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1 成長戦略 としてのフィンテック 日本型エコシステムの 共創を通じた発展の道筋

成長戦略 としてのフィンテック | Accenture...2016年のグローバルにおけるフィンテック投資は、アジア・パシフィックの飛躍により、1,790件、

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成長戦略 としてのフィンテック

日本型エコシステムの 共創を通じた発展の道筋

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北米アジア・パシフィック

グローバルフィンテック投資の推移(2010 年~ 2016 年)

ヨーロッパ その他 ディール件数

[参考] シリコンバレー

VC投資平均水準

ディール件数

フィンテック投資額︵百万ドル︶

0

1,889

339476

640

810947 1,184

1,790

2011 2016

1,800

1,200

020152013 201420122010

20,000

30,000

10,000

2,541 3,2314,819

13,338

21,04523,235

2

出典 :〔フィンテック投資〕CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析 〔シリコンバレー VC投資〕SiliconValleyInstituteforRegionalStudies「2016SiliconValleyIndex」(2016)

図 1 グローバルフィンテック投資の推移(2010 年~ 2016 年)

エグゼクティブサマリーフィンテックは、オープンイノベーションを通じた新たな社会価値の創造により、エコシステム参加者が各々の成長を実現する、新たな成長戦略としての意味合いを強めています。

2016 年は約 1,800 件、230 億ドル以上 ¹ もの資金が、幅広い地域・事業・技術に跨るフィンテック のスタートアップ企業に投資され、このトレンドがグローバル全体の大きなうねりとなっています。

日本における 2016 年のフィンテック投資は、前年比 135% 増の約 1.5 億ドルと順調な伸びを見せています。中長期的には、社会課題解決型のイノベーション創出の「場」として、日本の持つ好条件を生かすことで更なる発展が期待されます。

フィンテックのスタートアップ企業への投資は、2016年の232億ドル(前年比 10%成長)という、2、3年前に見受けられた毎年 2倍、3倍という成長スピードと比較すると落ち着きつつあるように見えます。その一方で、フィンテックの活用は金融機関のみならず、政府・行政機関や小売、情報通信、ハイテクといった多様な産業において業界の垣根を越えた議論が広がっています。

フィンテック勃興期に見られたような、スタートアップ企業が金融のアンバンドル化を促し、大手金融機関のビジネスを奪い取るという論調から、近年では、金融機関とスタートアップによるフィンテックを題材とした新たな付加価値の共創の動きや、異業種企業が自

らの保有する顧客基盤・商流・情報流等と金流を一体的に捉えたビジネスによる金融内包型のサービスにより市場参入を図るといった議論へ変化しています。例えば、ドイツのKreditech は、携帯電話で取得した位置情報やインターネット閲覧履歴、ソーシャルネットワークサービス(SNS)上での繋がり等のビッグデータを分析することにより与信リスクを評価するサービスを提供しています²。クレジットヒストリーなどの金融情報に関する情報の非対称性を超えて、異業種企業が自社の保有する情報により金融行為を可能にするための機能をスタートアップ企業が提供しているのです。

つまりフィンテックに対する市場の期待は、スタートアップ企業が既存市場をディスラプトし

て急成長を遂げることを期待したマネーゲームから、より着実な経済価値を生む手段としてスタートアップ企業と大企業が手を取り合うものへと変化しつつある、と言えます。これは、フィンテック投資において、バリュエーションは低下しつつも、ディール件数が大幅に伸長していることからも推察できるでしょう。

社会課題解決型のイノベーションという目線で見ると、日本は経済規模、人口密度・産業集積度、課題先進国の特色を生かし、「次のブーム」を巻き起こす土壌を持っていると言えます。スタートアップ企業のみならず、金融機関と産・官・学が連携し、日本型エコシステムの共創を通じてこのトレンドを作れるかが今後の最重要課題になるでしょう。

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ディール件数

600

1,800

1,200

0

476339

2012

640

2011 2016

1,790

2010

80160

127253 297

225219

314

300 378565

361

455

543

49

50

45

4450

58

2013

810

33

1817

16

4791

98

128

505

203

150119

9257

39

2015

947

1,184

2014

Later stageEarly stageAngel & Seed Mid stage Other

ステージ別フィンテック投資の推移(2010 年~ 2016 年)

