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(資料1-1) 『頸管長短縮例に対する頸管縫縮術の有効性の検証』 研究計画書

(資料1-1) 『頸管長短縮例に対する頸管縫縮術 …admin7.aiiku.or.jp/~doc/houkoku/h20/22010A011.pdf(資料1-1) 『頸管長短縮例に対する頸管縫縮術の有効性の検証』

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         (資料1-1)

『頸管長短縮例に対する頸管縫縮術の有効性の検証』

         研究計画書

試験実施計画書番号l JOPP-C-0401

           日本早産予防研究会。JOPP (Japan Organization of Prevention of Preterm Del ivery) STUDY GROUP

       厚生労働省子ども家庭総合研究事業「全国規模の多施設共同ランダム化比較試験試験と背景因子分析による

        早産予防ガイドラインの作成」

頸管長短縮例に対する頸管縫縮術の有効性の検証

妊娠中期で頸管長が短縮し,かつ不顕性感染のない妊婦に対する早産予防を目的とした

頸管縫縮術(マクドナルド法とシロッカー法)の有効性および安全性を比較し検証する

    ための安静療法群を対照とするランダム化非盲検3群並行比較試験

試験実施計画書

研究代表者1昭和大学医学部産婦人科学教室教授

         岡井 崇         TEL l O3-3784-8670

         FAX:03-3784-3732

事務局:昭和大学医学部産婦人科学教室

         大槻 克文         TEL;03-3784-8551         FAX:03-3784-8355         e蘭ail:otsuki勧ed,showa-u.ac.jp

版番号:2.0(作成年月日12007年12月6日)版番号:1.1(作成年月日:2006年5月24日)版番号:1、0(作成年月日:2004年11月4日)

一9一

略号一覧

略号 省略していない表現

ALT AlanineAminotransfbrase アラニンアミノトランスフェラーゼ

AST Aspartate Aminotransf◎rase アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ

BE BaseExcess 塩基過剰

BUN Blood Urea Nitrogen 血中尿素窒素

CAM Chorioamnionitis 絨毛膜羊膜炎

CRP CReactiveProtein C反応蛋白FAS Ful1AnalysisSet 最大の解析対象集団

GCP Good Clillical Practice 医薬品の臨床試験の実施の基準

GOT Glutamic Oxaloacetic Transaminase グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ

GPT Glutamic Pymvic Transaminase グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ

γGTP γ一Glutamyl Transpeptidase γ一グルタミルトランスペプチダーゼ

Hb Hemoglobin ヘモグロビン

HBs Hep段titisBsurfε迄ce B型肝炎表面(抗原)

HCV HepatitisCVirus C型肝炎ウイルス

HIV Humanl㎜unode行ciency耽s ヒト免疫不全ウイルス

HSV Herpes Simplex Vims 単純ヘルペスウイルス

Ht Hematocrit ヘマトクリット

IRB Institutional Review Board 倫理審査委員会

LDH Lactate Dehydrogemse 乳酸脱水素酵素

NICU Neonatal Intensive C&re Unit 新生児集中治療部

NNT Numbers・Needed.一to・Treat 一

P-PROMPretem  Premature Rupture ofMembrane

早産期の前期破水

PPS PerProtocolSet 試験実施計画書に適合した対象集団

PROM PretemRupture ofMembrane 前期破水

RDS Respiratory Distress Syndrome 新生児呼吸窮迫症候群

ROM Rupture ofMembrane 破水

SD StandardDeviation 標準偏差

SOP Stan(lard Operating Procedures 標準業務手順書

JOPPJapan Organization of Prevention of

PretemDelive目本早産予防研究会

TPHA丑甲onθη2αPα〃iぬ溺Hemagglutination

Test梅毒トレポネーマ血球凝集試験

UMfNUniversity Hospital Medical Infb㎜ation

NetworkCenter大学病院医療情報ネットワーク研究センター

本試験における試験治療法の略称

略称 試験治療法

A群 頸管縫縮術マクドナルド法実施群

B群 頸管縫縮術シロッカー法実施群

C群 安静療法群

1一10一

目次

略号一覧....._ _.._.

目次.._.。..._._試験計画の概要......_。...

 課題名................_9...

 副題..._。

 試験計画番号_.......

 試験デザイン._。。.......

 試験治療法.._。......._

 試験治療のアウトライン._.__..

 目的..._...

 目的....._,

 対象...DD.....

 登録基準_.........._..

 評価項目...

 [有効性の評価項目]._。._。......

 [安全性の評価項目]...._.........

 目標患者数.._。..._。...

 患者登録期間および試験実施期間. 患者登録先._............

 患者情報入力先._。....

 事務局......

1 試験の背景.............

 1.1本邦における周産期医療と早産研究_ 1.2 子宮頸管と早産の関係._。...

 1.3 頸管無力症と頸管短縮_,_.

 1.4 経膣超音波測定による頸管短縮例に対する縫縮術..

 1.5 マクドナルド法とシロッカー法...._...

 1.6 本試験の意義_。

 1.7試験デザインの根拠....._。..

 1.7.1試験デザインの根拠........

 1.7.2 試験対象集団の根拠_....

 1.7.3 試験治療の根拠_._。.._..

2 試験の目的..........._

 2.1 目的..................

 2.2試験デザイン_。3 対象........

 3.1 選択基準...........

 3.2 除外基準_

4 試験治療の計画・方法...._....

 4.1試験治療のアウトライン._ 4.2 試験期間......._。

 4.2.1スクリーニング期間._。_。..

 4.2.2 試験治療期間_._。_...

 4.2.3 試験治療中止(7 試験治療中止基準参照)

 4.2.4 試験治療終了後観察期間._

2

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一11一

一12一

 4.3 試験治療.。_。__........_._。.....

 4.3.1入院期問._..........._。

 4.3.2 手術当日の処置および管理(A群,B群共通)

 4,3.3 手術後の処置および管理(A群,B群共通)...

 4.3.4 抜糸(A群,B群共通,37週時)_.,......

 4.4 各群の試験治療の詳細.._.....

 4.4.1マクドナルド法(A群)...._。..........._。..._。..

 4.4.2 シロッカー法(B群)._。

 4.4.3 安静療法群(C群).._。_._._..._。.._..._。

 4.5 併用薬および併用禁止薬..._._。

5 患者登録および割り付け方法..............._

6観察スケジュールおよび観察・検査項目..........._.._,

 6.1観察スケジュール._..................._。_.._。

6.1.1

6.1.2

6.1.3

6,1.4

6.1.5

6.1.6

6.1.7

6.1.8

6.1.9

6.1.10

6.1.11

6.1.12

6.1.13

6.1.14

6.2

6.2.1

6.2.2

6.2.3

6.2.4

6.2.5

6.2.6

6.2.7

6.2.8

頸管長短縮の診断時検査(妊娠16週0日~26週6目).._。_。.......

手術前(手術当日を第0日とする)....手術翌々目 (第2目)_,_...._。..._..

手術後(C群については入院後)1週後から妊娠32週目まで毎週..妊娠34週および36週時....妊娠37週時(抜糸時).._............_。...

妊娠37週以後から分娩前まで(毎週観察する)...._..試験治療中止時......._...._......................

分娩時(母体)......,,.9..........

分娩時(新生児).._。..............._._._。..

分娩後(母体)(28士7日).,.

分娩後(新生児)(28土7目,評価項目の詳細6.2.8参照).._..

児の発育調査(1歳6カ月時,評価項目の詳細6.2.9参照).._.....

児の発育調査(3歳時,評価項目の詳細6.2.9参照)...

 6,2.8.1

 6.2.8.2

 6.2.8.3

 6.2.9

7 Rescue&rmとその処置..

8

9

7.1

7.2

7.3

7.4

観察および検査項目...._。..._。._。...._。_ .

胎児・胎盤異常............._............_....

切迫早産,PPROMおよび絨毛膜羊膜炎_。..............._。

子宮頸管長測定(経膣超音波検査).不顕性感染._,........................_

膣分泌物培養........_。_。_。......._.._。._9..._9.._9._......_

後産所見...._.._..._._9......_。......9....._.........

Ap9&r score...................._.........._。.._._。__

分娩後(新生児)(28士7目).._。.._.._。..._..._。...._。_

 基本情報..._......_..9_.9.............99......99..9.9…・......…9…..

 児の評価(分娩後新生児室で管理)__.._..........._。..

 児の評価(分娩後NICUで管理)..._...._。_.._。.._...

児の発育状態の調査(1歳6カ月時および3歳時共通)

月台月包月彰脛笙.............。..

Preterm PROM_絨毛膜羊膜炎._。_。

子宮収縮抑制不能..

試験治療中止基準_。....

8.1試験治療中止基準..有害事象...._._。_。.._。.

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 9.1 有害事象および副作用の定義ならびに調査..._._。........

 9.1.1 有害事象および副作用の定義_

 9.1.2 有害事象の調査_。..

 9.1.3 有害事象発生時の対応_..一._...

 9.2 重篤な有害事象の取り扱い......._

 9.2.1重篤な有害事象の定義(薬事法施行規則第66の7に準じて定義) 9.2.2 重篤な有害事象の発現時の対応___.__

10 実施計画書からの逸脱の報告._..._

11試験の終了,中止および中断_.._。..

 11.1試験の終了_....._。....

 11.2試験の中止および中断.................

12 試験実施期間........_。......

13データの収集._。....。........

14 統計解析....._

 14.1 解析対象集団の定義.._.._..._

 14.2 背景因子....._..........

 14.3 有効性の評価項目と解析の概要..........._...

 14.3.1 主要評価項目..._..

 14.3.2 副次評価項目.._...

 14.4 安全性の評価項目....

 14.5 分娩時および分娩後検査._。.......__。....._....._。......

 14.6 検定法および検定の有意水準_.

 14.7問題症例および不完備データの取り扱い._。,

15 目標患者数および設定根拠...._。.....,

 15.1 手術群と安静療法群の比較........

 15.2 術式間の比較..曹......._。............................_.._9...._....

16 患者の人権および安全性・不利益に対する配慮........_。....

 16.1人権への配慮(プライバシーの保護)._。..,......_...._。

 16.2 安全性・不利益への配慮..........

17 患者の費用負担._。...._,.,......_._。.

18 賠償保険への加入..........,

19 倫理的事項._ 19.1 倫理規準.._....._....,

 19.2 患者への説明および文書による同意取得..,.

20 記録の保存....

 20.1保存の対象となる記録・資料。...

 20.2 実施医療機関および事務局における記録の保存_。......

 20.2.1 実施医療機関おける記録の保存_。..。........

 20.2.2 試験代表者および事務局における記録の保存..._。....

 20.2.3日本臨床研究支援ユニットデータセンターによる記録の保存_.21研究結果の公表._。.........,

22 監査_...........

23 研究資金および利益にっいて...._....

 23.1研究資金............_....

 23.2 利益の衝突_。.._....

 23.3 特許権等.._。........._,

24 試験実施計画書等の変更,_.............

 24.1 試験実施計画書の変更._..._。.

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一13一

 24.2 試験実施計画書の実施医療機関固有の変更.. 24.3 説明同意文書の変更......._.._。_。...

25 研究組織_...._....._.

 25.1.9...._。_.._。._。_..._。_

 研究代表者..。,..__._。..._...._。..

25.2

25.3

25.4

25.5

25.6

25.7

 25.7.1

 25.7.2

 25.8

 25.8.1

 25.8.2

 25.9

 25.10

 25.11

 25.11.1

 25.11.2

26 試験参加医療機関一覧.27 引用文献リスト......._..

事務局................_..

実行委員会....._.。.........

プロトコール検討委員会_。................_。.

ホームページ作成委員会._。_。....._._,._。

患者説明用ビデオ作成委員会....

患者登録および患者情報送信先..........._。...

登録登録および患者情報入力先.......

患者登録および患者情報入力に関する問合せ先..データセンター........_。.._。..

データマネジメント責任者_。......_...............

データマネジメント担当者_.._。._..._._..

統計解析責任者._.__。

独立データモニタリング委員会.._..._。_

監査委員会._._。_..._。__.

 監査責任者.._。._。...,

 監査担当者...._..........._。_。......_..

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別添資料1別添資料2別添資料3別添資料4ト

別添資料5別添資料6

テイゾー,

塩酸リトドリン製剤(商品名:ウテメリン注50mg,錠5mg)添付文書硫酸マグネシウム製剤(商品名:マグセント)添付文書

Fem Exam(QulcKvuEADvANCE)キット添付文書子宮頸管粘液中穎粒球エラスターゼ検出用キット(商品名:エラスターゼテス

 ファグノス・エラスターゼDip)添付文書

リン酸ベタメタゾンナトリウム注射液(商品名:リンデロン注)添付文書

患者説明ビデオ

5一14一

試験計画の概要

課題名

頸管長短縮例に対する頸管縫縮術の有効性の検証

副題

妊娠中期で頸管長が短縮し,かつ不顕性感染のない妊婦に対する早産予防を目的とした頸管縫縮術(マクドナルド法とシロッカー法)の有効性および安全性を比較し検証するための

安静療法群を対照とするランダム化非盲検3群並行比較試験

試験計画番号

」OPP・C・0401

試験デザイン

ランダム化非盲検3群並行比較試験

試験治療法

(1)頸管縫縮術マクドナルド法実施群(A群)

膣壁を切開することなく,子宮膣部の上方を1本の縫合糸で4ヵ所に糸をかけて,頸管内を頸管拡張器5号が通る程度に縫合する頸管縫縮術。縫合の位置が低く,内子宮口の外側となる(4.4.1参照)。

(2)頸管縫縮術シロッカー法実施群(B群)

弛緩開大した内子宮口をナイロン糸・テフロン紐などで輪状に,頸管内を頸管拡張器5号

が通る程度に縫縮する頸管縫縮術。膀胱を剥離して,子宮支帯を越えて内子宮口の高さで子宮頸を縛る(4.4.2参照)。

(3)安静療法群(C群)(4.4.3参照)

試験治療のアウトライン

登録ニフンダム化

A群

・妊娠中期妊婦

 (16週0目

 ~26週6日)・頸管長

 ≦25.Omm・不顕性感染なし

入院●同意取得

A,B群:手術

後2週間後以後に退院可

C群:入院2週間後に退院可

   分娩時および分娩後(28目(±7目))検査

  (母体および新生児)

B群

C群

 スクリーニング期間

妊娠16週0日~26週6日

  試験治療期間試験治療開始から分娩まで(A,B群とも:37週時に抜糸)

試験治療終了後観察期問(分娩後28日(±7目))

6一15一

目的

経膣超音波検査において頸管長短縮と診断され,不顕性感染のない妊娠中期の妊婦に対し

て行う頸管縫縮術が,頸管縫縮術を行わない安静療法群に比較して早産予防に有効かどう

か検証する。また,マクドナルド法とシロッカー法の有効性を探索的に比較する。さらに,

術式の安全性にっいても有効性と同様に比較する。

対象

妊娠中期(16週0目~26週6目)の妊婦定期検診において,経膣超音波検査により頸管長が25.Omm以下と診断された妊婦。

登録基準[選択基準]

以下の選択基準を全て満たす妊婦を対象とする。

(1)妊娠16週0目~26週6日の妊婦

(2)経膣超音波検査で頸管長25.Omm以下と診断された妊婦

(3)不顕性感染注1が陰性,かっ分娩様式を左右する可能性のある感染症(例えば,HIV,

 HSV,コンジローマ等)に罹患していない妊婦

(4)本試験の参加にあたり十分な説明を受けた後,十分な理解のうえ,妊婦本人の自由意

  思による文書同意が得られた妊婦(20歳未満の場合は,配偶者(20歳以上の)または

 親権者の文書同意が得られた妊婦)

(5)主要臓器の機能が保たれていることを,以下の臨床検査値により確認する。

1)白血球数

2)血小板数

3)ヘモグロビン

4)AST(GOT)

5)A:LT(GPT)

6)BUN7)血清クレアチニン

3,000/mm3以上,20,000/mm3以下

50,000/mm3以上

8.Og/dL以上

各実施医療機関の基準値上限の2.5倍以下

各実施医療機関の基準値上限の2.5倍以下

25mg/dL以下

2mg/dL以下

[除外基準]

以下の除外基準のいずれかに抵触する場合,本試験には組み入れない。

(1)三胎以上の多胎

(2)前置胎盤

(3)常位胎盤早期剥離

(4)重篤な胎児異常

(5)Fet&lwell・beingが確認できない妊婦

(6)今回の妊娠において既に頸管縫縮術施行済みの妊婦

(7)切迫早産の兆候がある妊婦

(8)精神病または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される妊婦

(9)その他,担当医師が不適切と判断した場合

一16一

7

評価項目

[有効性の評価項目]

(1)主要評価項目

以下の項目を主要評価項目とし,1)については生存時間解析により,2),3)については

割合の差により頸管縫縮術実施群(A群およびB群)と安静療法群(C群)を検証的に比較する。また,治療法選択の目的でA群とB群の比較を行う。

1)分娩週数

2)新生児死亡率

3)新生児罹患率

(2)副次評価項目

以下の副次評価項目にっいて頸管縫縮術実施群(A群およびB群)と安静療法群(C群)を探索的に比較する。また,A群とB群を探索的に比較する。

1)子宮収縮抑制剤の使用割合

2)平均出生体重

[安全性の評価項目]

以下の安全性の評価項目について頸管縫縮術実施群(A群およびB群)と安静療法群(C群〉を比較する。次いでA群とB群を比較する。

1)有害事象発現割合(試験治療群別の有害事象発現割合,ならびに頸管縫縮術との因果

  関係別の有害事象発現割合)

2)妊婦の不顕性感染症罹患率

3)妊婦の不顕性感染症以外の罹患率

目標患者数

頸管縫縮術マクドナルド法実施群(A群)

頸管縫縮術シロッカー法実施群(B群)

安静療法群(C群)合計

300名300名300名900名

患者登録期間および試験実施期間

患者登録期間:2005年1月~2009年12月試験実施期間:2005年1月~20010年6月

8一17一

患者登録先

登録情報送信先:大学病院医療情報ネットワーク研究センター

患者登録先URL:h一患者登録に関する問合せ先:日本早産予防研究会(JOPP:J&pan Org&niz&tion ofPrevention ofPreterm Delivery)事務局

患者登録責任者:篠塚憲男

昭和大学医学部産婦人科学教室内 日本早産予防研究会事務局

〒142-8666東京都品川区旗の台1-5-8

TEL:03-3784-8551   FAX:03-3784・8355

eMail address:norio@shinozuka.com

患者情報入力先

患者情報入力先:大学病院医療情報ネットワーク研究センター

患者情報入力先URL:h一

データマネジメント責任者:篠塚憲男

昭和大学医学部産婦人科学教室内 目本早産予防研究会事務局

〒142・8666東京都品川区旗の台1-5-8

TEL=03-3784・8551   FAX:03・3784-8355

eMail address:norio@shinozuka.com

事務局

昭和大学医学部産婦人科学教室 大槻克文(目本早産予防研究会)

〒142・8666 東京都品川区旗の台1・5・8

TEL:03-3784-8551    FAX:03騨3784・8355

eMai1&ddress:otsuki@me(1.showa-u.acjp

9一18一

観察・検査スケジュール

囎長鯖お闘繍査

輔墾輌請

覇翌々日

傷旧

手爾1選a勾遡

  罐1 妊帥瑚脳31遇

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踊鑓蝋剛出産

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照鱒 ●

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齢漉蚕 ● ●

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臓1鍼董卿 ● ●  ●隔1,測臓鮎

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程題嫉鳳外の騒麟曇

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彰ζε圃P長惇量網囲

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聾聡 』‘ v、

現鶴 ~’

     牲-     伽

賄麟熊運麺艇 丁質

畷屠書

襖四晋

『メン・

10

一19一

1試験の背景1.1 本邦における周産期医療と早産研究

近年,わが国の周産期医療は著しく進歩し,周産期死亡率は世界一低い水準に達している

が,早産児,特に早期早産児の死亡率はいまだ高く,先天性奇形を除く周産期死亡の約75%

は早産児が占めている。また早産児の長期予後には,脳質周囲白質軟化症,未熟児網膜症

あるいは気管支肺異形成等の様々な問題のあることも指摘されている。1,000g未満の超低

出生体重児では,その20%以上が精神発達に問題を残しているとの報告1)もみられ,これ

らの児の予後を改善するためには,新生児医療の進歩に期待するのみではなく,早産その

ものを減少させる妊娠管理が重要である。

早産に関する研究において,その原因および病態の進行に膣・頸管の不顕性感染や絨毛膜

羊膜炎が関与していることが明らかとなってきた。また,早産に関する新しい検査法も臨

床に導入されつつある。その1っは経膣超音波法による子宮頸部の観察と頸管長の計測である。

1.2子宮頸管と早産の関係

1996年Iamsら2)は経膣超音波検査により妊娠24週頃の頸管長を計測し,それが短縮して

いる患者で早産率が高いこと,また,頸管短縮の程度が強いほど早産率が上昇することを

報告した。その後も妊娠中期の頸管長と早産率との関係に関する研究結果が多数報告され3ロ8),頸管短縮は特に早期早産の予知に対するsensitivityの高いことが明らかとなって来た。

子宮頸管には膣内感染の子宮内への上行性波及を防御する機構が存在する。頸管が短縮す

ると,膣・頸管の感染あるいは炎症の上行性波及が物理的に容易となり,これが早産の誘

因の1つと考えられている。また,頸管の短縮がみられる患者は,多くの場合内子宮口開

大を伴う。子宮口の開大は胎児を子宮内に保持する物理的なカの低下を意味する.一方,こ

の子宮頸管に炎症が波及すると,頸管の熟化を促進し,胎児を保持する力を弱め,内子宮

口は開大し頸管は短縮するため,子宮頸管の炎症も早産の誘因の1つと考えられている。

しかし,臨床的には炎症や不顕性感染が証明されない頸管長短縮例が認められる。また,

その様な症例における早産予防をするための対応策が望まれている。

1.3頸管無力症と頸管短縮

従来,歩行等が刺激となり,子宮収縮を伴わず自然に内子宮口が開大し前期破水・早産に

至る頸管無力症に対し,頸管の開大圧力に対する物理的抵抗力を高める頸管縫縮術が行わ

れて来た。頸管無力症に対するそれらの術式は既に確立しておりシロッカー法とマクドナ

ルド法があり(4.4参照),患者の選択が正しければどちらも有効な早産予防法といわれている。

頸管短縮と内子宮口の開大は頸管無力症の病態に相応することから,頸管無力症に対する

標準的処置である頸管縫縮術のシロッカー法とマクドナルド法が,経膣超音波で検出され

た頸管短縮例においても早期早産予防に有効であると推測されるが,現在までのところ検

証的な研究はされていない。

1.4 経腔超音波測定による頸管短縮例に対する縫縮術

頸管短縮例に対する頸管縫縮術の有効性に関してretrospective studyでは一致した見解は

得られていない貸11)。一方prospective studyとしてはこれまで3件が報告されている。

Heathら12)は妊娠22~24週に2,567例のスクリーニングを行い,頸管長15㎜以下の43例をシロッカー術を施行する群と待期的に対応する群に分け,それぞれの早産率を比較し

た。その結果シロッカー術を施行した群で妊娠32週未満の早産が著明に減少したことを報

告している。しかし,当該研究には,頸管縫縮術を施行するかどうかがランダム化されず

医師の好みで選択されたという難点が存在する。一方,Rustら13・14)は妊娠16~24週のス

11

一20一

クリーニングにおいて頸管長が25㎜未満またはfunneling(羊膜の頸管内侵入)が25%以

上の患者をランダム化し,マクドナルド術を施行した患者と手術以外ほぼ同様の入院管理

を行った患者で早産率を比較し両者に差のないことを,2000年に61例,2001年に患者を追加し113例の対象で報告している。他方,Althuisiusら1臥16)は頸管無力症のリスク因子

