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資料-4 旅行による効用検証結果のとりまとめ 旅行による効用検証結果のとりまとめ 1

旅行による効用の検証結果のとりまとめ—…行前後およびツアー中にPOMS調査を実施 鹿児島の 定量評価 5 気分に関する調査 ⇒旅行に出かける旅行者の気分に関する調査から

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資料-4

旅行による効用の検証結果のとりまとめ旅行による効用の検証結果のとりまとめ

1

目 次

1.効用調査の目的

2.旅行による効用の考え方

3.効用調査の内容

4.効用調査の結果

旅5.旅行の効用のまとめ

2

1.効用調査の目的

【調査の目的・ねらい】

旅行がもたらす旅行者個人の健康増進に関するデータを収集・整理・分析し、旅行によって発現することが期待される効用を体系的に整理する。

◆ 心の変化 行動の変化 身体の変化の視点で 旅行がもたら◆ 心の変化、行動の変化、身体の変化の視点で、旅行がもたらす旅行者個人の健康増進効果を検証

今年度お び 去 参加 た方を対象 短期的効用◆ 今年度および過去にツアーに参加した方を対象に、短期的効用に加え、中・長期的な視点による旅行の効用を検証

3

2.旅行による効用の考え方

【ユニバーサルツーリズムにおける効用】◆ 移動や日常の生活に制約がある“高齢者”や“障害者”に着目した効用の検証◆ 旅行全般の効用とされる心身のリラックス効果 + 行動の変化

【ユニバーサルツーリズムにおける効用】

◆ 旅行全般の効用とされる心身のリラックス効果 + 行動の変化

(心の変化、身体の変化)

UTにおける効用の考え方行動の変化

・外出頻度の増加・社会参加の増加通院 数 減少

UTにおける効用の考え方

・次の旅行への準備・幸福感の持続

心の変化

・通院回数の減少 中期的効用

・旅行中の満足感、幸福感( 精神的健康感)

・リラックス効果 身体の変化

・歩行レベル 身体機能の

短期的( 一時的)

効用 ・歩行レベル、身体機能の維持・回復( リハビリ)

・介護のレベルの低下

効用

長期的効用企画

準備 健康 効用準備 健康

維持・増進

4

3.効用調査の内容

【調査概要】【調査概要】◆ 旅行による効用の検証に向け、以下の4つの調査を実施

概要 調査対象

旅行経験者への

過去の旅行経験についてアンケート調査を実施⇒旅行経験に基づく旅行後の中長期的に発現する

過去BF旅行等の旅行経験者へのアンケート調査

“行動の変化”や“身体の変化” を検証

【実施期間】 平成25年11月1日(金)~11月11日(月)※第2回検討会で報告

過去BF旅行等の参加者(124名)

モニターツアー参加者へのアンケート調査

モニターツアー後にアンケート調査を実施⇒旅行中および旅行前後における短期的(一時的)

に発現する“心の変化”を検証

※第3回検討会で報告

全地域のモニターツアー参加者(11名)

※第3回検討会で報告

唾液アミラーゼ活性の測定によるストレス診断

旅行中に唾液アミラーゼを測定⇒旅行中の観光や入浴等の行動に基づく

いわきのモニターツアー

測定によるストレス診断旅行者の“ストレス状態の変化“を検証 参加者(8名)

POMSを用いた旅行者の旅行前後およびツアー中にPOMS調査を実施 鹿児島の

定量評価

5

POMSを用いた旅行者の気分に関する調査

⇒旅行に出かける旅行者の気分に関する調査から

旅行による“心理的な変化”を検証モニターツアー参加者(8名)定量評価

4.効用調査の結果

(1)旅行経験者へのアンケ ト調査

■調査対象

ク ブ リズム 旅行等 参加経験者

(1)旅行経験者へのアンケート調査

クラブツーリズムのBF旅行等のツアーへの参加経験者(※クラブツーリズムの協力のもと、直近1年以内にツアーに参加し、かつ複数回以上BF旅行に参加した方を抽出)

