人

日本ネパール女性教育協会