を有する患者を主な対象に検査を行い,頸管長が25㎜未満の患者をランダム化し,マクド

ナルド術を施行した群とそうでない群に分け早産率を比較し,マクドナルド術施行群で早産率が有意に低いことを報告している。

上記の報告から判断すると,頸管短縮例におけるマクドナルド術は既往の早産や子宮奇形・円錐切除術後など頸管無力症のリスクの高い群では有効であるが,一般症例において

は無効であることが示唆される。しかし,ここで問題なのは,Rustらの研究では,術前に

施行した膣内細菌の検査や局所の炎症の検査を取り扱いに反映させないで,予後に影響す

る因子として両群間で腔内細菌の種類や炎症の頻度に差がなかったことを分析している点

である。不顕性感染や局所に炎症のある患者では,頸管縫縮術自体がそれらを増悪させる

リスクが高いといわれている。

1.5 マクドナルド法とシロッカー法

さらに,我々はマクドナルド法とシロッカー法の2つの術式の差についても検討が必要と

考える。これまで,頸管無力症と診断された患者に対しマクドナルド法とシロッカー法を

行った場合の早産予防の効果は,両者で差がないと報告されているが17),これらの研究対

象は古典的基準で頸管無力症と診断された患者で,しかも妊娠早期に予防的な手術が行わ

れており,本研究で検討する妊娠中期の頸管短縮例における縫縮術とは対象も手術時期も

異なる。シロッカー法は内子宮口近くで頸管を縫縮する方法で,一方マクドナルド法は外

子宮口で頸管を縫縮する方法である。頸管短縮例の多くは内子宮口が開大しており,その

進行を阻止し頸管長のさらなる短縮を防ぐためには,できるだけ本来の内子宮口近くで縫

縮を行うのが良いと考えられ,2つの術式の差についても検討が必要である。このことは

Heathらが一般の頸管短縮例においてシロッカー術を施行し早産率の著しい低下を得てい

ることからも示唆される。

1.6 本試験の意義

以上の経緯より,妊娠中期の頸管長が短縮し,不顕性感染を認めない妊婦に対する早産予

防のための標準的治療法についての検討は重要である。本試験によって早産予防目的の標

準的治療法が明らかとなれば,早産の中でもいまだ死亡率が高いといわれている早期早産

の予防にも貢献し,新生児死亡率を低下させる可能性があると思われる。また,早産予防のための妊婦管理ガイドラインの作成への貢献も可能となると考える。

1.7 試験デザインの根拠

1.7.1試験デザインの根拠

経膣超音波検査により頸管長の短縮が認められる妊娠中期の患者に対して行われる早産予

防の一般的な治療法は,マクドナルド法あるいはシロッカー法などの頸管縫縮術の実施,

あるいは安静による経過観察であるが,頸管縫縮術の実施の有無,さらに頸管縫縮術式間

に関していずれが早産の予防に有効であるか検証されていない。

以上の経緯から,本試験では頸管長の短縮が認められ,不顕性感染を認めない早産の可能

性のある妊婦をマクドナルド法実施群(A群),シロッカー法実施群(B群)および安静療

法群(C群)にランダム化のうえ分娩までの経過を観察し,生存時問解析により頸管縫縮術

群(A群およびB群)と安静療法群(C群)間の早産予防に関する有効性の差を検証することとした。さらに,頸管縫縮術群に安静療法群よりも高い有効性が検証された場合は術

式間(A群対B群)の有効性の差について探索的に検討することとした。頸管縫縮術実施のため盲検化は不可能であった。

12

一21一

なお,患者背景因子,有効1生および安全性の評価項目はDrakeleyら18)およびBelej・R&k

ら19)による頸管縫縮術の早産予防に関するシステマティックレビューの結果を参考に,本

試験において有用と考えられる評価項目を選定した。

1.7.2 試験対象集団の根拠

1)妊娠中期妊婦(スクリーニング時16週0日~26週6日)周産期医療が著しい進歩を遂げているにもかかわらず,早期早産児の死亡率はいまだ高く,

また,生存場合も精神神経発達に様々な問題を残していることが報告されている。その点

を重視し,本研究においても早期からの管理を行うべく,妊娠中期妊婦を対象として設定した。

2)患者の頸管長25.Omm以下頸管長の短縮は,その程度が強いほど早産率が高いと報告されている2)。どの程度の短縮例

を研究の対象とするかについては,早産のリスクと治療の必要性の兼ね合いを鑑み,頸管

長25.Omm以下を対象とした。

3)不顕性感染陰性ここでいう不顕性感染とは,膣炎の範疇に入らず膣内細菌叢を構成する細菌の種類の変化

のことであり,一般に細菌性膣症と呼ばれている状態である20冒22)。それらの症例では感染

や炎症を伴わない。近年の報告23・24)から,早産の原因の1つとして重要視されるようにな

った絨毛膜羊膜炎が膣・頸管からの上行性感染によると考えた場合,絨毛膜羊膜炎の前段

階とされている頸管炎や細菌性膣症は早産のリスクファクターの1つと想定される。局所

に感染や炎症が存在する患者では,そうでない患者とは異なるメカニズムで早産に至ると

考えられ,そのこと自体が頸管長短縮の誘因となっている可能性が高い。したがって,早

産予防のためにはその病態を治療することが重要と考えられる。そのため,不顕性感染を

有する患者は試験対象集団から除外した。

1.7.3 試験治療の根拠

本試験においては,妊娠中期で,不顕性感染および局所炎症がなく,かつ頸管短縮を有す

る妊婦のみを対象とする。妊娠早期の頸管無力症に対する流産予防の標準的治療法は頸管

縫縮術のマクドナルド法とシロッカー法であり,この2つの術式間には差がないといわれ

ているが17),妊娠中期の頸管長短縮例に対する早産予防を目的とした術式間の比較はされ

ていない。加えて,頸管長短縮例においては頸管縫縮術を実施する場合と手術を行わず安

静により経過観察を行う場合の早産予防効果の比較もされていない。

以上の経緯より,本試験における試験治療法を頸管縫縮術マクドナルド法実施群(A群),

頸管縫縮術シロッカー法実施群(B群)および安静療法群(C群)の3群とし,縫縮術実

施群(A群およびB群)対安静療法群(C群)間の比較および縫縮術式間の比較(A群対B群)を行うこととした。

13

一22一

2試験の目的2.1目的経膣超音波検査において頸管長短縮と診断され,不顕性感染のない妊娠中期の妊婦に対し

て行う頸管縫縮術が,頸管縫縮術を行わない安静療法群に比較して早産予防に有効かどう

か検証する。縫縮術の有効性が検証された場合は,マクドナルド法とシロッカー法の有効

性を探索的に比較する。さらに,術式の安全性についても有効性と同様に比較する。

2.2試験デザインランダム化非盲検3群並行比較試験

本試験で実施する縫縮術の概要を以下に示す。以下の縫縮術実施群の他に安静療法群(C群)

を非盲検対照群とする。

(1)頸管縫縮術マクドナルド法実施群(A群)

(2)頸管縫縮術シロッカー法実施群(B群)

(3)安静療法群(C群)

3対象妊娠中期(16週0日~26週6日)の妊婦定期健診において,経膣超音波検が25.Omm以下と診断された妊婦のうち,以下の選択基準の全てを満たし,除外基準のいずれにも該当

しない妊婦を試験登録適格例とする。

3.1選択基準以下の選択基準を全て満たす妊婦を対象とする。

(1)妊娠16週0日~26週6日の妊婦

(2)経膣超音波検査で頸管長25.Omm以下と診断された妊婦

(3)不顕性感染注1が陰性,かつ分娩様式を左右する可能性のある感染症(例えば,HIV,

 HSV,コンジローマ等)に罹患していない妊婦

(4)本試験の参加にあたり十分な説明を受けた後,十分な理解のうえ,妊婦本人の自由意

 思による文書同意が得られた妊婦(20歳未満の場合は,配偶者(20歳以上の)または

 親権者の文書同意が得られた妊婦)

(5)主要臓器の機能が保たれていることを,以下の臨床検査値により確認する。

1)白血球数

2)血小板数

3)ヘモグロビン

4)AST(GOT)

5)AI」T(GPT)

6)BUN7)血清クレアチニン

3,0001mm3以上,20,0001mm3以下

50,0001mm3以上

8,0g/d:L以上

各実施医療機関の基準値上限の2.5倍以下

各実施医療機関の基準値上限の2.5倍以下

25mg!dL以下

2mg/dL以下

14

一23一

3.2除外基準以下の除外基準のいずれかに抵触する場合,本試験には組み入れない。

(1)三胎以上の多胎

(2)前置胎盤

(3)常位胎盤早期剥離

(4)重篤な胎児異常

(5)Fetalwe11-beingが確認できない妊婦

(6)今回の妊娠において既に頸管縫縮術施行済みの妊婦

(7)切迫早産注2の兆候がある妊婦

(8)精神病または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される妊婦

(9)その他,担当医師が不適切と判断した場合

注1不顕性感染の定義

以下の(1)または(2)のいずれかを満たす場合,不顕性感染と診断する。

(1)Fem:Examキットにより細菌性膣症が認められる(Fem Exam:別添資料3参照)

(2)Elastaseが定性的に陽性(子宮頸管粘液中穎粒球エラスターゼ検出用キット:別添資

  料4参照)。

注2切迫早産(妊娠22未満は切迫流産)の定義以下の(1)から(4)のいずれかを認める場合,切迫早産(切迫流産)と診断する。

(1)1時間に6回以上の規則的な子宮収縮

(2)月室鏡診で胎胞を視認

(3)P-PROM(Preterm Premature Rupture ofMembrane)注3

(4)絨毛膜羊膜炎(CAM:Chorioamnionitis)注4

注3P-PROMの定義以下の(1〉または(2)のいずれかの場合,P-PROMと診断する。

(1)明らかな羊水流出

(2)以下の3項目全てを満たす場合

 1)Pooling(後膣円蓋部への羊水貯留)

2)チェックPROM陽性(膣分泌液中インスリン様成長因子結合蛋白1型陽性)

3)膣分泌物のアルカリ化(エムニケーター陽性)

注4絨毛膜羊膜炎の定義以下の(1)または(2)のいずれかを認める場合,絨毛膜羊膜炎と診断する。

(1)他の感染がなく,38度以上の発熱がある場合は,以下の4項目のうち1つ以上が認め

  られる。

(2)38度以上の発熱がない場合は,以下の4項目の全てが認められる。

 1)母体頻脈 100/分以上

15

一24一

2)子宮の圧痛

3)白血球増多(15,0001mm3以上)

4)膣分泌物,水溶性帯下いずれかが悪臭(アミン臭)を有する場合

4 試験治療の計画・方法

4.1試験治療のアウトライン

登録ニフンダム化

A群

・妊娠中期妊婦

 (16週0目

 ~26週6日)・頸管長

 ≦25.Omm・不顕性感染なし

入院●同意取得

A,B群:手術後2週間後以後に退院可

C群:入院2週問後に退院可

   分娩時および分娩後(28日(±7目))検査

  (母体および新生児)

B群

C群

 スクリーニング期間

妊娠16週0日~26週6日

  試験治療期間試験治療開始から分娩まで

(A,B群とも:37週時に抜糸)

試験治療終了後観察期間(分娩後28目 (±7日))

4.2 試験期間

4.2.1スクリーニング期間

(1)妊娠16週0日から26週6目の間に,妊婦定期健診において経膣超音波検査により頸

  管長が25.Omm以下と診断された妊婦に対し、試験責任医師または試験分担医師は,

  患者説明同意文書を用いて本試験に関して説明のうえ,患者本人から文書による同意

  を取得する。

(2)試験責任医師または試験分担医師は,選択および除外基準への適格性を判定した後に

  患者登録し,ランダム化割り付けを受ける。

4.2,2 試験治療期間

試験治療期間は,試験治療開始から分娩時までとする。

(1)最短の場合:妊娠27週時点で入院し,分娩までの期間

(2)最長の場合:妊娠16週時点で入院し,分娩までの期間

試験治療期間中に中止基準に該当する事象が起こった場合は,担当医師が試験中止と判断した時点を試験治療期間終了とする。

16

一25一

4.2.3 試験治療中止(7 試験治療中止基準参照)

(1)母体および胎児の健康に支障を来す可能性が発生した場合,あるいは患者が試験参加

  中止を申し出た場合は,試験責任医師または試験分担医師は,試験を中止し抜糸等の

  医学的に適切な処置をとる。また,可能なかぎり観察を継続する。

(2)試験責任医師または試験分担医師は,試験治療中止後,速やかにデータセンターに試

  験治療中止を連絡する。

(3)データセンターは,報告受領後,速やかに事務局に試験治療中止を連絡する。

4.2.4 試験治療終了後観察期間

(1)試験治療終了後の観察期問(後観察期間と略す場合あり)は分娩目から起算して28日

  (±7目)までとする。

4.3 試験治療

4.3.1入院期間

(1)頸管縫縮術実施群(A群,B群共通)

 1)入院までは自宅で可能なかぎり安静とする。

2)頸管長短縮診断時検査を行う (6.1.1参照)。

3)頸管長短縮の診断後速やかに実施医療機関に入院する。

4)原則として,手術目から起算して2週問以後に退院可とする。退院の際には自宅安静

  を指導する。ただし,病状によって入院期間の延長を考慮する。

(2)安静療法群(C群)

 1)入院までは自宅で可能なかぎり安静とする。

2)頸管長短縮診断時検査を行う (6.1.1参照)。

3)頸管長短縮の診断後速やかに実施医療機関に入院する。

4)2週間入院管理とする。その後は診察所見,病状によって退院可とする。退院の際には

  自宅安静を指導する。

5)入院後よりトイレ,洗面のみ,歩行可とする。入院5日目以後変化がなければシャワ

  ー可とする。

4.3.2 手術当日の処置および管理(A群,B群共通)

頸管縫縮術群(A群およびB群)においては,登録後1週間以内に割り付けられた術式を実施する。

(1)手術直前の観察・検査を行う(6.1.2参照)。

(2)手術前処置(手術開始予定時刻の約2時間前までに,以下の処置を行う)

輸液500mLの持続点滴静注を開始し,輸液投与継続のまま,手術室へ移送する。

(3)手術

17

一26一

割り付けられた頸管縫縮術(マクドナルド法(A群),シロッカー法(B群))を,腰椎麻酔

または硬膜外麻酔下で実施する(4,4参照)。

4.3.3 手術後の処置および管理(A群,B群共通)

(1)手術当日(0日目)

1)術直後より輸液1500~2000mL,術後12時間より生理食塩液100mL+アンピシリン

  1gを約30分で1回持続点滴静注する。

2)輸液500mLに塩酸リトドリン(別添資料2参照)50~150μg/分(1目最大200mg

  まで)を添加し,翌朝まで持続点滴静注する。

(2)手術の翌日 (術後1目目)

1)朝より,輸液1500~2000mL,生理食塩液100mL+アンピシリン1gを,朝夕2回持続

  点滴静注する。

2)輸液500mLに塩酸リトドリン50~150μg/分を添加し,翌朝まで持続点滴静注する。

  ただし,状況によっては術後5日目までは塩酸リトドリンを使用可とする。

(3)手術の翌々日 (術後2日目)

1)バルーンおよび留置針を抜去する.

2)安静とし,トイレおよび洗顔のみ可とする。シャワーは手術後5日目より可とする.

4.3.4 抜糸(A群,B群共通,37週時〉

原則として,妊娠37週時に外来で抜糸する。

4.4 各群の試験治療の詳細

4.4.1マクドナルド法(A群)

(1)ジュモン膣鏡にて膣を伸展,消毒薬綿球(0.02%ベンザルコニウム)で膣内消毒する。

(2)子宮膣部前唇12時方向と9時方向を塚原鉗子で把持し,その問の子宮膣部を伸展させ,

  12時の部位より大き目のメイヨ針に5mmテフロンテープ(原則として使用、但し各

  施設の判断に委ねる)をつけたものを刺入,9時の部位まで貫通させる。この際,針が

  頸管筋層内に深く入らないように,針先を確認しながら運針する。

(3)同様に,子宮頸部の9時~6時,6時~3時,3時~12時に運針し,12時の位置で3

  重に結紮。子宮口に指を入れ子宮口が閉鎖していることを確認する.

(4)膣内消毒,膀胱内にバルーンカテーテルを留置する。

4.4.2 シロッカー法(B群)

(1)ジュモン膣鏡にて膣を伸展,消毒薬綿球(0.02%ベンザルコニウム)で膣内消毒する。

(2)子宮膣部前唇12時方向を塚原鉗子で把持し,子宮口を押し込めることにより膣粘膜と

  子宮膣部粘膜移行部を確認。その5mm下方に子宮膣部に沿って,約3cmに渡り生理

  食塩液を20G針デイスポ注射器で10mL注入する。

18

一27一

(3)子宮膣部後唇6時方向を塚原鉗子で把持し,子宮口を押し込めることにより膣粘膜と

  子宮膣部粘膜移行部を確認する。同様に,生理食塩液を20G針デイスポ注射器で10mL

  注入する。

(4)塚原鉗子を子宮膣部前唇12時方向にかけかえ,十分前膣円蓋を伸展し生理食塩液注入

  部に沿ってメスにて,2~3cm横切開を加える。切開を進めるうちに膀胱膣中隔を認め,

  これをさらに切開する。切開部にジュモン膣鏡を入れ上方に圧迫して膀胱を挙上し,

  頸管筋膜を露出させる。

(5)クーパーにて膀胱を内子宮口の位置まで上方に鈍的に剥離する。

(6)示指にて左右膀胱子宮靭帯・傍結合織を頸管に沿って剥離する。

(7)塚原鉗子を子宮膣部後唇6時方向にかけ,後膣円蓋を伸展し生理食塩液注入部に2~

  3cmの横切開をメスにて加える注。

(8)切開部をクーパーにて鈍的に剥離し直腸を下方に圧排する。

(9)左手示指を後膣円蓋切開部より9時方向に入れ,クリーブランド結紮誘導器を前膣円

  蓋より頸管に沿って刺入,左手示指先でクリーブランド先端を誘導し,後膣円蓋切開

  創より露出させる注。

(10)クリーブランドの先端を開き,5mmテフロンテープ(原則として使用、但し各施設の

  判断に委ねる)の先端を把持し,そのままクリーブランドを引き抜きテフロンテープ

  を前膣円蓋切開創まで移動させる。テープの先端を短コッヘル鉗子で把持する注。

(11)同様に,子宮頸管の左側にテフロンテープを貫通させ,子宮膣部前唇の位置でテープ

  を3回結紮,子宮口に指を入れ子宮口が閉鎖していることを確認する。

(12)膣壁切開創をバイクリル吸収糸で縫合し,テフロンテープは3cmほど結紮部分より上

  方を切断する。

(13)膣内消毒,膀胱内にバルーンカテーテルを留置する。

注:これらの操作は省略可とする。

4.4.3 安静療法群(C群)

診断後速やかに入院し,2週間入院管理とする.その後は退院も可とする.退院の際には自宅

安静を指導する.

4.5 併用薬および併用禁止薬

本試験の継続が困難となることが予想される病態,合併症と併用薬による対応については,

7Rescue&rmとその処置を参照。

19

一28一

5 患者登録および割り付け方法試験責任医師または試験分担医師は,以下の手順により患者を登録する。

(1)試験責任医師または試験分担医師は,別添の被験者同意説明文書により十分な説明と

 質疑の後に,患者本人から文書による同意を取得する。

(2)試験責任医師が保管する患者リストに,同意取得日および患者名と患者識別コードを

 対応させるために必要な事項を記載する。

(3)試験責任医師または試験分担医師は,患者に対し診断時検査を全て行い適格性を確認

 する。

(4)適格性が確認できた場合,試験責任医師または試験分担医師は同意取得日から7日以

 内に下記の患者登録先にインターネット経由でアクセス(暗号化対応済み)し,適格

 性確認に必要な情報を入力し患者を登録する。

患者登録先:大学病院医療情報ネットワーク研究センター

   (URL:h一)患者登録責任者:篠塚憲男

昭和大学医学部産婦人科学教室内 目本早産予防研究会事務局

〒142・8666東京都品川区旗の台1-5-8

TEL:03・3784-8551    F題く:03-3784-8355

eMail address:norio@shinozuka.com

(5)割り付け因子は,登録時妊娠週目数(16週0日~20週6日、21週0日~26週6日,

 頸管長(「10.Omm以下」,「10.Ommを超える」),早期流産の既往(有,無),双胎(有,

 無)および実施医療機関とする。

(6)入力の結果,適格性確認の画面が表示されたら,割り付け結果および患者登録番号を

 確認する。

(7)試験責任医師または試験分担医師は,登録後速やかに割り付け結果に応じた患者管理

  を行う(4.3参照)。

(8)試験責任医師または試験分担医師は,患者登録情報に誤りが発覚した場合は,速やか

  に上記の患者登録先にアクセスし,登録情報の修正を行うとともに,事務局へも修正

 情報を連絡する。

20

一29一

6観察スケジュールおよび観察・検査項目試験責任医師または試験分担医師は,以下の項目について観察・検査し,診療記録にデー

タを残す。各観察および検査項目の詳細は,「6.2観察および検査項目」項に示す。

6.1観察スケジュール

6.1.1頸管長短縮の診断時検査(妊娠16週0日~26週6日)

(1)年令(生年月目)

(2)身長

(3)体重

(4)バイタルサイン(体温,母体脈拍数,血圧)

(5)妊娠歴(既往流・早産歴(割り付け因子),分娩歴)

(6)既往歴

(7)合併症(頸管縫縮術実施の有無,頸管の炎症,精神病または精神症状の合併,その他

  の合併症)

(8)早産に関する前治療歴(有無,内容)

(9)併用薬,併用療法

(10)嗜好(喫煙,飲酒)

(11)胎児・胎盤異常の有無(三胎以上の多胎,前置胎盤,常位胎盤早期剥離,早期に娩出

  を要する重篤な胎児異常)

(12)Fetal we11・being

(13)切迫早産兆候の有無(6.2.2参照)

(14)子宮頸管長の計測(割り付け因子)(経膣超音波:6.2.3参照)

(15)不顕性感染の有無(FemEx&m,E1段stase:6.2.4参照)

(16)膣分泌物培養(6.2.5参照)

(17)感染症検査(梅毒血清反応(ガラス板法,TPHA法),HBs抗原・抗体,HCV抗体,

  HIV」1,2抗体)

(18)血液学的検査(白血球数,赤血球数,Hb,Ht,血小板数),CRP

(19)血液生化学的検査(総蛋白,AST(GOT),A:LT(GPT),LDH,γGTP,BUN,血

  清クレアチニン,尿酸,Na,K,Cl)

(20)血液型(ABO,Rh)

(21)心電図

6.1.2 手術前(手術当日を第0日とする)

(1)切迫早産兆候の有無

(2)子宮頸管長

(3)有害事象

21

一30一

6.1.3 手術翌々日(第2日)

(1)血液学的検査(白血球数,赤血球数,Hb,Ht,血小板数),CRP

(2)子宮頸管長

(3)切迫早産兆候の有無

(4)有害事象

6,1.4 手術後(C群については入院後)1週後から妊娠32週目(毎週観察する)

(1)血液学的検査(白血球数,赤血球数,Hb,Ht,血小板数),CRP:手術後1週目およ

  び妊娠28週目のみ実施する。

(2)不顕性感染の有無:手術後1週目および妊娠28週のみ実施する。

(3)膣分泌物培養:手術後1週目および妊娠28週目のみ実施する。

(4)子宮頸管長:毎週観察する

(5)切迫早産(切迫流産)兆候の有無(6.2.2参照):毎週観察する。

(6)子宮収縮抑制剤の使用の有無(7.1・3参照):毎週観察する。

(7)有害事象:毎週観察する

6.1.5 妊娠34週およぴ36週時

(1)子宮頸管長:34週のみ

(2)切迫早産(切迫流産)兆候の有無(6.2.2参照):毎週観察する。

(3)子宮収縮抑制剤の使用の有無(7。4参照):毎週観察する。

(4)有害事象

6.1.6 妊娠37週時(抜糸時)

(1)子宮口の観察(開大度,展退度)

(2)縫合糸の培養

(3)有害事象

6.1,7 妊娠37週以後から分娩前まで(毎週観察する)

(1)有害事象

6.1.8 試験治療中止時

(1)試験治療中止の理由

(2)試験治療中止日時

(3)子宮頸管長:35週以降は不要

(4)切迫早産(切迫流産)兆侯の有無:35週以降は不要

(5)不顕性感染の有無:35週以降は不要

(6)有害事象

6.1.9 分娩時(母体)

(1)分娩日

22

一31一

一32一

(2)分娩様式,分娩理由,所要時問,出血量

(3)娩誘発処置

(4)不顕性感染症以外の感染症罹患

(5)子宮復古の良,不良

(6)頸管裂傷の有無

(7)後産所見(6.2.6参照)

6.1.10 分娩時(新生児)

(1)新生児の性別,身長,体重,頭囲,胸囲

(2)Apgarscore(6.2.7参照)

(3)膀帯血ガス分析(pH,PaCO2,PaO2,HCO3一,BE)

(4)新生児転帰(生,死,転科)

6.1.11分娩後(母体)(28±7日)

(1)子宮復古の良,不良

(2)縫縮部位の癒痕化の有無

(3)産道および周辺臓器の損傷・痩孔などの有無

(4)胎盤病理所見(Blank分類)137週未満の場合

6.1.12 分娩後(新生児)(28±7日,評価項目の詳細6.2.8参照)

(1)新生児転帰(生,死,転科)

(2)基本情報

(3)児の評価(分娩後新生児室で管理する情報)

(4)児の評価(分娩後NICUで管理する情報)

6.1.13 児の発育調査(1歳6カ月時,評価項目の詳細6.2、9参照)

(1)病歴・現疾患

(2)経過した感染症

(3)罹患傾向

(4)現疾患

(5)身体発育

(6)精神運動発達

(7)聴覚障害

(8)視覚障害

(9)コメント

6.1.14 児の発育調査(3歳時,評価項目の詳細6.2.9参照)

1歳6カ月時の児の発育調査項目と同じ。

23

6.2 観察および検査項目

6.2.1胎児・胎盤異常

(1)三胎以上の多胎

(2)前置胎盤

(3)常位胎盤早期剥離

(4)重篤な胎児異常

6.2.2 切迫早産,P-PROMおよび絨毛膜羊膜炎

(1)切迫早産(ただし妊娠22週未満の場合は切迫流産)

以下の1)から4)のいずれかを認める場合,切迫早産(切迫流産)

 1)1時間に6回以上の規則的な子宮収縮

2)膣鏡診で胎胞が確認可能

3)P-PROM

4)絨毛膜羊膜炎(CAM)

と診断する。

(2)P-PROM以下の1)または2)のいずれかを認める場合,P・PROMと診断する。

 1)明らかな羊水流出

2)以下の3項目全てを満たす場合  ・Pooling(後膣円蓋部への羊水貯留)

  ・チェックPROM陽性(膣分泌液中インスリン様成長因子結合蛋白1型陽性)  ・膣分泌物のアルカリ化(エムニケーター陽性)

(3)絨毛膜羊膜炎

以下の1)または2)のいずれかを認める場合,絨毛膜羊膜炎と診断する。

 1)他の感染がなく,38度以上の発熱がある場合は,以下の4項目のうち1つ以上が認め

  られる。

2)他の感染がなく,38度以上の発熱がない場合は,以下の4項目の全てが認められる。

  ・母体頻脈 100/分以上

  ・子宮の圧痛  ・ 白血球増多(15,000/mm3以上)

  ・膣分泌物,水溶性帯下いずれか1つ以上が悪臭(アミン臭)を有する場合

6.2.3子宮頸管長測定(経膣超音波検査)

以下の手順に従って,頸管長を測定する。

(1)排尿後に頸管長を測定する。注1

(2)プローブを前膣円蓋に挿入し,左右に動かし,頸部の中央を描出する。注2

(3)内子宮口を同定する.注3・4

(4)頸管部の描写が可能なかぎりプローブを引き戻す。砺

24

一33一

(5)Pressuretestを施行する.注6

(6)Pressuretestを通じて最も短く描出された頸管長を計測する。注7

(7)計測部位は以下とする.注8・9

 1)組織学的内子宮口が閉鎖している場合:組織学的内子宮口から外子宮口までの距離(子

  宮下部は含めない)

2)組織学的内子宮口が開大している場合:羊水腔の下端(functional intemal os)から

  外子宮口までの距離

3)計測は曲線のトレース,または2直線の合計とする。

(8)Fumelingの状態は参考所見とする。注10

手順(1)~(8)に関する注意事項

注1:子宮下部と頸部は周辺組織の圧迫により容易に形状が変化するため,膀胱が充満して

  いると,上方からの圧迫により子宮下部の前後壁が密着しやすく,また本来開大して

  いる組織学的内子宮口が閉鎖して描写される可能性がある。

注2:プローブはできるだけ前膣円蓋に挿入するよう努めるが,頸部の向き等により不能な

  ときはこのかぎりではない。頸部中央の縦断像が描出できなければ,頸管腺組織およ

  び頸管の同定ができず,頸管短縮を見落とす可能性がある。頸管の全長を正しく描出

  することが重要である。

注3:頸管腺組織は,頸部中央の縦断像で周囲の組織と比較してhypoechoic(まれに  hyperechoic)に描写される細長い紡錘形または帯状の部分として同定する。その組

  織の中央の線上の無エコー部分が頸管である。頸管腺組織の子宮体部側の端の中央を

  組織学的内子宮口とする。頸管短縮例では頸管腺組織が不明瞭なこともあるが,

  funnelingの形状から見当をつけることができる。注4:外子宮口は頸管の最下端部(尾側)とする。通常そのさらに下方(尾側)には膣後壁

  がhyperechoicな曲線として描出される。注5:プローブを膣内に深く挿入し頸部を押すと,プローブ自体の圧迫により注1の状態が

  生じるので,プローブを引き戻す操作が必要となる。

注6:検者が用手的に子宮底を下方(尾側)に圧迫する(transfundal pressure)か,また

  は恥骨上部を後方(背側)に圧迫する(suprapubic pressure)手技で圧力をかけ,頸

  管の動的変化(dyn&micch段nge)を人工的に作製する。圧迫は20~30秒行う.

