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連載 第12回 実践 ノンテクニカルスキルの 院内教育 研修に使える資料をWebに掲載中! 今回のお役立ちアイテムは,「ファシリテーション『さばき』の 技術」のビジュアルスライドブックです。特に院内教育など組織 学習でも利用し,即実践していってください。 スライド 「ファシリテーション『さばき』の技術」 のビジュアルスライドブック (PDF) ※ダウンロードの手順はP.2参照 http://www.nissoken.com/ps/ ダウンロードしてご利用ください。 前回(本誌Vol.2,No.6)は,ファシリテーターをツアーガイドに見立 て,GPS(G:ゴール,P:プロセス,S:スタート)という道具を使っ て参加者を導いていく「仕込みの技術」を学びました。「準備8割」とい う言葉があるように,議論の質は事前の仕込みで大きく変わります。また, 事前に仕込んでおくことは,ファシリテーター自身にとっても心の余裕に つながります。したがって,ぶっつけ本番で議論に臨まずに済むように, 丁寧に事前の仕込みをしていってください。 今回は,事前の仕込みを前提に,実際に当日の議論をどうファシリテー トしていくのか,その「さばきの技術」を学びます(図1)。 さばきの4つの技術 さばきの技術の全体像を押さえておきます(図2)。まずは,そもそも 議論をするために発言の絶対量が必要ですので,「参加者の発言を引き出 して」いきます。一方,単に発言を引き出すだけでは,それが議論のテー マにどう結びつくのかが分からないため,「発言を理解し参加者と共有し て」いきます。加えて,多様な議論が進んでいく中で,「議論を方向づけ」 ていきます。最後に,議論された内容を基に意思決定するために,「結論 づけ」ていきます。それでは,それぞれを詳しく見ていきましょう。 参加者の発言を引き出す 参加者はなぜ発言しないのか? 皆さんがある会議で議論をファシリテートしていると想像してみてくだ さい。そこでは,参加者は皆,下を向いて黙っています。皆さんは,全く 議論が進まない状況に,次第に冷や汗が出てくると思います。では,なぜ 参加者は発言しないのでしょうか? 参加者が発言しない理由は1つとは限りません(図3)。まず考えられ るのは,そもそも「発言への意欲や興味がない」場合。あるいは,発言へ の意欲や興味はあるけれど,議論の内容に関する「情報や理解が不足して いる」場合。もしくは,発言への意欲や興味があり,議論の内容に関する 情報や理解も充足しているけれど,「発言を躊躇する理由がある」場合も あるかもしれません。ここで肝心なのは,「どのような理由かによって, 取り得る対応が変わってくる」ということです。 さばきの4つの技術 メディカルアートディレクター 佐藤和弘 医療教育団体 MEDIPRO! 創業者/代表 一般社団法人 LINK 共同創設者/元理事 Kazuhiro_SATO 臨床工学技士として複数の医療機 関で約10年間,透析医療に従事。 患者さんとかかわる中でテクニカ ルスキル以外にも医療に必要なス キルがあることを実感し,グロービ ス経営大学院に進学,MBAを取 得。そこで出会った経営学やケース メソッドなどのノンテクニカルスキ ル教育に感銘を受け,当時従事し ていた医療機関で事故対策委員長 としてノンテクニカルスキル教育を 導入し,医療安全の質の向上に貢 献。その実感から,非営利医療教 育団体MEDIPRO!を創業,代表に 就任し,ノンテクニカルスキルの普 及に努める。これまで,院内研修や スクールなどを通じて約3,000人の 医療者にノンテクニカルスキル教 育を提供。 病院安全教育 Vol.3 No.1 121

ノンテクニカルスキルの データ (PDF) 院内教育 …ノンテクニカルスキルの 院内教育 研修に使える資料をWebに掲載中! 今回のお役立ちアイテムは,「ファシリテーション『さばき』の

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連載 第12回

実践!ノンテクニカルスキルの

院内教育

研修に使える資料をWebに掲載中!

今回のお役立ちアイテムは,「ファシリテーション『さばき』の技術」のビジュアルスライドブックです。特に院内教育など組織

学習でも利用し,即実践していってください。

スライドデータ

「ファシリテーション『さばき』の技術」のビジュアルスライドブック(PDF)