■回答数

■質問項目

回答数

124通

旅行経験に基づく、旅行後に発現する効用として想定される“行動の変化”“身体の変化”を整理・分析可能なデータを収集

①旅行の主な目的

②旅行に向けた体調管理や準備を始める時期

③旅行経験に基づく生活や行動の変化③旅行経験に基づく生活や行動の変化(移動や外出に対する自信、コミュニケーション、外出頻度、社会参加、リハビリや通院回数等:8項目)

④旅行経験に基づく身体機能の変化とその具体的な内容

⑤旅行経験に基づく健康増進効果の有無

6

⑤旅行経験に基づく健康増進効果の有無

⑥個人属性(年齢・性別、障害の有無、旅行経験 等)

4.効用調査の結果

(1)旅行経験者へのアンケ ト調査(1)旅行経験者へのアンケート調査

■旅行の主な目的

55息抜き(リラックス)74息抜き(リラックス)

A:初めての旅行時 B:2回目以降の旅行時

20

13

健康増進

リハビリテーション

74

27

25

息抜き(リラックス)

健康増進

リハビリテーション

67

29

趣味・楽しみ

家族や友人との交流・

コミュニケーション

85

26

趣味・楽しみ

家族や友人との交流・

コミュニケーション

46

7

コミュニケ ション

初めて訪れる場所の文化や

地元の人々との触れ合い

その他

48

27

コミュ ケ ション

初めて訪れる場所の文化や

地元の人々との触れ合い

その他

0 20 40 60 80 1000 20 40 60 80 100回答者数:124 回答者数:124

7

◆初めての旅行、2回目以降の旅行ともに、「趣味・楽しみ」や「息抜き」を目的として旅行に出かけている。

4.効用調査の結果

(1)旅行経験者へのアンケ ト調査(1)旅行経験者へのアンケート調査

■旅行経験に基づく生活や行動の変化

増えた やや増えた 変わらないやや減った 減った凡例増えた やや増えた 変わらない やや減った 減った凡例

A:初めての旅行時 B:2回目以降の旅行時回答者数:124 回答者数:124

増えた

30%

28%

やや増えた

39%

44%

変わらない

30%

28%

やや減った

1%

1%

減った凡例

健康・体調管理への意欲・意識

外出への自信

増えた

33%

33%

やや増えた

33%

48%

変わらない

34%

19%

やや減った

1%

1%

減った凡例

健康・体調管理への意欲・意識

外出への自信

20%

15%

35%

27%

45%

54% 2% 1%

コミュニケーション

外出頻度

20%

20%

38%

30%

42%

48% 1%

コミュニケーション

外出頻度

11%

13%

2%

15%

18%

7%

72%

67%

88%

1%

1%

1%

2%

1%

社会参加

リハビリ・運動

通院回数

11%

10%

2%

15%

23%

6%

72%

64%

88%

3%

4%

2%社会参加

リハビリ・運動

通院回数 % %

11%

88%

85%

%

2%

1%

3%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

通院回数

通所回数2%

6%

5%

88%

93%

4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

通院回数

通所回数

8

◆旅行前後の変化や効果として、「健康や体調管理に対する意識・意欲(約66%、約69%)」や「移動や外出に対する自信(約81%、約72%)」といった“心の変化”が大きい。

