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データジャーナリズムの最新動 JCEJ運営委員 赤倉優蔵 JCEJ×GLOCOM データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する

データジャーナリズムの最新動向 (2012年7月)

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2012年7月28日に実施したJCEJのワークショップ『JCEJ×GLOCOM データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する』で利用した資料。 [参考] http://d.hatena.ne.jp/jcej/20120802/1343919405

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データジャーナリズムの最新動向

JCEJ運営委員赤倉優蔵

JCEJ×GLOCOMデータジャーナリズム実践データから社会問題を発見する

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ニーズを生み出せ!使い倒せ!

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Who am I ?

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Agenda

0. データジャーナリズムとは?

1. データジャーナリズムの最新動向

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データジャーナリズムとは?

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WikiLeaks x Guardian

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Guardianの挑戦

• 2010年10月、WikiLeaksに投函された約40

万点のイラク戦争に関する米軍の機密文書からスクープを掘り出す

• 2010年11月、WikiLeaksに投函された約25

万点のアメリカ外交機密文書からスクープを掘り出す

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“データジャーナリズムに先鞭をつけた”

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The Data Journalism Handbook

http://datajournalismhandbook.org/

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The Data Journalism Handbook

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データジャーナリズムの現場

データジャーナリズムの事例

データジャーナリズムのノウハウ

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なぜ「データ」ジャーナリズムなのか

• あらゆる事象が<デジタル>データで表現・公開されるようになった

• 多くの人が<デジタル>データで表現された情報を利用するようになった

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<デジタル>データが偏在するようになった

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データジャーナリズムとは?

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データジャーナリズムは環境の変化に

ジャーナリズムが適応する手段

避けては通れない!!

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ジャーナリストの役割も変化

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<Before>いま起きていることを伝える

<After>いま起きていることに

どのような意味があるのかを伝える

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データジャーナリズムの最新動向

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最新動向を知るには?

• データジャーナリズムの特徴

– 新しい取り組み

– みな手さぐりで実践している

– とにかく変化が早い

• 優良な最新事例で学ぶのが良い

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データジャーナリズム・アワード(DJA)

• 世界各地で実施されているデータジャーナリズム・プロジェクトから優秀なプロジェクトを決めるデータジャーナリズムの祭典

• CNNやBBC、ル・モンドなど世界各地の報

道機関に所属する上級編集者らで構成される世界的な編集者ネットワーク「Global Editors Network(GEN)」が主催

• Googleがスポンサー2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 15

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DJA2012

• 第1回開催にも関わらず、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、メキシコ、フィリピン、ケニヤ、ウガンダなど世界各国の報道機関や、フリーランスのジャーナリストから300を超えるプロジェクトが集結

• 日本からは参加なし

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DJAの目的

• 優れた取り組みにスポットを当て、データジャーナリズムのレベル向上に貢献する

• ジャーナリストを刺激する

• 編集者やメディアの経営者にデータジャーナリズムの価値を知ってもらう

• ジャーナリスト、開発者、デザイナーなど、データジャーナリズムに関わる人たちの連携を促進する

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チームで取り組む

データジャーナリズムのポイント①

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“The Opportunity Gap” by ProPublica

• アメリカの地域ごとの「教育機会」を可視化するウェブサービス– フロリダは貧困層と富裕層とで教育機会にほとんど差はないが、カンザス、メリーランド、オクラホマはかなり大きな差がある

• 公開データを利用

• 利用者は自分が住んでいる地域の「教育機会」の平等性を確認できる

• 複数の新聞社がこのサービスを利用して関連記事を作成・配信

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ProPublicaの取り組み

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<編集者> <記者> <アナリスト> <エンジニア><エンジニア><編集者>

“The Opportunity Gap” プロジェクトチーム

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DJAのカテゴリ

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データ駆動調査報道部門– “DATA-DRIVEN INVESTIGATIONS”

– 「データに隠された事実の掘り出し」にスポット

データ可視化/ストーリーテリング部門– “DATA VISUALISATION AND STORYTELLING”

– 「分かり易さ」にスポット

データ駆動アプリケーション部門– “DATA-DRIVEN APPLICATIONS”

– 「ユーザインタラクション」にスポット

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DJA評価のポイント

• 単にデータを可視化しただけの独りよがりのプロジェクトはNG

• 「読者にとって分かり易いか」「読者が洞察を得る手助けができたか」など、読者目線が大きなポイント

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読者目線

データジャーナリズムのポイント②

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DJA2012受賞プロジェクト

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データ駆動調査報道部門

– 【広域】FBIにとってのテロリスト (米調査報道NPO)

– 【地域】ワシントン州のメタドン薬害禍 (米紙)

データ可視化/ストーリーテリング部門

– 【広域】ロンドン暴動”うわさ”の伝播状況 (英紙)

– 【地域】ノヴォシビルスク歩行者事故の発生状況 (露デ

ザイナ)

データ駆動アプリケーション部門

– 【広域】スイス議会動向監視アプリ (スイスNPO)

– 【地域】イリノイ州立学校情報提供アプリ (米紙)

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ワシントン州のメタドン薬害禍-概要-

• 英題“Methadone and the Politics of Pain”

• 米シアトルタイムスのスクープ

• ワシントン州が医療費を節減するため安価な一方で副作用の強い合成鎮痛剤「メタドン」を多用、貧困地域を中心に8年間で2000人以上が亡くなっていた事実を掘り起こし、最終的には政治を動かした

• 2012年のピューリッツアー賞も受賞

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• 2010年末、医療関係者から「メタドンの

副作用で死亡するケースが多い」とのタレこみ (端緒・テーマ設定)

• 公共機関が公開している複数のデータセット及び文書の調査を開始 (データ収集・分

析)

• 調査結果を元に100人以上の関係者へインタビューを実施 (裏取り)

• 調査結果を公開 (発表)

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ワシントン州のメタドン薬害禍-経緯-

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ノヴォシビルスク歩行者事故の発生状況

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スイス議会動向監視アプリ

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データジャーナリズムの方向性

• テクノロジーの取り込み

– メディア企業による優秀な技術者の採用

– Jスクールのプログラム変更 (テクノロジー重視)

– Googleが強力にバックアップ

• 読者の巻き込み

– インタラクションの実装

– リアクションの取り込み

– N次創作の促進

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データジャーナリズムを知る

• Web Sites

– [英語] Nieman Journalism Lab

– [英語] Knight Foundation

– GLOCOM / JCEJ

• Books

– [英語] The Data Journalism Handbook

– 『統計データはおもしろい!』

– 『ビューティフルビジュアライゼーション』

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データジャーナリズムはフロンティア

• 日本の大手メディアでの取組みは遅れている

– 体制が整っていない

– フリーツールのほとんどが英語のため?

• 多くのデータが公開されている

– 東日本大震災直後、海外の団体は日本の省庁が公開しているデータを活用していた (by 田中幹人氏)

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ブロガー、新興メディアにとってはチャンス!

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とにかくやってみる

データジャーナリズムのポイント③

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ポイントのまとめ

• チームで取り組む

• 読者目線

• とにかくやってみる

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やってみよう。