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1 青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン事業 実施方針(案) 平成22年10月 青森県・青森市

青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン事業 …...(1)青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウンの目指す方向性 現在、世界では、地球温暖化の進行等、地球規模の環境・エネルギー問題が深刻化していま

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青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン事業

実施方針(案)

平成22年10月

青森県・青森市

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目 次

はじめに ........1

1 実施方針の趣旨 ........3

2 対象敷地 ........3

3 まちづくりの方向性と目標、導入が想定される機能 ........4

4 実現に向けた役割分担 ........9

5 提案・公募について ........10

6 その他 ........12

(別紙 1)位置図 ........13

(別紙 2)都市計画図(平成 22 年 1 月現在) ........14

(附属資料)用語解説 ........15

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はじめに

● 現在、地球温暖化※1やエネルギー資源の枯渇など、地球規模の環境・エネルギー問題が顕在

化し、深刻化しています。自然の生態系や人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすこれらの問題

に対応し、持続可能な社会※2を実現するまちづくりが求められています。

● 地球環境問題は、経済社会活動、地域社会、日常生活全般に関わることから、国、地方公共団

体、事業者、国民といった全ての主体が参加・連携して取り組むことが必要であり、それぞれ

の立場に応じた役割を担うことが求められています。国においては、化石エネルギー※3に依

存した現在の社会から脱却し「低炭素社会※4づくり」を進める行動計画を打ち出すなど、社

会全体の低炭素化を進める取り組みが始まっています。

● 低炭素社会づくりに向けては、二酸化炭素排出量の改善を図ることが重要であり、都市や地域

の構造、交通システムの在り方など社会の仕組みの中で環境に対する配慮を構造的に組み込ん

だ都市レベルでの低炭素対策が求められています。

● 青森県では、平成 20 年 12 月に、2030 年における青森県の目指す姿を掲げた「青森県基本計

画未来への挑戦 ~情熱あふれるふるさと青森づくり~」を策定し、政策・施策体系及び取り

組みとして「次世代へつなぐ低炭素社会づくり」を掲げました。また、青森市は、平成 21 年

2 月に「青森市地域新エネルギー・省エネルギービジョン」を策定し、将来像として「恵み豊

かな自然とともに 活力を創造する 北国のエコシティ「Aomori」」を掲げ、低炭素社会づく

りへ地域を挙げて取り組みを強化してきました。

● 一方、青い森セントラルパークを含む青森操車場跡地地区は、平成 9年に策定した『青森操車

場跡地利用構想』において、「緑豊かな交流拠点」を利用コンセプトとし、緑の拠点や交通・

交流拠点、更には人や自然に優しい新しいまちづくりのモデル地区を目指し、長期的な展望の

下に、魅力あるまちづくりを進めることが期待されています。

● この『青森操車場跡地利用構想』のコンセプトを踏まえた上で、環境問題、高齢化そして雪等、

本県・本市の抱える諸課題に対応し、将来を見据えた本地区の有効利用を図るため、平成 22

年 4 月に、産学官そして市民が英知を結集し、「青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウ

ン構想」(以下、「構想」とします。)を策定しました。

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● 青森市の中心部に位置し周辺まで住環境が整備されている青い森セントラルパークでは、持続