4.効用調査の結果

(1)旅行経験者へのアンケ ト調査(1)旅行経験者へのアンケート調査

■旅行経験に基づく身体機能の変化 ■健康増進効果の有無

あまり期待できない2%

期待できない1%

■旅行経験に基づく身体機能の変化 ■健康増進効果の有無

変化があった

どちらともいえない24% 期待できる

どちらとも

いえない16%

36%

変化がない40%

35%

やや期待できる%40% 46%

有効回答:118 有効回答:116

◆旅行を経験することに身体機能の変化について、約36%の回答者が身体機能の変化(向上)を実感している

有効回答

9

ている。◆また、旅行経験者の約81%が、旅行による健康増進効果が「期待できる」、「やや期待できる」と回答し

ている。

4.効用調査の結果

(1)旅行経験者へのアンケ ト調査(1)旅行経験者へのアンケート調査

■旅行経験に基づく身体機能の変化、旅行の効用に関する意見

≪心の変化≫

○ 人生を楽しむという精神面が向上した。もっと元気になろうという意欲が湧いた。気 欲 湧○ 旅行に行くことで、元気と笑顔が生まれる。

≪行動の変化≫

○ 外出 回数を増やすよう努力 る ビ も出来る限り行くよう な た○ 外出の回数を増やすよう努力している。リハビリにも出来る限り行くようになった。○ 旅行に出ることで沢山の友達ができて、メールや電話などもかわすようになった。

≪身体の変化≫≪身体の変化≫

○ 車いすを使用せずに、歩行可能な距離が増えた。○ 要介護5から要介護2になった。杖を使用して300mほど歩けるようになった。

≪その他≫

○ 「また旅行に行きたい」と希望が生まれ、「次はどこに行こうか」と話題が増えるなど、楽しい時間が増えた。

10

楽 時間 増 。○ 他の参加者と一緒に行動できることに喜びを感じた。

4.効用調査の結果

(2)モニタ ツア 参加者へのアンケ ト調査

■調査対象

(2)モニターツアー参加者へのアンケート調査

本年度3地域で実施したモニターツアーの参加者:計11名

◇石川(H25.1.9~1.10) : 障害のある方3名◇いわき(H25 1 15~1 16) : 障害のある方4名

■質問項目

◇いわき(H25.1.15 1.16) : 障害のある方4名◇鹿児島(H25.1.19~1.20) : 障害のある方4名

■質問項目

①旅行前の準備・不安⇒旅行に向けた準備や体調管理を始める時期とその内容、旅行に対する不安

②今回のモニターツアーの評価⇒ツアー全体の満足度、観光地や宿泊施設の改善点、ツアーを通じての感想

③次 降 旅行 向 た意識③次回以降の旅行に向けた意識⇒次回旅行への意欲・自信、今後の生活への意欲の変化

(健康や体調管理、外出、コミュニケーション、社会参加、リハビリ・運動)

④旅行 効

11

④旅行の効用⇒旅行を通じた心理的・身体的な変化、旅行による「健康増進効果」の有無

4.効用調査の結果

(2)モニタ ツア 参加者へのアンケ ト調査

■モニターツアーの満足度

(2)モニターツアー参加者へのアンケート調査

どちらとも

いえない9%

回答者数:11

【回答理由の 例】

9%

○ 個人旅行では旅先で説明を聞くことはなかったが、今回のツアーでは、観光先のことなど色々説明を聞くことができてよかった

【回答理由の一例】

満足36%

やや満足

ができてよかった。

○ 思っていた以上に中身が濃く、いわき防災、減災ツアーではとても勉強になった。

○ サポーターの方をはじめ 優しく接してもらえるのが嬉しくやや満足55%

○ サポ タ の方をはじめ、優しく接してもらえるのが嬉しくて、旅行が続けられる。

◆ タ ツア の満足度に いて ツア の内容だけでなく 現地サポ タ や施設等の対応 の

12

◆モニターツアーの満足度について、ツアーの内容だけでなく、現地サポーターや施設等の対応への好評価から、参加者の11人中10人が「満足」「やや満足」と回答。

4.効用調査の結果

(2)モニタ ツア 参加者へのアンケ ト調査

■次回旅行への参加意向 ■今後の生活に対する意欲の変化

(2)モニターツアー参加者へのアンケート調査

意欲が

高ま

あまり意欲に

変 な変わらない凡例

回答者数:11

■次回旅行への参加意向 ■今後の生活に対する意欲の変化

回答者数:11

高まった

73%

変化はない

18%

変わらない

9%

凡例

健康や体調管理

日常的な外出

できれば

行きたい18%

55%

64%

36%

27%

9%

9%

日常的な外出

コミュニケーション

ぜひ行きたい

64%

82%

27%

9%

9%

9%

社会参加

リハビリ・運動

82%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

◆モニターツアー参加者全員が、次回旅行への期待から「また旅行に行きたい」と回答。◆また、旅行経験(モニターツアー)に基づく心の変化として、半数以上が今後の生活に対する意欲が