3

2016 年のグローバルにおけるフィンテック投資は、アジア・パシフィックの飛躍により、1,790 件、232 億ドルと更なる伸長を見せています。

金額的成長は落ち着きを見せつつありますが、ディール件数は引き続き伸長していること、 及び近年のシリコンバレーの VC 投資が毎年 100 億ドル規模 3 であることを踏まえると、 フィンテックに対する期待値は引き続き高いと理解できます。

フィンテック投資の地域的な分散、事業・技術領域のカバレッジの広がりを勘案すると、 従来は変化の乏しかった金融ビジネスが、時代に即した新たな価値の創造を期待されるビジネスへと進化した、といっても過言ではないでしょう。

フィンテック活用の広がり

2016 年は、中国における数件の超大規模ディールがフィンテック投資を大きく牽引しています。中国のオンライン決済プラットフォーム「Alipay」を運営する、Eコマース大手AlibabaGroupHolding 傘下の金融サービス企業AntFinancialServicesGroupが、45億ドルもの資金調達を実施し、他にも「Lu.com」の事業を展開しているPingAn 傘下の Lufaxによる12億ドルの資金調達、中国第2位のEコマース企業 JD.comの消費者金融子会社であるJDFinanceによる10億ドルの資金調達に象徴されます。グローバルにおけるフィンテック投資の上位 5件は全て中国における資金調達であり、総額81億ドルは全体の3分の1以上を占めることから、2016年は中国の年であったと言っても過言ではありません。また、

これらに共通する点は、アンバンドル型のスタートアップ企業に投資家が資金運用目的で投資するものではなく、大手金融機関や異業種企業が自社の成長戦略の一環として資金供給しているということです。

ディール件数の側面から見てみると、これまで投資を牽引してきたシリコンバレー、ニューヨーク、ロンドンといった都市において、2015年対比 1.4 倍から1.6 倍といずれも大きく件数を伸ばしています。すなわち、中国の極端に大きなディールを除いて、全体的にバリュエーションが低下し投資家からの過剰な期待は落ち着きつつある一方で、実態の伴う資金調達が勢いを増してきていると言えます。

2010 年以降はディール件数が一貫して伸長していること、ステージ別にもMid・Laterステージのディールが常に一定の割合で存在していることを踏まえると、グローバル全体でフィンテックのベンチャーエコシステムが順調に育ってきていることを示しています。2016年には、Oscar や Trovと言った保険引受リスクや、CommonBond や SocietyOne といった与信リスクの取り方を変える企業がMid・Laterステージの企業とした新たな資金調達を実現しており、より本質的な金融機能を提供するスタートアップが育ってきていることが確認できます。フィンテックが単なる一過性のブームではないことは、この点からも理解できるでしょう。

出典 :CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析。“Other” は転換社債等による金融市場からの資金調達が中心

図 2 ステージ別フィンテック投資の推移(2010 年~ 2016 年)

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4

0 00 020 40 60 80 100 120 20 40 60 80 100 120

50

10

20

30

37

10,031

216

500

154

63140

100

150

200

250

300

地域別フィンテック投資(2016年)

件数

中国

香港

香港 インド

インド

日本

日本

タイタイ

シンガポール

シンガポール

オーストラリア

母国規模活用型 ハブ型 日本 その他

オーストラリア

一件当たり金額︵百万ドル︶

バブルサイズは投資規模(百万ドル)

図 3 アジア各国のフィンテック投資(2016 年)

出典 :CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析

アジアは、多様な経済規模・成熟度の国々が広がっており、それぞれが多彩な文化・社会制度・規制環境を持っています。この特性から、一般的には地域内でのシナジー創出のハードルが高いと言われる一方で、日本や中国といった経済大国や、香港・シンガポールといった特徴的なハブ都市モデルにより、東アジアを中心に経済的な高成長を遂げてきました。フィンテックにおいても、同様の成長モデルが確立される兆しが見えてきています。

中国やインドは急速な経済成長を遂げた一方で、国土が広く、中核都市を除き均質なサービスが行き届きにくい構造的課題を抱えるため、デジタル型サービスへの期待値が高いと

言えます。結果的に、これらのマザーマーケットの規模を生かし、フィンテック投資の意味でもグローバルを牽引する国となりつつあります。2016年には、中国において46件、100億ドル、インドでは 68 件、5億ドルものフィンテック投資が生じています。

また、シンガポールや香港は、限られた国土・国家資源を最大限に活用することで経済成長を実現するべく、地理的近接国を含めた“商圏” を形成し、自国に他国資源の流入を促す「地域ハブ」としてのポジションを築いています。フィンテック投資の側面でも、2016年にシンガポールは 29 件、0.6 億ドル、香港は 8件、2億ドルとなるなど、アジア諸国の