可能な都市システムを構築しながら低炭素社会を形成していくため、産学官が連携し、環境負

荷※5が小さく、快適でかつコミュニティ※6あふれる未来型の低炭素型モデルタウンを確立さ

せたいと考えています。そして、青い森セントラルパークにおいて、誰もが「このような街に

住んでみたい」と思えるようなデモンストレーション効果※7を生み出す「未来型ライフスタ

イル」を実現させ、広く市民・県民にその良さを体感していただくとともに、環境やまちづく

りに関する意識改革を進めながら、周辺地区との連携による相乗効果により低炭素型モデルタ

ウンの取り組みを波及させていくことを目指しています。

● さらに、様々な課題を抱える国内、海外の都市に対しても、青い森セントラルパークで確立さ

せた低炭素型モデルタウンの成果を展開し、地球規模での環境問題や都市問題解決に貢献して

いくために、新エネルギーシステム等の実証実験、「人財」育成、起業支援等の各種取り組み

を行いながら、その成果を地元産業の振興につなげ、産業の高度化と雇用拡大を目指します。

● このような取り組みにより、青い森セントラルパークが世界から「未来の低炭素型まちづくり

モデルの先進地」として注目され、本県・本市の新しい魅力の一つとして、愛着と誇りをもて

るまちとなることを期待しています。

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1 実施方針の趣旨

青森県と青森市では、「青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン」の実現に向けて必要な

方策等、実施にあたっての基本的な考え方を実施方針として示すことと致しました。

この取り組みにおいて、民間事業者の技術とノウハウを最大限に活用したまちづくりを推進す

るため、低炭素型モデルタウン実現へ向けた事業計画を民間事業者等で構成する共同企業体(以

下、「コンソーシアム」とします。)から募り、世界に発信する低炭素型モデルタウンに相応しい

事業計画を選定し、「青森型都市モデル」として確立させたいと考えています。

2 対象敷地

対象敷地は、青森市の中心部に位置する青森操車場跡地のうち、現在、「青い森セントラルパー

ク」として、暫定的に「多目的芝生広場」及び「自由運動広場(駐車場含む)」に供されている区

域とします。

※位置図については、別紙1参照

(1)敷地面積 約 12.8ha(青森県所有:約 7.6ha 青森市所有:約 5.2ha)

事業実施に当たっては一体の土地とみなして検討することとします。

(2)対象敷地の状況

①対象敷地の北側にある鉄道資産は、現在東日本旅客鉄道株式会社の所有ですが、平成 22 年 12

月より青森県の資産となる予定です。

②上下水道、ガス、電気及び電話等のインフラは対象敷地の周辺まで整備されています。

※用途地域等については、別紙2参照

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3 まちづくりの方向性と目標、導入が想定される機能

(1)青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウンの目指す方向性 現在、世界では、地球温暖化の進行等、地球規模の環境・エネルギー問題が深刻化していま

