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コレクティブ・インパクト

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Page 1: コレクティブ・インパクト

PubliCo 代表取締役 CEO

長浜 洋二Yoji Nagahama

コレクティブ・インパクト

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コレクティブ・インパクトとは?02異なるセクターにおける様々な主体

(行政、企業、 NPO、財団など)が、共通のゴールを掲げ、お互いの強みを出し合いながら社会課題の解決を目指すアプローチ

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インパクトの種類03

<概要>単独の組織が、個別に特定の社会課題の解決に取り組むアプローチ。<特徴>単純な社会課題は一組織によって解決が可能であるが、現代の複雑化・相互依存化した社会においては、単独の組織や個人による取り組みだけでは限界がある。

<概要>異なるセクターの様々な主体が、共通のゴールを掲げ、特定の社会課題の解決に取り組むアプローチ。<特徴>社会課題の根本解決に向けて経営資源を集中的に投下するため、時間はかかるが、大規模な社会変革を起こすことができる。

孤立したインパクト(Isolated Impact )

集合的インパクト(Collective Impact)

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連携のバリエーション04

同じ社会課題に対して支援を行う資金提供者による連携。一般的には、共通の行動計画や評価指標を持たず、他のセクターを巻き込むこともしない。

同じ社会課題に対して異なるセクターの利害関係者が行う自発的な取り組み。一般的には、創出する結果に対して共通の評価指標や支援インフラを持っていないことが多い。個人や組織が公式であれ非公式であれ、目的を持ちながら流動的に繋がること。持続的で構造的な取り組みではなく、情報共有や短期的な行動が行われることが多い。特定の社会課題を解決するための共通のゴールに向け、異なるセクターの主体による長期のコミットメント。共通の評価指標や相互に補強しあう活動、継続的なコミュニケーション、独立した活動を支える組織によりサポートされる。

資金提供者の連携(Funder Collaboratives)

特定のサービス提供に向けて、行政と民間セクターが連携すること。例えば、特定の病気に対する医薬品の開発など、提携の範囲が狭く、医薬品配給システムなどの広範囲にわたる利害関係者の巻き込みは行われない。官民連携

(Public-Private Partnerships)

マルチステークホルダー(Multi-Stakeholder Initiatives)

ソーシャルセクターネットワーク(Social Sector Networks)

コレクティブインパクト(Collective Impact Initiatives)

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コレクティブインパクトの 5 つの条件05

  共通のアジェンダ

  共有された  評価システム

  相互強化の取り組み

  継続的な  コミュニケーション

2

4

1

3

  取り組みを  支える組織5

データ収集と効果測定により、取り組みを評価するシステムを共有していること

全ての参加者が変革に向けたビジョンを共有していること

参加者個々の強みを活かし、取り組みを相互に補完し合えること信頼形成に向け継続的かつオープンなコミュニケーションが行われていること取り組み全体をサポートする独立した組織体があること

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事例~ Strive Together ~

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事例: STRIVE TOGETHER07

2006年に米国シンシナティとケンタッキー北部の 300人以上のコミュニティ・リーダーにより開始された若者 / 子どもの教育課題を解決するための取り組み。課題を根本的に解決するためには、全てのライフステージに関わる団体が協力する必要があるという考えのもとに設立。