中で中国・インドに次いで存在感を示しており、地域ハブとしての国際的認知を獲得しつつあります。

主要国(日本・中国・NICs・ASEAN4)のみで、経済規模・人口がグローバル全体の約3割を占める4、巨大マーケットとしてのアジア・パシフィックが、フィンテックにおいても地域とのシナジーを創出する構造を確立することで、北米・ヨーロッパと肩を並べグローバルを牽引する市場を形成しつつあります。

「アジア市場」の立ち上がり

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図 4 フィンテック投資の広がり(2016 年)

図 5 テクノロジー領域:新興技術へのシフト

5

フィンテック投資を事業分野別に見ると、従来は預金口座や決済、クラウドファンディングのようなP2P 型の融資といった、比較的単純な金融機能の仲介部分を代替するサービスが多く見受けられました。近年は、商流ファイナンス型融資、健康連動型保険、コネクテッドカー・コネクテッドホーム、ロボアドバイザー等の証券、ウェルスマネジメントといった、金融リスクや顧客分析を伴うような、いわば金融の本質的機能に踏み込んだサービスが

登場してきています。テクノロジーの観点からも同様のことが言えます。従来はモバイル、アナリティクス等、装置産業である金融の効率性を向上させる技術が多く見受けられましたが、近年は AIやブロックチェーンといった、金融にパラダイムシフトをもたらすような新興テクノロジーに関心が向きつつあります。

すなわち、従来は規制産業として大きな提供価値の変化が生じなかった金融ビジネスが、定常的に変化し続けるビジネスとして、変容

しつつあります。シリコンバレー VC投資と比較しても、継続的に大きなリスクマネーが供給される等、少なくとも市場は金融に対して継続的に進化し続けることを期待していると言えます。

金融機関や金融領域への新規参入を狙う企業は、この機運を踏まえながら、如何にして自らがその転換を主導し、先行者利益を獲得するかが問われています。

00 10050 150 250200 450 500 550300 350400 0 10050 150

2016

20152014

2016

2015

2014

2016

2015

2014

20162016

2015

2014

2016

2015

2014

2015

2016

2014

2015 2016

2014

2016

2015

2014

250200

1510

25

35

45

55

5

20

30

40

50

6560

0

15

10

25

45

5

20

件数預金口座

一件当たり金額︵百万ドル︶

決済 融資 保険 ウェルス&アセットマネジメント

証券取引 オペレーション その他

事業領域別フィンテック投資の変化(2014年~ 2016年) バブルサイズは投資規模(百万ドル)

出典 :CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析

出典 :CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析

26%

37%

86 222442

247

211

297

129

94

16176

23

6 1690

1 24101

357129

6134 45

31

55

7,747百万ドル

7,541百万ドル

1,976百万ドル

2,454百万ドル

372百万ドル

2,036百万ドル

408百万ドル

データなし

638百万ドル

24%33%

31%45%

22%29%

10%14%

インタラクティブ

投資額 新興技術THE NEW ディール件数2016 201620132010

‧マーケットプレイス‧API‧ソーシャル

クラウド‧SaaS‧PaaS‧IaaS

セキュリティ‧サイバー‧認証

モビリティ‧モバイル‧IoT‧センシング

アナリティクス

‧BI‧データ管理

‧アナリティクス

78%39%

40%

28%

61%188%

AI

投資額 ディール件数2016 201620132010

‧AI‧ロボティクス

ブロックチェーン‧暗号通貨‧分散型台帳技術

没入型現実

その他

‧AR‧VR

継続的に進化する金融

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企業価値に対する将来成長期待価値①の割合(2017/3/13 時点)

GAFAA② 代表的なFinTech 企業③

デジタル化が進んでいる銀行④

デジタル化が未熟な銀行⑤

49%40%

20%

-11%

図 6 デジタル注力企業のポテンシャル

出典 :AccentureResearchanalysisonCapitalIQandCitidata

①将来成長期待価値=企業価値- ( 税引き後営業利益÷加重平均資本コスト)②GAFAA:Google,Apple,Facebook,Amazon,Alibaba③Fintech 企業40 社④デジタル化が進んでいる銀行22 行⑤デジタル化が未熟な銀行51 行

6

フィンテックのスタートアップ企業やデジタルに注力する 金融機関は、その他の金融機関と比べて、大きく上回る期待を 市場から受けています。フィンテックを活用した金融イノベーションが、金融機関の将来成長を支える競争優位の源泉として認知されているのです。