13

◆また、旅行経験(モ タ ツア )に基づく心の変化として、半数以上が今後の生活に対する意欲が向上したと回答している。特に、「健康や体調管理」や「リハビリテーション、運動」に対する意欲が向上したという回答が多い。

4.効用調査の結果

(2)モニタ ツア 参加者へのアンケ ト調査

■旅行を通じた変化の実感

(2)モニターツアー参加者へのアンケート調査

①心理的な変化

①心理的な変化

②身体的な変化 【具体的な変化の内容(一例)】

回答者数:11①心理的な変化

○人と話したい気持ちが出てきた。

○人や景色を観ることが良い刺激になって、気持ちが明るくなる。

回答者数:11

どちらとも○旅先では心が自然と開かれ、初めての方

とも自然とお話ができるようになる。○リハビリに励めるようになった。○周囲の障害を持つ人にも、ぜひ旅行に出変化が

あ た

変化は

なかった9%

どちらとも

いえない18%

変化が

あった37%

どちらとも

いえない27%

かけることや、外出することを勧めたい。

②身体的な変化

○左半身が不自由でも、旅行に出かける

あった73% 変化は

なかった36%

たびに不自由を感じなくなってきた。○旅行中のバス等での移動が、いい筋トレ

になっている。(自然体でリハビリ)

14

◆旅行を通じた自身の変化として、11人中8人の参加者が心理的な変化を実感し、11人中4人の参加者が身体的な変化を実感したと回答。

4.効用調査の結果

(3)唾液アミラ ゼ活性の測定によるストレス診断

■調査対象

(3)唾液アミラーゼ活性の測定によるストレス診断調査機器(唾液アミラーゼモニター)

いわきでのモニターツアーの参加者:計8名[障害のある方4名、同行者(ご家族)4名]

■調査方法■調査方法

・旅行者の唾液を採取し、「唾液アミラーゼ活性」を測定・1泊2日のツアー行程の中で、5回の測定を実施

⇒観光行動の前後 入浴前後 2日目の起床後(基準値)⇒観光行動の前後、入浴前後、2日目の起床後(基準値)

【測定②】観光前@バス車内

【測定②】観光後@バス車内

【測定①】観光前@昼食会場

【ツアー行程と調査スケジュール】【調査の流れ】

調査の様子

①測定前に水を少量飲む※1~2分時間をあける(その間に脈拍を測定)

②唾液採取用チップを口に含み、30秒程度待つ

③シ トを口から出す (唾液採取紙の反対側を伸ばす)

【測定③】入浴前@ホテル

【測定④】入浴後@ホテル

【測定③】起床後@ホテル

③シートを口から出す (唾液採取紙の反対側を伸ばす)

④チップを測定機器(アミラーゼモニター)に差し込む

⑤測定機器の指示に従いながら、唾液アミラーゼを測定

15

※レバー操作、唾液採取用チップの操作 等⑥測定結果を記録用紙に記入

※1度の測定につき、2回計測を実施

4.効用調査の結果

(3)唾液アミラ ゼ活性の測定によるストレス診断

【分析の考え方】

(3)唾液アミラーゼ活性の測定によるストレス診断

◆高齢の方は唾液量が少なく、数値が計測できない場合が多い(本調査においても2名計測できなかった)

⇒モニター8名のうち、有意な数値が計測できた6名を対象に分析を実施

◆観光前後の計測は、調査開始時の被験者が測定に不慣れな状態での数値であり、ばらつきが大きい

⇒『入浴前・入浴後・起床後』の3回の計測データを採用し、リラックス効果を分析※起床後の数値を各モニターの基準値として分析 (1日の中で最も落ち着いた状態)

