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ホテルグラン ドパレス 「第7 キャンパスベンチャーグランプリ(CV G) 」を した。CVG 8エリア れ、各エリア大 グランプリ・ グランプリを した 鋭たちが い、 った プレゼンテーシ ョンを げた。 ジネス 大学大学院 さん、 学大 ・テクノロジー 大学 大学院 さんが れた。学 キャンパスベンチャーグランプリ 委員 ◇委員長 アソシエイツ ◇委 マザーズシステム・ジャパン 援ネット 園  TDK テクノロジーグループ 井  マイクロソフト デベロッパー&プラットフ ォーム ジネスインキュベーションシニ アマネジャ MITエンタープライズ・フォーラム 委員 退【特別企画】 2011年 平成23年 4月14日 木曜日

2011年 平成23年 4月14日 木曜日 キャンパスベンチャーグラ …年後の日本はどのよ ―。今、何をすべきだろうかか。そのために我々はような国の姿を目指すのうな国になるのか。どの

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 日刊工業新聞社は3月3日、東京・飯田橋のホテルグラン

ドパレスで「第7回キャンパスベンチャーグランプリ(CV

G)全国大会」を開催した。CVGは全国8エリアで開催さ

れ、各エリア大会のグランプリ・準グランプリを受賞した精

鋭たちが東京に集い、熱意のこもった 件のプレゼンテーシ

ョンを繰り広げた。経済産業大臣賞・ビジネス部門大賞は早

稲田大学大学院の胡浩さん、文部科学大臣賞・テクノロジー

部門大賞には日本工業大学専門職大学院の原顯寛さんが選ば

れた。学生の所属先は3月3日現在。キャンパスベンチャーグランプリ全国大会

◆後援

 内閣府、経済産業省、文部科学省、日本商工会議所、

 日本経済団体連合会

◆協賛

 TDK、日本マイクロソフト、日本MITエンタ

 ープライズ・フォーラム

特別賞の説明

審査委員会◇委員長

一柳 良雄氏 一柳アソシエイツ社長

◇委 員

柿原 宏充氏 経済産業省経済産業政策局新規産業室企画官

池田 貴城氏 文部科学省研究振興局研究環境・産業連携課長

首藤 健次氏 マザーズシステム・ジャパン社長

西尾 昇治氏 東京商工会議所中小企業部部長

近藤 邦治氏 起業支援ネット評議員

上野 祐子氏 上野流通戦略研究所社長

寺園 晃二氏 TDK テクノロジーグループ技術企画部主幹

長井 伸明氏 日本マイクロソフト デベロッパー&プラットフ

ォーム統括本部ビジネスインキュベーションシニ

アマネジャ

吉田 宣也氏 日本MITエンタープライズ・フォーラム副理事長

本社主催

医療、日中間ビジネス時流に敏感なプラン多数

一柳良雄審査委員長

講評

 

年後の日本はどのよ

うな国になるのか。どの

ような国の姿を目指すの

か。そのために我々は

今、何をすべきだろうか

―。

 