如何にしてイノベーションによる競争力を身に付けるか、またイノベーションを生み出しやすい土壌として、如何にしてオープンイノベーションのエコシステムを築き上げるかが、今後の成長戦略を考えるにあたっての最重要課題となります。

成長戦略としての フィンテック活用

CapitalIQ による分析によれば、GAFAA(Google, Apple, Facebook, Amazon,Alibaba)及び代表的なフィンテック企業の将来成長期待価値 5(FutureGrowthValue)は 40%を超え、市場において高い将来性が認められています。同様に、デジタル化のリーダーともいうべき銀行(GoldmanSachs,JP

Morgan,Barclays,BBVA 等、全 22 行)についても、20%と高い数字を示しています。デジタル化が未成熟な銀行は -11%であることを鑑みると、デジタル化・フィンテック活用は金融機関の成長にとって重要なケイパビリティの1つと言えます。

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金融版 R&D 型 投資管理

有望シーズが 生じ易い市場

へのリーチ

新たな 顧客体験

・ 社会価値

新収益 ・

新たな競争優位

「さがす」でなく 「きてもらう」

仕掛け

既存事業との 調和より

スピード優先

市場で 検証・育成

スタートアップ 企業

異業種企業金融機関

人材流動化/ 適切・適時確保

マネジメント[不確実性の許容]

サービス提供[エコシステム]

アウトプット [成果創出]

インプット [シーズ確保]

リソース[脱内製至上主義]

テストベッド の活用

内・外データ 活用による

顧客理解

図 7 オープンイノベーションを通じた共創の条件

7

金融機関にとって、フィンテック活用による金融イノベーションは、サービス提供コストの低廉化により従来はリーチできなかった顧客へ裾野を広げることや、新たな顧客体験の創出を可能とします。また、非金融機関を含めたエコシステムを構築し、新たな顧客価値を創造することも可能になります。伝統的企業にとっても、自らのビジネスに金融を組み入れ、顧客によりシームレスなサービスを提供すると同時に、金融収益を手中に収めるチャンスを得ることができます。

こういった収益機会を率先して手に入れ、先行者利益として他社参入を困難とするような障壁を築くことにより継続的な成長軌道を描くためには、フィンテックをテーマとしたオープンイノベーションにより自社経営資源の制約を超えたR&D 態勢を構築することが必須の能力となります。企業は表面的な情報収集

や意見交換を通じた「偶発的な」イノベーションの創出に期待するのではく、オープンイノベーションを前提とした企業体質へ転換することで「戦略的な」イノベーション創出を企図する必要があります。

本質的なビジネスモデルの革新を促進するオープンイノベーションプラットフォームを構築するには、「シーズの質・量の確保」、「不確実性を許容するマネジメントスタイル」、「リソースの脱内製至上主義」、「成果創出に繋がるアウトプット」の4つのケイパビリティ獲得が必要となります。

この変革を率先して実行し、いち早く新たな経営モデルとして企業体質に織り込むことに成功した企業が、金融イノベーションの世界において先行者利益を獲得し、継続的な高収益企業へと転身することができるでしょう。

イノベーションという競争力

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日本フィンテック先行国 ハブ型 母国規模型

米国 英国 香港 シンガポール 中国

フィンテック投資

2016年

154百万ドル 8,575百万ドル 898百万ドル 216百万ドル 63百万ドル 10,030百万ドル

CAGR:+68%GDP比 :0.004%

CAGR:+17%GDP比 :0.05%

CAGR:+17%GDP比 :0.03%

CAGR:+74%GDP比 :0.07%

CAGR:+165%GDP比 :0.02%

CAGR:+429%GDP比 :0.09%

産官学連携型 民間企業主導エコシステム形成

競争を通じたイノベーション

加速

官・自治体主導型での振興による地域フィンテック・ハブ形成

市場規模・スピード優先型

規制環境

•銀行法改正(業務範囲規制緩和等)

•州政府・市レベルでの税控除

•消費者金融保護局 /通貨監督庁による評価レポート

•実験環境提供(Reg.SandBox)

•PSD2等の新規参入促進型規制変更

•実験環境提供(Reg.SandBox)

•コンプライアンス負担の最小化(SmartReg.)