◆唾液アミラーゼ活性測定値の増減により、旅行中のリラックス効果を検証

377400(kU/L)

モニタ 属性

【モニターの属性】 唾液アミラーゼ活性の測定結果

250

300

350モニター 属性

被験者A70代男性

(障害あり・手動車いす)

被験者B80代男性

(障害あり・手動車いす)

入浴後の数値が低くなる傾向にあり、入浴によるリラックス効果が得られた

7048

116 108108

34

159

33

100

150

200(障害あり 手動車いす)

被験者C 80代女性

被験者D60代男性

(障害あり・手動車いす)

21 29 2634 284 2

1533 27 27

0

50

入浴前 入浴後 基準値(起床後)

被験者A 被験者B 被験者C 被験者D 被験者E 被験者F 平均値 16

被験者E 60代女性

被験者F70代男性

(障害あり・杖使用)

4.効用調査の結果

(3)唾液アミラ ゼ活性の測定によるストレス診断

モニターごとの測定結果

(3)唾液アミラーゼ活性の測定によるストレス診断

100%

唾86.7%

100%

①入浴前後の数値の変化率 ②入浴後の基準値からの変化率

70.0% 69.2%73.1%

50.0%60%

80%唾液アミラー

56.3%

77.6%

60%

80%唾液アミラーゼ

リラックス効果あり

17.6% 16.9%

0%

20%

40%ゼ活性化の変

0.0%0%

20%

40%ゼ活性化の変

(数値が減少)

‐20%

0%

被験者A 被験者B 被験者C 被験者D 被験者E 被験者F

変化率 ‐7.9% ‐11.5%

‐20%

0%

被験者A 被験者B 被験者C 被験者D 被験者E 被験者F

変化率

リラックス効果なし

モニター6名全員が、入浴により癒し効果を感じている

(唾液アミラーゼ活性の測定値が平均49.5%低減※)

(数値が上昇) モニター6名中3名が、基準となる数値以上の癒し効果を感じている

(唾液アミラーゼ活性の測定値が平均40.2%低減※ )※モニター6名の平均変化率

※モニター6名の平均変化率

17

◆ 観光行動の一つの要素である「入浴」により、被験者の多くがリラックス効果を実感◆ モニターの中には、基準値を下回る数値が計測されており、大きな癒し効果が得られたと考えられる

4.効用調査の結果

(4)POMSを用いた旅行者の気分に関する調査 POMS (P fil f M d St t )

■調査対象

(4)POMSを用いた旅行者の気分に関する調査 POMS (Profile of Mood States)

○ 「緊張」「抑うつ」「怒り」「活気」「疲労」「混乱」の6つの尺度を用いて、気分や感情の状態を測定する『気分プロフィール検査』

○ 上記6つの尺度に関する30項目(各5問)の

鹿児島でのモニターツアーの参加者:計8名[障害のある方4名、介助者4名]

■調査方法

質問に対し、気分の状態を回答⇒まったくなかった(0点)⇒すこしあった(1点)⇒まあまああった(2点)⇒かなりあった(3点)⇒非常に多くあった(4点)■調査方法

・旅行前後とツアー行程中に計4回、旅行者の気分を調査⇒旅行の約1週間前、帰宅してから約1週間後

⇒ツアー中2回(旅行先到着時 旅行直後)

⇒非常に多くあった(4点)

ったくなか

った

すこしあ

った

まあまああ

った

かなりあ

った

非常に多くあ

った

調査項目

⇒ツアー中2回(旅行先到着時、旅行直後)

【調査スケジュール】

調査 実施時期 実施方法

1 気がはりつめる □ □ □ □ □2 怒る □ □ □ □ □3 ぐったりする □ □ □ □ □4 生き生きする □ □ □ □ □5 頭が混乱する □ □ □ □ □6 落ち着かない □ □ □ □ □7 悲しい □ □ □ □ □8 積極的な気分だ □ □ □ □ □

