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── 実 施 例 ── ─ 22 ─ ヒートポンプとその応用 2011.3.No.81 第一三共札幌支店ビルの空調設備 清水建設㈱ 北海道支店 設計部 的 野 孝 一 ■キーワード/事務所・設備計画・省エネルギー 1.はじめに 第一三共札幌支店ビルは,札幌市の中心部,緑豊かな 大通公園に面するオフィスビルである。 立地のポテンシャルを最大限に生かし,大通交差点に 面した企業の顔,大通公園の緑と一体となった快適な執 務空間,省エネに配慮した環境配慮型施設となるように 計画し,2010年4月に完成した。本稿ではその建築・設 備の取り組みについて紹介する。 2.建築概要 建 築 名 称 第一三共札幌支店ビル 所 在 地 北海道札幌市中央区大通西8丁目1番地8 建 築 主 第一三共ビジネスアソシエ㈱ 設計・監理 清水建設㈱一級建築士事務所 用 途 地 域 商業地域 敷 地 面 積 0,811.39㎡ 建 築 面 積 0,683.10㎡ 延 床 面 積 6,041.82㎡ 構造・階数 SC造,地上9階,塔屋1階 主 用 途 事務所 施 工 会 社 建築 清水建設㈱ 北海道支店 電気 ㈱きんでん 空調 三建設備工業㈱ 制御 清水建設㈱ ENG本部 工   期 2009年4月〜2010年4月 写真-1 建物全景 B階段 B階段 B階段 A階段 A階段 A階段 リフレッシュ コーナー 事務室 N ELV ELV パーキング パーキング ELV パーキング PS PS PS DS DS DS EPS 給湯室 給湯室 給湯室 ELV ELV ELV ホール WC WWC M廃棄物 廃棄物 分別室 分別室 廃棄物 分別室 倉庫 会議室 図-1 基準階平面図 パラペット天端 パラペット天端 冠壁天端 冠壁天端 パラペット天端 冠壁天端 室外機置場 屋外 デッキ 食堂 執務室 執務室 執務室 執務室 グループ会社 多目的室 会議室 会議室 会議室 会議室 会議室 会議室 エントランスホール 打ち合わせコーナー メール コーナー 3,100 2,800 3,300 3,300 3,100 150 2,800 2,800 2,800 2,800 2,800 3,000 機械室 20 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ELVパーキング (フォーク式) 40台×2基(80台) 車路 2,800 150 150 150 150 150 150 150 図-2 断面図 写真-2 北側正面

第一三共札幌支店 ビル の空調設備enec-n.energia.co.jp/enec_data/chikunetsu/heatpump/hp81/hp81-04.pdf · ── 実 施 例 ── ─22 ─ ヒートポンプ とその

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── 実 施 例 ──

─ 22 ─ヒートポンプとその応用 2011.3.No.81

第一三共札幌支店ビルの空調設備清水建設㈱ 北海道支店 設計部 的 野 孝 一

■キーワード/事務所・設備計画・省エネルギー

1.はじめに第一三共札幌支店ビルは,札幌市の中心部,緑豊かな

大通公園に面するオフィスビルである。立地のポテンシャルを最大限に生かし,大通交差点に

面した企業の顔,大通公園の緑と一体となった快適な執務空間,省エネに配慮した環境配慮型施設となるように計画し,2010年4月に完成した。本稿ではその建築・設備の取り組みについて紹介する。

2.建築概要建 築 名 称 第一三共札幌支店ビル所 在 地 北海道札幌市中央区大通西8丁目1番地8建 築 主 第一三共ビジネスアソシエ㈱設計・監理 清水建設㈱一級建築士事務所用 途 地 域 商業地域敷 地 面 積 0,811.39㎡建 築 面 積 0,683.10㎡延 床 面 積 6,041.82㎡構造・階数 SC造,地上9階,塔屋1階主 用 途 事務所施 工 会 社 建築 清水建設㈱ 北海道支店

電気 ㈱きんでん空調 三建設備工業㈱制御 清水建設㈱ ENG本部

工   期 2009年4月〜2010年4月

写真-1 建物全景

B階段B階段B階段

A階段A階段A階段 リフレッシュコーナー

事務室

N

ELVELVパーキングパーキングELV

パーキング

PS

PS

PS

DS DS DS

EPS

給湯室給湯室給湯室

ELV ELVELVホール

WC(W) WC(M) 廃棄物廃棄物分別室分別室廃棄物分別室

倉庫

会議室

図-1 基準階平面図

パラペット天端パラペット天端冠壁天端冠壁天端パラペット天端冠壁天端

室外機置場

屋外デッキ 食堂

執務室

執務室

執務室

執務室

グループ会社

多目的室

会議室

会議室 会議室

会議室 会議室

会議室

エントランスホール

打ち合わせコーナー

メールコーナー3,

100

2,800

3,300

3,300

3,100

150

2,800

2,800

2,800

2,800

2,800

3,000

機械室

20

19

18

17

16

15

14

13

12

11

10

9

8

7

6

5

4

3

2

1

ELVパーキング(フォーク式)