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プロジェクトの参加者08

大学大学 連合

公立 学校

教職員連合NPO

財団

企業

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キャッチフレーズ09

ゆりかごから就職まで~ Cradle to Career ~

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プロジェクトの全体像010

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6 つの主要な成果指標011

指標 概要① 幼稚園での準備状況

Kindergarten Readiness文字や数字の認識、言語能力、共感、協力など、以後の学力や人間形成に必要となるスキルを習得する。

② 小学校低学年での読む力Early Grade Reading

“fourth grade slump”とも呼ばれ、この時期までに読む力を習得することが、以降の高校、大学などへの進学率や卒業率などにも影響を及ぼす。

③ 中学校の数学Middle Grade Math

この時期までに数学(特に代数)を習得することにより、幾何や三角法、微積分学の理解も高まるという統計データがあり、大学への進学にも有利。

④ 高校の卒業High School Graduation

大学への進学、高所得、個人の幸福にとっても重要な影響を及ぼす。高校中退者は失業率や貧困状態に陥る率も高い。

⑤ 中等教育後の入学Post-Secondary Enrollment

低所得家庭や有色人種は高等教育への進学率が低い。 4年生大学への入学のみならず、 2年生プログラムや技術的な専門性の保持を示す証書の取得も有益。

⑥中等教育後の学位取得Post-Secondary Degree Completion

2018年には高等教育を修了することが条件となる仕事が60%を占めるという調査結果もあり、高所得のためから最低条件。健康への関心度、子供への虐待などにも影響あり。

共有された 53 項目の教育上の成果目標・指標について意識を合わせ、進捗状況を確認するための定期的なデータ分析・共有のためのミーティングを隔週で実施。

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インパクト創出のための 4 つのポイント012

全ての参加者は、問題とその解決に向けた集団での取り組みについて共通理解を持つとともに、変革に向けたビジョンを共有する。

データに基づいた取り組みを継続的に行うために経営資源を使用し、かつ長期的な継続性を担保するためにコミュニティを巻き込む。

共有されたコミュニティのビジョンニーズの存在や若者に向けた課題解決策の効果を示すデータに基づいた意思決定を行う。根拠に基づく意思決定

共同作業

投資と持続性

コミュニティのメンバーは、成果の創出に向けたデータの活用のために共同作業を行う。

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成果:最初の 5 年間013

9% 11% 10%11% 10%Kindergarten

ReadinessHigh School Graduation College Enrollment

最初の 5年間で、共有された 53 項目の教育上の成果目標・指標のうち、以下を含む 40 項目で改善がみられた。

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成果:シンシナティでの実績014

9年間で、シンシナティおよびケンタッキー北部の 91 %の学生の成果指標が改善 幼稚園の準備状況が 75%に改善( 13%UP) シンシナティ公立学校の4年生の読む力が

76%に改善( 21 % UP)

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成果:ネットワークの拡がり015

『 StriveTogether Cradle to Career Network 』 のコミュニティ・パートナーが、全米 32 州、  69パートナー( 10,200団体以上)に拡大

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事例~ Shape Up Somerville ~

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事例: SHAPE UP SOMERVILLE017

■2003年には、全ての子どもの 44%が肥満■ 少数民族の間で肥満率が著しく高い   ※ブラジル、ハイチ、ヒスパニック、ネパール等■ 肥満の若者の 70%は、大人になっても  肥満になる可能性がある

ボストン州サマービル市における「肥満」を防ぐ取り組み

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プロジェクトの始まり018

タフツ大学栄養学部のクリスティーナ・エコノモス准教授を中心に、サマービル市、疾病対策センターが連携し、小学校低学年の子どもの肥満を防止するために 3年の調査を実施 肥満に関するデータを収集するとともに、フォーカスグループ、インタビュー、コミュニティ集会などを開催してデータを共有し、もっとも効果的な解決策を模索するための情報を集め、パイロットプログラムを設計

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多様な切り口による施策の実施(例)019

食 事運 動

食事メニューに健康的なフルーツと野菜を増やす一方、アイスクリームなどの不健康な食べ物を廃止 放課後プログラムでの栄養教育と調理レッスンの実施 栄養と肥満に関するカウンセリングの向上とヘルスセンターでの医療データ管理 50人以上の臨床医と保健室の先生に対して、肥満の子どもに対応するためのツールキットを使用した教育を提供 40以上もの地元レストランでメニューに健康食を追加 低脂肪 / 高栄養値の食事メニューを提供するとサマービル市が認証付与 サマービル市運営のファーマーズ・マーケットの開催 17の公園を改装し、市の所有地を活用し 4つの公園を新設 学校の体育とジム設備の改善し、放課後プログラムで運動教育を実施 サマービル市で働く人にスポーツジムの会員割引を提供 自転車専用道と自動車の速度制限基準の設置 歩道の整備と横断歩道のペンキ塗り直し