•実験環境提供(Reg.SandBox)

•事後的規制適用(一定の市場認知を得た順に規制・ルール整備)

インフラ整備

•スタートアップ向けワンストップ相談窓口(金融庁・東京都)

•実証実験ハブ

•シリコンバレー集積(IT企業全般)

•ニューヨーク集積・アクセラレータ

•スタートアップ向けワンストップ相談窓口(TeamInnov.)

•TechCity集積・アクセラレータ

•スタートアップ向けワンストップ相談窓口

•CyberPort集積・アクセラレータ

•28ヵ国出先機関

•国の生業として海外資源誘致に強み

資金援助

•2016年からの5年間で 170億香港ドルを出資

•2016年から5年間で2億2,500万シンガポールドルを出資

図 8 主要国のグローバルフィンテック・ハブ競争

8

フィンテックが金融イノベーションの源泉であるならば、国・地域はフィンテックに関係するプレーヤーの集積を通じて、大企業も含めた金融産業全体の成長を促進するフィンテックエコシステムを構築することに注力すべきでしょう。いくつかの国・地域は、これが自国の金融産業のみならず、更には国外経営資源の誘引による経済的好循環を生むことに気づき、環境整備を始めています。

米国・英国といったフィンテック先行国に加えて、マザーマーケットの持つ巨大な規模を生かし、スタートアップ企業やリスクマネーを誘引する「母国規模活用型」の中国・インドや、フィンテック企業とイノベーションに関心の高い金融機関や非金融機関、企業家と投資家、イノベーションを誘発するアクセラ

レータといったプレーヤーを集積させることで、自国内の金融イノベーションのみならず、海外スタートアップ企業や海外金融機関の関心を引いて海外の資源を誘引する「ハブ型」の香港・シンガポールといったようなエコシステムも萌芽の兆しを示しています。

特に「ハブ型」は、英国の先行事例を鑑みると、如何に自国へ外部資源を誘引するかに着眼点を置き、イノベーションが生じやすい環境の整備や、周辺諸国との国境によるハードルを下げることに、政府・行政が大きく貢献しています。

これにより、国内企業が海外スタートアップと協業する「内・外(In-Out)型」、その逆の「外・内(Out-In)型」のみならず、海外企業が海

外スタートアップと「ハブ型」の集積地を介して出会う「外・外(Out-Out)型」すら自国経済に取り込むことでより良質なイノベーションの土壌を作り上げる、「グローバル・イノベーションハブ」としての役割を果たそうとしています。

「グローバル・イノベーションハブ」の立場を獲得できれば、自国内の大企業やスタートアップ企業にとっても自然とグローバルの最先端のニーズやシーズに触れる機会を手にすることができ、より優位な立場でイノベーションを創出することができるという好循環を生み出すことができます。

出典 :〔フィンテック投資〕CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析 CAGRは、2013 年から2016 年(3年間)の平均年間成長率〔その他〕公知情報/アクセンチュア調査

イノベーションハブの確立による金融産業活性化

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2016 年の日本におけるフィンテック投資は前年比 135% 増の 1.5 億ドル(14 件)となり、順調に国内フィンテック市場が成長していることが分かります。グローバルと比較すると、フィンテック先行国や急進国(母国規模活用型・ハブ型)は、いずれもフィンテック投資額が自国 GDP 対比で 0.04%程度の水準まで到達している一方で、日本はその他の国と同様に 0.004% と1桁の差が存在します。見方を変えれば、国の潜在 力を引き出すことで、現在より10 倍程度の規模にまで成長するポテンシャルを持っていると言えます。

日本は、世界第 3 位を誇る経済規模に加え、東京における人口・産業集積の密度や多様性の観点から、異業種・異文 化の出会いをきっかけとしたイノベーション創出の土壌として、圧倒的に有利な環境が整っています。これをイノベーションのプラットフォームとして活用し、グローバルでも先端的なイノ ベーションを継続的に産み出すことが、日本市場をグローバルのフィンテック・ハブに押し上げ、もう一段上のフィンテック活性化を促すドライバーとなるでしょう。

日本市場への示唆

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金融機関や伝統的企業が、オープンイノベーションを自社の成長戦略として機能させるためには、フィンテックを単なる情報収集活動や本業と無関係な領域での社会的アピールに留めず、全社的な事業構造転換のドライバーとして活用するための仕掛けづくりが重要となります。

日本の金融産業は「護送船団方式」と呼ばれていた時代を象徴として、規制産業としての特性と産業の効率的な育成を重視する政策から、金融機関に均質・画一的なサービスを提供することを求めてきた歴史的経過があります。そのため、金融機関はビジネスモデルの多様化よりも事業範囲の地域的な拡大や顧客基盤拡大と、テクノロジーを活用した