40台×2基(80台)

車路

2,800

150

150

150

150

150

150

150

境界線

境界線

境界線

境界線

境界線

境界線

図-2 断面図

写真-2 北側正面

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─ 23 ─ヒートポンプとその応用 2011.3.No.81

── 実 施 例 ──

3.建築計画大通公園に面するこの敷地に,緑豊かな大通公園を常

に取り込み,人が集い,人と環境が共生するガーデンオフィスとなるように計画した。1階には交差点・公開スペースに面して2層吹き抜け

のショーウインドーにも利用できる開放的なエントランスホール・ラウンジ,2階には大通公園に面した北側に打ち合わせコーナー,応接室を配置した。3階大会議室,4〜8階事務室はワイドビューと自然光を最大限に生かせるように北側をフルハイトの高断熱Low-eガラスと断熱カーテンウォールとした。9階にはコミュニティホールを設け,ガーデンステージとしてセミナー・パーティーなどの社会・地域貢献にも活用できるようにした。照明はオフィスを含め色温度を低く設定し,温かな企

業イメージを都市に表出している。構造は細柱(4.2mスパン・350φ鋼管柱)により眺望・

採光を生かす構造とした。地震力を剛性の高いSC造(柱SRC+梁S)とCSダンパブレースをハイブリッドさせたコアに負担させ,開放的なフレームとオフィスの有効面積を確保した(写真-1・2,図-1・2)。

4.設備概要設備概要については表-1参照。

5.設備計画の基本方針本建物の設備計画の基本方針として,北海道という地

域性,立地条件を生かした省エネルギーと執務空間の環境に配慮した設備計画とした(図-3)。⑴ 北海道の冷涼な外気を最大限に利用する自然換気・外気冷房や用途に合ったさまざまな省エネルギー手法を採用し,省エネルギーをはかる。

⑵ 寒冷地の室内環境を改善させるために,外周足元にヒータ付エアバリアファンを設置し,コールドドラフト対策を行う。

⑶ 明るさセンサ・人感センサによる照明制御,LED照明を採用し,省エネルギーをはかる。

5-1 設備計画上の特徴⑴ 自然換気システム

北海道の中間期・夏期の冷涼な外気を最大限に利用するように,自然換気システムを採用した。4〜8階の事務所のカーテンウォール無目にスリッ

ト状の給気口を設け,そこから外気を取り入れて自然換気を行うようにした。取り入れられた外気は室内を通過後,ドアのスリットから階段室に入り,階段室の上昇気流により上部の開口より外部に排出される。給気口は,1階の管理室にある集中制御盤または各室に設置された自然換気個別スイッチにて開閉される。階段室上部の開口も連動して開閉される(写真-3〜6,図-4)。

⑵ ビルマルチ空調省エネ制御(i.ems)当社開発のビルマルチエアコン用の空調省エネ制御

熱   源   設   備 空気熱源ヒートポンプチラー 40HP×1台

外気処理空調機1階ラウンジ・2~3階ELVホール:氷蓄熱ヒートポンプエアコン(ビルマルチ)4~9階ELVホール:空気熱源ヒートポンプエアコン(冷暖切換型)2~9階応接室・大会議室・事務室・コミュニティホール:空気熱源ヒートポンプエアコン(冷                           暖フリー型)エアバリアファン(ヒータ付),床暖房(1階ラウンジ),凍結防止用パネルヒータ

換   気   設   備

排   煙   設   備

自 動 制 御 設 備

給   水   設   備

給   湯   設   備

第1種換気方式,第3種換気方式

機械排煙 42,000㎥/h(天井チャンバ方式)

熱源制御,外気処理空調機制御,VAV・CAV制御,ほか

直結増圧給水方式

局所式:電気貯湯式温水器

建屋内:汚水・雑排水合流式,雨水排水分流式建屋外:汚水・雑排水合流式・雨水排水合流式

大便器:タンクレス節水型暖房洗浄便座一体型

小便器:壁掛自動洗浄型(低リップ型)

洗面器:自動混合水栓

屋内消火栓設備(全館),スプリンクラー設備(8,9階),連結送水管設備(3~9階)二酸化炭素消火設備(立体駐車場),消火器(全館)