注7:Dynamic changeで短くなった頸管を計測することで早産に対する予知精度が向上す  ると報告されている8)。Pressure testでも同様である8).

注8:閉じている頸管部分の長さが重要との考え8)に基づく。

注9:頸管は曲線状の患者が多く,一直線に計測すると誤差が大きくなる。頸管が著しく短

  縮している場合は一直線に計測してもよい。

注10:Funnelingを考慮しても,頸管長単独より早産長予知精度は向上しない8)。内子宮

  口開大例では,頸管の開大部と子宮下部との違いが不明瞭でfumelingの幅や深さの  計測は不正確である。

6.2.4 不顕性感染

以下の条件のいずれかを満たす場合を不顕性感染陽性とする.

25

一34一

(1)Fem Ex段mにより細菌性膣症が認められる(Fem Examキットの内容および検査方法

  の詳細を別添資料3に示す)。

(2)Elast&seが定性的に陽性(Elastase測定用キットの例として,エラスターゼテストテ

  イゾー 発売元:協和メディックス株式会社,製造元:三和化学研究所の詳細を別添

  資料4に示す)。

6.2.5 腔分泌物培養

(1)乳酸菌(あり,なし)

(2)大腸菌(あり,なし)

(3)その他の細菌(あり,なし,内容)

6.2.6 後産所見

胎盤重量、膀帯長、その他の所見

6.2.7Apgarscore

Apgar Score 0 1 2

心拍数 ない 100以下/分 100以上/分

呼吸 ない 弱い泣き声不規則な浅い呼吸

 強く泣く

規則的な呼吸

筋緊張 だらんとしている いくらか四肢を曲げる 四肢を活発に動かす

反射 反応しない 顔をしかめる 泣く1咳漱

皮膚色 全身蒼白または暗紫色 体幹ピンク

四肢チアノーゼ全身ピンク

6.2.8 分娩後(新生児)(28±7日)

6.2.8.1基本情報

(1)性別(男,女,不明)

(2)出生年月日

(3)在胎期間(週・日)

(4)出生体重(g)

(5)Apgar score(1分値,5分値)

(6)pH

(7)胎児数(第 子)

(8)胎児心拍異常(あり,なし,不明)

26

一35一

一36一

(9)身長(cm),頭囲(cm),胸囲(cm)

(10)出生時処置:

 1)酸素投与(あり,なし,不明)

2)挿管(あり,なし,不明)

(11)絨毛羊膜炎(あり,なし,不明)

(12)出生時IgM(mg/dL)

6.2.8.2 児の評価(分娩後新生児室で管理)

(1)けいれん(あり,なし)

(2)筋緊張の低下(あり,なし)

(3)黄疸(あり,なし)

(4)哺乳力の低下(あり,なし)

(5)体重増加不良(あり,なし)

(6)腹部膨満(あり,なし)

(7)メレナ(あり,なし)

(8)発熱(あり,なし)

(9)低体温(あり,なし)

(10)発疹(あり,なし)

(11)呼吸障害(あり,なし)

(12)心雑音(あり,なし)

(13)肝腫大(あり,なし)

(14)低血糖(あり,なし)

(15)MCU転科(あり,なし)

6.2.8.3 児の評価(分娩後NICUで管理)

(1)酸素投与日数

(2)CPAP目数

(3)人工換気日数

(4)RDS(1,H,皿,IV,なし,不明)

(5)気胸(あり,なし,不明)

(6)肺出血(あり,なし,不明)

(7)MAS(あり,なし,不明)

(8)CLD(1型,H型,皿型,皿’型,IV型,V型,V【型,なし)

(9)HIE(あり,なし,不明)

(10)IVH(gr&de I,皿度,皿度,IV度,なし,不明)

(11)CysticPVL(あり,なし,不明)

(12)けいれん(あり,なし,不明)

27

(13)早期敗血症(あり,なし,不明)

(14)NEC(あり,なし,不明)

(15)ROP(n度,皿期初期,Hl期中期,皿期後期以上,なし)

(16)ROP治療(あり,なし,不明)

(17)聴力障害(あり,なし,不明)

(18)先天異常(あり,なし,不明,その内容:       )

(19)手術の有無(あり,なし,不明)

(20)ショック(あり,なし,不明)

(21)DIC(あり,なし,不明)

(22)PDAの有無(あり,なし,不明)

(23)PDAインダシン(あり,なし,不明)

(24)PDA結紮術(あり,なし,不明)

(25)低血糖(あり,なし,不明)

(26)黄疸(あり,なし)

 1)光線療法(あり,なし)

2)交換輸血(あり,なし)

3)転帰(生存,死亡)

(27)主要診断名

(28)備考

(29)長期フォロー

6.2.9 児の発育状態の調査(1歳6カ月時および3歳時共通)「乳幼児精神発達質問紙」25)を使用する。

28

一37一

一38一

観察・検査スケジュール

騎長筋

蹟臨髄

籍§日

手曜々B

勲8

手輯1遇養覗遇

 鯛旺邸湖

贈ユ7君

貰緒

旺瞳遡瞭唱産

  碗

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期胎Ω

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⑳ゴ日

肋晃胃踊

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…齢r生年月B1

身長r騨 ●

蝿 鱒 ●

r・ノ勃塀ン融口 ●

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鼠彊 ●

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早産に圏する継鯉 ●

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號・櫨異零 ●

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偲早産詫候 ● ● ● ● ●

裾麗長 ● ● ● ● ●

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不一性騒 ● ●

鮒闘養 ● ●

襲難盤董 ●

蝋零陥董岬 ● ●  ●隔1,潮陸oの

醗銚蹴壷 ●

竃醒 ●

心廻 ●

子宮㎝鰍鯛の龍 ● ●

遡ロの照 ●

0鎌の闘 ●

碍鞭 ● ● ●

雌串雌由

oよ

瓢目

ど㎜式頒髄蔭嬰賊=雌

分鵡鋤置

不雛際騨勅験産幾

裾酪麗裂5蜥見麟臨頒甑型猷爬醐篭の囎・縣

整断嚇屍r陣頒

匠鋭

断甥闘雌熔監晒罷紀げ

蜻煽頒駐晃1

綴量μ鯛晃頭価 罷賎礪酎る撒

”       1

、1

編翼・患

罐過し鷹薙

鴨傾霞

畏飢

躰餌

麟撒腿嬉勲冒

槻鮪罪ント

29

7Rescue armとその処置試験責任医師または試験分担医師は,以下の病態が発現した場合,記載された手順により

適切な診断および医学上の処置をとる。これらの病態は早産防止の試験治療を受けたにも

かかわらず早産に至るリスクが高まったと判断された場合,rescue armに移行する。rescue

armにおける処置はA,B,C群に共通のものとする。

7.1胎胞膨隆

(1)ベッド上安静

(2)子宮収縮に対しては塩酸リトドリンの投与を中心とし,さらに不可能な場合には硫酸

  マグネシウムの使用を考慮する(別添資料1および2参照)

(3)膣洗浄または縫縮術(A,B群の場合には再縫縮術)

7.2   Preterm PROM

(1)膣分泌物を採取または羊水穿刺により,細菌の培養検査を行う。

(2)抗生剤投与

膣分泌物または羊水穿刺による培養検査の感受性の結果が出るまで,予防的にABPC291日投与を行う。

(3)Tocolysis

塩酸リトドリンの投与を中心とし,さらに不可能な場合には硫酸マグネシウムの使用を考慮する。

7.3 絨毛膜羊膜炎

(1)抗生剤投与

膣分泌物または羊水穿刺による培養検査の感受性の結果が出るまで,予防的にABPC2g/目投与を行う。

7.4 子宮収縮抑制不能

(1)併用薬(子宮収縮抑制剤)

塩酸リトドリンの投与を中心とし,さらに不可能な場合には硫酸マグネシウムの使用を考慮する。

1)対応

①妊娠22週未満の場合:患者の意向を尊重し,患者への十分なインフォームドコンセント

のもとに,妊娠の継続または中断を決定する。

②妊娠22週以後の場合:妊娠22週から25週6目までは患者の意向を尊重したうえで各施

設の治療指針に従う。26週以降はCAMと診断するまでは,Tbcolysisに努め,妊娠期間の

延長を図る。

2)ステロイド

①妊娠34週未満で早産が予測される場合使用する。

②絨毛膜羊膜炎が否定されるケースで,胎児の肺,心血管系,消化器系などの成熟効果を

30

一39一

期待して使用する場合は,ベタメサゾン(リンデロン:別添資料5参照)12mgを24時間おきに2回筋注する。ただし,反復投与は禁止とする。

8 試験治療中止基準

8.1 試験治療中止基準

(1)試験責任医師または試験分担医師は,以下の試験治療の中止基準に該当する場合は当

  該患者の試験治療を中止し,中止・脱落の目付・時期,中止・脱落の理由,経過等を

  記録するとともに,中止・脱落時点で必要な検査を行い有効性・安全性の評価を行う。

(2)試験責任医師または試験分担医師は,各実施医療機関の治療指針に従い,適切な医療

  上の処置を当該患者に対して行う。

(3)試験責任医師または試験分担医師は,試験治療中止の場合も,可能なかぎり試験治療

  中止後の観察を行う。

(4)試験責任医師または試験分担医師は,試験治療中止後,速やかにデータセンターに試

  験治療中止を連絡する。

(5)データセンターは,報告受領後,速やかに事務局に試験治療中止を連絡する。

[試験治療中止基準]

(1)患者から試験参加の辞退の申し出があった場合

(2)患者の同意撤回があった場合

(3)登録後に適格性を満たさないことが判明した場合

(4)登録後に前置胎盤と診断された場合

(5)登録後に重篤な胎児異常が見つかった場合

(6)上記の(4)~(5)以外の有害事象により,試験の継続が困難な場合

(7)合併症の増悪,偶発症の発現により試験の継続が困難な場合

(8)試験全体が中止された場合

(9)その他の理由により,医師が試験を中止することが適当と判断した場合

9有害事象9.1 有害事象および副作用の定義ならびに調査

9.1.1 有害事象および副作用の定義

(1)有害事象とは,試験参加を同意した後,患者に生じた全ての疾病またはその徴候(臨

  床検査値,バイタルサインの異常を含む)とする。

(2)試験治療との因果関係の有無は問わない.

(3)有害事象のうち,試験治療との因果関係が「関係なし」と判定された以外の,「関係あ

  り」あるいは「関係が否定できない」有害事象を,副作用と定義する。

31

一40一

9.1.2 有害事象の調査

(1)試験責任医師または試験分担医師は,有害事象に関して,患者からの自発報告の収集,

  入来院時問診により以下の1)~7)の項目について調査する。

(2)試験責任医師または試験分担医師は,有害事象が発現した場合は,適切な処置を施し

  有害事象が消失あるいは軽快するまで可能なかぎり追跡調査を実施する

(3)試験責任医師または試験分担医師は,患者が転居・転院・その他の理由により来院が

  できない場合は,可能なかぎり電話等により追跡調査する。

[有害事象の調査項目]

1)内容

有害事象の内容(症状名),発現目時および消失日時を調査する。

2)有害事象の重篤度

有害事象の重篤度を「重篤である!重篤でない」により判定する。

3)重症度有害事象の重症度を以下の基準により判定する。

有害事象の重症度の判定基準

重症度 判定基準

軽度 日常活動に支障なく,耐えうる程度

中等度 日常活動に支障を生じる程度

高度 目常活動を不可能にする程度

4)処置

有害事象に対する処置の有無,実施期間および処置内容を調査する。

5)転帰

有害事象の消失目 (転帰日,判定日),転帰およびその内容を調査する。

有害事象の転帰の判定基準

転帰 判定基準

消失 有害事象が消失し,患者が発現前の状態に回復した場合

軽快 有害事象がほぼ消失し,患者が有害事象発現前に近い状態に戻った場合

不変 有害事象が消失せず,患者が有害事象発現時と同様な状態にある場合

悪化 患者の状態が有害事象発現前より悪くなった場合

その他 上記の分類に該当しない場合

32

一41一

6)試験治療法との因果関係有害事象と試験治療との因果関係を以下の基準により判定する。

有害事象の因果関係の判定基準

因果関係

関係あり

関係が否定できない

関係なし

判定基準

試験治療法と時間的に明らかな相関関係があり,試験治療に既知(動物試験ある

いは海外を含むこれまでの臨床試験)の反応あるいは試験治療による侵襲の影響

等から予想される反応を示し,かつ患者の既往および環境因子などの要因が否定

される場合

試験治療法と時間的に相関関係があり,試験治療による侵襲等から予想される反

応,患者の既往および環境因子などいずれも否定する十分な根拠がない場合,ま

たは原因が不明な場合

試験治療法と時間的に相関関係がないと考えられる場合,あるいは試験治療に関

係ないとする十分な情報がある場合

7)判定理由

因果関係の判定理由を記録する。

9.1.3 有害事象発生時の対応

有害事象(重篤な有害事象以外の)が発現した場合,試験責任医師または試験分担医師は

以下の対応をとる。

(1)有害事象に対する適切な医療上(必要に応じて抜糸を含む)の処置をとる。

(2)有害事象が消失するまで,可能なかぎり(試験治療終了後も)経過を観察する。

(3)医学的根拠に基づき患者が回復しない(有害事象が消失しない)と予想される場合,

  診療録にその旨を記録し,観察を終了する。

(4)試験責任医師または試験分担医師が,有害事象の内容により他の本試験参加医療機関

  への通知が必要と判断した場合は,事務局に報告する(重篤な有害事象の発現時の対

  応は9.2.2を参照)。

(5)事務局は,通知内容を独立データモニタリング委員会,本試験参加医療機関,試験責

  任医師または試験分担医師に報告する。

(6)以上の経緯を記録する。

9。2 重篤な有害事象の取り扱い

9.2.1 重篤な有害事象の定義(薬事法施行規則第66の7に準じて定義)

以下のいずれかに該当する有害事象を重篤な有害事象と定義する。

(1)死亡または死亡につながるおそれ

(2)入院または入院期間の延長

(3)障害または障害につながるおそれ

(4)後世代または先天性の疾病または異常

33

一42一

9.2.2 重篤な有害事象の発現時の対応

試験責任医師または試験分担医師は,重篤な有害事象が発現した場合,以下の対応をとる。

(1)試験治療との因果関係の有無にかかわらず適切な医療上の処置を行う。

(2)実施医療機関の長および事務局に,重篤な有害事象報告発現の第一報を24時間以内に

  電話またはファクシミリ等でただちに連絡する。

(3)第一報の連絡後に,内容の詳細を実施医療機関の長および事務局に速やかに報告する。

  文書の書式は医療機関の書式を用いる。

(4)実施医療機関の長は,重篤な有害事象の報告を受けた際は,実施医療機関のIRBの意

  見を聴き必要な措置を講じる。

(5)事務局は,重篤な有害事象の報告を受けた際は,独立データモニタリング委員会に報

  告し,独立データモニタリング委員会の意見を参考に試験の継続の可否判定を含め,

 適切な処置を決定する。

(6)事務局は,重篤な有害事象の報告を受けた際は,本試験参加の実施医療機関に当該重

  篤有害事象の内容と対応等を伝達する。

(7)事務局は,重篤度,因果関係,予測性に応じ,必要に応じて規制当局への報告も含め

 対応をとる。

10 実施計画書からの逸脱の報告

(1)試験責任医師または試験分担医師は,研究代表者の事前の合意およびIRBの事前の審

  査に基づく実施医療機関の長の承認を得る前に,試験実施計画書からの逸脱あるいは

  変更を行ってはならない。

(2)試験責任医師または試験分担医師は,緊急回避等のやむをえない理由により,研究代

 表者との事前の合意およびIRBの事前の承認を得る前に,試験実施計画書からの逸脱

  あるいは変更を行うことができる。その際には,試験責任医師または試験分担医師は,

  逸脱または変更の内容および理由ならびに試験実施計画書等の改訂が必要であればそ

  の案を速やかに,研究代表者およびIRBに提出し,研究代表者,IRBおよび実施医療

 機関の長の承認を得るものとする。

(3)試験責任医師または試験分担医師は,試験実施計画書からの逸脱があった場合は,逸

 脱事項をその理由とともに全て記録する。試験責任医師は,医療機関で定めた所定の

 様式により実施医療機関の長および研究代表者に報告する。試験責任医師は,これら

  の記録の写しを保存する。

11試験の終了,中止および中断11.1試験の終了

各実施医療機関での試験の終了時に,試験責任医師は,速やかに試験終了報告書を病院長

および研究代表者に提出する。

34

一43一

11.2試験の中止および中断試験責任医師は,以下の事項に該当する場合は試験実施継続の可否を検討する。

(1)試験治療法に関する安全性,有効性に関する重大な情報が得られたとき。

(2)患者の登録・参加が困難で,予定患者を達成することが困難と判断されたとき。

(3)予定患者数または予定期間に達する前に,中間解析等により試験の目的が達成された

  とき。

(4)IRBにより,試験実施計画等の変更の指示があり,これを受入れることが困難と判断

  されたとき。

12 試験実施期間

患者登録期間:2005年1月~2009年12月試験実施期間:2005年1月~2010年6月

13 データの収集

(1)試験責任医師,試験分担医師あるいは試験協力者は,下記の患者情報入力先にインタ

  ーネット経由でアクセス(暗号化済み)し,本試験で得られたデータを入力する。

患者情報入力先:

    (URL大学病院医療情報ネットワーク研究センター

データマネジメント責任者=篠塚憲男

昭和大学医学部産婦人科学教室内 日本早産予防研究会事務局

〒142・8666東京都品川区旗の台1-5-8

TEL:03・3784甲8551     FAX:03-3784・8355

eMail address:norio@shinozuka.com

(2)データマネジメント責任者は,本試験において患者の安全性が確保されていること,

  本試験実施計画書を遵守し試験が実施されていること,試験責任医師または試験分担

  医師から報告されたデータ等が正確かつ完全に収集されていることを確認するために,

  入力されたデータの集計すなわち中央モニタリングを行う。

(3)データマネジメント責任者および事務局はモニタリングの結果を,研究代表者および

  独立データモニタリング委員会に報告する。

(4)独立データモニタリング委員会はモニタリング報告を受け,試験の進行状況,有効性

  および安全性データを評価し,研究代表者に本試験の継続,変更あるいは中止等につ

  いて提言する。

35

一44

14統計解析統計解析に関する基本方針を以下に示す。統計解析に関する詳細(解析項目別の手法,以

下の基本方針で言及していない項目細部)は解析計画書に定める。統計解析責任者は,解

析データ固定前に解析計画書を作成する。また割り付け群盲検下でレビューを行い,必要

に応じて解析計画書の改訂を行い,その記録を残すものとする。

14.1 解析対象集団の定義

(1)EへS(FullAnalysis Set)

本試験に登録しランダム化割り付けされた患者のうち,割り付け後に判明した不適格患者,

試験治療が正しく開始されなかった受けなかった患者を除いた患者集団をFASとする。

(2) PPS (Per Protocol Set)

試験実施計画書からの重大な逸脱が試験開始後に認められ,有効性の評価に含めることが

不適切と考えられる患者を,EASから除いた患者集団をPPSとする。解析項目ごとの解析除外の患者については解析計画書に定める。

14,2 背景因子

背景因子の解析対象集団はFASとする。

6.1.1および6.1.2に示す背景因子について,以下の通りデータを集計し分布を記述する。

試験治療群別に,連続変数は要約統計量(平均値,標準偏差,中央値を含む4分位点,最

小値,最大値)を算出する。分布の歪が大きい場合には対数変換などの変数変換を試みる。

離散的変数はカテゴリー別の頻度を集計する。変数変換の必要性とカテゴリー区分けは,解析計画書に記載する。

14.3 有効性の評価項目と解析の概要

有効性の解析対象集団はFASとする。感度分析の観点から,PPSについても以下と同様の解析手順により有効性の解析を行う。

14.3.1 主要評価項目

以下の項目を主要評価項目とし,(1)については生存時問解析により,(2),(3)について

は割合の差により頸管縫縮術実施群(A群およびB群)と安静療法群(C群)を検証的に比較する。次いで治療法選択の目的でA群とB群の比較を行う。(1)については,中止・

脱落例についても皿丁の原則に従って中止・脱落後の分娩をイベントとした解析を主たる解析として行う。ただし人工流産例については,その時点で打ち切りとする。(2),(3)に

ついては,人工流産例についてはこれらを除いて割合を計算する。症例取り扱いの詳細に

ついては14.7に記すように解析計画書に定める。

解析手法としては,(1)についてはKaplanMeier法で累積分娩率をまとめ,規準となる週

数(32,34週など)についてGreenwoodの公式により累積分娩率の95%標準誤差を計算す

る。群間の検定には一般化Wilcoxon検定を用いる。(2),(3)の検定についてはFisherの

直接確率法を用い,割合の差の95%信頼区問を正規近似を用いて計算する。

(1)分娩週数

(2)新生児死亡率

(3)新生児罹患率

一般化Wilcoxon検定を用いる根拠:分娩は例外を除き患者全員に起きる現象であり,治療

36

一45一

にはこれを遅延することが期待される。イベント発生遅延に対しては,生存時問解析で標

準的に用いられるログランク検定より一般化Wilcoxon検定の検出力が高いことが知られている。

14.3.2 副次評価項目

以下の副次評価項目について頸管縫縮術実施群(A群およびB群)と安静療法群(C群)を探索的に比較する。次いでA群とB群を探索的に比較する。(1)については中止・脱落

例はその時点までのデータを用い集計を行う。必要に応じて観察期間ごとの集計も行う。

(2)については人工流産例についてはこれらを除いて集計を行うが,症例取り扱いの詳細

については14.7に記すように解析計画書に定める。

解析手法としては,(1)の検定にっいてはFisherの直接確率法を用い,割合の差の95%信

頼区間を正規近似を用いて計算する。(2)については要約統計量(平均値,標準偏差,中

央値を含む4分位点,最小値,最大値)を群別に求め,検定にはt検定を用いる。

(1)子宮収縮防止剤(塩酸リトドリン製剤,硫酸マグネシウム製剤)注)の使用割合

(2)平均出生体重

注)両薬剤の添付文書を別添資料1および2に示す。

14.4 安全性の評価項目

安全性の解析対象集団はEASとする。以下の安全性に関する評価項目について,試験治療群別,そして必要に応じて観察時期別

に集計を行い,頸管縫縮術実施群(A群およびB群)と安静療法群(C群)を比較する。次いでA群とB群を比較する。中止・脱落例はその時点までのデータを用い集計を行うが,

症例取り扱いの詳細については14.7に記すように解析計画書に定める。必要に応じて,群

間差の指標とするために検定を行う。いずれの項目も割合であり発生頻度の低いものも含

まれるので,Fisherの直接確率検定を用いる。

(1)有害事象発現割合(試験治療群別の有害事象発現割合,ならびに頸管縫縮術との因果

  関係別の有害事象発現割合)