す。特に、本県・本市では、冬期の暖房や自動車への高い依存により、化石燃料※8の使用量が

多い状況にある他、豪雪地帯でもあることにより、冬期の除雪等に多大な時間や費用を費やし

ており、雪が市民生活に与える負担は大きいものとなっています。更に、超高齢社会※9への対

応、市街地での防災空間の確保、地域の結びつきを強めるコミュニティの再生など、様々な課

題を抱えています。

これらの課題を解決し、青森型の持続可能なまちを形成するため、雪に強く環境負荷が小さい

誰もが将来も安心して快適に生活できる先導的な街区形成を図るとともに、人と環境に優しい

交通システムの構築を図ります。更に、普段は地域住民の憩いの場として機能し、災害時には

避難場所としても利用できる緑の空間を確保することにより、交流機会の拡大や防災性の向上

を図りながら環境やまちづくりに関する意識改革を進め、今後の周辺へのまちづくりに生かせ

るモデルタウンとなることを目指しています。

このモデルタウンでは、低炭素化された住居系施設や生活利便施設等の都市機能に対して、

街区全体でのパッシブデザイン※10の導入やエネルギー利用の最適化につながるエネルギーマ

ネジメント※11システム等の導入を図ることにより、高い環境性を備えた街区を形成します。ま

た、大学等の研究機関により、地域特性に応じた次世代型のエネルギーシステム等に関する最

先端の実証研究を街区全体で継続的に実施し、その成果を日々の暮らしの低炭素化に活かす新

たなライフスタイルの確立を図ります。

また、雪に強く、人と環境に優しい交通システムを構築することで、冬期の安定した移動手

段の確保や高齢者等のモビリティ※12向上を目指していくほか、公共交通機関の利用促進により

自家用自動車への依存を減らすことで、移動に係る二酸化炭素を削減し、低炭素型モデルタウ

ンにふさわしい交通拠点の形成を目指します。

更に、防災面や景観面、レクリエーションや憩いの場としての機能も果たす、誰にでも親し

みやすく健康づくりにもつながる公園の配置を進めながら、コミュニティの再生と、良好な街

並み景観や緑豊かな都市環境の創出を図るとともに、南北市街地の一体感や連続性を創出する

交流の拠点としての役割強化も目指していきます。そして、子どもから高齢者まで快適で活力

にあふれた低炭素型ライフスタイルを、地域のコミュニティ主体で維持向上させていく体制づ

くりを目指します。

このように、青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウンでは、多世代が安心して居住、

交流できる未来につながる環境都市を目指し、青森の新しい魅力として発信していきます。

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(2)まちづくりの目標

家庭でのゼロカーボン※13実現に向け再生可能エネルギー※14等を活用した低炭素型住宅の導入

を図るとともに、街区においてエネルギー融通※15等に一体的に取り組むことで、未来のまちづく

りのモデルとなるような、タウン全体でのゼロカーボン化を目指します。また、鉄道やバスを始

めとする公共交通機関の利用促進等による人と環境に優しい交通システムの構築や青森ならでは

の低炭素社会実現に向けた先進的技術に関する実証研究の推進により、ゼロカーボンタウンに向

けた青森型都市モデルを世界に発信していきます。

再生可能エネルギーを利用した克雪や雪かき等の住民負担を軽減する街区の工夫などにより、

雪と共生する街区の形成や冬でも歩きやすいみちづくりを実現します。また、冬でも人とふれあ

える交流空間を創出することで、雪と親しみながら冬を楽しめる、青森発の北国モデルタウンと

して他地域に発信していきます。

現在も市民に親しまれている緑を生かしつつ、青い森に包まれた緑豊かな交流拠点を形成し、

多世代の人々が集い、ふれあう場を目指します。また、低炭素社会に向けた情報発信拠点として

未来のエコライフが体感・学習できる機会を創出することで、人と緑と未来にふれあう交流のま

ちを実現します。

世界に発信するモデルタウンにふさわしい最先端の技術の開発や実用化に資する先進的な研究、

青森の地域特性を考慮した実証実験等を大学等の研究機関や民間企業が連携して実施することで、

住みよいまちづくりにつなげます。また、大学等の情報発信機能を生かした成果の普及を図り、

新産業や新たなライフスタイルを創出します。

誰もが安心して快適に過ごすことの出来るまちとして、ユニバーサルデザイン※16に配慮した住

環境の整備やコミュニティの形成による交流機会の創出等により、高齢者をはじめとして誰もが

健康で元気に活き活きと暮らせるまちを実現します。

目標 1 世界に発信するゼロカーボンタウン

目標 4 大学等の研究機関と連携した新たなライフスタイルの創出

目標 2 雪と共生する快適な青森発北国モデルタウン

目標 3 人と緑と未来にふれあう交流のまち

目標 5 誰もが健康で元気と活力にあふれたまち

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住民が快適な住環境・生活環境の形成に携わることで、自らの手で地域の価値を高めることが

可能となるエリアマネジメント※17を実施するとともに、低炭素社会実現に向け、二酸化炭素削減

効果の検証といった、住民、事業者、大学、そして行政等の多様な主体が協働するマネジメント

についても実施します。また、マネジメントを継続的かつ円滑に進めるため、持続的管理体制の

確立を目指します。

緑のネットワークと調和した街並みの形成により、心の豊かさや快適さを感じることのできる

ような、まち全体での統一感のある魅力的な街並み景観の形成や緑あふれる都市空間の創出を実

現します。また、まちの質を高め、将来にわたり住民が主体となって良好な景観を維持していく

ための仕組みや体制の構築を目指します。

目標 6 エリアマネジメントの実施

目標 7 人にやさしく魅力あふれる景観形成

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(3)青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウンに導入が想定される機能