衛 生 器 具 設 備

消   火   設   備

空   調   設   備

排   水   設   備

空調設備

衛生設備

表-1 設備概要

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── 実 施 例 ──

─ 24 ─ヒートポンプとその応用 2011.3.No.81

システムを採用した。ビルマルチの室外機ごとの消費電力の値からビル

マルチの運転状況を判定し,低負荷運転あるいはON/OFF運転時に空調運転を送風運転に切り替えて,室外機の負荷率を高めて省エネをはかる。ただし,許容温度を超えた場合には送風を空調運転に戻す(図-5)。

5〜9階の事務室,コミュニティホールのビルマルチ室内機はフロアごとで2系統に分けて1フロアで2台の室外機に接続した。これにより,ビルマルチ空調省エネ制御が働き,一方の室外機系統が自動で送風モードになった場合でも,他方の室外機系統が空調運転しているので,室内環境は保たれる。図-6に夏期の実測結果を示す。夏期に外気温度が

Low-eペアガラス

自然換気システム

エアバリアファン(ヒータ付)

冷暖フリーPAC

ビルマルチ省エネ制御

明るさセンサ照明制御

外気冷房

氷蓄熱PAC

デュアルフロー空調

LED照明

CO2制御

躯体蓄熱

節水器具

人感センサ照明制御

太陽光発電(屋上)

ELVELVパーキングパーキング

A階段A階段

階段階段ELVパーキング

リフレッシュリフレッシュコーナーコーナーリフレッシュコーナー

WC(M)WC(W)

事務室

会議室

ELVホールELV

A階段

階段 ELV

廃棄物分別室

倉庫

EPS

給湯室

PS

PS

DS DS DS

図-3 採用した項目

北国ならではの長い中間期3月~10月を利用した自然換気による外気冷房・中間期にはカーテンウォール無目に設けた給気口より新鮮な外気を導入し,コミュニケーションボイド(階段)から上昇気流を利用して排気することで,エネルギーを使用しながら外気冷房を行う

▶外気導入口

外気

図-4 風の流れ

間歇制御

送風運転冷房運転

室温

電力比率

セットバック温度を越えた

補助

ON/OFFLOW or

を越えた

個別空調運転状態

状態入力

空調立ち上げ時間帯

室内温度判定

状態判定

セットバック時間

図-5 冷房時の省エネ制御アルゴリズム概要

写真-3 外気給気口 写真-4 外気給気口

写真-6 自然換気システムの風の流れ

写真-5 風の流れ

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─ 25 ─ヒートポンプとその応用 2011.3.No.81

── 実 施 例 ──

30℃を超えた日中に室内温度を25℃程度に保った状態で,2台の室外機のうちの1台は電力比率が低いと判断した時には停止し,1台のみ運転していることが分かる(図-6)。

⑶ デュアルフロー空調システム天井吹き出し空調と床吹き出し空調を組み合わせた

デュアルフロー空調システムを採用した。4〜8階の事務室のメインの空調は天井内に設置さ

れた隠ぺい型エアコンからの天井吹き出しによるが,外気処理された空気をOAフロア内に通し,OAフロア内を給気チャンバとして利用し,床面に設置された吹出口から室内に供給する。

また,足元にはパーソナル吹出口を設置しており,わずかではあるが夏期にパーソナル冷房として使用できる。冬期には北国特有の底冷え防止の効果もあると考えた。ダンパを切り替えることにより,躯体蓄熱も可能とした(図-7,写真-7・8)。

⑷ 外気冷房システム屋上機械室に設置された外気処理空調機に外気冷房

制御を組み込んだ。通常時は法的必要換気量に見合った外気を供給しているが,外気冷房時はインバータにより外気量を25%増やして供給する。外気冷房制御は外気温度が16〜20℃の範囲で外気湿度が70%以下の条件で,外気のエンタルピが室内還気エンタルピを下回った場合に起動する。

⑸ CO2換気量制御在室人員に応じて導入外気量を低減するように室内

のCO2濃度による換気量制御を採用した。4〜8階の事務所のレタンダクト内に設置された

CO2濃度センサにより,階ごとに換気量を制御する。本建物は営業部門の方が多いため,フロアによっては在室人員が非常に少ないことが考えられ,換気量を絞ることによる外気負荷低減の効果は大きいと考えた。

⑹ 全熱交換器外気負荷低減のために全熱交換器内蔵型の外気処理

空調機を採用した。北海道では冬期の外気温度が非常に低いために外気

加熱負荷が暖房負荷に占める割合が大きく,全熱交換器による排熱回収の効果は大きい。ロータは外気冷房制御時には,間欠運転とした。

⑺ 冷暖房フリーヒートポンプパッケージエアコン空気熱源ヒートポンプパッケージエアコンは冷暖フ

リー型エアコンを採用した。冷房暖房要求が同時にある場合には排熱回収による

省エネがはかれる。また,将来,事務室内に間仕切り壁を設け小部屋を設置した場合にも,冷暖フリー型エアコンを採用することにより,小部屋ごとに冷暖房が自由に選択できる空調が可能になる(写真-9)。

