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拡散方程式
拡散方程式
拡散方程式の解は、上に凸(∂2f /∂x2 < 0)のところで減少(∂f /∂t < 0)し、下に凸(∂2f /∂x2 > 0)のところで増加(∂f /∂t >
0)するので、分布を平滑化させる解となる
2
2
x
fa
t
f
a(≥ 0)は拡散係数で定数とする
拡散方程式の差分近似
拡散方程式
を中心差分で差分近似すると、
整理すると、
2
2
x
fa
t
f
211
1 2
x
fffa
t
ff n
j
n
j
n
j
n
j
n
j
n
j
n
j
n
j
n
j fx
taf
x
taf
x
taf 12212
1 21
n
n+1
j–1 j+1 j
x
t
拡散方程式の差分解
t = 0
a = 0.3 Δt = 1 s
Δx = 1 m
拡散方程式の差分解
a = 0.3 Δt = 1 s
Δx = 1 m
拡散方程式の差分解
拡散方程式の差分解についても、計算条件によっては数値計算の結果が安定せず、計算が破綻してしまう
a = 0.3
a = 0.5
a = 0.7
安定性解析
差分近似などによる離散化によって、大気要素の時々刻々の状態を求めることができる
しかし、これまで見てきたように、時間発展の過程で数値的な不安定が発生し、計算が破綻してしまうことがある
計算条件が数値的な不安定を起こしやすいかどうかのチェック
フーリエ級数
周期 2l をもつ関数 f (x) は、三角関数の和として表現できる
オイラーの公式 を用いると
波数 k = nπ/l を用いて
1 1
0 sincos2
)(n n
nnl
xnb
l
xna
axf
xixeix sincos
n
nl
xincxf
exp)(
k
k ikxcxf )exp()(
フーリエ級数の直交性
1 1
0 sincos2
)(n n
nnl
xnb
l
xna
axf
0000
0
sincos2
coscos)(
0
1 1
0
m
m
l
ln n
nn
l
l
bnm
nma
m
ma
dxl
xnb
l
xna
a
l
xmdx
l
xmxf
nm
nmba
dxl
xnb
l
xna
a
l
xmdx
l
xmxf
m
m
l
ln n
nn
l
l
00
sincos2
sinsin)(1 1
0
ノイマン法
変数 f (x, t) を、空間方向についてフーリエ変換すると
ノイマン(von Neumann)の安定条件: 時間発展とともにあらゆる波数 k の振幅
Ak(t) が増幅しないこと
k
k ikxtAtxf )exp()(),(
ノイマン法
差分点(xj = jΔx, tn = nΔt)における f の値
fjn を
とおき、A = An+1 / An の大きさを求めて以下のように判別する
全ての k について安定なら、無条件安定
)exp( xjkiAf nn
j
不安定1
安定 1
A
i; 虚数
k; 波数
拡散方程式の安定性
拡散方程式の差分形式
についてフーリエ変換を適用し、安定性を調べる。波数 k の振幅の式は
211
1 2
x
fffa
t
ff n
j
n
j
n
j
n
j
n
j
n
nn
Ax
xka
t
AA2
1 1)cos(2
2sin
41 2
2
1 xk
x
ta
A
AA
n
n
2
cos1
2sin2
2
2
x
fa
t
f
拡散方程式の安定性
安定条件は |A| ≤ 1 であるから
結局、あらゆる波数 k に
ついて安定となる条件は
1
2sin
411 2
2
xk
x
ta
a
xt
2
2
a = 0.3
a = 0.5
a = 0.7
Δt = 1
(Δx)2/2a = 1.67
Δt = 1
(Δx)2/2a = 1.00
Δt = 1
(Δx)2/2a = 0.71
移流方程式の安定性
陽解法、中心差分での移流方程式の差分形式
についての波数 k の振幅の式は
x
ffc
t
ff n
j
n
j