(2)妊婦の不顕性感染症罹患率

(3)妊婦の不顕性感染症以外の罹患率

14.5 分娩時および分娩後検査

分娩時および分娩後検査の解析対象集団はFASとする。6.1.9~6.1.12,6。2.6,6.2.8に示す分娩時および分娩後検査項目について,試験治療群別に,

連続変数は要約統計量(平均値,標準偏差,中央値を含む4分位点,最小値,最大値)を

算出する。分布の歪が大きい場合には対数変換などの変数変換を試みる。離散的変数はカ

テゴリー別の頻度を集計する。変数変換の必要性とカテゴリー区分けは,解析計画書に記載する。

14.6検定法および検定の有意水準

(1)有効性の評価項目の検定における有意水準は両側5%とする。

(2)各検定においてP値を表記する。

37

一46一

14,7問題症例および不完備データの取り扱い

以下の各項に該当する問題症例および不完備データについて,統計解析責任者は解析計画

書中に解析上の取り扱いの詳細を定める。

データ固定前に,実行委員会および解析責任者は個々の問題症例および不完備データにつ

いて解析計画書に従い取り扱いを決定する。

(1)不適格例

本試験への登録あるいはランダム化割り付け後に,選択基準に合致しないあるいは除外基

準に抵触することが判明した患者。

(2)中止例

本試験の試験治療開始後(安静療法群を含む)に,試験責任医師または試験分担医師の医

学的判断(例:有害事象,副作用,偶発症,効果不十分等)により終了前に本試験への参加を中止した患者。

試験治療群の変更は中止例とはせず,データ固定前に個々の患者およびデータごとに解析

上の取り扱いを決定する。

(3)脱落例

本試験の試験治療開始後(安静療法群を含む)に,患者からの本試験参加の辞退,転院等

の本試験とは直接関係のない理由により終了前に本試験の観察・検査等を打ち切った患者。

(4)治療違反・不遵守例

(5)試験実施計画書「4.3試験治療」に定めた治療に対する違反あるいは不遵守が認められ

 た患者。

(6)不完備データ例

データの欠測,不備あるいは評価時期のずれ等の事由により,試験実施計画書「6.観察スケ

ジュールおよび観察・検査方法」に定めた通りにデータが得られなかった患者。

15 目標患者数および設定根拠

15.1手術群と安静療法群の比較本試験と同様の背景を有する患者(妊婦)集団の安静療法時の早産率について,信頼性の

高い利用可能なデータベースはわが国には存在しないと思われる。そこで,本試験参加医

師の経験から,安静療法時(C群)の33週未満の早産率を10~20%と想定する。薬物療法

評価の類推から,臨床的に意義があると考えられる早産リスク減少とNNT(:Numbers・Needed・to-Treat)をそれぞれ33~50%,15~20%と設定する。すると,主た

る評価項目に関する2群(手術群(A群とB群)と安静療法群(C群))比較の検定の有意水準α=0.05(両側),検出力1・β=0.80の条件下で1群あたりの必要患者数は以下のよう

になる。

安静療法群早産率(%) 手術群早産率(%)

202015

15

10

10

13.37.5

10

5

リスク減少率(%)

 50 33.3

 50 33.3

 50

NNT(人) 10

 15 13.3

 20 20

1群患者数144360200503312

上記の計算は割合の差を正規近似にて検定すること(冗2検定と同等)から導いたものであ

る。主要な検定としては一般化Wilcoxon検定を用いる計画であるが,生存曲線全体を用い

38

一47一

ることにより若干の検出力の上昇が期待される。同時に中止・脱落例を5~10%と見積もり,

症例集積の可能性も考慮して,目標患者数を1群あたり300例と設定する。

試験途中の盲検下レビューにより早産率が上記設定と大きく異なることが明らかとなった

場合には,目標患者数および登録期間の変更を行うことがある。変更は24.1に規定するよ

うに独立データモニタリング委員会の承認を必要とする。

15.2 術式間の比較

手術術式の早産率間に33%を超える差があることは考えにくい。すなわち,上記のように

設定した患者数では,臨床的に意義があると考えられる最小のリスク差(10~20%と想定

される)に対する検出力を高く保証することは不可能である。しかし本試験の目的は,術

式間の有意差を検出することには必ずしもない。今後の実地臨床において標準とすべき術

式を選択することが目的であり,そのために統計的選択問題を若干改変し,33週未満の早

産率に対する以下の判断規則を設定し,これに従う選択が正しい確率を一定以上に保証す

るデータ解釈の方針を採用する。

判断規則:一方の術式の早産率が一方の早産率より一定閾値(D)を超えて小さい時に,優

    れた術式を優れたものとして選択する。一定値以下のときには,現時点ではど

    ちらか一方を選択するだけの情報はないと判断する(判断保留)。

正しい判断の確率の保証:

(1)術式の真の早産率が等しいときに,判断保留の確率(pO)を一定以上とする。

(2)一方の術式の真の早産率が臨床的に重要な程度(δ)に他方の真の早産率より低い場

 合に,優れた治療法を選択する確率(p1)を一定以上とする。かっ成績が逆転しない

 確率(pc)は十分小さい値に保つ。

目標症例数1群300例の下で劣った手術法の早産リスクを10%とすると,たとえばD=0.03

のもとで,上記判断規則の統計的特性は以下のようになる。

劣った手術法の真の早産率10% 優れた手術法の真の早産率 判断保留確率(pO)選択確率(p1)逆転しない確率(pc)

10%(同等)

98765

0.80

0.72

0.68

0.53

0.35

0.20

0.10

0.18

0.31

0.47

0.65

0.80

0.47

0.64

0.78

0,89

0.96

0。99

上記の計算から,真の早産率のリスク減少にして50%という大きな差があれば,優れた治

療法を選択する確率は80%と満足できる水準であり,逆に実際には真の早産率間に差がな

い場合にも,判断保留の確率が80%と満足できる水準になっていることがわかる。逆転し

ない確率は真の早産率の差δ二3%程度であっても十分高い水準に保たれている。以上より

観測結果の差の閾値D=0.03が,1群の患者数300例,劣った手術法の真の早産リスク10%という条件の下では妥当な設定であることがわかる。

妥当な判断閾値Dは劣った手術法の早産率に依存する。したがって,本試験の成績の解釈

39

一48一

にあたっては,手術法(A群,B群)盲検下で上記のような計算を行い,妥当と考えられる

判断閾値Dを設定する。また解釈を補うために,真の早産率およびその差にっいてベイズ

流の事後確率を計算し,真の早産率において一方の手術法の成績が他方より優れる確率等

を計算する。解析法の詳細は解析計画書に詳述する。

16 患者の人権および安全性・不利益に対する配慮16.1人権への配慮(プライバシーの保護)

本試験にかかわる者は,参加する全ての患者のプライバシーを保護するため,以下の事項

に配慮する。また,業務上患者のプライバシーを知り得る者は,その秘匿を保持する。

(1)実施医療機関外にデータを提出する際は(例:患者登録時,有害事象の報告,中央モ

  ニタリング等),患者識別番号等を用いて行う。

(2)本試験の結果を公表する際は,患者を特定できる情報を含まないようにする。

(3)本試験の目的以外に,本試験で得られた患者のデータを使用しない。

(4)患者の検体等を病院外に出して測定等を行う場合は,匿名化・保管・廃棄方法,閲覧

 者の範囲等について配慮する。

(5)その他,本試験実施に係るデータおよび同意書等を取扱う際は,患者の秘密保護に十

 分配慮する。

16.2 安全性・不利益への配慮

(1)本試験参加期間中に有害事象が発現した場合,試験責任医師または試験分担医師は速

  やかに適切な診察と処置を行う。

(2)本試験の実施にかかわる安全性等に関する重要な情報が新たに得られた場合,試験代

 表者の判断のもとに(必要に応じて独立データモニタリング委員会の意見を得る)事

 務局は速やかに実施医療機関の長,IRB,試験責任医師および試験分担医師に文書によ

  り報告し,適切な処置を講じる。

(3)患者の本試験参加の同意・意思に影響を与えうる情報の場合,試験責任医師は説明同

  意文書の改訂を行い,事務局,実施医療機関の長に報告し,IRBにおいて試験継続の

  承認を得る。

(4)参加中の患者に対して,改訂された同意説明文書により再度文書による同意を得る。

17 患者の費用負担

(1)本試験は日常診療の保険診療範囲で行われ,この研究のために新たに必要な検査にっ

  いては研究費で充当するため,原則として患者が負担する医療費の増額はない。

(2)試験参加により患者が負担する医療費が通常の診療に比べて増額する場合,増額分に

 対する負担軽減費等の費用負担の取り扱いは,各実施医療機関が別途定める規則に従

  うこととする。

40

一49一

18 賠償保険への加入

本試験における3種類の治療法はどれも日常診療で行われているものであり,新規あるい

は特別な治療法ではない。したがって,その治療を経て至った結果は日常診療の結果と同

様に扱う。ただし,本試験の実施に際し健康被害に対する賠償責任の履行に備え,各実施

医療機関の試験責任医師または試験分担医師は賠償責任保険に加入する。

19倫理的事項19.1 倫理規準

(1)本試験は,ヘルシンキ宣言(2002年改訂)の倫理的原則を遵守し,患者の人権,福祉

  および安全を最大限に確保のうえ実施する。

(2)本試験は,改正GCP(2003年改正)および臨床研究に関する倫理指針(2003年厚生

  労働省告示第255号)を準用して実施する。

19.2 患者への説明および文書による同意取得

(1)各実施医療機関の試験責任医師は研究代表者の協力を得て,試験参加の同意を得るた

  め以下の説明事項(順番,用語,表記は適切なものに変更可能とする)を盛り込んだ

  説明同意文書およびその他の必要資料(別添資料6患者説明用ビデオ参照)を作成し,

  IRBの承認を得る。

(2)各実施医療機関の試験責任医師は,試験開始前にIRBの承認を得た説明同意文書およ

  びその他の必要資料を患者に開示あるいは渡し,文書および口頭により十分な説明と

  質疑を行い,患者の自由意思による本試験参加の同意を文書で得る。

1)この試験が研究を目的とすること

2)この試験の目的

3)この試験の方法

4)この試験で用いられる試験治療の効果および予測される患者に対する不利益・不便

5)この試験で対象とする疾患に対する他の治療法,および他の治療法の効果および予測

 される患者に対する不利益・不便

6)この試験に参加する予定期間

7)この試験に参加する予定患者数

8)この試験への参加は,患者の自由意思に基づくものであり,参加をいつでも辞めるこ

 とができること。また,この試験に参加しないことあるいは参加をとりやめることに

 より,患者が不利益な扱いを受けないことあるいは受けるべき利益を失うことはない

 こと

9)監査担当者,独立データモニタリング委員会等の第三者がこの試験に関連する資料を

 閲覧できること。患者が同意書に記名・捺印または署名することにより,閲覧を認め

 たことになること

41

一50一

10)この試験の結果の公表,資料の閲覧を含めいかなる場合においても,患者に対する秘

 密は保全されること

11)この試験に関連する健康被害が発生した場合に患者が受けることができる治療および

 補償

12)この試験への参加の継続に関して患者の意思に影響を与える可能性のある情報が得ら

 れた場合,速やかに患者またはその代諾者に伝えられること

13)この試験への参加を中止あるいは中断する場合の条件および理由

14)この試験に参加する場合に患者が負担する費用の内容

15)この試験に参加する場合に患者に支払われる金銭などの内容

16)この試験の試験責任医師および試験分担医師の氏名,職名および連絡先

17)患者がこの試験や患者の権利に関する情報が必要な場合,健康被害が生じた場合に連

 絡をとるべき実施医療機関の相談窓口

18)患者が守るべき事項

20記録の保存20.1 保存の対象となる記録・資料

以下の資料・記録を本試験の原資料とする。IRB,独立データモニタリング委員会の調査,

監査の際,試験責任医師および実施医療機関は,原資料を含む全ての試験関連記録を直接閲覧に供する場合がある。

(1)患者の同意,説明あるいは情報提供に関する記録および資料

(2)診療録および看護記録

(3)大学病院医療情報ネットワークに入力された患者情報

20.2 実施医療機関および事務局における記録の保存

20.2.1実施医療機関おける記録の保存

保存の対象となる記録・資料については,試験代表者による本試験の終了(または中止)

の決定後,5年問を経過するまで当該実施医療機関が保存する。

20.2.2 試験代表者および事務局における記録の保存

保存の対象となる記録・資料については,試験代表者による本試験の終了(または中止)

の決定後,5年問を経過するまで事務局が保存する。

20.2.3データマネージメント責任者による記録の保存

保存の対象となる記録・資料については,試験代表者による本試験の終了(または中止)

の決定後,5年間を経過するまでデータマネジメント責任者が保存する(13データの収集を参照)。

42

一51一

21 研究結果の公表

(1)何人も代表者,独立データモニタリング委員会および各実施医療機関の試験責任医師

  の事前の協議あるいは了承なく,本試験で得た情報の一部または全部を公表すること

  はできない。

(2)公表の方法について,試験代表者,独立データモニタリング委員会および各実施医療

 機関の試験責任医師の事前の承認を得る。

(3)公表の際には,患者のプライバシーを保全する。

22監査本試験終了後に,監査委員会(試験実施計画書25.11参照)が実施医療機関を訪問のうえ監

査し,本試験が試験実施計画書および関連法規,ガイドライン等を遵守のうえ実施された

ことを監査する。

23研究資金および利益について23.1 研究資金

本試験は,平成15年度,厚生労働省子ども家庭総合研究事業「多施設共同ランダム化比較試験による早産予防のための妊婦管理ガイドラインの作成」(助成番号:H15一こども一〇〇6)、

平成19年度,厚生労働省子ども家庭総合研究事業「全国規模の多施設共同ランダム化比較

試験と背景因子分析による早産予防ガイドラインの作成」(助成番号:H19一こども一一般一〇〇4)の研究助成を得て実施する。

23.2利益の衝突

本試験の計画,実施あるいは報告において,試験の結果および結果の解釈に影響を及ぼす

ような「起こりえる利益の衝突」は存在しない。また,本試験の実施が患者の権利・利益

を損ねることはない。

23.3 特許権等

本試験において生じた発明,考案およびそれらに関する特許権ならびに知的財産権は全て

目本早産予防研究会に帰属する。

24 試験実施計画書等の変更24.1 試験実施計画書の変更

(1)研究代表者は,試験開始後に試験実施計画書を変更する必要性が生じた場合,変更の

  妥当性および試験の評価への影響にっいて実行委員会および独立データモニタリング

  委員会と協議し,変更の内容および可否にっいて決定する。ただし,患者の緊急の危

  険を回避するためなど医療上やむをえない場合,このかぎりではない。

(2)試験実施計画書の変更は,変更内容により下記の2区分に分けて取り扱う。

 1)改正・試験実施計画書の変更内容が,試験に参加する患者の危険を増大する可能性がある,も

 しくは試験の主要評価項目に関連する部分的変更を改正とする。

43

一52一

・改正にあたる変更の場合は,試験実施計画書の変更とともに説明同意文書を変更する。

 いずれの文書も独立データモニタリング委員会および各実施医療機関のIRBの審査お よび承認を要する。

2)改訂

・試験実施計画書の変更内容が,試験に参加する患者の危険を増大させる可能性がなく,

 かつ試験の主要評価項目にも関連しない部分的変更を改訂とする。

・改訂にあたる変更の場合は,独立データモニタリング委員会の審査および承認は必要と

 しないが,実行委員会での審査と研究代表者の承認,および独立データモニタリング委

 員会への報告を要する。

・説明同意文書の変更については,変更内容が患者の参加意思,参加意思継続に影響を及

 ぼす可能性がある場合は変更を行う。

・実施医療機関のIRBの審査承認については,各実施医療機関の取り決めに従う。

24.2 試験実施計画書の実施医療機関固有の変更

IRBの審議に基づく病院長の指示による実施医療機関固有の変更は,患者の負担が大幅に

は増えないものにつき認めるが,その場合,研究代表者の承認を要するものとする。

24.3 説明同意文書の変更

(1)説明同意文書の変更は,変更内容が患者の参加意思,参加意思継続に影響を及ぼすと

  考えられる場合には,IRBの審査および承認を要する。

(2)変更内容が新たな情報の提供等の場合で,既に試験に参加している患者より再同意が

  必要と判断される場合には,再同意用の説明同意文書を作成してもよい。

44

一53一

一54一

25研究組織25.1研究代表者

昭和大学医学部産婦人科学教室

教授 岡井 崇

〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5・8

TEL:03-3784-8670

25.2事務局

昭和大学医学部産婦人科学教室

講師 大槻 克文

〒142-8666 東京都品川区旗の台1・5・8

TEL:03-3784-8551   FAX:03-3784-8355

eM&il:otsuki@med..showa-u.acjp

25.3 実行委員会

東京女子医科大学母子総合医療センター

教授 松田 義雄

〒162・8666 東京都新宿区河田町8-1

TEL:03-3353-8111(代表)

東京慈恵会医科大学附属病院 産婦人科

講師 大浦 訓章

〒105-8471東京都港区3-25薗8T:EL:03-3433-1111(代表)

帝京大学医学部 産婦人科

講師 木戸 浩一郎

〒173-8606 東京都板橋区加賀2-11・1

TEL:03・3964-1211(代表)

東京医科歯科大学医学部附属病院 周産期・女性診療科

講師 宮坂 尚幸

〒113-0034 東京都文京区湯島1-5-45

TEL:03-3813-6111(代表)

日本医科大学多摩永山病院 女性診療科・産科

教授 中井 章人

〒206-8512 東京都多摩市永山1-7-1

TEL:042-371-2111(代表)

慶磨義塾大学病院 産科

講師 田中 守

45

〒160-8582 東京都新宿区信濃町35番地

TEL:03-3353-1237

東京女子医科大学母子総合医療センター

准教授 牧野 康男

〒162-8666 東京都新宿区河田町8・1

TEL:03-3353・8111(代表)

25.4 プロトコール検討委員会

東京女子医科大学母子総合医療センター

教授 松田 義雄

〒162-8666 東京都新宿区河田町8・1

TEL:03-3353・8111(代表)

国立成育医療センター 周産期診療部

産科医長 久保 隆彦

〒157・8535東京都世田谷区大蔵2・10・1

T:EL:03-3416-0181(代表)

目本医科大学多摩永山病院 女性診療科・産科

教授 中井 章人

〒206-8512 東京都多摩市永山1-7-1

TEL:042-371-2111(代表)

昭和大学医学部産婦人科学教室

講師 大槻 克文

〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8

TEL:03・3784・8551

25,5ホームページ作成委員会

昭和大学医学部 産婦人科

講師 篠塚 憲男,

〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5・8

TEL:03-3784甲8551

25,6 患者説明用ビデオ作成委員会

国立成育医療センター 周産期診療部

産科医長 久保 隆彦

〒157-8535東京都世田谷区大蔵2-10-1TEL l O3-3416-0181(代表)

46

一55一

一56一

昭和大学医学部 産婦人科

講師 篠塚 憲男,

〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8

TEL:03-3784-8551

25.7 患者登録および患者情報送信先

25.7、1 登録登録および患者情報入力先

大学病院医療情報ネットワーク研究センター

URL:http:〃squ&re.umin.acjp/topp/

25.7.2 患者登録および患者情報入力に関する問合せ先

患者登録責任者

目本早産予防研究会事務局

篠塚憲男

昭和大学医学部産婦人科学教室内

〒142-8666東京都品川区旗の台1-5-8

TEL:03-3784-8551   FAX:03-3784-8355

eM&il address:norio@shinozuka.com

25.8 データセンター

25.8.1データマネジメント責任者

目本早産予防研究会事務局

篠塚憲男

昭和大学医学部産婦人科学教室内

〒142-8666東京都品川区旗の台1・5-8

TEL:03-3784-8551    FAX:03・3784-8355

eM&il&ddress:norio@shinozuka.com

25.8.2データマネジメント担当者

昭和大学医学部 産婦人科

講師 篠塚 憲男

〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5・8

TEL:03-3784-8551

川崎市立看護短期大学

教授 住本 和博

〒212・0054川崎市幸区小倉1541・1

TEL/FAX:044-587-3517

e-mail&d.dress:sumimoto@k&wasaki-nursing℃.ac.jp

25.9 統計解析責任者

日本早産予防研究会事務局

篠塚憲男

47

昭和大学医学部産婦人科学教室内

〒142-8666東京都品川区旗の台1-5-8

TEL:03騨3784-8551    FA)く:03-3784-8355

eMailαddress:norio@shinozuka.com

川崎市立看護短期大学

教授 住本 和博

〒212-0054川崎市幸区小倉1541-1

TELIFAX:044-587・3517

e-mail addreSS=SUmimOtO@kaWaSaki-nUrSing-C.aCjp

25.10独立データモニタリング委員会

委員長

大橋産科/婦人科

院長 大橋 克洋

〒142東京都品川区荏原4-4・2

TEL:03・3784。3101

川崎市立看護短期大学

助教授 住本和博〒212・0054 川崎市幸区小倉1541・1

TEL:044・587-3517

旗の台レディースクリニック

院長 盛本 太郎

〒142-0064 東京都品川区旗の台2・4-19

TEL:03-5788・3776

アネックスB-1

鈴木法律会計事務所

弁護士 鈴木俊光(昭和大学顧問弁護士)

〒130-0005 東京都墨田区東駒形2-5-9大井ビル3階

TEL:03-3623・2352

25.11 監査委員会

25.11.1 監査責任者

東邦大学医療センター大森病院 産科婦人科

教授 田中 政信

〒143・8541 東京都大田区大森西6-11-1

TEL:03-3762・4151(代表)

25.11.2 監査担当者

東邦大学医療センター大森病院 産科婦人科

48

一57一

講師 竹下 直樹,前村 俊満

〒143-8541 東京都大田区大森西6-11・1

TEL:03-3762-4151(代表)

(監査担当者は自らの所属施設の監査は行わないこととする)

一58一

26 試験参加医療機関一覧実施医療機関名(診療科,試験責任医師および試験分担医師,順不同敬称略)

杏林大学医学部付属病院 産婦人科

責任医師 教授 岩下 光利

分担医師 講師 谷垣 伸治

〒181-8611東京都三鷹市新川6-20・2

TEL:0422-47・5511(代表)

慶磨義塾大学病院 産科

責任医師 教授 吉村 泰典

分担医師 講師 田中 守,助教 石本 人士

〒160・8582 東京都新宿区信濃町35番地

TEL:03-3353-1237

国立成育医療センター 周産期診療部

責任医師 部長   北川 道弘

分担医師 産科医長 久保 隆彦

〒157-8535東京都世田谷区大蔵2・10・1

TEL:03・3416-0181(代表)

順天堂大学医学部附属順天堂医院 産婦人科

責任医師 教授 竹田 省

分担医師 助教 田中 利隆

〒113・8431東京都文京区本郷3-1-3

TEL:03-5802・1100

順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院

責任医師 教授  吉田 幸洋

分担医師 准教授 田嶋 敦

〒279・0021 千葉県浦安市富岡2-1-1

TEL:047-353-3111(代表)

産婦人科

昭和大学病院 産婦人科

責任医師 教授 岡井 崇

分担医師 講師 大槻 克文

〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8

TEL:03-3784-8551(代表)

社会福祉法人恩賜財団 母子愛育会総合母子保健センター愛育病院

責任医師 院長 中林 正雄

分担医師 診療部産婦人科医長 竹田 善治〒106-8580 東京都港区南麻布5-6-8

産婦人科

50

一59一

T:EL:03-3473-8321(代表)

帝京大学医学部 産婦人科

責任医師 講師 木戸 浩一郎

分担医師 助教 田口 彰則

〒173-8606 東京都板橋区加賀2-11-1

TEL:03-3964-1211(代表)

東京医科歯科大学医学部附属病院 周産期・女性診療科

責任医師 教授 久保田 俊郎

分担医師 助教 宮坂 尚幸

〒113-0034 東京都文京区湯島1・5・45

TEL:03・5803-5322

東京医科大学病院 産婦人科

責任医師 教授 井坂 恵一

分担医師 講師 芥川 修〒160-0023 東京都新宿西新宿6-7-1

TEL:03-3342-6111(代表)

東京医科大学八王子医療センター 産科・婦人科

責任医師 講師 野平 知良

分担医師 助教 中井 弘美、金 成一

〒190-0998 東京都八王子市舘町1163

TEL:0426-65-5611(代表)

東京慈恵会医科大学附属病院 産婦人科

責任医師 教授 田中 忠夫

分担医師 講師 大浦 訓章

〒105-8471東京都港区3・25・8TEL:03-3433・1111(代表)

東京女子医科大学母子総合医療センター

責任医師 教授  松田 義雄

分担医師 准教授 牧野 康男

〒162-8666 東京都新宿区河田町8-1

TEL:03-3353-8111(代表)

東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科

責任医師 女性診療科・産科 准教授 上妻 志郎

分担医師 周産母子診療部  副部長 亀井 良政

〒113-8655 東京都文京区本郷7・3-1

TEL:03-5800-8657

51

一60一

東邦大学医療センター大森病院 産科婦人科

責任医師 教授  森田 峰人

分担医師 教授  田中 政信,講師 竹下

〒143・8541 東京都大田区大森西6-11・1

TEL:03・3762・4151(代表)

直樹,講師 前村 俊満

目本医科大学付属病院 女性診療科・産科

責任医師 教授  竹下 俊行

分担医師 助教  石川 源

〒113・8603 東京都文京区千駄木1・1・5

TEL:03-3822-2131(代表)