事前調査 旅行の約1週間前ツアー出発の約1週間前に実施

※事前に調査票を配布し、自宅にて回答

旅行時調査① 旅行先に到着直後・ツアー当日、観光先に到着直後に実施

長距離移動による旅行者の気分の変化状態を把握

8 積極的な気分だ □ □ □ □ □9 ふきげんだ □ □ □ □ □10 精力がみなぎる □ □ □ □ □11 自分はほめられるに値しないと感じる □ □ □ □ □12 不安だ □ □ □ □ □13 疲れた □ □ □ □ □14 めいわくをかけられて困る □ □ □ □ □15 がっかりしてやる気をなくす □ □ □ □ □16 緊張する □ □ □ □ □旅行時調査① 旅行先に到着直後 ⇒長距離移動による旅行者の気分の変化状態を把握

※観光先到着後、バス車内で回答

旅行時調査② 旅行終了後・ツアー終了後、アンケート調査の回答前に実施

⇒2日間の旅行による気分の変化状態を把握※・全行程終了後、移動のバス車内で回答

16 緊張する □ □ □ □ □17 孤独でさびしい □ □ □ □ □18 考えがまとまらない □ □ □ □ □19 へとへとだ □ □ □ □ □20 あれこれ心配だ □ □ □ □ □21 気持ちが沈んで暗い □ □ □ □ □22 だるい □ □ □ □ □23 うんざりだ □ □ □ □ □

とほうに暮れる □ □ □ □ □

18

※ 全行程終了後、移動のバス車内で回答

事後調査 旅行後約1週間・ツアー終了から約1週間後に実施

※自宅にて回答し、調査票を郵送回収

24 とほうに暮れる □ □ □ □ □25 はげしい怒りを感じる □ □ □ □ □26 物事がてきぱきできる気がする □ □ □ □ □27 元気でいっぱいだ □ □ □ □ □28 すぐにかっとなる □ □ □ □ □29 どうも忘れっぽい □ □ □ □ □30 活気がわいてくる □ □ □ □ □

4.効用調査の結果

(4)POMSを用いた旅行者の気分に関する調査

◆ モニターツアー参加者8名の調査結果をもとに分析を実施

【 タ 属性】 障害 ある方 名(男性 名 女性 名) 介助者 名(男性 名 女性 名)

(4)POMSを用いた旅行者の気分に関する調査

【モニターの属性】 障害のある方:4名(男性3名、女性1名)、介助者4名(男性2名、女性2名)

尺度別T得点の平均値の変化

※T得点は気分プロフィール換算表より算出(一般的に40点~60点の場合は健常とされている)

TMD得点の変化の一例

※TMD(Total Mood Disturbance)得点活気( )以外の 尺度の得点の合計から活気( )の得点を差し引いたもの

10

20

60

70

積極性や前向きな気持ちが向上(「活気」の項目が増加)

心の乱れが安定(「混乱」の項目が低下)

⇒活気(V)以外の5尺度の得点の合計から活気(V)の得点を差し引いたもの※得点が低いほど、気分のマイナス要素が少なく気分が良い状態であると解釈

障害のある方、介助者ともに旅行後の数値低下が見られる

(旅行に良い気分の良い状態に変化)

10

0

10

30

40

50(旅行に良い気分の良い状態に変化)

30

‐20

‐10

10

20

‐30事前調査 旅行時調査① 旅行時調査② 事後調査

0T‐A

緊張‐不安

抑うつ‐落込み

A‐H怒り-敵意

活気

疲労

混乱

事前調査 旅行時調査① 旅行時調査② 事後調査

障害のある方 介助者

※TMD得点の傾向として、数値の低下が見られた方のみ表示(障害のある方、介助者の2名ずつを抽出)