青い森セントラルパークの目指す方向性を踏まえ、まちづくりの目標を達成するために必要

な街区の形成及び街区における取り組みの内容を以下のとおり想定しています。

以下のような都市機能の導入を想定しています。

その中で、環境に配慮した先導的な街区として、パッシブデザイン等の自然環境を活用した

街並みや、緑と建物の融合した魅力的な景観の形成など、一体的な街区の形成を行うことによ

り、低炭素社会の実現に向けたモデルタウンの形成を目指します。加えて、再生可能エネルギ

ー等による融雪施設の導入を始めとした、雪と共生する街区の形成やユニバーサルデザインに

配慮した住環境の整備を図ることにより、高い環境性と居住性を兼ね備えた、青森発の北国モ

デルタウンとして発信できる街区環境の構築を想定しています。

更に、研究・交流施設が身近にあるまちの形成により、産学官が連携した多世代の交流の場

として、一歩先の未来に触れられる機会を創出し、新しいライフスタイルの定着に結びつく街

区となることを想定しています。

① 住宅街区関連施設

・再生可能エネルギー等を利用した低炭素型住宅

・地域住民の健康で豊かな生活環境を支える生活利便施設

・一年中快適に安心して利用できるゆとりある街区内道路

・憩いの場や雪捨て場として機能する街区内公園

・大学等の研究機関と連携した街区内のエネルギーの共用化、見える化に関する設備

② 研究・交流関連施設

・大学と民間企業が連携可能な研究施設及び産業育成機能を有する施設

・情報発信や環境教育の場として交流できる施設

・街区のエネルギーマネジメントを行う施設

③ 交通関連施設

・公共交通の利用促進に寄与する駅、交通広場等の交通結節施設

・環境に配慮した先導的な交通手段への転換を促す施設

・他地区との交流及び周辺住民の利便性に寄与する幹線街路、南北連絡通路

④ 公園・緑地

・一年を通して多世代が交流できる防災機能を備えた緑の拠点として機能する公園

(概ね 5ha 以上のまとまった公園)

ア 街区の形成

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街区環境をフィールドとして、以下のような取り組みを想定しています。