日本医科大学武蔵小杉病院 女性診療科・産科

責任医師 教授 朝倉 啓文

分担医師 医員 深見 武彦

〒211-8533 神奈川県川崎市中原区小杉町1-396

TEL:044-733-5181(代表)

目本医科大学多摩永山病院 女性診療科・産科

責任医師 教授 中井 章人

分担医師 助教 川端 伊久乃

〒206-8512 東京都多摩市永山1-7・1

TEL:042-371-2111(代表)

目本赤十字社医療センター 産科婦人科

責任医師 部長  杉本 充弘

分担医師 副部長 宮内 彰人

〒150-8935 東京都渋谷区広尾4-1-22

TEL:03・3400-1311(代表)

日本大学医学部附属板橋病院 産婦人科

責任医師 教授 山本 樹生

分担医師 講師 正岡 直樹

〒173-8610 東京都板橋区大谷口上町30-1

TEL:03-3972-8111(代表)

52

一61一

北海道大学病院 産婦人科

責任医師 教授 水上 尚典

分担医師 産科・病棟医長 山田 俊

〒060-8648 北海道札幌市北区キタ14条5丁目TEL:011-716-1161(代表)

岩手医科大学附属病院 産婦人科

責任医師 教授 杉山 徹

分担医師 講師 福島 明宗,助教 西郷

〒020-8505 岩手県盛岡市内丸19-1

TEL:019-651-1511(代表)

秀和,助教 金杉 知宣

秋田赤十字属病院 産婦人科

責任医師 部長 平野 秀人

分担医師

〒010-1495 秋田県秋田市上北手横田字位苗代沢222-1

TEL:018・829-5000(代表)

自治医科大学附属病院 産婦人科

責任医師 教授 松原 茂樹

分担医師 講師 大口 昭英,講師 薄井 理恵

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311・1

TEL:0285-44-2111(代表)

独協医科大学病院 産科婦人科

責任医師 教授 渡辺 博

分担医師 助教 多田 和美

〒321・0293 栃木県下都賀郡壬生町北小林880番地TEL:0282・86・1111(代表)

防衛医科大学校病院 産科婦人科

責任医師 教授 古谷 健一

分担医師 助教 松田 秀雄

〒359・8513 埼玉県所沢市並木3-2

TEL:04・2995・1511(代表)

神奈川県立こども医療センター

責任医師 部長 山中 美智子

分担医師 医長 石川 浩史

〒232-8555 神奈川県横浜市六ッ川2-138-4

TEL:045-711-2351(代表)

53

一62一

昭和大学藤が丘病院 産婦人科

責任医師 教授 齋藤 裕

分担医師 助教 澤田 真紀

〒227-8501神奈川県横浜市青葉区藤が丘1-30TEL:045-971・1151(代表)

昭和大学横浜市北部病院 産婦人科

責任医師 教授 高橋 諄

分担医師 助教 栗城 亜具里

〒224-8503 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎中央35-1

T:EL:045・979-7000(代表)

山梨県立中央病院 産婦人科

責任医師 主任医長 滝沢 基

分担医師

〒400-8506 山梨県甲府市富士見H-1

TEL:055-253-7111(代表)

富山大学附属病院 産婦人科

責任医師 教授 斉藤 滋

分担医師 助教 米田 哲

〒930-0194 富山県富山市杉谷2630番地TEL:076・434-2281(代表)

浜松医科大学医学部附属病院 産婦人科

責任医師 教授  金山 尚裕

分担医師 准教授 杉村 基

〒431-3192 静岡県浜松市東区半田山1-20-1

TEL:053・435-2111(代表)

三重県立総合医療センター 産婦人科

責任医師 部長 谷口 晴記

分担医師

〒510-8561 三重県四日市市大字日永5450-132

TEL:059・345-2321(代表)

トヨタ記念病院 産婦人科

責任医師 部長 小口 秀紀

分担医師 医長 岸上 靖幸

〒471-8513 愛知県豊田市平和町1-1

TEL:0565-28-0100(代表)

54

一63一

滋賀医科大学附属病院 母子診療科

責任医師 教授 野田 洋一

分担医師 助教 望月 昭彦,助教 四方寛子

〒520・2192 滋賀県大津市瀬田月輪町

TEL:077-548-2111(代表)

奈良県立医科大学附属病院 産婦人科

責任医師 教授 小林 浩

分担医師 助教 坂田 麻理子

〒634-8522 奈良県橿原市四条町840

TEL:0744-22-3051(代表)

京都府立医科大学附属病院 産科

責任医師 准教授 藤沢 秀年

分担医師

〒602-8566 京都府京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465

TEL:075・251-5111

国立循環器病センター 周産期科

責任医師 部長 池田 智明

分担医師 医員 山中 薫

〒565-0873 大阪府吹田市藤白台5・7-1

TEL:06-6833-5012(代表)

岐阜大学医学部附属病院 成育医療・女性科

責任医師 教授 今井 篤志

分担医師 講師 古井 辰郎,講師 豊木 廣

〒501・1194 岐阜県岐阜市柳戸1-1

TEL:058・230・6000(代表)

長良医療センター 産婦人科

責任医師 部長 川鰭 市郎

分担医師

〒502-8558 岐阜県岐阜市長良1300-7

TEL:058-232-7755(代表)

近畿大学医学部附属病院 産婦人科

責任医師 教授 星合 昊

分担医師

〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2TEL:072・366-0221(代表)

55

一64一

神戸大学医学部附属病院 産科婦人科

責任医師 教授 丸尾 猛

分担医師 助教 森田 宏紀,助教 北尾 敬祐,助教 松岡 正造

〒650・0017 兵庫県神戸市中央区楠町7・5-2

TEL:078-382・5111(代表)

京都第一赤十字病院 産婦人科

責任医師 総合周産期母子医療センター長 中田 好則

分担医師 医員 山本 浩之

〒605-0981京都府京都市東山区本町15-749TEL:075-561-1121(代表)

和歌山県立医科大学付属病院 産科婦人科

責任医師 教授 梅咲 直彦

分担医師 講師 南 佐和子,助教 八木 重孝,助教 帽子

     助教 松岡 英俊

〒641-8510 和歌山県和歌山市紀三井寺811-1

TEL:073・447-2300(代表)

英二,助教 池島 美和,

大阪府済生会吹田病院 産婦人科

責任医師 部長 北田 文則

分担医師

〒564・0013 大阪府吹田市川園町1-2

T:EL:06・6382-1521(代表)

京都大学医学部附属病院 産科婦人科

責任医師 准教授 高倉 賢二

分担医師 助教  由良 茂夫,助教 福原 健

〒606・8507 京都府京都市左京区聖護院川原町54TEL:075・751-3111(代表)

愛仁会千船病院 産婦人科

責任医師 部長 中罵 一彦

分担医師 医長 岡田 十三,医員 橋本 弘美

〒555-0001 大阪府大阪市西淀川区佃2-2-45

TEL:06・6471-9541(代表)

広島大学病院 産科婦人科

責任医師 教授  工藤 美樹

分担医師 准教授 三好 博史,助教 佐村

〒734・8551 広島県広島市南区霞1・2・3

修,助教 坂下 知久

56

一65一

TEL:082・257-5555(代表)

広島市立広島市民病院

責任医師 部長 吉田 信隆

分担医師

〒730-8518 広島県広島市中区基町7-33

TEL:082-221-2291(代表)

愛媛大学医学部附属病院 産科婦人科

責任医師 教授 伊藤 昌春

分担医師 講師 松原 圭一

〒791-0295 愛媛県東温市志津川

TEL:089-964-5111(代表)

徳島大学病院 産科婦人科

責任医師 教授 苛原稔分担医師 講師 前田 和寿

〒770-8503 徳島県徳島市蔵本町3-18-15

TEL:088-633-9116(代表)

九州大学病院 産科婦人科

責任医師 教授 和氣 徳夫

分担医師講師月森清己,助教北條哲史〒812-8582 福岡県福岡市東区馬出3-1-1

TEL:092-641-1151(代表)

久留米大学病院 産科

責任医師 准教授 堀 大蔵

分担医師講師 林龍之介〒830-0011福岡県久留米市旭町67T:EL:0942-35-3311(代表)

大分大学附属病院 産科婦人科

責任医師 准教授 吉松 淳

分担医師

〒879・5593 大分県大分郡挾間町医大ケ丘1-1

TEL:097-549-4411(代表)

大分県立病院 総合周産期母子医療センター

責任医師 産科部長    佐藤 昌司

分担医師 第一婦人科部長 豊福 一輝

〒870-8511 大分県大分市大字豊饒476

57

一66一

TEL:097-546-7111(代表)

長崎市立市民病院 産婦人科

責任医師 部長 藤下 晃

分担医師 医長 佐藤 二葉

〒850・8555 長崎県長崎市新地町6・39

TE:L:095-822-3251(代表)

鹿児島市立病院 産婦人科

責任医師 科長 上塘 正人

分担医師 医長 前田 隆嗣

〒892-8580 鹿児島県鹿児島市加治屋町20-17

TEL:099-224-2101(代表)

58

一67一

一68一

27 引用文献リスト

 1)母子保健の主なる統計.(財団法人母子衛生研究会 編),母子保健事業団,2003

2)Iams JD,GoldenbergRL,Meis PJ,Mercer BM,Moaw&dA,DasA,Thom E,

   McNellis D,CopperRL,Johnson F,Roberts JM:The length ofthe cervix and the

   risk ofspont&neous premature delivery.N&tion段11nstitute ofChild.Health and

   Hum&n DevelopmentMatem&1FetalMedicine Unit Network.N EngJMed334:

   567甲572,1996

3)BerghellaV TolosaJ:E,Kuhlman K,Weiner S,BologneseRJ,W&pnerRJ:Cervic&1

   ultrasonography comp&red with manual examination as a predictor ofpreterm

   delivery.Am J Obstet Gynecol177(4):723-30,1997

4)T&ipale P,Hiilesmaa V:Sonographic measurement ofuterine cervix at18・22

   weeks蜜gestation and the risk ofpreterm delivery Obstet Gyneco192(6):902-7,1998

5)Hassan SS,RomeroR,Berry SM,Dang:K,Blackwell SC,TreadwellMC,Wolfe

   HM:Patients with an ultrasonogr&phic cervic&11engthくor=15mm h&ve ne&rly a

   50%risk ofe段rly spont&neous preterm delivery.Am J Obstet Gynecol

    182(6):1458-67,2000

6)OwenJ,Ybst N,Berghell&V Thom E,SwainM,Dildy GA3rd,Miodovnik M,

   L&nger O,Sib段i B,McNellis D;NationalInstitute ofChild}lealth and Human

   Development,M&temα1-FetalMedicine Units:Network:Mid-trimester endovagin&l

   sonography in women at high risk for spontαneous preterm birth.JAMA

    191286(11):1340・8,2001

 7)To MS,Skentou C,LiαoAW,C段choA,Nicolaides KH:Cervical length and

   funneling at23weeks ofgestation in the prediction ofspontaneous early preterm

   delivery Ultmsound Obstet Gynecol18(3):200-3,2001

8)Guzman ER,Walters C,Ananth CV O’Reilly・Green C,Benito CW,PalemoA,

   VintzileosAM:Acomparison ofsonographic cervical parameters in predicting

   spontaneous preterm birth in highTisk singleton gestations.Ultmsound Obstet

   Gynecol18(3):204-10,2001

9)Hassan SS,Romero R,Maymon E,Berry SM,Bl&ckwell SC,Tre&dwellMC,

   Tomlinson M:Does cervical cerc1αge prevent preterm delivery in p段tients with a.

   short cervix?Am J Obstet Gynecol184(7):1325・91(1iscussion1329-31,2001

10)NovyMJ,GuptaA,Wothe DD,Gupta S,KennedyKA,Gr&vettMG:Cervical

   cerclage in the second.trimester ofpregnancy:a historical cohort study.Am J

   Obstet Gyneco1184(7):1447・541discussion1454-6,2001

59

11)Berghella V Haas S,Chervoneva I,Hyslop T:Patients with prior second-trimester

  lossl prophylactic cerclage or serial transvagin&l sonograms?Am J Obstet Gynecol

  187(3):747・51,2002

12)He&th VC,SoukaA:P,Emsmus I,Gibb DM,Nico1&id.es KH:Cervical length at23

  weeks ofgestation:the value of Shirodkar suture for the short cervix.Ultmsound

  Obstet Gynecol12: 318・22, 1998

13)Rust OA,Atlas RO,Jones:KJ,Benham BN,Balducci J:Arandomized trial of

  cerclage versus no cerclage among patients with ultrasonographically detected

  second-trimester preterm dilatation ofthe internal os.Am J Obstet Gynecol

  183(4):830-5,2000

14)Rust OA,Atl&s RO,Reed J,van Gaalen J,Balducci J:Revisiting the short cervix

  detected by transvaginal ultrasound in the second trimester:why cerclage therapy

  may not help.Am J Obstet Gynecol2001185:1098-1105,2001

15)Althuisius SM,Dekker GA,vαn Geijn HP,Bekedam DJ,Hummel P:Cervical

  incompetence prevention mndomized cerclage tria1(CIPRACT):stud.y design and

  preliminary results.Am J Obstet Gyneco1183(4):823-9,2000

16)Althuisius SM,Dekker GA,Hummel P,Beked.am DJ,van Geijn HP:Final results

  ofthe Cervical Incompetence Prevention Randomized Cerclage Tria1(CIPRACT):

  therapeutic cerclage with bed rest versus bed rest alone.Am J Obstet Gynecol185:

  1106偏12,2001

17)Caspi E,SchneiderDF,MorZ,:LangerR,Weinraub Z,BukovskyI:Cervic&1

  intemal os cerclage:d.escription ofa new technique and comparison with

  Shirodk&r operation.Am J Perinatol7(4):347-9,1990

18)DrakeleyAJ,Roberts D,Alfirevic Z:Cervical cerclage for prevention ofpreterm

  d.elivery:meta・analysis ofrandomized trials.Obstet Gynecol102:621-7,2003

  E皿atum in:Obstet Gynecol.Jαnl103(1):201,2004

19)Belej-RakT,OkunA,Windrim R,Ross S,Hαmah EM:Effectiveness ofcervical

  cerclage for sonographically shortened cervix:a systematic review段n(1

  meta-analysis.Am J Obstet Gyneco1189:1679・87,2003

20)Amsel R,Totten PA,Spiegel CA,Chen KC,Eschenbach D,Holmes KK:

  Nonspecific vaginitis.Diagnostic criteri&and.microbial and.epid.emiologic

  associations.AmJ Med74:14・22,1983

21)Nugent RP,Krohn MA,Hillier SL:Reli&bility of d.iagnosing bacterial vaginosis is

  improvedby a stand段rdized methodofgram stain interpret&tion.J ClinMicrobio1

  29:297-301,1991

60

一69一

22)Spiegel CA,Amsel R,Holmes KK:Diagnosis ofbacterial v&ginosis by d.irect gram

 stεしin of vagin&1flui(1,J Clin Microbio118:170-7,1983

23)GoldenbergRL,HauthJC andAndrewsWW:Intraute血e infection andpreterm

 delivery.The New EnglandJoumal ofMedicine342(20):1500-7,2000

24)RomeroR,OyarzunE,M&zorM,SirtoriM,HobbinsJC,BrackenM:Meta-analysis

 ofthe re1&tionship between&symptomatic bacteriuri&and preterm delivery/low

 birth weight.Obstet Gyneco173:576・82,1989

25)津守 真、稲毛 教子 著 増補 「乳幼児精神発達診断法」大目本図書 1999年 東

 京

61

一70一

別添資料1

**2006年10月改訂(第5版)*2006年7月改訂

貯  法:密封容器,5℃以下,禁凍結保存使用期限:3年(外装容器に表示)

     切迫流・早産治療剤

1懸”1デメリン鯉50mg    UT田E醗1臨1,。量i。n50mg

      **〔リトドリン塩酸塩注射液〕

日本標準商品分類番号

87259承認番号 21600AMZOO2㎜薬価収載 2004年7月

販売開始 2004年7月

再審査結果 1994年3月

効能追加 1994年3月

 一禁忌(次の患者には投与しないこと)一

1.強度の子宮出血,子瘤,前期破水例のうち子宮内

 感染を合併する症例,常位胎盤早期剥離,子宮内

 胎児死亡,その他妊娠の継続が危険と判断される

 患者[妊娠継続が危険と判断される。]

2.重篤な甲状腺機能克進症の患者[症状が増悪する

 おそれがある。]

3.重篤な高血圧症の患者[過度の昇圧が起こるおそ

 れがある。]

4.重篤な心疾患の患者[心拍数増加等により症状が

 増悪するおそれがある。]

5.重篤な糖尿病の患者[過度の血糖上昇が起こるお

 それがある。また,糖尿病性ケトアシドーシスが

 あらわれることもある。]

6.重篤な肺高血圧症の患者[肺水腫が起こるおそれ

 がある。]

7.妊娠16週未満の妊婦(r重要な基本的注意」の項参

 照)

8.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

一組成 ・性状一

販売名 ウテメリン注50mg

成分・含量(1アンプル中)

日局リトドリン塩酸塩5(㎞g

 添加物(1アンプル中)

ピロ亜硫酸ナトリウム5mg,氷酢酸,

水酸化ナトリウム,等張化剤,pH調整剤

色・剤形 無色澄明・注射剤

容  量 5mLp H 4.7~5.5

浸透圧比 約1(0。9%生理食塩液に対する比)

すること。

通常,有効用量は毎分50~150μgである。なお,注

入薬量は毎分200μgを越えないようにすること。

一効能 ・効果一緊急に治療を必要とする切迫流・早産

一用法 ・用量一通常,1アンプル(5mL)を5%ブドウ糖注射液ま

たは10%マルトース注射液500mLに希釈し,リトドリ

ン塩酸塩として毎分50μgから点滴静注を開始し,子宮

収縮抑制状況および母体心拍数などを観察しながら適

宜増減する。子宮収縮の抑制後は症状を観察しながら

漸次減量し,毎分50μg以下の速度を維持して収縮の再

発が見られないことが確認された場合には投与を中止

一使用上の注意一

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)甲状腺機能克進症の患者

(2)高血圧症の患者

(3)心疾患の患者

(4)糖尿病の患者,糖尿病の家族歴,高血糖あるい

  は肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者(r重

  要な基本的注意」の項参照)

(5)肺高血圧症の患者

  (上記(1)一(5)はr禁忌」の項参照)

(6)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

(7)カリウム減少性利尿剤の投与を受けている患者

  [過度の血清カリウム低下が起こるおそれがある。]

(8)筋緊張性(強直性)ジストロフィー等の筋疾患

  又はその既往歴のある患者[横紋筋融解症があ

  らわれることがある。]

2.重要な基本的注意

(1)本剤投与によって,肺水腫があらわれることが

  あり,急性心不全の合併に至った例もあるので,

  呼吸困難,胸部圧迫感,頻脈等に十分注意し,

  肺水腫があらわれた場合には投与を中止し,適

  切な処置を行うこと。また,肺水腫は心疾患,

  妊娠中毒症の合併,多胎妊娠,副腎皮質ホルモ

  ン剤併用時等に発生しやすいとの報告があるの

  で,これらの患者には,水分の過負荷を避け,

  十分な観察を行うこと。水分の過負荷を避ける

  には,薬剤濃度を上げて注入液量を減らすこと

  が効果的である。シリンジポンプを使用するこ

  とにより,薬剤濃度を3mg/mL(全50mL中リト  ドリン塩酸塩150mg)まで上げることができる。

  この場合,注入速度1mL/hrで毎分50μgの初期

  注入薬量が得られ水分の負荷は通常用法(液量

  500mL中リトドリン塩酸塩50mg)の1/30となる。

(2)本剤継続投与によって,白血球減少又は無穎粒

  球症があらわれることがあるので,定期的に血

  液検査を行うとともに観察を十分に行い,発熱,

  咽頭痛等の異常があらわれた場合には直ちに投

  与を中止し,適切な処置を行うこと。

  なお,白血球減少及び無穎粒球症はほとんどが

  2-3週問以上の継続投与例において発現して  いるので,特に注意すること。

    注)注意一医師等の処方せんにより使用すること。

一71一

(3)本剤の投与対象は,入院治療など緊急を要する

  切迫流・早産患者である。子宮収縮,頸管の開

  大・展退,出血等の程度を総合的に判断して使

  用を決定すること。緊急状態を離脱した後は安

  全性を勘案しつつ使用し,不必要な投与は避け

  ること。

(4)本剤は,妊娠35週以下又は推定胎児体重2500g

  未満の切迫流・早産に使用することが望ましい。

(5)本剤の臨床適用は切迫流・早産であるが,妊娠

  16週未満の症例に関する安全性及び有効性は確

  立していないので,投与しないこと(使用経験

  が少ない)。

(6)頸管の開大が5cm以上の症例に関する安全性及

  び有効性は確立していない。

(7)子宮収縮の状態及び母体心拍数・血圧,胎児心

  拍数を含む心血管系への作用の監視を行いなが

  ら投与し,投与中に過度の心拍数増加(頻脈),

  血圧低下があらわれた場合には,注入速度を遅

  らせ,減量するなど適切な処置を行うこと。

(8)注入薬量毎分200μgを越えて投与する場合,副

  作用発現の可能性が増大するので注意すること。

(9)本剤投与中,血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪

  化から,糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれ

  ることがある。糖尿病性ケトアシドーシスに至

  ると母体と胎児の生命を脅かすことがある。投

  与前から口渇,多飲,多尿,頻尿等の糖尿病症

  状の有無や血糖値,尿糖,尿ケトン体等の観察

  を十分に行うこと。投与開始後に異常が認めら

  れた場合には,直ちに本剤の投与を中止し,適

  切な処置を行うこと。

(10)胎児に頻脈,不整脈が起こることがある。また,

  新生児に可逆的な心室中隔壁の肥大,腸閉塞,

  頻脈,低血糖症,腎機能障害があらわれること

  がある。

(11)本剤投与直後に帝王切開術を行うと,循環動態

  の大きな変動により心不全があらわれることが

  ある。休薬期間をおくことが望ましいが,やむ

  を得ず投与直後に帝王切開術を行う場合には,

  観察を十分に行い,異常が認められた場合には,

  適切な処置を行うこと。

*(12)本剤を硫酸マグネシウムの注射剤と併用する場

  合には,呼吸抑制及び循環器関連の副作用の増

  強(胸痛,心筋虚血)が報告されており,注意

  深く監視を行うこと(r相互作用」の項参照)。

3.相互作用

 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

副腎皮質ホルモン剤 併用により肺水腫を 体内の水分リ瀞郭列協トリウム 発生することがある 貯留傾向が

等 との報告がある。 促進される。

β一刺激剤 作用が増強されるこ 相加的に作とがある。 用が増強さ

れる。

β一遮断剤 作用が減弱されるこ β受容体におとがある。 いて競合的

に拮抗する。

一72一

* 硫酸マグネシウム

(注射斉D

CK(CPK)上昇があらわれることがある。

機序不明

心筋虚血の発生が増加したとの報告がある。1)

機序不明

呼吸抑制作用の報告がある。

機序不明

4.副作用 副作用集計の対象となった1800例中,330例(18.3%),

 456件の副作用が認められた。主なものは心悸克進

 (動悸)234件(13。0%),頻脈49件(2。7%),手指振

戦31件(1.7%),顔面潮紅27件(1.5%),嘔気17件

 (α9%)であった。(再審査終了時)

 (1)重大な副作用(頻度不明)

  1)肺水腫,心不全:肺水腫があらわれることが

   あり,急性心不全の合併に至った例もあるの

   で,呼吸困難,胸部圧迫感,咳漱,頻脈,低

   酸素血症等に十分注意し,肺水腫があらわれ

   た場合には投与を中止し,適切な処置を行う

   こと。また,肺水腫に合併しない心不全があ

   らわれることもあり,帝王切開術後に心不全

   に至った症例が報告されているので,帝王切

   開術後も十分観察を行い,異常が認められた

   場合には,適切な処置を行うこと。

  2)汎血球減少,無穎粒球症,白血球減少,血小

   板減少:汎血球減少,無穎粒球症,白血球減

   少,血小板減少があらわれることがあるので,

   観察を十分に行い,異常が認められた場合に

   は投与を中止し,適切な処置を行うこと。

  3)ショック:ショック(蒼白,チアノーゼ,血

   圧低下等)があらわれることがあるので観察

   を十分に行い,異常が認められた場合には直

   ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。

 4)不整脈:心室頻拍等の重篤な不整脈があらわ   れることがあるので,観察を十分に行い,異

   常が認められた場合には投与を中止し,適切

   な処置を行うこと。なお,多胎妊娠等の患者

   では,麻酔薬を投与した直後に重篤な不整脈

   から心停止に至った症例が報告されているの

   で,本剤使用時あるいは,中止直後に麻酔を

   行う際には特に注意すること。

  5)肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT)