19

◆ 旅行行動後に「活気」の数値が上昇しており、旅行に出かけることで旅行者の積極性や前向きな気持ちが向上する傾向にあることがわかる。

5.旅行の効用のまとめ

一時・短期的効用 (旅行前・旅行中・旅行直後) 中・長期的効用 (旅行後一定期間経過)

【旅行前】○旅行への期待

→旅行の主な目的は、「1位:趣味・楽しみ」、「2位:息抜き」、 「3位:初めて

○日常生活への意欲→旅行経験者の約70%が体調管理への意識・意欲が増加したと回答→人生を楽しむ気持ちが増し、健康を目指す意欲がわいた (※旅行経験者・自由意見)

○外出 の自信

心の変化

訪れる場所の文化や地元の人々との触れ合い」(※旅行経験者アンケート結果)

【旅行中】○旅行先での満足感、幸福感

→観光地や初めて訪れる場所への訪問、訪問先での体験、サポーターや同行者との出会いに満足感を感じている

○外出への自信→旅行経験者の約72%が移動や外出への自信が増加したと回答(特に、初めての旅行後は約81%

が増加したと回答)

○次回旅行への期待→モニターツアー参加者10名中7名が「また旅行に行きたい」と回答

○心の豊かさ・楽しみ(※モニターツアーアンケート結果) →人見知りが減少し、自分に自信が持てるようになった

→人生を楽しむという気持ちの面が向上した、もっと元気になりたい (※旅行経験者・自由意見)

【旅行前】○リハビリ回数の調整、体調管理

→事前の体調管理や準備を「約1カ月前」から始める方が最も多い

○外出頻度・旅行回数の増加→初めての旅行後に外出機会が増えたと約50%の旅行経験者が回答

○リハビリの回数の増加

行動の変化

(※旅行経験者アンケート結果)→旅行前の準備として睡眠時間の調整や食事の管理を実施する方が多い

(※モニターツアーアンケート結果)

【旅行中】○外出機会の創出○旅行先での歩行

→旅行を目的として継続的にリハビリに取組む方が多い(※横浜市リハビリテーション事業団へのヒアリング結果)

○社会参加・集団行動への参加→旅行を通じて仲間ができ、電話やメールで連絡をかわしている (※旅行経験者・自由意見)→同じ障害のある方と触れ合い、悩みや困りごとを相談できた (※旅行経験者・自由意見)

○通院回数の減少○旅行先での歩行→旅行先だと自然と体が動き、いつもより長い距離を歩いている

(※モニターツアー参加者へのヒアリング結果)

○通院回数の減少→旅行経験者の約5%が旅行を経験することで通院回数が減少したと回答

○ストレス状態の緩和、身体機能の活性化→景色を見たり、人と触れ合うことが良い刺激となり、気持ちが明るくなる

(※モニターツアーアンケート結果)

○身体機能の維持、回復→旅行経験者の約37%が身体機能の変化(向上)を実感→自宅以外のトイレが利用できるようになった (※旅行経験者・自由意見)

身体の変化

( タ ケ 結果)→唾液アミラーゼ活性の測定値が低下

(モニターツアー参加者6名全員が入浴後に数値が低下)→POMSによる気分プロフィール結果より「活気」の数値が上昇

(積極性や前向きな気持ちが上昇)

自 以外 利用 う な ( 旅行経験者 自由 見)

○歩行レベルの維持、回復 (高齢者、肢体不自由)→歩行距離が延びた、杖を使用して歩ける距離が延びた (※旅行経験者・自由意見)

○介護レベルの低下 (介護予防効果)→要介護認定のレベルが要介護5から、要介護2になった (※旅行経験者・自由意見)

○コミュニケーション能力の向上→旅行後2~3日は言葉がスム ズに出て 言語障害が良くなったように感じる

20

→旅行後2~3日は言葉がスムーズに出て、言語障害が良くなったように感じる(※旅行経験者・自由意見)

○健康増進→旅行経験者の約81%が、旅行による健康増進効果が期待できると回答