将来にわたって高い環境性と居住性を備えた低炭素型都市のモデルであり続けるための取り

組みとして、街区全体でのエネルギー利用効率を高めるエネルギーマネジメントを継続的に行

うほか、積雪寒冷地である青森ならではの研究や先進的な技術に関する研究を行い、その成果

を日々の暮らしにフィードバック※18させることで、先進的なライフスタイルの定着につなげる

ことを想定しています。

また、地域社会の持続可能な発展に向け、地域の課題を解決し、地域の価値や魅力を高める

ための仕組みとして、モデルタウンに関わる各主体が協働して街区の管理運営に関わることで、

自らの手で魅力あふれるまちに育てることのできる体制の構築を想定しています。

更に、一年を通して様々な人が集い、楽しむ場や環境について学ぶことのできる場として機

能し、豊かな地域社会の形成を図るために、交流促進に関する取り組みを想定しています。

① 実証研究

・街区内でのエネルギー利用の最適化につながるエネルギーマネジメント

・再生可能エネルギーの街区における活用に関する研究

・人と環境に優しい交通システムに関する研究

・産学連携した新産業の創出や地元企業の育成につながる取り組み

・新しいライフスタイルの確立につながる仕組みづくり

② まちの管理運営

・持続可能なまちの形成に向けたエリアマネジメント体制の構築

・エリアマネジメント体制の円滑な実施による街区の管理運営

③ 交流促進

・環境教育活動などによる、環境意識を高め、交流を促進する取り組み

・研究成果の公開・発信を基にして新たな交流を生み出す取り組み

・誰もが活き活きと暮らせるコミュニティや生活環境づくり

・超高齢社会に対応した健康に関する取り組み

イ 街区における取り組み

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4 実現に向けた役割分担

青い森セントラルパークでは、民間事業者の技術とノウハウを最大限に活用し、産学官の連携

により低炭素型モデルタウンの実現を目指しています。

青森県と青森市(以下、「行政機関」とします。)は、民間事業者等との協議を踏まえ、交通結

節施設や公園等の基幹的な公共施設について整備するとともに、低炭素型モデルタウンの実現に

向け、民間事業者や大学等の研究機関などと協働して、継続的に取り組みを行う環境を構築して

いきます。

民間事業者は、対象敷地全体の計画、開発から運営管理に至るまでトータルコーディネートし、

必要な土地を購入した上で、行政機関との協議を踏まえ、事業計画に基づき主体的に取り組むこ

ととし、本実施方針の目標達成に向けたまちづくりを実践することとします。

大学等の研究機関は、エネルギーマネジメント等の低炭素社会実現に向けた先進的な実証実験

や研究に継続的に取り組むこととし、また、自らの研究活動以外にも、モデルタウンに関わる主

体の一つとして、他の主体との連携・協力を行うことを想定しています。更に、環境教育活動等

による地域住民の環境意識の向上及び人材育成に努めることや、情報発信拠点としての機能を発

揮することで、セントラルパークで得られた成果の波及・普及を目指すこととします。

このようにして、各主体が協働して、青い森セントラルパークにおいて、世界に発信する低炭

素型モデルタウンをつくり上げていきたいと考えています。

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5 提案・公募について

本事業において行政機関は、応募のあった事業計画について有識者等で構成する審査委員会を

設置し、審査委員会による選定結果を踏まえ、優先交渉権者を決定します。その後、優先交渉権

者及び関係機関とともに詳細について協議し、実施方針に沿ったまちづくりを推進します。協議

が整ったときは、当該優先交渉権者を開発事業者として決定し、モデルタウンの実現に向け協働

で取り組むこととします。

(1)提案主体

複数の民間事業者等により構成されたコンソーシアムを想定しています。

(2)提案を求める事項

対象敷地において、「3(3)青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウンに導入が想定さ

れる機能」に掲げた内容を満たす具体的な事業計画を求めます。また、街区の形成に係る施設

等の配置に関して、行政機関が整備する施設も含めた総合的かつ一体的なゾーニング※19を求め

ます。

詳細は、募集要項において示します。

(3)公募方式

コンソーシアムを組織しやすい環境を提供するため、実践したい分野等を含めた事業者の情

報を本公募に先駆けて登録し、登録者の情報を公開することで登録者間の自由な交渉によるコ

ンソーシアムの形成を促す「事前エントリー」段階と、形成したコンソーシアム単位毎に事業

計画を求める「本公募」段階の 2 段階方式の公募とします。

開発に参画したい民間事業者等は、取り組みたい業務の分野ごとにエントリーしていただき

ます。エントリーの分野については、一例として以下のとおり想定しています。なお、複数の

分野への登録を妨げるものではありません。

エントリー方法や応募要件等の詳細については、事前エントリー募集要項公表時に示します。

① エントリー分野

・開発・コーディネート分野

対象敷地全体のデザイン、施設等の整備、維持管理関連の業務を担う能力を備え、構想

及び本実施方針に合致したまちづくりを実践する者が登録する分野。

・研究に関する分野

先進的技術に関する研究や、積雪寒冷地である青森特有の気象条件下での実証実験の実

施を希望する者のほか、エネルギーシステム関連での参画を考えている者が登録する分野。

ア 事前エントリーの概要

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・都市機能分野

低炭素型住宅や生活利便施設等の都市機能の一部を提供する者が登録する分野。なお、

整備された施設へテナントとして入居することを想定しているものは除く。

・コンサルティング分野

青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウンの実現へ向けたコンサルティング※20業

務、金融関係業務等の取り組みを実施する者が登録する分野。

② エントリー登録内容等の開示について

・登録した事業者については、エントリー手続き終了後、随時開示します。

・情報収集やコンソーシアム編成のためのエントリー登録者間の交渉に関しては、特に制約

を設けません。