※ダウンロードの手順はP.2参照

http://www.nissoken.com/ps/ダウンロードしてご利用ください。

 前回(本誌Vol.2,No.6)は,ファシリテーターをツアーガイドに見立

て,GPS(G:ゴール,P:プロセス,S:スタート)という道具を使っ

て参加者を導いていく「仕込みの技術」を学びました。「準備8割」とい

う言葉があるように,議論の質は事前の仕込みで大きく変わります。また,

事前に仕込んでおくことは,ファシリテーター自身にとっても心の余裕に

つながります。したがって,ぶっつけ本番で議論に臨まずに済むように,

丁寧に事前の仕込みをしていってください。

 今回は,事前の仕込みを前提に,実際に当日の議論をどうファシリテー

トしていくのか,その「さばきの技術」を学びます(図1)。

さばきの4つの技術 さばきの技術の全体像を押さえておきます(図2)。まずは,そもそも

議論をするために発言の絶対量が必要ですので,「参加者の発言を引き出

して」いきます。一方,単に発言を引き出すだけでは,それが議論のテー

マにどう結びつくのかが分からないため,「発言を理解し参加者と共有し

て」いきます。加えて,多様な議論が進んでいく中で,「議論を方向づけ」

ていきます。最後に,議論された内容を基に意思決定するために,「結論

づけ」ていきます。それでは,それぞれを詳しく見ていきましょう。

●参加者の発言を引き出す参加者はなぜ発言しないのか? 皆さんがある会議で議論をファシリテートしていると想像してみてくだ

さい。そこでは,参加者は皆,下を向いて黙っています。皆さんは,全く

議論が進まない状況に,次第に冷や汗が出てくると思います。では,なぜ

参加者は発言しないのでしょうか?

 参加者が発言しない理由は1つとは限りません(図3)。まず考えられ

るのは,そもそも「発言への意欲や興味がない」場合。あるいは,発言へ

の意欲や興味はあるけれど,議論の内容に関する「情報や理解が不足して

いる」場合。もしくは,発言への意欲や興味があり,議論の内容に関する

情報や理解も充足しているけれど,「発言を躊躇する理由がある」場合も

あるかもしれません。ここで肝心なのは,「どのような理由かによって,

取り得る対応が変わってくる」ということです。

さばきの4つの技術

メディカルアートディレクター

佐藤和弘医療教育団体MEDIPRO! 創業者/代表

一般社団法人LINK 共同創設者/元理事Kazuhiro_SATO̶̶̶̶̶̶臨床工学技士として複数の医療機関で約10年間,透析医療に従事。患者さんとかかわる中でテクニカルスキル以外にも医療に必要なスキルがあることを実感し,グロービス経営大学院に進学,MBAを取得。そこで出会った経営学やケースメソッドなどのノンテクニカルスキル教育に感銘を受け,当時従事していた医療機関で事故対策委員長としてノンテクニカルスキル教育を導入し,医療安全の質の向上に貢献。その実感から,非営利医療教育団体MEDIPRO!を創業,代表に就任し,ノンテクニカルスキルの普及に努める。これまで,院内研修やスクールなどを通じて約3,000人の医療者にノンテクニカルスキル教育を提供。

議論を効率化させる

実践ファシリテーション

「さばき編」

病院安全教育 Vol.3 No.1 121

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 いずれにしても,参加者は勝手には発言し

てくれませんので,ファシリテーターが参加

者に働きかけていく必要があります。では,

どうやって発言を引き出せばよいのでしょう

か。実は,とてもシンプルな方法があります。

それは,「質問する(問いかける)」ことです。

質問には2種類しかない その質問には,たった2種類しかありませ

ん。答えが複数考えられる「オープンクエス

チョン(開かれた質問)」と,答えが限定さ

れる(2択や3択など)「クローズドクエス

チョン(閉じた質問)」です(図4)。例えば,

「あなたはどんな仕事をしていますか?」と

いう質問が前者,「あなたは医療者ですか?」

という質問が後者になります。したがって,

この2つの質問を使い分け,参加者の発言を

引き出していきます。クローズドクエスチョ

ンは次項の「発言を理解し共有する」のとこ

ろで取り上げますので,まずはオープンクエ

スチョンについて考えていきましょう。

オープンクエスチョンは 「時間軸の仮説」で考える 次のケースを想定してみてください。

 あなたは業務改善に関する会議のファ

シリテーターです。業務フローの1つに

「物品の準備」があり,それに時間がか

かっていることによって業務効率が落ち

ています。

 今の議論のフェーズは「どうすれば物

品の準備を簡略化し時間を削減できる

か」で,あなたのここでの役割は,その

アイデアを参加者に発言してもらうこと

です。

 一度「何かよいアイデアはありません

か?」と参加者の一人に意見を求めまし

たが,無言のまま下を向いています。

 皆さんはこの後,このスタッフにどのよう

に質問をしますか? ここで,先ほどの「参

クローズドクエスチョン

図4 2つの種類の質問

質問(問いかける)

オープンクエスチョン

さばき力

図1 ファシリテーションの仕込みとさばき

会議中会議前

ファシリテーション力

仕込み力

図2 さばきの技術の全体像

さばきの技術

発言を引き出す

発言を理解し共有する

議論を方向づける

結論づける

図3 参加者が発言しない理由

参加者が発言しない理由は?