ー20

ー10

0

10

20

30

40

0

20

40

60

80

100

120

時 刻

8F空調機電力比率_分(日)8F_G251_空調機電力比率(分)% 8F_G279_空調機電力比率(分)% 8F_G225_室内温度(分)℃ 8F_G226_室内温度(分)℃8F_G227_室内温度(分)℃ 8F_G228_室内温度(分)℃ 8F_G229_室内温度(分)℃ 8F_G230_室内温度(分)℃8F_G231_室内温度(分)℃ 8F_G232_室内温度(分)℃ 外気温(分)℃

2010年6月28日

電力比率

温 

0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 18:00 20:00 22:00 0:00

(%) (℃)

図-6 冷房時の省エネ制御実測結果

空冷

外調機

冷媒管 冷媒管

排気ダクト

PAC PAC PAC

室内空調 共用部

FD

FDOA

EA

FD

FD

EA

OA

天井

ブラインド

自然換気時

常時開,躯体蓄熱時閉

常時閉,躯体蓄熱時開通常空調運転時夜間躯体蓄熱時自然換気時

図-7 デュアルフロー空調フロー図

写真-7 床吹出口 写真-8 600□グリッドシステム天井 写真-9 冷暖房フリーヒートポンプエアコン室外機

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── 実 施 例 ──

─ 26 ─ヒートポンプとその応用 2011.3.No.81

⑻ エアバリアファンペリメータの足元にコールドドラフト対策として

ヒータ付エアバリアファンを採用した。正面が全面ガラスカーテンウォールの建物のため,

北海道ではガラス面からのコールドドラフト対策が必要になる。3〜9階の大会議室,事務室,コミュニティホールからの眺望を損なわないように,コンパクトなヒータ付エアバリアファンを設置した。エアバリアファンは各室に設置された個別スイッチにて発停されるが,消し忘れ防止として入退室管理の退室信号にて停止するようにした(図-8,写真-10)。

⑼ 換気発停制御3〜9階の大会議室,事務室,コミュニティホール

の換気は中央監視によるスケジュール発停としているが,換気設備の省エネをはかるために,小部屋の換気ファンは人感センサや照明連動による発停とした。

会議室・応接室などの小部屋の換気は換気用CAVを照明との連動による発停とし,停止遅延時間を30分とした。WC・給湯室の換気ファンは人感センサによる発停とし,停止遅延時間は同じく30分とした。

⑽ 氷(温水)蓄熱ヒートポンプエアコンエアコンによる電気料金を抑えるために,氷(温水)

蓄熱ヒートポンプエアコンを採用した。冷房期間の氷蓄熱だけではなく,暖房期間には温水

蓄熱を行い,寒冷地の寒い朝の暖房立ち上がりの効果も期待できる。従量料金が安い電気料金契約を採用し,氷(温水)蓄熱ヒートポンプエアコンは深夜電力時間帯に使用することがない1階ラウンジ用とした。

⑾ Low-eペアガラス空調負荷低減のためにLow-eペアガラスを採用し

た。北面が全面ガラスカーテンウォールの建物のため,

北海道では暖房負荷が大きくなるが,Low-eペアガラスを採用して暖房負荷を抑えるようにした(図-9)。

⑿ 照明設備照明制御は明るさセンサ制御,人感センサ制御を採

用し,また,コミュニティホール,エントランス,廊下,外部ライトアップなどにはLED照明を採用して省エネをはかる(写真-11)。

6.おわりに当ビルには,北海道という地域性を生かした省エネル

ギー手法をはじめさまざまな技術を織り込むように計画している。今後,計画時の省エネルギー効果を検証するため,データの収集・分析を行う予定である。最後に,当ビルの計画・設計・施工にあたり多大な協

力をいただいた第一三共㈱様,第一三共ビジネスアソシエ㈱様をはじめ,建設に携わった関係各位の皆さまに,誌面をお借りしてお礼申しあげます。

冬季冷風利用による省エネルギーファサード

・冬期は足元のエアバリアファン・ヒータが室内空気を表面に沿って押し出し,窓面で冷やされた空気を,インテリア冷房として有効に循環使用する。

ファン

図-8 エアバリアファンの風の流れ

写真-10 エアバリアファン

透明ペアガラス

高断熱Low-eペアガラス

外気導入口

OAフロアH150

電動自動ダンパ

エアバリアファン電気ヒータ(極寒期間)

ブラインドグリッドシステム天井

鉄骨丸柱上耐火塗料OAフロアH150

2,800

図-9 省エネルギーファサード

写真-11 コミュニティホール,外部ライトアップLED照明