   の上昇等の肝機能障害,黄疸があらわれるこ

   とがあるので,観察を十分に行い,異常が認

   められた場合には,投与を中止するなど適切

   な処置を行うこと。

  6)皮膚粘膜眼症候群(StevensJohnson症候群),

   中毒性表皮壊死症(Lye”症候群):皮膚粘膜

   眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表

   皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることが

   あるので,観察を十分に行い,発熱,紅   斑,癌痒感,眼充血,口内炎等の症状が認め   られた場合には,適切な処置を行うこと。

  7)横紋筋融解症1筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上

   昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴と

   する横紋筋融解症があらわれることがあるの   で,このような場合には直ちに投薬を中止し,

  適切な処置を行うこと。

 8)血清カリウム値の低下:血清カリウム値の低

  下があらわれることがある。

 9)胸水:胸水があらわれることがあるので,観

  察を十分に行い,異常が認められた場合には,

  投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

 10)腸閉塞:新生児および母体に腸閉塞があらわ

  れることがあるので,観察を十分に行い,異

  常が認められた場合には,適切な処置を行う

  こと。

 11)新生児心室中隔壁の肥大:可逆的な新生児心

  室中隔壁の肥大があらわれることがある。

 12)高血糖,糖尿病性ケトアシドーシス:血糖値

  の急激な上昇や糖尿病の悪化から,糖尿病性

  ケトアシドーシスがあらわれることがある。

  糖尿病性ケトアシドーシスに至ると母体と胎

  児の生命を脅かすことがある。観察を十分に

  行い,異常が認められた場合には,直ちに投

  与を中止し,適切な処置を行うこと。

 13)新生児低血糖:新生児に低血糖があらわれる

  ことがあるので,観察を十分に行い,異常が

  認められた場合には,適切な処置を行うこと。

(2)その他の副作用

5%以上又は

頻度不明0.1~5%未満 α1%未満

循環器注置) 動悸,頻脈, 顔面潮紅,息 心電図異常上室性頻拍, 苦しさ,胸痛 (ST・Tの異常》

血圧の変動 顔面疹痛

肝臓注2) 肝機能障害(AST(GOT),

ALT(GPT)の上昇等)

血液 血小板減少,

貧血

精神 振戦,しびれ 発汗,眩量神経系 感,頭痛,四

肢末梢熱感,

脱力感

消化器 高アミラーゼ 嘔気,嘔吐血症を伴う唾 便秘液腺腫脹,下痢

過敏症沸) 多形滲出性紅 発疹,癖痒

斑,腫脹

投与部位 血管痛,静脈炎

その他 一過性の血糖 発熱 冷汗上昇,CK(CPK)上昇,尿糖の変動

胎児・ 胎児不整脈, 胎児頻脈新生児 新生児頻脈,

新生児低血糖症,新生児腎機能障害,新生児呼吸障害(多呼吸等)

注1)このような症状があらわれた場合には注入速度を遅らせ,

  減量するなど適切な処置を行うこと。注2)異常が認められた場合には減量,休薬等の適切な処置を

  行うこと。注3)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

5.妊婦,産婦,授乳婦等への投与

 (1)妊娠16週未満の症例に関する安全性及び有効性

  は確立していないので,投与しないこと(使用

  経験が少ない)。

 (2)出産直前に本剤を投与した場合には,出産直後

  の授乳を避けることが望ましい。[動物実験(ラ

  ット)で乳汁中への移行が報告されている。]

6.適用上の注意

 (1)調製時

  1)本剤はワンポイントカットアンプルであるが,

   アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭

   しカットすることが望ましい。

 2)希釈溶液として5%ブドウ糖注射液,10%マ

   ルトース注射液がある。電解質溶液の使用は

   肺水腫防止のため避けること。

 3)塩酸セフメノキシム,フロセミド,塩酸セフ

   ォチアム,セファロチンナトリウムとは配合

   変化を起こすので,混注しないこと。

(2)投与時

  薬剤投与中は,患者の心臓への負担軽減を図る

 ため半側臥位又は側臥位とすることが望ましい。

7.その他の注意

 早産児にみられる脳室内・周辺出血の発生頻度が,

 β一刺激剤を切迫早産に使用した症例において高か

ったという外国の報告がある。

一薬 物 動 態一2)

1.血中濃度

 本剤を健康成人5例に注入薬量100μg/分で1時間

点滴静注した際の薬物動態パラメータは下表のとお

りであった。

   健康成人に1時間点滴静注(10q』gノ分)した際の

   薬物動態パラメータ

Tm釧(hr)

 Cm猷(ng/mL)

  AUC(ng・hr/mL)

T1〆2(hr)

0.〔ヲ 31.7 52.62 α15及び4.66

2.尿中排泄

 本剤を健康成人に注入薬量100μg/分で1時間点滴

静注した際,投与開始から48時間以内に投与量の50%

が尿中に排泄され,そのほとんどは12時間以内に排

泄された。

一臨 床 成 績一

 国内で実施した切迫流・早産患者,総計566例の二

重盲検比較試験及び一般臨床試験の概要は次のとおり

である。

1.二重盲検比較試験により検討した結果,切迫流・

 早産患者に対する本剤の有用性が認められた。3~5)

2.切迫流・早産患者に対する有効率は83.3%(464/557)

  であった。3~21)

一薬 効 薬 理一

1.生体位子宮運動抑制作用22~25)

 妊娠後期のラット,ウサギ,ヒツジ及びアカゲザ

一73一

ルの自発性子宮運動ならびにPGF・α,オキシトシン

などの薬物誘発子宮運動克進反応をリトドリン塩酸

塩は用量依存的に抑制した。

2.摘出子宮運動抑制作用22)

 妊娠ラット摘出子宮筋の自発運動ならびにアセチ

ルコリン,オキシトシン,PGF2α,KC1及び電気刺

激による誘発子宮収縮をリトドリン塩酸塩は濃度依

存的に著明に抑制した。

3.子宮筋への選択性26)

 ラット摘出妊娠子宮筋及びモルモット摘出右心房

標本を用いた実験で,リトドリン塩酸塩は塩酸イソ

プロテレノール,塩酸イソクスプリンに比し優れた

子宮筋への選択性を示した。

4.作用機序2臨27)

 薬理学的な分析(in vitro実験)より,リトドリン塩

酸塩はβ一受容体に対する選択的な刺激効果に基づ

きc-AMP含量を増加させ,Ca”の貯蔵部位への取り

込みを促進して子宮運動抑制をきたすと考えられる

とともに,膜の過分極,膜抵抗減少及びスパイク電

位発生抑制をきたし,子宮収縮抑制作用を発揮する。

一有効成分に関する理化学的知見一

一般名:リトドリン塩酸塩(Ritodrine Hydrochloride)

**化学名:(1R5,25R)一1一(4-Hydroxyphenyl)一2一{[2一

   (4-hydroxypheny1)ethyllamino}propan-1-ol

   monohydrochloride構造式:

    OH・・〈〉瞬一〈〉一     CH3

分子式:C17H21NO3・HCl

分子量1323.81

**性  状:本品は白色の結晶性の粉末である。本品は

   水,メタノール又はエタノール(99.5)に   溶けやすい。本品は0.01mol/L塩酸試液に溶

   ける。本品の水溶液(1→10)は旋光性を

   示さない。本品は光により徐々に淡黄色と

   なる。**融  点:約196℃(分解)

一主要文献一1)Ferguson,J.E』.et al.:Am.J。Obstet。Gyneco1.,148(2),

 166,1984.

2)伊古美文雄:キッセイ薬品資料.

3)坂元正一ほか:医学のあゆみ,133(8),558,1985.

4)鈴木雅洲ほか:医学のあゆみ,131(4),270,1984.

5)坂元正一ほか:産科と婦人科,58(11),2263,1991.

6)坂元正一ほか:周産期医学,13(7),1157,1983.

7)石川雅嗣ほか:産婦人科の世界,42(6),573,1990.

8)佐藤郁夫ほか:産婦人科の実際,39(5),791,1990.

9)成田喜代司ほか:周産期医学,20(7),1125,1990,

10)綱脇 現ほか1産婦人科の実際,41(2),209,1992.

11)藤本征一郎ほか:臨床婦人科産科,39(2),129,1985.

12)竹内正七ほか:産科と婦人科,52(1),133,1985.

13)高橋茂雄ほか:診療と新薬,22(1),219,1985。

14)岩崎まり子ほか:産科と婦人科,52(2),265,1985.

15)萩庭一元ほか:産婦人科の世界,37(1),75,1985.

16)稲垣克久ほか:周産期医学,14(4),679,1984.

17)馬島秀泰ほか:周産期医学,15(2),383,1985.

18)永松幹一郎 :診療と新薬21(12),2603,1984.

19)内野直樹ほか:周産期医学,14(12),1979,1984.

20)成田喜代司ほか:産婦人科の世界,37(1),81,1985.

21)関場 香ほか:産婦中四会誌,33(2),135,1985.

22)池田 滋ほか:Japan.」.Pharmacol.,35(3),319,1984.

23)池田 滋ほか:日本産科婦人科学会雑誌,35(11),1963,

 1983.24)藤本征一郎ほか:Asia-Oceania.J。Obstet。Gynaecol.,9(3),

 325,1983.25)飯塚宏美ほか:実中研・前臨床研究報,9(1),L1983.

26)池田 滋ほか:Japan.J.Pharmacol.,36(4),477,1984.

27)和泉秀隆ほか:Br.」.Pharmacol.,76(3),463,1982.

一文献請求先一キッセイ薬品工業株式会社 製品情報部

〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目8番9号

TEL.03-3279-2304

一包 装一

ウテメリン注50mg  10アンプル

      50アンプル

⑪登録商標

製造 ㊥キリセィ薬品工業株式会社

   松本市芳野19番48号05-XV

一74一

**2006年9月改訂(第4版) *2005年9月改訂

貯  法:気密容器,遮光,室温保存使用期限:3年(外装容器に表示)

     切迫流・早産治療剤     **日本観方リトドリン塩酸塩錠

騰恥ウデ糾ン麺mg     OTE㎜E聡1閥語L5mg

日本標準商品分類番号

87259承認番号 21600AMZOO265000

薬価収載 2CO4年7月

販売開始 2004年7月

再審査結果 1994年3月

効能追加 1994年3月

  一禁忌(次の患者には投与しないこと)一

1.強度の子宮出血,子滴,前期破水例のうち子宮内

  感染を合併する症例,常位胎盤早期剥離,子宮内

  胎児死亡,その他妊娠の継続が危険と判断される

  患者[妊娠継続が危険と判断される。]

2.重篤な甲状腺機能克進症の患者[症状が増悪する

  おそれがある。]

3.重篤な高血圧症の患者[過度の昇圧が起こるおそ

  れがある。]

4.重篤な心疾患の患者[心拍数増加等により症状が

  増悪するおそれがある。]

*5.重篤な糖尿病の患者[過度の血糖上昇が起こるお

  それがある。また,糖尿病性ケトアシドーシスが

  あらわれることもある。]

6.重篤な肺高血圧症の患者[肺水腫が起こるおそれ

  がある。]

7.妊娠16週未満の妊婦(r重要な基本的注意」の項参

  照)

8.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

一組成 ・ 性状一

販売名 ウテメリン錠5㎎

成分・含量(1錠中) 日局リトドリン塩酸塩5㎎

添加物

乳糖,結晶セルロース,ヒドロキシプ

ロピルセルロース,トウモロコシデン

プン,タルク,ステアリン酸カルシウ

ム,ヒドロキシプロピルメチルセルロ

ース,マクロゴール,シリコーン樹脂

剤   形 フィルムコート錠

外  形

表面 ⑫

裏面 ○側 面 e

直径(㎜) 7.2

厚 さ(㎜) 3.8

重 量(9) α13

色   調 白色

識別コード ⑭UT

一効能 ・効果一

切迫流・早産

一用法 ・用量一

通常,1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1

日3回食後経口投与する。

なお,症状により適宜増減する。

一使用上の注意一

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)甲状腺機能克進症の患者

(2)高血圧症の患者

(3)心疾患の患者

*(4)糖尿病の患者,糖尿病の家族歴,高血糖あるい

  は肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者(「重

  要な基本的注意」の項参照)

(5)肺高血圧症の患者

  (上記(1)一(5)は「禁忌」の項参照)

(6)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

(7)カリウム減少性利尿剤の投与を受けている患者

  [過度の血清カリウム低下が起こるおそれがある。]

(8)筋緊張性(強直性)ジストロフィー等の筋疾患

  又はその既往歴のある患者[横紋筋融解症があ

  らわれることがある。]

2.重要な基本的注意

(1)投与中に過度の心拍数増加(頻脈)があらわれた

  場合には,減量するなど適切な処置を行うこと。

(2)1日用量30mgを越えて投与する場合,副作用発

  現の可能性が増大するので注意すること。

(3)本剤の臨床適用は切迫流・早産であるが,妊娠

  16週未満の症例に関する安全性及び有効性は確

  立していないので,投与しないこと(使用経験

  が少ない)。

(4)切迫流産患者にはあらかじめ安静療法を試みた

  後に本剤を投与するとともに,症状の消失がみ

  られた場合は漫然と継続投与しないこと。

(5)胎児に頻脈,不整脈が起こることがある。また,

  新生児に腸閉塞,頻脈,低血糖症があらわれる

注)注意一医師等の処方せんにより使用すること。

一75一

  ことがある。

*(6)本剤投与中,血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪

  化から,糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれ

  ることがある。糖尿病性ケトアシドーシスに至

  ると母体と胎児の生命を脅かすことがある。投

  与前から口渇,多飲,多尿,頻尿等の糖尿病症

  状の有無や血糖値,尿糖,尿ケトン体等の観察

  を十分に行うこと。投与開始後に異常が認めら

  れた場合には,直ちに本剤の投与を中止し,適

  切な処置を行うこと。

3.相互作用

 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

β一刺激剤 作用が増強されることがある。

相加的に作用が増強される。

β一遮断剤 作用が減弱されることがある。

盈受容輿こおいて朋合的に拮抗する。

4.副作用 副作用集計の対象となった2,122例中83例(3.9%),

 100件の副作用が認められた。主なものは心悸克進

 (動悸)60件(2.8%),手指振戦14件(0。7%),嘔気

 8件(0.4%)であった。(再審査終了時)

 (1)重大な副作用(頻度不明)

  1)横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)

   上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴

   とする横紋筋融解症があらわれることがある

   ので,このような場合には直ちに投薬を中止

   し,適切な処置を行うこと。

  2)汎血球減少:汎血球減少があらわれることが

   あるので,観察を十分に行い,異常が認めら

   れた場合には投与を中止し,適切な処置を行

   うこと。

  3)血清カリウム値の低下:血清カリウム値の低

   下があらわれることがある。

  4)新生児腸閉塞:新生児腸閉塞があらわれるこ

   とがある。

 *5)高血糖,糖尿病性ケトアシドーシス:血糖値

   の急激な上昇や糖尿病の悪化から,糖尿病性

   ケトアシドーシスがあらわれることがある。

   糖尿病性ケトアシドーシスに至ると母体と胎

   児の生命を脅かすことがある。観察を十分に

   行い,異常が認められた場合には,直ちに投

   与を中止し,適切な処置を行うこと。

*(2)重大な副作用(類薬)

    本剤の注射剤において,肺水腫,心不全,

   無穎粒球症,白血球減少,血小板減少,ショ

   ック,不整脈,肝機能障害,黄疸,皮膚粘膜

   眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表

   皮壊死症(Lyell症候群),胸水,母体の腸閉塞,

   新生児心室中隔壁の肥大,新生児低血糖があ

   らわれたとの報告があるので,観察を十分に

一76一

  行い,異常が認められた場合には投与を中止

  するなど適切な処置を行うこと。

(3)その他の副作用

頻度不明 α1~5%未満 0.1%未満

循環器不整脈(心室性期外収縮等)

動悸,頻脈,

顔面潮紅

肝臓注)

AST(GOT),

ALT(GPT)の上昇等

血液 血小板減少

精神神経系

しびれ 振戦 ふらつき

消化器 嘔気,腹痛

過敏症 発疹,紅斑

胎児・

新生児胎児頻脈,胎児不整脈,新生児頻脈,新生児低血糖症

注)異常が認められた場合には減量,休薬等の適切な処置を行

 うこと。

5.妊婦,産婦,授乳婦等への投与

 (1)妊娠16週未満の症例に関する安全性及び有効性

  は確立していないので,投与しないこと(使用

  経験が少ない)。

 (2)出産直前に本剤を投与した場合には,出産直後

  の授乳を避けることが望ましい。[動物実験(ラ

  ット)で乳汁中への移行が報告されている。]

6.適用上の注意

 薬剤交付時:P T P包装の薬剤はP T Pシートか

ら取り出して服用するよう指導すること。(PTPシ

ートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,

更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を

併発することが報告されている。)

一薬物動態1)一1.血中濃度

 本剤10mgを健康成人5例に単回投与した際の薬物動態パラメータは下表のとおりであった。

   健康成人に10㎎単回投与時の薬物動態パラメータ

T㎜x(hr)

 Cmax(ng/mL)

  AUC(ng・hr/mL)

T1/2(hr)

1.0 9.9 29.85 0.20及び1.36

2 尿中排泄

 本剤10mgを健康成人に単回投与した際,投与後48

時間までに投与量の85.5%が尿中に排泄され,その

ほとんどは投与後12時間以内に排泄された。

一臨 床 成 績一

 国内で実施した切迫流・早産患者,総計614例の二

重盲検比較試験及び一般臨床試験の概要は次のとおり

である。

1。二重盲検比較試験により検討した結果,切迫流・

 早産患者に対する本剤の有用性が認められた。2・3》

2.切迫流・早産患者に対する有効率は72.7%(437/601)

であった。z~18)

一薬 効 薬 理一

1.生体位子宮運動抑制作用19~22)

 妊娠後期のラット,ウサギ,ヒツジ及びアカゲザ

ルの自発性子宮運動ならびにPGF、α,オキシトシン

などの薬物誘発子宮運動克進反応をリトドリン塩酸

塩は用量依存的に抑制した。

2.摘出子宮運動抑制作用19)

 妊娠ラット摘出子宮筋の自発運動ならびにアセチ

ルコリン,オキシトシン,PGF、α,KC1及び電気刺

激による誘発子宮収縮をリトドリン塩酸塩は濃度依

存的に著明に抑制した。

3.子宮筋への選択性23)

 ラット摘出妊娠子宮筋及びモルモット摘出右心房

標本を用いた実験で,リトドリン塩酸塩は塩酸イソ

プロテレノール,塩酸イソクスプリンに比し優れた

子宮筋への選択性を示した。

4.作用機序23・24)

 薬理学的な分析(invi甘o実験)より,リトドリン塩

酸塩はβ一受容体に対する選択的な刺激効果に基づ

きc-AMP含量を増加させ,CaHの貯蔵部位への取り込

みを促進して子宮運動抑制をきたすと考えられると

ともに,膜の過分極,膜抵抗減少及びスパイク電位

発生抑制をきたし,子宮収縮抑制作用を発揮する。

一有効成分に関する理化学的知見一

 一般名:リトドリン塩酸塩(RitodrineHydrochloride)

**化学名:(1R5,23R)一1一(4-Hydroxypheny1)一2{【2一

    (4-hydroxypheny1)ethyllamino}propan-1-ol

    monohydrochloride 構造式:

      OH・・〈〉蜘一く}一

       CH3

一主 要 文 献一

1)伊古美文雄:キッセイ薬品資料

2)坂元正一ほか:医学のあゆみ,133(10),734,1985.

3)坂元正一ほか:産科と婦人科,58(9〉,1597,199L

4)坂元正一ほか:周産期医学,13(8),1313,1983.

5)北川浩明ほか:産科と婦人科,52(3),398,1985.

6)石川雅嗣ほか:産婦人科の世界,42(4),347,1990.

7)佐藤郁夫ほか:産婦人科の実際,39(6),955,1990.

8)成田喜代司ほか:周産期医学,19(7),1001,1989,

9)馬島秀泰ほか:産婦人科の実際,40(13),2237,199L

10)綱脇 現ほか:産婦人科の実際,41(3),365,1992.

11)前田一雄ほか:診療と新薬,22(1),31,1985.

12)竹内正七ほか:産科と婦人科,52(1),127,1985.

13)中田浩一ほか:診療と新薬,21(12),2609,1984.

14)岩崎まり子ほか:産科と婦人科,52(2),273,1985.

15)萩庭一元ほか:産婦人科の世界,37(2),171,1985.

16)秦 和子ほか:診療と新薬,21(10),2151,1984.

17)成田喜代司ほか:産科と婦人科,51(8),1227,1984.

18)風戸貞之ほか:産婦人科の世界,36(8),635,1984.

19)池田 滋ほか:Japan.J.Pharmaco1.,35(3),319,1984.

20)池田 滋ほか:日本産科婦人科学会雑誌,35(11),

 1963,1983.

21)藤本征一郎ほか:Asia-Oceania.J.Obstet.Gynaecol.,

 9(3),325,1983.

22)飯塚宏美ほか:実中研・前臨床研究報,9(1),1,1983.

23)池田 滋ほか:Japan.J.Pharmacol.,36(4),477,1984.

24)和泉秀隆ほか:Br.J.Pharmaco1.,76(3),463,1982.

一文献請求先一キッセイ薬品工業株式会社 製品情報部

〒1α3-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目8番9号

TEL.(B-3279-2304

 分子式:Ci7H21NO3・HC1

 分子量:323.81**性  状:本品は白色の結晶性の粉末である。本品は

    水,メタノール又はエタノール(99.5)に

    溶けやすい。本品は0.01mo1/L塩酸試液に溶

    ける。本品の水溶液(1→10)は旋光性を    示さない。本品は光により徐々に淡黄色と

    なる。**融  点:約196℃(分解)

一包

ウテメリン錠5mg

装一

500錠100錠[10錠×10]

500錠[10錠×50]

630錠[21錠×30]

一77一

⑭登録商標

製造販売元㊥キッセイ薬品工業株式会社

     松本市芳野19番48号

04-XT

一78一

ご使用の前に本添付文書をよく読んでください※2006年9月改訂(第2版,発売元変更に伴う改訂〉

2005年10月作成(新様式第1版)

承認番号 21100AMZOOO壌3000

            穎粒球エラスターゼキット

■1ラスター煙テコ【匿一テイリ』⑪

         口全般的な注意■測定結果に基づく臨床診断は、臨床症状や他の検査結果等と合わ

せて担当医師が総合的に判断して下さい。

      口形状・構造等(キットの構成)■

1,試験片

 10枚

  1枚当たり  抗ヒト穎粒球工ラスタ~ゼマウスモノクローナル抗体…・6 ・0、?3μg

  抗ヒト穎粒球工ラスターゼマウスモノク0一ナル抗体感作ラテックス・・ ひ・9.5μg

抽出液への浸漬部 テストライン判定窓 コントロールライン判定窓

2.子宮頸管粘液採取用綿棒

 10本

3.抽出液

 1mし×10個4.操作法

 1枚

        口使 用 目 的圏子宮頸管粘液中の穎粒球工ラスターゼの検出

         ■操作上の注意口1,検体採取の注意事項

 (1)検体の採取は、十分習熟した人が実施して下さい。

 (2)綿棒は滅菌済み(EOG滅菌)です。包装を開封した後は、速や

  かに使用して下さい。

 (3)綿棒の包装に破れやピンホールなどがあった場合や、綿棒の

  破損・折れ・曲がり・異常などを認めた場合には使用しない

  で下さい。

 (4)子宮頸管部より採取して下さい。

 (5)検体採取は膣部洗浄前に行って下さい。

 (6)綿棒が外子宮O周辺の分泌物や粘液に接触しないようにして

  下さい。

 (7)綿棒の先が初めて接触する部分が頸管内腔であるように挿入

  して下さい。

 (8)綿棒藩回転あたり約5秒をかけ、自然に粘液(滲出液)をしみ

  込ませるようにして下さい。

 (9)少量の固形物が付着した場合には、接子等で取り除いて下さい。

  又、大量の固形物が付着した場合には、検体採取をやり直し

  て下さい。

 (10)採取した検体は15分以内に抽出操作を行って下さい。

2.妨害物質

 ヘモグロビン(430μg/mL)、総ビリルビン(21,5μg/mL)、リ

 ウマチ因子(1024倍)は、判定結果に影響を与えません。

         ■測定原理圏1.測定原理

 本品は、赤色ラテックス着色法により、子宮頸管粘液中の遊離

穎粒球エラスターゼ及びα1プロテアーゼインヒビター(以下、α筆

Pl)と結合して複合体を形成している穎粒球エラスターゼ(以下、

穎粒球エラスターゼ複合体)の両者を合算した量として検出する

 定性試薬です。

検体として測定する子宮頸管粘液中には遊離穎粒球エラスター

ゼと穎粒球エラスターゼ複合体の両者が共存しますが、遊離顯

粒球工ラスターゼは抽出液中に含まれるα測により穎粒球工ラ

 スターゼ複合体に変換されます。穎粒球工ラスターゼは全て複

合体となり、クロマト担体上の抗ヒト顯粒球エラスターゼマウ

 スモノクローナル抗体を感作した赤色ラテ・ソクス(以下、抗体感

 作赤色ラテックスという)と結合します。これがクロマト担体上

 を展開していき、テスト部に固相化されている抗ヒト顯粒球工 ラスターゼマウスモノクローナル抗体(以下、固相抗体という〉

に捕捉されると[固相抗体]一[穎粒球エラスターゼ複合体]

 一[抗体感作赤色ラテックス]の結合体が形成され、赤色のラ インが現れます。

更に、コントロール部には抗マウス抗体ウサギポリクローナル

 抗体が固定されているので、抗体感作赤色ラテックスが正常に

 展開された場合には、未反応の抗体感作赤色ラテックスが捕捉 されて同様に赤色のラインが現れます。2.特徴

 (1)測定操作が簡単な定性試薬です。

 (2)結果判定が容易です。

 (3)測定時周は約3分です。

        甑用法・用量(操作方法)謹

1,試液の調製

 そのまま使用します。

2.測定操作方法

[検体採取法]

 (1〉子宮膣部の粘液を綿球で丁寧に拭い取ります。

 (2)綿棒を子宮頸管内腔に挿入します。

 (3)綿棒をゆっくりと2回転させ、頸管粘液(滲出液)を採取します。

[抽出方法〕

 (1)抽出液の入った抽出容器の青色キャップをはずします。

 (2)頸管粘液(滲出液〉を採取した綿棒を抽出液に浸けて2~3分

  間放置します。

 (3)綿棒を約3G回細かく上下させて検体を抽出します。

 (4)検体抽出液がしみ込んだ綿棒を抽出容器壁面に軽く押しつけ

  て抽出液が滴らない程度にした後、取り除きます。[測定方法]