年後の日本の姿を想

像すると、超高齢化と破

綻的財政によるハイコス

ト社会、人口減少による

生産と消費の縮小、新興

国の成長による国内の空

洞化現象の進行および担

税力と雇用の担い手の喪

失など、暗いキーワード

が並びます。さらに、東

日本大震災の大被害の影

響も危惧されます。この

ままでは、日本は躍進す

る新興国の中に埋没する

「先端衰退国」になって

しまう危機感すら感じま

す。

 日本を、世界から尊敬

され将来に希望が持てる

国にするためには、担税

力と雇用創出力を持った

「イノベーションカンパ

ニー

ベンチャー企

」の創出が不可欠で

す。そのためには政治も

行政も民間も一体とな

り、「チャレンジ精神を

持ち、世界の市場で力を

発揮できる企業を伸ばす

環境づくり」と「努力は

報われ、挑戦する者は応

援され、成功者は素直に

祝福される社会」を構築

していく必要がありま

す。

 「今の若者は気概がな

い」などと批判するのは

簡単ですが、批判するだ

けで事態が好転するもの

ではありません。批判す

るなら代案を出し、汗を

流し知恵を出して若者を

叱咤激励し、挑戦したく

げきれい

しった

なる社会を構築すること

が、私たち大人の責務で

す。それを少しでも実践

したいとの思いから、こ

のCVGの審査委員長を

させていただいていま

す。

 さて、今年のプランは

医療イノベーション、日

中環境ビジネス、スマー

トフォン、クラウドコン

ピューティング、地域活

性化などが取りあげら

れ、学生も時流に敏感な

ことがわかります。また

思いやり

社会貢献

を感じる作品が多か

ったことも特徴でした。

 ビジネス部門大賞には

胡浩君のプランを選びま

した。日本の中小企業の

環境技術を中国企業に紹

介し、コンサルティング

も行うプラットフォーム

を構築するプランで、今

日的課題を精力的に具体

化する努力をしている点

などが評価できます。

 テクノロジー部門の大

賞に選んだ原顯寛君のプ

ランは医療イノベーショ

ンに関するものです。従

来よりも低コストで本人

のさい帯血を保存する独

自技術で、志を持ちグロ

ーバルな視野と社会貢献

性を備え、完成度の高い

ビジネスプランでした。

 CVGは再チャレンジ

できます。惜しくも今回

は受賞を逃した諸君は、

ぜひプランをブラッシュ

アップし、再挑戦しても

らいたいと思っていま

す。

第7回

日本工業大学専門職大学院原 顯寛さん

経済産業大臣賞 ビジネス部門大賞

早稲田大学大学院胡 浩さん

ステムセルバンキング

幹細胞が誰でも活用できる社

会を目指す

WEBサイトを活用した情報

集約型プラットフォームの提

供による日中環境ビジネスの

推進事業

文部科学大臣賞 テクノロジー部門大賞

 これから実際に事業を

進める上で、賞を受賞し

たことはタイミング的に

も非常に重要な意味を持

っています。サポートし

ていただいた皆さまに深

く感謝します。

 限られているコストの

中で高品質なシステムを

制作し、運営・維持管理

をするためには中国IT

企業との連携が必要と思

いました。そこで、友人

の紹介で中国・大連にあ

るIT企業と交渉して連

携体制を整えました。

 収益を上げていない段

階での時間と資金の投

資、順調にシステム開発

を遂行できないリスクが

存在する中で、特にプロ

ジェクトチームの形成、

資金の調達、日中間にま

たがるプロジェクトマネ

ジメントに難しさを感じ

ています。JC―GMの

今月末の公開を目指して

システムを仕上げ、初期

情報を掲載してから営業

活動とPR・宣伝活動を

展開していきます。

 設立から早稲田大学の

永田勝也教授、小野田弘

士准教授に指導・サポー

トしていただきました。

大学発ベンチャーを育て

る環境に恵まれ、チーム

の形成や資金の調達をク

リアできました。事業を

遂行するためには異文化

への対応、環境・法律の

専門知識、IT企業との

連携体制、日中双方での

強いネットワーク、日中

間の綿密な調整・プロジ

ェクトマネジメントな

ど、いろいろな要素を備

えなければなりません。

このすべてを備えている

と自信を持っています。

 システムやサービスに

よって、日中間の中小企

業レベルでの環境ビジネ

スの円滑化・活性化を図

り、日中環境ビジネスの

掛け橋の役割を果たして

いきたいです。

◆プラン概要

 へその緒に含まれてい

るさい帯血は白血病など

の治療に役立つ。出産時

に採取・保管し、自身ま

たは家族のために必要な

とき活用する。従来のプ

ロセスは臨床検査技師の

手で約3時間、同プラン

は医師・助産師でも実施

でき、

分程度に短縮。

 事業計画の推進に協力

いただいている方々に感

謝の気持ちでいっぱいで

す。

 東日本大震災による原

発事故で、幹細胞の保管

が話題になっています。

私の場合、約4年前、化

粧品会社に勤務していた

ころ、女性の肌を真に活

性化するには細胞レベル

からではと思い、幹細胞

に興味を持ちました。幹

細胞を調べていくと、さ

い帯血が究極に若い細胞

として、難病などの治療

に極めて高い可能性があ

ることを知りました。一

方、貴重なさい帯血が日

本では

・5%以上捨て

られている事実に衝撃を

受けました。改善したい

と思ったことが、プラン

を考えたきっかけです。

 独自方法で仮説検証を

徹底的に行い、テクノロ

ジーの競争優位として既

存技術における制約仮説

を立て、知財戦略の策定

に力を入れました。日本

の当業界は揺籃期のため

らん

よう

データが不足していたの

で、約1000人の女性

にマーケティングリサー

チを行い、イノベーショ

ンポイントの明確化に労

力を掛けました。知財戦

略における排他権確保の

ポイントを考えることは

大変苦労しましたが、ビ

ジネススクールの教授の

多大な協力によって切り

抜けました。

 まずは日本のさい帯血

・5%も捨てられて

いる事実を改善します。

次に難病治療に貢献でき

る未来市場を、日本に創

造したいと考えていま

す。「未来と自分は変え

られる。未来のために積

極的に投資すべし」の気

持ちを忘れずに、イノベ

ーションによる市場創造

を実現し、グローバルに

展開していきたいと考え

ています。

( ) 【特別企画】 2011年 平成23年 4月14日 木曜日   

◆プラン概要

 ウェブサイト「JC―

GM

」で、環境技術

を持つ日本の中小企業の

中国進出をサポート。日

本企業が日本側のサイト

に技術・製品情報をアッ

プロードし、それを翻訳

して中国側のサイトに掲

載。簡単安価に情報を伝

達し、ビジネスをつなぐ。

◆TDK賞

 東京工業大学の加藤与

五郎博士と武井武博士が

発明した磁性材料フェラ

イトに注目し、工業化し

たことで知られるTD

K。さまざまな電子部品

・材料を世の中に送り出

し、エレクトロニクス社

会の発展に寄与したベン

チャー企業の元祖といえ

る存在。「創造によって

文化、産業に貢献する」

を社是、「夢 勇気 信

頼」を社訓とし、学生の

起業に自らの生い立ちを

重ね合わせ「TDK賞」

を贈っている。

◆マイクロソフト賞

 世界最大のソフトウエ

ア会社となったマイクロ

ソフト。ベンチャービジ

ネスの可能性を世に知ら

しめ、創業者のビル・ゲ

イツ氏はアメリカンドリ

ームの体現者として起業

家の目標であり続ける。

現在、日本法人の日本マ

イクロソフトは社会への

貢献、企業市民活動に力

を注いでおり、その観点

も反映して独創的なアイ

デアに「マイクロソフト

賞」を贈り、次代のIT

ベンチャーを育む。

◆MIT賞

 米マサチューセッツ工

科大学

MIT

の卒業

生が中心となって組織し

た特定非営利活動法人

NPO法人

である日

本MITエンタープライ

ズ・フォーラム。長い不

況を経験した日本が活力

ある社会を築いていくた

め、経験豊かな大学教授

や会社経営者によるセミ

ナー、派遣指導などを通

して起業支援・育成に取

り組んでいる。国際感覚

も生かして独自の視点で

「MIT賞」を選考し、

メンタリングによるフォ

ローアップも実施する。