事業効率性の確保といった、規模の経済性の追求に傾倒してきました。その結果として、金融機関の企業文化には、誠実・確実なテクノロジー投資を重視する姿勢が徹底されています。

こうした企業がオープンイノベーションを有効に活用する文化へと変革するためには、大きな発想の転換が必要となります。具体的には、顧客起点のサービスとしてスタートアップ企業や異業種企業と一体となりエコシステム型ビジネスの展開を前提とするとともに、そうした事業展開を促進するために「マネジメント」「テクノロジー基盤」「商品開発プロセス」「人材」の4つの自己変革を迫られています。

イノベーション

テクノロジー 基盤改革

商品開発プロセス改革

マネジメント改革

人材改革

高品質・低コスト重視の既存事業と、不確実・先行投資のデジタル型事業を両立するIT ガバナンス

事業横断的なビジネス創出に必要なテクノロジープラットフォームの先行整備

見通しが不明瞭な世界に果敢に挑戦するためのデジタルビジョン

投資を許容し、撤退基準を 明確にするプロセス KPI

案件全体で着実に成果を生むためのポートフォリオ型 デジタル事業管理

外部のプレーヤーや資源を効率的に獲得するためのオープンイノベーション基盤

市場での試行経験を積み上げビジネスを育てていくエンタープライズ・ アジャイル型ビジネス開発

適時適切な人材調達を可能とする インセンティブ設計

非伝統的業務従事者の評価・育成制度

先んじた備え

資源の惹きつけ

資源の割当て

価値の創出

図 9 金融機関が取り組むべきこと

金融機関・伝統的企業に求められること

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図 10 フィンテックのクラスタ化に向けたポテンシャル

金融集積

国際金融 センター指数

外貨取扱(日量)

上場株 時価総額

ニューヨーク都市圏 東京圏

2位 1位 5位

1,272 十億ドル 399十億ドル

18,992十億ドル 3,295十億ドル 4,987十億ドル

産業集積

都市圏 GDP

GDP密度人口密度[/㎢]

都市圏 面積

1,403十億ドル 836十億ドル 1,617十億ドル

8,382㎢ 13,370㎢

ロンドン都市圏

2,426十億ドル

34,490㎢

121 百万ドル

100 百万ドル582 人

40 百万ドル 1,744 人 2,769 人

従来のフィンテックによる金融イノベーションは、主に金融包摂(金融インクルージョン)と呼ばれる金融弱者向けの補完サービスが主戦場でした。日本は社会制度・金融インフラおよび良質な金融サービスがあまねく広がっており、この領域においては諸外国に比べて本質的なニーズが低かったことが、フィンテックの活用度が相対的に低くなっている要因と考えられます。

その一方で、中長期的な目線で見ると、世界的な気候変動やエネルギー問題、人口構成の偏り、所得や学力の二極化といった社会問題が大きく取り上げられつつあります。日本は、経済成熟化や人口減少、人口構成の垂直化などに起因する、社会課題先進国としての特色があります。この特性を生かし、社会課題解決型の金融イノベーションを起こす「場」としては優位な立ち位置にいると言え

ます。こうした特色を生かし、日本を、社会課題解決型イノベーションを促進するグローバルのテスト市場とすることが、他の国々にはできない差別化要素となるでしょう。

実際のところ、社会課題に根差したフィンテック活用は徐々に生み出されつつあります。例えばエストニア政府は、Bitnationとブロックチェーン技術を活用した国家運営の新たな基盤を構築することで、狭小な国土や経済規模の小ささからくる地方財政を自治体運営コストの圧倒的な低減によりカバーすることに取り組んでいます。また米国のBitHealthは、電子カルテや投薬記録を安全に管理するプラットフォームを開発し、これらの情報を共有した企業が健康維持関連サービスの提供を促すことで医療費を抑制する取り組みを開始しています。

周辺諸国が日本と同様に先進国型社会課題に直面する時、日本発イノベーションの海外輸出の道が開けるでしょう。このためには、フィンテックのスタートアップ企業のみならず、金融機関や産・官・学が主体的に金融イノベーションに取り組み、日本型のフィンテックエコシステムを構築することが重要と言えるでしょう。