n
j
n
j
2
11
1
nnn
Ax
xkic
t
AA
)sin(1
x
fc
t
f
)sin(11
xkx
tci
A
AA
n
n
移流方程式の安定性
振幅の大きさ |A| は
となり、従って、陽解法、中心差分による移流方程式の差分解法は、無条件不安定である
1)(sin1 2
2
xk
x
tcA
c = 0.3 m/s
Δt = 1 s
Δx = 1 m
移流方程式の安定性
陽解法、風上差分での移流方程式の差分形式
についての波数 k の振幅の式は
x
ffc
t
ff n
j
n
j
n
j
n
j
1
1
nnn
Ax
xkixkc
t
AA
)sin()cos(11
x
fc
t
f
)sin()cos(111
xkx
tcixk
x
tc
A
AA
n
n
移流方程式の安定性
振幅の大きさ |A| は
従って、陽解法、風上差分による移流方程式の差分解法は、条件に従って安定性が変わる
クーラン数: C = cΔt / Δx
情報伝達距離と格子幅の比。一般に、C ≤ 1 は計算安定性の必要条件(CFL条件)
c = 0.3 m/s
c = 0.95 m/s
c = 1.00 m/s
c = 1.05 m/s
Δt = 1 s
Δx = 1 m
)(sin)cos(11 2
22
xkx
tcxk
x
tcA
CFL条件
クーラン(Courant)数: C = cΔt / Δx
→ 情報伝達距離(cΔt)と格子幅(Δx)の比。
一般に、C ≤ 1 は計算安定性の必要条件。これは Δx / Δt ≥ c であり、「情報が伝播する
速さ」が「実際の現象の進む速さ」以上でなければならないことを示す。この条件をCFL
(Courant-Friedrichs-Lewy)条件という
● 1次元波動の記述の仕方
これまでは時間変動だけの振動であった
1次元進行波 -時間 t と距離 x- の記述の
仕方を眺める
r
iir
A
AAAAwheretxkA tan,)(cos 222
At=t1
t=t2 ( >t1)
2π/k
0k
x
○二つの単色波の重ね合わせ
)cos()(sin2
2
1
2
1sin
2
1
2
1sin
00
00
00
txktxk
txkk
txkk
搬送波 (carrier waves)
包絡線 → 振幅を表し エネルギーに関係する (envelopes)
x
0
0 kk
8
k
k
0
0
xck
k
0
0 kk ○二つの速度が定義される:
○ 複数の波動の重ね合わせ:ω=f(k): 分散関係
:位相速度
:群速度
0,00
0
kk
t=t1
t=t2
kに依存しない・・・・・非分散
kに依存する・・・・・・・分散性がある
:kd
dcgx
群速度(エネルギーの速度) :位相速度
仮定 9
移流項
空間 x
時間 t
波数 k
振動数 ω
xk
x
Fc
t
F
tieF
0
波数
k
振動数 ω
x8
1
x2
1
x6
1
x4
1
物理的には、位相速度はc、
および群速度もcと、波数k
によらず一定値である。
格子では、小さな波数(大きな
水平スケール)は位相速度も
群速度も物理的なものと一致
するが、大きい波数(小さい
水平スケール)は、特に2格子
スケールでは位相速度は0で
群速度は逆に向いてしまう。
波数
k
振動数 ω
x8
1
x2
1
x6
1
x4
1
物理的にもっともらしい計算を
狙うならば、格子スケールの
数倍以上で現象を解像できる
ようにする。
↓
格子モデルでは格子サイズの
じょう乱が出てくるが、それらの
増幅を常にフィルターする努力
が必要である。
a
xt
2
2
まとめ
・ 移流の差分スキーム:
*中央差分は分散性、風上差分は拡散性をもつ *条件に従って安定性は変わる *クーラン数:C = cΔ t / Δ x 情報伝達距離と格子幅の比。一般に、C ≤ 1 は 計算安定性の必要条件(CFL条件) ・拡散の差分スキーム: *aを拡散係数とすると、安定条件は ・ ほかにもモデルの持つ波動を考慮する必要がある