発言への意欲や興味がない

発言への意欲や興味はあるが,情報や理解が不足している

発言への意欲や興味があり,情報や理解も充足しているが,発言を躊躇する理由がある

病院安全教育 Vol.3 No.1122

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加者が発言しない理由」の話を思い出してみ

てください。つまり,どのような質問をすれ

ばよいかをやみくもに考えるのではなく,ま

ずは「発言しない理由は何なのか?」を考え,

それに基づいて適切な質問を考えることが大

切です。これを「仮説思考」と言います。

 仮説思考には3つの時間軸があります。そ

れは,「過去の仮説」「現在の仮説」「未来の

仮説」です。過去の仮説は,これまでの経験

や組織の文化などに発言しない理由があると

考えることです(図5)。現在の仮説は,現

状において情報や知識,思考する技術が足り

ていない,あるいは性格が影響しているなど

を考えることです(図6)。未来の仮説は,

これからやろうとする際に,メリットが少な

い,リスクが高い,あるいは何らかの制限が

あるといった視点を持つことです(図7)。

このような時間軸の仮説思考を用い,適切な

質問を具体的に考えていきます。

●発言を理解し共有する論点思考で理解する 参加者の発言を理解するには,「論点思考」

を活用していきます。論点思考とは,「何に

ついて主張しているのか」を明確にすること

です。例えば,輸液ポンプの設定ミスに関す

るアクシデント会議をしている中で,スタッ

フAさんが「私はきちんと申し送りをしまし

た!」と主張したとします。

 なぜAさんは,突然このような主張をした

のでしょうか? それは,頭の中に別の論点

があったからです。その論点とは,「誰がミ

スしたのか」ということ。おそらく,Aさん

はこのミスの当事者か関係者だったのでしょ

う。自分に白羽の矢が向けられる前に,身の

潔白を主張したかったのかもしれません。し

かし本来は,「どうやって輸液ポンプの設定

ミスを防ぐのか」という論点について議論す

べきであることは言うまでもありません。つ

まり,議論の「論点ズレ」が起こっているの

図5 過去の仮説思考

経験

文化

過去の仮説 現在の仮説 未来の仮説

グロービス,嶋田毅:ビジネス仮説力の磨き方(グロービスの実感するMBAシリーズ),ダイヤモンド社,2008.を改変

過去に発言して失敗したのではないか?「あえて,これまでの前提を無視して考えるとどうなりますか?」

発言をさせにくい空気がつくられているのではないか?「あえて,別の組織の人の立場で発言するとどうなりますか?」

(時間軸)

図6 現在の仮説思考

情報・知識

技術

過去の仮説 現在の仮説 未来の仮説

グロービス,嶋田毅:ビジネス仮説力の磨き方(グロービスの実感するMBAシリーズ),ダイヤモンド社,2008.を改変

何を知っていて何を知らないのか?「この物品は○○が目的で,その準備には○○と○○が必要になりますが…」

物事を論理的にとらえ解釈できるのか?「この物品準備の効率化のポイントは○○にあるのですが…」

性格照れ屋? めんどくさがり? 無関心?「皆さん全員の意見をお聞きしますが…」「全員の業務に影響してくることですが…」

(時間軸)

図7 未来の仮説思考

メリット

リスク

過去の仮説 現在の仮説 未来の仮説

グロービス,嶋田毅:ビジネス仮説力の磨き方(グロービスの実感するMBAシリーズ),ダイヤモンド社,2008.を改変

本人にどんなメリットがあるのか?「この問題が解決できれば○○できることで業務がやりやすくなるのですが…」

本人にどんなリスクがあるのか?「解決策を実施するに当たって起こる問題があればその時に再度検討するとして…」

制限提案後に実行を妨げる要因は?「解決策の実施に当たって難しいポイントはこの後話し合うとして…」

(時間軸)