出典 :〔金融〕Z/YenGroup「GlobalFinancialCentresIndex20」(2016.9),日本銀行「外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ」(2016),WorldFederationofExchanges「WFEMonthlyReports」(2016.11) 〔産業〕BrookingsInstitute「GlobalMetroMonitor」(2014), および各国統計機関資料に基づきアクセンチュア分析

目指すべき金融イノベーション・ハブとしてのポジション:日本型フィンテックエコシステムの共創

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57%

2078

2016 20162013

59%

4 16

2016 20162013

0 8

2016 20162013

取引コストの圧倒的削減 [ 準リアル化・STP 化 ]

フィン テック

投資 2016 年

流動性・資産価値向上 [ トレーサビリティ・市場化 ]

IoT/M2Mビジネスでの応用 [ 記録共有 ]

• 取引のSTP化・準リアル化• 低コストなインフラに加え、

オペレーション/リスクコスト転化消滅

• 擬似通貨(行内取引/海外送金等)• OTC デリバ/社債取引• トレードフィナンス• シンジケートローン

• 私設市場、決済・流通システム• 取引コスト低減/流動性確保による

資産等の価値向上

• IoTと組合わせた取引・決済基盤• デジタルに写像された些細なコト

のビジネス化・マネタイズ

• 車+付帯サービス×短時間契約• 家電+M2M決済• 版権ビジネス など

• 準通貨経済圏プラットフォーム• 非上場株、不動産、版権等流通

市場形成• トレーサビリティ型

アセット市場化 (ダイヤモンド・中古車等)

11百万ドル113

百万ドル284

百万ドル

N日

公設市場 私設市場

市場化流動性なし

X秒

IoT

IoT IoT

IoT

IoT

IoT

図 11 ブロックチェーンがもたらすもの

12

近年、ブロックチェーン技術への注目度は高まっており、ビットコイン、分散型台帳技術(DLT:DistributedLedgerTechnology)、スマートコントラクト、コンセンサスアルゴリズムといったキーワードや、ブロックチェーン技術を活用したビジネスへの取り組み、不祥事等が、毎日のように紙面を賑わしています。

ブロックチェーンがビジネスにもたらすインパクトは3つのタイプに分類できます。

① 取引コストの圧倒的な削減:海外送金のように、複数の機関を跨る取引が、関係者間での台帳共有により、取引の純リアルタイム化・STP(StraightThroughProcessing)を実現します。結果としてリ

スクコスト等が一掃され、圧倒的な取引コストの低減を実現します。

② 流動性・資産価値の向上:資産移転にかかる探索コスト・執行コストを大きく下げることにより、従来であれば採算の合わなかった微小資産・短期取引等でマネタイズが可能となります。例えば、非上場株、不動産、版権等の流通市場形成が考えられます。また、トレーサビリティが高まることで不確実性を低減する効果が期待でき、結果として資産の流動性が上がり、資産価値の上昇に繋がります。

③ IoT/M2Mビジネスでの応用:IoT/M2Mの発展により、各種取引・決済が自動化さ

れます。その際の公的記録メディアとしてブロックチェーンが用いられることで、該当取引・決済の信頼度が向上し、消費者に選ばれるプラットフォームの構築を可能にします。

現在は「①取引コストの圧倒的な削減」に向けたフィンテック投資が顕著ですが、「②流動性・資産価値向上」「③ IoT/M2Mビジネスでの応用」に向けたフィンテック投資も成長の兆しが見えます。

破壊的テクノロジーへの着眼

出典 :CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析

① ブロックチェーン

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取引・事業機能提供 [API 開放 ]

新たな顧客体験創出 [ アグリゲーション/リバンドル ]

プラットフォーム [API エコノミー ]

• 情報・特定取引、事業機能の開放• 「繋がりやすさ」がもたらすロング

テールの獲得

• 社内外から情報・機能を集約し提供• 顧客が求める機能の外部調達容易化

による体験型サービスの実現

• APIを介した経済活動の場の提供• 業態横断エコシステム形成による

経済圏作り・囲い込み

顧客サービス

機能 機能 機能 機能 機能 機能

プラットフォーム

機能 機能 機能

顧客顧客顧客

• 融資(営業・与信・回収)• 証券取引(受発注・決済)• 各々の事務処理のみ 等

• 決済プラットフォーム• ロイヤリティプログラム、顧客

管理、クーポン等の送客機能

• 顧客・契約情報の照会• 金融取引機能の提供 等

16%

3352

2016 2016201349%

40

132

2016 20162013

10%

6 8

2016 20162013フィン テック

投資 2016 年

269百万ドル

997百万ドル

513百万ドル

顧客サービス

13

図 12 API がもたらすもの

出典 :CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析

API 技術は様々な金融サービスに活用されており、ECサイトからのカード決済や、PFMツールによる金融資産情報のアグリゲーション等、消費者の日常生活に広く浸透しています。