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SHAPE UP SOMERVILLE の活動の様子020

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サマービル市認証のレストランとメニュー021

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サマービル市主催のファーマーズマーケット022

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ウォーキングマップ023

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取り組みの成果024

2003年から 2005年の期間、サマービルの子どもの平均体重が毎年 1ポンド減少(統計的に有意) 対応を施さないコントロール・グループでは、  逆に、 1ポンド増加

子どもの体重と肥満指数が大幅に減少

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コレクティブインパクトの 5 つの条件025

  共通のアジェンダ

  共有された  評価システム

  相互強化の取り組み

  継続的な  コミュニケーション

2

4

1

3

  取り組みを  支える組織5

当初は子どもの肥満防止がゴールであったが、サマービル市全ての住人、訪問者、同市で働く人にまで拡大。このことを関係者間で共有。「肥満指数」「エネルギー消費量」「体重」の 3つの評価指標を設定。学校や家庭での調査によりデータを収集。成功の成果は、科学誌やコミュニティにて公開・共有。関係者が相互に連携することにより様々な取り組みに派生。親のウォーキング促進プログラムの提供、市による歩行者通路と自転車専用道路の整備などを実施。特設サイトで進捗状況を活用しながら、定期的な関係者でミーティングを実施。メディア露出、月 1 回の新聞コラム( 2 万人)、 6 種類のニュースレター発行( 353団体)を実施。サマービル市が担当( 4人一組のチームで構成)。当初は大学や財団からの資金提供が主であったが、現在は同市(つまり税金)を充当して運営。

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  コミュニティに広く働きかける

3 つの教訓026

1

特に計画策定当初は“聴く”ことに徹する。親向けに異なる言語で複数回のフォーラムや地域イベントを通じたヒアリングを実施。またプロジェクト進捗状況をニュースレター等で継続的に広報する。  アカウンタビリティを強化する2

関係者の責任感やコミットメントを高めるために取り決めた内容を文書化(覚書や契約書)する。

  直接関心のない人との信頼関係をつくる3子どもの肥満以外のコミュニティの問題に対して可能な限り関わりを持つことが、当該プロジェクトに直接関心のない人からのサポート獲得に繋がる。

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その他の事例

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事例: CLOSED LOOP FUND028

リサイクルのためのインフラ投資を全米で促進■10社が各 1億ドルずつ拠出し 2013年に設立、四半期ごとに会合実施■米国の都市住民の 45%がいまだにゴミを埋め立て処理に回していた ⇒自治体は資源回収や選別施設、消費者啓発等への投資が困難<参加者>ウォルマート、 NGO、シティマネジャー、リサイクル業者、  消費財企業 30社、ゴールドマン・サックス等

成果

家庭資源ごみのリサイクル経験がなかったテネシー州メンフィスの全世帯では回収ボックスが設置され利用へ 10プロジェクトだけで、ごみの量を年間 80 万トン以上、

CO2排出量を 25 万トン以上削減し、数百人分の雇用創出の見通し ウォルマートにとっても、リサイクル素材が入手しやすくなりパッケージ費用が削減

施策 これまでに 10のプロジェクトに 8,000 万ドルを提供 自治体が監督する家庭資源ごみの回収から、民間業者による素材加工や製造など多岐にわたる

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事例: ELIZABETH RIVER PROJECT029

産廃物により汚染されたエリザベス河の浄化■1993年に設立され、 18の流域復旧ポイントを設定<参加者と役割分担>行政(チェサピーク市、ノーフォーク市、ポーツマス市、バージニアビーチ市)、 VA 州環境品質省、米環境保護庁、米海軍、地域企業、学校、コミュニティ団体、環境保護団体、大学等・市民の草の根運動の支援・汚染削減活動に自発的に参加する企業参加者の採用と評価フィードバック・科学的な調査の実施調整と結果の評価 など

成果・ 15年後、 1000 エーカー以上の流域が保全・復元・汚染が 215百万ポンド減少、発がん物質濃度が 6倍に減少・水質の改善により、 27 種類の魚と牡蠣が棲息・河岸にハゲ鷹が巣を作って棲息

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