病院安全教育 Vol.3 No.1 123

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です(図8)。論点ズレをそのままにしてお

くと,このように非生産的な主張が増えた

り,論点が複数あることによって,議論が複

雑になったりしてしまいます。したがって,

論点ズレはなるべく早く解消しなくてはなり

ません。

クローズドクエスチョンは 考えるべき論点に議論を集中させる このような時,論点思考と併せて活用する

と効果的なのが,クローズドクエスチョンで

す。クローズドクエスチョンは,限定した質

問を投げかけることだと言いましたが,その

本質は「考えるべき論点だけに集中させ,考

えるべきでない論点を捨てる」ことにありま

す。具体的には,論点思考とクローズドクエ

スチョンを用い,次のようにファシリテート

していきます。

 「Aさん。今議論すべきなのは,『誰がミス

したのか』についてか,『どうやって輸液ポ

ンプの設定ミスを防ぐのか』についてか,ど

ちらですか? そうですね,後者ですね。皆

さんもいいですか。『誰がミスしたのか』に

ついては考えなくていいので,『どうやって

輸液ポンプの設定ミスを防ぐのか』につい

て,引き続き考えていきましょう」。

●議論を方向づける議論には5つの方向がある ファシリテーターの役割は,議論を「進め

る」ことだけではありません。図9にあるよ

うに,議論には「進める」「戻る」「広げる」

「深める」「止まる」という5つの方向がある

からです。議論を「進める」のは,論点や発

言がある程度出つくしたと判断した場合。議

論を「戻る」のは,前に議論された論点に

戻って確認しなければ,次の論点に進められ

ない場合。議論を「広げる」のは,論点にヌ

ケモレがある場合。議論を「深める」のは,

論点が具体的でない場合。そして「議論」を

止めるのは,これ以上議論を続けられない論

点が明らかになった場合です。

 では,次のケースではどの方向にファシリ

テートすべきでしょうか?

Aさん「特に治療開始直後はイベント

(患者さんの状態の変化)が起こりや

すいので,1人フリーの(担当をつけ

ずに自由に動ける)スタッフをつくっ

て患者さん全員を観察できるようにし

ておいた方がいいと思います」

Bさん「そんな役割の人を設けたら治療

にかかわれるスタッフが少なくなる

じゃないですか! それで患者さんか

らクレームが来たらどうするんです

か?」

Cさん「ただでさえ治療を始めるのが遅

いってよく言われますからねぇ」

Dさん「いやいや,でも全員が治療に当

たっている時にイベントが起こったら

図8 論点思考と論点ズレ

論点ズレ

どうやったら今回の輸液ポンプの

設定ミスが防げる?誰がミスをしたの?

対策に関する意見であるべき

私はきちんと申し送りをしました

論点

主張

図9 議論の5つの方向づけ

深める

止まる戻る 進める

広げる

病院安全教育 Vol.3 No.1124

Page 5: ノンテクニカルスキルの データ (PDF) 院内教育 …ノンテクニカルスキルの 院内教育 研修に使える資料をWebに掲載中! 今回のお役立ちアイテムは,「ファシリテーション『さばき』の

どうするんですか? 患者さんも,自

分の身に何か起こるよりは,少しぐら

い待つ方がいいと考えると思いますよ」

Bさん「でも今まで,実際に重大なイベ

ントが起こって処置が必要になったこ

とはほとんどありませんよね」

Aさん「起こってからじゃ遅いでしょ。

そもそも起こらないようにするのが一

番ではないんですか?」

 この場合は,議論を「戻す」べきです。こ

のまま「フリーのスタッフをつくる」か「ク

レームを回避する」かを議論していても,意

思決定はできません。この場合は議論を戻

り,例えば「フリーのスタッフをつくり,か

つクレームを回避するためにはどうすればよ

いか」という新しい論点で議論し直すように

働きかけます。

●結論づける 議論を通じて何が意思決定されたのかを結

論づけていくのが最後の段階です。しかし,

よくあるのが,「会議で決まったことがいつ

までたっても実行されない」ということで

す。したがって,7W2Hの「実行プラン」を

つくります(図10)。特に「Who:誰が」

「What:何を」「When:いつまでに」の視

点は必ず押さえ,しっかり参加者全体で共有

しておく必要があります。

参考文献&ポイント学習ガイド・グロービス,吉田素文:ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ,東洋経済新報社,2014.

・佐藤和弘:はじめてのノンテクニカルスキル―図解シンプルな思考・伝達・議論・交渉・管理・教育の技術60,日総研出版,2014.

〈参考Webサイト〉MEDIPRO!:www.medi-pro.org佐 藤 和 弘SlideShare:http://www.slideshare.net/satokazuhiro1980

〈院内研修などの問い合わせ〉k.sato@medi-pro.org

今回のポイント

さばきの技術とは,「発言を引き出す」「発言を理解し共有する」「議論を方向づける」「結論づける」

発言は,オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを投げかけ,引き出す

論点思考で発言を理解・共有し,論点ズレを丁寧に解消する

議論には,「進める」「戻る」「広げる」「深める」「止まる」の5つの方向づけがある

実行プラン(7W2H)を押さえ,結論づける

図10 実行プラン(7W2H)

Who

What

When

Why

Where

with Whom

to Whom

How

How much

誰が責任者か

何をするのか

いつまでにやるのか

なぜそれをするのか

どこでやるのか

誰と一緒にやるのか

誰に最終的に報告するのか

どうやってやるのか

いくらコストをかけてやるのか

グロービス,田久保善彦:社内を動かす力 結果を出す人だけが知っている4つのプロセス,ダイヤモンド社,2011.を改変

止まる

病院安全教育 Vol.3 No.1 125