① 応募資格要件について

以下のとおりの応募資格要件を予定しています。なお、詳細については、本公募募集要項

公表時に示します。

・応募者は、対象敷地において「3(3)青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウンに

導入が想定される機能」を整備し、遂行できる、企画力、技術力及び経営能力を有する複

数の民間事業者等により構成されたコンソーシアムであることとします。なお、事業実施

段階において、コンソーシアムが SPC(特定目的会社)※21等の事業法人を設立することを

妨げません。

・コンソーシアムには、エントリー済の民間事業者が1社以上含まれ、かつコンソーシアム

の代表者は、エントリー登録者であることとします。

・事業計画で示された先進的な技術や産業が、産業振興や地域経済への貢献に結びつくこと

を期待することから、地元企業の参加を必須とするものとします。

② 開発事業者の決定までの手続きについて

以下のとおりの手続きを予定しています。なお、詳細については、本公募募集要項公表時

に示します。

・事業計画の審査については、行政機関により設置された有識者等で構成する審査委員会で

行うこととし、行政機関は審査委員会における選定結果を踏まえ、優先交渉権者を決定し

ます。

・行政機関は、優先交渉権者と土地の売買条件等の詳細に関し、協議を行います。

・行政機関と優先交渉権者との協議が整ったときは、当該優先交渉権者を開発事業者に決定

します。

イ 本公募の概要

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③ 審査基準について

審査基準の詳細については募集要項公表時に示しますが、主な審査項目として以下の内容

を想定しています。

a 経営状況の資格審査

青い森セントラルパーク低炭素モデルタウンの事業執行にあたり、コンソーシアムの代

表者が、資力、信用力、財務体力等における基準を満たしているか審査します。

b 資格要件の審査

応募者の構成員が、募集要項で定める資格要件を満たしているか審査します。

c 基本的条件の適合審査

募集要項で定める基本的な条件を満たしているかを審査します。

d 提案内容の審査

主な審査項目として、最先端の実証実験を実施し、まちの全体としての低炭素化が十分

に図られる内容となっているか、本県・本市での日々の暮らしにおける課題の解決に資す

る取り組みが十分に含まれまちづくりのモデルとなり得る内容となっているか、各種取り

組みによる地元産業への波及効果が十分なものであるか、等を想定しています。

(4)事業スケジュール

以下のとおり予定しています。なお、今後、変更する場合があります。

① 事前エントリー・本公募募集要項公表 平成 22 年 11 月下旬

② 事前エントリー期間 平成 22 年 11 月下旬~12 月下旬

③ 公募期間(提案受付) 平成 23 年2月上旬~2月中旬

④ 審査・優先交渉権者決定 平成 23 年2月下旬~3月下旬

⑤ 契約・事業着手 平成 23 年度

6 その他

(1)担当部署 青森県県土整備部都市計画課・青森市都市整備部住宅まちづくり課

(2)担当部署連絡先

青森県県土整備部都市計画課

〒030-8570 青森県青森市長島1丁目1番1号

TEL 017-734-9681 / FAX 017-734-8196

青森市都市整備部住宅まちづくり課

〒030-8555 青森県青森市中央1丁目 22 番5号

TEL 017-734-5576 / FAX 017-734-5568

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(別紙 1) 位置図

青い森セントラルパーク(12.8ha)

青い森セントラルパーク

■県民福祉プラザ

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(別紙 2) 都市計画図(平成 22 年1月現在)

青い森セントラルパーク

(1)所在

青森県青森市大字浦町字橋本他

(2)用途地域等

用 途 地 域:準工業地域

特 別 用 途 地 区:大規模集客施設制限地区

下記の建築は禁じられています。

劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場又は店舗、

飲食店、展示場、遊技場、勝馬投票券発売所、

場外車券売場その他これらに類するもの (劇

場、映画館、演芸場又は観覧場の用途に供する

部分にあっては、客席の部分に限る) であって

床面積の合計が一万平方メートルを超えるも

建 ぺ い 率:60%

容 積 率:200%

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(附属資料)用語解説

※1 地球温暖化:

二酸化炭素、メタンなどの温室効果ガスの排出量増大により、地表の平均温度が上昇すること。

気温、海面水位、降水量などばかりでなく、陸上および海洋生態系、水資源、農業生産など、社

会・経済的にも多くの影響が懸念される。(社団法人日本エネルギー学会編『エネルギー・環境

キーワード辞典』2005 年)

※2 持続可能な社会:

限りある地球環境と経済社会の発展を調和させ、世代内と世代間の公平を確保し、将来世代の

発展の可能性を損なうことなく、現世代の要求を満たす社会。(国立国会図書館「平成 21 年度 国

際政策セミナー報告書 持続可能な社会の構築」2010 年2月)

※3 化石エネルギー:

石炭、石油、天然ガスなどの各種有機天然資源。(社団法人日本エネルギー学会編『エネルギ

ー・環境キーワード辞典』2005 年)

※4 低炭素社会:

地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を、現状の産業構造やライフスタイルを変えること

で低く抑えた社会。化石燃料使用量の削減、高効率エネルギーの開発、エネルギー消費の削減、

資源の有効利用などによって実現を目指す。(「デジタル大辞泉」2010 年8月末日現在)

※5 環境負荷:

人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあ

るもの。環境負荷の中にはオゾン層破壊、大気汚染、水質汚濁、固形廃棄物などの広い範囲が含

まれる。(「環境基本法(平成5年 11 月 19 日法律第 91 号)」)

※6 コミュニティ:

居住地域を同じくし、利害をともにする共同社会。町村・都市・地方など、生産・自治・風俗・

習慣などで深い結びつきをもつ共同体。(「デジタル大辞泉」2010 年8月末日現在)

※7 デモンストレーション効果:

個人の生活様式や消費行動が、自己の所得水準だけでなく、周囲の人々の生活様式や消費行動

の変化によって影響を受けること。(「デジタル大辞泉」2010 年8月末日現在)

※8 化石燃料:

石油、石炭、天然ガスなどの総称。古代地質時代の動植物遺骸が化石化し、燃料となったとさ

れる。(社団法人日本エネルギー学会編『エネルギー・環境キーワード辞典』2005 年)

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※9 超高齢社会:

総人口に占める 65 歳以上の人の割合(高齢化率)が 21%を超えた社会のこと。7%以上 14%

未満だと、「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」と呼ぶ。(総務省統計局「なるほど統計

学園 統計用語辞典」Web サイト:http://www.stat.go.jp/naruhodo/c2dic_a.htm)

※10 パッシブデザイン:

建築の設計手法の一。特別な機械装置を使わずに、建物の構造や材料などの工夫によって熱

や空気の流れを制御し、快適な室内環境をつくりだす手法。(「大辞林」第二版)

※11 エネルギーマネジメント:

エネルギー消費の合理化、効率化を進めるため、産業、家庭、商業、交通などの全部門にわ

たり省エネルギーを進めること。(社団法人日本エネルギー学会編『エネルギー・環境キーワ

ード辞典』2005 年)

※12 モビリティ:

移動のし易さを意味する。渋滞や環境、あるいは個人の健康の問題に配慮して、過度に自動

車に頼る状態から公共交通システムの充実により、住民のモビリティの確保が、住民一人一人

の社会参加の機会を増やし、安心で活き活きとした社会の形成のために重要とされている。(国

土交通省政策統括官付参事官室「地域のモビリティ確保の知恵袋-モビリティは地域の元気の

源-」)

※13 ゼロカーボン:

二酸化炭素の排出がない(ゼロ)のこと。(「大辞林」第二版)

※14 再生可能エネルギー:

自然の営みから半永久的に得られ、継続して利用できるエネルギー。有限でいずれ枯渇する

化石燃料などと違い、自然の活動によってエネルギー源が絶えず再生、供給され、地球環境へ

の負荷が少ない。新エネルギー(中小水力・地熱・太陽光・太陽熱・風力・雪氷熱・温度差・

バイオマスなど)、大規模水力、および波力・海洋温度差熱などのエネルギーをさす。温室効

果ガスを排出することなくエネルギーを得られるため、地球温暖化対策の一つとしても重要視

されている。エネルギー変換効率、コスト、需給バランスなどの問題点が残されているが、国

際的な環境交渉の場において、温室効果ガス削減の一端を担うものとして、各国で導入目標の

策定や利用促進に向けての取り組みが進められている。自然エネルギー。(「デジタル大辞泉」

2010 年8月末日現在)

※15 エネルギー融通:

異なる建物及び施設等でエネルギーを融通し合うこと。(経済産業省資源エネルギー庁「エ

ネルギーに関する年次報告書(エネルギー白書)2010」)

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※16 ユニバーサルデザイン:

障害者・高齢者・健常者の区別なしに、すべての人が使いやすいように製品・建物・環境な

どをデザインすること。1974 年、アメリカのメースによって提唱された概念。(「大辞林」第

二版)

※17 エリアマネジメント:

地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等

による主体的な取り組み。(国土交通省土地・水資源局「エリアマネジメント推進マニュアル」

平成 20 年3月)

※18 フィードバック:

行動のプロセスや成果について情報を提供すること。(「デジタル大辞泉」2010 年8月末日現

在)

※19 ゾーニング:

各地域を用途別に区画すること。(「デジタル大辞泉」2010 年8月末日現在)

※20 コンサルティング:

専門家の立場から相談にのったり指導したりすること。また、企画・立案を手伝うこと。(「デ

ジタル大辞泉」2010 年8月末日現在)

※21 SPC(特定目的会社):

資産の流動化に関する法律に基づいて設立される会社で、特定の事業を行うために設立され

た事業会社のこと。(「デジタル大辞泉」2010 年8月末日現在)