API がビジネスにもたらすインパクトは 3つに分類できます。

① 取引・事業機能の提供:API により情報・特定取引、事業機能を開放することで、様々な顧客サービスと金融機能を繋ぐことが可能となります。結果として、商流と金融が一体化したサービスでロングテールを獲得することが可能となります。

② 新たな顧客体験の創出:APIで企業・事業別に分散している機能・情報を集約し、顧客が求める単位でアグリゲーション/リバンドル化することが可能となります。結果として、顧客が求める機能の外部調達を容易化し、新たな顧客体験の創出を可能とします。

③ プラットフォーム:API により顧客に応じて機能を柔軟にリバンドルできるプラットフォームを構築することが可能となります。結果として、顧客に選ばれるプラットフォームを構築するために、様々な業種の企業が集いエコシステムを形成し、市場の再定義が加速します。

現在は「①取引・事業機能の提供」「②新たな顧客体験の創出」に向けて一定規模のフィンテック投資が見られますが、今後「③プラットフォーム」に向けたフィンテック投資も加速していくことが期待されます。

② API

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機械による労働力・頭脳・五感の代替 [ 事務処理・判断・顧客接点の機械化 ]

データ価値の創造による新ビジネス [ 高精度なモデル化 ]

• 五感のデータ化とタイムリーな機械学習により、機械により代替可能な領域を拡大

• パーソナライズサービスの提供が可能に

• データ掌握力 × 分析力により高度なモデルを構築• モデル化が、潜在顧客との取引機会を開拓し、

周辺事業でのビジネスチャンスを創造

• 顧客とのタッチポイント(バーチャルエージェント等)• プロセスオートメーション• リスクマネジメント

• 新たな与信モデル・査定モデルによる未開拓市場へのリーチ

• 新たな運用評価モデルによる追加利潤の獲得• ロスプリ型サービス等のモデル流用による新たな

収益プールへのリーチ 等

データ 収益機会

83%

14

86

2016 20162013

26%2 4

2016 20162013フィン テック

投資�2016 年

201百万ドル

428百万ドル

8H/5D 24H/7D

14

AI・ロボティクスは、本邦金融機関での導入がここ数年で飛躍的に進展しており、ルール化されたオペレーション・判断業務を機械に代替させる「ロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)」や、顧客接点業務でのAI エージェント、チャットボットの導入が相次いで発表されています。

AI・ロボティクスがビジネスにもたらすインパクトは 2つに分類できます。

① 機械による労働力・頭脳・五感の代替:AI が音声・画像等をデータ化することで、ヒトの手を介さずに大量のインプットを簡易にシステムへ取り込むことが可能となり

ます。また、機械学習がリアルタイムな情報に基づき最適化したパフォーマンスを24 時間 365 日維持することを可能とします。結果として、低廉化したパーソナライズサービスを幅広い顧客へ提供することが可能となります。

② データ価値の創造による新ビジネス:AIによるデータ掌握力の向上と高精度な分析力によって、従来は発見できなかった法則性を読み解くことが可能となります。結果として、潜在的な顧客ニーズの発掘や有望顧客層の特定を可能とし、本業の周辺事業におけるビジネスチャンスの創造を可能とします。また、企業が固有に持

つ情報の活用が、AI を活用した競争優位の獲得に繋げることも可能となります。

現在は「①機械による労働力・頭脳・五感の代替」に向けたフィンテック投資が活発化していますが、「②データ価値の創造による新ビジネス」に向けたフィンテック投資も成長の兆しが見えています。

③ AI・ロボティクス

図 13 AI・ロボティクスがもたらすもの

出典 :CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析

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出典1CBInsightsデータに基づきアクセンチュア分析

2https://techcrunch.com/2012/12/17/kreditech/

3SiliconValleyInstituteforRegionalStudies「2016SiliconValleyIndex」(2016)

4InternationalMonetaryFund「WorldEconomicOutlookDatabase」(April,2017)

5 将来成長期待価値=企業価値-( 税引き後営業利益÷加重平均資本コスト)

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アクセンチュアについて

アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の 5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界 120カ国以上のお客様にサービスを提供するおよそ42万 5,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。

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