 (4)アルミ袋から試験片を取り出し、抽出を完了した抽出液に浸

  けます。

 (2)試験片を抽出液に浸けたまま約3分閤放置します。

 (3〉蛍光灯等の明るい光の下で、目視によりコント日一ルライン

  及びテストラインの有無を確認します。

        ■測定結果の判定方法口魔,判定方法

 (1)テストラインとコントロールラインが共に呈色した場合は陽

  性と判定して下さい。わずかでもテストラインに呈色が認め

  られた場合は全て陽性と判定して下さい。      一79一

 (2)コントロールラインのみ呈色した場合は陰性と判定して下さい。

 (3)コントロールラインが呈色しない場合は再検査して下さい。

2.判定時の注意事項

 (1)判定しづらい場合は、暫く放置してから判定して下さい。但し、

  初回の確認後10分以内に判定して下さい。

 (2)試験片を抽出液に浸けたままでも、又、取り出して放置して

  も判定可能です。

3,参考正常値

 妊娠37週未満の妊婦143症例(396検体〉における測定値の95

 パーセンタイルを正常値上限とした場合、カットオフ値は1,6 μg/mLとなりました1)。

        ■臨床的意義■顯粒球工ラスターゼは、体内に侵入した病原性微生物による感

染部位に早期に遊走する好中球から放出される中性プロテアー

ゼであり、異物や細菌の破壊、殺菌に直接働きますが、基質特

異性が低く、自己組織をも同様に破壊して炎症反応を起こすこ

とから、生体内における炎症の存在を示す指標として有用であることが知られています2)。

切迫早産や前期破水(Premature Rupture of the Membranes:

PROM)又はそれらを成因とする早産は、絨毛膜羊膜炎(Chorio∂m∩ionitls l CAM)が原因となり発生することが多いと

されています鋤。

このCAMは、頸管炎・膣炎の上行波及により発生するため、CAM発生前の穎粒球エラスターゼの検出により頸管炎・膣炎を

診断し、早期に抗菌的治療を施すことで切迫早産、PROM、早産を防止することが可能と言われておりまず〉5)6)?)B)。

         口性     能■1,検出感度

 抽出液中の籟粒球エラスターゼ濃度が1.6μg/mL未満の場合は陰

 性(一)、1,6μg/mL以上の場合は陽性(十)と判定されます。

2.感度試験

 抽出液(顯粒球エラスターゼ濃度0μg/mL)及び顯粒球エラスタ

 ーゼ濃度が0,8μg/mL、1、4μg/mLの管理検体を試料として操作

 するときテストラインを認めず陰性(一)と判定されました。1,6

 μg/mL、3.2μg/mLの管理検体を試料として操作するときテス

 トラインを認め陽性(十)と判定されました。

3.特異性試験・同時再現性試験

 自社施設において本品を用い、下記の管理検体を6回測定したと

 ころ、結果は以下の通りでした。

管理検体A 管理検体B 管理検体C

表示値 0.7μ9/mL 1,6μ9/mL 2.4μ9/mL

判  定 (一) (十) (十)

一致率 6/6 6/6 6/6

4.相関性

 自社施設において子宮頸管粘液中の顯粒球エラスターゼ測定試 薬である(株)三和化学研究所製のファグノス・エラスターゼ(承

 認番号:20900AMZ OO435000号)との相関性について検討した ところ下記の相関結果が得られました。

本   品

陰性(一) 陽性(十)

ファグノス・

エラスターゼ

陰性(一) 53 0陽性(十) O 27

感度ll27/(27十〇)}×100ニ100%特異度:{53/(53十〇)}×100=100%

有効度:(27十53)/(27十53十〇十〇)×100=100%

       口使用上又は取扱い上の注意■1.取扱い上の注意

本品のうち試験片及び抽出液にはアジ化ナトリウムが含有され

ています。誤って目やロに入ったり、皮膚に付着した場合は水

で十分に洗い流す等の応急措置を行い、必要があれば医師の手当て等を受けて下さい。

一80一※   発売元

盤羅話姦謡縣会社

2.使用上の注意

 (1)測定に際しては用法・用量の記載事項を厳守して下さい。

  記載された:使用目的及び用法・用量以外での使用については、

  誤った結果が得られる場合があります。

 (2)期限切れの試薬は使用しないで下さい。又、製造番号の異な

  る試験片と抽出液を組み合わせて使用しないで下さい。

 (3)本品の構成品は測定の目的以外には、使用しないで下さい。

 (4)冷蔵庫で保管した試験片及び抽出液は、室温に戻してから(⑩

  分以上放置)使用して下さい。

 (5)使用直前にアルミ袋を開封して試験片を取り出して下さい。

 (6)試験片の抽出液への浸漬部には直接手を触れないで下さい。

 (7)本品の抽出液は、他法での穎粒球工ラスターゼ測定には使用

  できません。

3,廃棄上の注意

 未使用の抽出液の残液を廃棄する場合には多量の水で流して下 さい。

4.その他の注意

 全ての検体は病原菌に汚染されているものとして十分注意して

 取扱って下さい。

         口貯蔵方法、有効期間■1.貯蔵方法

 2~8℃2.有効期間

 製造後1年3カ月(使用期限は外箱に記載)

10回用

■包 装 単 位■

          口主 要 文 献■1)寺尾俊彦 他:妊婦子宮頸管粘液中穎粒球工ラスターゼ測定の

 臨床的意義一CAMの早期診断について一.産婦人科の実際 421

 2021,19932)小川道雄1好中球の活牲化と臓器障害一工ラスターゼの作用を

 中心に一.腫瘍と感染 2:67,1989

3)Romero R et ∂1:Infection and Preterm Labor、C静n Obstet

 Gynecd 31:553,19884)今井史郎 他:早期(妊娠32週未満)早産の成因と胎盤病理の

 相関性に関する研究,日本産科婦人科学会雑誌 401861,

 19885)佐川 正 他:前方視的観察による妊娠時の頸管炎と頸管粘液

 中顯粒球工ラスターゼ量との関連.産婦人科の世界 461295,

 19946)小栗久典 他:子宮頸管粘液中顯粒球エラスターゼ測定と経膣

 超音波を用いた早産予防の試み.産婦人科の世界 5牧761,

 19997)金山尚裕1早産原因に関連する病態とその管理.産科と婦人科

 12:1807,20038)山本 暖 他:子宮頸管粘液工ラスターゼを指標とした切迫早

 産の管理,周産期医学 351283,2005

        ※■問い合わせ先■

協和メデックス株式会社 学術部

〒104-6004東京都中央区晴海1-8-10

     フリーダイヤル 0120-17-4898

    ■製造販売業者の氏名又は名称及び住所口

株式会社三和化学研究所

〒461-8631名古屋市東区東外堀町35番地

     TEL(052)951-8130

多株式会経錨t葡究所一 ■’ ■∂  ノ7 ,轟一口層←富『『7r自 力』 ↓一目】¶・【「』口二⊥瞳r =Af1 ∩台へ1

多5KK

体外診断用医薬品

日本標準商品分類番号8ア7449・ご使用の前に本添付文書をよく読んでください

※嶽2006年3月改訂(第3版)

※2003年1月改訂(第2版)

承認番号   21000AMZOO850000

穎粒球エラスターゼキット

,7づ’■勉■ラコ旧一型Di

        ■開発の経緯■ 穎粒球工ラスターゼは、体内に侵入した病原性微生物による感染

部位に早期に遊走する好中球から放出される中性プロテアーゼであ

り、異物や細菌の破壊、殺菌に直接働きますが、基質特異性が低く、

自己組織をも同様に破壌して炎症反応を起こすことから、生体内に

おける炎症の存在を示す指標として有用であることが知られています。,,

 切迫阜産や前期破水(Premature Rupture ofthe Membranes:

PROM)又はそれらを成因とする早産は、織毛膜羊膜炎(Chorioamnionitis:CAM)が原因となり発生することが多いとさ

れています。

 このCAMは、頸管炎・膣炎の上行波及により発生するため、

CAM発生前の穎粒球工ラスターゼの検出により頸管炎・膣炎を診

断し、早期に抗菌的治療を施すことで切迫早産、PROM、早産を防止することが可能と言われております。

 本品は、子宮頸管部より採取した粘液を検体として用い、好中球

から放出される穎粒球エラスターゼを迅速・簡便に検出する試薬で

あり、頸管炎・膣炎の有無の判定を補助することを目的として開発

されたものです。

        口特    鐵口①測定操作が簡単な定性試薬です。

②結果判定が容易です。

③測定時悶は約3分です。

        .■組    成■①試験片 ……一……・・…………・……り……・………・…・…一10枚

 1枚当たり

 抗ヒト穎粒球エラスターゼマウスモノクローナル抗体     073μg 抗ヒト穎粒球エラスターゼマウスモノクローナル抗体感作ラデックス9.5μg

②子宮頸管粘液採取用綿棒………………一・…………一……・10本

③抽出液…・……一……D………一……・……………1mL×10個④操作法 ……………一・一……一…』・‘一・………・……一・……1枚

        ■使 用 目 的■子官頸管粘液中の穎粒球工ラスターゼの検出

        ■測定原理■ 本品は.赤色ラテ・ソクス着色法により、子宮頸管粘液中の遊離

穎粒球エラスターゼ及びα1ブロテアーゼインヒピター(以下、αIPI)と結合して複合体を形成している穎粒球工ラスターゼ(以下、

穎粒球エラスターゼ複合体)の両者を合算した量として検出する定

性試薬です。

 検体として測定する子宮頸管粘液中には遊離穎粒球エラスターゼ

と穎粒球エラスターゼ複合体の両者が共存しますが、遊離穎粒球エ

ラスターゼは抽出液中に含まれるα1PIにより穎粒球エラスターゼ

複合体に変換されます。穎粒球エラスターゼは全て複合体となり、

クロマト担体上の抗ヒト穎粒球エラスターゼマウスモノクローナル

抗体を感作した赤色ラテックス(以下、抗体感作赤色ラテックスと

いう)と結合します。これがクロマト担体上を展開していき、テス

ト部に固相化されている抗ヒト顯粒球エラスターゼマウスモノクローナル抗体(以下、固相抗体という)に捕捉されると[固相抗体]。・

[顯粒球エラスターゼ複合体]一[抗体感作赤色ラテックス]の結合体

が形成され、赤色のラインが現れます。

 更に、コントロール部には抗マウス抗体ウサギポリクローナル抗

体が固定されているので、抗体感作赤色ラテックスが正常に展開さ

れた場合には、未反応の抗体感作赤色ラテックスが捕捉されて同様

に赤色のラインが現れます。

        口用法 ・用量置          一1.試液の調製                   ’ 一’ 一

 そのまま使用します。                  ■■2.測定操作方法                         =

 操作にあたっては、本書(添村文書)及び「操作法」を参照して==

 下さい。       臼        ’       !!=

(1)検体採取法

 1)子宮膣部の粘液を綿球で丁寧に拭い取ります。

 2)綿棒を子宮頸管内腔に挿入します。

 3)綿棒をゆっくりと2回転させ、頸管粘液(滲出液)を採取し

  ます。

 [検体採取の注意事項]

※ 検体の採取は、十分習熟した人が実施して下さい。

※ 綿棒は滅菌済みです。包装を開封した後は、速やかに使用  して下さい。

※ 綿棒の包装に破れやピンホールなどがあった場合や、綿棒i  の破損・折れ・曲がり・異常などを認めた場合には使用し

 ないで下さい。  子宮頸管部より採取して下さい。

 検体採取は膣部洗浄前に行って下さい。

  綿棒が外子宮ロ周辺の分泌物や粘液に接触しないようにし

  て下さい◎

 綿棒の先が初めて接触する部分が頸管内腔であるように挿

 入して下さい。

 綿棒1回転あたり約5秒をかけ、自然に粘液(滲出液)をし  み込ませるようにして下さい。   ’

  少量の固形物が付着した場合には,接子等で取り除いて下

  さい。又、大曇の固形物が付着した場合には、検体採取を

  やり直して下さい。

  採取した検体は15分以内に抽出操作を行って下さい。

(2)抽出方法

 1)抽出液の入った抽出容器の青色キャップをはずします。

 2)頸管粘液(滲出液)を採取した綿棒を抽出液に浸けて2~3

 分間放置します。 3)綿棒を約30回細かく上下させて検体を抽出します。

 4)検体抽出液がしみ込んだ綿棒を抽出容器壁面に軽く押しつ

  けて抽出液が滴らない程度にした後、取り除きます。

(3)測定方法

 1)アルミ袋から試験片を取り出し、抽出を完了した抽出液に

 浸けます。 2)試験片を抽出液に浸けたまま約3分間放置します。 一81-

 3)蛍光灯等の明るい光の下で、目視によりコントロールライ

ン及びテストラインの有無を確認します。

(4)判定方法

 1)テストラインとコントロールラインが共に呈色した場合は

 陽性と判定して下さい。わずかでもテストラインに呈色が 認められた場合は全て陽性と判定して下さい。

 2)コントロールラインのみ呈色した場合は陰性と判定して下

 さい。 3)コントロールラインが呈色しない場合は再検査して下さい6

注意)判定しづらい場合は、暫く放置してから判定して下さい。

  但し、初回の確認後10分以内に判定して下さい。尚、  試験片を抽出液に浸けたままでも、また、取り出して放

  置しても判定可能です。

        ■妨 害物 質■ヘモグロビン(430μg/mL)、総ビリルビン(21.5μg/mL)、リ

ウマチ因子(1024倍)は、判定結果に影響を与えません。

        ■性.   能■1.感度試験

 .抽出液(穎粒球工ラスターゼ濃度oμ9/mL)及び穎粒球エラス

 タrゼ濃度が0,8μ9/mL、1、4.μ9/mLの管理検体を試料として 操作するときデストラインを認めず陰性(一)と判定されました。

 1,6μ9/mL、3,2μ9/mLの管理検体を試料として操作すると

 きテストラインを認め陽性(十)と判定されました。

2,特異性試験・固時再現性試験

 自社施設において本品を用い、下記の管理検体を6回測定し たところ、結果は以下の通りでした。

管理検体A 管理検体B 管理検体C表示値 0.7 g/mL L6 9/mL24 9/mL判定 (一) (十) (十)

一致率 6/6 6!6 6/6

        ■相  関  性■ 自社施設において子宮頸管粘液中の顯粒球工ラスターゼ測定試薬

である(株)三和化学研究所製のファグノス・エラスターゼ(承認番

号:20900AMZOO435000号)との相関性について検討したところ下記の相関結果が得られました。

本品陰性(一) 陽性(十)

ファグノス・

エラスターゼ

陰性(一) 53 0陽性(十) 0 27

感度={27/(27十〇)}X100=100%

特異度={53/(53十〇)}×100=・100%

有効度:(27十53)/(27十53十〇十〇)×100・=100%

      口使用上又は取扱い上の注意■1,一般的注意 (1)測定に際してほ用法」用量の記載事項を厳守して下さい。

 (2)期限切れの試薬は使用しないで下さい。また、犀製造番号の異

 一なる試験片と抽出液を組み合わせて使用しないで下さい。

※(3)本品の構成品は測定の目的以外には、使用しないで下さい。

 (4)本品のうち試験片及び抽出液にはアジ化ナトリゥムが含有され

 ています。誤って目やロに入ったり、皮膚に付着した場合は 水で十分に洗い流す等の応急措置を行い、必薯があれば医師 の手当て等を受けて下さい。

 また、未使用の抽出液の残液を廃棄する場合には多量の水で 流して下さい。※(5)全ての検体は病原菌に汚染されているものとして十分注意して

 取扱って下さいb

2.測定に際しての注意

(1)冷蔵庫で保管した試験片及び抽出液は、室温に戻してから(丁0

 分以上放置)使用して下さい。             ・㌧、

(2)使用直前にアルミ袋を開封して試験片を取り出して下さいび’

(3)試験片の抽出液への浸漬部には直接手を触れないで下さい。

(4)本品の抽出液は、他法での穎粒球工ラスターゼ測定には使用

 でぎません。

        ]検.出 感度■穎粒球エラスターゼ濃度が1.すμ9/mL未満の場合は陰性(一)、

L6・μ9/mL以上の場合は陽性(十)と判定されます。

2~8℃

製造後1年3ヶ月

10回用

法■

■有効 期 間■

■包 鼓 単 位■

        ■主要文献臨1)Bau菖h R,Travis J=Human Leukocyte Granule EIastase:

 Rapid isolation and characteri2atlon,Biochemistry15:

836,1976.

2)Sakdmoto S,Terao T:How to Iower perinatal『nOrtality?

Perin勾talcareinJapan・Cr・a‡ian蜘dicaり・りrpal・3り臼1

 197,1998.3)寺尾俊彦他:妊婦子宮頸管粘液中顯粒球工ラスをr・1ゼ灘牢φ

臨床的意義一CAMの早期診断について一1産婦人科の実際1-1聖=2021,1993.

4)lamsJD,etallThelengtじ・fthe、cervlxandthe’ri台kofg spontaneous premature deliVery.NEJM334:567,1996』5)小栗久典,’柴田清住2子宮頸管粘液中顯粒球工ラスターゼ測

定と経膣超音波を用いた早産予防の試み.産婦人科の世界,’

51.761,1999.

6)Mercer BM,et al,:Antibiotic therapy for reductiOn’of

infant’morbidity after preterm premature rupture qf thg

membranes.A randomized contro”ed trial.JAMA,278:989,1997.

7)Mercer BMArheart KL :Antimicrqbial,therapy inexpectant management of pretemll premature匹』pture

ofthe membranes.The Lancet,346=1271,1995.8〉佐川正 他:前方視的観察による妊娠時の頸管炎と頸管粘液中穎

粒球エラスターゼ量との関連.産婦人科の世界,46:295,1994.

9)吉武英憲他=子宮頸管粘液中穎粒球工ラスターゼ迅逮試薬の

基礎評価及び臨床評価基礎と臨床,31:3043,199ス

10)金山尚裕他:子宮頸管粘液中穎粒球エラスター一ゼ定性測定試

薬の基礎的性能および臨床的有用性の評価.基礎と臨床,31=

3163,1997.

      ※※■問い合わせ先■株式会社三和化学研究所 コンタクトセンター

〒461-8631名古屋市東区東外堀町35番地TEL(052)951-813σ乍AX(6与2)950ゴ1305

    ■製造販売業者の氏名又は名称及び住所■株式会社三和化学研究所

〒461-8631名古屋市東区東外堀町35番地TEL(052)951-8130

一82一

多繍超輸爵蜥5KK名古屋市東区東外堀町35蕃地〒461-8631 GD-5

**2007年7月改訂(第6版,使用上の注意の項の自主改訂)

 *2005年4月改訂

貯  法:遮光・凍結を避け冷所保存

使用期限:外箱等に表示(使用期問2年)

                合成副腎皮質ホルモン剤

           ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液                       *           指定医薬品,処方せん医薬品注1)

           り”ヲロゾ注2m8(04%)①*

           リンデロン⑪注4mg(0.4%)②*

           ”ヲロン猛20mg(α4%)③*

⑧シオノギ製薬      Rinderon⑪

日本標準商品分類番号

872454

① ② ③

承認番号 21700“ZOO532 21700AMZOO533 21700AMZOO534

薬価収載 2005年 6月 2005年 6月 2005年 6月

販売開始 1964年 9月 1964年 9月 1974年 8月

再評価結果 1990年12月 1990年12月 1990年12月

 【禁忌(次の患者又は部位には投与しないこと)】

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.感染症のある関節腔内,滑液嚢内,腱鞘内又は腱周囲[免疫

 機能抑制作用により,感染症が増悪することがある。]

3.動揺関節の関節腔内[関節症状が増悪することがある。]

【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には慎重に投与すること)】

1.有効な抗菌剤の存在しない感染症,全身の真菌症の患者[免

 疫機能抑制作用により,症状が増悪することがある。]

2.消化性潰瘍の患者[肉芽組織増殖抑制作用により,潰瘍治癒

 (組織修復)が障害されることがある。]

3.精神病の患者[大脳辺縁系の神経伝達物質に影響を与え,症

 状が増悪することがある。]

4.結核性疾患の患者[免疫機能抑制作用により,症状が増悪す

 ることがある。]

5.単純庖疹性角膜炎の患者[免疫機能抑制作用により,症状が

 増悪することがある。]

6.後嚢白内障の患者[症状が増悪することがある。]

7.緑内障の患者[眼圧の方進により,緑内障が増悪することが

 ある。]

8.高血圧症の患者[電解質代謝作用により,高血圧症が増悪す

 ることがある。]

9.電解質異常のある患者[電解質代謝作用により,電解質異常

 が増悪することがある。]

10.血栓症の患者[血液凝固促進作用により,症状が増悪するこ

 とがある。]

11.最近行った内臓の手術創のある患者[創傷治癒(組織修復)

 が障害されることがある。]

12.急性心筋梗塞を起こした患者[心破裂を起こしたとの報告が

 ある。]

13.ウイルス性結膜・角膜疾患,結核性眼疾患,真菌性眼疾患及

 び急性化膿性眼疾患の患者に対する眼科的投与[免疫機能抑

 制作用により,症状が増悪することがある。]

【組成・性状】

販売名リンデロン注2mg

  (0.4%)

リンデロン注4㎎

  (0.4%)

リンデロン注20㎎

  (0.4%)

D一ソルビトール D一ソルビトール D一ソルビトール

15㎎ 30㎎ 150㎎乾燥亜硫酸ナトリウ 乾燥亜硫酸ナトリウ 乾燥亜硫酸ナトリウ

添加物ム      0.5㎎

リン酸水素ナトリウ

ム       1㎎

リン酸水素ナトリウ

ム       5mg

リン酸水素ナトリウ

ム水和物,結晶リン ム水和物,結晶リン ム水和物,結晶リン

酸二水素ナトリウ 酸二水素ナトリウ 酸二水素ナトリウム,注射用水 ム。注射用水 ム。注射用水

2.性状

販売名リンデロン注2mg

  (0.4%)

リンデロン注4㎎

  (0.4%)

リンデロン注20mg  (0.4%)

性状・剤形無色澄明の液である。(注射剤)

無色澄明の液である。(注射剤)

無色澄明の液である。(注射剤)

pH 7.0~8.0 7.0~8.0 7.0~8.0

浸透圧比〔生理食塩液

に対する比〕

約1 約1 約1

【効能・効果】

☆印の付されている投与法は以下のような条件でのみ使用できる。(その事由がなくなった場合1よ速やかに他の投与法に切り替えること。)

1. 静脈内注射及び点滴静脈内注射1経ロ投与不能時,緊急時及  び筋肉内注射不適時2. 筋肉内注射:経ロ投与不能時

1.組成

販売名リンデロン注2㎎

  (0,4%)

リンデロン注4mg

  (0.4%)

リンデロン注20㎎  (0.4%)

1管(0.5ml、)中 1管(1ml。)中 1管(5ml、)中

ベタメタゾンリン酸 ベタメタゾンリン酸 ベタメタゾンリン酸

成分・含量エステルナトリウム

   2.65mg

エステルナトリウム

   5.3㎎

エステルナトリウム

   26.5㎎

(ベタメタゾンとし (ベタメタゾンとし (ベタメタゾンとし

て2mgに相当) て4mgに相当) て20mgに相当)

効能・効果静脈内

注射点滴静脈内注射

筋肉内

注射その他の用法

1.内科・小児科領域

(1)内分泌疾患

 慢性副腎皮質機能不全(原発性,

 続発性,ド垂体性,医原性)○

急性副腎皮質機能不全(副腎クリーゼ)

○ O ○

副腎性器症候群,亜急性甲状腺

炎,甲状腺疾患に伴う悪性眼球突出症

○☆

甲状腺中毒症〔甲状腺(中毒性〉クリーゼ〕

○ O O☆

(2)リウマチ疾患

 慢性関節リウマチ。若年性関節リ ウマチ(スチル病を含む) O 関節腔内注射

リウマチ熱(リウマチ性心炎を含む)

○☆ ○☆ ○

リウマチ性多発筋痛 ○

(3)膠原病

 エリテマトーデス(全身性及び慢 性円板状),全身性血管炎(大動 脈炎症候群,結節性動脈周囲炎, 多発性動脈炎,ヴェゲナ肉芽腫症 を含む),多発性筋炎(皮膚筋炎)

○☆ ○☆ O

強皮症 O☆

注1)注意一医師等の処方せんにより使用すること一83一

リンデロン注0.4%(2)

効能・効果静脈内注射

点滴静脈内注射

筋肉内注射

その他の用法

(4)腎疾患

ネフローゼ及びネフローゼ症候群 O☆ ○☆ ○☆

(5)心疾患

うっ血性心不全 ○☆ ○☆ O☆

(6)アレルギー性疾患

気管支喘息(ただし,筋肉内注射

は他の投与法では不適当な場合に ○ ○ O ネブライザー

限る)

喘息性気管支炎(小児喘息性気管支炎を含む)

O☆ ネブライザー

喘息発作重積状態,アナフィラキ

シーショック○ ○

薬剤その他の化学物質によるアレ

ルギー・中毒(薬疹,中毒疹を含 ○☆ ○☆ ○☆

む)

血清病 O ○ ○☆

(7)重症感染症

重症感染症(化学療法と併用する) O ○ ○☆

(8)血液疾患

溶血性貧血(免疫性又は免疫性機

序の疑われるもの),自血病(急

性白血病。慢性骨髄性白血病の急性転化,慢性リンパ性白血病)

(皮膚自血病を含む),穎粒球減少 O ○ ○☆

症(本態性,続発性),紫斑病

(血小板減少性及び血小板非減少

性),再生不良性貧血,凝固因子

の障害による出血性素因

髄膜白血病 脊髄腔内注入

(9)消化器疾患

限局性腸炎,潰瘍性大腸炎 ○☆ ○☆ O☆ 注腸

(10)重症消耗性疾患

重症消耗性疾患の全身状態の改善(癌末期,スプルーを含む)

○☆ ○☆ ○☆

(11)肝疾患

劇症肝炎(臨床的に重症とみなされるものを含む)

○ O ○☆

胆汁うっ滞型急性肝炎 O☆ ○☆

肝硬変(活動型,難治性腹水を伴

うもの,胆汁うっ滞を伴うもの)○☆

(12)肺疾患

びまん性間質性肺炎(肺線維症)

(放射線肺臓炎を含む)○☆ ○☆ ネブライザー

(13)結核性疾患(抗結核剤と併用する)

結核性髄膜炎 脊髄腔内沖入

結核性胸膜炎 胸腔内注入

(14)神経疾患

脳脊髄炎(脳炎,脊髄炎を含む)

(ただし,一次性脳炎の場合は頭

蓋内圧九進症状がみられ。かつ他

剤で効果が不卜分なときに短期間 O O ○☆ 脊髄腔内注入

用いること),重症筋無力症,多

発性硬化症(視束脊髄炎を含む)

末梢神経炎(ギランバレー症候群を含む)

○☆ O☆ O☆ 脊髄腔内注入

小舞踏病,顔面神経麻痺,脊髄蜘網膜炎

○☆

(15)悪性腫瘍

悪性リンパ腫(リンパ肉腫症,細

網肉腫症,ホジキン病,皮膚細網

症,菌状息肉症)及び類似疾患○ O ○☆ 脊髄腔内注入

(近縁疾患)

好酸性肉芽腫 ○ O ○☆

乳癌の再発転移 ○☆

(16)その他の内科的疾患

特発性低血糖症 O ○ O☆

原因不明の発熱 ○☆

効能・効果静脈内

注射点滴静脈内注射

筋肉内注射

その他の用法

2。外科領域

副腎摘除 ○ ○ ○

臓器・組織移植,副腎皮質機能不

全患者に対する外科的侵襲,蛇

毒・昆虫毒(重症の虫さされを含○☆

む)

侵襲後肺水腫 ○ ネブライザー

外科的ショック及び外科的ショッ

ク様状態,脳浮腫,輸血による副 ○

作用,気管支痙攣(術中)

3.整形外科領域

強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)

強直性脊椎炎(リウマチ性脊椎炎)に伴う四肢関節炎,変形性関

節症(炎症症状がはっきり認めら 関節腔内注射

れる場合).外傷後関節炎,非感

染性慢性関節炎,痛風性関節炎

関節周囲炎(非感染性のものに限 軟組織内注射

る),腱周囲炎(非感染性のもの 腱鞘内注射

に限る) 滑液嚢内注入

腱炎(非感染性のものに限る) 軟組織内注射腱鞘内注射

腱鞘炎(非感染性のものに限る) 腱鞘内注射

滑液包炎(非感染性のものに限滑液嚢内注入

る)

4.産婦人科領域

卵管閉塞症(不妊症)に対する通

水療法卵管腔内注入

卵管整形術後の癒着防止 0☆ 卵管腔内注入

副腎皮質機能障害による排卵障害 ○☆

5.泌尿器科領域

前立腺癌(他の療法が無効な場合),陰茎硬結

○☆

6.皮膚科領域

△印の付されている効能・効果に

対しては,外用剤を用いても効果

が不卜分な場合あるいはト分な効

果を期待し得ないと推定される場

合にのみ用いること

△湿疹・皮膚炎群(急性湿疹,亜

急性湿疹,慢性湿疹,接触皮膚

炎,貨幣状湿疹,白家感作性皮膚

炎,アトピー皮膚炎,乳・幼・小

児湿疹,ビダール苔癬,その他の

神経皮膚炎,脂漏性皮膚炎,進行

性指掌角皮症,その他の手指の皮

膚炎.陰部あるいは肛門湿疹,耳

介及び外耳道の湿疹・皮膚炎,鼻

前庭及び鼻翼周辺の湿疹・皮膚炎

等)(ただし,重症例以外は極力 ○☆

投与しないこと)

△痒疹群(小児ストロフルス,蕎麻疹様苔癬,固定暮麻疹を含む)

(ただし,重症例に限る。また,

固定專麻疹は局注が望ましい)

△類乾癬(重症例に限る),△掌

蹟膿庖症(重症例に限る),△毛

孔性紅色枇糠疹(重症例に限る),

成年性浮腫性硬化症,紅斑症〔△多形滲出性紅斑(重症例に限る),

結節性紅斑〕,レイノー病,先天

性表皮水庖症,帯状庖疹(重症例に限る),顔面播種状粟粒性狼瘡

(重症例に限る),潰瘍性慢性膿皮

症,新生児スクレレーマ

一84一

効能・効果静脈内

注射点滴静脈内注射

筋肉内注射

その他の用法

葬麻疹(慢性例を除く)(重症例

に限る),△乾癬及び類症〔尋常

性乾癬(重症例),関節症性乾癬,

乾癬性紅皮症,膿庖性乾癬,稽留

性肢端皮膚炎,癒疹状膿痂疹,ラ

イター症候群〕,アナフィラクト

イド紫斑(単純型,シェーンライ

ン型,ヘノッホ型)(重症例に限

る),ウェーバークリスチャン病,

皮膚粘膜眼症候群〔開口部びらん

性外皮症,スチブンス・ジョンソ○☆ ○☆

ン病,皮膚口内炎,フックス症候

群,ベーチェット病(眼症状のな

い場合),リップシュッッ急性陰

門潰瘍〕,天庖瘡群(尋常性天庖

瘡,落葉状天庖瘡。Scncar-Usher

症候群,増殖性天庖瘡),デュー

リング癌疹状皮膚炎(類天庖瘡,

妊娠性庖疹を含む),△紅皮症

(ヘブラ紅色枇糠疹を含む)

7.眼科領域

内眼・視神経・眼窩・眼筋の炎症

性疾患の対症療法(ブドウ膜炎, 結膜下注射網脈絡膜炎,網膜血管炎,視神経 ○☆ ○☆ 球後注射

炎,眼窩炎性偽腫瘍,眼窩漏斗尖 点眼

端部症候群,眼筋麻痩)

外眼部及び前眼部の炎症性疾患の

対症療法で点眼が不適当又は不卜

分な場合(眼瞼炎,結膜炎,角膜○☆ O☆ 結膜下注射

球後注射

炎,強膜炎,虹彩毛様体炎)

眼科領域の術後炎症 ○☆ ○☆ 結膜下注射点眼

8.耳鼻咽喉科領域

急性・慢性中耳炎 ○☆ ○☆ ○☆ 中耳腔内注入

滲出性巾耳炎・耳管狭窄症 O☆ ○☆ ○☆ 中耳腔内涯入耳管内注入

メニエル病及びメニエル症候群,

急性感音性難聴,口腔外科領域手 ○ ○ O術後の後療法

血管運動(神経)性鼻炎,アレル ネブライザー

ギー性鼻炎,花粉症(枯草熱) O 鼻腔内注入鼻甲介内注射

副鼻腔炎・鼻茸 ネブライザー

○鼻腔内注入副鼻腔内注入鼻茸内注射

進行性壊疽性鼻炎 ネブライザー鼻腔内注入

○ ○ ○ 副鼻腔内注入喉頭・気管注入

喉頭炎・喉頭浮腫 ネブライザー○ ○ ○ 喉頭・気管注

喉頭ポリープ・結節 ネブライザー○☆ ○☆ O☆ 喉頭・気管注

食道の炎症(腐蝕性食道炎,直達

鏡使用後)及び食道拡張術後○ ○ ○

ネブライザー食道注入

耳鼻咽喉科領域の手術後の後療法 軟組織内注射ネブライザー鼻腔内往入副鼻腔内注入

○ O ○ 鼻甲介内注射喉頭・気管注入

巾耳腔内注入食道注入

難治性口内炎及び舌炎(局所療法で治癒しないもの)

軟組織内注射

嗅覚障害 ○☆ ○☆ O☆ネブライザー鼻腔内注入

急性・慢性(反復性)唾液腺炎 ○☆ ○☆ ○☆ 唾液腺管内注入

リンデロン注0.4%(3)

           【用法・用量】

(静脈内注射)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回2~8mgを3~6時間ごとに静脈内注射する。

(点滴静脈内注射)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回2~10mgを1日1~2回点滴静脈内注射する。

(筋肉内注射)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回2~8mgを3~6時間ごとに筋肉内注射する。

(関節腔内注射)

通常、成人にはベタメタゾンとして1回1~5mgを関節腔内注

射する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。

(軟組織内注射)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回1~5mgを軟組織内注

射する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。

(腱鞘内注射)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回1~5mgを腱鞘内注射する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。

(滑液嚢内注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回1~5mgを滑液嚢内注

入する。原則として投与間隔を2週間以上とすること。

(脊髄腔内注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回1~5mgを週1~3回脊髄腔内注入する。

(胸腔内注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回1~5mgを週1~3回胸腔内注入する。

(卵管腔内注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.4~1mgを卵管腔内注入する。

(注腸)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.4~6mgを直腸内注入する。

(結膜下注射)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.4~2mgを結膜下注

射する。その際の液量は0.2~0.5mLとする。

(球後注射)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.8~4mgを球後注射

する。その際の液量は0.5~1.Omlとする。

(点眼)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.25~1mg/mL溶液1

~2滴を1日3~8回点眼する。(ネブライザー)

通常、成人にはベタメタゾンとして1回0.1~2mgを1日1~3回ネブライザーで投与する。

(鼻腔内注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.1~2mgを1日1~3回鼻腔内注入する。

(副鼻腔内注入〉

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.1~2mgを1日1~3回副鼻腔内注入する。

(鼻甲介内注射)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回1~5mgを鼻甲介内注射する。

(鼻茸内注射)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回1~5mgを鼻茸内注射する。

(喉頭・気管注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.1~2mgを1日1~3回喉頭あるいは気管注入する。

                           一85一

一86一

リンデロン注0.4%(4)

(中耳腔内注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.1~2mgを1

日1~3回中耳腔内注入する。

(耳管内注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.1~2mgを1

日1~3回耳管内注入する。(食道注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回1~2mgを食道注入する。

(唾液腺管内注入)

通常,成人にはベタメタゾンとして1回0.5~1mgを唾液腺管内注入する。

なお,上記用量は年齢,症状により適宜増減する。

        【使用上の注意】**

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)感染症の患者[免疫機能抑制作用により,感染症が増

  悪するおそれがある。]

(2)糖尿病の患者[糖新生作用等により血糖が上昇し,糖

  尿病が増悪するおそれがある。]

(3)骨粗髪症の患者[蛋白異化作用等により,骨粗嶺症が

  増悪するおそれがある。]

(4)腎不全の患者[薬物の排泄が遅延するため,体内蓄積

  による副作用があらわれるおそれがある。]

(5)甲状腺機能低下のある患者[血中半減期が延長すると

  の報告があり,副作用があらわれるおそれがある。]

(6)肝硬変の患者[代謝酵素活性の低下等により,副作用

  があらわれやすい。]

(7)脂肪肝の患者[脂肪分解・再分布作用により,肝臓へ

  の脂肪沈着が増大し,脂肪肝が増悪するおそれがあ  る。]

(8)脂肪塞栓症の患者[大量投与により脂肪塞栓症が起こ

  るとの報告があり,症状が増悪するおそれがある。1

(9)重症筋無力症の患者[使用当初,一時症状が増悪する

  おそれがある。]

(10)高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

2. 重要な基本的注意

(1)本剤の投与により,誘発感染症,続発性副腎皮質機能

  不全,消化管潰瘍,糖尿病,精神障害等の重篤な副作

  用があらわれることがあるので,本剤の投与にあたっ

  ては次の注意が必要である。

1)投与に際しては,特に適応,症状を考慮し,他の治療

  法によって十分に治療効果が期待できる場合には,本

  剤を投与しないこと。また,局所的投与で十分な場合

  には,局所療法を行うこと。

2)投与中は副作用の発現に対し,常に十分な配慮と観察

  を行い,また,患者をストレスから避けるようにし,

  事故,手術等の場合には増量するなど適切な処置を行

  うこと。

3)特に,本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると,致命  的な経過をたどることがあるので,次の注意が必要で  ある。

a.本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無

  を確認すること。

b.水痘又は麻疹の既往のない患者においては,水痘又は

  麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察

  を行うこと。感染が疑われる場合や感染した場合に

  は,直ちに受診するよう指導し,適切な処置を講ずる

  こと。

c.水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある

  患者であっても,本剤投与中は,水痘又は麻疹を発症

  する可能性があるので留意すること。

4)連用後,投与を急に中止すると,ときに発熱,頭痛,

  食欲不振,脱力感,筋肉痛,関節痛,ショック等の離

 脱症状があらわれることがあるので,投与を中止する

  場合には,徐々に減量するなど慎重に行うこと。離脱

 症状があらわれた場合には,直ちに再投与又は増量す

  ること。

5)眼科用に用いる場合には原則として,2週間以上の長

 期投与は避けること。

(2)本剤の長期あるいは大量投与中の患者,又は投与中止

 後6ヵ月以内の患者では,免疫機能が低下しているこ

  とがあり,生ワクチンの接種により,ワクチン由来の

 感染を増強又は持続させるおそれがあるので,これら

  の患者には生ワクチンを接種しないこと。

(3)本剤の投与により,気管支喘息患者の喘息発作を増悪

  させることがあるので,薬物,食物,添加物等に過敏

  な喘息患者には特に注意が必要である。

3.相互作用

  併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

バルビッール酸誘導体 本剤の作用が減弱する バルビッール酸誘導

フェノバルビタール ことが報告されている 体。フェニトイン,

フェニトイン ので。併用する場合に リファンピシンはチ

リファンピシン は用量に注意するこ トクロームP-450と。 を誘導し。本剤の代

謝が促進される。

サリチル酸誘導体 併用時に本剤を減量す 本剤はサリチル酸誘

アスピリン,アスピ ると,サリチル酸中毒 導体の腎排泄と肝代

リンダイアルミネー を起こすことが報告さ 謝を促進し,血清中

ト,サザピリン等 れているので,併用す のサリチル酸誘導体

る場合には用量に注意 の濃度が低下する。

すること。

抗凝血剤 抗凝血剤の作用を減弱 本剤は血液凝圏促進

ワルファリンカリウ させることが報告され 作用がある。

ム ているので,併用する

場合には用量に注意すること。

経口糖尿病用剤 経口糖尿病用剤,イン 本剤は肝臓での糖新

ブホルミン塩酸塩, スリン製剤の効果を減 生を促進し,末梢組

クロルプロパミド, 弱させることが報告さ 織での糖利用を抑制

アセトヘキサミド等 れているので,併用す する。

インスリン製剤 る場合には用量に注意すること。

利尿剤(カリウム保持 低カリウム血症があら 本剤は尿細管でのカ

性利尿剤を除く) われることがあるの リウム排泄促進作用

フロセミド,アセタ で,併用する場合には がある。

ゾラミド,トリクロ 用量に注意すること。

ルメチアジド等

シクロスポリン 他の副腎皮質ホルモン 副腎皮質ホルモン剤

剤の大量投与で,シク はシクロスポリンの

ロスポリンの血中濃度 代謝を抑制する。

が上昇するとの報告があるので,併用する場

合には用量に注意すること。

エリスロマイシン 本剤の作用が増強され 本剤の代謝が抑制さ

るとの報告があるの れる。

で,併用する場合には用量に注意すること。

非脱分極性筋弛緩剤 筋弛緩作用が減弱又は 機序は不明

パンクロニウム臭化 増強するとの報告があ

物,ベクロニウム臭 るので,併用する場合化物 には用量に注意するこ

と。

4.副作用  再評価結果における安全性評価対象例3324例中,副

  作用は346例(10.41%)に認められた。主なものは,

  静脈内及び筋肉内注射では,副腎皮質機能低下が18

  件,17-OHCS低下が14件等であった。静脈内及び筋

  肉内以外の投与では,眼圧上昇が210件,満月様顔

  貌が23件等であった1)。

(1)重大な副作用

  次の症状があらわれることがあるので,観察を十分に

  行い,このような症状があらわれた場合には適切な処

  置を行うこと。

1)ショック,アナフィラキシー様症状(0.1%未満):

  ショック,アナフィラキシー様症状があらわれること

  があるので,観察を十分に行い,呼吸困難,全身潮紅,

  血管浮腫,藝麻疹等の症状があらわれた場合には投与

  を中止し,適切な処置を行うこと。

2)誘発感染症,感染症の増悪(頻度不明)

3)続発性副腎皮質機能不全,糖尿病(頻度不明)

4)消化管潰瘍,消化管穿孔(頻度不明):消化管潰瘍,消

  化管穿孔があらわれるとの報告があるので,観察を十

  分に行い,異常が認められた場合には投与を中止する

  など,適切な処置を行うこと。

5)膵炎(頻度不明)

6)精神変調,うつ状態,痙攣(頻度不明)

7)骨粗髪症,大腿骨及び上腕骨等の骨頭無菌性壊死,ミ

  オパチー(頻度不明)

8)緑内障,後嚢白内障(頻度不明):連用により眼圧克

  進,緑内障,後嚢白内障を来すことがあるので,定期

  的に検査をすることが望ましい。

9)血栓症(頻度不明):血栓症があらわれることがある

  ので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には

 投与を中1ヒするなど適切な処置を行うこと。

10)喘息発作の増悪(頻度不明):気管支喘息患者の喘息

  発作を増悪させることがあるので十分注意すること。

(2)その他の副作用

  次の症状があらわれることがあるので,観察を十分に

 行い,このような症状があらわれた場合には適切な処

 置を行うこと。

種類\頻度 頻度不明

投与部位

関節の不安定化(関節腔内注射時)注1,疹痛・腫

脹・圧痛の増悪(関節腔内注射時),局所組織の

萎縮による陥没(筋肉内注射時)

内分泌系 月経異常,クッシング症候群様症状等

消化器下痢,悪心・嘔吐,胃痛,胸やけ,腹部膨満感,

口渇。食欲不振,食欲克進等

精神神経系 多幸症,不眠,頭痛,めまい等

筋・骨格 筋肉痛,関節痛等

脂質・蛋白質代謝 満月様顔貌,野牛肩,窒素負’ド衡,脂肪肝等

体液・電解質 浮腫,血圧上昇,低カリウム性アルカローシス等

眼中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害,眼球

突出等

血液 白血球増多等

皮膚ざ瘡,多毛,脱毛,色素沈着,皮下溢血,紫斑,

線条,そう痒,発汗異常,顔面紅斑,脂肪織炎等

その他

発熱,疲労感,ステロイド腎症,体重増加,精子

数及びその運動性の増減,創傷治癒障害,皮膚・

結合組織の菲薄化・脆弱化,しゃっくり

注1:症状があらわれた場合には投与を中止すること。これらの症状

  は投与直後に患部を強く動かすと起こりやすいとされているの  で,投与後は患者をしばらく安静にさせること。

5. 高齢者への投与

  高齢者に長期投与した場合,感染症の誘発,糖尿病,

  骨粗籟症,高血圧症,後嚢白内障,緑内障等の副作用

  があらわれやすいので,慎重に投与すること。

6. 妊婦,産婦,授乳婦等への投与

(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上

  の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ

リンデロン注0.4%(5)

投与すること。[新生児に副腎不全を起こすことがあ

る。また 血圧上昇 心筋壁の肥厚を起こすとの報告

  がある。動物試験(マウス,ラット)で催奇形作用が

  報告されている2)。]

(2)授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせるこ

  と。[母乳中へ移行することがある。]

7.小児等への投与(1〉低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児の発育抑

  制があらわれることがあるので,観察を十分に行うこ

  と。

(2)長期投与した場合,頭蓋内圧克進症状があらわれるこ

  とがある。

(3)低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児では,特

  に投与部位の組織の萎縮(陥没)を起こしやすいので,

  筋肉内注射はなるべく避けること。

8. 適用上の注意

(1)アンプルカット時:アンプルカット時に異物の混入を

  避けるため,アンプルの首部の周りをエタノール綿等

  で清拭しカットすること。

(2)静脈内注射時:静脈内注射により,血管痛,静脈炎を

  起こすことがあるので,これを予防するため,注射部

  位,注射方法等について十分注意し,その注射速度は

  できるだけ遅くすること。

(3)筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては,下記の点に

  注意すること。

1)筋肉内注射はやむを得ない場合にのみ,必要最小限に

  行うこと。

  同一部位への反復注射は行わないこと。

  特に低出生体重児,新生児,乳児,幼児,小児には注

  意すること。

2)神経走行部位を避けること。

3)注射針を刺入したとき,激痛を訴えたり,血液の逆流

  をみた場合は,直ちに針を抜き,部位をかえて注射す

  ること。

4)注射部位に疹痛,硬結をみることがある。

9.その他の注意

(1)副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチン(種痘

  等)を接種して神経障害,抗体反応の欠如が起きたと

  の報告がある。

(2)プレドニゾロン経口製剤の投与中に,腸管嚢胞様気腫

  症,縦隔気腫が発現したとの報告がある。

【薬物動態】

1.血中濃度

(1)健康成人にベタメタゾンとして8㎎に相当するベタ

  メタゾンリン酸エステルナトリウム注を単回静脈内

  注射したとき,血中ベタメタゾン濃度は,投与1時

  問後95.5±12.5㎎/mLで,その後極めて徐々に減少

  した3)。(測定法:RIA)

一87一

リンデロン注0.4%(6)

化学構造式1(㎎/mL)

100

中濃50度

012345678   16   24(hr)     時閥   図1 静注時の血中濃度

(2)健康成人8例にベタメタゾンとして8㎎に相当するベタメ

 タゾンリン酸エステルナトリウム注10.6㎎を単回静脈内注

 射したとき,ベタメタゾンのT1/2は335±51min,AUCo一・。

 は46.3±8.6μg・min/mLであった4》。(測定法:HPLC)(mean

 ±S.D.)(外国人によるデータ)

2.分布

  脳腫瘍患者5例にベタメタゾンとして8㎎に相当するベタ

  メタゾンリン酸エステルナトリウム注を単回静脈内注射した

  とき,脳脊髄液中のベタメタゾン濃度は,投与1時間後では

  血中濃度の1/10~1/20,6時間後では1/2~1/3であっ  た5)。(測定法:RIA)

3.代謝

  ベタメタゾンの一部はC-6位が代謝され6β一水酸化体にな

  る。その主な代謝酵素はチトクロームP-4503A4である6)・7)。

4.排泄

  健康成人8例にベタメタゾンとして8mgに相当するベタメ

  タゾンリン酸エステルナトリウム注10.6㎎を単回静脈内投

  与したとき,投与開始から24時間までの尿中にベタメタゾ

  ンとして投与量の4.8±L4%が排泄された4〉。(測定法:

  HPLC)(mean±S.D.)(外国人によるデータ)

5.その他  血漿蛋白結合率:64±6.0%4)(測定法:HPLC)(mean±S.D.,

  10例)(外国人によるデータ)

【臨床成績】

0

HOH

 O

H3C

H3C  H

〃F H

!PO3Na20

一〇H ・・H

CH3

性状:白色~微黄白色の結晶性の粉末又は塊で,においはない。

  水に溶けやすく,メタノールにやや溶けにくく,エタノー

  ル(95)に溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶け

  ない。

  吸湿性である。

融点:約213℃(分解)

【包装】

リンデロン注2㎎(0.4%):

リンデロン注4㎎(0.4%):

リンデロン注20mg(0.4%):

0.5mL10管

1mL10管

5mLlO管

再評価結果における有効性評価対象例は1432例であり,有効率

は80.9%(1159例)であったD。

【薬効薬理】

薬理作用

ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムは合成糖質副腎皮質ホル

モンで,抗炎症作用,抗アレルギー作用,免疫抑制作用のほか,広

範囲にわたる代謝作用を有する。

      【主要文献及び文献請求先】

                    〔文献請求番号〕1)塩野義製薬集計;高岸直人=臨 と研究,43(2),363(1966)

 を含む計102文献〔196600061〕2)

3)

4)

5)楠忠樹ほか6)

7)

長谷川靖彦ほか:応用薬理,8(6),705(1974)〔197400194〕

魚住徹ほか(広島大学医学部脳神経外科):塩野義製薬社内資

料(1977)〔197700689〕

Petersen,M.C.et a l. :Eur。J.C l i n.Pharmaco1.,25(5),643

(1983)〔198302347〕

     :脳神経外科,9(3),247(1981)〔198100300〕

千葉寛:治療,76(9),2214(1994)〔199401231〕

宮崎達男:ステロイドホルモン(清水直容編),pp.50-51,中

外医学社,東京(1988)

塩野義製薬株式会社医薬情報センター

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 FAX(06)6202-1541ht t p://www.sh i onog i.co.j p/med/

     シェリング・プラウ社提携

        製造販売元*

    塩野義製薬株式会社

〒541-0045  大阪市中央区道修町3丁目1番8号

【有効成分に関する理化学的知見】

一般的名称1ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(JAN)

     [日局]

     Be t ame t hasone Sod i um Phospha t e

化学名:Disodium9-fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β一

   me t hy l pregna-1,4-d i ene-3,20-d i one 21-phospha te

分子式:C22H28FNa208P

分子量:516.40

RD」37DA-88一

⑭:登録商標